JPH10120720A - プロピレンの連続重合方法 - Google Patents

プロピレンの連続重合方法

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JPH10120720A
JPH10120720A JP27213396A JP27213396A JPH10120720A JP H10120720 A JPH10120720 A JP H10120720A JP 27213396 A JP27213396 A JP 27213396A JP 27213396 A JP27213396 A JP 27213396A JP H10120720 A JPH10120720 A JP H10120720A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続予備重合を用いたプロピレンの連続重合方
法において、触媒活性及び立体規則性の向上により製品
品質の改善をするとともに重合パウダーの微粉の低減、
モルフォロジーの改良を行い、運転安定性を向上させる
プロピレンの連続重合方法を提供する。 【解決手段】マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須
成分とする固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合
物(B)と電子供与性化合物(C)からなる触媒の存在
下でプロピレンを連続重合するにあたり、溶媒に溶解さ
せたプロピレンの存在下、固体触媒成分(A)と有機ア
ルミニウム化合物(B)を接触させ、60℃以下の温度
及び1〜90分の平均滞留時間となる条件下で予備重合
を行い、供給される固体触媒成分(A)1g当たり0.
3〜30gとなる量のプロピレン予備重合触媒を形成
し、これを溶媒及び未反応のプロピレンと共に0.1m
/秒以上の平均流速で本重合器に連続的に供給すること
を特徴とするプロピレンの連続重合方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレンの
製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、予備重
合触媒を本重合器に連続的に供給するプロピレンの連続
重合方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンの工業的製法として、近
年では後処理工程が簡単であるところから、プロピレン
自身を溶媒とするバルク重合や気相重合を用いた連続重
合法が多用されている。これらの連続重合法において
は、製品品質を良好に保つことは勿論であるが、重合器
や後処理工程でのトラブルを防止するために生成パウダ
ーのモルフォロジーを良好に保ち、塊状物や微粉を発生
させないことが重要な課題となっており、触媒やその供
給方法の改良が行なわれてきている。
【0003】プロピレン重合用触媒については、従来用
いられてきた種々の三塩化チタン触媒から、より高活性
で、後処理工程での脱灰処理も不要な、マグネシウム、
チタン、ハロゲン及び電子供与性化合物を主成分とする
固体触媒成分、すなわち担持型高活性触媒に置き換わり
つつある。しかし、この高活性触媒をそのままバルク重
合や気相重合の連続重合に適用すると重合体粒子の破壊
が生じ、パウダーモルフォロジーの悪い、微粉の多いポ
リマーを生成する。パウダーモルフォロジーの悪さは重
合系や下流系での運転の不安定さにつながる。
【0004】そこで、パウダーモルフォロジーの悪化、
微粉の多さを改良する目的で、触媒を本重合に供用する
前に少量のオレフィンを重合させる、いわゆる予備重合
の検討が種々行なわれてきている。例えば、特開昭53
−30681号公報等には、予備重合操作をバッチ操作
で行なって、その予備重合触媒を一旦貯蔵した後に本重
合で使用する方法が開示されているが、予備重合操作終
了後長時間を経た後で使用しているので、触媒活性、立
体規則性ともに不十分なものである。また、特開昭61
−66705号公報には、連続的に予備重合を行なう方
法が開示されている。微粉低減や成形したフィルムのフ
ィッシュアイ低減に効果があるとのことであるが、固体
触媒成分と有機アルミニウム化合物を接触させた後、プ
ロピレンに接触させる等の操作をおこなっており、触媒
活性や立体規則性等はまだ不十分なものである。また、
予備重合量が多く、予備重合触媒の供給管の詰まりの解
消やフィッシュアイ低減の効果も不十分なものである。
【0005】また一方、予備重合操作を連続的に行なう
際には、触媒供給管に詰まりを生じやすい等の技術的に
も困難な面があり、その実行方法は種々の制限を受け、
これまでの技術も狭い条件での検討しか行われてきてい
ない。以上のように、触媒活性、立体規則性といった触
媒の基本的な性能を最大限に引出し、製品品質、パウダ
ーモルフォロジーを良好な状態に保ちながら、かつ運転
安定性、経済性をすべて満足させる技術は提案されてい
ないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、バッチ操作
で行うよりも高生産性である連続予備重合を用いたプロ
ピレンの連続重合方法において、触媒活性及び立体規則
性の向上による製品品質の改善をするとともに重合パウ
ダーの微粉の低減、モルフォロジーの改良を行い、運転
安定性を向上させたプロピレンの連続重合方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意検討した結果、溶媒に溶解させたプロピレンの
存在下、固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物
(B)を接触させ、以下に示す特定の条件下で連続予備
重合することにより目的を達成できることを見出し、本
発明を完成した。 (1)マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分と
する固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物
(B)と電子供与性化合物(C)からなる触媒の存在下
でプロピレンを連続重合するにあたり、溶媒(D)に溶
解させたプロピレンの存在下、固体触媒成分(A)と有
機アルミニウム化合物(B)を接触させ、60℃以下の
温度及び1〜90分の平均滞留時間となる条件下で予備
重合を行い、供給される固体触媒成分(A)1g当たり
0.3〜30gとなる量のプロピレン予備重合触媒を形
成し、これを溶媒及び未反応のプロピレンと共に0.1
m/秒以上の平均流速で本重合器に連続的に供給するこ
とを特徴とするプロピレンの連続重合方法。 (2)予備重合時に電子供与性化合物(C)を添加する
上記(1)に記載のプロピレンの連続重合方法。 (3)溶媒が炭素数3〜10のパラフィン系炭化水素化
