JPH09169124A - プリンタ装置 - Google Patents

プリンタ装置

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JPH09169124A
JPH09169124A JP33049995A JP33049995A JPH09169124A JP H09169124 A JPH09169124 A JP H09169124A JP 33049995 A JP33049995 A JP 33049995A JP 33049995 A JP33049995 A JP 33049995A JP H09169124 A JPH09169124 A JP H09169124A
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JP
Japan
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material layer
nozzle
ink
print head
laminated
Prior art date
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JP33049995A
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English (en)
Inventor
Kouichirou Kijima
公一朗 木島
Masato Ando
真人 安藤
Toshiki Kagami
俊樹 加々美
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクと希釈液を正確な混合比で混合し、ド
ット内の濃度階調を正確に再現し、高解像度の記録画像
の形成を可能とする。 【解決手段】 希釈液及びインクが導入され、これらを
それぞれ吐出する第1及び第2のノズル35,38を、
基板31の一主面31a上に、比較的濡れ性の良好な金
属材料よりなる第1の材料層41と比較的濡れ性の劣る
樹脂材料よりなる第2の材料層42よりなる積層材料層
32を配し、これを選択除去して形成する。そして、こ
の積層材料層32を構成する材質によってインク或いは
希釈液のどちらか一方の吐出方向を規定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクと希釈液を混
合吐出するプリントヘッドを有するプリンタ装置に関す
る。詳しくは希釈液及びインクが導入される第1及び第
2のノズル間に濡れ性の異なる材料を配することによ
り、インク或いは希釈液の定量を正確に行い、濃度階調
を正確に再現することを可能とするプリンタ装置に係わ
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、特にオフィス等においてデスクト
ップパブリッシングと称されるコンピュータを使用した
文書作成が盛んに行われるようになってきており、最近
では文字や図形だけでなく、写真様のカラーの自然画像
を文字,図形とともに出力するといった要求も増加して
きている。そして、これに伴い、高品位な自然画像をプ
リントすることが要求され、中間調の再現が重要となっ
てきている。
【0003】また、印刷信号に応じて印刷時に必要な時
だけインク液滴をノズルより吐出して紙,フィルム等の
印刷媒体に印刷する、いわゆるオンデマンド型のプリン
タ装置は、小型化,低コスト化が可能なため、近年急速
に普及しつつある。
【0004】このようにインク液滴を吐出する方法とし
ては、様々な方法が提案されているが、ピエゾ素子を用
いる方法または発熱素子を用いる方法が一般的である。
前者はピエゾ素子の変形によりインクに圧力を加えて吐
出させる方法である。後者は、発熱素子によりインクを
加熱沸騰させて発生する泡の圧力でインクを吐出させる
方法である。
【0005】そして、上記のような中間調を上述のイン
ク液滴を吐出するオンデマンド型のプリンタ装置で再現
する方法としては、様々な方法が提案されている。すな
わち、第1の方法としてはピエゾ素子或いは発熱素子に
与える電圧パルスの電圧やパルス幅を変化させて吐出す
る液滴サイズを制御し、印刷ドットの径を可変として階
調を表現するものが挙げられる。
【0006】しかしながらこの方法によると、ピエゾ素
子或いは発熱素子に与える電圧やパルス幅を下げすぎる
とインクを吐出できなくなるため、最小液滴径に限界が
あり、表現可能な階調段数が少なく、特に低濃度の表現
が困難であり、自然画像をプリントアウトするには不十
分である。
【0007】また、第2の方法としては、ドット径は変
化させずに1画素を例えば4×4のドットよりなるマト
リクスで構成し、このマトリクス単位でいわゆるディザ
法を用いて階調表現を行う方法が挙げられる。なお、こ
の場合には17階調の表現が可能である。
【0008】しかしながらこの方法で、例えば第1の方
法と同じドット密度で印刷を行った場合、解像度は第1
の方法の1/4であり、荒さが目立つため、自然画像を
プリントアウトするには不十分である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、本発明
者等は、希釈液とインクを混合し、これらの混合液滴を
吐出することにより、吐出されるインク液滴の濃度を変
化させ、印刷されるドットの濃度を制御することを可能
にし、解像度の劣化を発生させることなく階調を表現
し、自然画像をプリントアウトする方式のプリンタ装置
を提案してきた。
【0010】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
としては、吐出媒体が導入される第1のノズルと定量媒
体が導入される第2のノズルを互いに隣合うようにして
有し、第2のノズルから所定量の定量媒体を第1のノズ
ルに向けて滲み出させて当該第1のノズル開口近傍にて
吐出媒体と混合させ、第1のノズルから吐出媒体を定量
媒体と混合されている吐出媒体と共に押し出して、定量
媒体と吐出媒体を第1及び第2のノズルの面内方向に混
