JPH10119300A - プリンタ装置及びその製造方法 - Google Patents

プリンタ装置及びその製造方法

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Publication number
JPH10119300A
JPH10119300A JP27468796A JP27468796A JPH10119300A JP H10119300 A JPH10119300 A JP H10119300A JP 27468796 A JP27468796 A JP 27468796A JP 27468796 A JP27468796 A JP 27468796A JP H10119300 A JPH10119300 A JP H10119300A
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JP
Japan
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pressure chamber
nozzle
organic material
ink
hole
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP27468796A
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English (en)
Inventor
Kouichirou Kijima
公一朗 木島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長さの長いノズルを精度良好且つ安価に形成
することを可能とし、使用可能なインクの範囲を広げ、
正確な記録画像の形成を可能とする。 【解決手段】 吐出媒体が導入される吐出媒体圧力室と
連通する吐出媒体ノズルを金属よりなる板材と有機材料
膜が積層されるノズル形成部材を貫通し、有機材料膜表
面に臨んで開口するように形成し、板材に形成される部
分の径と有機材料膜に形成される部分の径が略等しくな
るようにする。また、定量媒体が導入される定量媒体圧
力室に連通する定量媒体ノズルを同様にして有しても良
い。そして、板材に形成される部分を例えば電鋳法によ
り形成し、有機材料膜に形成される部分を例えばエキシ
マレーザによるアブレーション加工等のレーザ加工によ
り形成することが好ましい。なお、圧力室もエキシマレ
ーザによるアブレーション加工等のレーザ加工により形
成しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吐出媒体のみ、ま
たは吐出媒体と定量媒体を混合して吐出するプリンタ装
置及びその製造方法に関する。詳しくはノズルの吐出安
定性を向上させて正確な記録画像を形成するプリンタ装
置及びその製造方法に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真等のカラーの自然画像
を文字,図形とともに出力するといった要求も増加して
きている。そして、これに伴い、高品位な自然画像をプ
リントすることが要求され、中間調の再現が重要となっ
てきている。
【0003】また、印刷信号に応じて印刷時に必要な時
だけインク液滴をノズルより吐出して紙,フィルム等の
印刷媒体に印刷する、いわゆるオンデマンド型のプリン
タ装置は、小型化,低コスト化が可能なため、近年急速
に普及しつつある。
【0004】このようにインク液滴を吐出する方法とし
ては、様々な方法が提案されているが、ピエゾ素子を用
いる方法または発熱素子を用いる方法が一般的である。
前者はピエゾ素子の変形によりインクに圧力を加えて吐
出させる方法である。後者は、発熱素子によりインクを
加熱沸騰させて発生する泡の圧力でインクを吐出させる
方法である。
【0005】そして、上記のような中間調を上述のイン
ク液滴を吐出するオンデマンド型のプリンタ装置で再現
する方法としては、様々な方法が提案されている。すな
わち、第1の方法としてはピエゾ素子或いは発熱素子に
与える電圧パルスの電圧やパルス幅を変化させて吐出す
る液滴サイズを制御し、印刷ドットの径を可変として階
調を表現するものが挙げられる。
【0006】しかしながらこの方法によると、ピエゾ素
子或いは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げすぎる
とインクを吐出できなくなるため、最小液滴径に限界が
あり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃度の表現
が困難であり、自然画像をプリントアウトするには不十
分である。
【0007】また、第2の方法としては、ドット径は変
化させずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマト
リクスで構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ
法を用いて階調表現を行う方法が挙げられる。なお、こ
の場合には17階調の表現が可能である。
【0008】しかしながらこの方法で、例えば第1の方
法と同じドット密度で印刷を行った場合、解像度は第1
の方法の1/4であり、荒さが目立つため、自然画像を
プリントアウトするには不十分である。
【0009】そこで、本発明者等は、インクを吐出する
際にインクと希釈液を混合することにより、吐出される
インク液滴の濃度を変化させ、印刷されるドットの濃度
を制御することを可能にし、解像度の劣化を発生させる
ことなく自然画像をプリントアウトするプリンタ装置を
提案してきた。
【0010】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
としては、吐出媒体が導入される吐出媒体ノズルと定量
媒体が導入される定量媒体ノズルを互いに隣合うように
開口して有し、定量媒体ノズルから所定量の定量媒体を
吐出媒体ノズルに向けて滲み出させて当該吐出媒体ノズ
ル開口近傍にて吐出媒体と混合させ、吐出媒体ノズルか
ら吐出媒体を定量媒体と混合されている吐出媒体と共に
押し出して、定量媒体と吐出媒体を定量媒体ノズル及び
吐出媒体ノズルの面内方向に混合吐出するようなプリン
トヘッドが挙げられる。そして、このようなプリンタ装
置においては、インク或いは希釈液の何れかである定量
媒体の量を変化させて、インクと希釈液の混合比率を変
化させることによりドットの濃度を変化させて自然画像
をプリントアウトする。なお、上記定量媒体及び吐出媒
体は、どちらか一方がインクであり、残りの一方が希釈
液であれば良い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、インク
と希釈液を混合吐出するプリンタ装置においては、画像
データに応じた階調を正確に表現するために、インクと
希釈液の混合比率を正確に制御する必要がある。そし
て、このためには、インクと希釈液の混合が行われない
状態、すなわち待機状態において、インクと希釈液が確
実に分離されている必要がある。もし、待機状態におい
てインクと希釈液が接していると、インクと希釈液がそ
れぞれ導入されるノズルにインク及び希釈液が互いに流
れ込み、次のドットにおけるインクと希釈液の混合比率
に大きく影響し、階調を正確に表現することが不可能と
なり、高解像度の記録画像の形成は難しい。
【0012】そこで、このようにインクと希釈液を混合
吐出するプリンタ装置においては、少なくとも定量媒体
ノズル開口部と吐出媒体ノズル開口部とに挟まれる領域
に、撥液性をもたせることが望まれる。
【0013】また、前述のインクのみを吐出するプリン
タ装置においても、吐出媒体ノズルの開口部周辺にイン
クが付着してしまうと、吐出方向の不安定状態をもたら
すこととなり、高解像度の記録画像の形成が難しくなる
ため、ノズル開口部の周辺には、撥液性をもたせること
が望まれる。このことは、上述のインクと希釈液を混合
吐出するプリンタ装置においても同様である。
【0014】この撥液性を有する材質としては、一般的
にポリテトラフルオルエチレン等が挙げられ、上記のよ
うなプリンタ装置においては、ノズル開口部周辺にこの
ような材質を配するようにしている。
【0015】ところで、上述したようなプリンタ装置に
おいては、ノズルの形状、特に開口部近傍の形状が吐出
方向に大きな影響を及ぼし、印字品質に多大な影響を及
ぼすことから、ノズルの形成をエキシマレーザによるア
ブレーション加工により行うのが一般的である。
【0016】しかしながら、上記ポリテトラフルオルエ
チレンは、エキシマレーザによるアブレーション加工を
行うことが不可能である。そこで、このようなポリテト
ラフルオルエチレンを使用する場合には、例えば特開平
6−328698号公報に示されるごとく、ポリテトラ
フルオルエチレン中にエキシマレーザの波長域の光を吸
収するような材質を分散させたものを使用し、エキシマ
レーザによるアブレーション加工にてノズルを形成する
ようにしている。しかし、上記特開平6−328698
号公報に示すような方法を用いると、エキシマレーザを
用いた加工性と、撥液性とを両立させることは難しく、
どちらかの性質をある程度犠牲にしなければならないと
いう不都合が生じる。
【0017】また、上記のようにエキシマレーザによる
アブレーション加工を行う場合においては、エキシマレ
ーザ光をマスクするマスク材料と、ノズル加工を行う被
加工物との位置合わせ精度を高精度に保つ必要あると同
時に、マスク材料は高価であるにもかかわらず、このマ
スク材料には絶えずエキシマレーザ光が照射され、消耗
度が高いので、ランニングコストが高価になってしま
う。
【0018】この一方、安価にノズルを形成する方法と
して、ステンレス基板上等にドライフィルム等の感光性
物質によりノズルに対応するパターンを予め形成してお
き、その上に例えばニッケル等を電解めっきにより被着
させて、その後、ノズルが形成されたニッケルをステン
レス基板から剥離するという電鋳法が挙げられる。この
ような電鋳法によりノズルを形成する場合においては、
ノズル開口部周辺に撥液性を持たせるために、ニッケル
の電解めっき後に金を続けてめっきする、ニッケルの電
解めっき後にフッ素粒子を含有するニッケルめっきを行
い、ニッケル中にフッ素を含有させた混合物を形成する
ようにしている。
【0019】ところが、上記電鋳法によれば、安価にノ
ズルを形成することが可能であるものの、この場合、撥
液材料として、金或いはフッ素含有ニッケルの何れを使
用した場合においても、これらのめっき方法が無電界め
っきであるために、厚くめっきを行うとノズル形状が乱
れてしまうという不都合が生じる。
【0020】さらには、金或いはフッ素含有ニッケルと
もに、表面張力が35Dyne/cm程度であり、十分
な撥液性能を有しておらず、これらの撥液材料を用いる
場合においては、ノズル開口部周辺にインクが付着して
吐出方向の乱れが発生する可能性がある。また、このよ
うな撥液材料を使用する場合においては、インクの表面
張力を35Dyne/cm以上に設定する必要があり、
インクとして、表面張力の大きいものしか使用できな
い。さらには、このようにインクの表面張力を大きくす
ると、インクが充填されている液室内部に気泡が残留す
る可能性が高くなり、吐出安定性を損なうといった、不
都合も生じる。
【0021】さらにまた、上記のように電鋳法によりノ
ズルを形成すると、当然のことながらノズル部分が、ド
ライフィルム等により形成された形状を反映させて形成
されるため、ドライフィルムの解像度および、現像後の
ドライフィルムの形状のアスペクト比によって、ノズル
の長さに制限が加わってしまうこととなる。
【0022】電鋳法によりノズルを形成する場合におい
ては、ノズルの長さをドライフィルムの厚さよりも厚く
すると、ノズル形状が乱れてしまうので、ノズルの長さ
はドライフィルムの厚さよりも小さいものとされてい
る。例えば、ノズル直径が30〜40μm程度であるノ
ズルを形成する場合においては、30〜40μm程度の
直径を有する柱をドライフィルム等の感光性材料により
形成するが、ドライフィルム等の厚さは、高々30μm
程度の厚さに自ずと制限されてしまう。従って、このド
ライフィルムを使用してノズルを形成すると、ノズルの
長さはせいぜい30μm程度となる。
【0023】このような理由により、ノズルを電鋳法に
より精度良く形成するには、ノズルの長さをノズルの直
径程度或いはそれ以下とする必要があり、ノズルの長さ
を長くすることができず、ノズルより吐出される液滴の
方向安定性を高めることが容易でなかった。
【0024】ところで、上記のようなプリンタ装置にお
いては、溶液が充填されている溶液タンクとノズルに連
通される液室とを溶液供給路により接続しており、この
溶液供給路をドライフィルム等の感光性樹脂層を使用し
て形成するようにしている。そして、この感光性樹脂層
をノズルが形成されるノズル形成部材と圧力室が形成さ
れている圧力室形成部材の間に配して、これらの間の接
着も行わせるようにしている。このようにすれば、溶液
供給路をつぶしてしまうことなく、これらの間の接着が
可能である。しかしながら、上記ドライフィルムは比較
的耐薬品性に劣るため、使用可能なインクが制限されて
いた。
【0025】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、長さの長いノズルも精度良好且つ安
価に形成され、使用可能なインクの範囲が広く、正確な
記録画像が形成されるプリンタ装置及びその製造方法を
提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明は、吐出媒体が導入される吐出媒体圧力室と
これに連通する吐出媒体ノズルとを少なくとも有し、吐
出媒体ノズルから吐出媒体を吐出するプリントヘッドを
有するプリンタ装置において、吐出媒体ノズルが、金属
よりなる板材と有機材料膜が積層されるノズル形成部材
を貫通し、有機材料膜表面に臨んで開口するように形成
されており、板材に形成される部分の径と有機材料膜に
形成される部分の径が略等しくなるように形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0027】また、本発明のプリンタ装置においては、
定量媒体が導入される定量媒体圧力室を有し、これに連
通する定量媒体ノズルをノズル形成部材を貫通し、有機
材料膜表面に臨んで吐出媒体ノズルと互いに隣合うよう
に開口して有し、定量媒体ノズルから吐出媒体ノズルに
向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズルから
吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐出す
るものであっても良く、上記定量媒体ノズルが、板材に
形成される部分の径と有機材料膜に形成される部分の径
が略等しくなるように形成されていることを特徴とする
ものである。
【0028】なお、本発明のプリンタ装置においては、
有機材料膜の厚さが10μm以上であることが好まし
い。この有機材料膜が10μm未満であると撥液性を持
たせることが困難となってしまう。
【0029】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、有機材料膜がポリイミド系材料よりなることが好ま
しい。
【0030】さらにまた、このポリイミド系材料が、2
3℃の水中に24時間浸積した場合の吸水率が0.4%
以下のものである、或いは180℃以下で重合形成され
るものであることが好ましい。上記のような吸水特性を
有していれば、十分な撥液性を付与することが可能であ
り、180℃以下での重合形成が可能であれば、他の部
分に影響を及ぼすことなく重合形成が可能となる。
【0031】さらには、上記ポリイミド系材料がポリイ
ミドシロキサンを含む材料であることが好ましい。
【0032】また、本発明のプリンタ装置においては、
吐出媒体ノズル、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズルを
有する板材が電鋳法により形成されていることが好まし
い。
【0033】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、吐出媒体ノズル、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズ
ルの有機材料膜に形成される部分がエキシマレーザによ
るアブレーション加工により形成されていることが好ま
しい。
【0034】さらにまた、本発明のプリンタ装置におい
ては、吐出媒体圧力室、吐出媒体圧力室及び定量媒体圧
力室が圧力室形成部材に形成されており、この圧力室形
成部材とノズル形成部材間が熱可塑性の接着剤層により
接着されており、この接着剤層に吐出媒体圧力室、吐出
媒体圧力室及び定量媒体圧力室に連通する貫通孔が形成
されていることが好ましい。
【0035】なお、この場合、接着剤層の貫通孔がエキ
シマレーザによるアブレーション加工により形成されて
いることが好ましい。
【0036】さらには、上記接着剤層がポリイミド系材
料よりなること、接着剤層のガラス転移点が250℃以
下であることが好ましい。
【0037】また、本発明のプリンタ装置においては、
吐出媒体圧力室が、吐出媒体ノズルの板材に形成される
部分の径よりも大径を有して有機材料よりなる圧力室形
成部材に形成されていても良い。
【0038】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室が、吐出媒体ノ
ズル及び定量媒体ノズルの板材に形成される部分の径よ
りも大径を有して有機材料よりなる圧力室形成部材にそ
れぞれ形成されていても良い。
【0039】これら本発明のプリンタ装置においては、
吐出媒体圧力室、吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室が
圧力室形成部材にエキシマレーザによるアブレーション
加工を行って形成されていることが好ましい。
【0040】さらに、これら本発明のプリンタ装置にお
いては、圧力室形成部材がポリイミド系材料よりなるこ
とが好ましい。
【0041】さらにまた、これら本発明のプリンタ装置
においては、圧力室形成部材の少なくとも一部が熱可塑
性の有機材料よりなることが好ましい。
【0042】また、これら本発明のプリンタ装置におい
ては、圧力室形成部材を形成する有機材料のガラス転移
点が250℃以下であることが好ましい。
【0043】さらに、これら本発明のプリンタ装置にお
いては、圧力室形成部材の厚さが15μm以上であるこ
とが好ましい。
【0044】本発明のプリンタ装置の製造方法として
は、所定の位置にノズルを形成する第1の貫通孔を有
し、金属よりなる板材を形成する工程と、この板材のノ
ズルが開口して相対向する主面のうちの一方の主面側に
有機材料膜を形成する工程と、板材の有機材料膜が形成
されていない主面側からレーザ光を照射し、板材の第1
の貫通孔を介して有機材料膜中の第1の貫通孔に対応す
る部分のみにレーザ光を照射して有機材料膜に板材の第
1の貫通孔と略同径の第2の貫通孔を形成して、これら
第1の貫通孔及び第2の貫通孔によりノズルを形成し、
ノズル形成部材を形成する工程を有することを特徴とす
るものが挙げられる。
【0045】なお、上記本発明のプリンタ装置の製造方
法においては、板材の有機材料膜が形成されない主面側
に、第1の貫通孔に対応する位置に圧力室を形成する第
3の貫通孔を有する圧力室形成部材を接着層により接着
した後、この圧力室形成部材側からレーザ光を照射し、
第3の貫通孔を介して接着層中の第3の貫通孔に対応す
る部分に第4の貫通孔を形成するとともに、第1の貫通
孔と略同径の第2の貫通孔を形成するようにしても良
い。
【0046】また、本発明のプリンタ装置の製造方法と
しては、所定の位置にノズルを形成する第1の貫通孔を
有し、金属よりなる板材を形成する工程と、この板材の
ノズルが開口して相対向する主面のうちの一方の主面側
に第1の有機材料膜を形成する工程と、第1の有機材料
膜が形成される面とは反対側の主面に第2の有機材料膜
を形成する工程と、第2の有機材料膜側から所定形状の
マスクを介してレーザ光を照射し、第2の有機材料膜に
マスクの形状に応じた形状で第1の貫通孔に連通して圧
力室を形成する第3の貫通孔を形成して圧力室形成部材
を形成するとともに、板材の第1の貫通孔を介して第1
の有機材料膜中の第1の貫通孔に対応する部分のみにレ
ーザ光を照射して第1の有機材料膜に板材の第1の貫通
孔と略同径の第2の貫通孔を形成して、これら第1の貫
通孔及び第2の貫通孔によりノズルを形成し、ノズル形
成部材を形成する工程を有することを特徴とするものも
挙げられる。
【0047】なお、これら本発明のプリンタ装置の製造
方法においては、板材を電鋳により形成することが好ま
しい。
【0048】さらに、これら本発明のプリンタ装置の製
造方法においては、レーザ光がエキシマレーザであるこ
とが好ましい。
【0049】本発明のプリンタ装置においては、吐出媒
体ノズル、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズルが、金属
よりなる板材と有機材料膜が積層されるノズル形成部材
を貫通し、有機材料膜表面に臨んで開口するように形成
されており、板材に形成される部分の径と有機材料膜に
形成される部分の径が略等しくなるように形成されてお
り、これを製造する際には、例えば先ず電鋳法によりノ
ズルの一部である第1の貫通孔を有する板材を形成し、
その後、この板材上に有機材料膜を形成して上記板材を
マスク材としてレーザ光を照射し、有機材料膜の第1の
貫通孔に対応する部分のみを除去して第1の貫通孔と略
同等の径を有する第2の貫通孔を形成し、これら第1及
び第2の貫通孔により各ノズルを形成するようにしてい
る。
【0050】従って、ノズルの大部分を電鋳法により形
成していることから、安価に製造が行われ、残りの部分
を例えばエキシマレーザ等のレーザ光を使用した加工に
より形成するようにしていることから、先端部分が正確
な形状で形成され、且つ有機材料膜の厚さを厚くすれば
長さの長いノズルが精度良好に形成される。さらに、こ
のとき、板材をマスク材として使用していることから、
ノズル加工時に高価なマスク材を使用する必要がなくな
り、製造工程が簡素化され、製造コストが低減される。
さらにまた、マスク材を使用する必要がないことから、
マスク材の位置合わせが不要となり、位置合わせに起因
する製造不良が抑えられ、製造歩留まりが向上する。
【0051】また、有機材料膜としてポリイミド系材料
を使用すれば撥液性を損なうこと無く、エキシマレーザ
加工性が確保され、特に23℃の水中に24時間浸積し
た場合の吸水率が0.4%以下のものを使用すれば十分
な撥液性が確保され、使用可能なインクの範囲が広が
る。さらには、上記ポリイミド系材料として、180℃
以下で重合形成されるものを使用すれば他の部分に影響
を及ぼすことなく製造が行われる。
【0052】さらに、本発明のプリンタ装置において、
吐出媒体圧力室、吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室
が、吐出媒体ノズル、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズ
ルの板材に形成される部分の径よりも大径を有して有機
材料よりなる圧力室形成部材に形成され、これら吐出媒
体圧力室及び定量媒体圧力室をエキシマレーザによるア
ブレーション加工を行って形成するようにすれば、圧力
室形成部材とノズル形成部材間をドライフィルム等によ
り接着する必要がなくなる。従って、圧力室形成部材に
圧力室とともに溶液供給路も形成するようにすれば良
く、耐薬品性に劣るドライフィルムにインクが接触する
ことがなくなり、使用可能なインクの範囲が広がる。
【0053】なお、このようなプリンタ装置を製造する
場合には、ノズルの一部である第1の貫通孔を有する板
材の相対向する主面に第1の有機材料膜及び第2の有機
材料膜をそれぞれ形成し、第2の有機材料膜上に圧力室
や溶液供給路を形成するためのマスク材を配してこの第
2の有機材料膜側からレーザ光を照射すれば、第1の貫
通孔に連通して圧力室を形成する第3の貫通孔が形成さ
れて圧力室形成部材が形成されるとともに、板材の第1
の貫通孔を介して第1の有機材料膜中の第1の貫通孔に
対応する部分のみにレーザ光が照射されて第1の有機材
料膜に板材の第1の貫通孔と略同径の第2の貫通孔が形
成されて、これら第1の貫通孔及び第2の貫通孔により
ノズルが形成され、容易に製造が行われる。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0055】本発明のプリンタ装置は、いわゆるシリア
ル型のプリンタ装置であり、図1に示すように、被印刷
物であるプリント紙1が支持されるドラム2と、本発明
のプリンタ装置を構成し、上記プリント紙1に記録を行
うプリントヘッド部3により主に構成されるものであ
る。
【0056】このとき、上記プリント紙1は、ドラム2
の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ4により、ド
ラム2に圧着保持されている。また、上記ドラム2の外
