JPH10119171A - 透明導電基板 - Google Patents

透明導電基板

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JPH10119171A
JPH10119171A JP8279229A JP27922996A JPH10119171A JP H10119171 A JPH10119171 A JP H10119171A JP 8279229 A JP8279229 A JP 8279229A JP 27922996 A JP27922996 A JP 27922996A JP H10119171 A JPH10119171 A JP H10119171A
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JP
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layer
transparent conductive
laminated
conductive substrate
epoxy resin
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JP8279229A
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Inventor
Kazuo Hachiman
一雄 八幡
Toru Hanada
亨 花田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐薬品性、ガスバリア性が共に優れ、更に液
晶表示素子の透明電極への適用において要求される透明
性、耐熱性、耐久性、層間の密着性を満たす透明導電基
板。 【解決手段】 透明高分子フィルムに透明導電層を積層
した透明導電基板において、透明高分子フィルムの一方
の面に金属酸化物層とエチレンービニルアルコール共重
合体層がこの順序で積層され、その他方の面に透明導電
層がエポキシ樹脂又は放射線硬化性樹脂の硬化物層を介
して積層されていることを特徴とする透明導電基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子フィルムに
透明導電層を積層した透明導電基板に関し、さらに詳し
くは、透明性、耐薬品性、耐熱性、耐久性、水蒸気バリ
ア性、ガスバリア性、可撓性の諸特性に優れ、層間の密
着性も良好で耐久性も良い多層構成の透明導電基板に関
するものであり、液晶表示装置、光導電性感光体、面発
光体、有機エレクトロルミネッセンス用などの透明電極
基板に好適な透明導電基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子などの透明電極等への応用
が進んでいる透明導電基板は、一般にガラス基板が用い
られている。しかし近年、液晶表示素子は、軽量化、大
型化という要求に加え、長期信頼性、形状の自由度、曲
面表示等の高度な要求がなされていることから、重くて
割れ易く、大面積化が困難なガラス基板に代わって、透
明高分子フィルムを基板としたフィルム基板が検討され
ている。そして、このフィルム基板は上記要求に応える
だけでなく、ロール・ツー・ロール方式での連続生産が
可能であることからガラス基板よりも生産性が良くコス
トダウンの点でも有利であり、その実用化が待望されて
いる。
【0003】しかし、一般的に高分子フィルムを用いた
フィルム基板は、ガラス基板と比較し、ガスバリア性や
耐薬品性が劣るという欠点を有する。かかるフィルム基
板を液晶表示素子に用いると以下の問題が生ずる。耐薬
品性が劣ると液晶セル作成工程での溶剤洗浄時や配向膜
形成時に、フィルム基板の変形や白化等の問題が生じて
しまう。一方、ガスバリア性、具体的には酸素ガスバリ
ア性及び水蒸気バリアー性に劣るフィルム基板を用いる
と、空気、水蒸気が液晶セル内へ浸透し、液晶セル内部
に気泡が発生し、表示不能点となって液晶表示素子のデ
ィスプレイーとしての表示品位を劣化させてしまい、特
に車載用などの過酷な条件下ではこの欠点が容易に発生
し、大きな問題となる。
【0004】そこで上記欠点を改善する目的で、耐薬品
性、ガスバリア性を持つ材からなる層を透明高分子フィ
ルム上に積層する多層構成のフィルム基板について既に
多くの提案がなされている。ところで、ガスバリア性材
料として、ポリビニルアルコール、エチレンービニルア
ルコール共重合体、塩化ビニリデン等の高分子材料や、
酸化珪素に代表される無機薄膜等が知られている。しか
し、ポリビニルアルコール、エチレンービニルアルコー
ル共重合体等は、低湿度では高いガスバリア性を示す
が、高湿度においてガスバリア性が低下し必要なガスバ
リア性が得られない。また、塩化ビニリデンは耐熱性に
乏しく、熱処理により着色するだけでなく、塩素を含む
ため電気材料用途には向かない。一方、酸化珪素に代表
される無機薄膜は、湿度によるガスバリア性の低下はな
いが、一般的にガスバリア性が十分でなく、夫々の単独
膜では液晶表示素子の如く高度の耐薬品性、ガスバリア
性を満たすことができない。
【0005】これに対して、例えば特開平6ー2341
