JP3045117B2 - プリンタ装置 - Google Patents

プリンタ装置

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JP3045117B2
JP3045117B2 JP27717397A JP27717397A JP3045117B2 JP 3045117 B2 JP3045117 B2 JP 3045117B2 JP 27717397 A JP27717397 A JP 27717397A JP 27717397 A JP27717397 A JP 27717397A JP 3045117 B2 JP3045117 B2 JP 3045117B2
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真人 安藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定量媒体と吐出媒体
を混合吐出するプリンタ装置に関する。詳しくは、定量
媒体を押し出す定量媒体ノズルの形状を工夫することに
より、正確な階調表現が可能となされるプリンタ装置に
係わるものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真のようなカラーの自然
画像を文字,図形とともに出力するといった要求も増加
してきている。このため、高品位な自然画像をプリント
することが要求され、中間調の表示による階調表現が重
要となっている。
【0003】また、記録信号に応じた制御信号に応じて
印刷時に必要な時だけインク液滴をノズルより吐出して
紙,フィルム等の被記録材に被着させて記録する、いわ
ゆるオンデマンド型のプリンタ装置は、小型化,低コス
ト化に好適なため、近年急速に普及しつつある。
【0004】このように、インク液滴をノズルより吐出
させる方法としては、様々な方法が提案されているが、
ピエゾ素子を用いる方法または発熱素子を用いる方法が
一般的である。前者はピエゾ素子の変形によりインクに
圧力を加えて吐出させる方法である。後者は、発熱素子
によりノズル内のインクを加熱気化させて発生する泡の
圧力でインクを吐出させる方法である。
【0005】そして、上記のような中間調の表示による
階調表現を上述のインク液滴を吐出するオンデマンド型
のプリンタ装置で行う方法としては、様々な方法が提案
されている。すなわち、第1の方法としてはピエゾ素子
或いは発熱素子に与える電圧パルスの電圧やパルス幅を
変化させて吐出する液滴サイズを制御し、印刷ドットの
径を可変として階調を表現するものが挙げられる。
【0006】しかし、上記第1の方法においては、ピエ
ゾ素子或いは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げす
ぎるとインクが吐出しなくなるため最小液滴径に限界が
あり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃度の表現
が非常に困難であるという欠点を有している。従って、
自然画像のプリントアウトには不満足なものである。ま
た、第2の方法としては、ドット径は変化させずに1画
素を例えば4×4のドットよりなるマトリクスで構成
し、このマトリクス単位でいわゆるディザ法や誤差拡散
法といった画像処理により階調表現を擬似的に行う方法
が挙げられる。しかし、この第2の方法においても、1
画素を4×4のマトリクスで構成した場合、17階調の
濃度を表現することができるが、例えば上記第1の方法
と同じドット密度で印刷した場合には解像度が1/4に
劣化してしまい、荒さが目立つため、これも自然画像の
プリントアウトには不満足なものである。
【0007】そこで、本発明者等は、従来のオンデマン
ド型のプリンタ装置の問題点を原理的に解明するため
に、例えば特開平5−201024号公報及び特開平−
195682号公報に示されるように、インク液と透明
溶媒である希釈液を所定の混合比で吐出直前に混合して
希釈インクとし、この希釈インクを直ちにノズルより吐
出して被記録材に被着させて記録を行うプリンタ装置を
提案してきた。なお、以下、このような方式のうち、イ
ンク液を定量媒体とし、希釈液を吐出媒体とし、定量媒
体であるインク液を吐出媒体である希釈液に混合して希
釈インクとし、吐出媒体を吐出することにより記録を行
う方式をキャリアジェット方式と称するが、上記プリン
タ装置においては、希釈液を定量媒体とし、インク液を
吐出媒体としても何等問題はない。また、希釈液は必ず
しも透明でなくとも良く、淡濃度のインクを希釈液とし
て使用することが可能である。
【0008】このようなキャリアジェット方式のプリン
タ装置においては、インク液或いは希釈液の何れかであ
る定量媒体の量を変化させて、インク液と希釈液の混合
比率を変化させることにより吐出される混合溶液の濃度
を制御し、印刷されるドット毎に濃度を変更することが
可能であり、解像度の劣化を発生させることなく中間階
調が豊富な自然画像をプリントアウトすることが可能で
ある。
【0009】上記のような2液混合型のプリンタ装置と
しては、例えば以下に示すような、いわゆる内部混合型
のプリンタ装置が挙げられる。このプリンタ装置は、吐
出媒体が充填される吐出媒体圧力室とこれに連通する吐
出媒体ノズル、定量媒体が導入される定量媒体圧力室と
これと吐出媒体ノズルを接続する接続部とを少なくとも
有し、定量媒体圧力室内の定量媒体を接続部を通じて吐
出媒体ノズル内の吐出媒体に混合し、吐出媒体ノズルの
内部において定量媒体を吐出媒体に混合して混合溶液を
形成し、これを吐出媒体ノズルより吐出するように構成
されたものである。
【0010】ところが、上記内部混合型のプリンタ装置
においては、定量媒体と吐出媒体の混合が行われない動
作待機時に定量媒体が吐出媒体ノズル内の吐出媒体中に
拡散してしまいやすく、また定量媒体と吐出媒体の混合
を行う混合吐出動作時に吐出媒体が接続部側に不要に流
れ込む、或いは定量媒体が吐出媒体側に不要に流れ込む
といった現象が発生しやすいという不都合が生じてい
た。
【0011】このように、定量媒体と吐出媒体の間の拡
散が発生すると、吐出媒体である例えば希釈液に次第に
色がついてきてしまったり、定量媒体である例えばイン
ク液が薄まってしまい、吐出される混合液滴の濃度に影
響を及ぼし、正確な濃度階調を得ることが難しい。
【0012】さらには、上記のような不要な流れ込み
は、例えば定量媒体をインク液、吐出媒体を希釈液とし
て、非常に薄い濃度の混合溶液を連続して吐出し続けた
場合に圧力により希釈液が次第にインク液を供給する接
続部側に侵入する、或いは逆に濃い濃度の混合溶液を吐
出し続けた場合に圧力によりインク液が次第に吐出媒体
ノズル側に侵入することにより発生するものである。こ
のような不要な流れ込みが発生すると、前者の場合にお
いては、次に濃い濃度の混合溶液を吐出しようとしたと
きに薄い濃度の混合液滴が吐出されてしまう、後者の場
合においては、次に薄い濃度の混合溶液を吐出しようと
したときに濃い濃度の混合溶液が吐出されてしまい、正
確な濃度階調を得ることが難しい。
【0013】このため、従来のプリンタ装置において
は、定量媒体を供給する接続部と吐出媒体ノズルとの境
界に、電鋳法などにより作製した1方向弁を設け、この
弁により吐出待機時における定量媒体と吐出媒体の拡散
を防止し、かつ混合吐出動作時の液体の相互の流れ込み
を防止するようにしていた。
【0014】しかしながら、上記のような1方向弁によ
り、吐出待機時に定量媒体と吐出媒体間を完全に遮断し
たり、混合吐出動作時に定量媒体と吐出媒体の相互の不
要な流れ込みを完全に防止することは必ずしも容易では
なく、正確な濃度階調を行うことが困難であった。さら
には、このような1方向弁を形成するようにすれば、当
然のことながら製造コストのアップは避けられず、生産
性を損なってしまう。そこで、以下に示すような、いわ
ゆる外部混合型のプリンタ装置が提案されている。この
プリンタ装置は、定量媒体が導入される定量媒体圧力室
と、吐出媒体が導入される吐出媒体圧力室とを有し、上
記定量媒体圧力室に連通する定量媒体ノズル及び吐出媒
体圧力室に連通する吐出媒体ノズルとを互いに隣合うよ
うに開口して有するものである。そして、定量媒体ノズ
ルから定量媒体をノズル開口面を伝わらせて吐出媒体ノ
ズルに向けて滲み出させ、吐出媒体ノズル先端近傍にて
充填されている吐出媒体と接触させて混合溶液を形成し
た後に、吐出媒体を吐出媒体ノズルから吐出させて定量
媒体と吐出媒体を混合溶液として吐出するものである。
【0015】このようにすれば、定量媒体ノズルと吐出
媒体ノズルが別々に形成されていることから、定量媒体
及び吐出媒体が吐出待機時に拡散することはなく、また
混合吐出動作時の相互の流れ込みも防止される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、例えば
インク液である定量媒体と例えば希釈液である吐出媒体
を混合吐出するプリンタ装置においては、画像データに
応じた階調を正確に表現するために、インク液と希釈液
の混合比率を正確に制御する必要がある。
【0017】そして、このためには、インク液と希釈液
の混合が行われない状態、すなわち吐出待機状態におい
て、インク液と希釈液が確実に分離されている必要があ
る。もし、待機状態においてインク液と希釈液が接して
いると、インク液と希釈液がそれぞれ導入されるノズル
にインク液及び希釈液が互いに流れ込み、次のドットに
おけるインク液と希釈液の混合比率に大きく影響し、階
調を正確に表現することが不可能となり、高解像度の記
録画像の形成は難しい。
【0018】また、定量媒体を押し出す定量媒体ノズル
から吐出媒体を吐出する吐出媒体ノズルに向けて定量媒
体を滲み出させる動作、この後、吐出媒体ノズルから吐
出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐出する
動作を正確に行う必要があり、このためには所定の量で
定量された定量媒体を吐出媒体ノズル内の吐出媒体に確
実に混合する必要がある。
【0019】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、吐出待機時における定量媒体と吐出
媒体の拡散による混合が防止され、階調に応じた正確な
量の定量媒体を吐出媒体に混合することが可能とされ、
正確な階調表現が可能とされるプリンタ装置を提供する
ことを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明は、第1のノズルと第2のノズルを隣接配置
し、第1のノズルから第1の液体を第2のノズルに向け
て滲み出させるとともに、第2のノズルから第2の液体
を吐出することにより、これら第1の液体と第2の液体
とが混合された液滴を外方に向けて吐出するプリンタ装
置において、液体が表面張力により表面積を小さくしよ
うとする性質を利用して第1の液体が第2のノズルに向
かう力を付与することを特徴とするものである。
【0021】なお、上記本発明のプリンタ装置において
は、上記第1のノズルの開口形状又は断面の少なくとも
一部の形状を非円形とすることで上記第2のノズルに向
かう力を付与することが好ましい。
【0022】また、上記本発明のプリンタ装置において
は、上記第1の液体が定量媒体であり、第2の液体が吐
出媒体であることが好ましく、上記定量媒体がインク液
であり、上記吐出媒体が希釈液であることが好ましい。
【0023】さらに、本発明においては、第2のプリン
タ装置として、吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室と
定量媒体が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記吐
出媒体圧力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒体
圧力室に連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うよう
に開口して有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノズ
ルに向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズル
から吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐
出するプリントヘッドを有するものであり、定量媒体ノ