合物である上記(1)又は(2)に記載のプロピレンの
連続重合方法。 (4)プロピレン予備重合触媒の量が固体触媒成分
(A)1g当たり0.3〜8gである上記(1)〜
(3)のいずれかに記載のプロピレンの連続重合方法。 (5)L/D(長さ/内径)が5〜50である横置き管
型攪拌槽からなる予備重合器を用いて、押し出し流れ性
を示すt/τが0.5〜2.0の範囲にある触媒粒子が
60重量%以上(ここで、t=触媒粒子の滞留時間、τ
=触媒粒子の平均滞留時間)となるような条件で予備重
合を行う上記(1)〜(4)のいずれかに記載のプロピ
レンの連続重合方法。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明はマグネシウム、チタン及
びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分(A)と有機
アルミニウム化合物(B)と電子供与性化合物(C)か
らなる触媒の存在下でプロピレンを連続重合するにあた
り、溶媒(D)に溶解させたプロピレンの存在下、固体
触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)を接触
させ、60℃以下の温度、1〜90分の平均滞留時間と
いう条件下で予備重合を行い、供給された固体触媒成分
(A)1g当たり0.3〜30gとなるプロピレン予備
重合触媒を形成し、これを溶媒及び未反応のプロピレン
と共に0.1m/秒以上の平均流速で本重合器に連続的
に供給することを特徴とするプロピレンの連続重合方法
である。
【0009】ここで、重合器に連続的に供給するとは、
バッチ操作と対比して連続的という意味であって、往復
動ポンプや間欠作動の触媒供給器等により間欠動作間隔
が20分以内で連続的に供給されているものも含めて、
連続的に供給するという。上記のマグネシウム、チタン
及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分(A)とし
ては、これらを必須成分とするプロピレン重合用の固体
触媒であれば特に制限されないが、代表例について以下
に説明する。
【0010】固体触媒成分の担体としては、実質的に無
水の塩化マグネシウム等のハロゲン化マグネシウム、金
属マグネシウムとアルコールから得られるマグネシウム
ジアルコキシド、金属マグネシウムとアルコールとハロ
ゲン及び/又はハロゲン含有化合物から得られる固体生
成物を挙げることができる。これらの中でも金属マグネ
シウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有
化合物から得られる固体生成物を好ましく用いることが
できる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボ
ン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。
また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウ
ム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
【0011】アルコールとしては、炭素数1〜6の低級
アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを
用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体
が得られる。ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、MgI2
好適に使用できる。
【0012】アルコールの量は、金属マグネシウム1モ
ルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは
5〜50モルである。ハロゲン又はハロゲン含有化合物
の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、
ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子
が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.00
05グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グ
ラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物
はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併
用してもよい。
【0013】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例え
ば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/ま
たはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水
素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30
時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不
活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で
行うことが好ましい。得られた担体を次の固体触媒成分
の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、
また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用
いてもよい。
【0014】固体触媒成分の調製のため、上記の担体に
少なくともチタン化合物を接触させる。このチタン化合
物としては、一般式(1) TiX1 n (OR1 4-n ・・・(1) (式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好まし
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖また
は分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合
にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜
4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いるこ
とができる。具体的には、Ti(O−i−C
3 7 4 、Ti(O−C4 9 4 、TiCl(O−
2 5 3 、TiCl(O−i−C3 7 3 、Ti
Cl(O−C4 9 3 、TiCl2 (O−C49