周近傍には、送りネジ5がドラム2の軸方向に平行に設
けられている。そして、この送りネジ5には、プリント
ヘッド部3が保持されている。すなわち、かかるプリン
トヘッド部3は、送りネジ5の回転によって、図中矢印
Mで示すようにドラム2の軸方向に移動するようになっ
ている。
【0057】一方、ドラム2は、プーリ6、ベルト7、
プーリ8を介してモータ9により図中矢印mで示すよう
に回転駆動される。さらに、送りネジ5及びモータ9の
回転とプリントヘッド部3は、ヘッドドライブ,ヘッド
送り制御,ドラム回転制御10により印画データ及び制
御信号11に基づいて駆動制御される。
【0058】上記の構成においては、プリントヘッド部
3が移動して1行分の印字を行うと、ドラム2を1行分
だけ回転させて次の印字を行う。ヘッド3が移動し、印
画する場合は、一方向の場合と往復方向の場合とがあ
る。
【0059】このようなプリンタ装置における印字及び
制御系のブロック図を図2に示す。上記プリンタ装置は
図2中に示す制御部20によって制御されている。この
制御部20は信号処理制御回路22、ドライバ23、メ
モリ25、各種制御モータ駆動その他27及び補正回路
26によって構成されている。信号処理制御回路22は
CPU又はDSP(Digital Signal P
rocessor)構成でなる。
【0060】そして、印字データ、操作部信号及び外部
制御信号などの信号入力21は、制御部20の信号処理
制御回路22に入力され、この信号処理制御回路22に
おいて印字順番に揃えられて、ドライバ23を介して吐
出信号とともにヘッド24に送られ、ヘッド24を駆動
制御する。印字順番は、ヘッド24や印字部の構成で異
なり、また印字データの入力順番との関係もあり、必要
に応じてラインバッファメモリや1画面メモリなどのメ
モリ25に一旦記録してから取り出す。
【0061】なお、マルチヘッドでノズル数が非常に多
い場合には、ヘッド24にICを搭載してヘッド24に
接続する配線数を減らすようにする。また、信号処理制
御回路22には、補正26が接続されており、γ補正、
カラーの場合の色補正、各ヘッドのばらつき補正などを
行う。補正26には、予め決められた補正データをRO
M(read only memory)マップ形式で
格納しておき、外部条件、例えばノズル番号、温度、入
力信号などに応じて取り出すようにするのが一般的であ
る。
【0062】信号処理制御回路22は、前述のようにC
PUやDSP構成としてソフトウエアで処理するのが一
般的であり、処理された信号は各種制御モータ駆動その
他27に送られる。各種制御モータ駆動その他27で
は、ドラム及び送りネジを回転駆動するモータの駆動、
同期、ヘッドのクリーニング、プリント紙の供給、排出
などの制御を行う。また、信号には、印字データ以外の
操作部信号や外部制御信号が含まれることは言うまでも
ない。
【0063】次に、本例のプリンタ装置を構成するプリ
ントヘッドについて説明する。なお、ここではインクジ
ェット方式のプリントヘッドについて述べる。このプリ
ントヘッドは、図3に示すように、圧力室形成部材3
1、振動板32、積層型ピエゾ素子33、ノズル形成部
材34により主に構成されるものである。
【0064】上記圧力室形成部材31は、例えば厚さ略
0.2mmのステンレススチール等により形成すれば良
い。そして、上記圧力室形成部材31には吐出媒体バッ
ファタンク(以下、インクバッファタンクと称する。)
を構成する貫通部35と、吐出媒体圧力室(以下、イン
ク圧力室と称する。)を構成して一主面31aに臨んで
開口する第1の凹部36、吐出媒体供給路(以下、イン
ク供給路と称する。)を構成して一主面31aと相対向
する主面31bに臨んで開口し、貫通孔部35と第1の
凹部36の底面の端部間を接続するように形成される第
2の凹部37、吐出媒体導入口(以下、インク導入口と
称する。)を構成して主面31bに臨んで開口し、第1
の凹部36の他端部と接続される第3の凹部38が形成
されている。
【0065】そして、本例のプリントヘッドにおいて
は、上記圧力室形成部材31の一主面31a側に振動板
32を配し、相対向する主面31b側にノズル形成部材
34(以下、オリフィスプレート34と称する。)を配
して、圧力室形成部材31を振動板32とオリフィスプ
レート34により厚さ方向に挟み込んでいる。なお、上
記振動板32は、ニッケル等により形成すれば良く、例
えばエポキシ系の接着剤等により圧力室形成部材31に
対して接着するようにすれば良い。上記振動板32にお
いては、インクバッファタンクとなる貫通孔35に対応
する位置にこれよりも小径のインク供給口39が形成さ
れている。
【0066】また、一方のオリフィスプレート34は、
本例のプリンタ装置のプリントヘッドにおいては、金属
よりなる板材40と有機材料膜41の積層構造となされ
ている。
【0067】上記板材40は、例えばニッケルを主成分
とし、30μm程度の厚さを有し、例えば電鋳法により
形成されている。また、一方の有機材料膜41は、レー
ザ加工性に優れ、かつ、撥液性を有する材料により形成
されることが望ましい。さらに、有機材料膜41の材質
は、撥液性を有するポリイミド系材料よりなることが好
ましく、さらには180℃以下の加熱により重合形成さ
れることが好ましく、さらにまた、ポリイミドシロキサ
ンを含む材料であることが好ましい。また、このポリイ
ミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒素と結合す
る芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより置換されて
おり、Siのポリイミドに対する含有量が3重量%〜2
5重量%であることが好ましい。
【0068】そして、このようなポリイミド系材料とし
ては、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム
UPA−8322(商品名)や、ユピコートFS−10
0L(商品名)や、ユピファインFP−100(商品
名)等が挙げられる。これら有機材料膜を使用すれば、
有機材料膜の表面張力を31Dyne/cm以下とする
ことができる。
【0069】上記オリフィスプレート34には、インク
導入口を形成する第3の凹部38に対応する位置に、吐
出媒体であるインクを吐出するための吐出媒体ノズル4
2(以下、インクノズル42と称する。)が形成されて
いる。このインクノズル42は断面形状が例えば円形の
所定径を有する貫通孔として形成されている。
【0070】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、オリフィスプレート34の板材40を
電鋳法により形成するようにし、インクノズル42のう
ち板材40に形成されている第1の貫通孔42aを電鋳
法により形成するようにしている。さらに、本例のプリ
ンタ装置のプリントヘッドにおいては、インクノズル4
2のうち有機材料膜41に形成されている第2の貫通孔
42bを例えばエキシマレーザによるアブレーション加
工といったレーザ加工により形成するようにしている。
【0071】すなわち、第2の貫通孔42bは、板材4
0をマスク材として使用し、板材40側からレーザ光を
照射して有機材料膜41中の第1の貫通孔42aに対応
する部分のみにレーザ光を照射して加工を行い、有機材
料膜41に第1の貫通孔42aと略同径の第2の貫通孔
42bを形成し、これら第1の貫通孔42a、第2の貫
通孔42bによりインクノズル42を形成するようにし
ている。
【0072】したがって、オリフィスプレート34に形
成されているインクノズル42は、板材40と有機材料
膜41とにおいて、境目無く連続した形状にて正確な形
状で形成されている。
【0073】また、有機材料膜41をレーザ加工性に優
れた材料、とりわけレーザ光としてエキシマレーザ光を
用いた場合において加工性に優れた材料により形成して
いるので、効率よくノズル加工を行うことが可能であ
る。
【0074】さらに、板材40の厚さを厚くしてインク
ノズル42の長さを長くすることは困難であるが、有機
材料膜41の厚さを厚くしてインクノズル42の長さを
長くすることは容易であり、この場合にも正確な形状で
インクノズルが形成される。
【0075】ここで、インク導入口を形成する第3の凹
部38はインクノズル42よりも大径を有するように形
成されている。
【0076】すなわち、圧力室形成部材31を振動板3
2とオリフィスプレート34により厚さ方向に挟み込む
ことによって、貫通孔部35、第1の凹部36、第2の
凹部37、第3の凹部38が接続されることにより形成
される空洞部が振動板32とオリフィスプレート34に
より塞がれて、圧力室形成部材31の振動板32側から
オリフィスプレート34側に向かって厚さ方向に形成さ
れるインクバッファタンク43、これと接続され圧力室
形成部材31の面内方向に形成されるインク供給路44
と、これに接続され振動板32側に形成されるインク圧
力室45、上記インク圧力室45に接続され、オリフィ
スプレート34側に開口するインク導入口46が連続し
て形成されることとなる。そして、前述のように振動板
32にはインク供給口39が形成され、オリフィスプレ
ート34にはインクノズル42が形成されていることか
ら、インク供給口39、インクバッファタンク43、イ
ンク供給路44、インク圧力室45、インク導入口4
6、インクノズル42の順にインクが流れることとな
る。
【0077】また、本例のプリントヘッドにおいては、
振動板32の圧力室形成部材31と接着される面とは反
対側の一主面32aのインク圧力室45に対応する位置
に突起部49が形成されており、この突起部49を介し
て積層型ピエゾ素子33が載置されている。なお、上記
積層型ピエゾ素子33としては、圧電部材と導電部材と
が交互に積層されてなるものが挙げられる。このとき、
圧電部材と導電部材との積層数は何層であっても良い。
【0078】この突起部49はインク圧力室45の平面
の面積及び積層型ピエゾ素子33の平面の面積よりも小
さいものとして形成されている。さらに、上記振動板3
2の一主面32aのインク供給口39に対応する位置に
は図示しないインクタンクに接続されるインク供給管5
0が接続されている。
【0079】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、図4に模式的に示すように、プリント
ヘッド中のインクバッファタンク43は、管状の部材と
なされており、このインクバッファタンク43の長手方
向に複数の上述したようなプリントヘッドが所定の間隔
を有して平行に配列されて、インクバッファタンク43
は各プリントヘッドの共通のインク配給管となされてい
る。そして、これらプリントヘッドにおいては、インク
バッファタンク43に対してインク供給路44が直交す
るように接続している。このため、各プリントヘッドの
インクノズル42は1つの面上に開口することとなる。
すなわち、インクは図示しないインクタンクからインク
バッファタンク43に供給され、ここから各プリントヘ
ッドのインク供給路44に供給されることとなる。
【0080】本例のプリンタ装置のプリントヘッドによ
り印刷を行うには、以下のようにすれば良い。すなわ
ち、本例のプリンタ装置のプリントヘッドで使用されて
いる積層型ピエゾ素子33においては、駆動電圧が印加
されると、図3中矢印M1 で示す方向とは逆の方向に直
線的に変位する性質を有するため、これに接着されてい
る突起部49を中心に振動板32を持ち上げることとな
り、図5に示すようにインク圧力室45の体積が増大す
ることとなる。
【0081】またこの積層型ピエゾ素子33は駆動電圧
が解放されると、図5中に矢印M1で示す方向に直線的
に変位する性質を有するため、これに接着されている突
起部49を介して振動板32を押圧して湾曲させてイン
ク圧力室45の体積を減少させてインク圧力室45内の
圧力を上昇させることとなる。このとき、突起部49
は、その平面面積が積層型ピエゾ素子33の平面面積よ
りも小さくなるようになされているので、積層型ピエゾ
素子33の変位を振動板32のインク圧力室45に対応
する位置に集中的に伝達することが可能である。
【0082】従って、このプリンタ装置のプリントヘッ
ドにより印刷を行う場合には、先ず、積層型ピエゾ素子
33に所定の駆動電圧を印加する。すると、前述のよう
に積層型ピエゾ素子は図5中矢印M1 で示す方向とは反
対の方向に変位し、インク圧力室45の体積が増加す
る。その結果、インクノズル42の先端に形成されてい
る図示しないインクのメニスカスは、一旦インク圧力室
45側に後退した後、積層型ピエゾ素子33の変位が収
まると表面張力との釣り合いによつてインクノズル42
の先端近傍で安定し、インク吐出の待機状態となる。
【0083】続いて、積層型ピエゾ素子33に印加され
ている駆動電圧が解放されると、積層型ピエゾ素子33
は元の形状に戻ろうとして図5中矢印M1 で示す方向に
変位する。その結果、インク圧力室45は元の大きさに
戻ろうとし、インク圧力室45内の圧力が上昇するた
め、インクノズル42からインクが吐出され、これを被
記録材に被着させて印刷を行う。このとき、積層型ピエ
ゾ素子33に印加される駆動電圧の時間変化は、インク
ノズル42からインクを吐出し得るように設定されてい
る。
【0084】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、オリフィスプレート34のノズル開口面側に撥
液性を有する有機材料膜41が形成されていることか
ら、インクノズル42の開口部周辺には、金或いはフッ
素含有ニッケルめっきと比較して、十分な撥液性を有す
る有機材料膜41が形成されていることとなり、ノズル
開口部周辺にインク付着などが発生する可能性が低く、
吐出方向安定性に優れ、正確な記録画像が形成される。
【0085】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、有機材料膜41を厚くしてインクノズル
42のレーザ加工により形成される第2の貫通孔42b
部分の長さを長くしてインクノズル42の長さを長くす
ることが容易であり、吐出方向精度を高めることも可能
であり、正確な記録画像が形成される。
【0086】特に、従来の電鋳法のみにより形成された
金属よりなるオリフィスプレートに形成されるノズルの
長さがせいぜい25μm程度であった場合と比較して、
有機材料膜の厚さを10μm以上とすることにより、吐
出に有効なノズル長さを35μm以上とすることが容易
となり、その結果ノズル長さは、アスペクト比におい
て、40%以上大きくすることが容易となり、吐出方向
安定性の効果が顕著に得られることとなる。
【0087】続いて本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドの製造方法について述べる。先ず、圧力室形成部材を
製造する。すなわち、図6に示すように、厚さが略0.
2mmのステンレス部材61の一主面61aに例えば感
光性ドライフイルムや液体レジスト材料などのレジスト
を塗布した後、インクバッファタンクを形成するための
貫通孔とインク圧力室を形成するための凹部の形成位置
に応じた部分をエッチング可能なパターンを有するマス
クを用いてパターン露光し、レジスト62を形成する。
【0088】また、このステンレス部材61の一主面6
1aに相対向する主面61bにも同様にしてインク供給
路を形成するための凹部、インク導入口を形成するため
の凹部の形成位置に応じた部分をエッチング可能なパタ
ーンを有するマスクを用いてパターン露光し、レジスト
63を形成する。
【0089】続いて、上記ステンレス部材61をレジス
ト62,63をマスクとして、例えば塩化第2鉄水溶液
等のエッチング溶液に所定時間浸してエッチングを行
う。その結果、図7に示すように、インクバッファタン
クを形成し、一主面61aからこれと相対向する主面6
1bに貫通する貫通孔35、インク圧力室を形成し、一
主面61aに臨んで開口する第1の凹部36、貫通孔3
5の側面と第1の凹部36の底面を接続してインク供給
路を形成し、一主面61bに臨んで開口する第2の凹部
37、インク導入口を形成し、第1の凹部36の底面か
ら一主面61bに臨んで開口する第3の凹部38が形成
される。
【0090】続いてレジスト62,63を除去する。レ
ジスト62,63としてドライフィルムレジストを使用
した場合には、例えば5%以下の水酸化ナトリウム水溶
液を用いれば良く、レジスト62,63として液体レジ
スト材料を用いた場合には、例えば専用アルカリ溶液を
用いれば良い。その結果、図8に示すように、貫通孔3
5、第1の凹部36、第2の凹部37、第3の凹部38
が形成される圧力室形成部材31が形成される。
【0091】続いて、オリフィスプレートの製造を行
う。すなわち、図9に示すように、電鋳時のベースとな
り、製造されるオリフィスプレートよりも大きいステン
レスプレート71を用意し、その一方の主面71a上
に、例えばプリント基板のめっき工程に使用されるめっ
き用ドライフィルムなどの感光性材料を用いて、オリフ
ィスプレートのインクノズルあるいは外形などの形状に
対応したパターン72を形成する。
【0092】続いて、図10に示すように、上記パター
ン72の形成されたステンレスプレート71を電解ニッ
ケルめっき浴に浸して、めっきを行い、めっき膜73を
形成する。なおこのとき、めっき膜73の厚さは、ドラ
イフィルムにより形成したパターン72の厚さよりも薄
くする必要がある。これは、前述のように、インクノズ
ルを形成する第1の貫通孔はこのパターン72の形状に
応じて形成されるが、その長さをパターン72の高さよ
りも厚くすると正確な形状で形成することが困難となる
ためであり、パターン72の高さより短く形成すること
で、形状の乱れを生じることなく、第1の貫通孔を有す
るめっき膜73を形成することが可能となる。
【0093】例えば、ドライフィルムを用いたパターン
72の厚さとして30μmを選択した場合においては、
めっき膜73の厚さを25μm程度とすることにより、
ノズル径35μm程度の第1の貫通孔を有するめっき膜
73をノズル形状の乱れなく形成することができる。
【0094】続いて、めっき膜73をステンレスプレー
ト71より剥離し、洗浄し、図11に示すような第1の
貫通孔42aを有する板材40を形成する。このとき、
洗浄は、専用ドライフィルム剥離液或いは水酸化ナトリ
ウム水溶液を用いて行うことが可能である。
【0095】次に、図12に示すように、板材40の第
1の貫通孔42aが開口し、相対向する主面のうちの一
方の主面40a上に撥液性を有する有機材料膜41を形
成する。
【0096】この有機材料膜41は、レーザ加工性に優
れ、かつ、撥水性を有していることが望ましい。この有
機材料膜41を形成する材料としては、例えば撥液性を
有するポリイミド系材料が挙げられ、180℃以下の加
熱により重合形成される材料が好ましく挙げられ、さら
にはポリイミドシロキサンが好ましく挙げられる。この
ポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒素と
結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより置換
されており、Siのポリイミドに対する含有量が3重量
%〜25重量%であることが好ましい。
【0097】このようなポリイミド系材料としては、宇
部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム UPA−
8322(商品名)や、ユピコートFS−100L(商
品名)や、ユピファインFP−100(商品名)等が挙
げられ、図12においては、例えば、形成後の膜厚が3
0μm程度となるフィルム形状とされた宇部興産株式会
社製のポリイミド接着フィルム UPA−8322(商
品名)を熱ラミネートする事により貼り合わせる工程を
示すこととする。
【0098】そして、上述した有機材料を用いた場合に
おいてそれぞれ推奨の硬化条件により、有機材料膜41
の硬化処理を行う。例えば、有機材料膜41として、宇
部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム UPA−
8322(商品名)を用いた場合においては最高温度1
60℃の処理を行うことにより、耐薬品性に優れた撥液
性を有する有機材料フィルムを形成することができる。
そして、熱処理の最高温度が180℃以下の低い温度の
材料を用いることにより、板材40の劣化の発生、およ
び熱膨張率の違いによるそりの発生を低く抑えることが
できることとなる。
【0099】なお、上記有機材料膜41は、図10に示
しためっき工程において、ステンレスプレート71と対
向する側の面(ステンレスプレート71が配される面と
反対側の面)に形成することが望ましい。これは、ステ
ンレスプレート71と対向する主面の方が他の主面と比
較して表面荒さが荒いために、有機材料膜41との密着
性の向上が得られやすいこと、そしてノズルに対応する
ドライフィルムよりなるパターン72の形状が、若干で
はあるが、ステンレスプレート71と対向しない側の主
面からステンレスプレート71と対向する側の主面に向
かって細くなるテーパー形状を有しているために、プリ
ンタ装置のプリントヘッドとしての吐出方向安定性に優
れた特性が得られやすいためである。
【0100】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材40の有機材料膜41が形成されていない側の主面
より、エキシマレーザ光を板材40に対して垂直に照射
する。すると、板材40がマスク材として機能するた
め、有機材料膜41の板材40に形成される孔部に対応
する部分、すなわち第1の貫通孔42aに対応する部分
にのみエキシマレーザ光が到達する。その結果、図13
に示すように、有機材料膜41に第1の貫通孔42aに
連続して形成され、これと略同径の第2の貫通孔42b
が形成され、第1及び第2の貫通孔42a,42bによ
りインクノズル42が形成されるとともに、板材40と
有機材料膜41が積層されたオリフィスプレート34が
形成される。
【0101】なお、上記のエキシマレーザによるアブレ
ーション加工においては、第1の貫通孔42a内に入り
込んだ有機材料膜41を容易に除去することができ、板
材40に形成される第1の貫通孔42aと有機材料膜4
1に形成される第2の貫通孔42b間に段差を生じるこ
とがなく、なめらかに連続した形状のインクノズルが形
成される。
【0102】さらに、この工程においては、板材40を
有機材料膜のアブレーション加工のマスク材料として使
用しているので、エキシマレーザ加工装置の光学系に配
置するノズル形状に対応した投影マスクを用いる必要が
ないので、加工時の位置合わせ精度を大幅に緩和するこ
とが可能となり、位置合わせに起因する製造不良が抑え
られ、製造歩留まりが向上し、生産性が向上する。さら
には、ノズル形成の際にエキシマレーザ加工装置の光学
系に配置する高価な投影マスクを用いないので、製造工
程が簡素化され、必要とされるマスク材が減るためにラ
ンニングコストが低減され、製造コストが低減される。
【0103】また、本例のオリフィスプレート34を製
造する工程においては、インクノズル42の大部分を電
鋳法により形成しており、安価に製造が行われ、残りの
部分を例えばエキシマレーザ等のレーザ光を使用した加
工により形成するようにしていることから、先端部分が
正確な形状で形成され、且つ有機材料膜41の厚さを厚
くすれば長さの長いインクノズル42が精度良好に形成
される。
【0104】なお、上述の例においては、有機材料膜4
1をフィルム形状とされた宇部興産株式会社製のポリイ
ミド接着フィルム UPA−8322(商品名)により
形成する例について述べたが、有機材料膜41は、その
原材料としての形状が液状である、ユピコートFS−1
00L(商品名)や、ユピファインFP−100(商品
名)を用いても形成可能であり、めっき膜73のめっき
が終了して、ステンレスプレート71より剥離する前の
状態であれば、形成することができる。
【0105】さらに、有機材料膜41を、その原材料と
しての形状が液状である、ユピコートFS−100L
(商品名)や、ユピファインFP−100(商品名)を
用いて形成する場合に、板材40をステンレスプレート
71から剥離した後の状態において塗布を行い、これら
液体が板材40の第1の貫通孔42aにまわり込んだと
しても、エキシマレーザの照射により、板材40に形成
された第1の貫通孔42a内に存在する有機材料は除去
されることとなるので、ノズルの形状の乱れを容易に防
ぐことが可能である。
【0106】次に、図14に示すように、これまでの工
程で形成された圧力室形成部材31とオリフィスプレー
ト34とを例えばエポキシ接着剤等の図示しない接着剤
層を用いて接着する。なお、この接着工程においては、
圧力室形成部材31に形成されたインク導入口を形成す
る第3の凹部38と、オリフィスプレート34に形成さ
れたインクノズル42とが連通するように位置合わせを
行う。
【0107】さらに、接着剤としては、圧力室形成部材
31に形成されるインク供給路を形成する第2の凹部3
7及びインクバッファタンクを形成する貫通孔35が埋
まらないようなものを選択する。
【0108】続いて、図15に示すように、圧力室形成
部材31のオリフィスプレート34が接着されない側の