合吐出するようなプリントヘッドが挙げられる。なお、
上記定量媒体及び吐出媒体は、どちらか一方がインクで
あり、残りの一方が希釈液であれば良い。
【0011】そして、上記のようなプリンタ装置におい
ては、当然のことながら、ドット内の濃度階調を正確に
再現するために、希釈液とインクを正確な混合比にて混
合吐出させることが重要である。
【0012】しかしながら、上述したようなプリンタ装
置のプリントヘッドにおいては、定量媒体の定量を正確
に行うことが困難である。
【0013】すなわち、このようなプリントヘッドとし
ては、図24に模式的に示すような、基板101の上面
となる一主面101a上に、吐出媒体を吐出する第1の
ノズル102とこれに連通される第1の圧力室103を
形成する第1の孔部104と、定量媒体を吐出する第2
のノズル105とこれに連通する第2の圧力室106を
形成する第2の孔部107が形成される単層の材料層1
08が積層され、さらにこの上に蓋材109が配される
ものが挙げられる。この第1の孔部104と第2の孔部
107は第1及び第2のノズル102,105が材料層
108の端面に臨んで互いに隣合って開口するように形
成されている。
【0014】そしてこのプリントヘッドにおいては、材
料層108の第1及び第2の孔部104,107を基板
101及び蓋材109により上下方向から塞ぎ、これに
よって形成された空間により、第1のノズル102と第
1の圧力室103、第2のノズル105と第2の圧力室
106を形成するようにしている。なお、第1及び第2
の圧力室103,106の第1及び第2のノズル10
2,105に連通しない側の端部は図示しない吐出媒体
或いは定量媒体供給路に接続可能となされており、第1
及び第2のノズル102,105に吐出媒体及び定量媒
体が充填可能となされている。
【0015】このようなプリントヘッドにより印刷を行
うべく、定量媒体を第2のノズル105から第1のノズ
ル102側に向けて滲み出させると、図25に示すよう
に、定量媒体110は第2のノズル105の開口近傍に
等方的に広がり、必ずしも第1のノズル102側に向け
て滲み出すわけではない。
【0016】従って、所定量の定量媒体の全量が第1の
ノズル102の開口近傍において吐出媒体と混合される
とは限らず、定量媒体と吐出媒体の混合比にズレが生じ
る可能性がある。このような現象は、インクを定量媒体
とし、希釈液を吐出媒体とするプリントヘッドにより低
濃度のドットを形成しようとする場合に特に顕著であ
る。
【0017】また、このようなプリントヘッドにおいて
は、定量媒体を第2のノズル105から滲み出させた後
に、この定量媒体を第2のノズル105内に引き込み、
所定量の定量媒体のみを第1のノズル102の開口近傍
内に残存させる必要がある。しかし、上記のように所定
量の定量媒体が第2のノズル105の開口近傍に等方的
に広がっていると、第2のノズル105内に定量媒体を
引き込む際に、第1のノズル102側に滲み出さなかっ
た定量媒体が再度、第2のノズル105内に入り込むこ
ととなり、次回の印刷時の定量の際にこれを上乗せした
量を定量することとなってしまい、定量媒体と吐出媒体
の混合比にズレが生じる可能性がある。
【0018】このように定量媒体と吐出媒体、すなわち
インクと希釈液が正確な混合比で混合されないと、ドッ
ト内の濃度階調を正確に再現することができず、記録画
像の解像度を損なってしまう。
【0019】そこで本発明は、従来の実状に鑑みて提案
されたものであり、インクと希釈液を正確な混合比で混
合し、ドット内の濃度階調を正確に再現し、高解像度の
記録画像の形成を可能とするプリンタ装置を提供するこ
とを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討した結果、プリンタ装置のプ
リントヘッドの吐出媒体として希釈液或いはインクの一
方を吐出する第1のノズルと定量媒体として希釈液或い
はインクの残りの一方を吐出する第2のノズルの間に希
釈液或いはインクが伝わり易い部分を形成し、希釈液或
いはインクの吐出方向、言い換えれば、滲み出し方向
(定量方向)に方向性を持たせるようにすれば良いこと
を見い出した。
【0021】すなわち本発明は、インクと希釈液とを混
合し、該インクと希釈液の混合液滴を吐出するプリンタ
装置のプリントヘッドを、基板の一主面上に、希釈液が
導入されて該希釈液を吐出する第1のノズルとインクが
導入されて該インクを吐出する第2のノズルを混合液滴
が第1及び第2のノズルの面内方向に吐出されるように
開口して配したものとし、この第1及び第2のノズルを
異なる2種類以上の材質よりなる積層材料層を選択除去
して形成し、上記積層材料層を構成する材質によってイ
ンク或いは希釈液のどちらか一方の吐出方向(定量方
向)を規定することを特徴とするものである。
【0022】また、上記本発明のプリンタ装置において
は、積層材料層を構成する材料層が、比較的濡れ性の良
好な材料よりなる材料層と比較的濡れ性の劣る材料より
なる材料層を含むことが好ましい。
【0023】なお、上記本発明のプリンタ装置のプリン
トヘッドの積層材料層を構成する材料層の材料のうち、
比較的濡れ性の良好な材料としては金属材料等が挙げら
れ、比較的濡れ性の劣る材料としては感光性樹脂材料や
ポリイミド等が挙げられ、積層材料層を構成する材料層
が上述した材料よりなる層を含むことが好ましい。
【0024】また、上記本発明のプリンタ装置において
は、プリントヘッドの濡れ性の良好な材料よりなる材料
層のノズル開口面が他の材料層のノズル開口面に対して
凹部となされていることが好ましい。
【0025】本発明のプリンタ装置においては、希釈液
及びインクが導入され、これらをそれぞれ吐出する第1
及び第2のノズルを、異なる2種類以上の材質よりなる
積層材料層を選択除去して形成し、上記積層材料層を構
成する材質によってインク或いは希釈液のどちらか一方
の吐出方向を規定するようにしているため、定量側とさ
れる方の吐出方向を吐出媒体が吐出されるノズル側に向
かう方向とすれば、定量媒体は吐出媒体が吐出されるノ