2 、TiCl2 (O−i−C3 7 2 、TiCl4
を挙げることができるが、特にTiCl4 が好ましい。
固体触媒成分は、上記の担体にさらに電子供与性化合物
を接触させて得られるものが好ましい。この電子供与性
化合物としては、芳香族ジカルボン酸ジエステルが好ま
しく、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジアリル、フ
タル酸ジフェニルを特に好ましく用いることができる。
これらの電子供与性化合物は、それぞれを単独で用いて
もよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】また、上記の担体にチタン化合物と電子供
与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲ
ン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。上記の固体触
媒成分は、公知の方法で調製することができる。例え
ば、ペンタン、ヘキサン、へプタン又はオクタン等の不
活性炭化水素を溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物
及びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながら
チタン化合物を投入する方法である。通常は、マグネシ
ウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物
は、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モル
を加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対
してチタン化合物は、1〜50モル、好ましくは2〜2
0モルを加え、0〜200℃にて、5分〜10時間の条
件、好ましくは30〜150℃にて30分〜5時間の条
件で接触反応を行えばよい。反応終了後は不活性炭化水
素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成し
た固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。以上で説明し
た固体触媒成分は、通常、予備重合器を経て本重合器に
供給されるが、場合によっては、一部が直接本重合器に
供給されることもある。
【0016】また、上記の有機アルミニウム化合物
(B)としては、一般式(2) AlR2 m 2 3-m ・・・(2) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアリール基であり、X2 はハロゲン原子
であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。mは1〜
3の整数である。)で表される化合物を用いることがで
き、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチル
アルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチル
アルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウム
モノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が
挙げることができる。好ましくは、トリアルキルアルミ
ニウム化合物であり、特に、トリエチルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウムを好ましく用いることがで
きる。これらは、それぞれを単独で用いてもよく、また
二種以上を組み合わせて用いてもよい。この有機アルミ
ニウム化合物(B)は、連続予備重合及び本重合に用い
られ、それぞれ同じものや異なったものを用いることが
できる。
【0017】さらに、固体触媒成分の調製時に用いると
よい電子供与性化合物とは別に、予備重合及び/又は本
重合に用いられる上記の電子供与性化合物(C)として
は、含酸素有機化合物(エステル類、エーテル類等)、
含窒素有機化合物やSi−O−C結合を有する有機珪素
化合物等が挙げられる。Si−O−C結合を有する有機
珪素化合物としては、一般式(3) R3 p Si(OR4 4-p ・・・(3) (式中、R3 及びR4 は炭素数1〜20の炭化水素基
で、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、シクロア
ルキル基、ペンチル基又はアリール基であり、それぞれ
が同じものでも異なったものでもよい。pは1〜3の整
数である。)で表されるアルコキシ珪素化合物が好まし
く、p=2のものがより好ましい。
【0018】具体例として、テトラエトキシシラン、テ
トラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシ
シラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−i−ブ
トキシシラン、テトラフェノキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリメトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラ
ン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメ
トキシシラン、s−ブチルトリメトキシシラン、t−ブ
チルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロ
ピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラ
ン、i−ブチルトリエトキシシラン、s−ブチルトリエ
トキシシラン、t−ブチルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシ
ラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、i−ペンチ
ルトリ−n−ブトキシシラン、メチルトリ−n−ヘキソ
キシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、n−プロピルメチルジメトキシシラン、n
−プロピルエチルジメトキシシラン、ジ−n−プロピル
ジメトキシシラン、i−プロピルメチルジメトキシシラ
ン、ジ−i−プロピルジメトキシシラン、n−プロピル
−i−プロピルジメトキシシラン、n−ブチルメチルジ
メトキシシラン、n−ブチルエチルジメトキシシラン、
n−ブチル−n−プロピルジメトキシシラン、n−ブチ