主面31aに、例えばエポキシ系の接着剤等の図示しな
い接着剤層を用いて、予め所定の位置に突起部49が形
成されている振動板32を接着する。この場合、インク
供給路を形成する第2の凹部37は反対側の面である主
面31bに臨んで開口するようになされているため、振
動板32の接着工程において、この第2の凹部37が接
着剤によつて塞がれることを未然に防止できる。従っ
て、本例のプリンタ装置のプリントヘッドにおいては、
接着剤による目詰まりに起因するインク供給路の流路抵
抗の上昇を回避することができる。
【0109】またインク供給路が主面31b側に形成さ
れるので、圧力室形成部材31に振動板32を接着する
際に用いる接着剤の選択範囲が制約され難い。
【0110】さらに振動板32と圧力室形成部材31を
接着する際には、振動板32のインク供給口39とイン
クバッファタンクを形成する貫通孔35の位置合わせ
と、突起部49とインク圧力室を形成する第1の凹部3
6の位置合わせだけを考慮すればよく、振動板32の接
着工程は簡便に行われる。
【0111】そして、このように振動板32を接着して
圧力室形成部材31を振動板32とオリフィスプレート
34により挟み込むと、圧力室形成部材31の貫通孔3
5によりインクバッファタンク43が形成され、第2の
凹部37によりインク供給路44が形成され、第1の凹
部36によりインク圧力室45が形成され、第3の凹部
38によりインク導入口46が形成されることとなる。
【0112】この後、振動板32上の突起部49上に積
層型ピエゾ素子を配し、インク供給口39と接続される
ようにインク供給管50を配して図3に示したような本
例のプリンタ装置のプリントヘッドを完成する。
【0113】ところで、上述の製造方法においては、圧
力室形成部材31とオリフィスプレート34の接着工程
において、インクバッファタンク43を形成する貫通孔
35、インク供給路44を形成する第2の凹部37を埋
めてしまうことのないようなエポキシ接着剤を選定する
必要があったが、以下に示すような方法により製造を行
えば、上記のような不都合を容易に回避することができ
る。
【0114】すなわち、先に図11に示した板材40の
形成工程の後、図16に示すように、板材40の一主面
40aに有機材料膜41を形成するとともに、これと反
対側の主面40bには、レーザ加工によりアブレーショ
ン加工を行うことのできる熱可塑性の接着剤層64を形
成する。
【0115】この接着剤層64の形成方法は、板材40
の一主面40b側に、液体状態のまま塗布してその後の
熱処理により熱可塑性の接着材料とする方法、または既
にフィルム状態とされた熱可塑性の接着材料を配置する
方法等が挙げられる。また、これら熱可塑性の材料とし
ては、たとえば、三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポ
リイミド材料 ネオフレックス(商品名)等が挙げられ
る。さらに、熱可塑性材料がフィルム形状である場合に
は、フィルム全体が熱可塑性材料である必要はなく、そ
の場合フィルムの両面の接着面となる表面に熱可塑性材
料が形成されていればよい。
【0116】次に、図17に示すように、有機材料膜4
1と接着剤層64の形成された板材40を図8に示され
るような圧力室形成部材31に接着剤層64を用いて接
着する。
【0117】なお、この接着工程においては、圧力室形
成部材31に形成されたインク導入口を形成する第3の
凹部38と、板材40のインクノズルを形成する第1の
貫通孔42aを後工程で連通させることが可能なように
位置合わせを行う。
【0118】なお、接着剤層64を前述の三井東圧化学
株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネオフレックス
(商品名)により形成した場合においては、230℃程
度のプレス温度において20〜30kgf/cm2 程度
の圧力を与えることにより接着が可能である。これによ
り、圧力室形成部材31と板材40と有機材料膜41よ
りなるオリフィスプレートとの接着強度を高めることが
できると共に効率良く接着することができる。
【0119】さらに液体状態でない接着剤を用いている
ので、接着剤がインク供給路を構成する第2の凹部37
等を塞ぐことを防止することも可能である。
【0120】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
圧力室形成部材31側からノズル形成部分に対してレー
ザ光を垂直に照射する。すると、圧力室形成部材31が
マスク材として機能し、図18に示すようにインク導入
口を構成する第3の凹部38に対応する部分の接着剤層
64の加工が行われてこの部分が除去されて貫通孔65
が形成され、その下層側の板材40の第1の貫通孔42
aが露呈する。さらに、上記加工が終了すると、板材4
0の第1の貫通孔42a内に入り込んだ図示しない有機
材料が加工されて除去され、続いてこの板材40をマス
ク材として有機材料膜41の第1の貫通孔42aに対応
する部分のみが加工されて除去され、第2の貫通孔42
bが形成されて、これら第1の貫通孔42aと第2の貫
通孔42bによりインクノズル42を形成するととも
に、板材40と有機材料膜41よりなるオリフィスプレ
ート34を完成する。
【0121】なお、上記工程においても、前述の製造方
法に示した工程と同様に、第1の貫通孔42a内に入り
込んだ有機材料を容易に除去することができ、インクノ
ズル42は板材40に形成される第1の貫通孔42aと
有機材料膜41に形成される第2の貫通孔42b間に段
差を有することなく、なめらかに連続した形状のノズル
として形成される。
【0122】さらに、この工程においても、前述の製造
方法に示した工程と同様に、板材40を有機材料膜41
のアブレーション加工の際のマスク材として使用してい
ることから、エキシマレーザ加工装置の光学系に配する
投影マスクが不要であり、加工時の位置合わせ精度を大
幅に緩和することが可能となり、位置合わせに起因する
製造不良が抑えられ、製造歩留まりが向上し、生産性が
向上する。さらには、エキシマレーザ加工装置の光学系
に配置する高価な投影マスクを用いないので、製造工程
が簡素化され、ランニングコストが低減され、製造コス
トが低減される。
【0123】なお、上述の例においては、エキシマレー
ザ加工装置の光学系に配置する投影マスクを用いない場
合の説明を行ったが、マスクを用いたとしても、接着剤
層64の第1の貫通孔42aに対応する領域にエキシマ
レーザ光が照射されるようにすればよい。また、上述の
製造方法においては、圧力室形成部材31の第3の凹部
38全体にエキシマレーザ光が照射される例について述
べたが、エキシマレーザ照射領域は、少なくとも第1の
貫通孔42aに対応する部分とされていれば良い。
【0124】すなわち、エキシマレーザ光の照射位置
が、多少ずれたとしても、接着剤層64の第1の貫通孔
42aに対応する部分にエキシマレーザ光が照射される
ようにすればよく、エキシマレーザ光の照射位置合わせ
精度は、さほど必要はない。
【0125】続いて、前述の製造方法と同様に、図19
に示すように、圧力室形成部材31のオリフィスプレー
ト34が配されない主面31a上に、例えばエポキシ系
の接着剤等の図示しない接着剤層を用いて、予め所定の
位置に突起部49が形成されている振動板32を接着す
る。この場合、インク供給路を形成する第2の凹部37
は反対側の面である主面31bに臨んで開口するように
なされているため、振動板32の接着工程において、こ
の第2の凹部37が接着剤によつて塞がれることを未然
に防止できる。従って、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにおいては、接着剤による目詰まりに起因するイ
ンク供給路の流路抵抗の上昇を回避することができる。
【0126】またインク供給路が主面31b側に形成さ
れるので、圧力室形成部材31に振動板32を接着する
際に用いる接着剤の選択範囲が制約され難い。
【0127】さらに振動板32と圧力室形成部材31を
接着する際には、振動板32のインク供給口39とイン
クバッファタンクを形成する貫通孔35の位置合わせ
と、突起部49とインク圧力室を形成する第1の凹部3
6の位置合わせだけを考慮すればよく、振動板32の接
着工程は簡便に行われる。
【0128】そして、このように振動板32を接着して
圧力室形成部材31を振動板32とオリフィスプレート
34により挟み込むと、圧力室形成部材31の貫通孔3
5によりインクバッファタンク43が形成され、第2の
凹部37によりインク供給路44が形成され、第1の凹
部36によりインク圧力室45が形成され、第3の凹部
38によりインク導入口46が形成されることとなる。
【0129】この後、振動板32上の突起部49上に積
層型ピエゾ素子を配し、インク供給口39と接続される
ようにインク供給管50を配して図3に示したような本
例のプリンタ装置のプリントヘッドを完成する。
【0130】前述の例においては、プリントヘッドとし
てインクジェットタイプのプリントヘッドを使用してい
るプリンタ装置の例について述べたが、本発明はプリン
トヘッドとして、2液混合型のプリントヘッドを使用し
ているプリンタ装置にも適用可能である。
【0131】この場合、プリンタ装置の構成は、先に図
1に示したものと同様とされる。そして、2液混合型の
プリントヘッドを有するものを使用した場合の、印字及
び制御系のブロック図を図20に示す。このブロック図
は先に示した図2と略同様の構成を有するが、制御部9
0が図2に示したものと同様の信号処理制御回路22、
メモリ25、各種制御27及び補正回路26の他、第1
のドライバ91と第2のドライバ92によって構成され
ている。なお、ここでは、図2と同様の部分については
説明を省略する。これら第1のドライバ91及び第2の
ドライバ92はそれぞれ吐出媒体ノズル及び定量媒体ノ
ズルの数に応じて設けられている。
【0132】第1のドライバ91は、後述するように、
定量媒体ノズルから定量媒体を押し出すために設けられ
た第1の積層型ピエゾ素子(定量側)を駆動制御するも
のであり、第2のドライバ92は吐出媒体ノズルから吐
出媒体を吐出させるために設けられた第2の積層型ピエ
ゾ素子(吐出側)を駆動制御するものである。なお、上
記定量側と吐出側の何れか一方がインクであり、他方が
希釈液とされている。
【0133】これら各第1のドライバ91及び第2のド
ライバ92は信号処理制御回路22内に設けられた後述
のシリアルパラレル変換回路及びタイミング制御回路の
制御に基づいて、それぞれに対応する第1の積層型ピエ
ゾ素子及び第2の積層型ピエゾ素子を駆動制御する。
【0134】次に、上記プリントヘッドの駆動回路を図
21に示す。すなわち、デジタル中間調データが他ブロ
ックより供給され、シリアルパラレル変換回路94によ
り第1のドライバ91および第2のドライバ92に送ら
れる。シリアルパラレル変換回路94より与えられたデ
ジタル中間調データが所定のしきい値以下の場合は、定
量および吐出は行わない。印字タイミングになると、他
ブロックから印字トリガが出力され、タイミング制御回
路95がそれを検出し、所定のタイミングで定量部コン
トロール信号と吐出コントロール信号をそれぞれ第1の
ドライバ91および第2のドライバ92に出力する。
【0135】次に、プリントヘッドの構成について説明
する。なお、ここでは、インクを定量媒体とし、希釈液
を吐出媒体とするプリントヘッドの例について述べる。
本例のプリントヘッドは、図22に示すように、圧力室
形成部材121、振動板122、積層型ピエゾ素子12
3a,123b、ノズル形成部材124により主に構成
されるものである。
【0136】上記圧力室形成部材121は、厚さ略0.
2mmのステンレススチール等により形成すれば良い。
そして、上記圧力室形成部材121には定量媒体バッフ
ァタンク(以下、インクバッファタンクと称する。)を
構成する貫通孔部125と、定量媒体圧力室(以下、イ
ンク圧力室と称する。)を構成して一主面121aに臨
んで開口する第1の凹部126、定量媒体供給路(以
下、インク供給路と称する。)を構成して一主面121
aと相対向する主面121bに臨んで開口し、貫通孔部
125と第1の凹部126の底面の端部間を接続するよ
うに形成される第2の凹部127、定量媒体導入口(以
下、インク導入口と称する。)を構成して主面121b
に臨んで開口し、第1の凹部126の他端部と接続され
る第3の凹部128が形成されている。
【0137】また、上記圧力室形成部材121には吐出
媒体バッファタンク(以下、希釈液バッファタンクと称
する。)を構成する貫通孔部135と、吐出媒体圧力室
(以下、希釈液圧力室と称する。)を構成して一主面1
21aに臨んで開口する第4の凹部136、吐出媒体供
給路(以下、希釈液供給路と称する。)を構成して一主
面121aと相対向する主面121bに臨んで開口し、
貫通孔部135と第4の凹部136の底面の端部間を接
続するように形成される第5の凹部137、吐出媒体導
入口(以下、希釈液導入口と称する。)を構成して主面
121bに臨んで開口し、第4の凹部136の他端部と
接続される第6の凹部138が形成されている。
【0138】そして、この圧力室形成部材121におい
ては、第3の凹部128と第6の凹部138が所定の間
隔を有して相対向するように各貫通孔部及び凹部が形成
されている。
【0139】そして、本例のプリントヘッドにおいて
は、上記圧力室形成部材121の一主面121a側に振
動板122を配し、相対向する主面121b側にノズル
形成部材124(以下、オリフィスプレート124と称
する。)を配して、圧力室形成部材121を振動板12
2とノズル形成部材124により厚さ方向に挟み込んで
いる。なお、上記振動板122においては、インクバッ
ファタンクとなる貫通孔125及び希釈液バッファタン
クとなる貫通孔135に対応する位置にこれよりも小径
のインク供給口129,139がそれぞれ形成されてい
る。
【0140】また、一方のオリフィスプレート124
は、本例のプリンタ装置のプリントヘッドにおいては、
金属よりなる板材130と有機材料膜131の積層構造
となされている。
【0141】上記板材130は、例えばニッケルを主成
分とし、30μm程度の厚さを有し、例えば電鋳法によ
り形成されている。また、一方の有機材料膜131は、
レーザ加工性に優れ、かつ、撥液性を有する材料により
形成されることが望ましい。さらに、有機材料膜131
の材質は、撥液性を有するポリイミド系材料よりなるこ
とが好ましく、さらには180℃以下の加熱により重合
形成されることが好ましく、さらにまた、ポリイミドシ
ロキサンを含む材料であることが好ましい。また、この
ポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒素と
結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより置換
されており、Siのポリイミドに対する含有量が3重量
%〜25重量%であることが好ましい。
【0142】そして、このようなポリイミド系材料とし
ては、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム
UPA−8322(商品名)や、ユピコートFS−10
0L(商品名)や、ユピファインFP−100(商品
名)等が挙げられる。これら有機材料膜を使用すれば、
有機材料膜の表面張力を31Dyne/cm以下とする
ことができる。
【0143】上記オリフィスプレート124には、イン
ク導入口を形成する第3の凹部128に対応する位置
に、定量媒体であるインクを押し出して定量するための
定量媒体ノズル132(以下、インクノズル132と称
する。)が形成されるとともに、希釈液導入口を形成す
る第6の凹部138に対応する位置に、吐出媒体である
希釈液吐出するための吐出媒体ノズル142(以下、希
釈液ノズル142と称する。)が形成されている。
【0144】なお、上記インクノズル132は、板材1
30に形成される厚さ方向の第1の貫通孔132aと有
機材料膜131に厚さ方向に対して斜め方向に形成され
る第2の貫通孔132bにより形成される。また、上記
希釈液ノズル142は、板材130に形成される厚さ方
向の第1の貫通孔142aと有機材料膜131に厚さ方
向に形成される第2の貫通孔142bにより形成され
る。そして、インクノズル132の第2の貫通孔132
bをノズル開口面となる一主面131aに近づくにつれ
希釈液ノズル142の第2の貫通孔142bに近づく方
向の孔部として形成している。なお、これらインクノズ
ル132及び希釈液ノズル142は断面形状が例えば円
形の所定径を有する貫通孔として形成されている。
【0145】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、オリフィスプレート124の板材13
0を電鋳法により形成するようにし、インクノズル13
2のうち板材130に形成されている第1の貫通孔13
2aを電鋳法により形成し、同様に希釈液ノズル142
の第1の貫通孔142aも電鋳法により形成するように
している。さらに、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、インクノズル132のうち有機材料膜1
31に形成されている第2の貫通孔132bを例えばエ
キシマレーザによるアブレーション加工といったレーザ
加工により形成し、同様に希釈液ノズル142の第2の
貫通孔142bもエキシマレーザによるアブレーション
加工といったレーザ加工法により形成するようにしてい
る。
【0146】すなわち、第2の貫通孔132b,142
bは、板材130をマスク材として使用し、板材130
側からレーザ光を照射して有機材料膜131中の第1の
貫通孔132a,142aに対応する部分のみにそれぞ
れレーザ光を照射して加工を行い、有機材料膜131に
第1の貫通孔132a,142aと略同径の第2の貫通
孔132b,142bを形成し、これら第1の貫通孔1
32aと第2の貫通孔132bによりインクノズル13
2を、第1の貫通孔142aと第2の貫通孔142bに
より希釈液ノズル142を形成するようにしている。
【0147】したがって、オリフィスプレート124に
形成されているインクノズル132及び希釈液ノズル1
42は、板材130と有機材料膜131とにおいて、境
目無く連続した形状にて正確な形状で形成されている。
【0148】また、有機材料膜131をレーザ加工性に
優れた材料、とりわけレーザ光としてエキシマレーザ光
を用いた場合において加工性に優れた材料により形成し
ているので、効率よくノズル加工を行うことが可能であ
る。
【0149】さらに、板材130の厚さを厚くしてイン
クノズル132及び希釈液ノズル142の長さを長くす
ることは困難であるが、有機材料膜131の厚さを厚く
してインクノズル132及び希釈液ノズル142の長さ
を長くすることは容易であり、この場合にも正確な形状
でインクノズルが形成される。
【0150】ここで、インク導入口を形成する第3の凹
部128はインクノズル132よりも大径を有するよう
に形成されている。一方、希釈液導入口を形成する第6
の凹部138も希釈液ノズル142よりも大径を有する
ように形成されている。
【0151】すなわち、圧力室形成部材121を振動板
122とオリフィスプレート124により厚さ方向に挟
み込むことによって、貫通孔部125、第1の凹部12
6、第2の凹部127、第3の凹部128が接続される
ことにより形成される空洞部が振動板122とオリフィ
スプレート144により塞がれて、圧力室形成部材12
1の振動板122側からオリフィスプレート124側に
向かって厚さ方向に形成されるインクバッファタンク1
43、これと接続され圧力室形成部材121の面内方向
に形成されるインク供給路144と、これに接続され振
動板122側に形成されるインク圧力室145、上記イ
ンク圧力室145に接続され、オリフィスプレート12
4側に開口するインク導入口146が連続して形成され
ることとなる。
【0152】また、圧力室形成部材121を振動板12
2とオリフィスプレート124により厚さ方向に挟み込
むことによって、貫通孔部135、第4の凹部136、
第5の凹部137、第6の凹部138が接続されること
により形成される空洞部が振動板122とオリフィスプ
レート124により塞がれて、圧力室形成部材121の
振動板122側からオリフィスプレート124側に向か
って厚さ方向に形成される希釈液バッファタンク15
3、これと接続され圧力室形成部材121の面内方向に
形成される希釈液供給路154と、これに接続され振動
板122側に形成される希釈液圧力室155、上記希釈
液圧力室155に接続され、オリフィスプレート124
側に開口する希釈液導入口156が連続して形成される
こととなる。
【0153】そして、前述のように振動板122にはイ
ンク供給口129が形成され、オリフィスプレート12
4にはインクノズル132が形成されていることから、
インク供給口129、インクバッファタンク143、イ
ンク供給路144、インク圧力室145、インク導入口
146、インクノズル132の順にインクが流れること
となる。
【0154】さらに、前述のように振動板122には希
釈液供給口139が形成され、オリフィスプレート12
4には希釈液ノズル142が形成されていることから、
希釈液供給口139、希釈液バッファタンク153、希
釈液供給路154、希釈液圧力室155、希釈液導入口
156、希釈液ノズル142の順に希釈液が流れること
となる。
【0155】また、本例のプリントヘッドにおいては、
振動板122の圧力室形成部材121と接着される面と
は反対側の一主面122aのインク圧力室145に対応
する位置に突起部149が形成されており、この突起部
149を介して積層型ピエゾ素子123a(第1の積層
型ピエゾ素子)が載置されている。同様に、希釈液圧力
室155に対応する位置にも突起部159が形成されて
おり、この突起部159を介して積層型ピエゾ素子12
3b(第2の積層型ピエゾ素子)が載置されている。な
お、上記積層型ピエゾ素子123a,123bとして
は、圧電部材と導電部材とが交互に積層されてなるもの
が挙げられる。このとき、圧電部材と導電部材との積層
数は何層であっても良い。
【0156】この突起部149,159はインク圧力室
145或いは希釈液圧力室155の平面の面積及び積層
型ピエゾ素子123a,123bの平面の面積よりも小
さいものとして形成されている。さらに、上記振動板1
22の一主面122aのインク供給口129に対応する
位置には図示しないインクタンクに接続されるインク供
給管150が接続され、同様に希釈液供給口139に対
応する位置には図示しない希釈液タンクに接続される希
釈液供給管160が接続されている。
【0157】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、図23に模式的に示すように、プリン
トヘッド中のインクバッファタンク143及び希釈液バ
ッファタンク153は、管状の部材となされており、こ
のインクバッファタンク143及び希釈液バッファタン
ク153の長手方向に複数の上述したようなプリントヘ
ッドが所定の間隔を有して平行に配列されて、インクバ
ッファタンク143は各プリントヘッドの共通のインク
配給管となされ、希釈液バッファタンク153も各プリ
ントヘッドの共通の希釈液配給管となされている。そし
て、これらプリントヘッドにおいては、前述のプリント
ヘッドと同様に、インクバッファタンク143に対して
インク供給路144が接続され、希釈液バッファタンク
153に対して希釈液供給路154が接続されている。
このため、各プリントヘッドのインクノズル132と希
釈液ノズル142は隣合うようにして1つの面上に開口
することとなる。
【0158】すなわち、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにおいては、インクは図示しないインクタンクか
らインクバッファタンク143に供給され、ここから各
プリントヘッドのインク供給路144に供給されること
となり、一方の希釈液も図示しない希釈液タンクから希
釈液バッファタンク153に供給され、ここから各プリ
ントヘッドの希釈液供給路154に供給されることとな
る。
【0159】本例のプリンタ装置のプリントヘッドによ
り印刷を行うには、以下のようにすれば良い。すなわ
ち、本例のプリンタ装置のプリントヘッドで使用されて
いる積層型ピエゾ素子である積層型ピエゾ素子123a
(以下、第1の積層型ピエゾ素子123aと称する。)
においては、駆動電圧が印加されると、図22中矢印M
2 で示す方向とは逆の方向に直線的に変位する性質を有
するため、これに接着されている突起部149を中心に
振動板122を持ち上げることとなり、図24に示すよ
うにインク圧力室145の体積が増大することとなる。
このことは、他方の積層型ピエゾ素子123b(以下、
第2の積層型ピエゾ素子123bと称する。)において
も同様であり、駆動電圧が印加されると、図22中矢印
2 で示す方向とは逆の方向に直線的に変位する性質を
有するため、これに接着されている突起部159を中心
に振動板122を持ち上げることとなり、図24中に示
すように希釈液圧力室155の体積が増大することとな
る。
【0160】またこの第1及び第2の積層型ピエゾ素子
123a,123bは駆動電圧が解放されると、図22
