JPH10120627A - 環状オレフィン系単量体およびその製造法 - Google Patents

環状オレフィン系単量体およびその製造法

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JPH10120627A
JPH10120627A JP27453796A JP27453796A JPH10120627A JP H10120627 A JPH10120627 A JP H10120627A JP 27453796 A JP27453796 A JP 27453796A JP 27453796 A JP27453796 A JP 27453796A JP H10120627 A JPH10120627 A JP H10120627A
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JP
Japan
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formula
reaction
cyclopentadiene
cyclic olefin
group
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JP27453796A
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English (en)
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Michio Yamaura
道雄 山浦
Masaki Takeuchi
正基 竹内
Kaoru Iwata
薫 岩田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、透明性、光学等方性、親水性、耐
熱性に優れた新規環状オレフィン系(共)重合体製造の
ための新規単量体およびその製造法を提供することを目
的とする。 【解決手段】 下記一般式(I) 【化1】 [式中Rは、炭素数1〜10アルキル基または炭素数5
〜10のシクロアルキル基、nは0または1である。]
で示される環状オレフィン系単量体およびその製造法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、光学等方
性、親水性、耐熱製に優れた新規環状オレフィン系
(共)重合体製造のための新規単量体およびその製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】環状オレフィン系重合体は、透明性、光
学等方性(屈折率等方性)、耐熱性、耐溶剤性に優れ、
光ディスク、液晶ディスプレー用基板、光学レンズ等の
光学用途、医療分野における各種容器など広い用途が期
待され、また実用化もされている。特に光記録分野で
は、高密度化に伴うレーザーの短波長化が進められてお
り、光学等方性に乏しいポリカーボネート樹脂に代わっ
て、7―メチル―7―メトキシカルボニル―テトラシク
ロ[6,2,1,16, 9 ,05, 10]ドデセン―2や7―
メトキシカルボニル―テトラシクロ[6,2,1,16,
9 ,05, 10]ドデセン―2等を開環重合した後、水添し
た高分子材料がその基板材料として提案されている。
【0003】しかしながら、前者は吸水率が高すぎるた
めに、吸湿に伴うそりが発生して、このような高密度記
録用基板材料には適当ではない。また、後者は逆に親水
性があまりに低く、金属薄膜の密着性が悪い問題点を内
包している。かかる観点から、たとえば上記エチルテト
ラシクロドデセンなどの無極性環状オレフィンの開環・
水添重合体の透明性、光学等方性、耐熱性を損なうこと
なく、親水性を付与する極性環状オレフィン単量体が求
められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記極性環状オレフィ
ンに要求される課題として、まず第一にその化合物が有
利に製造可能であることがあげられる。かかる環状オレ
フィンは、ジエン類と対応する極性基を含む親ジエン類
との環化付加体(Diels―Alder反応)により
合成される。しかしながら、この反応は親ジエン類の極
性基の電子吸引性および立体構造に左右されやすい。
【0005】第二に、かかる極性環状オレフィンが無極
性環状オレフィンと共重合可能であることが必要であ