ル−i−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジ
メトキシシラン、i−ブチルメチルジメトキシシラン、
ジ−i−ブチルジメトキシシラン、s−ブチルエチルジ
メトキシシラン、ジ−s−ブチルジメトキシシラン、t
−ブチルメチルジメトキシシラン、t−ブチルエチルジ
メトキシシラン、t−ブチル−n−プロピルジメトキシ
シラン、ジ−t−ブチルジメトキシシラン、t−ブチル
−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−i−アミルジメ
トキシシラン、n−ヘキシル−n−プロピルジメトキシ
シラン、n−デシルメチルジメトキシシラン、ノルボニ
ルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシ
シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジ−i−プロピルジエトキシシラン、s−ブ
チルメチルジエトキシシラン、t−ブチルメチルジエト
キシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ
メチル−i−プロポキシシラン、トリメチル−n−ブト
キシシラン、トリメチル−n−ペントキシシラン等を挙
げることができるが、特にシクロヘキシルメチルジメト
キシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシ
ラン等を好ましく用いることができる。
【0019】本発明に使用する溶媒(D)としては、炭
素数3〜10のパラフィン系炭化水素化合物を挙げるこ
とができ、好ましくは、プロパン、n−ブタン、ヘキサ
ン、へプタン及びこれらの混合物を挙げることができ
る。これらの中では、特に、プロパン、n−ブタンが好
ましい。本発明は、溶媒に溶解させたプロピレンの存在
下において、上記固体触媒成分(A)と有機アルミニウ
ム化合物(B)を接触させることを特徴とするものであ
る。この溶媒に溶解させたプロピレンの存在下で接触さ
せるとは、上記固体触媒成分(A)分散液又は溶液、有
機アルミニウム化合物(B)溶液、溶媒(D)の少なく
ともいずれかにプロピレンを含むことを意味する。具体
的には、(a) 固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化
合物(B)をそれぞれプロピレンを溶解させた溶媒に分
散、溶解させたものを予備重合器に供給する方法、(b)
プロピレンを溶解させた溶媒に固体触媒成分(A)を分
散させたものと有機アルミニウム化合物(B)を予備重
合器に供給する方法、(c) プロピレンを溶解させた溶媒
に有機アルミニウム化合物(B)を溶解させたものと固
体触媒成分(A)を予備重合器に供給する方法、(d) 固
体触媒成分(A)分散液にプロピレンを溶解させたもの
と有機アルミニウム化合物(B)を予備重合器に供給す
る方法、(e) 有機アルミニウム化合物(B)にプロピレ
ンを溶解させたものと固体触媒成分(A)を予備重合器
に供給する方法等を挙げることができる。また、電子供
与性化合物(C)も有機アルミニウム化合物(B)と同
様に添加するとよい。
【0020】溶媒にプロピレンを存在させないで、固体
触媒成分(A)と有機アルミニウム化合物(B)を接触
させる場合、例えば、固体触媒成分(A)分散液と有機
アルミニウム化合物(B)液を接触させた後、プロピレ
ンを接触させた場合は、本重合時の活性及び立体規則性
が低下する。本発明における連続予備重合の際の温度
は、60℃以下であれば特に限定されないが、通常−1
0〜60℃、好ましくは0〜50℃の範囲で選定され
る。60℃を超えるとパウダーモルフォロジーが低下し
て、凝縮したパウダーや微粉が発生し、重合器及びその
導管の閉塞を引き起こしやすい。
【0021】本発明における連続予備重合の際の圧力
は、上記温度下、溶媒が液状を維持できれば特に限定さ
れないが、通常5〜100kg/cm2 G、好ましくは
10〜80kg/cm2 Gの範囲で選定される。予備重
合器から本重合器へ予備重合触媒を溶媒及びプロピレン
とともに円滑に供給するために、連続予備重合の圧力
は、本重合の圧力より高く設定するのが好ましい。こう
することで、導管や制御弁等の簡単な装置の接続のみで
円滑な供給が可能となる。本発明における予備重合器に
おける平均滞留時間は1〜90分、好ましくは5〜60
分である。平均滞留時間が1分未満では、予備重合効果
が不十分で、パウダーモルフォロジー低下及び微粉の増
加を引き起こすことがある。一方、平均滞留時間が90
分を超えると、予備重合量が増加し、成形したフィルム
の透明性の低下やフィッシュアイの増加等の不良現象が
発生し、また、本重合時の触媒活性及び立体規則性の低
下が起こることがある。
【0022】本発明においる連続予備重合の際に重合さ
れるプロピレンの量は、供給された固体触媒成分(A)
1gあたり0.3〜30g、好ましくは0.3〜8gで
ある必要がある。重合されるプロピレンの量が供給され
る固体触媒成分(A)1gあたり0.3g未満では、予
備重合効果が不十分で、パウダーモルフォロジーが低下
し、微粉が増加し好ましくない。一方、30gを超える
と、予備重合量が増加し、成形したフィルムの透明性の
低下やフィッシュアイの増加等の不良現象が発生しやす
い。本発明における予備重合触媒の本重合器への供給速
度は、平均流速で0.1m/秒以上、好ましくは0.3
m/秒以上にする必要がある。平均流速が0.1m/秒
未満では、本重合器入口部や触媒成分の合流部等で導管
の閉塞を引き起こしやすい。なお、予備重合器とは実質
的に予備重合が起こる導管まで含めたものを意味する。
【0023】本発明に用いる予備重合器としては、第1
図に示す構造を有する予備重合器を好ましく用いること
ができる。これは、ジャケット付きのL/D(=長さ/
直径)が5〜50、好ましくは、10〜45の円筒管型
攪拌槽からなる予備重合器で、円筒内にその軸中心を回
転軸とする攪拌翼とこれを回転する駆動機を備えたもの
であり、水平に横置きして使用する。L/Dが5未満で
は、押出し流れ特性が低下し、一方、L/Dが50を超
えると機器製作精度の上で困難となり好ましくない。
【0024】攪拌翼としては、下記の押出し流れ特性を
供するものであれば形状は問わないが、図のようなもの
が構造が簡単で好ましい。また、翼先端速度で0.1m
/秒以上のものが好ましい。また、押出し流れ特性を示
す(t/τ)が0.5〜2.0の範囲にある触媒粒子
が、0〜∞の範囲の全重量に対して60重量%以上とな
るような条件で、予備重合を行うのが好ましい。60重
量%未満では、予備重合量分布が広くなり好ましくな
い。なお、tは触媒粒子の滞留時間を、τは触媒粒子の
平均滞留時間を示す。これらは、トレーサーを用いた常
法的手段により測定することができる。
【0025】上記の予備重合器を用いることで、触媒成
分、プロピレン、溶媒及び予備重合物を含んだ液の攪拌