中に矢印M2 で示す方向に直線的に変位する性質を有す
るため、これに接着されている突起部149,159を
介して振動板122を押圧して湾曲させてインク圧力室
145或いは希釈液圧力室155の体積を減少させてイ
ンク圧力室145或いは希釈液圧力室155内の圧力を
上昇させることとなる。このとき、突起部149,15
9は、その平面面積が第1及び第2の積層型ピエゾ素子
123a,123bの平面面積よりも小さくなるように
なされているので、第1及び第2の積層型ピエゾ素子1
23a,123bの変位を振動板122のインク圧力室
145或いは希釈液圧力室155に対応する位置に集中
的に伝達することが可能である。
【0161】次に、上記のような構成のプリンタ装置に
より印刷を行う場合の、駆動電圧の印加タイミングを図
25に示す。ここでは、第1及び第2の積層型ピエゾ素
子として、いわゆるd31モードの積層型ピエゾ素子を使
用した場合の駆動電圧の印加タイミングを示す。
【0162】すなわち、図25(a)に示すように、印
刷前の待機時、図中(A)で示す時点において、希釈液
圧力室155に対応する位置に設けられる第2の積層型
ピエゾ素子123bに予め例えば20Vを印加し、図2
5(b)に示すように、印刷前の待機時、図中(A)で
示す時点において、インク圧力室145に対応する位置
に設けられる第1の積層型ピエゾ素子123aには予め
例えば10Vを印加しておく。すると、図24中に示す
ように、インク圧力室145と希釈液圧力室155の体
積が増加した状態となる。このとき、インクノズル13
2、希釈液ノズル142の何れにおいても先端にメニス
カスが形成されている。
【0163】そして、印刷時には、前述のヘッドドライ
ブ,ヘッド送り制御,ドラム回転制御からの信号に基づ
いて、定量媒体を飛翔させることなく定量するべく、図
25(b)中(B)で示す時点で第1の積層型ピエゾ素
子123aの電圧を例えば5Vまで除々に下げ、この状
態で例えば150μsec保持する。すると、第1の積
層型ピエゾ素子123aが図24中矢印M2 で示す方向
に除々に伸長し、図26中に示すように振動板122を
介してインク圧力室145が徐々に加圧され、インク圧
力室145が元の形状に戻ろうとするため、インクノズ
ル132に内圧が加わり、インクがインクノズル132
から希釈液ノズル142の開口付近までしみ出し、希釈
液ノズル142の希釈液に合わさる。なお、このときの
電圧は、画像データの階調に合わせて設定されており、
インクの量は画像データに応じたものとなる。
【0164】その後、インクノズル132内にインクを
引き込み、定量されたインクのみを希釈液ノズル142
開口付近に残存させるべく、図25(b)中(C)で示
す時点で第1の積層型ピエゾ素子123aの電圧を10
Vまで徐々に戻す。すると、第1の積層型ピエゾ素子1
23aが図26中矢印M2 で示す方向とは反対の方向に
除々に縮小し、インクノズル132の内圧が解除され、
インクはインクノズル132内に戻ろうとする。これに
より、定量されたインクのみが希釈液ノズル142開口
付近に残存することとなる。
【0165】次に、希釈液ノズル142から希釈液を吐
出するべく、図25(a)中に示すように、図中(D)
で示す時点で第2の積層型ピエゾ素子123bの電圧を
例えば0Vとする。すると、第2の積層型ピエゾ素子1
23bが図26中矢印M2 で示す方向に伸長し、振動板
122を介して希釈液圧力室155が加圧され、希釈液
圧力室155が元の形状に戻ろうとするため、希釈液ノ
ズル155に内圧が加わる。その結果、希釈液ノズル1
55内の内圧によって希釈液が押し出され、この希釈液
と希釈液ノズル142開口付近に残存していたインクと
の混合溶液が形成される。
【0166】次に、図25(a)中(D)で示す時点か
ら例えば50μsecの間0Vとし、図25(a)中
(E)で示す時点で第2の積層型ピエゾ素子123bの
電圧を例えば20Vに戻すと、第2の積層型ピエゾ素子
123bが図22中矢印M2 で示す方向とは反対の方向
に縮小し、希釈液ノズル142の内圧が解除され、希釈
液が希釈液ノズル142内に戻ろうとする。これによ
り、希釈液ノズル142内の希釈液と混合溶液間にくび
れが生じ、ついには混合溶液が希釈液ノズル142から
吐出され、当該混合溶液が前述のプリント紙1に被着し
て印刷が行われる。このとき、第2の積層型ピエゾ素子
123bに印加される駆動電圧の時間変化は、希釈液ノ
ズル142から混合液滴を吐出し得るように設定されて
いる。
【0167】希釈液圧力室155及びインク圧力室14
5の内圧はやがて元に戻り、希釈液及びインクは再び希
釈液ノズル142及びインクノズル132内に充填さ
れ、再び印刷待機状態となる。
【0168】なお、図25(b)中T1 で示され、図中
(B)で示す時点と図中(C)で示す時点間のインク定
量パルス幅、図25(a)中T2 で示され、図中(D)
で示す時点と図中(E)で示す時点間の希釈液吐出パル
ス幅、図25(b)中Vで示されるインク定量電圧は可
変である。
【0169】そして、図25(a),図25(b)に示
されるように、上記動作を繰り返すことで印刷がなさ
れ、図25(a)中T3 で示される印刷のサイクルは例
えば1msecとすれば良い。
【0170】すなわち、図21に示した駆動回路の信号
は、上記のような図25で示したタイミングで出力さ
れ、これにしたがって、第1の積層型ピエゾ素子123
aおよび第2の積層型ピエゾ素子123bに所定電圧が
印加される。
【0171】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いても、オリフィスプレート124のノズル開口面側に
撥液性を有する有機材料膜131が形成されていること
から、インクノズル132及び希釈液ノズル142の開
口部周辺には、金或いはフッ素含有ニッケルめっきと比
較して、十分な撥液性を有する有機材料膜131が形成
されていることとなり、ノズル開口部周辺にインク付着
などが発生する可能性が低く、吐出方向安定性に優れ、
正確な記録画像が形成される。
【0172】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、有機材料膜131を厚くしてインクノズ
ル132及び希釈液ノズル142のレーザ加工により形
成される第2の貫通孔132b,142b部分の長さを
長くしてインクノズル132及び希釈液ノズル142の
長さを長くすることが容易であり、吐出方向精度を高め
ることも可能であり、正確な記録画像が形成される。
【0173】続いて本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドの製造方法について述べる。先ず、圧力室形成部材を
製造する。すなわち、図27に示すように、厚さが略
0.2mmのステンレススチールよりなるステンレス部
材171の一主面171aに例えば感光性ドライフイル
ムや液体レジスト材料などのレジストを塗布した後、イ
ンクバッファタンク及び希釈液バッファタンクを形成す
るための貫通孔とインク圧力室及び希釈液圧力室を形成
するための凹部の形成位置に応じた部分をエッチング可
能なパターンを有するマスクを用いてパターン露光し、
レジスト172を形成する。
【0174】また、このステンレス部材171の一主面
171aに相対向する主面171bにも同様にしてイン
ク供給路及び希釈液供給路を形成するための凹部、イン
ク導入口及び希釈液導入口を形成するための凹部の形成
位置に応じた部分をエッチング可能なパターンを有する
マスクを用いてパターン露光し、レジスト173を形成
する。
【0175】続いて、上記ステンレス部材171をレジ
スト172,173をマスクとして、例えば塩化第2鉄
水溶液等のエッチング溶液に所定時間浸してエッチング
を行う。その結果、図28に示すように、インクバッフ
ァタンクを形成し、一主面171aからこれと相対向す
る主面171bに貫通する貫通孔125、インク圧力室
を形成し、一主面171aに臨んで開口する第1の凹部
126、貫通孔125の側面と第1の凹部126の底面
を接続してインク供給路を形成し、一主面171bに臨
んで開口する第2の凹部127、インク導入口を形成
し、第1の凹部126の底面から一主面171bに臨ん
で開口する第3の凹部128が形成される。また、同様
に希釈液バッファタンクを形成し、一主面171aから
これと相対向する主面171bに貫通する貫通孔13
5、希釈液圧力室を形成し、一主面171aに臨んで開
口する第4の凹部136、貫通孔135の側面と第1の
凹部136の底面を接続してインク供給路を形成し、一
主面171bに臨んで開口する第5の凹部137、希釈
液導入口を形成し、第1の凹部136の底面から一主面
171bに臨んで開口する第6の凹部138が形成され
る。なお、これらは、前述のように、第3の凹部128
と第6の凹部138が所定の間隔を有して相対向するよ
うに形成される。
【0176】続いてレジスト172,173を除去す
る。レジスト172,173としてドライフィルムレジ
ストを使用した場合には、例えば5%以下の水酸化ナト
リウム水溶液を用いれば良く、レジスト172,173
として液体レジスト材料を用いた場合には、例えば専用
アルカリ溶液を用いれば良い。その結果、図29に示す
ように、貫通孔125、第1の凹部126、第2の凹部
127、第3の凹部128と、貫通孔135、第4の凹
部136、第5の凹部137、第6の凹部138が形成
される圧力室形成部材121が形成される。
【0177】続いて、オリフィスプレートの製造を行
う。すなわち、図30に示すように、電鋳時のベースと
なり、製造されるオリフィスプレートよりも大きいステ
ンレススチールよりなるステンレスプレート181を用
意し、その一方の主面181a上に、例えばプリント基
板のめっき工程に使用されるめっき用ドライフィルムな
どの感光性材料を用いて、オリフィスプレートのインク
ノズル及び希釈液ノズルの第1の貫通孔あるいは外形な
どの形状に対応したパターン182を形成する。
【0178】続いて、図31に示すように、上記パター
ン182の形成されたステンレスプレート181を電解
ニッケルめっき浴に浸して、めっきを行い、めっき膜1
83を形成する。なおこのとき、めっき膜183の厚さ
は、ドライフィルムにより形成したパターン182の厚
さよりも薄くする必要がある。これは、前述のように、
インクノズル及び希釈液ノズルを形成する第1の貫通孔
はこのパターン182の形状に応じて形成されるが、そ
の長さをパターン182の高さよりも長くすると正確な
形状で形成することが困難となるためであり、パターン
182の高さより短く形成することで、形状の乱れを生
じることなく、第1の貫通孔を有するめっき膜183を
形成することが可能となる。
【0179】例えば、ドライフィルムを用いたパターン
182の厚さとして30μmを選択した場合において
は、めっき膜183の厚さを25μm程度とすることに
より、ノズル径35μm程度の第1の貫通孔を有するめ
っき膜183をノズル形状の乱れなく形成することがで
きる。
【0180】続いて、めっき膜183をステンレスプレ
ート181より剥離し、洗浄し、図32に示すようなイ
ンクノズルを形成する第1の貫通孔132aと希釈液ノ
ズルを形成する第1の貫通孔142aを有する板材13
0を形成する。このとき、洗浄は、専用ドライフィルム
剥離液或いは水酸化ナトリウム水溶液を用いて行うこと
が可能である。
【0181】次に、図33に示すように、板材130の
第1の貫通孔132a,142aが開口し、相対向する
主面のうちの一方の主面130a上に撥液性を有する有
機材料膜131を形成する。
【0182】この有機材料膜131は、レーザ加工性に
優れ、かつ、撥水性を有していることが望ましい。この
有機材料膜131を形成する材料としては、例えば撥液
性を有するポリイミド系材料が挙げられ、180℃以下
の加熱により重合形成される材料が好ましく挙げられ、
さらにはポリイミドシロキサンが好ましく挙げられる。
このポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒
素と結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより
置換されており、Siのポリイミドに対する含有量が3
重量%〜25重量%であることが好ましい。
【0183】このようなポリイミド系材料としては、宇
部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム UPA−
8322(商品名)や、ユピコートFS−100L(商
品名)や、ユピファインFP−100(商品名)等が挙
げられ、図33においては、例えば、形成後の膜厚が3
0μm程度となるフィルム形状とされた宇部興産株式会
社製のポリイミド接着フィルム UPA−8322(商
品名)を熱ラミネートする事により貼り合わせる工程を
示すこととする。
【0184】そして、上述した有機材料を用いた場合に
おいてそれぞれ推奨の硬化条件により、有機材料膜13
1の硬化処理を行う。例えば、有機材料膜131とし
て、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム U
PA−8322(商品名)を用いた場合においては最高
温度160℃の処理を行うことにより、耐薬品性に優れ
た撥液性を有する有機材料フィルムを形成することがで
きる。そして、熱処理の最高温度が180℃以下の低い
温度の材料を用いることにより、板材130の劣化の発
生、および熱膨張率の違いによるそりの発生を低く抑え
ることができることとなる。
【0185】なお、上記有機材料膜131は、図31に
示しためっき工程において、ステンレスプレート181
と対向する側の面(ステンレスプレートが配されない側
の面)に形成することが望ましい。これは、ステンレス
プレート181と対向する主面の方が他の主面と比較し
て表面荒さが荒いために、有機材料膜131との密着性
の向上が得られやすいこと、そしてノズルに対応するド
ライフィルムよりなるパターン182の形状が、若干で
はあるが、ステンレスプレート181と対向しない側の
主面からステンレスプレート181と対向する側の主面
に向かって細くなるテーパー形状を有しているために、
プリンタ装置のプリントヘッドとしての吐出方向安定性
に優れた特性が得られやすいためである。
【0186】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材130の有機材料膜131が形成されていない側の
主面より、インクノズルを形成する第1の貫通孔132
aが形成される領域に、エキシマレーザ光を板材130
に対して垂直に照射する。すると、板材130がマスク
材として機能するため、有機材料膜131の板材130
に形成される第1の貫通孔132aに対応する部分にの
みエキシマレーザ光が到達する。その結果、図34に示
すように、有機材料膜131に第1の貫通孔132aに
連続して形成され、これと略同径の第2の貫通孔132
bが形成され、第1及び第2の貫通孔132a,132
bによりインクノズル132が形成される。
【0187】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材130の有機材料膜131が形成されていない側の
主面より、希釈液ノズルを形成する第1の貫通孔142
aが形成される領域に、エキシマレーザ光を板材130
に対して斜め方向より照射する。すると、板材130が
マスク材として機能するため、有機材料膜131の板材
130に形成される第1の貫通孔142aに対応する部
分にのみエキシマレーザ光が到達する。その結果、図3
4に示すように、有機材料膜131に第1の貫通孔14
2aに連続して形成され、これと略同径の第2の貫通孔
142bが形成され、第1及び第2の貫通孔142a,
142bにより希釈液ノズル142が形成される。な
お、この工程においては、インクノズル132と希釈液
ノズル142の開口部間の距離が5μm以下とされるこ
とが好ましい。
【0188】従って、板材130と有機材料膜131が
積層され、インクノズル132と希釈液ノズル142が
形成されたオリフィスプレート124が形成される。
【0189】なお、上記のエキシマレーザによるアブレ
ーション加工においては、第1の貫通孔132a,14
2a内に入り込んだ有機材料膜131を容易に除去する
ことができ、板材130に形成される第1の貫通孔13
2a,142aと有機材料膜131に形成される第2の
貫通孔132b,142b間に段差を生じることがな
く、なめらかに連続した形状のインクノズル132及び
希釈液ノズル142が形成される。
【0190】さらに、この工程においては、板材130
を有機材料膜のアブレーション加工のマスク材料として
使用しているので、エキシマレーザ加工装置の光学系に
配置するノズル形状に対応した投影マスクを用いる必要
がないので、加工時の位置合わせ精度を大幅に緩和する
ことが可能となり、位置合わせに起因する製造不良が抑
えられ、製造歩留まりが向上し、生産性が向上する。さ
らには、ノズル形成の際にエキシマレーザ加工装置の光
学系に配置する高価な投影マスクを用いないので、製造
工程が簡素化され、必要とされるマスク材が減るために
ランニングコストが低減され、製造コストが低減され
る。
【0191】また、本例のオリフィスプレート124を
製造する工程においては、インクノズル132及び希釈
液ノズル142の大部分を電鋳法により形成しており、
安価に製造が行われ、残りの部分を例えばエキシマレー
ザ等のレーザ光を使用した加工により形成するようにし
ていることから、先端部分が正確な形状で形成され、且
つ有機材料膜131の厚さを厚くすれば長さの長いイン
クノズル132及び希釈液ノズル142が精度良好に形
成される。
【0192】なお、上述の例においては、有機材料膜1
31をフィルム形状とされた宇部興産株式会社製のポリ
イミド接着フィルム UPA−8322(商品名)によ
り形成する例について述べたが、有機材料膜131は、
その原材料としての形状が液状である、ユピコートFS
−100L(商品名)や、ユピファインFP−100
(商品名)を用いても形成可能であり、めっき膜183
のめっきが終了して、ステンレスプレート181より剥
離する前の状態であれば、形成することができる。
【0193】さらに、有機材料膜131を、その原材料
としての形状が液状である、ユピコートFS−100L
(商品名)や、ユピファインFP−100(商品名)を
用いて形成する場合に、板材130をステンレスプレー
ト181から剥離した後の状態において塗布を行い、こ
れら液体が板材130の第1の貫通孔132a,142
aにまわり込んだとしても、エキシマレーザの照射によ
り、板材130に形成された第1の貫通孔132a,1
42a内に存在する有機材料は除去されることとなるの
で、ノズルの形状の乱れを容易に防ぐことが可能であ
る。
【0194】次に、図35に示すように、これまでの工
程で形成された圧力室形成部材121とオリフィスプレ
ート124とを例えばエポキシ接着剤等の図示しない接
着剤層を用いて接着する。なお、この接着工程において
は、圧力室形成部材121に形成されたインク導入口を
形成する第3の凹部128と、オリフィスプレート12
4に形成されたインクノズル132とが連通し、圧力室
形成部材121に形成された希釈液導入口を形成する第
6の凹部138と、オリフィスプレート124に形成さ
れた希釈液ノズル142とが連通するように位置合わせ
を行う。
【0195】さらに、接着剤としては、圧力室形成部材
121に形成されるインク供給路を形成する第2の凹部
127、希釈液供給路を形成する第5の凹部137及び
インクバッファタンクを形成する貫通孔125、希釈液
バッファタンクを形成する貫通孔135が埋まらないよ
うなものを選択する。
【0196】続いて、図36に示すように、圧力室形成
部材121のオリフィスプレート124が接着されない
側の主面121aに、例えばエポキシ系の接着剤等の図
示しない接着剤層を用いて、予め所定の位置に突起部1
49,159が形成されている振動板122を接着す
る。この場合、インク供給路を形成する第2の凹部12
7及び希釈液供給路を形成する第5の凹部137は反対
側の面である主面121bに臨んで開口するようになさ
れているため、振動板122の接着工程において、この
第2の凹部127及び第5の凹部137が接着剤によつ
て塞がれることを未然に防止できる。従って、本例のプ
リンタ装置のプリントヘッドにおいては、接着剤による
目詰まりに起因するインク供給路の流路抵抗の上昇を回
避することができる。
【0197】またインク供給路及び希釈液供給路が主面
121b側に形成されるので、圧力室形成部材121に
振動板122を接着する際に用いる接着剤の選択範囲が
制約され難い。
【0198】さらに振動板122と圧力室形成部材12
1を接着する際には、振動板122のインク供給口12
9とインクバッファタンクを形成する貫通孔125の位
置合わせ及び振動板122の希釈液供給口139と希釈
液バッファタンクを形成する貫通孔135の位置合わせ
と、突起部149とインク圧力室を形成する第1の凹部
126及び突起部159と希釈液圧力室を形成する第4
の凹部136の位置合わせだけを考慮すればよく、振動
板122の接着工程は簡便に行われる。
【0199】そして、このように振動板122を接着し
て圧力室形成部材121を振動板122とオリフィスプ
レート124により挟み込むと、圧力室形成部材121
の貫通孔125によりインクバッファタンク143が形
成され、第2の凹部127によりインク供給路144が
形成され、第1の凹部126によりインク圧力室145
が形成され、第3の凹部128によりインク導入口14
6が形成されることとなる。そしてこれとともに、圧力
室形成部材121の貫通孔135により希釈液バッファ
タンク153が形成され、第5の凹部137により希釈
液供給路154が形成され、第4の凹部136により希
釈液圧力室155が形成され、第6の凹部138により
インク導入口156が形成されることとなる。
【0200】この後、振動板122上の突起部149,
159上に積層型ピエゾ素子を配し、インク供給口12
9と接続されるようにインク供給管150を配し、希釈
液供給口139と接続されるように希釈液供給管160
を配して図22に示したような本例のプリンタ装置のプ
リントヘッドを完成する。
【0201】ところで、上述の製造方法においては、圧
力室形成部材121とオリフィスプレート124の接着
工程において、インクバッファタンク143を形成する
貫通孔125、インク供給路144を形成する第2の凹
部127、希釈液バッファタンク153を形成する貫通
孔135、希釈液供給路154を形成する第5の凹部1
37を埋めてしまうことのないようなエポキシ接着剤を
選定する必要があったが、以下に示すような方法により
製造を行えば、上記のような不都合を容易に回避するこ
とができる。
【0202】すなわち、先に図32に示した板材130
の形成工程の後、図37に示すように、板材130の一
主面130aに有機材料膜131を形成するとともに、
これと反対側の主面130bには、レーザ加工によりア
ブレーション加工を行うことのできる熱可塑性の接着剤
層184を形成する。
【0203】この接着剤層184の形成方法は、板材1
30の一主面130b側に、液体状態のまま塗布してそ
の後の熱処理により熱可塑性の接着材料とする方法、ま
たは既にフィルム状態とされた熱可塑性の接着材料を配
置する方法等が挙げられる。また、これら熱可塑性の材
料としては、たとえば、三井東圧化学株式会社製の熱可
塑性ポリイミド材料 ネオフレックス(商品名)等が挙
げられる。さらに、熱可塑性材料がフィルム形状である
場合には、フィルム全体が熱可塑性材料である必要はな
く、その場合フィルムの両面の接着面となる表面に熱可
塑性材料が形成されていればよい。
【0204】次に、図38に示すように、有機材料膜1
31と接着剤層184の形成された板材130を図29
に示されるような圧力室形成部材121に接着剤層18
4を用いて接着する。
【0205】なお、この接着工程においては、圧力室形
成部材121に形成されたインク導入口を形成する第3
の凹部128と、板材130のインクノズルを形成する
第1の貫通孔132aを後工程で連通させることが可能
であり、圧力室形成部材121に形成された希釈液導入
口を形成する第6の凹部138と、板材130の希釈液
ノズルを形成する第1の貫通孔142aを後工程で連通
させることが可能なように位置合わせを行う。
【0206】そして、接着剤層184を前述の三井東圧
化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネオフレッ
クス(商品名)により形成した場合においては、230
℃程度のプレス温度において20〜30kgf/cm2
程度の圧力を与えることにより接着が可能である。これ
により、圧力室形成部材121と板材130と有機材料
膜131よりなるオリフィスプレートとの接着強度を高
めることができると共に効率良く接着することができ
る。
【0207】さらに液体状態でない接着剤を用いている
ので、接着剤がインク供給路を構成する第2の凹部12
7、第5の凹部137等を塞ぐことを防止することも可
能である。
【0208】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材121側からノズル形成部分に対してレーザ光を垂