86号公報には高分子フィルムのいずれかの面にポリビ
ニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等の透明高分子膜
と酸化珪素膜の両膜を設け、最外層に透明導電層を設け
る構成が提案されている。しかし、この提案の構成は、
液晶表示素子のパネル化工程にて透明導電層がエッチン
グされた部分から基板の高分子フィルムが白化または溶
解する問題、すなわち耐薬品性の問題がある。更に、透
明高分子層にガスバリア性に優れたポリビニルアルコー
ルを用いた場合、このポリビニルアルコール層が最外層
にある構成では耐水性が無く、前記工程においてポリビ
ニルアルコール層が溶解してしまう問題がある。さら
に、液晶表示素子等の透明導電基板においては、上記耐
薬品性、ガスバリア性に対する要求のほか、透明性、耐
熱性、耐久性に優れ、更に各層間の良好な密着性も要求
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決しようとするものであり、耐薬品性、ガスバ
リア性が共に優れ、更に液晶表示素子の透明電極への適
用において要求される透明性、耐熱性、耐久性、層間の
密着性を満たす透明導電基板を提供することを目的と
し、更に積層数が少なく、製造コストを抑えることがで
きる透明電極基板を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、以下の本
発明により達成される。すなわち、本発明は、透明高分
子フィルムに透明導電層を積層した透明導電基板におい
て、透明高分子フィルムの一方の面に金属酸化物層とエ
チレンービニルアルコール共重合体層がこの順序で積層
され、その他方の面に透明導電層がエポキシ樹脂又は放
射線硬化性樹脂の硬化物層を介して積層されていること
を特徴とする透明導電基板である。すなわち、本発明は
透明高分子フィルムの片面上に金属酸化物層を積層し、
透明高分子フィルムの金属酸化物層と反対の面に上記特
定の硬化性樹脂の硬化物層を積層し、金属酸化物層上に
エチレンービニルアルコール共重合体の層を積層し、硬
化物層上に透明導電層を積層した層の組み合わせと積層
配置を特徴とする多層構成の透明導電基板である。
【0008】なお、硬化物層を形成する硬化性樹脂は、
中でも、エポキシ樹脂についてはノボラック型エポキシ
樹脂が、更にはこのノボラック型エポキシ樹脂を酸無水
物で熱硬化させた硬化物層が耐薬品性から好ましい。ま
た、同様に耐薬品性の面から、放射線硬化性樹脂は、分
子あるいは単位構造内に2個以上のアクリロイル基、メ
タクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を含む放
射線硬化性樹脂が好ましく、更には下記一般式(1)で
示されるポリエステル変性アクリレートオリゴマーを固
形分率で50重量%以上含有する放射線硬化性樹脂の硬
化物層からなる耐溶剤性層を介して積層されていること
を特徴とする透明導電基板である。
【0009】
【化2】
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明において、透明高分子フィルム(A)として
は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの透明な
プラスチックフィルムを挙げることができるが、なかで
も、透明性の観点から、ポリカーボネート及びポリアリ
レートのフィルムが好ましい。
【0011】本発明では、このような透明高分子フィル
ム(A)の片面上に透明な金属酸化物層(B)を設ける
ことがガスバリア性の観点から必須である。この金属酸
化物層としては、珪素、アルミニウム、マグネシウム、
亜鉛等の透明な金属酸化物層が挙げられ、これら透明な
金属酸化物層は、公知のスパッタ法、真空蒸着法、イオ
ンプレーティング法、プラズマCVD法等により作製さ
れる。なかでも、透明高分子フィルムと金属酸化物層と
の接着性、更には透明性、表面平坦性、屈曲性、コスト
等の点から特に酸化珪素及び酸化アルミニウムが好まし
い。
【0012】金属酸化物層の厚さとしては、2nm〜5
00nmの範囲が好ましい。厚みが2nm未満では均一
に膜を形成することは困難であり、膜が形成されない部
分が発生し、この部分からガスが浸透し、ガスバリア性
が悪くなる。また、500nmよりも厚くなると透明性
を欠くだけではなく、屈曲性が悪く、クラックが発生し
てガスバリア性を損なう。
【0013】本発明では、この金属酸化物層(B)の上
に、エチレン−ビニルアルコール共重合体層(C)を積
層する。C層を形成するエチレン−ビニルアルコール共
重合体としては、公知の市販のものが適用でき、具体的
にはエチレンの共重合比が10モル%以上60モル%以
下であるものが好適に用いることが出来る。エチレン共
重合比が60モル%を超えると被膜としたときに、満足
されるガスバリア性が得られなく、一方10モル%未満
では耐薬品性に劣る。
【0014】エチレン−ビニルアルコール共重合体
(C)層は、湿式コーティング法等により形成される。
具体的には、スピンコート法、マイヤーバーコート法、
グラビアロールコート法、ロールコート法、リバースロ