は主として円周方向に働くようになり、上流側の管端か
ら入った触媒成分、プロピレン及び溶媒は、反応しなが
ら、ほぼ押出し流れで下流側の管端まで流れ、そこから
本重合器に供給される。以上のようにして形成されたプ
ロピレン予備重合触媒を用いて、本重合器内で本重合さ
れる。この重合方法としては、特に制限させないが、気
相重合法及びバルク重合法を好ましく用いることができ
る。
【0026】この重合では、プロピレンの単独重合のみ
ならず、ランダム共重合、ブロック共重合を行うことが
できる。共重合に際しては、プロピレンと炭素数2〜1
0のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−ブテン、
1−ヘキセン、1−オクテン等を1種以上用いることが
できる。また、重合条件は、特に制限されず、公知の方
法と同様の条件を用いることができる。例えば、大気圧
よりも高いプロピレンの分圧下で、−80〜150℃の
温度下で、製造することができる。好ましくは、20〜
120℃の温度下で、プロピレンの分圧は大気圧〜50
kg/cm2 Gの範囲である。
【0027】また、有機アルミニウム化合物(B)の供
給量は、通常、予備重合触媒成分中のチタン原子1モル
に対して0.1〜400モル、好ましくは1〜200モ
ルとなるようにし、電子供与性化合物(C)の供給量
は、予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対して
0.1〜100モル、好ましくは1〜50モルとなるよ
うにするとよい。これらは、上記のプロピレンととも
に、本重合器に供給するとよい。
【0028】重合体の分子量の調節には、常法である水
素ガスの供給によって行うことができる。さらに、異な
る重合条件で2段階以上に分けて行うこともできる。
【0029】
【実施例】以下に実施例によって本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。 実施例−1 (1) マグネシウム化合物の調整 攪拌機付き反応槽(内容積80リットル)を窒素ガスで充分
に置換・乾燥し、エタノール24.3kg、ヨウ素16
0g、及び金属マグネシウム1.6kgを投入し、攪拌
しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくな
るまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状
反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより、
目的のマグネシウム化合物(固体生成物)を得た。得ら
れたマグネシウム化合物は平均粒径が51μmで、ほぼ
球形状で粒径分布も狭いものであった。 (2) 固体触媒成分の調整 窒素ガスで充分に置換した攪拌機付き反応槽(内容積8
0リットル)に、前記マグネシウム化合物4kg、精製ヘプ
タン20リットル、四塩化ケイ素880g、及びフタル酸ジ
エチル710gを加えた。系内を70℃に保ち、攪拌し
ながら四塩化チタン9.8リットルを投入して110℃で2
時間反応させた後、固体成分を分離して90℃の精製ヘ
プタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン15.2リットル
を加え、110℃で2時間反応させた後、90℃の精製
ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分(A)のヘプタ
ンスラリーを得た。この固体触媒成分(A)の一部をサ
ンプリングして窒素気流雰囲気下乾燥させた後、組成分
析すると、含まれるTi量は2.9重量%であり、Mg
量は18.6重量%であった。
【0030】(3) 連続予備重合 有効内容積0.6リットルのジャケット付き円筒管型攪拌槽
の予備重合器と内容積200リットルの攪拌機付き気相重合
器を内径2mmのチューブで直列につなぎ、連続的に予
備重合と気相重合を行なった。予備重合器は、第1図に
示すようなジャケット・攪拌機付き円筒管型反応器で、
内径34mm、長さ650mmのものを使用した。この
反応器は横置きで使用し、攪拌は主として円周方向に働
くようにされており、管端から入った触媒やモノマー
は、反応しながら、ほぼ押出流れで下流に流れていく。
この予備重合器の0.5<t/τ<2.0は、トレーサ
を用いた測定で、76重量%以上であった。
【0031】この予備重合器に7g/hrのプロピレン
(導管A,Bに入るプロパン中のプロピレンを含めた
量)、1.35リットル/hrのプロパンとともに上記固体
触媒成分(A)のヘプタンスラリーを150ml/hr
(固体触媒成分(A)として1.5g/hr)で往復動
スラリーポンプを使用して、導管Aに連続的に供給し
た。また1.5リットル/hrのプロパンとともに有機アル
ミニウム化合物(B)としてのトリエチルアルミニウム
5.5g/hrと電子供与性化合物(C)としてのシク
ロヘキシルジメトキシシラン2.3g/hrを導管Bを
通して連続的に供給し、連続的に予備重合を行なった。
この予備重合器は満液状態で攪拌されており、ここでの
平均滞留時間は12分である。またこの予備重合器はジ
ャケットを冷却液で冷却しており、攪拌槽内温度が20
℃に保たれるれるよう制御されている。この予備重合器
の導管Cから出た予備重合触媒のプロパンスラリーは内
径2mmのチューブを経て重合器に送られる。この内径
2mmのチューブでの平均流速は0.27m/秒となっ
た。この予備重合器出口で内容物をサンプリングして大
量のメタノール中に注入して触媒を直ちに失活させて予
備重合物を回収して測定したところ、予備重合量は固体
触媒成分(A)1g当たり3.3gであった。
【0032】(4) 気相重合 プロピレンの気相重合は、事前に50kgのポリプロピ
レンパウダーを入れて80℃で攪拌、プロピレンガスの
循環運転を行なっている内容積200リットルの攪拌機付き
気相重合器に上記の予備重合触媒を含んだプロパンスラ
リーを導入することによって行なわれる。この気相重合
器はプロピレンガスの循環冷却によって重合熱の除熱が
行なわれ、温度80℃、圧力30kg/cm2 Gで運転
される。この気相重合器には予備重合器に入ったものと
等量のトリエチルアルミニウム5.5g/hrとシクロ
ヘキシルジメトキシシラン2.3g/hrが供給されて
おり、他に液体プロピレン46kg/hr、分子量調節
用の水素ガスが0.7Nm3 /hrで供給されている。
重合器での重合パウダーは、レベルが一定になるよう間
欠的に脱気槽の方へプロピレンガスとともに抜き出され
る。固体触媒成分(A)の供給量も、気相重合器での重
合量が30kg/hrで一定になるよう微調節される。
この気相重合器での平均滞留時間は1.7時間であっ
た。上記の脱気槽から得られた重合パウダーを調べたと
ころ、触媒活性は固体触媒成分(A)1g当たり20.