直に照射する。すると、圧力室形成部材121がマスク
材として機能し、図39に示すようにインク導入口を構
成する第3の凹部128に対応する部分の接着剤層18
4の加工が行われてこの部分が除去されて貫通孔185
が形成され、その下層側の板材130の第1の貫通孔1
32aが露呈する。また、同様に、図39中に示すよう
に希釈液導入口を構成する第6の凹部138に対応する
部分の接着剤層184の加工が行われてこの部分が除去
されて貫通孔186が形成され、その下層側の板材13
0の第1の貫通孔142aが露呈する。
【0209】さらに、上記加工が終了すると、板材13
0の第1の貫通孔132a,142a内に入り込んだ図
示しない有機材料が加工されて除去される。
【0210】続いて、有機材料膜131の第1の貫通孔
142aに対応する部分のみに垂直方向にレーザ光を照
射する。すると、この部分のみが加工されて除去され、
第2の貫通孔142bが形成されて、これら第1の貫通
孔142aと第2の貫通孔142bにより希釈液ノズル
142が形成される。
【0211】さらに、この板材130をマスク材とし
て、有機材料膜131の第1の貫通孔132aに対応す
る部分のみに斜め方向にレーザ光を照射する。すると、
この部分が加工されて除去され、第2の貫通孔132b
が形成されて、これら第1の貫通孔132aと第2の貫
通孔132bによりインクノズル132が形成される。
そして、板材130と有機材料膜131よりなるオリフ
ィスプレート124を完成する。
【0212】なお、上記工程においても、前述の製造方
法に示した工程と同様に、第1の貫通孔132a,14
2a内に入り込んだ有機材料を容易に除去することがで
き、インクノズル132及び希釈液ノズル142は板材
130に形成される第1の貫通孔132a,142aと
有機材料膜131に形成される第2の貫通孔132b,
142b間に段差を有することなく、なめらかに連続し
た形状のノズルとして形成される。
【0213】さらに、この工程においても、前述の製造
方法に示した工程と同様に、板材130を有機材料膜1
31のアブレーション加工の際のマスク材として使用し
ていることから、エキシマレーザ加工装置の光学系に配
する投影マスクが不要であり、加工時の位置合わせ精度
を大幅に緩和することが可能となり、位置合わせに起因
する製造不良が抑えられ、製造歩留まりが向上し、生産
性が向上する。さらには、エキシマレーザ加工装置の光
学系に配置する高価な投影マスクを用いないので、製造
工程が簡素化され、ランニングコストが低減され、製造
コストが低減される。
【0214】なお、上述の例においては、エキシマレー
ザ加工装置の光学系に配置する投影マスクを用いない場
合の説明を行ったが、マスクを用いたとしても、接着剤
層184の第1の貫通孔132a,142aに対応する
領域にエキシマレーザ光が照射されるようにすればよ
い。また、上述の製造方法においては、圧力室形成部材
121の第3の凹部128及び第6の凹部138全体に
エキシマレーザ光が照射される例について述べたが、エ
キシマレーザ照射領域は、少なくとも第1の貫通孔13
2a,142aに対応する部分とされていれば良い。
【0215】すなわち、エキシマレーザ光の照射位置
が、多少ずれたとしても、接着剤層184の第1の貫通
孔132aに対応する部分にエキシマレーザ光が照射さ
れるようにすればよく、エキシマレーザ光の照射位置合
わせ精度は、さほど必要はない。
【0216】続いて、前述の製造方法と同様に、図40
に示すように、圧力室形成部材121のオリフィスプレ
ート124が配されない主面121a上に、例えばエポ
キシ系の接着剤等の図示しない接着剤層を用いて、予め
所定の位置に突起部149,159が形成されている振
動板122を接着する。この場合、インク供給路を形成
する第2の凹部127及び希釈液供給路を形成する第5
の凹部137は反対側の面である主面121bに臨んで
開口するようになされているため、振動板122の接着
工程において、この第2の凹部127及び第5の凹部1
37が接着剤によつて塞がれることを未然に防止でき
る。従って、本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、接着剤による目詰まりに起因するインク供給路
の流路抵抗の上昇を回避することができる。
【0217】またインク供給路及び希釈液供給路が主面
121b側に形成されるので、圧力室形成部材121に
振動板122を接着する際に用いる接着剤の選択範囲が
制約され難い。
【0218】さらに振動板122と圧力室形成部材12
1を接着する際には、振動板122のインク供給口12
9とインクバッファタンクを形成する貫通孔125、振
動板122の希釈液供給口139と希釈液バッファタン
クを形成する貫通孔135の位置合わせと、突起部14
9とインク圧力室を形成する第1の凹部126、突起部
159と希釈液圧力室を形成する第4の凹部136の位
置合わせだけを考慮すればよく、振動板122の接着工
程は簡便に行われる。
【0219】そして、このように振動板122を接着し
て圧力室形成部材121を振動板122とオリフィスプ
レート124により挟み込むと、圧力室形成部材121
の貫通孔125によりインクバッファタンク143が形
成され、第2の凹部127によりインク供給路144が
形成され、第1の凹部126によりインク圧力室145
が形成され、第3の凹部128によりインク導入口14
6が形成されることとなる。また、同様に、圧力室形成
部材121の貫通孔135により希釈液バッファタンク
153が形成され、第5の凹部137により希釈液供給
路154が形成され、第4の凹部136により希釈液圧
力室155が形成され、第6の凹部138により希釈液
導入口156が形成される。
【0220】この後、振動板122上の突起部149,
159上に積層型ピエゾ素子を配し、インク供給口12
9と接続されるようにインク供給管150を配するとと
もに、希釈液供給口139と接続されるように希釈液供
給管160を配して図22に示したような本例のプリン
タ装置のプリントヘッドを完成する。
【0221】これまで述べたプリンタ装置のプリントヘ
ッドの例においては、圧力室に充填されたインク或い
は、インク及び希釈液への圧力印加手段として、圧電材
料である積層型ピエゾ素子を用いた場合を示したが、本
発明はこのような圧力印加手段として発熱素子を使用し
たプリンタ装置のプリントヘッドにも適用可能である。
すなわち、本例のプリンタ装置のプリントヘッドは、発
熱素子によりインクを加熱し、発生する泡の圧力により
インクを吐出させるものである。
【0222】このような発熱素子を使用したプリンタ装
置のプリントヘッドとしては、図41及び図42に示す
ようなものが挙げられる。すなわち、本例のプリンタ装
置のプリントヘッドは、図41に示すように、基板部材
191と圧力室形成部材199、オリフィスプレート2
00よりなるものである。
【0223】上記基板部材191は、一主面191a側
の所定の位置に発熱素子192,193が形成されてな
る。
【0224】上記基板部材191は、例えば厚さが略
0.5mmのシリコンにより構成される。そして、この
基板部材191には発熱素子192,193が形成され
ることから、発熱素子192,193を形成する材料及
び導線材料などが、パターニングにより形成されてお
り、基板部材191の発熱素子192,193が形成さ
れる側の主面191aには、発熱素子192,193の
熱を緩和する、インクとの絶縁を図ることを目的とし
て、保護膜204が形成されている。
【0225】そして、上記圧力室形成部材199は発熱
素子192,193に対応する位置に圧力室194,1
95を有するとともに、吐出媒体であるインクを充填し
ておくためのインクバッファタンク196とこのインク
バッファタンク196から各圧力室にインクを供給する
インク供給路197,198を面内方向に有する。
【0226】上記圧力室形成部材199は、例えば25
μm程度の厚さのドライフィルム等の感光性樹脂よりな
り、図42に模式的な平面図を示すように、各発熱素子
192,193に対応する位置に圧力室194,195
を有し、インクを充填するためのインクバッファタンク
196を有し、このインクバッファタンク196から各
圧力室194,195にインクを供給するインク供給路
197,198を有する。なお、上記インクバッファタ
ンク196にはこれに図示しないインクタンクからイン
クを供給するためのインク供給口205が底面側に形成
されている。すなわち、図41中に示すように、インク
バッファタンク196の底面側から基板部材191を貫
通するようにインク供給口205が形成されている。
【0227】また、上記オリフィスプレート200は金
属より成る板材201と有機材料膜202を積層形成し
たものであり、圧力室194,195に対応する位置に
インクを吐出するためのインクノズル202,203を
有する。
【0228】なお、上記インクノズル202,203は
圧力室194,195に連通するように形成されてい
る。そして、本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、上記インクノズル202,203が板材201
に形成される第1の貫通孔202a,203aと有機材
料膜202に形成される第2の貫通孔202b,203
bを連通させて形成するようにしている。なお、上記板
材201と圧力室形成部材199間は図示しない接着剤
層、或いはドライフィルムよりなる圧力室形成部材19
9の有する接着性により接着されている。
【0229】上記板材201は、例えばニッケルを主成
分とし、30μm程度の厚さを有し、電鋳法により形成
されている。また、一方の有機材料膜201は、レーザ
加工性に優れ、かつ、撥水性を有する材料により形成さ
れることが望ましい。さらに、有機材料膜201の材質
は、撥液性を有するポリイミド系材料よりなることが好
ましく、さらには180℃以下の加熱により重合形成さ
れる材料が好ましく、さらにまた、ポリイミドシロキサ
ンを含む材料であることが好ましい。また、このポリイ
ミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒素と結合す
る芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより置換されて
おり、Siのポリイミドに対する含有量が3重量%〜2
5重量%であることが好ましい。
【0230】そして、このようなポリイミド系材料とし
ては、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム
UPA−8322(商品名)や、ユピコートFS−10
0L(商品名)や、ユピファインFP−100(商品
名)等が挙げられる。これら有機材料膜を使用すれば、
有機材料膜の表面張力を31Dyne/cm以下とする
ことができる。
【0231】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいても、オリフィスプレート200の板材20
1を電鋳法により形成するようにし、インクノズル20
2,203のうち板材201に形成されている第1の貫
通孔202a,203aを電鋳法により形成するように
している。さらに、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、インクノズル202,203のうち有機
材料膜202に形成されている第2の貫通孔202b,
203bを例えばエキシマレーザによるアブレーション
加工といったレーザ加工により形成するようにしてい
る。
【0232】すなわち、第2の貫通孔202b,203
bは、板材201をマスク材として使用し、板材201
側からレーザ光を照射して有機材料膜202中の第1の
貫通孔202a,203aに対応する部分のみにレーザ
光を照射して加工を行い、有機材料膜202に第1の貫
通孔202a,203aと略同径の第2の貫通孔202
b,203bを形成し、これら第1の貫通孔202a,
203a、第2の貫通孔202b,203bによりイン
クノズル202,203を形成するようにしている。
【0233】したがって、本例のプリンタ装置のプリン
トヘッドにおいても、前述のピエゾ素子を使用したイン
クジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッドと同様
の効果が得られる。
【0234】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドは、前述したインクジェット方式のプリンタ装置のプ
リントヘッドと略同様の製造方法により製造可能であ
り、これと同様の効果を得ることができる。
【0235】さらに、本発明は、前述の2液混合型のプ
リンタ装置のプリントヘッドと同様の構成を有し、圧力
印加手段として発熱素子を使用したプリンタ装置のプリ
ントヘッドにも適用可能である。なお、ここでは、イン
クを定量媒体とし、希釈液を吐出媒体とするキャリアジ
ェット方式のプリンタ装置のプリントヘッドについて述
べる。上記プリンタ装置のプリントヘッドの駆動回路に
おいては、図21に示した回路ブロック図の第1及び第
2の積層型ピエゾ素子が第1及び第2の発熱素子のそれ
ぞれ変更される。
【0236】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
としては、図43及び図44に示すようなものが挙げら
れる。すなわち、本例のプリンタ装置のプリントヘッド
は、図43に示すように、基板部材206と圧力室形成
部材207、オリフィスプレート208よりなるもので
ある。
【0237】上記基板部材206は、一主面206a側
の所定の位置に発熱素子209,210が形成されてな
る。
【0238】上記基板部材206は、例えば厚さが略
0.5mmのシリコンにより構成される。そして、この
基板部材206には発熱素子209,210が形成され
ることから、発熱素子209,210を形成する材料及
び導線材料などが、パターニングにより形成されてお
り、基板部材206の発熱素子209,210が形成さ
れる側の主面206aには、発熱素子209,210の
熱を緩和するため、及びインク及び希釈液との絶縁を図
ることを目的として、保護膜211が形成されている。
【0239】そして、上記圧力室形成部材207は発熱
素子209,210に対応する位置にインク圧力室21
2及び希釈液圧力室213をそれぞれ有するとともに、
定量媒体であるインクを充填しておくためのインクバッ
ファタンク214とこのインクバッファタンク214か
ら各インク圧力室212にインクを供給するインク供給
路215を面内方向に有し、吐出媒体である希釈液を充
填しておくための希釈液バッファタンク216とこのイ
ンクバッファタンク216から各希釈液圧力室213に
希釈液を供給する希釈液供給路217を面内方向に有す
る。
【0240】上記圧力室形成部材207は、例えば25
μm程度の厚さのドライフィルム等の感光性樹脂よりな
る。そして、図44に模式的な平面図を示すように、各
発熱素子209に対応する位置にインク圧力室212を
有し、インクを充填するためのインクバッファタンク2
14を有し、このインクバッファタンク214から各圧
力室212にインクを供給するインク供給路215を有
する。なお、上記インクバッファタンク214にはこれ
に図示しないインクタンクからインクを供給するための
インク供給口218が底面側に形成されている。すなわ
ち、図43中に示すように、インクバッファタンク21
4の底面側から基板部材206を貫通するようにインク
供給口218が形成されている。
【0241】さらに、この圧力室形成部材207におい
ては、図44中に模式的な平面図を示すように、各発熱
素子210に対応する位置に圧力室213を有し、希釈
液を充填するための希釈液バッファタンク216を有
し、この希釈液バッファタンク216から各圧力室21
3に希釈液を供給する希釈液供給路217を有する。な
お、上記希釈液バッファタンク216にはこれに図示し
ない希釈液タンクから希釈液を供給するための希釈液供
給口219が底面側に形成されている。すなわち、図4
3中に示すように、希釈液バッファタンク216の底面
側から基板部材206を貫通するように希釈液供給口2
19が形成されている。
【0242】また、上記オリフィスプレート208は金
属より成る板材220と有機材料膜221を積層形成し
たものであり、インク及び希釈液圧力室212,213
に対応する位置にインクを定量するためのインクノズル
222と希釈液を吐出するための希釈液ノズル223を
それぞれ有する。
【0243】なお、上記インクノズル222及び希釈液
ノズル223はインク及び希釈液圧力室212,213
に連通するように形成されている。そして、本例のプリ
ンタ装置のプリントヘッドにおいては、上記インクノズ
ル222が板材220に形成される第1の貫通孔222
aと有機材料膜221に形成される第2の貫通孔222
bを連通させて形成し、上記希釈液ノズル223が板材
220に形成される第1の貫通孔223aと有機材料膜
221に形成される第2の貫通孔223bを連通させて
形成するようにしている。なお、上記板材220と圧力
室形成部材207間は図示しない接着剤層或いはドライ
フィルムよりなる圧力室形成部材207の有する接着性
により接着されている。
【0244】上記板材220は、例えばニッケルを主成
分とし、30μm程度の厚さを有し、電鋳法により形成
されている。また、一方の有機材料膜221は、レーザ
加工性に優れ、かつ、撥水性を有する材料により形成さ
れることが望ましい。さらに、有機材料膜221の材質
は、撥液性を有するポリイミド系材料よりなることが好
ましく、さらには180℃以下の加熱により重合形成さ
れる材料が好ましく、さらにまた、ポリイミドシロキサ
ンを含む材料であることが好ましい。また、このポリイ
ミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒素と結合す
る芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより置換されて
おり、Siのポリイミドに対する含有量が3重量%〜2
5重量%であることが好ましい。
【0245】そして、このようなポリイミド系材料とし
ては、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム
UPA−8322(商品名)や、ユピコートFS−10
0L(商品名)や、ユピファインFP−100(商品
名)等が挙げられる。これら有機材料膜を使用すれば、
有機材料膜の表面張力を31Dyne/cm以下とする
ことができる。
【0246】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいても、オリフィスプレート208の板材22
0を電鋳法により形成するようにし、インクノズル22
2及び希釈液ノズル223のうち板材220に形成され
ている第1の貫通孔222a,223aを電鋳法により
形成するようにしている。さらに、本例のプリンタ装置
のプリントヘッドにおいては、インクノズル222及び
希釈液ノズル223のうち有機材料膜221に形成され
ている第2の貫通孔222b,223bを例えばエキシ
マレーザによるアブレーション加工といったレーザ加工
により形成するようにしている。
【0247】すなわち、第2の貫通孔222b,223
bは、板材220をマスク材として使用し、板材220
側からレーザ光を照射して有機材料膜221中の第1の
貫通孔222a,223aに対応する部分のみにレーザ
光を照射して加工を行い、有機材料膜221に第1の貫
通孔222a,223aと略同径の第2の貫通孔222
b,223bを形成し、これら第1の貫通孔222aと
第2の貫通孔222bによりインクノズル222を形成
し、第1の貫通孔223aと第2の貫通孔223bによ
り希釈液ノズル223を形成するようにしている。
【0248】したがって、本例のプリンタ装置のプリン
トヘッドにおいても、前述のピエゾ素子を使用したキャ
リアジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッドと同
様の効果が得られる。
【0249】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドは、前述したキャリアジェット方式のプリンタ装置の
プリントヘッドと略同様の製造方法により製造可能であ
り、これと同様の効果を得ることができる。
【0250】上述した例においては、圧力印加手段とし
て、積層型の圧電素子および、発熱素子を使用したが、
本発明においては、圧力印加手段を上記の積層型の圧電
素子及び発熱素子に限定する必要はなく、例えば単板あ
るいは2層の圧電材料を用いた撓みモードの圧力上昇手
段を用いることも可能である。
【0251】上述した例においては、圧力室形成部材を
厚さ0.2mmのステンレス材料により形成する例を示
したが、本発明においては、圧力室形成部材を上記のよ
うな条件に限定する必要はない。また、各貫通孔や凹部
を形成する手法として、エッチング法を挙げたが、射出
成形法等を使用しても良い。
【0252】本発明を適用したプリンタ装置のプリント
ヘッドとしては、以下に示すようなものも挙げられる。
本例のプリンタ装置のプリントヘッドは、先に図41及
び図42に示したものと略同様の構成を有するものであ
り、図45にその構造を示すが、図41及び図42に示
したものと同様の構成を有する部分については同一の符
号を付し、説明を省略するものとする。
【0253】すなわち、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドが先に述べたプリンタ装置のプリントヘッドと大
きく異なる点としては、圧力室形成部材224が例えば
エキシマレーザ等のレーザ光によるアブレーション加工
が可能な有機材料よりなり、少なくとも圧力室194,
195が、例えばエキシマレーザを用いたアブレーショ
ン加工により形成されている点が挙げられる。
【0254】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、圧力室形成部材224の少なくとも圧力室19
4,195を板材201を加工停止材として使用し、エ
キシマレーザを用いたアブレーション加工により形成す
るようにしている。
【0255】上記圧力室形成部材224は、例えば厚さ
が20μmのポリイミド系材料により形成すれば良く、
圧力室194,195を形成するアブレーション加工
は、例えば波長が300nm以下であるエキシマレーザ
光を用いて行えば良い。さらに、本例のプリンタ装置の
プリントヘッドにおいては、圧力室形成部材224の形
成材料を熱可塑性も有するものとし、この圧力室形成部
材224を接着剤としても機能させ、基板部材191と
オリフィスプレート200の接着も行わせるようにすれ
ば良い。このように、圧力室形成部材224をポリイミ
ド系材料により構成すれば、圧力室形成部材の耐薬品性
が向上する。
【0256】ただし、圧力室形成部材224があまり薄
いと、圧力室内部に気泡が残存した場合の除去が困難と
なるので、圧力室形成部材224は15μm以上の厚さ
を有していることが望ましい。
【0257】なお、上記のようなレーザ光によるアブレ
ーション加工が可能で熱可塑性のポリイミド系材料とし
ては、三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材
料ネオフレックス(商品名)等が例示される。そして、
上記三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料
ネオフレックス(商品名)を使用すれば、その表面張
力が38dyne/cm以上であり、親水性材料である
ために、圧力室194,195やインク供給路197,
198中においてインク中に気泡などが付着しにくい。
【0258】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、オリフィスプレート200を形成する板
材201を厚さ25μm程度とし、保護膜204を導電
材料の短絡、溶液のコゲーションを防止するためにSi
C等により形成することが好ましい。さらに、有機材料
膜202の厚さを例えば15μmとすることが好まし
い。
【0259】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いても、これまでに述べたプリンタ装置のプリントヘッ
ドと同様の効果が得られ、また圧力室形成部材224を
化学的に安定で高い耐薬品性を有する有機材料により形
成し、ドライフィルム等の感光性樹脂材料を使用しない
ことから、長時間の繰り返し使用にも十分耐え得るプリ
ンタ装置のプリントヘッドが得られることとなる。
【0260】このような本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにより印刷を行うには、以下のようにすれば良
い。すなわち、図46に示すように、図示しないインク
タンクからインク225がインク供給口205を通じて
インクバッファタンク196に供給され、ここから各イ
ンク供給路197,198を通じて各圧力室194,1
95に充填され、これら圧力室194,195からこれ