ズルの開口形状又はノズルの中心線に対して直交する断
面での断面形状の少なくとも一部が、当該形状における
面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノズルの端縁まで
の最短距離が面積最小の外接円の中心から吐出媒体ノズ
ルの端縁までの最短距離よりも大となるような形状とさ
れていることを特徴とするものが挙げられる。
【0024】なお、上記第2のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状が、当該開口形状におけ
る面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノズルの端縁ま
での最短距離が面積最小の外接円の中心から吐出媒体ノ
ズルの端縁までの最短距離よりも大となるような形状と
されている、或いは定量媒体ノズルの中途部におけるノ
ズルの中心線に対して直交する断面での断面形状の少な
くとも一部が、当該断面形状における面積最大の内接円
の中心から吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離が面積
最小の外接円の中心から吐出媒体ノズルの端縁までの最
短距離よりも大となるような形状とされ、定量媒体ノズ
ルの開口形状が略円形とされていても良い。
【0025】また、本発明においては、第3のプリンタ
装置として、吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室と定
量媒体が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記吐出
媒体圧力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒体圧
力室に連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うように
開口して有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノズル
に向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズルか
ら吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐出
するプリントヘッドを有するものであり、定量媒体ノズ
ルの開口形状又はノズルの中心線に対して直交する断面
での断面形状の少なくとも一部が、当該形状の図心から
最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣合って形成される
吐出媒体ノズル側に有する形状となされていることを特
徴とするものが挙げられる。
【0026】なお、上記第3のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状が、当該開口形状の図心
から最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣合って形成さ
れる吐出媒体ノズル側に有する形状となされている、或
いは定量媒体ノズルの中途部におけるノズルの中心線に
対して直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、
当該断面部形状の図心から最も近い定量媒体ノズルの端
縁を、隣合って形成される吐出媒体ノズル側に有する形
状となされ、定量媒体ノズルの開口形状が略円形となさ
れていても良い。
【0027】さらに、上述のような第2及び第3のプリ
ンタ装置においては、定量媒体ノズルの開口形状又はノ
ズルの中心線に対して直交する断面での断面形状の少な
くとも一部が、部分蝕形状とされていることが好まし
い。なお、ここで、上記部分蝕形状とは、太陽或いは月
等の天体において部分蝕が生じた場合の形状と同様の形
状を意味する。
【0028】さらにまた、上述のような第2及び第3の
プリンタ装置においては、定量媒体ノズルの開口形状又
はノズルの中心線に対して直交する断面での断面形状の
少なくとも一部が、曲線により形成された形状とされて
いても良い。
【0029】そして、上記第2及び第3のプリンタ装置
においては、定量媒体ノズルが、定量媒体ノズルの中心
線とその開口面のなす最小角度が90゜未満として形成
され、開口部側に向かうに従って吐出媒体ノズルに近づ
くように形成されていることが好ましい。
【0030】また、上記第2及び第3のプリンタ装置に
おいては、複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒体ノズ
ルに対してそれぞれ互いに隣合うように開口して形成さ
れていても良い。
【0031】さらに、上記第2及び第3のプリンタ装置
においては、吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノズル
の開口部間を接続するような溝部が形成されていても良
い。さらにまた、上記第2及び第3のプリンタ装置にお
いては、吐出媒体ノズルと定量媒体ノズルが板状部材に
形成されており、上記板状部材のノズル開口面に撥液加
工が施されていても良い。
【0032】そして、この場合には、吐出媒体ノズルの
開口部と定量媒体ノズルの開口部間に非撥液加工が施さ
れている、或いは親水加工が施されていることが好まし
い。さらに、本発明においては、第4のプリンタ装置と
して、吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室と定量媒体
が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記吐出媒体圧
力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒体圧力室に
連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うように開口し
て有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノズルに向け
て定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズルから吐出
媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐出するプ
リントヘッドを有するものであり、定量媒体ノズルの開
口形状又はノズルの中心線に対して直交する断面での断
面形状の少なくとも一部が、隣合って形成される吐出媒
体ノズル側に切り欠き部を有する形状となされているこ
とを特徴とするものが挙げられる。
【0033】上記第4のプリンタ装置においては、定量
媒体ノズルの開口形状が、隣合って形成される吐出媒体
ノズル側に切り欠き部を有する形状となされている、或
いは定量媒体ノズルの中途部におけるノズルの中心線に
対して直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、
隣合って形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有
する形状となされ、定量媒体ノズルの開口形状が略円形
となされていても良い。
【0034】また、上記第4のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、当
該形状に対し最短距離で隣接する吐出媒体ノズルの開口
形状又は断面形状の中心と、定量媒体ノズルの上記開口
形状又は断面形状の切り欠き部を復元した形状の中心間
を結んだ線に対して線対称な形状であることが好まし
い。
【0035】そして、上記第4のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部の切り
欠き部を復元した形状が円又は楕円である、或いは多角
形であることが好ましい。
【0036】さらに、上記第4のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の切り欠き部が円弧とな
されている、或いは角部を有する形状となされているこ
とが好ましい。
【0037】さらにまた、上記第4のプリンタ装置にお
いては、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線
に対して直交する断面での断面形状の少なくとも一部
が、部分蝕形状をなすことが好ましい。
【0038】なお、上記第4のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、曲
線により形成された形状とされていても良い。
【0039】そして、上記第4のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルが、定量媒体ノズルの中心線とその
開口面のなす最小角度が90゜未満として形成され、開
口部側に向かうに従って吐出媒体ノズルに近づくように
形成されていることが好ましい。
【0040】さらに、上記第4のプリンタ装置において
は、複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒体ノズルに対
してそれぞれ互いに隣合うように開口して形成されてい
ても良い。
【0041】さらにまた、上記第4のプリンタ装置にお
いては、吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノズルの開
口部間を接続するような溝部が形成されていても良い。
【0042】なお、上記第4のプリンタ装置において
は、吐出媒体ノズルと定量媒体ノズルが板状部材に形成
されており、上記板状部材のノズル開口面に撥液加工が
施されていても良い。
【0043】そして、この場合には、吐出媒体ノズルの
開口部と定量媒体ノズルの開口部間に非撥液加工が施さ
れている、或いは親水加工が施されていることが好まし
い。本発明のプリンタ装置においては、定量媒体を押し
出す定量媒体ノズルと吐出媒体を吐出する吐出媒体ノズ
ルを別々に有しているため、吐出待機時において、定量
媒体と吐出媒体が接触することが無く、これらは確実に
分離された状態とされる。また、混合吐出動作において
も、定量媒体ノズルと吐出媒体ノズル間において定量媒
体及び吐出媒体の不要な流れ込みが生じない。さらに本
発明のプリンタ装置においては、定量媒体ノズルと吐出
媒体ノズルが互いに隣合って開口するように形成されて
いることから、定量媒体を定量媒体ノズルから吐出媒体
ノズルに向けて滲み出させる際に定量媒体が吐出媒体ノ
ズルに安定して供給される。
【0044】そして、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当
該形状における面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノ
ズルの端縁までの最短距離が面積最小の外接円の中心か
ら吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離よりも大となる
ような形状としている。このため、定量媒体がその表面
張力による球状ないし半球状に近づこうとする力により
上記内接円の中心から上記外接円の中心方向に溢れ出
し、定量媒体は吐出媒体ノズルに向かってより確実に押
し出される。
【0045】また、本発明のプリンタ装置においては、
定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して
直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当該形
状の図心から最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣合っ
て形成される吐出媒体ノズル側に有する形状としてい
る。このため、定量媒体がその表面張力による球状ない
し半球状に近づこうとする力により上記図心から最も近
い定量媒体ノズルの端縁側から溢れ出し、定量媒体は吐
出媒体ノズルに向かってより確実に押し出される。
【0046】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、隣
合って形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有す
る形状としている。このため、定量媒体がその表面張力
による球状ないし半球状に近づこうとする力により上記
切り欠き部から溢れ出し、この切り欠き部を介して定量