ズル側に向かって滲み出し、定量媒体と吐出媒体が正確
な混合比にて混合される。
【0026】なお、本発明のプリンタ装置において、積
層材料層を構成する材料層を、比較的濡れ性の良好な材
料よりなる材料層と比較的濡れ性の劣る材料よりなる材
料層を含むものとすれば、第1のノズルと第2のノズル
間には濡れ性の比較的良好な部分とこれに比べて濡れ性
が劣る部分が存在することとなる。従って、このプリン
タ装置においては、上記濡れ性の良好な部分により、イ
ンク或いは希釈液の吐出方向が容易に規定される。
【0027】また、本発明のプリンタ装置において、プ
リントヘッドの濡れ性の良好な材料よりなる材料層のノ
ズル開口面が他の材料層のノズル開口面に対して凹部と
なされていれば、この濡れ性の良好な部分は濡れ性だけ
でなく形状においてもインク或いは希釈液の吐出方向を
規定することとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】本発明のプリンタ装置が搭載された液体噴
射記録装置としては、図1に示すような構成のいわゆる
シリアル型のものが挙げられる。すなわち、被印刷物で
あるプリント紙1が支持されるドラム2と、本発明を適
用したプリンタ装置を構成し、上記プリント紙1に印刷
を行うプリントヘッド3により主に構成されるものであ
る。
【0030】このとき、上記プリント紙1は、ドラム2
の軸方向に平行に設けられた紙圧着ローラ4により、ド
ラム2に圧着保持されている。また、上記ドラム2の外
周近傍には、送りネジ5がドラム2の軸方向に平行に設
けられている。そして、この送りネジ5には、プリント
ヘッド3が保持されている。すなわち、かかるプリント
ヘッド3は、送りネジ5の回転によって、図中矢印Mで
示すようにドラム2の軸方向に移動するようになってい
る。
【0031】一方、ドラム2は、プーリ6、ベルト7、
プーリ8を介してモータ9により図中矢印mで示すよう
に回転駆動される。さらに、送りネジ5及びモータ9の
回転とプリントヘッド3は、ヘッドドライブ,ヘッド送
り制御,ドラム回転制御10により印画データ及び制御
信号11に基づいて駆動制御される。
【0032】上記の構成においては、プリントヘッド3
が移動して1行分の印字を行うと、ドラム2を1行分だ
け回転させて次の印字を行う。プリントヘッド3が移動
し、印字する場合は、一方向の場合と往復方向の場合と
がある。
【0033】本発明のプリンタ装置が搭載された液体噴
射記録装置としては、図2に示すような構成のいわゆる
ライン型のものも挙げられる。この液体噴射記録装置
は、図2に示すように、図1に示した液体噴射記録装置
と略同様の構成を有するものであり、送りネジ5により
保持され、この送りネジ5の回転によりドラム2の軸方
向に移動可能となされるプリントヘッド3の代わりにド
ラム2の軸方向に複数のプリントヘッドが固定されて配
列されるプリントヘッド12が配されてなるものであ
る。すなわち、上記プリントヘッド12においては、一
行分の印字が同時に行われることとなり、1行分の印字
を行うと、ドラム2を1行分だけ回転させて次の印字を
行う。さらに、この場合には、一行分を一括して印字す
る他、一行分を複数のブロックに分割する、或いは一行
おきに交互に印字するといったことも可能である。
【0034】このような液体噴射記録装置における印字
及び制御系のブロック図を図3に示す。印字データなど
の信号入力21は、信号処理制御回路22に入力され、
この信号処理制御回路22において印字順番に揃えられ
て、ドライバ23を介してヘッド24(プリントヘッ
ド)に送られる。印字順番は、ヘッド24や印字部の構
成で異なり、また印字データの入力順番との関係もあ
り、必要に応じてラインバッファメモリや1画面メモリ
などのメモリ25に一旦記録してから取り出す。ヘッド
24には、階調信号や吐出信号を入力する。
【0035】なお、マルチヘッドでノズル数が非常に多
い場合には、ヘッド24にICを搭載してヘッド24に
接続する配線数を減らすようにする。また、信号処理制
御回路22には、補正26が接続されており、γ補正、
カラーの場合の色補正、各ヘッドのばらつき補正などを
行う。補正26には、予め決められた補正データをRO
Mマップ形式で格納しておき、外部条件、例えばノズル
番号、温度、入力信号などに応じて取り出すようにする
のが一般的である。
【0036】信号処理制御回路22は、CPUやDSP
構成としてソフトウエアで処理することが一般的であ
り、処理された信号は各種制御モータ駆動その他27に
送られる。各種制御モータ駆動その他27では、ドラム
及び送りネジを回転駆動するモータの駆動、同期、ヘッ
ドのクリーニング、プリント紙の供給、排出などの制御
を行う。また、信号には、印字データ以外の操作部信号
や外部制御信号が含まれることは言うまでもない。
【0037】次に、本発明のプリンタ装置を構成するプ
リントヘッド3の構成について示す。ただし、ここでは
希釈液にインクを混合しながらこれらを混合吐出する、
いわゆるキャリアジェット方式のプリンタ装置のプリン
トヘッドの例について述べ、複数のノズル組を有するプ
リントヘッドの例について述べ、前述の液体噴射記録装
置の構造に対応するだけの複数のノズル組を有するもの
とする。
【0038】上記プリントヘッドは、図4に示すよう
に、基板31の上面となる一主面31a上に、前面とな
る端面32aに臨んで開口する図示しない第1及び第2
のノズルよりなるノズル組を複数形成する積層材料層3
2を積層し、さらにその上に振動板33が積層され、さ
らに複数のピエゾ素子等の圧電素子34が配されてなる
ものである。
【0039】このプリントヘッドにおいては、図5に模
式的に示すように(図5中には1組のノズル組のみを示
すこととする。)、吐出媒体として希釈液が導入される
第1のノズル35と定量媒体としてインクが導入される
第2のノズル38を互いに隣合うようにして開口して有
する。
【0040】なお、このプリントヘッドにおいては、第
2のノズル38から所定量のインクを第1のノズル35
に向けて滲み出させて当該第1のノズル35開口近傍に