らに応じたインクノズル202,203の先端まで充填
され、これらの先端には表面張力の釣り合いにより、メ
ニスカスD1 ,D2 が形成され、インク吐出の待機状態
となる。
【0261】次に、図47に示すように、例えば発熱素
子193に電圧を印加する。すると、これに対応する圧
力室195内のインク225が加熱されて沸騰し、発熱
素子195上に泡226が発生する。この結果、圧力室
195内の圧力が上昇し、インク203にメニスカスD
2 を形成していたインク225がインクノズル203よ
り押し出される。
【0262】そして、発熱素子193に印加していた電
圧を解除すると、発熱素子193からの熱供給が停止す
るため、圧力室195内の沸騰状態が収まり、圧力室1
95内の圧力は低下する。このため、インクノズル20
3から押し出されたインク225とインクノズル203
内のインク225間にくびれが生じ、図48に示すよう
に、インクノズル203からインク液滴227が吐出さ
れ、これが被記録材に付着して印刷が行われる。その
後、インクノズル203には再度インク225が充填さ
れて、新たなメニスカスが形成され、図46に示した待
機状態に戻る。
【0263】このような動作は、他方の発熱素子192
においても同様に行われ、この動作を繰り返すことによ
り印刷が行われる。
【0264】ここで、発熱素子193に与えられている
駆動電圧の時間変化は、インクノズル203からインク
225を吐出し得るように設定されている。
【0265】次に、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドの製造方法について述べる。先ず、基板部材を形成す
る。すなわち、図49に示すように、例えば両面に酸化
処理を行うことにより1μm程度の図示しない酸化シリ
コン膜が形成された厚さ略0.5mmのシリコン基板2
30の相対向する主面のうちの一方の主面230aに抵
抗膜となるTaAl膜231を例えばスパッタリング法
により形成した後、導体パターンとなるAl膜232を
例えばスパッタリング法により形成する。
【0266】次に、フォトレジストを用いて、導体パタ
ーンに対応したパターン形状を上記Al膜232上に形
成し、そのフォトレジストをマスク材として、例えばリ
ン酸/硝酸の混合水溶液を用いてエッチングを行い、図
50に示すような導体パターン234を形成する。
【0267】なお、この工程においては、使用するエッ
チング溶液(リン酸/硝酸の混合水溶液)の濃度を調整
して、抵抗膜であるTaAl膜231がエッチングされ
ないようにする。
【0268】続いて、フォトレジストを用いて、導体パ
ターンと発熱素子の発熱部となる抵抗体部分とを含む形
状に対応したパターンを上記Al膜231及びTaAl
膜232上に形成し、そのフォトレジストをマスク材と
して、例えばフッ酸/硝酸/リン酸の混合水溶液を用い
てエッチングを行い、図51に示すように、導体パター
ン234の下層にTaAl膜231を残し、且つTaA
l膜231の一部を露呈させて抵抗体235a,235
bを形成するとともに、不要な部分を除去する。
【0269】次に、図52に示すように、導体パターン
234及び抵抗体235a,235b上に、上記導体パ
ターン234が溶液によって短絡することを防止するた
め、さらには、インクのコゲーションを防止するため
に、例えばSiC等よりなる保護膜236を形成する。
【0270】なお、この工程においては、導体パターン
234中の図示しない外部配線との接続部分には、保護
膜236が形成されないようにする。
【0271】次に、図53に示すように、一主面230
a側にTaAl膜231、導体パターン234、保護膜
236が積層されたシリコン基板230に、例えば超音
波加工により、インク供給口205を形成し、基板部材
191を完成する。
【0272】次に、オリフィスプレートを製造する。す
なわち、図54に示すように、電鋳時のベースとなり、
オリフィスプレートよりも大きいステンレススチールよ
りなるステンレスプレート241を用意し、その一方の
主面241a上に、例えばプリント基板のめっき工程に
使用されるめっき用ドライフィルムなどの感光性材料を
用いて、オリフィスプレートのインクノズルあるいは外
形などの形状に対応したパターン242を形成する。
【0273】続いて、図55に示すように、上記パター
ン242の形成されたステンレスプレート241を電解
ニッケルめっき浴に浸して、めっきを行い、めっき膜2
43を形成する。なおこのとき、めっき膜243の厚さ
は、ドライフィルムにより形成したパターン242の厚
さよりも薄くする必要がある。これは、前述のように、
インクノズルを形成する第1の貫通孔はこのパターン2
42の形状に応じて形成されるが、その長さをパターン
242の高さよりも厚くすると正確な形状で形成するこ
とが困難となるためであり、パターン242の高さより
短く形成することで、形状の乱れを生じることなく、第
1の貫通孔を有するめっき膜243を形成することが可
能となる。
【0274】例えば、ドライフィルムを用いたパターン
242の厚さとして30μmを選択した場合において
は、めっき膜243の厚さを25μm程度とすることに
より、ノズル径35μm程度の第1の貫通孔を有するめ
っき膜243をノズル形状の乱れなく形成することがで
きる。
【0275】続いて、めっき膜243をステンレスプレ
ート241より剥離し、洗浄し、図56に示すような第
1の貫通孔202a,203aを有する板材201を形
成する。このとき、洗浄は、専用ドライフィルム剥離液
或いは水酸化ナトリウム水溶液を用いて行うことが可能
である。
【0276】次に、図57に示すように、板材201の
第1の貫通孔202a,203aが開口する相対向する
主面のうち、一方の主面201bに、例えばエキシマレ
ーザ等のレーザによるアブレーション加工が可能で熱可
塑性を有する有機材料244(第2の有機材料膜)を形
成する。
【0277】このような有機材料としては、たとえば、
三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネ
オフレックス(商品名)等が挙げられる。
【0278】続いて、図58に示すように、板材201
の上述の熱可塑性を有する有機材料244が形成される
主面201bとは反対側の主面201aに撥液性を有す
る有機材料膜245(第1の有機材料膜)を形成する。
【0279】上記有機材料膜245は、レーザ加工性に
優れ、かつ、撥水性を有していることが望ましい。この
有機材料膜245を形成する材料としては、例えば撥液
性を有するポリイミド系材料が挙げられ、180℃以下
の加熱により重合形成される材料が好ましく挙げられ、
さらにはポリイミドシロキサンが好ましく挙げられる。
このポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒
素と結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより
置換されており、Siのポリイミドに対する含有量が3
重量%〜25重量%であることが好ましい。
【0280】このようなポリイミド系材料としては、宇
部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム UPA−
8322(商品名)や、ユピコートFS−100L(商
品名)や、ユピファインFP−100(商品名)等が挙
げられ、図58においては、例えば、形成後の膜厚が3
0μm程度となるフィルム形状とされた宇部興産株式会
社製のポリイミド接着フィルム UPA−8322(商
品名)を熱ラミネートする事により貼り合わせる工程を
示すこととする。
【0281】そして、上述した有機材料を用いた場合に
おいてそれぞれ推奨の硬化条件により、有機材料膜24
5の硬化処理を行う。例えば、有機材料膜245とし
て、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム U
PA−8322(商品名)を用いた場合においては最高
温度160℃の処理を行うことにより、耐薬品性に優れ
た撥液性を有する有機材料フィルムを形成することがで
きる。そして、熱処理の最高温度が180℃以下の低い
温度の材料を用いることにより、板材201の劣化の発
生、および熱膨張率の違いによるそりの発生を低く抑え
ることができることとなる。
【0282】なお、上記有機材料膜245は、図55に
示しためっき工程において、ステンレスプレート241
と対向する側の面(ステンレスプレート41が配されな
い側の面)に形成することが望ましい。これは、ステン
レスプレート241と対向する主面の方が他の主面と比
較して表面荒さが荒いために、有機材料膜241との密
着性の向上が得られやすいこと、そしてノズルに対応す
るドライフィルムよりなるパターン242の形状が、若
干ではあるが、ステンレスプレート241と対向しない
側の主面からステンレスプレート241と対向する側の
主面に向かって細くなるテーパー形状を有しているため
に、プリンタ装置のプリントヘッドとしての吐出方向安
定性に優れた特性が得られやすいためである。
【0283】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材241上の有機材料244側からエキシマレーザを
垂直に照射する。なお、ここでは、投影マスクを用いる
ことによりエキシマレーザ光を圧力室、インク供給路、
インクバッファタンクに対応した部分のみに照射するよ
うにする。
【0284】そして、照射するエキシマレーザ光のエネ
ルギー密度は、ポリイミド材料等の有機材料が精度良く
加工ができるような条件に合わせ、金属材料には損傷を
与えず、有機材料のみをアブレーション加工できるもの
とする。
【0285】エキシマレーザ光を照射された部分は、ア
ブレーション加工がなされることとなり、有機材料24
4には、図59に示すように、投影マスクの形状に対応
した圧力室194,195、インク供給路197,19
8、インクバッファタンク196が形成され、圧力室形
成部材224が形成される。なお、このとき、有機材料
244の下層側にはアブレーション加工が不可能な板材
201が存在することから、この板材201が加工停止
層として機能し、所定形状に応じた貫通孔が形成されて
有機材料244の加工が終了する。
【0286】さらには、有機材料244の加工が終わる
と、その下層となる板材201中の第1の貫通孔202
a,203a形成部分のみ、エキシマレーザ光が透過し
て、撥液性を有する有機材料膜245に到達することと
なり、図59に示すように第2の貫通孔202b,20
3bが形成され、第1及び第2の貫通孔202a,20
2bによりインクノズル202が形成されるとともに、
第1及び第2の貫通孔203a,203bによりインク
ノズル203が形成され、圧力室形成部材224と接着
された状態でオリフィスプレート200が形成される。
【0287】なお、上記のエキシマレーザによるアブレ
ーション加工においては、第1の貫通孔202a,20
3a内に入り込んだ有機材料膜245を容易に除去する
ことができ、板材201に形成される第1の貫通孔20
2a,203aと有機材料膜202に形成される第2の
貫通孔202b,203b間に段差を生じることがな
く、なめらかに連続した形状のインクノズル202,2
03が形成される。
【0288】さらに、図59に示した工程においては、
有機材料244のアブレーション加工に必要なマスク材
料として投影マスクを用いるものの、有機材料膜245
の加工時には板材201をマスク材として使用してお
り、エキシマレーザ加工装置の光学系に配置する投影マ
スクの枚数を減らすことができ、エキシマレーザ加工装
置機のランニングコストが低減され、製造コストが低減
される。
【0289】なお、上述の例においては、有機材料膜2
02をフィルム形状とされた宇部興産株式会社製のポリ
イミド接着フィルム UPA−8322(商品名)によ
り形成する例について述べたが、有機材料膜202は、
その原材料としての形状が液状である、ユピコートFS
−100L(商品名)や、ユピファインFP−100
(商品名)を用いても形成可能であり、めっき膜243
のめっきが終了して、ステンレスプレート241より剥
離する前の状態であれば、形成することができる。
【0290】さらに、有機材料膜202を、その原材料
としての形状が液状である、ユピコートFS−100L
(商品名)や、ユピファインFP−100(商品名)を
用いて形成する場合に、板材201をステンレスプレー
ト241から剥離した後の状態において塗布を行い、こ
れら液体が板材201の第1の貫通孔202a,203
aにまわり込んだとしても、エキシマレーザの照射によ
り、板材201に形成された第1の貫通孔202a,2
03a内に存在する有機材料は除去されることとなるの
で、ノズルの形状の乱れを容易に防ぐことが可能であ
る。
【0291】またさらには、上述の例においては、熱可
塑性の有機材料244を形成した後に、撥液性を有する
有機材料膜245の形成を行ったが、この順序は逆であ
っても構わない。
【0292】次に、図60に示すように、先に形成した
基板部材191と上述のようにして形成した圧力室形成
部材224とオリフィスプレート200を基板部材19
1上に圧力室形成部材244が配されるようにして接着
し、図45に示したようなプリンタ装置のプリントヘッ
ドを完成する。なお、この接着工程においては、圧力室
形成部材224を形成する熱可塑性の有機材料の接着性
を利用して接着を行っており、エポキシ接着剤等を用い
ることなく、接着を行うことが可能である。
【0293】上記圧力室形成部材224を三井東圧化学
株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネオフレックス
(商品名)により形成した場合においては、230℃程
度のプレス温度で20〜30kgf/cm2 程度の圧力
を加えることにより接着が可能である。
【0294】上述の例においては、圧力室形成部材22
4を例えば三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミ
ド材料 ネオフレックス(商品名)により形成した場合
について説明したが、圧力室形成部材224は、図61
に示すような例えば東レ・デュポン(株)社製のカプト
ン(商品名)といった熱可塑性を有しないポリイミドフ
ィルム材料246の両面に、例えば三井東圧化学株式会
社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネオフレックス(商品
名)といった熱可塑性の材料膜247a,247bが形
成された積層構造を有する有機材料248により形成し
てもよい。
【0295】このような積層構造を有する有機材料24
8を用いることによって、熱可塑性を有している部分、
すなわち、熱と圧力を加えることによって、変形しやす
い部分の割合が減ることとなるので、基板部材との接着
工程において圧力室の形状崩れ等を発生させる危険性を
低減することが可能である。また、この場合において
も、有機材料248を構成する材料として、いずれもエ
キシマレーザ光を用いたアブレーション加工がなされや
すい材料を用いているので、圧力室、インク供給路、イ
ンクバッファタンクの加工を容易に行うことができる。
【0296】本発明を適用したプリンタ装置のプリント
ヘッドとしては、以下に示すようなものも挙げられる。
本例のプリンタ装置のプリントヘッドは、先に図43及
び図44に示したものと略同様の構成を有するものであ
り、図62にその構造を示すが、図43及び図44に示
したものと同様の構成を有する部分については同一の符
号を付し、説明を省略するものとする。
【0297】すなわち、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドが先に述べたプリンタ装置のプリントヘッドと大
きく異なる点としては、圧力室形成部材249が例えば
エキシマレーザ等のレーザ光によるアブレーション加工
が可能な有機材料よりなり、少なくともインク圧力室2
12、希釈液圧力室213が、例えばエキシマレーザを
用いたアブレーション加工により形成されている点が挙
げられる。
【0298】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、圧力室形成部材249の少なくともインク圧力
室212と希釈液圧力室213を板材220を加工停止
材として使用し、エキシマレーザを用いたアブレーショ
ン加工により形成するようにしている。
【0299】上記圧力室形成部材249は、例えば厚さ
が20μmのポリイミド系材料により形成すれば良く、
インク圧力室212と希釈液圧力室213を形成するア
ブレーション加工は、例えば波長が300nm以下であ
るエキシマレーザ光を用いて行えば良い。さらに、本例
のプリンタ装置のプリントヘッドにおいては、圧力室形
成部材249の形成材料を熱可塑性も有するものとし、
この圧力室形成部材249を接着剤としても機能させ、
基板部材206とオリフィスプレート208の接着も行
わせるようにすれば良い。このように、圧力室形成部材
249をポリイミド系材料により構成すれば、圧力室形
成部材の耐薬品性が向上する。
【0300】ただし、圧力室形成部材249があまり薄
いと、圧力室内部に気泡が残存した場合の除去が困難と
なるので、圧力室形成部材249は15μm以上の厚さ
を有していることが望ましい。
【0301】なお、上記のようなレーザ光によるアブレ
ーション加工が可能で熱可塑性のポリイミド系材料とし
ては、三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材
料ネオフレックス(商品名)等が例示される。そして、
上記三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料
ネオフレックス(商品名)を使用すれば、その表面張
力が38dyne/cm以上であり、親水性材料である
ために、インク圧力室212と希釈液圧力室213やイ
ンク供給路215及び希釈液供給路217においてイン
ク中に気泡などが付着しにくい。
【0302】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、オリフィスプレート208を形成する板
材220を厚さ25μm程度とし、保護膜211を導電
材料の短絡、溶液のコゲーションを防止するためにSi
C等により形成することが好ましい。さらに、有機材料
膜221の厚さを例えば15μmとすることが好まし
い。
【0303】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いても、これまでに述べたプリンタ装置のプリントヘッ
ドと同様の効果が得られ、また圧力室形成部材249を
化学的に安定で高い耐薬品性を有する有機材料により形
成し、ドライフィルム等の感光性樹脂材料を使用しない
ことから、長時間の繰り返し使用にも十分耐え得るプリ
ンタ装置のプリントヘッドが得られることとなる。
【0304】このような本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにより印刷を行うには、以下のようにすれば良
い。ここでは、駆動電圧の印加タイミングチャートを用
いて説明する。すなわち、図63に示すように、図示し
ないインクタンクからインク250がインク供給口21
8を通じてインクバッファタンク214に供給され、こ
こからインク供給路215を通じてインク圧力室212
に充填され、インク圧力室212からこれに応じたイン
クノズル222の先端まで充填され、この先端には表面
張力の釣り合いにより、メニスカスが形成される。ま
た、図示しない希釈液タンクから希釈液251が希釈液
供給口219を通じて希釈液バッファタンク216に供
給され、ここから希釈液供給路217を通じて希釈液圧
力室213に充填され、希釈液圧力室213からこれに
応じた希釈液ノズル223の先端まで充填され、この先
端には表面張力の釣り合いにより、メニスカスが形成さ
れる。すなわち、吐出待機状態となる。この吐出待機状
態は、図64(a)(b)に示すように図中(A)で示
す時点であり、発熱素子209,210の駆動電圧は零
Vとされている。なお、図64(a)(b)において
は、横軸を時間、縦軸を電圧として表している。
【0305】次に、図64(b)中(B)で示す時点か
ら発熱素子209の駆動電圧を徐々に3Vまで上昇さ
せ、この状態でしばらく保持する。すると、発熱素子2
09が発熱することから、インク圧力室内212のイン
ク250が加熱され沸騰し、図65に示すように、発熱
素子209上に泡252が発生し、インク圧力室212
内の圧力が上昇し、インクノズル222先端にメニスカ
スを形成していたインク250は、インクノズル250
先端よりあふれることとなる。そして、希釈液ノズル2
23の先端近傍においてメニスカスを形成している希釈
液251と接触して混合溶液253を希釈液ノズル22
3の先端近傍において形成する。
【0306】次に、図64(a)中(C)で示す時点に
おいて発熱素子210の電圧を5Vとし、この状態でし
ばらく保持する。すると、発熱素子210が発熱し、希
釈液圧力室213内の希釈液251が加熱され沸騰し、
図66に示すように希釈液圧力室213内の発熱素子2
10上に泡254が発生し、希釈液圧力室213内の圧
力が上昇するため、希釈液ノズル223から混合溶液2
53が押し出される。
【0307】なお、上記発熱素子210の駆動電圧を5
Vまで上昇させた後、すなわち、図64(a)(b)中
(C)で示す時点よりも後の時点から図中(D)で示す
時点までかけて発熱素子209の電圧を徐々に元の零V
まで戻す。すると、発熱素子209の加熱が終了するこ
とから、インク圧力室212内の圧力の上昇が収まり、
インクノズル222から押し出されたインク250とイ
ンクノズル222内に残存しているインク間が分かれ、
図66中に示すように、インク250はインクノズル2
22内に引き込まれる。
【0308】続いて、図64(a)中(E)で示す時点
において、発熱素子210の駆動電圧を元の零Vに戻
す。すると、発熱素子210の加熱が終了することか
ら、希釈液圧力室213内の圧力の上昇が収まり、希釈
液ノズル223から押し出された混合液253と希釈液
ノズル223内に充填されている希釈液間が分かれ、図
67に示すように、混合溶液253が吐出媒体ノズル2
23より吐出され、被記録材に被着して印刷が行われ
る。なお、図64(a)中(E)で示す時点は図64
(b)中(D)で示す時点よりも後の時点とする。
【0309】その後、インクノズル222には再度イン
ク250が充填されて、新たなメニスカスが形成され、
希釈液ノズル223には再度希釈液251が充填され
て、新たなメニスカスが形成されて図63に示した待機
状態に戻り、このような動作を繰り返すことにより印刷
が行われる。
【0310】ここで発熱素子209に与えられている駆
動電圧の時間変化は、インクノズル222からインク2
50を画像データの階調に応じた量を押し出し得るよう
に設定されている。
【0311】また、発熱素子210に与えられている駆
動電圧の時間変化は、希釈液ノズル223から混合溶液
を吐出し得るように設定されている。
【0312】なお、この例の場合、図64中t1 で示す
インク吐出時間は例えば20μsec程度とされ、図6
4中t2 で示す希釈液吐出時間は例えば10μec程度
とされ、図64中t3 で示す吐出周期は1msec(周
波数1kHz)とされており、図64中V1 で示す定量
電圧は可変とされている。
【0313】次に、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドの製造方法について述べる。先ず、基板部材を形成す
る。すなわち、図68に示すように、例えば両面に酸化
処理を行うことにより1μm程度の図示しない酸化シリ
コン膜が形成された厚さ略0.5mmのシリコン基板2
60の相対向する主面のうちの一方の主面260aに抵
抗膜となるTaAl膜261を例えばスパッタリング法
により形成した後、導体パターンとなるAl膜262を
例えばスパッタリング法により形成する。
【0314】次に、フォトレジストを用いて、導体パタ
ーンに対応したパターン形状を上記Al膜262上に形
成し、そのフォトレジストをマスク材として、例えばリ
ン酸/硝酸の混合水溶液を用いてエッチングを行い、図
69に示すような導体パターン264を形成する。
【0315】なお、この工程においては、使用するエッ
チング溶液(リン酸/硝酸の混合水溶液)の濃度を調整
して、抵抗膜であるTaAl膜261がエッチングされ
ないようにする。
【0316】続いて、フォトレジストを用いて、導体パ
ターンと発熱素子の発熱部となる抵抗体部分とを含む形
状に対応したパターンを上記Al膜261及びTaAl
膜262上に形成し、そのフォトレジストをマスク材と
して、例えばフッ酸/硝酸/リン酸の混合水溶液を用い
てエッチングを行い、図70に示すように、導体パター
ン264の下層にTaAl膜261を残し、且つTaA
l膜261の一部を露呈させて2つの発熱素子に対応す
るような抵抗体265a,265bを形成するととも
に、不要な部分を除去する。
【0317】次に、図71に示すように、導体パターン
264及び抵抗体265a,265b上に、上記導体パ
ターン264が溶液によって短絡することを防止するた