媒体は吐出媒体ノズルに向かってより確実に押し出され
る。
【0047】なお、本発明のプリンタ装置において、定
量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して直
交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当該形状
に対し最短距離で隣接する吐出媒体ノズルの開口形状又
は断面形状の中心と、定量媒体ノズルの上記開口形状又
は断面形状の切り欠き部を復元した形状の中心間を結ん
だ線に対して線対称な形状とすれば、定量媒体がその表
面張力による球状ないし半球状に近づこうとする力によ
り吐出媒体ノズルに向かって溢れ出し、定量媒体はさら
に確実に吐出媒体ノズルに向かって押し出される。 さ
らにまた、本発明のプリンタ装置において、定量媒体ノ
ズルを、定量媒体ノズルの中心線とその開口面のなす最
小角度が90゜未満となるように形成し、開口部側に向
かうに従って吐出媒体ノズルに近づくように形成すれ
ば、定量媒体ノズルから押し出される定量媒体には定量
媒体ノズルの形成方向による勢いも加わることとなり、
定量媒体はさらに確実に吐出媒体ノズルに向かって押し
出される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、
ここでは、定量媒体としてインクを使用し、吐出媒体と
して希釈液を使用する、いわゆるキャリアジェットタイ
プのプリンタ装置について述べる。
【0049】本例のプリンタ装置は、いわゆるシリアル
型のプリンタ装置であり、図1に示すように、被印刷物
であるプリント紙1が支持されるドラム2と、本発明の
プリンタ装置を構成し、上記プリント紙1に記録を行う
プリントヘッド部3により主に構成されるものである。
【0050】このとき、上記プリント紙1は、ドラム2
の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ4により、ド
ラム2に圧着保持されている。また、上記ドラム2の外
周近傍には、送りネジ5がドラム2の軸方向に平行に設
けられている。そして、この送りネジ5には、プリント
ヘッド部3が保持されている。すなわち、かかるプリン
トヘッド部3は、送りネジ5の回転によって、図中矢印
Mで示すようにドラム2の軸方向に移動するようになっ
ている。
【0051】一方、ドラム2は、プーリ6、ベルト7、
プーリ8を介してモータ9により図中矢印mで示すよう
に回転駆動される。さらに、送りネジ5及びモータ9の
回転とプリントヘッド部3は、ヘッドドライブ,ヘッド
送り制御,ドラム回転制御10により印画データ及び制
御信号11に基づいて駆動制御される。
【0052】上記の構成においては、プリントヘッド部
3が移動して1行分の印字を行うと、ドラム2を1行分
だけ回転させて次の印字を行う。ヘッド3が移動し、印
画する場合は、一方向の場合と往復方向の場合とがあ
る。
【0053】このようなプリンタ装置における印字及び
制御系のブロック図を図2に示す。上記プリンタ装置は
図2中に示す制御部20によって制御されている。この
制御部20は信号処理制御回路22、第1のドライバ2
3、第2のドライバ24、メモリ25、補正回路26及
び制御駆動部27によって構成されている。信号処理制
御回路22はCPU又はDSP(Digital Si
gnal Processor)構成でなる。
【0054】これら第1のドライバ23及び第2のドラ
イバ24はそれぞれ定量媒体ノズル及び吐出媒体ノズル
の数に応じて設けられている。第1のドライバ23は、
定量媒体ノズルから定量媒体を押し出すために設けられ
た第1の圧力印加手段である後述の第1の積層型ピエゾ
素子を駆動制御するものであり、第2のドライバ24は
吐出媒体ノズルから吐出媒体を吐出させるために設けら
れた第2の圧力印加手段である後述の第2の積層型ピエ
ゾ素子を駆動制御するものである。
【0055】これら各第1のドライバ23及び第2のド
ライバ24は信号処理制御回路22内に設けられた後述
のシリアルパラレル変換回路及びタイミング制御回路の
制御に基づいて、それぞれに対応する第1及び第2の圧
力印加手段を駆動制御する。そして、印字データ、操作
部信号及び外部制御信号などの信号入力21は、制御部
20の信号処理制御回路22に入力され、この信号処理
制御回路22において印字順番に揃えられて、第1及び
第2のドライバ23,24を介して吐出信号とともにプ
リントヘッド28に送られ、プリントヘッド28を駆動
制御する。印字順番は、プリントヘッド28や印字部の
構成で異なり、また印字データの入力順番との関係もあ
り、必要に応じてラインバッファメモリや1画面メモリ
などのメモリ25に一旦記録してから取り出す。
【0056】なお、マルチヘッドでノズル数が非常に多
い場合には、プリントヘッド28にICを搭載してプリ
ントヘッド28に接続する配線数を減らすようにする。
また、信号処理制御回路22には、補正回路26が接続
されており、γ補正、カラーの場合の色補正、各ヘッド
のばらつき補正などを行う。補正回路26には、予め決
められた補正データをROM(read only m
emory)マップ形式で格納しておき、外部条件、例
えばノズル番号、温度、入力信号などに応じて取り出す
ようにするのが一般的である。
【0057】信号処理制御回路22は、前述のようにC
PUやDSP構成としてソフトウエアで処理するのが一
般的であり、処理された信号は制御駆動部27に送られ
る。制御駆動部27では、ドラム及び送りネジを回転駆
動するモータの駆動、同期、ヘッドのクリーニング、プ
リント紙の供給、排出などの制御を行う。また、信号に
は、印字データ以外の操作部信号や外部制御信号が含ま
れることは言うまでもない。
【0058】次に、上記プリントヘッドの駆動回路を図
3に示す。すなわち、デジタル中間調データが他ブロッ
クより供給され、シリアルパラレル変換回路31により
第1のドライバ23および第2のドライバ24に送られ
る。シリアルパラレル変換回路31より与えられたデジ
タル中間調データが所定のしきい値以下の場合は、定量
および吐出は行わない。印字タイミングになると、他ブ
ロックから印字トリガが出力され、タイミング制御回路
32がそれを検出し、所定のタイミングで定量部コント
ロール信号と吐出コントロール信号をそれぞれ第1のド
ライバ23および第2のドライバ24に出力する。
【0059】次に、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドについて説明する。本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドは、図4に示すように、ノズルプレート41と振動
板42、第1の積層型ピエゾ素子43、第2の積層型ピ
エゾ素子44により主に構成される。
【0060】上記ノズルプレート41は樹脂により形成
されてなる。そして、上記ノズルプレート41には例え
ばインクである定量媒体45が供給される定量媒体液室
を形成する第1の凹部46、上記定量媒体45が充填さ
れる定量媒体圧力室を形成する第2の凹部47が振動板
42側の主面41aに臨んで開口するように形成されて
おり、これら第1の凹部46の側面側と第2の凹部47
の側面側を接続し、略面内方向の貫通孔として形成され
る第1の供給路48が形成されている。
【0061】また、例えば希釈液である吐出媒体49が
供給される吐出媒体液室を形成する第3の凹部50、上
記吐出媒体49が充填される吐出媒体圧力室を形成する
第4の凹部51が振動板42側の主面41aに臨んで開
口するように形成されており、これら第3の凹部50の
側面側と第4の凹部51の側面側を接続し、略面内方向
の貫通孔として形成される第2の供給路52が形成され
ている。
【0062】さらに、上記ノズルプレート41には第2
の凹部47の底面側から振動板42側とは反対側の主面
41bに向かってノズルプレート41の厚さ方向に対し
て斜め方向に形成される貫通孔である定量媒体ノズル5
3と、同様に第4の凹部51の底面側から振動板42側
とは反対側の主面41bに向かってノズルプレート41
の厚さ方向に形成される貫通孔である吐出媒体ノズル5
4が形成されている。従って、このノズルプレート41
の一主面41a側に上記各凹部を塞ぐようにして振動板
42を配することにより、第1の凹部46と振動板42
に挟まれた空間が定量媒体液室55となり、第2の凹部
47と振動板42に挟まれた空間が定量媒体圧力室56
となり、図5にも示すように、定量媒体液室55、第1
の供給路48、定量媒体圧力室56、定量媒体ノズル5
3が連続した空間として形成されることとなる。
【0063】また、同様に、第3の凹部50と振動板4
2に挟まれた空間が吐出媒体液室57となり、第4の凹
部51と振動板42に挟まれた空間が吐出媒体圧力室5
8となり、図5にも示すように、吐出媒体液室57、第
2の供給路52、吐出媒体圧力室58、吐出媒体ノズル
54が連続した空間として形成されることとなる。
【0064】ただし、図5中においては、定量側におい
ては第1の積層型ピエゾ素子43が配置されている状態
の平面図を示す、吐出側においてはノズルプレート41
を一主面41a側から見た平面図を示すこととする。
【0065】なお、上記振動板42においては、図4中
に示すように、定量媒体圧力室56に対応する位置の外
周縁部に環状の凹部59を形成し、吐出媒体圧力室58
に対応する位置の外周縁部にも環状の凹部60を形成す
るようにしている。従って、振動板42を上面から見る
と、図5の定量側に示すように定量媒体圧力室56に対
応する位置に突起部61が形成されることとなり、その
上に第1の積層型ピエゾ素子43が配されることとな
る。このことは吐出側においても同様で、図4中に示す
ように、凹部60に囲まれた内側に突起部62が形成さ
れてその上に第2の積層型ピエゾ素子44が配されるこ
ととなる。
【0066】本例のプリンタ装置のプリントヘッドにお
いては、定量媒体ノズル53を前述のようにノズルプレ
ート41の厚さ方向に対して斜め方向に形成し、吐出媒
体ノズル54を前述のようにノズルプレート41の厚さ
方向に形成するようにしており、言い換えれば、定量媒
体ノズル53の中心線とノズル開口面となる一主面41
bのなす最小角度を90゜未満として形成するようにし
ており、一主面41b側に向かうに従って定量媒体ノズ
ル53が吐出媒体ノズル54に近づくように形成されて
いる。そして、ノズル開口面となる一主面41bにおい
てはこれらの開口部が互いに隣合うようになされてい
る。なお、定量媒体ノズル53と吐出媒体ノズル54の
中心線間がなす角度は30゜とされている。
【0067】なお、上記定量媒体ノズル53は図4中A
−A´で示す位置で切断した断面図である図6にも示す
ように、定量媒体圧力室56の底面側から一主面41b
側に向かうに従って徐々に幅狭となっていく第1のテー
パーノズル部63とこの先端に連続して形成され、事実
上のノズルである第1のノズル部64により形成されて
いる。
【0068】また、上記吐出媒体ノズル54は図4中B
−B´で示す位置で切断した断面図である図7にも示す
ように、定量媒体圧力室58の底面側から一主面41b
側に向かうに従って徐々に幅狭となっていく第2のテー
パーノズル部65とこの先端に連続して形成され、事実
上のノズルである第2のノズル部66により形成されて
いる。
【0069】このように、第1のテーパーノズル部63
及び第2のテーパーノズル部65を設けることにより、
定量媒体ノズル53及び吐出媒体ノズル54において流
路抵抗が下がり、滑らかな液体の流れが実現され、特に
インク、希釈液を最初に充填するときの気泡の残留を防
止する効果が大きい。
【0070】なお、例えばインクである定量媒体45
は、図示しない定量媒体タンクから定量媒体液室55、
第1の供給路48、定量媒体圧力室56を介して定量媒
体ノズル53に充填される。
【0071】一方の例えば希釈液である吐出媒体49
は、図示しない吐出媒体タンクから吐出媒体液室57、
第2の供給路52、吐出媒体圧力室58を介して吐出媒
体ノズル54に充填される。
【0072】さらに、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては、ノズルプレート41のノズル開口面と
なる一主面41b側に撥液加工が施されており、定量媒
体ノズル53及び吐出媒体ノズル54の周辺のインクや
希釈液による濡れを防止し、液滴吐出の安定性や吐出方
向精度を高めている。
【0073】そして、本例のプリンタ装置のプリントヘ
ッドにおいては特に、第1のノズル部64の開口形状又