3kg−PP/g−触媒であり、MFRは7.6g/1
0min、NMRによる立体規則性の指標mmmm分率
は97.9%、嵩密度は0.43g/cm3 、平均粒径
は1790μm、250μm以下の微細粒子は0.8重
量%であった。結果をまとめて第1表に示す。
【0033】実施例−2 実施例1において、連続予備重合での溶媒を変更し、重
合方法を下記のように気相重合からバルク重合に変更し
た。 (3) 連続予備重合 実施例1の連続予備重合において、プロパンをヘプタン
に変更した以外は同様に行なった。 (4) バルク重合 200リットルの攪拌付満液型バルク重合器を用いて、温度
70℃、圧力36kg/cm2 Gでバルク重合を行なっ
た。予備重合までは実施例1と同様で、ヘプタン3リットル
/hrとともに予備重合触媒を重合器に導入した。重合
器にはこのほかに、液体プロピレン80kg/hr、分
子量調節用の水素ガスが0.08Mm3/hrで供給さ
れ、予備重合器に入ったものと等量のトリエチルアルミ
ニウム5.5g/hrとシクロヘキシルジメトキシシラ
ン2.3g/hrが供給された。重合パウダーは液体プ
ロピレンスラリーとして系内の圧力を36kg/cm2
Gに保ちながら間欠的にスラリー濃度を濃縮する形で脱
気槽に抜き出された。上記の脱気槽から得られた重合パ
ウダーを調べたところ、触媒活性は固体触媒成分(A)
1g当たり24.6kg−PP/g−触媒であり、MF
Rは7.2g/10min、NMRによる立体規則性の
指標mmmm分率は97.5%、嵩密度は0.42g/
cm3 、平均粒径は1880μm、250μm以下の微
細粒子は0.3重量%であった。結果をまとめて第1表
に示す。
【0034】比較例−1 実施例1と同様の方法で、予備重合方法のみ下記のよう
に、連続予備重合からバッチ予備重合に変更して行なっ
た。 (3) バッチ予備重合処理 内容積80リットルの攪拌機付き反応槽に、内温を10℃に
保ちながら、精製ヘプタン23リットルを投入し、攪拌しな
がら前記の固体触媒成分(A)を2.5kg、トリエチル
アルミニウムを固体触媒成分中のTi原子に対し1.0
モル/モル、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを
0.6モル/モルの割合で供給した。その後、プロピレ
ンをプロピレン分圧で0.3kg/cm2 Gになるまで
導入し、10℃で1時間反応させた。反応終了後、予備
重合触媒成分を精製ヘプタンで数回洗浄し、更に二酸化
炭素を供給し48時間攪拌し、触媒を一時失活させた。
得られた予備重合触媒成分は固体触媒成分(A)1g当
たり1.7gのプロピレン重合体を含んでいた。 (4) 気相重合 プロピレンの気相重合は、事前に50kgのポリプロピ
レンパウダーを入れて80℃で攪拌、プロピレンガスの
循環運転を行なっている内容積200リットルの攪拌機付き
気相重合器にトリエチルアルミニウム11.0g/hr
とシクロヘキシルジメトキシシラン4.6g/hrを液
体プロピレン15kg/hrとともに供給し、さらに別
導管から上記の予備重合触媒2.8g/hrを30kg
/hrの液体プロピレンをキャリアーとして導入して行
なわれる。後は水素ガスの導入も重合量を30kg/h
rに調節することも実施例1と同様で、平均滞留時間も
同じく1.7時間となる。脱気槽から得られた重合パウ
ダーから、触媒活性は固体触媒成分(A)1g当たり
8.9kg−PP/g−触媒であり、MFRは6.5g
/10min、NMRによる立体規則性の指標mmmm
分率は95.7%、 嵩密度は0.41g/cm3 、平
均粒径は1380μm、250μm以下の微細粒子0.