る。一般に、かかる環状オレフィンの重合は開環重合触
媒の存在下に行われるが、使用する触媒は極性基により
失活しやすかったり、好ましくないゲル化を生じたりす
る。また、極性基は、得られる開環・水添重合体の耐熱
性(ガラス転移点)を低下しやすい。従って、少量共重
合するだけでも有効に親水性を高め、しかも耐熱性の低
下を招かないことが第三に要求される。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記問題
点を解決すべく鋭意検討の結果、イタコン酸エステルは
立体障害の大きい官能基をC=C二重結合の同一炭素上
に二つも有するにもかかわらず、シクロペンタジエンの
環化付加体を容易に与えることを見いだした。また、こ
の環化付加体を無極性環状オレフィンと共重合したとこ
ろ、広い共重合組成範囲で、しかも高活性に共重合する
ことを見いだした。しかも、共重合組成を制御すること
により、耐熱性(ガラス転移温度)と親水性のバランス
がとれた共重合体が得られることを見いだした。
【0007】すなわち本発明は、下記式(I)
【0008】
【化5】
【0009】[式中Rは、炭素数1〜10アルキル基ま
たは炭素数5〜10のシクロアルキル基、nは0または
1である。]で示される環状オレフィン系単量体であ
る。
【0010】また本発明は、下記式(II)
【0011】
【化6】
【0012】[式中Rは、炭素数1〜10アルキル基ま
たは炭素数5〜10のシクロアルキル基である。]で示
されるイタコン酸エステルとシクロペンタジエンとを加
熱環化付加することを特徴とする上記式(I)で表わさ
れる環状オレフィン系単量体の製造法である。
【0013】また本発明は式(III )
【0014】
【化7】
【0015】で示されるイタコン酸無水物とシクロペン
タジエンとを加熱環化付加し、引き続き式(IV)
【0016】
【化8】
【0017】[式中Rは、炭素数1〜10アルキル基ま
たは炭素数5〜10のシクロアルキル基である。]で示
されるアルコールによりエステル化することを特徴とす
る式(I)で表わされる環状オレフィン系単量体の製造
法である。
【0018】以下本発明について詳述する。
【0019】式(I)で示される環状オレフィン系単量
体のRは、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の
アルキル基または炭素数5〜10、好ましくは5〜8の
シクロアルキル基である。アルキル基は、直鎖でも枝分
かれ鎖でもよい。好適な具体例として、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec―ブチル基、tert―ブチル基、2―
エチルヘキシル基などが挙げられる。一般に、炭素数が
大きすぎると、得られる重合体のガラス転移温度を下げ
るために好ましくない。その点からは、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基が特に好適に用いられる。また、
シクロアルキル基としてはシクロペンチル、シクロヘキ
シル基が用いられる。
【0020】式(I)中のnはO[ノルボルネン(以下
NBということがある)または1[テトラシクロドデセ
ン(以下、TCDということがある)誘導体]である。
一般に、NB誘導体よりはTCD誘導体の方が耐熱性の
高い重合体を与える。この意味では、後者の方が好まし
い。しかしながら、TCD誘導体は、NB誘導体を経由
して生成する。その際、第一段のイタコン酸エステルと
シクロペンタジエンとからNB誘導体への反応の反応性
は、親ジエンのイタコン酸エステルC=C二重結合がエ
ステル基の一つと共役の関係にあるために高い。それに
対して、第二段のTCD誘導体への反応の反応性は低
く、好ましくないシクロペンタジエン由来の化合物が副
生する。従って、製造の容易さからは、NB誘導体の方
がTCD誘導体より有利であり好ましくない。これら
は、得られる重合体の物性とコストを勘案して選択すべ
きである。
【0021】本発明の式(I)で示される環状オレフィ
ン系単量体は、式(II)で示されるイタコン酸エステル
とシクロペンタジエンとの加熱環化付加(Diels―
Alder反応)により製造することが出来る。
【0022】一般に、シクロペンタジエンは不安定であ
り、常温でも徐々に二量化してジシクロペンタジエンに
なる。逆に、ジシクロペンタジエンは高温(160℃以
上)でシクロペンタジエンに解離する。従って、本発明