て希釈液と混合させ、第1のノズル38から希釈液をイ
ンクと混合されている希釈液と共に押し出して、インク
と希釈液を第1及び第2のノズル35,38の面内方向
に混合吐出する。
【0041】そして、このプリントヘッドにおいては、
基板31の上面となる一主面31a上に積層される積層
材料層32に、第1のノズル35とこれに連通される第
1の圧力室36を形成するために選択的に除去されてな
る第1の孔部37と、第2のノズル38とこれに連通す
る第2の圧力室39を形成するために選択的に除去され
てなる第2の孔部40が形成されている。
【0042】上記第1の孔部37は平面略長方形の第1
の圧力室36形成部分と幅狭の平面長方形の第1のノズ
ル35形成部分とをテーパー部分により接続した平面形
状をなし、第2の孔部40も平面略長方形の第2の圧力
室39形成部分と幅狭の平面長方形の第1のノズル38
形成部分とをテーパー部分により接続した平面形状をな
すものであるが、第2の孔部40の第2のノズル38形
成部分は当該第2のノズル38が第1のノズル35に対
して近接して隣合うように屈曲したものとなされてい
る。また、これら第1及び第2の孔部37,40は、積
層材料層32の厚さ方向だけでなく、第1及び第2のノ
ズル35,38形成部分が前面となる端面32aに臨ん
で開口するように形成されている。
【0043】そして、この積層材料層32上に蓋材とし
て機能する振動板33を配して、この第1及び第2の孔
部37,40を基板31と振動板33により上下方向か
ら塞ぐことで形成される空間により、前面となる端面3
2aに臨んで開口する第1のノズル35とこれに連通す
る第1の圧力室36、同じく端面32aに臨み、第1の
ノズル35に隣合うようにして開口する第2のノズル3
8とこれに連通する第2の圧力室39が形成されてい
る。
【0044】なお、第1及び第2の圧力室36,39の
第1及び第2のノズル35,38の連通しない側の端部
は図示しない希釈液或いはインク供給路に接続可能とな
されており、第1及び第2のノズル35,38に希釈液
及びインクが充填可能となされている。
【0045】さらに、複数のノズル組の第1及び第2の
圧力室36,39の上には振動板33を介して上述のよ
うな複数の圧電素子34がそれぞれ対応するように配さ
れている。なお、図5中においては図示を省略する。こ
の場合、第1及び第2の圧力室36,39を平面略長方
形としていることから、この上に配される圧電素子34
も平面略長方形とされている。
【0046】すなわち、上記プリントヘッドを圧電素子
34側から見ると、このプリントヘッドは前述のように
複数のノズル組を有することから、図6に示すように振
動板33上に平面略長方形の複数の圧電素子34が並列
して配されていることとなり、一方側面側から見ると、
図7に示すように基板31の一主面31a上の振動板3
3上に短冊上の圧電素子34が配されることとなる。
【0047】上記圧電素子34としては、前述のように
ピエゾ素子が使用され、例えば圧電材と導電材を交互に
積層した積層ピエゾ素子が使用される。この積層ピエゾ
素子としては、振動板33の面内方向を積層方向として
積層したもの、或いは振動板33の面内方向と直交する
方向を積層方向として積層したもののどちらを使用して
も良い。積層ピエゾ素子は電圧を加えられるとその積層
方向に伸びる特性を有している。
【0048】このため、前者の積層ピエゾ素子は、電圧
の印加により振動板33の面内方向に伸びる一方で、こ
れと直交する方向には縮むこととなる。従って、この積
層ピエゾ素子は、第1及び第2の圧力室36,39に圧
力を付与しないようになる。このような積層ピエゾ素子
をd31モードの積層ピエゾ素子と称する。
【0049】一方の後者の積層ピエゾ素子においては、
電圧を加えると振動板33の面内方向と直交する方向に
伸び、第1及び第2の圧力室36,39に圧力を付与す
るようになる。このような積層ピエゾ素子をd33モード
の積層ピエゾ素子と称する。
【0050】そして、本例のプリンタ装置においては、
特に、プリントヘッドの積層材料層32が、金属材料よ
りなる第1の材料層41と感光性樹脂材料よりなる第2
の材料層42の2層により構成されている。なお、上記
金属材料としては、濡れ性が比較的良好なニッケル,ス
テンレス等が挙げられ、上記感光性樹脂材料としては、
濡れ性が比較的良好ではないアクリル或いはエポキシ
系,アクリルとエポキシの混合物等のドライフィルム等
が挙げられる。
【0051】次に、このような構成のプリンタ装置の圧
電素子34として例えばいわゆるd33モードの積層ピエ
ゾ素子を使用して印刷を行う場合の駆動電圧の印加タイ
ミングとこれに応じたプリントヘッドの動作を併せて示
す。
【0052】すなわち、図8(a)に示すように、印刷
前の待機時、図中(A)で示す時点において、予め第1
の圧力室36に対応する第1の積層ピエゾ素子に例えば
10[V]を印加しておく。
【0053】この印刷待機状態においては、図9に示さ
れるように、第1のノズル35に希釈液43が充填さ
れ、第2のノズル38にインク44が充填され、各ノズ
ル開口部にそれぞれメニスカスが形成されている。
【0054】そして、印刷時には、信号に基づいて、先
ず第1のノズル35への希釈液43の引き込みを行うべ
く、図中(B)で示す時点で第1の積層ピエゾ素子の印
加電圧を0[V]にする。これにより、第1の積層ピエ
ゾ素子は縮小し第1の圧力室36の体積が増加し内圧が
負圧となり、希釈液43は第1のノズル35内に引き込
まれる。
【0055】そしてこれと同時、または少し遅れて図8
(b)に示すように、第2のノズル38からインク44
を押し出して滲み出させるべく、図中(C)で示す時点
で第2の圧力室39に対応する第2の積層ピエゾ素子に
駆動電圧、例えば10[V]を150[μsec]与
え、第2の積層ピエゾ素子を長手方向に伸長させ、振動
板33を介して第2の圧力室39に加圧し、第2のノズ
ル38に内圧を加える。
【0056】すると、図10に示すように、インク44
が第2のノズル38から押し出される。このとき、本例