はノズルの中心線に対して直交する断面での断面形状の
少なくとも一部を、吐出媒体ノズル54側に切り欠き部
を有する形状としている。なお、本例においては、第1
のノズル部64の開口形状及びノズルの中心線に対して
直交する断面での断面形状の両者を上記のような形状と
している。
【0074】言い換えれば、第1のノズル部64の開口
形状及びノズルの中心線に対して直交する断面での断面
形状(以下、断面形状と称する。)が、上記第1のノズ
ル部64の当該形状における面積最大の内接円の中心か
ら吐出媒体ノズル54の端縁までの最短距離が面積最小
の外接円の中心から吐出媒体ノズル54の端縁までの最
短距離よりも大となるような形状とされている。
【0075】ここでは、図8に示すように、吐出媒体ノ
ズル54の第2のノズル部66の開口部の形状を円形と
し、定量媒体ノズル53の第1のノズル部64の開口形
状及び断面形状を部分蝕形状としている。すなわち、こ
のような形状においては、定量媒体ノズル53の開口形
状となる第1のノズル部64の開口形状に接する図中一
点鎖線で示す面積最小の外接円67の中心O1 と吐出媒
体ノズル54の端縁間の最短距離d1 よりも定量媒体ノ
ズル53の開口形状となる第1のノズル部64の開口形
状に接する図中破線で示す面積最大の内接円68の中心
2 と吐出媒体ノズル54の端縁間の最短距離d2 の方
が大となる。
【0076】なお、このことは、定量媒体ノズル53の
断面形状となる第1のノズル部64の断面形状において
も同様である。
【0077】さらに言い換えれば、本例のプリンタ装置
においては、定量媒体ノズル53の開口形状となる第1
のノズル部64の開口形状が、上記第1のノズル部64
の開口形状の図心から最も近い第1のノズル部64の端
縁を、隣合って開口する吐出媒体ノズル54側に有する
形状となされている。
【0078】すなわち、図9に示すように、定量媒体ノ
ズル53の第1のノズル部64の開口部の形状を部分蝕
形状としており、このような形状においては、定量媒体
ノズル53の開口形状となる第1のノズル部64の開口
形状の図心O3 から最も近い上記端縁O4 が吐出媒体ノ
ズル54の開口部となる第2のノズル部66側にあるこ
ととなる。
【0079】このことは、定量媒体ノズル53の断面形
状となる第1のノズル部64の断面形状においても同様
である。
【0080】なお、ここでは、定量媒体ノズル53と吐
出媒体ノズル54の組を1組だけ図示するようにした
が、本例のプリンタ装置においては、これらの組を16
組有するものとし、定量媒体ノズル53同士、吐出媒体
ノズル54同士が隣合うように配列されている。
【0081】このような本例のプリンタ装置により印刷
を行うには、以下のようにすれば良い。ここでは、駆動
電圧の印加タイミングチャートを用いて説明する。な
お、本例においては、第lの積層ピエゾ素子43及び第
2の積層型ピエゾ素子44として、いわゆる積層型のピ
エゾ素子を用いており、この中で電圧の印加により伸長
する方向(いわゆるd33方向)の変位を利用するものと
収縮する方向(いわゆるd31方向)の変位を利用するも
ののうち、後者を使用するものとする。
【0082】すなわち、図10の駆動電圧の印加タイミ
ングチャートに示すように、先ず図中(A)で示す時点
においては、第1の積層型ピエゾ素子43の駆動電圧を
10[V]とし、第2の積層型ピエゾ素子44の駆動電
圧を15[V]として、正の電圧を加えておく。なお、
図10中においては、横軸を時間とし、縦軸を第1の積
層型ピエゾ素子43の駆動電圧と第2の積層型ピエゾ素
子44の駆動電圧としている。
【0083】このとき、図11に模式的に示すように、
定量媒体ノズル53には先端まで定量媒体45が充填さ
れてメニスカスが形成され、吐出媒体ノズル54にも先
端まで吐出媒体49が充填されてメニスカスが形成され
て待機状態となる。なお、この時点においては、第1の
積層型ピエゾ素子43と第2の積層型ピエゾ素子44は
収縮しており、振動板のこれらと接する部分が引き上げ
られ、定量媒体圧力室56及び吐出媒体圧力室58の体
積は増大した状態となされている。本例のプリンタ装置
のプリントヘッドにおいては、定量媒体ノズル53と吐
出媒体ノズル54が別個に設けられていることから、定
量媒体45と吐出媒体49が接触することは無く、この
待機状態で自然に混合することはない。
【0084】次に、図10中(B)で示す時点において
第1の積層型ピエゾ素子43の駆動電圧を徐々に下げ始
め、図中(D)で示す時点まで50[μsec]かけて
0[V]まで下げる。すると、第1の積層型ピエゾ素子
43は伸長し、振動板42中のこれと接する部分を押圧
し、定量媒体圧力室56の体積が減少する。そのため、
図10中(B)で示す時点と図中(D)で示す時点間で
ある図中(c)で示す時点においては、図12に模式的
に示すように定量媒体ノズル53から定量媒体45が押
し出される。本例においては、定量媒体ノズル53が吐
出媒体ノズル54に徐々に近づくように形成されてお
り、さらに第1のノズル部64の開口形状及び断面形状
が吐出媒体ノズル54側に切り欠き部を有する形状とさ
れていることから、定量媒体45は吐出媒体ノズル54
に向けて押し出される。
【0085】そして、図10中(D)で示す時点から図
10中(E)で示す時点間、50[μsec]の間、こ
の状態で保持する。すると、図10中(E)で示す時点
においては、図13に示すように、定量媒体45と吐出
媒体49が接触して表面張力によって結合した状態にな
る。
【0086】続いて、図10中(E)で示す時点から第
1の積層型ピエゾ素子43の駆動電圧を徐々に元の値ま
で上昇させていく。すると、第1の積層型ピエゾ素子4
3は再度収縮することから、定量媒体圧力室56の体積
が増大し、定量媒体45は定量媒体ノズル53に引き込
まれ始める。
【0087】そして、第2の積層型ピエゾ素子44の駆
動電圧を図10中(E)で示す時点よりも遅い時点であ
る図10中(F)で示す時点から図10中(G)で示す
時点間、5[μsec]かけて駆動電圧を15[V]か
ら0[V]まで下げる。すると、第2の積層型ピエゾ素
子44が伸長し、これと接する振動板42を押圧し、吐
出媒体圧力室58の体積が減少する。その結果、図10
中(F)で示す時点においては、図14に模式的に示す
ように、吐出媒体49が吐出媒体ノズル54より押し出
され始め、これと接触している定量媒体45の一部も共
に押し出され始める。
【0088】さらに、図10中(G)で示す時点と図1
0中(I)で示す時点間、12[μsec]の間、この
状態で保持する。すると、図10中(G)で示す時点と
図10中(I)で示す時点の間である図10中(H)で
示す時点においては、図15に示すように、吐出媒体4
9は定量媒体45と共に吐出媒体ノズル54からさらに
押し出された状態となる。
【0089】このとき、第1の積層型ピエゾ素子43の
駆動電圧は上昇を続けていることから、定量媒体45は
吐出媒体49と接触している部分を残存させるようにし
て定量媒体ノズル53内に引き込まれていく。
【0090】次に、図10中(I)で示す時点から第2
の積層型ピエゾ素子44の駆動電圧を徐々に上昇させて
いく。すると、第2の積層型ピエゾ素子44が再度収縮
し始め、吐出媒体圧力室の体積が増大していく。その結
果、図10中(I)よりも若干後の時点である図10中
(J)で示す時点においては、図16に模式的に示すよ
うに定量媒体と吐出媒体の混合した混合溶液69と吐出
媒体49間にくびれが発生し始める。なお、この時点に
おいて第1の積層型ピエゾ素子43の駆動電圧は元の1
0[V]に戻り、この後はこの状態で保持される。
【0091】そして、図10中(J)で示す時点よりも
後の時点である図10中(K)で示す時点においては、
図17に模式的に示すように混合溶液69が、吐出媒体
49から引きちぎれ、吐出媒体ノズル54より吐出さ
れ、吐出媒体49は吐出媒体ノズル54内に引き込まれ
る。
【0092】さらに図10中(K)で示す時点よりも後
の時点である図10中(L)で示す時点において第2の
積層型ピエゾ素子44の駆動電圧は元の15[V]に戻
る。なお、図10中(I)で示す時点から図10中
(L)で示す時点間は100[μsec]である。この
時点においては、図18に模式的に示すように混合溶液
69は球体をなして図示しない被記録材にむけて飛翔を
続けており、この後被記録材に被着して記録がなされ
る。
【0093】そして、図10中(J)で示す時点から図
10中(L)で示す時点の間において定量媒体45は毛
細管力により定量媒体ノズル53内に徐々に充填されて
いき、図10中(L)で示す時点においては、図18中
に模式的に示すように定量媒体ノズル53の先端まで充
填される。ただし、図10中(L)で示す時点において
は、図18中に模式的に示すように定量媒体45の先端
は若干振動して盛り上がりを形成する。
【0094】さらに、図10中(L)で示す時点よりも
後の図10中(M)で示す時点においては、図19に示
すように吐出媒体49が定量媒体45と同様に毛細管力
によって吐出媒体ノズル54内に充填されてくるが、そ
の先端部は慣性により若干振動して盛り上がりを形成す
る。なお、この時点においては定量媒体45の振動も収
まっている。
【0095】さらにまた、図10中(M)で示す時点よ
りも後の図10中(N)で示す時点においては、図20
に模式的に示すように吐出媒体49の振動も収まり待機
状態に戻る。
【0096】なお、本例においては、吐出周期を1[m
sec](周波数1[kHz])とし、この間に定量媒
体の定量混合と混合液滴の吐出を行う。そして、第1の
積層型ピエゾ素子43の最大駆動電圧を10[V]、第
2の積層型ピエゾ素子44の駆動電圧を15[V]とし
ている。
【0097】印刷を行うには、上記動作を繰り返せば良
いが、濃度階調を表現するには、ドット毎にインク濃度
を変化させる必要がある。本例においては、図10中に
示すように定量時の第1の積層型ピエゾ素子43の駆動
パルスの振幅(電圧)を10[V]だったものを例えば
4[V]とし、定量されるインクの量を減らして低濃度
のドットを形成する等して濃度階調を表現している。な
お、駆動パルスの幅を増減しても同様の効果が得られ
る。
【0098】本例のプリンタ装置においては、定量媒体
45を押し出す定量媒体ノズル53と吐出媒体49を吐
出する吐出媒体ノズル54を別々に有しているため、吐
出待機時において、定量媒体45と吐出媒体49が接触
することが無く、これらは確実に分離された状態とされ
る。また、混合吐出動作においても、定量媒体ノズル5
3と吐出媒体ノズル54間において定量媒体45及び吐
出媒体49の不要な流れ込みが生じない。さらに本例の
プリンタ装置においては、定量媒体ノズル53と吐出媒
体ノズル54が互いに隣合って開口するように形成され
ていることから、定量媒体45を定量媒体ノズル53か
ら吐出媒体ノズル54に向けて滲み出させる際に定量媒
体45が吐出媒体ノズル54に安定して供給される。
【0099】そして、本例のプリンタ装置においては、
定量媒体ノズル53の開口形状及び断面形状を、当該形
状に接する面積最小の外接円の中心と吐出媒体ノズル5
4の端縁間の最短距離よりも、当該形状に接する面積最
大の内接円の中心と吐出媒体ノズル54の端縁間の最短
距離が大となるような形状としている、言い換えれば定
量媒体ノズル53の開口形状及び断面形状の図心から最
も近い定量媒体ノズル53の端縁を、隣合って形成され
る吐出媒体ノズル54側に有する形状としている。
【0100】すなわちここでは、定量媒体ノズル53の
開口形状及び断面形状を吐出媒体ノズル54側に切り欠
き部を有する形状としていることから、定量媒体54は
その表面張力によって球状ないし半球状に近づこうとす
る力により吐出媒体ノズル54側に溢れ出し、定量媒体
45は吐出媒体ノズル54に向かってより確実に押し出
される。なお、この効果は定量媒体ノズル53の開口形
状を上記のような形状とすることにより顕著に現れる。
【0101】より具体的には、本例のプリンタ装置にお
いては、定量媒体ノズル53の開口形状及び断面形状、
特に開口形状を部分蝕形状としていることから、定量媒
体54はその表面張力によって球状ないし半球状に近づ
こうとする力により吐出媒体ノズル54側に溢れ出し、
定量媒体45は吐出媒体ノズル54に向かってさらに確
実に押し出される。
【0102】従って、本例のプリンタ装置においては、
吐出待機時における定量媒体と吐出媒体の拡散による混
合が防止され、階調に応じた正確な量の定量媒体を吐出
媒体に混合することが可能とされ、正確な階調表現が可
能とされる。