め、さらには、インクのコゲーションを防止するため
に、例えばSiC等よりなる保護膜266を形成する。
【0318】なお、この工程においては、導体パターン
264中の図示しない外部配線との接続部分には、保護
膜266が形成されないようにする。
【0319】次に、図72に示すように、一主面260
a側にTaAl膜261、導体パターン264、保護膜
266が積層されたシリコン基板260に、例えば超音
波加工により、インク供給口218及び希釈液供給口2
19を形成し、基板部材206を完成する。
【0320】次に、オリフィスプレートを製造する。す
なわち、図73に示すように、電鋳時のベースとなり、
オリフィスプレートよりも大きいステンレスプレート2
71を用意し、その一方の主面271a上に、例えばプ
リント基板のめっき工程に使用されるめっき用ドライフ
ィルムなどの感光性材料を用いて、オリフィスプレート
のインクノズルあるいは外形などの形状に対応したパタ
ーン272を形成する。
【0321】続いて、図74に示すように、上記パター
ン272の形成されたステンレスプレート271を電解
ニッケルめっき浴に浸して、めっきを行い、めっき膜2
73を形成する。なおこのとき、めっき膜273の厚さ
は、ドライフィルムにより形成したパターン272の厚
さよりも薄くする必要がある。これは、前述のように、
インクノズル及び希釈液ノズルを形成する第1の貫通孔
はこのパターン272の形状に応じて形成されるが、そ
の長さをパターン272の高さよりも厚くすると正確な
形状で形成することが困難となるためであり、パターン
272の高さより短く形成することで、形状の乱れを生
じることなく、第1の貫通孔を有するめっき膜273を
形成することが可能となる。
【0322】例えば、ドライフィルムを用いたパターン
272の厚さとして30μmを選択した場合において
は、めっき膜273の厚さを25μm程度とすることに
より、ノズル径35μm程度の第1の貫通孔を有するめ
っき膜273をノズル形状の乱れなく形成することがで
きる。
【0323】続いて、めっき膜273をステンレスプレ
ート271より剥離し、洗浄し、図75に示すような第
1の貫通孔222a,223aを有する板材220を形
成する。このとき、洗浄は、専用ドライフィルム剥離液
或いは水酸化ナトリウム水溶液を用いて行うことが可能
である。
【0324】次に、図76に示すように、板材220の
第1の貫通孔222a,223aが開口する相対向する
主面のうち、一方の主面220bに、例えばエキシマレ
ーザ等のレーザによるアブレーション加工が可能で熱可
塑性を有する有機材料274を形成する。
【0325】このような有機材料としては、たとえば、
三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネ
オフレックス(商品名)等が挙げられる。
【0326】続いて、図77に示すように、板材220
の上述の熱可塑性を有する有機材料274が形成される
主面220bとは反対側の主面220aに撥液性を有す
る有機材料膜275を形成する。
【0327】上記有機材料膜275は、レーザ加工性に
優れ、かつ、撥水性を有していることが望ましい。この
有機材料膜275を形成する材料としては、例えば撥液
性を有するポリイミド系材料が挙げられ、180℃以下
の加熱により重合形成される材料が好ましく挙げられ、
さらにはポリイミドシロキサンが好ましく挙げられる。
このポリイミドシロキサンにおいては、イミド結合の窒
素と結合する芳香族炭化水素の一部がシロキサンにより
置換されており、Siのポリイミドに対する含有量が3
重量%〜25重量%であることが好ましい。
【0328】このようなポリイミド系材料としては、宇
部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム UPA−
8322(商品名)や、ユピコートFS−100L(商
品名)や、ユピファインFP−100(商品名)等が挙
げられ、図77においては、例えば、形成後の膜厚が3
0μm程度となるフィルム形状とされた宇部興産株式会
社製のポリイミド接着フィルム UPA−8322(商
品名)を熱ラミネートする事により貼り合わせる工程を
示すこととする。
【0329】そして、上述した有機材料を用いた場合に
おいてそれぞれ推奨の硬化条件により、有機材料膜24
5の硬化処理を行う。例えば、有機材料膜275とし
て、宇部興産株式会社製のポリイミド接着フィルム U
PA−8322(商品名)を用いた場合においては最高
温度160℃の処理を行うことにより、耐薬品性に優れ
た撥液性を有する有機材料フィルムを形成することがで
きる。そして、熱処理の最高温度が180℃以下の低い
温度の材料を用いることにより、板材220の劣化の発
生、および熱膨張率の違いによるそりの発生を低く抑え
ることができることとなる。
【0330】なお、上記有機材料膜275は、図74に
示しためっき工程において、ステンレスプレート271
と対向する側の面(ステンレスプレート271が配され
る面と反対側の面)に形成することが望ましい。これ
は、ステンレスプレート271と対向する主面の方が他
の主面と比較して表面荒さが荒いために、有機材料膜2
71との密着性の向上が得られやすいこと、そしてノズ
ルに対応するドライフィルムよりなるパターン272の
形状が、若干ではあるが、ステンレスプレート271と
対向しない側の主面からステンレスプレート271と対
向する側の主面に向かって細くなるテーパー形状を有し
ているために、プリンタ装置のプリントヘッドとしての
吐出方向安定性に優れた特性が得られやすいためであ
る。
【0331】次に、エキシマレーザ加工装置を用いて、
板材220上の有機材料274側からエキシマレーザ光
を垂直に照射する。なお、ここでは、投影マスクを用い
ることによりエキシマレーザ光を希釈液圧力室、希釈液
供給路、希釈液バッファタンクに対応した部分のみに照
射するようにする。
【0332】そして、照射するエキシマレーザ光のエネ
ルギー密度は、ポリイミド材料等の有機材料が精度良く
加工ができるような条件に合わせ、金属材料には損傷を
与えず、有機材料のみをアブレーション加工できるもの
とする。
【0333】エキシマレーザ光を照射された部分は、ア
ブレーション加工がなされることとなり、有機材料27
4には、図78に示すように、投影マスクの形状に対応
した希釈液圧力室213、希釈液供給路217、希釈液
バッファタンク216が形成される。なお、このとき、
有機材料274の下層側にはアブレーション加工が不可
能な板材220が存在することから、この板材220が
加工停止層として機能し、所定形状に応じた貫通孔が形
成されて有機材料274の加工が終了する。
【0334】さらには、有機材料274の加工が終わる
と、その下層となる板材220中の第1の貫通孔223
a形成部分のみ、エキシマレーザ光が透過して、撥液性
を有する有機材料膜275に到達することとなり、図7
8中に示すように第2の貫通孔223bが形成され、第
1及び第2の貫通孔223a,223bにより希釈液ノ
ズル223が形成される。
【0335】さらに、エキシマレーザ加工装置を用い
て、板材220上の有機材料274側からエキシマレー
ザ光を斜め方向に照射する。なお、ここでは、投影マス
クを用いることによりエキシマレーザ光をインク圧力
室、インク供給路、インクバッファタンクに対応した部
分のみに照射するようにする。
【0336】そして、照射するエキシマレーザ光のエネ
ルギー密度は、ポリイミド材料等の有機材料が精度良く
加工ができるような条件に合わせ、金属材料には損傷を
与えず、有機材料のみをアブレーション加工できるもの
とする。
【0337】エキシマレーザ光を照射された部分は、ア
ブレーション加工がなされることとなり、有機材料27
4には、図78中に示すように、投影マスクの形状に対
応したインク圧力室212、インク供給路215、イン
クバッファタンク214が形成される。
【0338】ところで、上記のようにエキシマレーザ光
を斜め方向に照射すると、投影マスクに覆われない部分
は有機材料274の厚さ方向に対して斜め方向に加工さ
れ、その結果、図78中に示すように、インク圧力室2
12、インク供給路215、インクバッファタンク21
4は有機材料274の厚さ方向に対して斜め方向に形成
される。
【0339】なお、このとき、有機材料274の下層側
にはアブレーション加工が不可能な板材220が存在す
ることから、この板材220が加工停止層として機能
し、所定形状に応じた貫通孔が形成されて有機材料27
4の加工が終了する。
【0340】さらには、有機材料274の加工が終わる
と、その下層となる板材220中の第1の貫通孔222
a形成部分のみ、エキシマレーザ光が透過して、撥液性
を有する有機材料膜275に到達することとなり、図7
8中に示すように第2の貫通孔222bが形成され、第
1及び第2の貫通孔222a,222bによりインクノ
ズル222が形成される。
【0341】なお、この工程においてもエキシマレーザ
光は有機材料膜275の厚さ方向に対して斜め方向に照
射されていることから、第2の貫通孔222bも有機材
料膜275の厚さ方向に対して斜め方向に形成され、第
2の貫通孔222bは第2の貫通孔223bに徐々に近
づいていくように形成され、有機材料膜221が完成す
る。
【0342】すなわち、上記工程において、インク圧力
室212、インク供給路215、インクバッファタンク
214、希釈液圧力室213、希釈液供給路217、希
釈液バッファタンク216が形成される圧力室形成部材
249が形成される。さらには、インクノズル222と
希釈液ノズル223を有するオリフィスプレート221
が圧力室形成部材249と接着された状態で形成され
る。
【0343】なお、上記のエキシマレーザによるアブレ
ーション加工においては、第1の貫通孔222a,22
3a内に入り込んだ有機材料膜275を容易に除去する
ことができ、板材220に形成される第1の貫通孔22
2a,223aと有機材料膜221に形成される第2の
貫通孔222b,223b間に段差を生じることがな
く、なめらかに連続した形状のインクノズル222、希
釈液ノズル223が形成される。
【0344】さらに、図78に示した工程においては、
有機材料274のアブレーション加工に必要なマスク材
料として投影マスクを用いるものの、有機材料膜275
の加工時には板材220をマスク材として使用してお
り、エキシマレーザ加工装置の光学系に配置する投影マ
スクの枚数を減らすことができ、エキシマレーザ加工装
置機のランニングコストが低減され、製造コストが低減
される。
【0345】なお、上述の例においては、有機材料膜2
21をフィルム形状とされた宇部興産株式会社製のポリ
イミド接着フィルム UPA−8322(商品名)によ
り形成する例について述べたが、有機材料膜221は、
その原材料としての形状が液状である、ユピコートFS
−100L(商品名)や、ユピファインFP−100
(商品名)を用いても形成可能であり、めっき膜273
のめっきが終了して、ステンレスプレート271より剥
離する前の状態であれば、形成することができる。
【0346】さらに、有機材料膜221を、その原材料
としての形状が液状である、ユピコートFS−100L
(商品名)や、ユピファインFP−100(商品名)を
用いて形成する場合に、板材220をステンレスプレー
ト271から剥離した後の状態において塗布を行い、こ
れら液体が板材220の第1の貫通孔222a,223
aにまわり込んだとしても、エキシマレーザの照射によ
り、板材220に形成された第1の貫通孔222a,2
23a内に存在する有機材料は除去されることとなるの
で、ノズルの形状の乱れを容易に防ぐことが可能であ
る。
【0347】またさらには、上述の例においては、熱可
塑性の有機材料274を形成した後に、撥液性を有する
有機材料膜275の形成を行ったが、この順序は逆であ
っても構わない。
【0348】次に、図79に示すように、先に形成した
基板部材206と上述のようにして形成した圧力室形成
部材249とオリフィスプレート208を基板部材20
6上に圧力室形成部材249が配されるようにして接着
し、図62に示したようなプリンタ装置のプリントヘッ
ドを完成する。なお、この接着工程においては、圧力室
形成部材249を形成する熱可塑性の有機材料の接着性
を利用して接着を行っており、エポキシ接着剤等を用い
ることなく、接着を行うことが可能である。
【0349】なお、この接着工程においては、液室形成
部材249である熱可塑性材料の有する接着性を用いる
ことにより、エポキシ接着剤等を用いることなく、接着
をおこなうことができる。
【0350】上記圧力室形成部材249を三井東圧化学
株式会社製の熱可塑性ポリイミド材料 ネオフレックス
(商品名)により形成した場合においては、230℃程
度のプレス温度で20〜30kgf/cm2 程度の圧力
を加えることにより接着が可能である。
【0351】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いても、前述のプリンタ装置のプリントヘッドと同様に
圧力室形成部材を先に図61に示したような例えば東レ
・デュポン(株)社製のカプトン(商品名)といった熱
可塑性を有しないポリイミドフィルム材料246の両面
に、例えば三井東圧化学株式会社製の熱可塑性ポリイミ
ド材料 ネオフレックス(商品名)といった熱可塑性の
材料膜247a,247bが形成された積層構造を有す
る有機材料248により形成しても良く、この場合にも
同様の効果が得られる。
【0352】上述のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、インク圧力室及び希釈液圧力室、インク供給路
及び希釈液供給路、インクバッファタンク及び希釈液バ
ッファタンクの全てをエキシマレーザを用いたアブレー
ション加工により形成する例について述べたが、これら
全てをエキシマレーザを用いたアブレーション加工によ
り形成する必要はない。
【0353】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
としては、図80及び図81に示すようなものが挙げら
れる。すなわち、先に図45に示したプリンタ装置のプ
リントヘッドと略同様の構成を有するが、基板部材19
1のインク供給口205をインクバッファタンクとして
兼用するようにし、圧力室形成部材276にはインク圧
力室277,278、インク供給路279,280のみ
を形成するようにしたものが挙げられる。なお、本例の
プリンタ装置のプリントヘッドにおいては、図45に示
したプリンタ装置のプリントヘッドと同様の構成を有す
る部分においては、同一の符号を付し、説明を省略する
こととする。
【0354】すなわち、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにおいては、図80及び図81に示すように、イ
ンク供給路279,280がインクバッファタンクとし
て兼用されるインク供給路205に直接接続されてい
る。このようにすれば、圧力室形成部材276を形成す
るためのエキシマレーザ等のレーザ光を使用したアブレ
ーション加工時に除去するべき有機材料の体積が少なく
なることとなり、アブレーション加工工程における発熱
量を少なくすることができ、被加工物の温度上昇を抑え
られることとなり、結果的に、アブレーション加工を行
うレーザ光のパルス発振周波数を高められることとな
り、加工時間が短縮され、生産性が向上する。
【0355】なお、ここでは、インクのみを吐出させる
インクジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッドの
例について述べたが、同様の構成を2液混合型の例えば
キャリアジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッド
にも適用可能である。
【0356】また、これまで述べた圧力室形成部材をレ
ーザ加工により形成するプリンタ装置のプリントヘッド
においては、圧力印加手段として発熱素子を使用する例
について述べたが、この圧力印加手段としては、積層型
ピエゾ素子等の圧電素子を用いても何等問題ない。
【0357】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
としては、図82及び図83に断面図及び模式的に示す
平面図を示すようなものが挙げられる。すなわち、イン
クノズル281が形成されるオリフィスプレート282
と圧力室283、インク供給路284、インクバッファ
タンク285が形成される圧力室形成部材286と振動
板287が積層されたものである。
【0358】なお、上記振動板287には圧力室283
に対応する位置に他の部分よりも変位し易いように突起
部288が形成され、インクバッファタンク285に対
応する位置にはインク供給口289が形成されている。
【0359】そして、上記振動板287の突起部288
上には、積層型ピエゾ素子等の圧電素子290がその一
端を支持体291により支持されて配置されている。こ
の圧電素子290は、駆動電圧の変化により図中矢印M
3 で示す方向に変位し、振動板287の突起部288を
押圧してインク圧力室283内のインクに圧力を印加す
ることが可能となされている。
【0360】この他の構成については、これまで述べた
プリンタ装置のプリントヘッドと同様であるので説明を
省略する。また、このプリンタ装置のプリントヘッドの
動作も前述したプリンタ装置のプリントヘッドと同様で
あるので説明を省略する。
【0361】なお、ここでは、インクのみを吐出させる
インクジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッドの
例について述べたが、同様の構成を2液混合型の例えば
キャリアジェット方式のプリンタ装置のプリントヘッド
にも適用可能である。
【0362】これまで述べたプリンタ装置のプリントヘ
ッドの例においては、圧力印加手段として積層型ピエゾ
素子或いは発熱素子を使用している例について述べた
が、本発明は圧力印加手段として例えば単板あるいは2
層の圧電材料を用いた撓みモードの圧力上昇手段を用い
たプリンタ装置のプリントヘッドにも適用可能である。
【0363】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のプリンタ装置においては、吐出媒体ノズル、吐出媒
体ノズル及び定量媒体ノズルが、金属よりなる板材と有
機材料膜が積層されるノズル形成部材を貫通し、有機材
料膜表面に臨んで開口するように形成されており、板材
に形成される部分の径と有機材料膜に形成される部分の
径が略等しくなるように形成されており、これを製造す
る際には、例えば先ず電鋳法によりノズルの一部である
第1の貫通孔を有する板材を形成し、その後、この板材
上に有機材料膜を形成して上記板材をマスク材としてレ
ーザ光を照射し、有機材料膜の第1の貫通孔に対応する
部分のみを除去して第1の貫通孔と略同等の径を有する
第2の貫通孔を形成し、これら第1及び第2の貫通孔に
より各ノズルを形成するようにしている。
【0364】従って、ノズルの大部分を電鋳法により形
成していることから、安価に製造が行われ、生産性が向
上する。また、残りの部分を例えばエキシマレーザ等の
レーザ光を使用した加工により形成するようにしている
ことから、先端部分が正確な形状で形成され、且つ有機
材料膜の厚さを厚くすれば長さの長いノズルが精度良好
に形成され、吐出安定性が向上し、正確な記録画像の形
成が可能となる。
【0365】さらに、このとき、板材をマスク材として
使用していることから、ノズル加工時に高価なマスク材
を使用する必要がなくなり、製造工程が簡素化され、製
造コストが低減され、生産性が向上する。さらにまた、
マスク材を使用する必要がないことから、マスク材の位
置合わせが不要となり、位置合わせに起因する製造不良
が抑えられ、製造歩留まりが向上し、生産性が向上す
る。
【0366】また、有機材料膜としてポリイミド系材料
を使用すれば撥液性を損なうこと無く、エキシマレーザ
加工性が確保され、特に23℃の水中に24時間浸積し
た場合の吸水率が0.4%以下のものを使用すれば十分
な撥液性が確保され、使用可能なインクの範囲が広が
る。さらには、上記ポリイミド系材料として、180℃
以下で重合形成されるものを使用すれば他の部分に影響
を及ぼすことなく製造が行われる。
【0367】さらに、本発明のプリンタ装置において、
吐出媒体圧力室、吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室
が、吐出媒体ノズル、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズ
ルの板材に形成される部分の径よりも大径を有して有機
材料よりなる圧力室形成部材に形成され、これら吐出媒
体圧力室及び定量媒体圧力室をエキシマレーザによるア
ブレーション加工を行って形成するようにすれば、圧力
室形成部材とノズル形成部材間をドライフィルム等によ
り接着する必要がなくなる。従って、圧力室形成部材に
圧力室とともに溶液供給路も形成するようにすれば良
く、耐薬品性に劣るドライフィルムにインクが接触する
ことがなくなり、使用可能なインクの範囲が広がる。
【0368】なお、このようなプリンタ装置を製造する
場合には、ノズルの一部である第1の貫通孔を有する板
材の相対向する主面に第1の有機材料膜及び第2の有機
材料膜をそれぞれ形成し、第2の有機材料膜上に圧力室
や溶液供給路を形成するためのマスク材を配してこの第
2の有機材料膜側からレーザ光を照射すれば、第1の貫
通孔に連通して圧力室を形成する第3の貫通孔が形成さ
れて圧力室形成部材が形成されるとともに、板材の第1
の貫通孔を介して第1の有機材料膜中の第1の貫通孔に
対応する部分のみにレーザ光が照射されて第1の有機材
料膜に板材の第1の貫通孔と略同径の第2の貫通孔が形
成されて、これら第1の貫通孔及び第2の貫通孔により
ノズルが形成され、容易に製造が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリンタ装置の一例を模式的
に示す要部概略斜視図である。
【図2】本発明を適用したプリンタ装置の一例の印字及
び制御系のブロック図である。
【図3】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドを示す要部概略断面図である。
【図4】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドを示す要部概略平面図である。
【図5】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドのインク圧力室の体積が増大した状態を示す要
部概略断面図である。
【図6】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の一
例を工程順に示すものであり、ステンレス部材上にレジ
ストを形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図7】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の一
例を工程順に示すものであり、エッチングした状態を示
す要部概略断面図である。
【図8】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の一
例を工程順に示すものであり、圧力室形成部材を形成す
る工程を示す要部概略断面図である。
【図9】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の一
例を工程順に示すものであり、ステンレスプレート上に
パターンを形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図10】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、ステンレスプレート上
にめっき膜を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図11】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、板材を形成する工程を
示す要部概略断面図である。
【図12】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、有機材料膜を形成する
工程を示す要部概略断面図である。
【図13】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、オリフィスプレートを
形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図14】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、圧力室形成部材とオリ
フィスプレートを接着する工程を示す要部拡大断面図で
ある。
【図15】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
一例を工程順に示すものであり、振動板を接着する工程
を示す要部拡大断面図である。