のプリンタ装置においては、積層材料層32の第2の孔
部40の第2のノズル38形成部分を第1のノズル35
に近接して隣合うように屈曲させており、当然のことな
がらインク44は第2のノズル38から第1のノズル3
5に向けて押し出されることとなる。
【0057】さらに、このとき、本例のプリンタ装置に
おいては、積層材料層32を金属材料よりなる第1の材
料層41とドライフィルム等の感光性樹脂材料よりなる
第2の材料層42の2層により構成しており、第1のノ
ズル35と第2のノズル38間を結ぶようにして比較的
濡れ性の良好な金属材料よりなる第1の材料層41が存
在することとなり、インク44は、インクに対して上記
比較的濡れ性の良好な金属材料よりなる第1の材料層4
1の部分を伝うようにして押し出される。
【0058】さらには、図11に示すように、第2のノ
ズル38の開口部から第1のノズル35の開口付近まで
滲み出し、当該第1のノズル35の開口付近で希釈液4
3と接触する。
【0059】その後、第2のノズル38内にインク44
を引き込むべく、図8(b)中(D)で示す時点で第2
の積層ピエゾ素子の駆動電圧を0[V]に下げると、図
12に示すように、積層材料層32の一主面32a上に
残存するインク44は、第1のノズル35内のインク4
4と分離されるとともに、安定な位置、すなわち第2の
ノズル38開口部に、再びメニスカスを形成するために
第2のノズル38に引き込まれていく。
【0060】このとき、本例のプリンタ装置において
は、前述のように、インク44が比較的濡れ性の良好な
金属材料よりなる第1の材料層41の部分を伝うように
して押し出されているため、インク44の広がっている
範囲が狭く、上記のようなインク44の分離が安定して
行われる。
【0061】その結果、第1のノズル35内に所定量の
インクが残存してインクの定量が行われ、第1のノズル
35開口近傍においては、希釈液43と所定量のインク
44の混合溶液45が形成される。
【0062】なお、図8(b)中Tで示し、図中(C)
で示す時点と図中(D)で示す時点間で示されるインク
定量パルス幅は可変である。
【0063】さらにこの状態で、第1のノズル35に再
充填されている希釈液43を吐出するべく、図8(a)
中に示すように、再充填の状態の図中(E)で示す時点
から図中(F)で示す時点で第1の積層ピエゾ素子に駆
動電圧として、例えば20[V]を100[μsec]
加え、振動板33を介して第1の圧力室36に加圧し、
第1のノズル35に内圧を加える。その結果、図中
(G)で示す時点では上記第1のノズル35内の内圧に
よって希釈液43が押し出され、これと共に第1のノズ
ル35の開口近傍の混合溶液45も押し出され、第1の
ノズル35からは所定濃度の混合液滴が吐出され、これ
が前述のプリント紙1に被着して印刷が行われる。
【0064】この希釈液43の押し出し動作は、第1の
ノズル35の開口近傍の混合溶液45が当該第1のノズ
ル35の奥まで拡散するよりも前に行う必要がある。
【0065】このように希釈液43を押し出せば、図1
3に示すように、所定濃度の混合液滴46を吐出した後
の第1のノズル35内の希釈液43内にインクが残存す
ることはない。
【0066】この後、第1のノズル35に希釈液43を
引き込むべく、図8(a)中(H)で示す時点で第1の
積層ピエゾ素子の電圧を10[V]に下げると、第1の
積層ピエゾ素子の縮小により第1の圧力室36および第
1のノズル35の内圧は負圧となり、これにより希釈液
43は、第1のノズル35内に引き込まれる。この後、
第1の圧力室36及び第1のノズル35の内圧はやがて
元に戻り、図中(I)及び(J)で示す時点において
は、希釈液43は毛細管現象により第1のノズル35に
再充填され、再度メニスカスを形成し、図9に示した状
態に戻る。
【0067】そして、図8(a),図8(b)に示され
るように、周期を例えば1[msec]として上記動作
を繰り返すことで印刷がなされる。
【0068】次に、上記プリントヘッドの駆動回路を図
14に示す。すなわち、デジタル中間調データが他ブロ
ックより供給され、シリアルパラレル変換回路211に
より各インク定量部(第2の積層ピエゾ素子)制御回路
213および吐出制御回路214に送られる。シリアル
パラレル変換回路211より与えられたデジタル中間調
データが所定のしきい値以下の場合は、インク定量およ
び吐出は行わない。印字タイミングになると、他ブロッ
クから印字トリガが出力され、タイミング制御回路21
2がそれを検出し、所定のタイミングでインク定量部コ
ントロール信号と吐出コントロール信号をそれぞれイン
ク定量部(第2の積層ピエゾ素子)制御回路213およ
び吐出制御回路214に出力する。それぞれの信号は、
先に図8で示したタイミングで出力される。これにした
がって、インク定量部(第2の積層ピエゾ素子)215
および吐出部(第1のピエゾ素子)216に所定電圧が
印加される。
【0069】本例のプリントヘッドにおいては、希釈液
43及びインク44が導入され、これらをそれぞれ吐出
する第1及び第2のノズル35,38を、異なる2種類
以上の材質よりなる第1及び第2の材料層41,42よ
りなる積層材料層32を選択除去して形成し、第1の材
料層41を比較的濡れ性の良好な金属材料よりなるもの
とし、第2の材料層42を比較的濡れ性の劣る樹脂材料
よりなるものとしているため、第1のノズル35と第2
のノズル38間にはこれらの間を結ぶようにして濡れ性
の比較的良好な部分とこれに比べて濡れ性が劣る部分が
存在することとなる。
【0070】従って、このプリンタ装置においては、イ
ンク44は濡れ性の良好な第1の材料層41に沿って第
2のノズル38から第1のノズル35に向かって滲み出
し、定量側とされるインク44の吐出方向(滲み出し方
向)が容易に規定され、インク44が正確に定量され
る。
【0071】その結果、インクと希釈液が正確な混合比
にて混合され、ドット内の濃度階調が正確に再現され、
高解像度の記録画像が形成される。このことは、低濃度
の記録画像を形成しようとする場合に特に効果が高い。
【0072】次に、上記のようなプリンタ装置のプリン