5重量%であった。結果をまとめて第1表に示す。
【0035】比較例−2 実施例1と同様の方法で、連続予備重合方法のみ下記の
ように、ヘプタン溶媒中で固体触媒成分(A)と有機ア
ルミニウム化合物(B)の接触を行なった後でプロピレ
ンを導入して予備重合を行なわせるよう変更した。気相
重合は実施例1と同様に行なった。 (3) 連続予備重合 内容積1リットルのジャケット付き完全混合型攪拌槽、実施
例1で使用した内容積0.6リットルの攪拌付き円筒型予備
重合器および内容積200リットルの攪拌機付き気相重合器
を直列につなぎ、連続的に予備重合と気相重合を行なっ
た。内容積1リットルの攪拌槽に上記固体触媒成分(A)の
ヘプタンスラリーを250ml/hr(固体触媒成分
(A)として2.5g/hr)で、トリエチルアルミニ
ウム5.5g/hrを550ml/hrのヘプタン溶液
で、シクロヘキシルジメトキシシラン2.3g/hrを
460ml/hrのヘプタン溶液でそれぞれ別の注入導
管から往復動スラリーポンプを使用して連続的に供給し
た。この内容積1リットルの攪拌槽は満液状態で攪拌されて
おり、ここでの平均滞留時間は約45分である。攪拌槽
のジャケットは冷却水で冷却されており、攪拌槽内温度
が20℃に保たれるれるよう制御されている。この内容
積1リットルの攪拌槽を出た触媒成分混合物のヘプタンスラ
リーは円筒管型の予備重合器に導管Aを通して導入され
る。予備重合器のジャケットは20℃の冷却液が流され
ていて、内温は20℃に保たれている。予備重合器の導
管Bから12g/hrのプロピレンがヘプタン1.8リッ
トル/hrとともに導入され予備重合が行なわれる。導管
Cから重合器に流出する内径2mmのチューブでの平均
流速は0.27m/秒であり、予備重合器での平均滞留
時間は12分となる。予備重合量は固体触媒成分(A)
1g当たり2.8gであった。結果をまとめて第1表に
示す。
【0036】比較例−3 連続予備重合時の温度を20℃から70℃に、プロパン
をヘプタンに変更し、供給固体触媒成分(A)の量を
1.5g/hrから2.0g/hrに、供給プロピレン
量を7g/hrから10g/hrに変更した以外は実施
例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。 比較例−4 実施例1の条件において、連続予備重合時の予備重合器
を有効内容積0.6リットルの押出流れの横置き管型攪拌槽
と内容積5.2リットルの完全混合槽の直列とし、平均滞留
時間を116分とし、供給固体触媒成分(A)の量を
1.5g/hrから2.0g/hrに、供給プロピレン
量を7g/hrから10g/hrに変更した以外は実施
例1と同様に行なった。結果を第1表に示す。
【0037】比較例−5 実施例1の条件において、連続予備重合時の固体触媒成
分(A)の供給量を1.5g/hrから1.8g/hr
に、プロピレン投入量を7g/hrから150g/hr
に変更し予備重合器のジャケット冷却水の温度を下げ、
予備重合器出口温度を20℃に制御した以外は実施例1
と同様に行なった。予備重合器からサンプリングした予
備重合触媒の予備重合量は固体触媒成分(A)1g当た
り51gであった。結果を第1表に示す。
【0038】比較例−6 実施例1において、連続予備重合時のプロパンをヘプタ
ンに変更し、固体触媒成分(A)とともに導管Aに入れ
るプロピレンの量を固体触媒成分(A)の15重量%に
した以外は実施例1と同様に行なった。予備重合器から
サンプリングした予備重合触媒の予備重合量は固体触媒
成分(A)1g当たり0.1gであった。気相重合では
運転が困難なほど微粉パウダーが発生した。結果を第1
表に示す。 比較例−7 実施例1において、連続予備重合時のプロパンをヘプタ
ンに変更し、固体触媒成分(A)とともに導管Aに入れ
るヘプタンの量を0.5リットル/hr、有機アルミニウム
化合物(B)等とともに入れるヘプタンの量を0.3リッ
トル/hrと減らした以外は実施例1と同様に行なった。
この時の気相重合器への予備重合触媒成分の、気相重合
器への内径2mmの導入管での平均流速は0.09m/
秒であった。結果は触媒供給開始から30分後に気相重
合器入口部の閉塞を生じ、運転できなくなった。
【0039】実施例−3 実施例2において、連続予備重合時の予備重合器に入れ
る電子供与性化合物(C)としてのシクロヘキシルジメ
トキシシラン2.3g/hrをカットし、バルク重合時
のシクロヘキシルジメトキシシラン量を2.3g/hr
から4.6g/hrに変更した以外は実施例2と同様に
行なった。このときの予備重合量は固体触媒成分(A)
1g当たり3.7gであった。結果を第1表に示す。 実施例−4 実施例1において、連続予備重合時の温度を20℃から
5℃に変更した以外は実施例1と同様に行なった。結果
を第1表に示す。
【0040】実施例−5 実施例2において、連続予備重合時の予備重合温度を2