【0103】続いて、本発明を適用したプリンタ装置の
効果を確認するべく、部分蝕形状の開口形状を有する定
量媒体ノズル53から定量媒体45が押し出される様子
のコンピュータシミュレーションを行った。先ず、図2
1(a)に定量媒体45が定量媒体ノズル53に充填さ
れている状態を示す。なお、図21中においては、分か
りやすいように、定量媒体ノズル53の部分蝕形状の開
口部を半分に切断した状態で示し、定量媒体45の上面
のみを示し、図中上方となる円弧側に吐出媒体ノズル5
4があるものとして説明する。さらに、ここでは、定量
媒体ノズル53がノズルプレートの厚さ方向に形成され
ているものとしてシミュレーションする。
【0104】さらに、第1の積層型ピエゾ素子43の駆
動電圧を降下させ始めると、図21(b),(c),
(d)に示すように定量媒体45の表面が徐々に盛り上
がってくる。そして、図21(e)に示すように、定量
媒体45は定量媒体45自身の表面張力によって球状な
いし半球状に近づこうとする力により定量媒体ノズル5
3の開口部よりも吐出媒体ノズル54側に押し出され、
これが図21(f),(g)に示すように吐出媒体ノズ
ル54側に伸長していく。
【0105】このとき、定量媒体ノズル53の開口形状
が部分蝕形状であることから、図21(g)に示すよう
に定量媒体は定量媒体自身の表面張力によって球状ない
し半球状に近づこうとする力により部分蝕形状の凹部側
の略中心に集中するようにして定量媒体ノズル53から
押し出される。さらには、部分蝕形状の凹部側に吐出媒
体ノズル54を形成していることから部分蝕形状の凹部
側の略中心に集中するようにして押し出される定量媒体
45は確実に吐出媒体ノズル54の吐出媒体49に接触
する。
【0106】なお、このような動作は定量媒体ノズル5
3の断面形状が部分蝕形状であっても同様であり、本例
のプリンタ装置は両者を部分蝕形状としていることから
その効果が高い。
【0107】すなわち、上述したようなプリンタ装置に
おいては、定量媒体の定量が正確に行われ、階調に応じ
た正確な量の定量媒体を吐出媒体に混合することが可能
とされ、正確な階調表現が可能とされることが確認され
た。
【0108】さらに、ここでは、定量媒体ノズル53を
ノズルプレートの厚さ方向に形成したものとしてシミュ
レーションを行っており、それでも十分に効果を有する
ことから、上述したプリンタ装置のように定量媒体ノズ
ル53をノズルプレートの厚さ方向に対して斜め方向に
形成すれば、押し出される定量媒体45には定量媒体ノ
ズル53の形成方向による勢いも加わることとなり、さ
らに効果があるものと思われる。
【0109】本例のプリンタ装置において定量媒体45
とされるインク及び吐出媒体49とされる希釈液として
は、以下に示すような組成と物性を有するものが挙げら
れる。
【0110】すなわち、インクとしては、以下に示すよ
うなものが挙げられる。
【0111】〈組成〉 C.I.アシッドブルー9 8重量% N−メチル−2−ピロリドン 10重量% エチレングリコールモノメチルエーテル 10重量% 界面活性剤 0.01重量% 水 81.99重量% 〈物性値〉 粘度 2[cp]、表面張力 30[dyne/cm]
(at20[℃])一方、希釈液としては、以下に示す
ようなものが挙げられる。
【0112】〈組成〉 イソプロピルアルコール 7重量% ジエチレングリコール 23重量% 水 70重量% 〈物性値〉 粘度 2.2[cp]、表面張力 40[dyne/c
m](at20[℃])ここでは、染料としてシアン色
を使用する例について述べたが、他の色が使用可能であ
ることは言うまでもない。被記録材としては、普通紙、
市販のインクジェットプリント用紙等が使用可能であ
る。
【0113】また、プリントヘッドの定量媒体ノズル5
3及び吐出媒体ノズル54の開口部の大きさは、定量す
る定量媒体の体積、吐出する混合溶液の体積を勘案して
決定する必要があり、例えば、図8中に示すように、吐
出媒体ノズル54の開口部となる第2のノズル部66の
開口部を直径36[μm]の円形とし、定量媒体ノズル
53の開口部となる第1のノズル部64の開口部を、直
径18[μm]の円形の第2のノズル部66側を切り欠
き端縁から底部までの深さが14[μm]となるように
切り欠き、第2のノズル部66の開口部端縁から切り欠
き部頂点までの距離が5[μm]となるようにした部分
蝕形状とすれば良い。なお、定量媒体ノズル53と吐出
媒体ノズル54の間隔は、20[μm]以下、好ましく
は10[μm]以下、さらに好ましくは5[μm]程度
とすれば良い。
【0114】この間隔が遠すぎると、定量媒体45を吐
出媒体ノズル54に到達させるために第1の積層型ピエ
ゾ素子43の駆動電圧を上げなければならず、この駆動
電圧を高くし過ぎると、定量媒体45が吐出媒体ノズル
54に向かって押し出されず、定量媒体ノズル53から
吐出してしまい、吐出媒体57との混合が上手く行われ
なくなるといった問題が発生する。
【0115】また、定量媒体圧力室56及び吐出媒体圧
力室58としては、幅 0.4[mm]、長さ 0.9
[mm]、略長円形で深さ 0.1[mm]のものが挙
げられ、振動板42としては、全厚60[μm]で凹部
59,60が形成されている部分の厚さが約6[μm]
のものが挙げられる。
【0116】上述の本例のプリンタ装置においては、圧
力発生手段として積層型ピエゾ素子を使用した例を示し
たが、本発明を適用したプリンタ装置においては、いわ
ゆる単板のピエゾ素子、或いは発熱素子、磁歪素子など
ほかの圧力発生手段を用いることも可能であり、定量
側、吐出側に別の種類の圧力発生手段を使用することも
可能である。
【0117】次に、上述のプリンタ装置のプリントヘッ
ドの製造方法について述べる。先ず、ノズルプレートを
作成するべく、厚さが均一で形成するノズルプレートの
厚さを有し、表面性も良好な樹脂プレートを用意する。
上記樹脂としては、ポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド等のエキシマ
レーザ加工が可能で、耐インク性(耐薬品性)のある樹
脂を使用することが出来る。本例においては、厚さ0.
5[mm]のポリエーテルイミドの射出成形プレートを
使用することとする。なお、このような樹脂プレート
は、押しだし成形プレート等を機械加工により0.5
[mm]の均一な厚さに加工して使用することも可能で
ある。
【0118】続いて、上記樹脂プレートのノズル開口面
となる一主面に撥液加工を行う。すなわち、撥液処理剤
をスピンコートする。このような撥液処理剤としては、
樹脂の耐熱温度の関係から180[℃]以下の加熱で重
合形成されるものが好ましく、例えば株式会社旭硝子社
製 サイトップ(商品名)、株式会社宇部興産社製ユピ
コート(商品名)などが使用可能である。
【0119】上記撥液加工は、撥液性を有するフィルム
をラミネートする事によっても可能である。このような
撥液性を有するフィルムとしては、宇部興産株式会社製
のポリイミド接着フィルム UPA−8322(商品
名)が使用できる。上記フィルムにおいては、最高温度
160[℃]の処理を行うことにより、耐薬品性に優れ
た撥液性を有する有機材料フィルムを形成することがで
きる。
【0120】次に、ノズルプレートの外形及び定量媒体
液室、吐出媒体液室を形成する第1の凹部、第2の凹部
を機械加工により加工する。機械加工時のバリはラッピ
ングなどにより除去すれば良い。
【0121】続いて、エキシマレーザ加工により定量媒
体圧力室及び吐出媒体圧力室を形成する第2の凹部、第
4の凹部を形成する。上記エキシマレーザ加工はいわゆ
るマスクイメージング法により加工するものであり、レ
ーザの光学系の途中に設けたマスク(この場合各凹部の
形の穴部が形成される金属板)によって任意の形状で樹
脂等の被加工物をアブレーション加工するものである。
【0122】マスクは銅板、ステンレス板等をエッチン
グする、或いはニッケル等をエレクトロフォーミング
(電鋳)することにより作成できる。マスクの穴のサイ
ズは、加工する穴や溝のサイズとエキシマレーザの光学
系の縮小率によって定める。
【0123】第2の凹部、第4の凹部は別々に加工して
も、同時に加工してもよい。また、第1の圧力室、第2
の圧力室のセットが複数並んでいるいわゆるマルチヘッ
ド構成の場合、複数のセットを同時に加工してもよい。
加工は数値制御可能な加工テーブルの上にワークを載せ
て(適当な治具に固定して)行う。加工位置は加工ステ
ージの水平方向の位置制御(x軸とy軸の制御)により
調整し、加工時のレーザの焦点あわせは垂直方向(z
軸)の制御により行う。
【0124】次に、吐出媒体ノズルを形成する第2のテ
ーパーノズル部をエキシマレーザによって加工する。こ
れは、丸穴のマスクを使用してレーザをワークに照射、
加工しながら加工ステージを揺動しその揺動の幅を次第
に狭めていくことによりテーパ加工を行って形成すれば
良い。本例では、加工ステージの1軸を制御することで
扇形のテーパ加工を行っているが、2軸同時に制御し渦
巻き状に加工ステージを動かすことで円錐状のテーパ加
工を行うことも可能である。
【0125】この後、吐出媒体ノズルを形成する第2の
ノズル部の加工を行う。エキシマレーザ加工の特性上、
この第2のノズル部には約2゜(片側)程度のテーパー
が形成される。このことは、他の穴や溝の加工時も同様
である。
【0126】マスクには、各凹部、第2のテーパーノズ
ル部、第2のノズル部などに対応した穴が設けられてい
て、数値制御可能なマスクチェンジャーによってレーザ
ーの光路に適宜所望の穴がセットされるようになされて
いる。
【0127】次に、加工テーブル上のワーク固定治具を
30゜傾けて定量媒体ノズルを形成する第1のテーパノ
ズル部を第2のテーパノズル部と同様の方法により加工
する。
【0128】さらに、定量媒体ノズルを形成する第1の
ノズル部を加工する。この第1のノズル部は、前述のよ
うに部分蝕形状である。この部分蝕形状の第1のノズル
部は、マスクの穴を部分蝕状としておくことで簡単に加
工することが出来る。後述するように、この定量媒体ノ
ズルを形成する第1のノズル部の開口形状及び断面形状
は、上記の部分蝕形状以外にも様々な形状を採ることが
可能であるが、エキシマレーザ加工を使用すれば、マス
クをそのような形状にしておくことで任意の形状の第1
のノズル部(オリフィス)が加工できる。
【0129】このとき、吐出媒体ノズルを形成する第2
のノズル部と定量媒体ノズルを形成する第1のノズル部
の相対的位置は、定量媒体ノズルを加工するときの加工
ステージの位置の微調整により調整する。
【0130】次に、ワーク固定治具を80゜傾けて第2
の供給路の加工を行う。さらにワーク固定治具を−80
゜(反対側に80゜)傾けて第1の供給路の加工を行っ
てノズルプレートを完成する。
【0131】第1の供給路、第2の供給路はともに丸穴
であり、そのサイズ、本数は第1の供給路については第
lのテーパーノズル部と第1のノズル部との流路抵抗バ
ランス、第2の供給路については第2のテーパーノズル
部と第2のノズル部との流路抵抗バランスによって定め
る。
【0132】本例ではノズルプレートの外形と、定量媒
体液室及び吐出媒体液室を形成する各凹部の加工を機械
加工により行い、定量媒体圧力室及び吐出媒体圧力室を
形成する各凹部、各テーパーノズル部、各ノズル部、各
供給路の加工を全てエキシマレーザ加工により行った
が、外形、定量媒体液室及び吐出媒体液室を形成する各
凹部、各テーパーノズル部までは射出成形で作成し、各
ノズル部、各供給路の加工をエキシマレーザ加工で行う
ようにしても良い。
【0133】次に、上記のようにして製造したノズルプ
レートに対し、別途、エッチング、エレクトロフォーミ
ング等で作成した振動板を位置合わせしながら接着す
る。接着剤としてはエポキシ系接着剤が好適であり、本
実施例では1液型の低温硬化タイプのものを使用するも
のとする。具体的には、接着剤を一定の表面荒さを有す
る板やシートに塗布してスキージでならし、これにノズ
ルプレートを押し当てて接着剤を薄く転写する。そし
て、この状態で振動板と治具で位置合わせしながら貼り
合わせ締結したままオーブン内で所定の温度下で所定の
時間放置し、接着硬化させる。この結果、第1の凹部、
第2の凹部、第3の凹部、第4の凹部が塞がれ、定量媒
体液室、定量媒体圧力室、吐出媒体液室、吐出媒体圧力
室が形成されることとなる。
【0134】この接着工程の前にノズルプレートの前処
理として、紫外線を照射して樹脂の表面を表面改質する
ようにしても良い。紫外線の光源としては低圧水銀灯を
使用する。低圧水銀灯は184.9[nm]と253.