トヘッドの製造方法について述べる。すなわち、先ず、
図15に示すように、基板31の上面となる1主面31
a上に、例えばメッキ法等の手法によりニッケル等の金
属材料よりなる比較的濡れ性の良好な第1の材料層41
を形成する。
【0073】次に、図16に示すように、この第1の材
料層41の上にドライフィルム等の感光性樹脂材料より
なる比較的濡れ性が劣る第2の材料層42を積層形成
し、積層材料層32を形成する。
【0074】続いて、上記第2の材料層42に対し、フ
ォトマスク等を使用したフォトリソグラフィー工程によ
り、図17に示すように、第1のノズル及び第1の圧力
室に対応する形状の第1の孔部37aと第2のノズル及
び第2の圧力室に対応する形状の第2の孔部40aを形
成する。
【0075】さらに、上記第2の材料層42をマスク材
として第1の材料層41に対し、塩化第2鉄溶液等に浸
すこと等によってエッチングを行う。その結果、図18
に示すように、第1の材料層41における第2の材料層
42の第1の孔部37a及び第2の孔部40aに対応す
る位置がエッチングされ、第1の孔部37b及び第2の
孔部40bが形成され、第1及び第2の材料層41,4
2よりなる積層材料層32を貫通する第1及び第2の孔
部37,40が形成されることとなる。
【0076】このように、感光性樹脂材料よりなる第2
の材料層42をマスク材とし、他の材料層(ここでは第
1の材料層41)に貫通孔をエッチング等の手法により
形成するようにすれば、アスペクト比(深さ/幅)の高
い形状の貫通孔も精度良好に形成される。
【0077】次に、図19に示すように、積層材料層3
2の上に振動板33を積層し、ホットプレス等の手段に
より、第2の材料層42を接着層として機能させて、振
動板33の接着を行う。
【0078】この結果、積層材料層32の第1及び第2
の孔部37,40が上下方向から基板31と振動板33
により塞がれることとなり、これにより形成される空間
が前述のように第1のノズル及び第1の圧力室と第2の
ノズル及び第2の圧力室を形成することとなる。
【0079】そして最後に、第1及び第2のノズルの先
端加工を行うべく、図20に示すように、基板31の前
面となる一主面31b、積層材料層32のノズル開口面
で前面となる一主面32a、振動板33の前面となる一
主面33a側にダイシングブレード50を当接させてダ
イシング加工を行う。
【0080】本例のプリンタ装置においては、このよう
に最後にダイシング加工を行って第1及び第2のノズル
の先端加工を行うようにしていることから、基板31と
してかなり面積の大きな基板を使用し、一度に多数の第
1及び第2のノズルよりなるノズル組を形成し、必要な
大きさに分割するようにしても良く、量産性が非常に良
好である。
【0081】また、本例のプリンタ装置のプリントヘッ
ドにおいては、ドライフィルム等の感光性樹脂材料より
なる第2の材料層42を接着層として機能させているこ
とから、これを製造工程中において剥離する必要がな
い。
【0082】例えば、プリント配線板業界においては、
ドライフィルム等の感光性樹脂材料をエッチングの際の
マスク材等として多用しているが、このようにエッチン
グのマスク材として使用する場合には、エッチング後に
このマスク材を剥離する必要がある。そして、当然のこ
とながら、これを回収するようにしており、この使用済
みのドライフィルム等の感光性樹脂材料を管理する必要
がある。しかしながら、本例のプリンタ装置のプリント
ヘッドにおいては、ドライフィルム等の感光性樹脂材料
を回収する必要がなく、その管理の必要もない。
【0083】上述の例においては、プリンタ装置のプリ
ントヘッドの積層材料層が2層の材料層により構成され
ている例について述べたが、本発明を適用したプリンタ
装置としては積層材料層をさらに多層化したプリントヘ
ッドを有するものも挙げられる。
【0084】すなわち、前述のプリントヘッドと略同様
の構成を有するものであり、図21に示すように積層材
料層32が、比較的濡れ性の良好な第1の材料層41と
比較的濡れ性の劣る第2の材料層42の他に、比較的濡
れ性の劣る第3の材料層51により構成されているもの
である。なお、ここでは、前述のプリントヘッドと異な
る部分のみを説明することとする。
【0085】基板31を構成する材料としては、シリコ
ンやガラス等の材料が挙げられる。この中でガラスは比
較的濡れ性の良好な材料であり、ガラスよりなる基板を
使用した場合には、第2のノズルから滲み出したインク
が、この基板の方へ流れ出してしまう可能性がある。
【0086】そこで、本例のプリンタ装置においては、
積層材料層32を比較的濡れ性の良好な第1の材料層4
1を比較的濡れ性の劣る第2及び第3の材料層42,5
1で厚さ方向から挟み込んだ構成としている。
【0087】この第3の材料層51を構成する材料とし
ては、第2の材料層42と同様のドライフィルム等の感
光性樹脂材料の他、ポリイミドフィルムやエポキシ接着
フィルム等の熱可塑性の樹脂材料等が挙げられ、耐薬品
性の強いポリイミド等の樹脂材料が好ましい。また、こ
の第3の材料層51には孔部を形成する必要はない。
【0088】本例のプリンタ装置のプリントヘッドを製
造する方法としては、前述のプリンタ装置のときと同様
に、金属材料よりなる第1の材料層41をパターニング
する方法が考えられる。
【0089】また、本発明を適用したプリンタ装置のプ
リントヘッドとしては、上述のプリンタ装置のプリント
ヘッドの感光性樹脂材料よりなる第2の材料層の代わり
にポリイミド等よりなる第3の材料層と同様の材料層を
形成したものも挙げられる。
【0090】このようなプリンタ装置のプリントヘッド
を製造する方法としては、振動板33の上に第2の材料
層42の代わりの第3の材料層と同様の材料よりなり所
定の孔部を有する材料層を形成し、この材料層の上のみ
に金属材料よりなる第1の材料層41を形成し、その上
に第3の材料層51を形成した上で、第3の材料層51
を接着層として機能させて基板31と貼り合わせる方法
が挙げられる。
【0091】なお、このプリンタ装置において、第3の