0℃から50℃に変更し、投入するプロピレン量を7g
/hrから40g/hrに変更した以外は実施例2と同
様に行なった。連続予備重合器からサンプリングした予
備重合触媒の予備重合量は固体触媒成分(A)1g当た
り22gであった。バルク重合の結果を第1表に示す。
【0041】実施例−6 実施例1において、連続予備重合時のプロパンをヘプタ
ンに変更し、固体触媒成分(A)とともに導管Aに入れ
るヘプタンの量を1.35リットル/hrから0.4リットル/
hr、有機アルミニウム化合物(B)等とともに入れる
ヘプタンの量を1.5リットル/hrから0.2リットル/hr
と減らし、予備重合器出口の導管Cの予備重合器出口直
後にプロパン5リットル/hrを導入するように変更した以
外は実施例1と同様に行なった。この時の予備重合器で
の平均滞留時間は48分となり、気相重合器への予備重
合触媒成分の、気相重合器への内径2mmの導入管での
平均流速は0.51m/秒であった。結果を第1表に示
す。
【0042】
【表1】
【0043】なお、フィルムは、直径40mmのスクリ
ューを有するTダイキャスト成形機を用いて、樹脂温度
220℃、引取速度20m/分の条件で、25μm厚、
40cm幅のフィルムに成形したものを使用した。ま
た、測定・評価方法として、MFR(メルトフローレー
ト)はJIS−K−7210(230℃、2.16kg
f)、フィルム曇り度(ヘイズ)はJIS−K−710
5に準拠して測定し、フィッシュアイ(F/E)は10
00cm2 当たりの、0.1mm径以上のフィッシュア
イの個数を数えて評価した。
【0044】
【発明の効果】第一の効果は、触媒活性が高く、触媒残
渣除去のための脱灰工程が不要となり、かつ触媒使用量
も少なくてすみ経済的である、また、触媒残渣が少ない
ので、製品性状(色調、匂い)も良好である。第二の効
果は、立体規則性が高く、そのため製品の剛性等の物性
が極めて良好である。
【0045】第三の効果は、重合パウダーのパウダーモ
ルフォロジーが良好で、微粉が少なく、塊状物の生成も
ないため、重合器および下流系の運転が極めて安定的に
できて、経済的である。第四の効果は、フィッシュアイ
やブツが少なく、製品品質が良好である。さらに、上記
の効果がすべてバランス良く得られ、かつ予備重合器を
新たに設ける場合においても大きな設備変更を必要とし
ないので経済的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 予備重合器の概念図
【符号の説明】
M ・・・ 駆動モーター A ・・・ 固体触媒成分用の導管 B ・・・ 有機アルミニウム及び電子供与性化合物用
の導管 C ・・・ 予備重合触媒の抜き出し用の導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 10/06 C08F 10/06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム、チタン及びハロゲンを必
    須成分とする固体触媒成分(A)と有機アルミニウム化
    合物(B)と電子供与性化合物(C)からなる触媒の存
    在下でプロピレンを連続重合するにあたり、溶媒(D)
    に溶解させたプロピレンの存在下、固体触媒成分(A)
    と有機アルミニウム化合物(B)を接触させ、60℃以
    下の温度及び1〜90分の平均滞留時間となる条件下で
    予備重合を行い、予備重合量が供給される固体触媒成分
    (A)1g当たり0.3〜30gであるプロピレン予備
    重合触媒を形成し、これを溶媒及び未反応のプロピレン
    と共に0.1m/秒以上の平均流速で本重合器に連続的
    に供給することを特徴とするプロピレンの連続重合方
    法。
  2. 【請求項2】 予備重合時に電子供与性化合物(C)を
    添加する請求項1に記載のプロピレンの連続重合方法。
  3. 【請求項3】 溶媒が炭素数3〜10のパラフィン系炭
    化水素化合物である請求項1又は2に記載のプロピレン
    の連続重合方法。
  4. 【請求項4】 プロピレン予備重合触媒の量が固体触媒
    成分(A)1g当たり0.3〜8gである請求項1〜3
    のいずれかに記載のプロピレンの連続重合方法。
  5. 【請求項5】 L/D(長さ/内径)が5〜50である
    横置き管型攪拌槽からなる予備重合器を用いて、押し出
    し流れ性を示すt/τが0.5〜2.0の範囲にある触
    媒粒子が60重量%以上(ここで、t=触媒粒子の滞留
    時間、τ=触媒粒子の平均滞留時間)となるような条件
    で予備重合を行う請求項1〜4のいずれかに記載のプロ
    ピレンの連続重合方法。
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