7[nm]の紫外線を発生し、このエネルギーにより高
分子化合物の分子結合を切断して水素原子を引き抜き、
ここに空気中の酸素が結合して高極性である−OH、>
C=0、−C(O)OHなどのラジカルが形成されるこ
とで表面の親水性が向上し、接着性、付着性を向上でき
る。これによってインク、希釈液を本例のプリントヘッ
ドに充填して長時間使用したときの振動板のはがれが防
止できる。
【0135】さらに、積層型ピエゾ素子を含む駆動部と
の接着を行う。駆動部は、定量媒体及び希釈液供給部も
含むものであり、振動板にあけられた穴を通して、これ
ら定量媒体及び希釈液供給部から定量媒体及び希釈液が
定量媒体液室及び希釈液液室に供給されるようになって
いる。定量媒体及び希釈液供給部は定量媒体タンク及び
希釈液タンクに連通している。
【0136】最後に、第1の積層型ピエゾ素子を振動板
の定量媒体圧力室に対応する位置に形成されている突起
部上に接着するとともに、第2の積層型ピエゾ素子を振
動板の吐出媒体圧力室に対応する位置に形成されている
突起部上に接着してプリントヘッドを完成する。
【0137】上述の例においては、定量媒体ノズルを形
成する第1のノズル部の開口形状及び断面形状を部分蝕
形状としたが、本発明を適用したプリンタ装置において
は、この第1のノズル部の開口形状又は断面形状の少な
くとも一部が、当該形状に接する面積最小の外接円の中
心と吐出媒体ノズルの端縁間の最短距離よりも、当該形
状に接する面積最大の内接円の中心と吐出媒体ノズルの
端縁間の最短距離が大となるような形状であれば良い。
【0138】或いは、第1のノズル部の開口形状又は断
面形状の少なくとも一部が、当該形状の図心から最も近
い定量媒体ノズルの端縁を、隣合って形成される吐出媒
体ノズル54側に有する形状とされていれば良い。
【0139】または、定量媒体ノズルを形成する第1の
ノズル部の開口形状又は断面形状の少なくとも一部が、
隣合って形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有
する形状となされていれば良い。
【0140】このとき、上記定量媒体ノズルを形成する
第1のノズル部の開口形状又は断面形状の少なくとも一
部が、当該形状に対し最短距離で隣接する吐出媒体ノズ
ルの開口形状又は断面形状の中心と、定量媒体ノズルの
上記開口形状又は断面形状の切り欠き部を復元した形状
の中心間を結んだ線に対して線対称な形状であることが
好ましい。
【0141】なお、上記第1のノズル部の開口形状又は
断面形状の少なくとも一部の切り欠き部を復元した形状
が円又は楕円である、或いは多角形であることが好まし
い。
【0142】さらに、上記切り欠き部としては、円弧を
なすもの、角部を有する形状が挙げられる。
【0143】具体的には、図22に示すような形状が挙
げられる。すなわち、図22(a)に示すように、定量
媒体ノズル70の開口形状又は断面形状の少なくとも一
部を吐出媒体ノズル54側に角部を有する山形の切り欠
き部を有する円形とする、図22(b)に示すように、
定量媒体ノズル71の開口形状又は断面形状の少なくと
も一部を吐出媒体ノズル54側に円弧をなす切り欠き部
を有する八角形とする、図22(c)に示すように、定
量媒体ノズル72の開口形状又は断面形状の少なくとも
一部を吐出媒体ノズル54側に円弧をなす切り欠き部を
有する楕円形とする、図22(d)に示すように、定量
媒体ノズル73の開口形状又は断面形状の少なくとも一
部を吐出媒体ノズル54よりも大きな直径を有する円形
に吐出媒体ノズル54側を円弧をなす切り欠き部を形成
した形状とするといったものが挙げられる。
【0144】さらには、図22(e)に示すように、定
量媒体ノズル74の開口形状又は断面形状の少なくとも
一部を吐出媒体ノズル54側半分が切りかかれた半円形
とする、図22(f)に示すように、定量媒体ノズル7
5の開口形状又は断面形状の少なくとも一部を吐出媒体
ノズル54側に角部を有する山形の切り欠き部を有する
四角形とする、図22(g)に示すように定量媒体ノズ
ル76の開口形状又は断面形状の少なくとも一部を吐出
媒体ノズル54側に角部を有するW型の切り欠き部を有
する円形とするといったものが挙げられる。
【0145】従って、定量媒体ノズルの開口形状又は断
面形状の少なくとも一部が上述したような形状となされ
ているプリンタ装置においても、定量媒体ノズルの開口
形状又は断面形状の少なくとも一部の吐出媒体ノズル側
に切り欠き部を有するようにしていることから、定量媒
体自身の表面張力によって球状ないし半球状に近づこう
とする力により定量媒体は吐出媒体ノズルに向かって確
実に押し出される。
【0146】また、上記定量媒体ノズルを形成する第1
のノズル部の開口形状又は断面形状の少なくとも一部
が、上述したような形状となされているプリンタ装置に
おいては、当該形状に対し最短距離で隣接する吐出媒体
ノズルの開口形状又は断面形状の中心と、定量媒体ノズ
ルの上記開口形状又は断面形状の切り欠き部を復元した
形状の中心間を結んだ線に対して線対称な形状となされ
ていることから、定量媒体自身の表面張力によって球状
ないし半球状に近づこうとする力により定量媒体はさら
に確実に吐出媒体ノズルに向かって押し出される。
【0147】従って、定量媒体ノズルの開口形状又は断
面形状の少なくとも一部が上述のような形状とされてい
るプリンタ装置においても、階調に応じた正確な量の定
量媒体を吐出媒体に混合することが可能とされ、正確な
階調表現が可能とされる。
【0148】また、これまでの例においては、吐出媒体
ノズルの開口部の形状を円形としたが、特に円形に限定
されるものではなく、矩形、多角形その他でもかまわな
い。さらに、上述のプリンタ装置においては、定量媒体
ノズルと吐出媒体ノズルが1対1で配されている例につ
いて述べたが、複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒体
ノズルに対してそれぞれ互いに隣合うように開口して形
成されていても良い。
【0149】すなわち、図23に示すように、円形の開
口部を有する1つの吐出媒体ノズル77の四方に部分蝕
形状の開口形状又は断面形状を有する4つの定量媒体ノ
ズル78,79,80,81を配したものが挙げられ
る。ただし、ここでは開口形状が部分蝕形状となされて
いる例について挙げる。このように、複数の定量媒体ノ
ズル78,79,80,81を設ければ、多色同時混合
吐出が可能となり、lつの液滴によってフルカラーの階
調記録が可能となる。ここでは、4つの定量媒体ノズル
をイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックに対応するも
のとする。 ところで、定量媒体ノズルの開口形状又は
断面形状の少なくとも一部に角部があると、この部分に
インクに溶解している染料が乾燥して析出固化する場合
がある。そこで、図24に示すように、定量媒体ノズル
83の開口形状又は断面形状の少なくとも一部を吐出媒
体ノズル82側に切り欠き部を有し、曲線により形成さ
れた形状とすれば、定量媒体ノズルの角部における染料
の固化を防止することが出来る。
【0150】また、図25(a)(b)に示すように、
円形の開口部を有する吐出媒体ノズル84と部分蝕形状
の開口部を有する定量媒体ノズル85との間を接続する
ような溝部86を形成するようにしても良い。このよう
な溝部86を形成すれば、この溝部86が定量媒体ノズ
ル85から吐出媒体ノズル84ヘのガイド溝となり、定
量媒体をさらに確実に吐出媒体ノズルに向けて押し出す
ことが可能となる。
【0151】前述の例においては、ノズルプレートのノ
ズル開口面全面に撥液加工を施す例について述べたが、
吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノズルの開口部間に
非撥液加工、或いは親水加工が施されていても良い。す
なわち、図26に示すように、定量媒体ノズル88の開
口部と吐出媒体ノズル87の開口部間にこれらを接続す
るような非撥液加工部89を形成するようにしても良
い。この非撥液加工部89は濡れやすいため、この部分
がガイドとなって定量媒体をさらに確実に吐出媒体ノズ
ルに向けて押し出すことが可能となる。
【0152】さらには、上記非撥液加工部89の代わり
に親水加工部を形成するようにしても良く、非撥液加工
部89を形成する場合よりもさらに確実に定量媒体を吐
出媒体ノズルに向けて押し出すことが可能となる。
【0153】本発明を適用したプリンタ装置としては、
以下に示すようなものも挙げられる。すなわち、図27
(b)に模式的に示すように、ノズルプレート101の
ノズル開口面101b上にノズルの開口部を保護する金
属等よりなる保護層102を設け、この保護層102に
も平面円形をなす貫通孔103,107を設け、これら
を実際のノズル開口部とするものである。
【0154】より具体的には、図27(a),(b)中
に模式的に示すように、これまで述べた例と同様にノズ
ルプレート101に設けられる定量媒体ノズルを形成す
る第1のノズル部104の開口部を含む断面形状を部分
蝕形状とするとともに、吐出媒体ノズルを形成する第2
のノズル部106の開口部を含む断面形状を円形とす
る。なお、上記第1のノズル部104はノズルプレート
101の厚さ方向に対して斜め方向に形成されており、
開口部に向かうに従って第2のノズル部106に近づく
方向に形成されている。そして、ノズル開口面101b
上に設けられた保護層102の第1のノズル部104に
応じた位置に平面円形をなす貫通孔103を設けるとと
もに、第2のノズル部106に応じた位置に平面円形を
なす貫通孔107を設ける。
【0155】すなわち、本例のプリンタ装置において
は、第1のノズル部104に応じた位置に設けられた貫
通孔103が実質的な定量媒体ノズルの開口部となり、
定量媒体ノズルの中心線に対して直交する断面の断面形
状の一部が部分蝕形状をなし、実質的な定量媒体ノズル
の開口形状が円形をなすこととなる。また、第2のノズ
ル部106に応じた位置に設けられた貫通孔107が実
質的な吐出媒体ノズルの開口部となる。
【0156】これまで述べたような樹脂プレートにエキ
シマレーザ加工などで穴あけ加工した定量媒体ノズル及
び吐出媒体ノズルは必ずしも機械的強度が充分でなく、
インクジェットプリンタに一般的に用いられるブレード
による拭き取り動作などで欠けが生ずるなどのダメージ
を受ける場合がある。このような場合に、上記のように
保護層101を設け、第1のノズル部104及び第2の
ノズル部106の開口部分を実質的なノズル表面より一
段下げた位置にすることで、機械的な損傷から保護する
ことができる。
【0157】この場合、ノズル開口面101bや保護層
102の濡れ性、定量媒体や吐出媒体の表面張力などの
物性によってこれらのメニスカスが保護層102の貫通
孔103,107を満たす場合がある。このとき、定量
媒体ノズル及び吐出媒体ノズルの実質的な開口部は上述
のように円形となるが、このような形状でも、定量媒体
が押し出される際には、通常数10[cm/sec]〜
数[m/sec]の流速で押し出されるため、定量媒体
は部分蝕形状で押し出され、自身の表面張力で球状、こ
の場合、実際には略半球状に近づこうとする力が働く。
この力を利用して実質的に吐出媒体ノズル方向に定量媒
体を向かわせる効果を得ることができる。
【0158】本例のプリンタ装置においては、図28に
模式的に示すように、定量媒体ノズルを形成する第1の
ノズル部104の中心線に対して直交する断面Cにおい
て、定量媒体ノズルを形成する第1のノズル部104の
断面形状と吐出媒体ノズルを形成する第2のノズル部1
06の断面形状の関係は、先に図8及び図9に示した関
係と同様となる。従って、上記のように定量媒体は吐出
媒体ノズルに向かうこととなる。
【0159】ただし、この場合には半球状の形が完成し
た時点でこの効果は無くなり、後はそれまでの液体の運
動の慣性力及び定量媒体ノズルを吐出媒体ノズルに向か
って傾斜させていることによる流れの速度のベクトルの
効果により吐出媒体ノズルに向かって定量媒体が滲み出
して行く。
【0160】また、本発明を適用したプリンタ装置とし
ては、図29に示すような構成のものも挙げられる。本
例のプリンタ装置は、先に図27に示したものと略同様
の構成を有するものであり、ノズルプレート101の定
量媒体ノズルを形成する第1のノズル104に対応して
保護層102に設けられる貫通孔113が、保護層10
2の厚さ方向に対して斜め方向に形成されていることを
特徴とするものである。他の部分については、図27に
示したものと同様であるので説明を省略する。すなわ
ち、本例のプリンタ装置においても前述の図27に示し
たプリンタ装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0161】従って、定量媒体のノズル開口形状又はノ
ズルの中心線に対して直交する断面での断面形状の少な
くとも一部が、当該形状における面積最大の内接円の中
心から吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離が面積最小
の外接円の中心から吐出媒体ノズルの端縁までの最短距
離よりも大となるような形状とされていれば、定量媒体
を吐出媒体ノズルに向けて滲み出させることが可能であ
る。
【0162】ただし、上述の例において、定量媒体ノズ
ルの断面円形の部分が長すぎると(保護層102の厚さ
が厚すぎると)、このような効果は小さくなることは言
うまでもない。また、断面部分蝕形状の部分が開口部に
近いほど効果が大きい。
【0163】続いて、これまで述べてきたことを別の観
点から説明する。液体は、空間に浮かんでいたり、相溶
性のない他の流体中に浮かんでいるような場合には液体
自身の表面張力により、最も表面積の小さい球形に近づ
こうとする。球体でない場合には、球体に近づこうと
し、最終的に球体となって安定する。
【0164】液体が固体に付着している場合には、半球
状(略半球状)が安定形状であり、その固体の表面張力
が小さい、言い換えれば撥液力が高い場合にはいわゆる
接触角が大きくなり球体に近い半球状になり、固体の表
面張力が大きい、言い換えれば撥液力が小さい場合には
接触角が小さくなり、扁平な半球状となる。半球状でな
い場合は半球状に近づこうとし、固体表面の汚れなどの
他に阻害する要因がなければ最終的に半球状となって安
定する。
【0165】従って、固体表面上に付着している液体を
半球状から歪んだ形状にしておけば、その液体は半球状
に近づこうとする。本発明は定量媒体ノズルから押し出
される定量媒体が、非円形、或いは等方的な形状ないし
略等方的形状から歪んだ形状で押し出されるようになす
ことで、定量媒体が自身の表面張力の働きで半球状に近
づこうとする、換言すれば表面積最小になろうとする
力、性質、現象を利用して吐出媒体ノズル側に定量媒体
を送り出す、滲み出させる、ないし濡れ拡がらせるもの
である。
【0166】特に定量媒体ノズルから押し出される定量
媒体の形状を半球状ないし、等方的形状から凹方向に歪
ませてその凹部側に吐出媒体ノズルを配置した場合に効
果が大きい。
【0167】また、本発明の効果として、より微量の定
量媒体を混合できる効果がある。すなわち、定量媒体が
インク液で吐出媒体が希釈液の場合、より低濃度の再現
域を確保出来る効果がある。
【0168】定量媒体が吐出媒体ノズルに供給されるた
めには、押し出された定量媒体が定量媒体ノズルから吐