材料層51とこれと同様の材料層をポリイミドにより構
成するようにすれば、感光性樹脂材料よりなる第2の材
料層を使用する場合と比較して耐薬品性が良好となる。
【0092】これらのプリンタ装置においても、先に述
べたプリンタ装置と同様に、第1のノズル35と第2の
ノズル38間にこれらの間を結ぶようにして濡れ性の比
較的良好な部分とこれに比べて濡れ性が劣る部分が存在
することとなる。
【0093】従って、このプリンタ装置においては、上
記濡れ性の良好な第1の材料層41に沿ってインク44
が第2のノズル38から第1のノズル35に向かって滲
み出し、その滲み出す方向が規定されることとなり、イ
ンク44が正確に定量される。
【0094】さらに、これらのプリンタ装置において
は、第1のノズル35と第2のノズル38の間におい
て、比較的濡れ性の良好な部分が比較的濡れ性の劣る部
分に厚さ方向から挟まれた状態で配されており、インク
44の滲み出す方向は前述のプリンタ装置よりもさらに
規定されることとなる。
【0095】その結果、インク44と希釈液43がさら
に正確な混合比にて混合され、ドット内の濃度階調がさ
らに正確に再現され、より高解像度の記録画像が形成さ
れる。このことは、低濃度の記録画像を形成しようとす
る場合に特に効果が高い。
【0096】さらに、本発明を適用したプリンタ装置の
プリントヘッドとしては、積層材料層の比較的濡れ性の
良好な第1の材料層のノズル開口面が他の材料層のノズ
ル開口面に対して凹部となされているようなプリントヘ
ッドも挙げられる。
【0097】すなわち、図22及び図23に示すよう
に、これまで述べたプリンタ装置のプリントヘッドと略
同様の構成を有するものであり、積層材料層32を構成
する比較的濡れ性の良好な第1の材料層41の前面であ
り、ノズルが開口する面である一主面41aが、比較的
濡れ性の劣る第2及び第3の材料層42,51の前面で
ありノズルが開口する面である一主面42a,51aに
対して凹部となされているものである。
【0098】このようなプリンタ装置のプリンタヘッド
を製造する方法としては、これまで述べたような方法で
プリントヘッドを製造した後、第1の材料層41の一主
面41a側の表面近傍をエッチングして凹部とすれば良
い。
【0099】この場合、ノズル開口面にダイシング加工
を行った後にエッチングを行うこととなるが、本例のプ
リンタ装置のプリントヘッドにおいては、エッチングす
べき金属材料よりなる第1の材料層41を樹脂材料より
なる第2及び第3の材料層42,51により厚さ方向か
ら挟み込んでおり、この第2及び第3の材料層42,5
1がマスク材としても機能し、第1の材料層41のみが
エッチングされることとなる。
【0100】なお、例えば従来のプリンタ装置のプリン
トヘッドにおいて、ノズルの形成される単層の材料層の
ノズル開口面のみをエッチングしようとする場合には、
基板及び蓋材のノズル開口面に対してマスク材を配する
必要があり、工程数が増加してしまう。また、このよう
な面にマスク材を形成するためにレジストを均一に塗布
したり、マスクを介したリソグラフィーは非常に困難で
ある。
【0101】従って、上記本例のプリンタ装置において
は、特別な工程や装置を要すること無く、ノズル開口面
の加工が行われ、工程数を不用意に増加させることもな
く、製造コストを不用意に増加させることもない。
【0102】本例のプリンタ装置においては、プリント
ヘッドの濡れ性の良好な金属材料よりなる第1の材料層
41の第1及び第2のノズル35,38が開口する一主
面41aが他の第2及び第3の材料層42,51のノズ
ルが開口する一主面42a,51aに対して凹部とされ
ているため、この濡れ性の良好な部分はインクの通路と
して機能し、濡れ性の差だけでなく形状においてもイン
クの滲み出し方向を規定することとなる。
【0103】その結果、インク44と希釈液43の混合
比がさらに正確となり、ドット内の濃度階調がさらに正
確に再現され、より高解像度の記録画像が形成される。
【0104】なお、これまでの例においては、キャリア
ジェット方式のプリンタ装置について述べてきたが、本
発明がインクに希釈液を混合しながら吐出する濃度変調
型のインクジェット方式のプリンタ装置にも適用可能で
あることは言うまでもない。
【0105】濃度変調型のインクジェット方式のプリン
タ装置においては、低濃度の表現力がキャリアジェット
方式のプリンタ装置に比較して劣るものの、逆に高濃度
部分において十分なインク濃度を得ることができる。
【0106】また、キャリアジェット方式及び濃度変調
型のインクジェット方式の何れにおいても、いわゆる連
続階調記録が可能であるため、特に写真画像等の印刷を
行う場合、滑らかな濃淡表現が可能であり、好適であ
る。
【0107】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明のプリンタ装置においては、希釈液及びインクが導入
され、これらをそれぞれ吐出する第1及び第2のノズル
を、異なる2種類以上の材質よりなる積層材料層を選択
除去して形成し、上記積層材料層を構成する材質によっ
てインク或いは希釈液のどちらか一方の吐出方向を規定
するようにしているため、定量側とされる方の吐出方向
を吐出媒体が吐出されるノズル側に向かう方向とすれ
ば、定量媒体は吐出媒体が吐出されるノズル側に向かっ
て滲み出し、定量媒体と吐出媒体が正確な混合比にて混
合される。
【0108】なお、本発明のプリンタ装置において、積
層材料層を構成する材料層を、比較的濡れ性の良好な材
料よりなる材料層と比較的濡れ性の劣る材料よりなる材
料層を含むものとすれば、第1のノズルと第2のノズル
間には濡れ性の比較的良好な部分とこれに比べて濡れ性
が劣る部分が存在することとなる。従って、このプリン
タ装置においては、上記濡れ性の良好な部分により、イ
ンク或いは希釈液の吐出方向が容易に規定される。
【0109】従って、本発明のプリンタ装置において
は、ドット内の濃度階調が正確に再現され、高解像度の
記録画像が形成される。
【0110】また、本発明のプリンタ装置において、プ