における反応は、ジシクロペンタジエンを熱解離して得
られるシクロペンタジエンを反応系に導入して行っても
良いし、ジシクロペンタジエンを反応系に導入して反応
系内でジシクロペンジエンの解離によりシクロペンタジ
エンを生成せしめイタコン酸エステルと環化付加反応を
行っても良い。
【0023】本発明においては、シクロペンタジエンと
イタコン酸エステルの仕込みモル比は、化学量論的に
は、ノルボルネン誘導体を合成する場合は1:1であ
り、テトラシクロドデセン誘導体を合成する場合は2:
1である。また、ジシクロペンタジエンをジエン原料と
して用いる場合のジシクロペンタジエンとイタコン酸エ
ステルのモル比は、それぞれ0.5:1および1:1で
ある。しかし、本反応は後述するように、種々の副反応
を併発するために目的物への転化率を勘案してその仕込
みモル比を選択する必要がある。
【0024】シクロペンタジエンあるいはジシクロペン
タジエンを過剰に用いると、ノルボルネン誘導体の生成
率が低下して、代わりにテトラシクロドデセン誘導体の
生成率が高くなる。それと共に、シクロペンタジエンが
3個以上付加したトリシクロペンタジエンやテトラシク
ロペンタジエンの生成率が高くなる。これらの副生成物
は熱分解をして可逆的にシクロペンタジエンに戻すこと
が難しく、また、場合によっては目的物と沸点が近接す
るために精製に困難を来すために好ましくない。従っ
て、特に目的物と沸点が近接する副性物への転化率を極
力回避するようにモル比を選択する必要がある。
【0025】一般には、ノルボルネン誘導体を合成する
場合は、シクロペンタジエン/イタコン酸エステルのモ
ル比は0.5〜5、好ましくは0.8〜3が用いられ
る。また、テトラシクロドデセン誘導体を合成する場合
は、そのモル比は1〜10、好ましくは1.5〜5が用
いられる。
【0026】本反応に用いられるイタコン酸エステルの
合成法は特に限定はないが、一般には、イタコン酸ある
いはイタコン酸無水物と対応するアルコールとのエステ
ル化反応が用いられる。
【0027】本反応では、溶媒を用いてもよいし、無溶
媒で行ってもよい。用いられる溶媒は、特に限定はない
が、原料および生成物を溶かす不活性溶媒が好ましい。
好適に用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジ
エチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4―ジオキサン、1,3―ジオキソラン、アニ
ソールなどのエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、酢酸アミルなどのエステル類、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、テトラクロロエタン、クロルベンゼン等の
ハロゲン系溶媒などが挙げられる。但し、多くの場合、
溶媒を用いなくとも均一系で反応が進行するために、無
溶媒系が特に好ましく用いられる。
【0028】本反応は、常圧(開放系)で行ってもよい
し、また加圧(密閉系)で行ってもよい。反応に用いる
化合物、生成物および溶媒の沸点と反応温度を勘案して
適宜選択すればよい。一般に、化合物、生成物および溶
媒のいずれの沸点も反応温度より高い場合は特に加圧で
行う必要はないが、いずれかの沸点が著しく低い場合に
は密閉系(加圧系)で行うことが好ましい。圧力は、反
応温度と反応系の上記圧によって決まる。
【0029】反応温度は、低過ぎると反応が遅くなるこ
とがあるまた、高過ぎると種々の副反応が起こることが
ある。従って、主反応の反応速度(反応性)と副反応の
反応速度(反応性)とを勘案して行う必要がある。前述
のごとく、シクロペンタジエンとイタコン酸エステルと
からNB誘導体への反応(第一段反応)は比較的速く、
従って比較的低温で行うことができる。それに対して、
シクロペンタジエンとNB誘導体とからTCD誘導体へ
の反応は比較的遅く、従って比較的高温で行う必要があ
る。
【0030】本反応においては、シクロペンタジエンあ
るいはジシクロペンタジエンはジエン原料ではあるが、
それ自体親ジエンとしても寄与をする。そのために、シ
クロペンタジエンが複数個付加したトリシクロペンタジ
エン、テトラシクロペンタジエンなどが主な副生成物で
ある。それと共に、前記式(I)で示される環状オレフ
ィン系単量体の高級同族体も副生する。また、イタコン