出媒体ノズル方向にいわば決壊することが必要である。
決壊して滲み出す、ないし濡れ拡がらなければ、定量媒
体はメニスカス表面が盛り上がっただけで、定量媒体圧
力室からの圧力の減衰とともに定量媒体ノズルに戻って
しまう。
【0169】同じ流速で定量媒体を押し出した場合、部
分蝕形状の場合には楕円の場合に比べて定量媒体が吐出
媒体ノズル側に決壊するのが早い、言い換えれば決壊す
るのに要する定量量が少ないため、より微量の定量媒体
を混合することができる。
【0170】そこで、この効果を確認するべく、以下に
示すような実験を行った。すなわち、定量媒体ノズルの
開口形状が楕円の場合と部分蝕形状の場合における濃度
階調特性について調査した。
【0171】ここでは、定量媒体を押し出すための第1
の積層型ピエゾ素子の電圧(0〜10[V])を16分
割して16階調の濃度階調パターンの印画を行い、それ
ぞれの階調における反射濃度を測定した。なお、定量媒
体をインク液とし、吐出媒体を希釈液としていることは
言うまでもない。
【0172】定量媒体ノズルの開口形状が部分蝕形状と
なされている場合の結果を図30に示し、定量媒体ノズ
ルの開口形状が楕円となされている場合の結果を図31
に示す。図30及び図31共に、横軸に階調を示し、縦
軸に印画物の反射濃度を示す。図30及び図31の結果
を見て明らかなように、定量媒体ノズルの開口形状が部
分蝕形状である場合の方が低い階調値(低濃度)から濃
度コントロールが良好になされ、より低濃度の再現域を
確保できることが確認された。
【0173】なお、本発明のプリンタ装置においては、
これまで述べた例を組み合わせて適用することも可能で
あり、本発明の趣旨を逸脱せずに種々の変形が考えられ
ることは言うまでもない。
【0174】上述の例においては、シリアル型のプリン
タ装置の例について述べたが、本発明は、ライン型やド
ラム回転型のプリンタ装置にも適用可能であることは言
うまでもない。
【0175】上記ライン型のプリンタ装置は、図32に
示すような構成を有する。なお、図32中においては、
図1に示したシリアル型のプリンタ装置との対応部分に
は同一符号を付して示し、その説明を省略するととも
に、制御機構を示す部分の図示を省略する。
【0176】このライン型のプリンタ装置は、図示しな
い多数のプリントヘッドがライン状に配置されてなるラ
インヘッド90がドラム2の軸方向に固定して設けられ
ている。このライン型のプリンタ装置においては、ライ
ンヘッド90が1行分の印字を同時に行うようになされ
ており、一行分の印字が完了すると図中矢印mで示す方
向にドラム2を1行分だけ回転させて次の行の印字を行
うようになされている。この場合、全ラインを一括して
印字したり、複数ブロツクに分割したり、1行おきに交
互に印字する方法が考えられる。
【0177】一方のドラム回転型プリンタ装置は、図3
3に示すような構成を有する。なお、図33中において
も、図1に示したシリアル型のプリンタ装置との対応部
分には同一符号を付して示し、その説明を省略するとと
もに、制御機構を示す部分の図示を省略する。このプリ
ンタ装置においては、ドラム2が回転するとその回転に
同期してプリントヘッド部91からインクが吐出され、
プリント紙1上に画像が形成される。ドラム2が図中矢
印mで示す方向に1回転してプリント紙1上に円周方向
に1列の印刷が完了すると、送りねじ5が回転してプリ
ントヘッド部91を図中矢印M´で示す方向に1ピッチ
分移動させ、次の列の印刷を行う。この場合、ドラム2
と送りねじ5を同時に回転させ、印刷しながらプリント
ヘッド部91を徐々に移動させる方法もある。マルチノ
ズルヘッドの場合や同じ場所を何度か印字するような構
成の場合は、ドラム2と送りねじ5とを連動して同時に
回転させながらスパイラル状の印字を行う。
【0178】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のプリンタ装置においては、定量媒体を押し出す定量
媒体ノズルと吐出媒体を吐出する吐出媒体ノズルを別々
に有しているため、吐出待機時において、定量媒体と吐
出媒体が接触することが無く、これらは確実に分離され
た状態とされる。また、混合吐出動作においても、定量
媒体ノズルと吐出媒体ノズル間において定量媒体及び吐
出媒体の不要な流れ込みが生じない。さらに本発明のプ
リンタ装置においては、定量媒体ノズルと吐出媒体ノズ
ルが互いに隣合って開口するように形成されていること
から、定量媒体を定量媒体ノズルから吐出媒体ノズルに
向けて滲み出させる際に定量媒体が吐出媒体ノズルに安
定して供給される。
【0179】そして、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当
該形状における面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノ
ズルの端縁までの最短距離が面積最小の外接円の中心か
ら吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離よりも大となる
ような形状としている。このため、定量媒体がその表面
張力による球状ないし半球状に近づこうとする力により
上記内接円の中心から上記外接円の中心方向に溢れ出
し、定量媒体は吐出媒体ノズルに向かってより確実に押
し出される。 また、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当
該形状の図心から最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣
合って形成される吐出媒体ノズル側に有する形状として
いる。このため、定量媒体がその表面張力による球状な
いし半球状に近づこうとする力により上記図心から最も
近い定量媒体ノズルの端縁側から溢れ出し、定量媒体は
吐出媒体ノズルに向かってより確実に押し出される。
【0180】さらに、本発明のプリンタ装置において
は、定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対
して直交する断面での断面形状の少なくとも一部を、隣
合って形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有す
る形状としている。このため、定量媒体がその表面張力
による球状ないし半球状に近づこうとする力により上記
切り欠き部から溢れ出し、この切り欠き部を介して定量
媒体は吐出媒体ノズルに向かってより確実に押し出され
る。
【0181】従って、本発明のプリンタ装置において
は、吐出待機時における定量媒体と吐出媒体の拡散によ
る混合が防止され、階調に応じた正確な量の定量媒体を
吐出媒体に混合することが可能とされ、正確な階調表現
が可能とされる。
【0182】なお、本発明のプリンタ装置において、定
量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して直
交する断面での断面形状の少なくとも一部を、当該形状
に対し最短距離で隣接する吐出媒体ノズルの開口形状又
は断面形状の中心と、定量媒体ノズルの上記開口形状又
は断面形状の切り欠き部を復元した形状の中心間を結ん
だ線に対して線対称な形状とすれば、定量媒体がその表
面張力による球状ないし半球状に近づこうとする力によ
り吐出媒体ノズルに向かって溢れ出し、定量媒体はさら
に確実に吐出媒体ノズルに向かって押し出される。 さ
らにまた、本発明のプリンタ装置において、定量媒体ノ
ズルを、定量媒体ノズルの中心線とその開口面のなす最
小角度が90゜未満となるように形成し、開口部側に向
かうに従って吐出媒体ノズルに近づくように形成すれ
ば、定量媒体ノズルから押し出される定量媒体には定量
媒体ノズルの形成方向による勢いも加わることとなり、
定量媒体はさらに確実に吐出媒体ノズルに向かって押し
出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリンタ装置の一例を模式的
に示す要部概略斜視図である。
【図2】本発明を適用したプリンタ装置の一例の印字及
び制御系のブロック図である。
【図3】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドの駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図4】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドを示す要部概略断面図である。
【図5】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドを示す要部概略平面図である。
【図6】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドの定量媒体ノズル近傍を示す要部概略断面図で
ある。
【図7】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドの吐出媒体ノズル近傍を示す要部概略断面図で
ある。
【図8】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル近傍を示す
要部概略平面図である。
【図9】本発明を適用したプリンタ装置の一例のプリン
トヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル近傍を示す
要部概略平面図である。
【図10】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの駆動電圧の印加タイミングを示すチャートであ
る。
【図11】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、待機状
態を模式的に示す要部概略斜視図である。
【図12】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、定量媒
体が押し出される様子を模式的に示す要部概略斜視図で
ある。
【図13】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、定量媒
体と吐出媒体が接触して結合した様子を模式的に示す要
部概略斜視図である。
【図14】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、定量媒
体と吐出媒体が押し出されはじめる様子を模式的に示す
要部概略斜視図である。
【図15】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、定量媒
体と吐出媒体がさらに押し出される様子を模式的に示す
要部概略斜視図である。
【図16】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、混合溶
液と吐出媒体間にくびれが発生し始める様子を模式的に
示す要部概略斜視図である。
【図17】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、混合溶
液が吐出される様子を模式的に示す要部概略斜視図であ
る。
【図18】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、混合溶
液が飛翔を続ける様子を模式的に示す要部概略斜視図で
ある。
【図19】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、吐出媒
体の先端部が盛り上がりを形成している様子を模式的に
示す要部概略斜視図である。
【図20】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の動作を動作順に示すものであり、待機状
態に戻った様子を模式的に示す要部概略斜視図である。
【図21】本発明を適用したプリンタ装置の一例により
印刷を行う際の定量媒体の挙動を示す模式図である。
【図22】本発明を適用したプリンタ装置の他の例のプ
リントヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル近傍を
示す要部概略平面図である。
【図23】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル
近傍を示す要部概略平面図である。
【図24】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル
近傍を示す要部概略平面図である。
【図25】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル
近傍を示す要部概略平面図及び要部概略断面図である。
【図26】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの吐出媒体ノズルと定量媒体ノズル
近傍を示す要部概略平面図である。
【図27】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの第1のノズル部及び第2のノズル
部近傍を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図28】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの第1のノズル部及び第2のノズル
部近傍を模式的に示す要部概略斜視図である。
【図29】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例のプリントヘッドの第1のノズル部及び第2のノズル
部近傍を模式的に示す平面図及び断面図である。
【図30】階調と反射濃度の関係の一例を示す特性図で
ある。
【図31】階調と反射濃度の関係の他の例を示す特性図
である。
【図32】本発明を適用したプリンタ装置の他の例を模
式的に示す要部概略斜視図である。
【図33】本発明を適用したプリンタ装置のさらに他の
例を模式的に示す要部概略斜視図である。
【符号の説明】
45 定量媒体、49 吐出媒体、53 定量媒体ノズ
ル、54 吐出媒体ノズル、56 定量媒体圧力室、5
8 吐出媒体圧力室、64 第1のノズル部、66 第
2のノズル部、67 外接円、68 内接円
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−122201(JP,A) 特開 平8−230215(JP,A) 特開 平8−336990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/205

Claims (42)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のノズルと第2のノズルを隣接配置
    し、第1のノズルから第1の液体を第2のノズルに向け
    て滲み出させるとともに、第2のノズルから第2の液体
    を吐出することにより、これら第1の液体と第2の液体
    とが混合された液滴を外方に向けて吐出するプリンタ装
    置において、 液体が表面張力により表面積を小さくしようとする性質
    を利用して第1の液体が第2のノズルに向かう力を付与
    することを特徴とするプリンタ装置。
  2. 【請求項2】 上記第1のノズルの開口形状又は断面の
    少なくとも一部の形状を非円形とすることで上記第2の