リントヘッドの濡れ性の良好な材料よりなる材料層のノ
ズル開口面が他の材料層のノズルが開口する面に対して
凹部となされていれば、この濡れ性の良好な部分は濡れ
性だけでなく形状においてもインク或いは希釈液の吐出
方向を規定することとなり、定量媒体と吐出媒体の混合
比がさらに正確となり、より高解像度の記録画像が形成
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された液
体噴射記録装置の一例を模式的に示す要部概略斜視図で
ある。
【図2】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された液
体噴射記録装置の他の例を模式的に示す要部概略斜視図
である。
【図3】本発明を適用したプリンタ装置の搭載された液
体噴射記録装置の一例の印字及び制御系のブロック図で
ある。
【図4】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を示す正面図である。
【図5】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を模式的に示す要部拡大斜視図である。
【図6】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を示す平面図である。
【図7】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例を示す側面図である。
【図8】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例の駆動電圧の印加タイミングを示すチャートで
ある。
【図9】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘッ
ドの一例の駆動時の動作を動作順に示すものであり、第
1及び第2のノズルに希釈液及びインクが充填されてい
る状態を示す正面図である。
【図10】第2のノズルからインクが押し出された状態
を示す正面図である。
【図11】インクが第1のノズルの開口付近で希釈液に
接触している状態を示す正面図である。
【図12】インクが第2のノズルに引き込まれていく状
態を示す正面図である。
【図13】混合液滴が吐出された後の状態を示す断面図
である。
【図14】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの一例の駆動回路を示す回路ブロック図である。
【図15】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの一例の製造方法を工程順に示すものであり、基板
上に第1の材料層を形成する工程を示す断面図である。
【図16】第1の材料層上に第2の材料層を積層形成す
る工程を示す断面図である。
【図17】第2の材料層に第1及び第2の孔部を形成す
る工程を示す断面図である。
【図18】第1の材料層に第1及び第2の孔部を形成す
る工程を示す断面図である。
【図19】振動板の接着を行う工程を示す断面図であ
る。
【図20】ダイシング加工を行う工程を示す断面図であ
る。
【図21】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドの他の例を模式的に示す要部拡大斜視図である。
【図22】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドのさらに他の例を模式的に示す要部拡大斜視図であ
る。
【図23】本発明を適用したプリンタ装置のプリントヘ
ッドのさらに他の例を示す側面図である。
【図24】従来のプリンタ装置のプリントヘッドを模式
的に示す要部拡大斜視図である。
【図25】従来のプリンタ装置のプリントヘッドを示す
要部拡大平面図である。
【符号の説明】
31 基板 32 積層材料層 32a 一主面 33 振動板 35 第1のノズル 37 第1の孔部 38 第2のノズル 40 第2の孔部 41 第1の材料層 42 第2の材料層 51 第3の材料層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクと希釈液とを混合し、該インクと
    希釈液の混合液滴を吐出するプリントヘッドを有するプ
    リンタ装置において、 上記プリントヘッドが、基板の一主面上に、希釈液が導
    入されて該希釈液を吐出する第1のノズルとインクが導
    入されて該インクを吐出する第2のノズルが混合液滴を
    第1及び第2のノズルの面内方向に吐出するように開口
    して配されて構成され、上記第1及び第2のノズルが異
    なる2種類以上の材質よりなる積層材料層を選択除去す
    ることにより形成されており、上記積層材料層を構成す
    る材質によってインク或いは希釈液のどちらか一方の吐
    出方向が規定されることを特徴とするプリンタ装置。
  2. 【請求項2】 積層材料層を構成する材料層が、比較的
    濡れ性の良好な材料よりなる材料層と比較的濡れ性の劣
    る材料よりなる材料層を含むことを特徴とする請求項1
    記載のプリンタ装置。
  3. 【請求項3】 積層材料層を構成する比較的濡れ性の劣
    る材料層が感光性樹脂材料よりなることを特徴とする請
    求項1記載のプリンタ装置。
  4. 【請求項4】 積層材料層を構成する比較的濡れ性の劣
    る材料層がポリイミドよりなることを特徴とする請求項
    1記載のプリンタ装置。
  5. 【請求項5】 積層材料層を構成する比較的濡れ性の良
    好な材料層が金属材料よりなることを特徴とする請求項
    1記載のプリンタ装置。
  6. 【請求項6】 比較的濡れ性の良好な材料よりなる材料
    層のノズル開口面が他の材料層のノズル開口面に対して
    凹部となされていることを特徴とする請求項1記載のプ
    リンタ装置。
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