【図16】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
他の例を工程順に示すものであり、板材に有機材料膜と
接着剤層を形成する工程を示す要部拡大断面図である。
【図17】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
他の例を工程順に示すものであり、板材と圧力室形成部
材を接着する工程を示す要部拡大断面図である。
【図18】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
他の例を工程順に示すものであり、オリフィスプレート
を形成する工程を示す要部拡大断面図である。
【図19】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
他の例を工程順に示すものであり、振動板を接着する工
程を示す要部拡大断面図である。
【図20】本発明を適用したプリンタ装置の他の例の印
字及び制御系のブロック図である。
【図21】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドの駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図22】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図23】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドを示す要部概略平面図である。
【図24】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドのインク圧力室及び希釈液圧力室の体積が
増大した状態を示す要部概略断面図である。
【図25】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドの駆動電圧の印加タイミングを示すチャー
トである。
【図26】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドのインク圧力室の体積が元の状態に戻ろう
とする様子を示す要部概略断面図である。
【図27】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、ステンレス部
材上にレジストを形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図28】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、エッチングし
た状態を示す要部概略断面図である。
【図29】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、圧力室形成部
材を形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図30】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、ステンレスプ
レート上にパターンを形成する工程を示す要部概略断面
図である。
【図31】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、めっき膜を形
成する工程を示す要部概略断面図である。
【図32】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、板材を形成す
る工程を示す要部概略断面図である。
【図33】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、有機材料膜を
形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図34】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、オリフィスプ
レートを形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図35】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、圧力室形成部
材とオリフィスプレートを接着する工程を示す要部概略
断面図である。
【図36】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、振動板を接着
する工程を示す要部概略断面図である。
【図37】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、板材に有機材
料膜と接着剤層を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図38】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、板材と圧力室
形成部材を接着する工程を示す要部概略断面図である。
【図39】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、オリフィスプ
レートを形成する工程を示す要部概略断面図である。
【図40】本発明を適用したプリンタ装置の製造方法の
さらに他の例を工程順に示すものであり、振動板を接着
する工程を示す要部概略断面図である。
【図41】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図42】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略平面図である。
【図43】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図44】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略平面図である。
【図45】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図46】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、インク吐出の待機状態を
示す要部概略断面図である。
【図47】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、インクが押し出される様
子を示す要部概略断面図である。
【図48】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、インク液滴が吐出される
様子を示す要部概略断面図である。
【図49】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、基板部材を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図50】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、導体パターンを形成する工程を示す要部概略断面
図である。
【図51】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、抵抗体を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図52】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、保護膜を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図53】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、基板部材を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図54】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、ステンレスプレート上にパターンを形成する工程
を示す要部概略断面図である。
【図55】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、めっき膜を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図56】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、板材を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図57】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、板材の一主面に有機材料を形成する工程を示す要
部概略断面図である。
【図58】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、板材の一主面に有機材料膜を形成する工程を示す
要部概略断面図である。
【図59】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、オリフィスプレートを形成する工程を示す要部概
略断面図である。
【図60】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、基板部材と圧力室形成部材間を接着する工程を示
す要部概略断面図である。
【図61】圧力室形成部材を形成する材料の一例を示す
断面図である。
【図62】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図63】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、吐出待機状態を示す要部
概略断面図である。
【図64】本発明を適用したプリンタ装置が搭載された
プリンタ装置のさらに他の例のプリントヘッドの駆動電
圧の印加タイミングを示すチャートである。
【図65】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、混合溶液が形成された状
態を示す要部概略断面図である。
【図66】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、混合溶液が押し出された
状態を示す要部概略断面図である。
【図67】本発明を適用したプリンタ装置による印刷動
作を動作順に示すものであり、混合溶液が吐出された状
態を示す要部概略断面図である。
【図68】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、シリコン基板にTaAl膜及びAl膜を形成する
工程を示す要部概略断面図である。
【図69】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、導体パターンを形成する工程を示す要部概略断面
図である。
【図70】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、抵抗体を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図71】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、保護膜を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図72】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、基板部材を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図73】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、ステンレスプレート上にパターンを形成する工程
を示す要部概略断面図である。
【図74】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、めっき膜を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図75】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、板材を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図76】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、有機材料を形成する工程を示す要部概略断面図で
ある。
【図77】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、有機材料膜を形成する工程を示す要部概略断面図
である。
【図78】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、オリフィスプレートを形成する工程を示す要部概
略断面図である。
【図79】本発明が適用されたプリンタ装置のプリント
ヘッドの製造方法のさらに他の例を工程順に示すもので
あり、基板部材と圧力室形成部材を接着する工程を示す
要部概略断面図である。
【図80】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図81】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略平面図である。
【図82】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略断面図である。
【図83】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドを示す要部概略平面図である。
【符号の説明】
31,121,224,249 圧力室形成部材、3
4,124 オリフィスプレート、40,130 板
材、41,131 有機材料膜、42,132 インク
ノズル、42a,132a,142a 第1の貫通孔、
42b,132b,142b 第2の貫通孔、 45,
145 インク圧力室、142 希釈液ノズル、155
希釈液圧力室

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出媒体が導入される吐出媒体圧力室と
    これに連通する吐出媒体ノズルとを少なくとも有し、吐
    出媒体ノズルから吐出媒体を吐出するプリントヘッドを
    有するプリンタ装置において、 吐出媒体ノズルが、金属よりなる板材と有機材料膜が積
    層されるノズル形成部材を貫通し、有機材料膜表面に臨
    んで開口するように形成されており、板材に形成される
    部分の径と有機材料膜に形成される部分の径が略等しく
    なるように形成されていることを特徴とするプリンタ装
    置。
  2. 【請求項2】 有機材料膜の厚さが10μm以上である
    ことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 有機材料膜がポリイミド系材料よりなる
    ことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  4. 【請求項4】 ポリイミド系材料が、23℃の水中に2
    4時間浸積した場合の吸水率が0.4%以下のものであ
    ることを特徴とする請求項3記載のプリンタ装置。
  5. 【請求項5】 ポリイミド系材料が、180℃以下で重
    合形成されるものであることを特徴とする請求項3記載
    のプリンタ装置。
  6. 【請求項6】 ポリイミド系材料がポリイミドシロキサ
    ンを含む材料であることを特徴とする請求項3記載のプ
    リンタ装置。
  7. 【請求項7】 吐出媒体ノズルを有する板材が電鋳法に
    より形成されていることを特徴とする請求項1記載のプ
    リンタ装置。
  8. 【請求項8】 吐出媒体ノズルの有機材料膜に形成され
    る部分がエキシマレーザによるアブレーション加工によ
    り形成されていることを特徴とする請求項1記載のプリ
    ンタ装置。
  9. 【請求項9】 吐出媒体圧力室が圧力室形成部材に形成
    されており、この圧力室形成部材とノズル形成部材間が
    熱可塑性の接着剤層により接着されており、この接着剤
    層に吐出媒体圧力室に連通する貫通孔が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  10. 【請求項10】 接着剤層の貫通孔がエキシマレーザに
    よるアブレーション加工により形成されていることを特
    徴とする請求項9記載のプリンタ装置。
  11. 【請求項11】 接着剤層がポリイミド系材料よりなる
    ことを特徴とする請求項9記載のプリンタ装置。
  12. 【請求項12】 接着剤層のガラス転移点が250℃以
    下であることを特徴とする請求項9記載のプリンタ装
    置。
  13. 【請求項13】 定量媒体が導入される定量媒体圧力室
    を有し、これに連通する定量媒体ノズルをノズル形成部
    材を貫通し、有機材料膜表面に臨んで吐出媒体ノズルと
    互いに隣合うように開口して有し、定量媒体ノズルから
    吐出媒体ノズルに向けて定量媒体を滲み出させた後、吐
    出媒体ノズルから吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出
    媒体を混合吐出するものであり、上記定量媒体ノズル
    が、板材に形成される部分の径と有機材料膜に形成され
    る部分の径が略等しくなるように形成されていることを
    特徴とする請求項1記載のプリンタ装置。
  14. 【請求項14】 吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズルを
    有する板材が電鋳法により形成されていることを特徴と
    する請求項13記載のプリンタ装置。
  15. 【請求項15】 吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズルの
    有機材料膜に形成される部分がエキシマレーザによるア
    ブレーション加工により形成されていることを特徴とす
    る請求項13記載のプリンタ装置。
  16. 【請求項16】 吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室が
    圧力室形成部材に形成されており、この圧力室形成部材
    とノズル形成部材間が熱可塑性の接着剤層により接着さ
    れており、この接着剤層に吐出媒体圧力室及び定量媒体
    圧力室に連通する貫通孔がそれぞれ形成されていること
    を特徴とする請求項13記載のプリンタ装置。
  17. 【請求項17】 接着剤層の貫通孔がエキシマレーザに
    よるアブレーション加工により形成されていることを特
    徴とする請求項16記載のプリンタ装置。
  18. 【請求項18】 吐出媒体圧力室が、吐出媒体ノズルの
    板材に形成される部分の径よりも大径を有して有機材料
    よりなる圧力室形成部材に形成されていることを特徴と
    する請求項1記載のプリンタ装置。
  19. 【請求項19】 吐出媒体圧力室が圧力室形成部材にエ
    キシマレーザによるアブレーション加工を行って形成さ
    れていることを特徴とする請求項18記載のプリンタ装
    置。
  20. 【請求項20】 圧力室形成部材がポリイミド系材料よ
    りなることを特徴とする請求項18記載のプリンタ装
    置。
  21. 【請求項21】 圧力室形成部材の少なくとも一部が熱
    可塑性の有機材料よりなることを特徴とする請求項18
    記載のプリンタ装置。
  22. 【請求項22】 圧力室形成部材を形成する有機材料の
    ガラス転移点が250℃以下であることを特徴とする請
    求項18記載のプリンタ装置。
  23. 【請求項23】 圧力室形成部材の厚さが15μm以上
    であることを特徴とする請求項18記載のプリンタ装
    置。
  24. 【請求項24】 吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室
    が、吐出媒体ノズル及び定量媒体ノズルの板材に形成さ
    れる部分の径よりも大径を有して有機材料よりなる圧力
    室形成部材にそれぞれ形成されていることを特徴とする
    請求項13記載のプリンタ装置。
  25. 【請求項25】 吐出媒体圧力室及び定量媒体圧力室が
    圧力室形成部材にエキシマレーザによるアブレーション
    加工を行って形成されていることを特徴とする請求項2
    4記載のプリンタ装置。
  26. 【請求項26】 圧力室形成部材がポリイミド系材料よ
    りなることを特徴とする請求項24記載のプリンタ装
    置。
  27. 【請求項27】 圧力室形成部材の少なくとも一部が熱
    可塑性の有機材料よりなることを特徴とする請求項24
    記載のプリンタ装置。
  28. 【請求項28】 圧力室形成部材を形成する有機材料の
    ガラス転移点が250℃以下であることを特徴とする請
    求項24記載のプリンタ装置。
  29. 【請求項29】 圧力室形成部材の厚さが15μm以上
    であることを特徴とする請求項24記載のプリンタ装
    置。
  30. 【請求項30】 所定の位置にノズルを形成する第1の
    貫通孔を有し、金属よりなる板材を形成する工程と、こ
    の板材のノズルが開口して相対向する主面のうちの一方
    の主面側に有機材料膜を形成する工程と、 板材の有機材料膜が形成されていない主面側からレーザ
    光を照射し、板材の第1の貫通孔を介して有機材料膜中
    の第1の貫通孔に対応する部分のみにレーザ光を照射し
    て有機材料膜に板材の第1の貫通孔と略同径の第2の貫
    通孔を形成して、これら第1の貫通孔及び第2の貫通孔
    によりノズルを形成し、ノズル形成部材を形成する工程
    を有することを特徴とするプリンタ装置の製造方法。
  31. 【請求項31】 板材の有機材料膜が形成されない主面
    側に、第1の貫通孔に対応する位置に圧力室を形成する
    第3の貫通孔を有する圧力室形成部材を接着層により接
    着した後、この圧力室形成部材側からレーザ光を照射
    し、第3の貫通孔を介して接着層中の第3の貫通孔に対
    応する部分に第4の貫通孔を形成するとともに、第1の
    貫通孔と略同径の第2の貫通孔を形成することを特徴と
    する請求項30記載のプリンタ装置の製造方法。
  32. 【請求項32】 板材を電鋳により形成することを特徴
    とする請求項30記載のプリンタ装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 レーザ光がエキシマレーザであること
    を特徴とする請求項30記載のプリンタ装置の製造方
    法。
  34. 【請求項34】 所定の位置にノズルを形成する第1の
    貫通孔を有し、金属よりなる板材を形成する工程と、 この板材のノズルが開口して相対向する主面のうちの一
    方の主面側に第1の有機材料膜を形成する工程と、 第1の有機材料膜が形成される面とは反対側の主面に第
    2の有機材料膜を形成する工程と、 第2の有機材料膜側から所定形状のマスクを介してレー
    ザ光を照射し、第2の有機材料膜にマスクの形状に応じ
    た形状で第1の貫通孔に連通して圧力室を形成する第3
    の貫通孔を形成して圧力室形成部材を形成するととも
    に、板材の第1の貫通孔を介して第1の有機材料膜中の
    第1の貫通孔に対応する部分のみにレーザ光を照射して
    第1の有機材料膜に板材の第1の貫通孔と略同径の第2
    の貫通孔を形成して、これら第1の貫通孔及び第2の貫
    通孔によりノズルを形成し、ノズル形成部材を形成する
    工程を有することを特徴とするプリンタ装置の製造方
    法。
  35. 【請求項35】 板材を電鋳により形成することを特徴
    とする請求項34記載のプリンタ装置の製造方法。
  36. 【請求項36】 レーザ光がエキシマレーザであること
    を特徴とする請求項34記載のプリンタ装置の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002210984A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Ricoh Co Ltd ノズル形成部材並びに液滴吐出ヘッド及びその製造方法
US6878298B2 (en) 1999-03-25 2005-04-12 Fuji Xerox Co., Ltd. Ink jet recording head and method for manufacturing the same

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