    ノズルに向かう力を付与することを特徴とする請求項1
    記載のプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 上記第1の液体が定量媒体であり、第2
    の液体が吐出媒体であることを特徴とする請求項1記載
    のプリンタ装置。
  4. 【請求項4】 上記定量媒体がインク液であり、上記吐
    出媒体が希釈液であることを特徴とする請求項3記載の
    プリンタ装置。
  5. 【請求項5】 吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室と
    定量媒体が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記吐
    出媒体圧力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒体
    圧力室に連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うよう
    に開口して有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノズ
    ルに向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズル
    から吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合吐
    出するプリントヘッドを有するプリンタ装置において、 定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して
    直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、当該形
    状における面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノズル
    の端縁までの最短距離が面積最小の外接円の中心から吐
    出媒体ノズルの端縁までの最短距離よりも大となるよう
    な形状とされていることを特徴とするプリンタ装置。
  6. 【請求項6】 定量媒体ノズルの開口形状が、当該開口
    形状における面積最大の内接円の中心から吐出媒体ノズ
    ルの端縁までの最短距離が面積最小の外接円の中心から
    吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離よりも大となるよ
    うな形状とされていることを特徴とする請求項5記載の
    プリンタ装置。
  7. 【請求項7】 定量媒体ノズルの中途部におけるノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、当該断面形状における面積最大の内接円の中
    心から吐出媒体ノズルの端縁までの最短距離が面積最小
    の外接円の中心から吐出媒体ノズルの端縁までの最短距
    離よりも大となるような形状とされ、定量媒体ノズルの
    開口形状が略円形とされていることを特徴とする請求項
    5記載のプリンタ装置。
  8. 【請求項8】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの
    中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくとも
    一部が、部分蝕形状とされていることを特徴とする請求
    項5記載のプリンタ装置。
  9. 【請求項9】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの
    中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくとも
    一部が、曲線により形成された形状とされていることを
    特徴とする請求項5記載のプリンタ装置。
  10. 【請求項10】 定量媒体ノズルが、定量媒体ノズルの
    中心線とその開口面のなす最小角度が90゜未満として
    形成され、開口部側に向かうに従って吐出媒体ノズルに
    近づくように形成されていることを特徴とする請求項5
    記載のプリンタ装置。
  11. 【請求項11】 複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒
    体ノズルに対してそれぞれ互いに隣合うように開口して
    形成されていることを特徴とする請求項5記載のプリン
    タ装置。
  12. 【請求項12】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間を接続するような溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項5記載のプリンタ装置。
  13. 【請求項13】 吐出媒体ノズルと定量媒体ノズルが板
    状部材に形成されており、上記板状部材のノズル開口面
    に撥液加工が施されていることを特徴とする請求項5記
    載のプリンタ装置。
  14. 【請求項14】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に非撥液加工が施されていることを特徴
    とする請求項13記載のプリンタ装置。
  15. 【請求項15】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に親水加工が施されていることを特徴と
    する請求項13記載のプリンタ装置。
  16. 【請求項16】 吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室
    と定量媒体が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記
    吐出媒体圧力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒
    体圧力室に連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うよ
    うに開口して有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノ
    ズルに向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズ
    ルから吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合
    吐出するプリントヘッドを有するプリンタ装置におい
    て、 定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して
    直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、隣合っ
    て形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有する形
    状となされていることを特徴とするプリンタ装置。
  17. 【請求項17】 定量媒体ノズルの開口形状が、隣合っ
    て形成される吐出媒体ノズル側に切り欠き部を有する形
    状となされていることを特徴とする請求項16記載のプ
    リンタ装置。
  18. 【請求項18】 定量媒体ノズルの中途部におけるノズ
    ルの中心線に対して直交する断面での断面形状の少なく
    とも一部が、隣合って形成される吐出媒体ノズル側に切
    り欠き部を有する形状となされ、定量媒体ノズルの開口
    形状が略円形となされていることを特徴とする請求項1
    6記載のプリンタ装置。
  19. 【請求項19】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、当該形状に対し最短距離で隣接する吐出媒体
    ノズルの開口形状又は断面形状の中心と、定量媒体ノズ
    ルの上記開口形状又は断面形状の切り欠き部を復元した
    形状の中心間を結んだ線に対して線対称な形状であるこ
    とを特徴とする請求項16記載のプリンタ装置。
  20. 【請求項20】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部の切り欠き部を復元した形状が円又は楕円である
    ことを特徴とする請求項19記載のプリンタ装置。
  21. 【請求項21】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の切り欠き
    部を復元した形状が多角形であることを特徴とする請求
    項19記載のプリンタ装置。
  22. 【請求項22】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の切り欠き
    部が円弧となされていることを特徴とする請求項16記
    載のプリンタ装置。
  23. 【請求項23】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の切り欠き
    部が角部を有する形状となされていることを特徴とする
    請求項16記載のプリンタ装置。
  24. 【請求項24】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、部分蝕形状をなすことを特徴とする請求項1
    6記載のプリンタ装置。
  25. 【請求項25】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、曲線により形成された形状とされていること
    を特徴とする請求項16記載のプリンタ装置。
  26. 【請求項26】 定量媒体ノズルが、定量媒体ノズルの
    中心線とその開口面のなす最小角度が90゜未満として
    形成され、開口部側に向かうに従って吐出媒体ノズルに
    近づくように形成されていることを特徴とする請求項1
    6記載のプリンタ装置。
  27. 【請求項27】 複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒
    体ノズルに対してそれぞれ互いに隣合うように開口して
    形成されていることを特徴とする請求項16記載のプリ
    ンタ装置。
  28. 【請求項28】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間を接続するような溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項16記載のプリンタ装置。
  29. 【請求項29】 吐出媒体ノズルと定量媒体ノズルが板
    状部材に形成されており、上記板状部材のノズル開口面
    に撥液加工が施されていることを特徴とする請求項16
    記載のプリンタ装置。
  30. 【請求項30】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に非撥液加工が施されていることを特徴
    とする請求項29記載のプリンタ装置。
  31. 【請求項31】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に親水加工が施されていることを特徴と
    する請求項29記載のプリンタ装置。
  32. 【請求項32】 吐出媒体が充填される吐出媒体圧力室
    と定量媒体が充填される定量媒体圧力室とを有し、上記
    吐出媒体圧力室に連通する吐出媒体ノズルと上記定量媒
    体圧力室に連通する定量媒体ノズルとを互いに隣合うよ
    うに開口して有し、上記定量媒体ノズルから吐出媒体ノ
    ズルに向けて定量媒体を滲み出させた後、吐出媒体ノズ
    ルから吐出媒体を吐出させて定量媒体と吐出媒体を混合
    吐出するプリントヘッドを有するプリンタ装置におい
    て、 定量媒体ノズルの開口形状又はノズルの中心線に対して
    直交する断面での断面形状の少なくとも一部が、当該形
    状の図心から最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣合っ
    て形成される吐出媒体ノズル側に有する形状となされて
    いることを特徴とするプリンタ装置。
  33. 【請求項33】 定量媒体ノズルの開口形状が、当該開
    口形状の図心から最も近い定量媒体ノズルの端縁を、隣
    合って形成される吐出媒体ノズル側に有する形状となさ
    れていることを特徴とする請求項32記載のプリンタ装
    置。
  34. 【請求項34】 定量媒体ノズルの中途部におけるノズ
    ルの中心線に対して直交する断面での断面形状の少なく
    とも一部が、当該断面部形状の図心から最も近い定量媒
    体ノズルの端縁を、隣合って形成される吐出媒体ノズル
    側に有する形状となされ、定量媒体ノズルの開口形状が
    略円形となされていることを特徴とする請求項32記載
    のプリンタ装置。
  35. 【請求項35】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、部分蝕形状をなすことを特徴とする請求項3
    2記載のプリンタ装置。
  36. 【請求項36】 定量媒体ノズルの開口形状又はノズル
    の中心線に対して直交する断面での断面形状の少なくと
    も一部が、曲線により形成された形状とされていること
    を特徴とする請求項32記載のプリンタ装置。
  37. 【請求項37】 定量媒体ノズルが、定量媒体ノズルの
    中心線とその開口面のなす最小角度が90゜未満として
    形成され、開口部側に向かうに従って吐出媒体ノズルに
    近づくように形成されていることを特徴とする請求項3
    2記載のプリンタ装置。
  38. 【請求項38】 複数の定量媒体ノズルが1つの吐出媒
    体ノズルに対してそれぞれ互いに隣合うように開口して
    形成されていることを特徴とする請求項32記載のプリ
    ンタ装置。
  39. 【請求項39】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間を接続するような溝部が形成されている
    ことを特徴とする請求項32記載のプリンタ装置。
  40. 【請求項40】 吐出媒体ノズルと定量媒体ノズルが板
    状部材に形成されており、上記板状部材のノズル開口面
    に撥液加工が施されていることを特徴とする請求項32
    記載のプリンタ装置。
  41. 【請求項41】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に非撥液加工が施されていることを特徴
    とする請求項40記載のプリンタ装置。
  42. 【請求項42】 吐出媒体ノズルの開口部と定量媒体ノ
    ズルの開口部間に親水加工が施されていることを特徴と
    する請求項40記載のプリンタ装置。
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