ールコート法等が挙げられる。
【0015】また本発明では、透明高分子フィルム
(A)のもう一方の面即ち上記金属酸化物層(B)及び
エチレン−ビニルアルコール共重合体(C)層の積層面
と反対側の面に、硬化性樹脂層(D)を積層する。
【0016】本発明の硬化性樹脂層(D)を形成する硬
化性樹脂は、エポキシ樹脂または放射線硬化性樹脂であ
る。エポキシ樹脂の中では、耐薬品性の観点から、ノボ
ラック型エポキシ樹脂が好ましく適用される。エポキシ
樹脂を硬化させる硬化剤としては、公知のものが適用で
きる。例えばアミン系、ポリアミノアミド系、酸及び酸
無水物、イミダゾール、メルカプタン、フェノール樹脂
等の硬化剤が用いられる。中でも、上述のノボラック型
エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤としては、特に耐薬品
性、透明性、耐熱性等より、酸無水物及び酸無水物構造
を含むポリマーが好ましく用いられる。酸無水物として
は、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸等の脂環族酸無水物、無水フタル酸等
の芳香族酸無水物、ドデセニル無水コハク酸等の脂肪族
酸無水物が挙げられるが、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸が好ましく用いられる。また、酸無水物構造を含む
ポリマーとして、例えば無水マレイン酸共重合ポリマー
が挙げられ、スチレン−無水マレイン酸共重合ポリマ
ー、イソブチレン−無水マレイン酸共重合ポリマーなど
が好ましく用いられる。酸無水物構造を持ったポリマー
は単独で用いても良いし、酸無水物と混合して用いても
良い。なお、酸無水物及び酸無水物構造を含むポリマー
を硬化剤として用いたとき、反応速度を上げるために公
知の第三アミン類やイミダゾール類等の硬化触媒を適量
加えることが好ましい。
【0017】エポキシ樹脂層の厚さは、硬化後の厚さで
0.1μm以上30μm以下が好ましく、0.3μm以
上20μm以下が更に好ましい。0.1μm未満では耐
溶剤性の層としての効果が不十分となり、30μmを越
えると加工、組み立て等に必要な屈曲性が不十分とな
り、実用面で適切でない。
【0018】放射線硬化性樹脂とは、紫外線又は電子線
等の放射線を照射することにより硬化する樹脂をしめ
す。例えば、分子あるいは単位構造内にアクリロイル
基、メタクリロイル基、ビニル基等の不飽和二重結合を
含む樹脂を挙げることができる。中でも反応性の点か
ら、アクリロイル基を含む樹脂が好ましい。
【0019】これらの放射線硬化性樹脂は、単一組成で
も、数種の混合組成でも構わないが、耐薬品性の点から
分子或いは単位構造内に2個以上のアクリロイル基を有
する多官能アクリレート成分が樹脂成分中に含まれるこ
とが好ましい。かかる多官能アクリレート成分として
は、例えばジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラアクリレート、ペタエリスリト
ールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリレートモノマーやポリエステル変
成もしくはウレタン変成の多官能アクリレートオリゴマ
ーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0020】これらのなかでも、耐薬品性の観点から、
ポリエステル変成アクリレートオリゴマーが好ましく、
特に下記一般式(1)で表される化合物を固形分比で5
0重量%以上含有する放射線硬化型樹脂が好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】これらの放射線硬化型樹脂組成物は、これ
に必要に応じて光開始剤、および重合禁止剤、レベリン
グ剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤、熱可塑性樹脂、可
塑剤等の改質剤を添加して塗工液とする。塗工液の濃
度、粘度調整のため必要に応じて適当な有機溶剤で希釈
することが可能である。
【0023】紫外線照射で硬化させる場合、光開始剤は
必須成分である。かかる開始剤としては、例えば、ジエ
トキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1,
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−
1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンジル
ジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;チオキサン
ソン、2,4−ジクロロチオキサンソン等のチオキサン
系化合物等が挙げられる。
【0024】又、より硬化性を向上させるためには、ト
リエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−
ジメチルアミン安息香酸エチル等の公知の光開始助剤を
適量添加することも効果的である。放射線硬化性樹脂層