エステルは、高温ではメチルマレイン酸エステルに異性
化する(下記式)。従って、これらの副生物が出来るだ
け生成しない温度が好ましく採用される。
【0031】
【化9】
【0032】すなわち本反応では、80〜250℃、好
ましくは100〜200℃の範囲が用いられる。特にジ
シクロペンタジエンを反応系に導入した場合は、150
〜200℃の範囲で好適に用いられる。それ未満では、
反応が十分進行しないし、それを越えると副生成物が大
量に生成するために好ましくない。また、反応時間は反
応温度にもよるが、一般には1〜50時間、好ましくは
2〜20時間の範囲が選ばれる。それ未満では十分に反
応が進行しないし、それを越えると副生成物の生成量が
大きくなりすぎて好ましくない。
【0033】本発明において前記式(I)で示される環
状ポリオレフィン系単量体は、式(III )で示されるイ
タコン酸無水物とシクロペンタジエンとを加熱環化付加
をし、引き続き式(IV)で示されるアルコールによりエ
ステル化することによっても製造できる。
【0034】この際、イタコン酸無水物とシクロペンタ
ジエンとの加熱環化付加反応は、前記式(II)で示され
るイタコン酸エステルとシクロペンタジエンとの加熱環
化付加反応に準じて行うことが出来る。また、エステル
化反応は、環化付加体に対して2倍モル(等量)以上の
アルコールと触媒の存在下で行う。この際、アルコール
の量は多ければ多いほど平衡が生成系に移るために有利
である。特に上限に限定はないが、一般には環化付加体
に対して2倍モル〜50倍モル好ましくは2倍モル〜2
0倍モルが用いられる。また、触媒としては、p―トル
エンスルホン酸や硫酸などの酸触媒が好んで用いられ
る。反応は無溶媒系で行っても良いし、不活性溶媒の存
在下で行っても良い。不活性溶媒としては、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの副生する水
と共沸混合物を作る溶媒が好んで用いられる。理由は、
反応中に副生する水を、水との共沸混合物として系外に
除去することにより平衡関係を生成系に移すことができ
るからである。
【0035】かくして得られる環状オレフィン系単量体
は、蒸留などの手段により生成することができる。また
その構造は、元素分析法、赤外吸収スペクトル法、核磁
気共鳴吸収スペクトル法などにより確認することが出来
る。また、純度はガスクロマトグラフ法により求めるこ
とができる。
【0036】
【発明の効果】これらの環状オレフィンは、それ自体を
開環重合したり、あるいはノルボルネン、テトラシクロ
ドデセンあるいはそれらの誘導体と共重合して光学材料
として有用な(共)重合体を与える。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。ただし、本発明はこれに限定されない。
【0038】[実施例1]ジシクロペンタジエン92.
5g(0.70モル)、イタコン酸ジメチル221g
(1.4モル)および2,5―ジターシャリブチル―p
―クレゾール1.0gを170℃で5時間加熱攪拌し
た。
【0039】図1のガスクロマトグラフ図に示すよう
に、得られた反応混合物中には、目的物である大量の5
―メトキシカルボニル―5―メトキシカルボニルメチル
―ビシクロ[2,2,1]ヘプテン―2[前記式
(I)、n=0、R=メチル基]を含み、それ以外に少
量の未反応のジシクロペンタジエン、副生したトリシク
ロペンタジエンおよび7―メトキシカルボニル―7―メ
トキシカルボニルメチル―テトラシクロ[6,2,1,
6, 9 ,05, 10]ドデセン―2[前記式(I)、n=
1、R=メチル基]が含まれていた。
【0040】得られた反応混合物を精密蒸留器を用いて
精留して、沸点123〜126℃/6torrの目的物
を226g(72%)得た。得られた留分のガスクロマ
トグラフ(図2)から、目的物の純度は99.5%以上
であることが判明した。また図3に示す核磁気共鳴吸収
スペクトルから、この留分の化学構造は、5―メトキシ
カルボニル―5―メトキシカルボニルメチル―ビシクロ
[2,2,1]ヘプテン―2[前記式(I)、n=0、
R=メチル基]であり、メトキシカルボニルメチル基が
エキソ位とエンド位に結合した立体異性体の混合物から
なり、その比は68:32であることが判明した。
【0041】[実施例2]ジシクロペンタジエン251
g(1.9モル)、イタコン酸ジメチル150g(0.
95モル)および2,5―ジターシャリブチル―p―ク
レゾール1.0gを170℃で10時間、引き続き20
0℃で8時間加熱攪拌した。
【0042】反応終了後、得られた反応混合物を粗蒸留
して沸点約145℃/0.9torrの留分を採取し
た。得られた反応混合物はテトラシクロペンタジエンの
白色固体が混じっていた。この混合物から液体部分をメ
タノールと水との混合溶媒により抽出して、さらに精密
蒸留することにより124〜130℃/0.5torr
の留分を96g得た。核磁気共鳴吸収スペクトルから得
られた留分は7―メトキシカルボニル―7―メトキシカ
ルボニルメチル―テトラシクロ[6,2,1,16, 9
5, 10]ドデセン―2[前記式(I)、n=1、R=メ
チル基]であることがわかった。また、ガスクロマトグ
ラフ法により純度が99%<であり、エキソ/エンド比
が58/42であることがわかった。
【0043】[実施例3〜5]実施例1の方法に準拠し
て、5―イソプロポキシカルボニル―5―イソプロポキ
シカルボニルメチル―ビシクロ[2,2,1]ヘプテン
―2[実施例3、前記式(I)、n=0、R=イソプロ
ピル基]、5―sec―ブトキシカルボニル―5―se
c―ブトキシカルボニルメチル―ビシクロ[2,2,
1]ヘプテン―2[実施例4、前記式(I)、n=0、
R=sec―ブチル基]および5―シクロヘキシルオキ
シカルボニル―5―シクロヘキシルオキシカルボニルメ
チル―ビシクロ[2,2,1]ヘプテン―2[実施例
5、前記式(I)、n=0、R=シクロヘキシル基]を
合成した。反応条件および結果を表1および表2にそれ
ぞれ示す。表から明らかなように、いずれの場合も、高
収率で高純度の目的物を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】[実施例6]シクロペンタジエン79g
(1.2モル)、イタコン酸ジメチル158g(1.0
モル)および2,5―ジターシャリブチル―p―クレゾ
ール0.5gをオートクレーブ中に仕込み、150℃で
10時間反応した。
【0047】得られた反応混合物を精密蒸留にかけて、
123.5〜127℃/6torrの5―メトキシカル
ボニル―5―メトキシカルボニルメチル―ビシクロ
[2,2,1]ヘプテン―2の留分を177g(79
%)得た。目的物の純度は99.5%以上であった。
【0048】[実施例7]イタコン酸無水物112g
(1モル)、シクロペンタジエン79g(1.2モル)
および2,5―ジターシャリブチル―p―クレゾール
0.5gをオートクレーブ中に仕込み、150℃で5時
間加熱反応した。
【0049】反応終了後、得られた反応混合物およびp
―トルエンスルホン酸1.0gをメタノール500gお
よびシクロヘキサン300g中に加え、10時間加熱還
流した。その後、濃縮して、再度メタノール500gお
よびシクロヘキサン300g加えて10時間加熱還流し
た。得られた反応混合物を濃縮して、トルエン500g
を加えた。このトルエン溶液を酸洗浄、アルカリ洗浄お
よび水洗した。しかる後、得られた溶液を濃縮して、精
密蒸留にかけた。そして、122〜128℃/6tor
rの5―メトキシカルボニル―5―メトキシカルボニル
メチル―ビシクロ[2,2,1]ヘプテン―2の留分を
53g(25%)得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た反応混合物の精製前のガスクロ
マトグラフ図。
【図2】実施例1で得た5―メトキシカルボニル―5―
メトキシカルボニルメチル―ビシクロ[2,2,1]ヘ
プテン―2[前記式(I)、n=0、R=メチル基]の
精製後のガスクロマトグラフ図。
【図3】実施例1で得た5―メトキシカルボニル―5―
メトキシカルボニルメチル―ビシクロ[2,2,1]ヘ
プテン―2[前記式(I)、n=0、R=メチル基]の
核磁気共鳴吸収スペクトル図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I) 【化1】 [式中Rは、炭素数1〜10アルキル基または炭素数5
    〜10のシクロアルキル基、nは0または1である。]
    で示される環状オレフィン系単量体。
  2. 【請求項2】 下記一般式(II) 【化2】 [式中Rは、炭素数1〜10アルキル基または炭素数5
    〜10のシクロアルキル基である。]で示されるイタコ
    ン酸エステルとシクロペンタジエンとを加熱環化付加す
    ることを特徴とする環状オレフィン系単量体の製造法。
  3. 【請求項3】 下記一般式(III ) 【化3】 で示されるイタコン酸無水物とシクロペンタジエンとを
    加熱環化付加し、引き続き一般式(IV) 【化4】 [式中Rは、炭素数1〜10アルキル基または炭素数5
    〜10のシクロアルキル基である。]で示されるアルコ
    ールによりエステル化することを特徴とする環状オレフ
    ィン系単量体の製造法。
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