の膜厚は、硬化後の膜厚で2〜8μmが好ましく、特に
2〜6μmが好ましい。2μm未満では、耐溶剤性が不
十分であり、又8μmを超えると、硬化収縮に伴うカー
ルが発生するため好ましくない。
【0025】以上の硬化性樹脂層を設ける手段として、
マイヤーバーコート法、グラビアロールコート法、スピ
ンコート法等の湿式コーティング法、デッピング法、ラ
ミネートコート法等が挙げられるが、均一な膜厚が制御
し易い点から湿式コーティング法が好ましく用いられ
る。また必要に応じて、透明高分子フィルムの表面、硬
化性樹脂層の表面を、コロナ処理、アンカーコート処理
等の表面改質を行い被膜間の密着性を向上させることが
可能である。
【0026】本発明の透明導電層(E)は、上記の硬化
樹脂層(D)の上に設ける。この透明導電層としては、
公知の透明な金属、金属酸化物の薄膜が適用できるが、
透明性、導電性、機械的特性等の点から、金属酸化物膜
が好ましい。かかる金属酸化物として、例えば、不純物
としてスズ、テルル、カドミウム、モリブテン、タング
ステン、フッ素等を添加した酸化インジウム、酸化カド
ミウム及び酸化スズ、不純物としてアルミニウムを添加
した酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物が挙げられ
る。中でも酸化スズを2〜15重量%含有した酸化イン
ジウム(ITO)が、透明性、導電性が優れており、好
ましく用いられる。
【0027】これらの透明導電層の形成方法としては、
真空蒸着法、スパッタリング法、イオンビームスパッタ
リング法、イオンプレーティング法等の方法が挙げられ
る。
【0028】透明導電層の膜厚は、15〜180nmが
好ましい。15nm未満では、不連続な膜となり導電性
が不十分となる。一方,180nmを超えると透明性が
低下したり、耐屈曲性が悪くなる。
【0029】以上、本発明によれば、高分子フィルム上
に4層の機能層を積層する簡単な積層構成で、耐薬品
性、ガスバリア性に優れ、液晶用途にも充分な透明性、
耐熱性、耐久性を備え、可撓性、層間の密着性、カール
も良好で取扱性に優れた透明導電基板が得られる。
【0030】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げ、本発明をさら
に具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例に限定
されるものではないことは、その趣旨から明らかであ
る。なお、実施例、比較例における各特性の測定を下記
の通りに行った。また、実施例、比較例中の部および%
は、特に断らない限り重量基準である。 透明性:分光光度計(日立製作所製、U−3500)を
用い波長550nmの平行光線の光線透過率を測定し
た。また、日本電色製、COH−300Aを用いてヘイ
ズ値(△H%)を測定した。
【0031】耐薬品性:25℃の3.5%NaOH水
溶液に10分間浸漬後、流水にて十分洗浄を行った後、
乾燥させ、外観を目視により観察し、全く異常が認めら
れないものを良好とした。 耐薬品性:80℃の熱板上に、透明導電層を上側にし
てサンプルの透明導電基板を置き、透明導電層上にN−
メチルピロリドンを数滴滴下し、3分間放置後、流水に
て十分洗浄を行った後、外観を目視にて観察し、全く異
常の認められないものを良好とした。
【0032】水蒸気バリア性:モダーンコントロールズ
(MOCON)社製、パーマトランW1Aを用いて、4
0℃、90%RH雰囲気下における水蒸気透過性を測定
した。 ガスバリア性:MOCON社製、OX−TRAN 2/
20型を用い40℃、90%RH雰囲気下で酸素透過性
を測定した。なお、水蒸気バリア性及びガスバリア性評
価は透明導電層を積層する前の中間積層基板のサンプル
にて評価した。
【0033】密着性:ナイフで試験片表面に縦、横1m
m間隔で切れ目を入れ、100個の碁盤目を形成する。
その上にセロファンテープ(ニチバン(株)製:商品名
セロテープ)を張付た後、表面から90度の方向に一気
に引っ張り剥離して、表面に残った目の数すなわち「残
存数/100」で接着性を評価した。従って、100/
100は完全接着、0/100は完全剥離を意味する
(JIS K5400に準拠)。
【0034】耐熱性:熱風乾燥機にて、80℃にて10
0時間保持し、自然放冷するテストで評価した。評価
は、テスト前後の外観変化の有無を目視により観察する
ことで行い、変化が観察されないものを良好とした。 耐久性:恒温恒湿炉で60℃、90%RHにて100時
間保持し、自然放冷するテストで評価した。評価は、テ
スト前後の外観変化の有無を目視により観察することで
行い、変化が観察されないものを良好とした。
【0035】[実施例1]厚さ100μmのポリカーボ
ネートフィルム(A層)の片面に真空蒸着法により以下
のようにして金属酸化物層(B層)を形成した。蒸着源
にSiO小片を用い、5×10-5torrの真空中で加
熱蒸着し、厚さ20nmの酸化珪素膜を形成した。この
酸化珪素膜はSiOxの平均組成でxはおよそ1.7の
酸化珪素の膜であった。このフィルムを酸化珪素膜付ポ
リカーボネートフィルムと呼ぶこととする。
【0036】次に、硬化性樹脂層(D層)を形成するコ
ーティング組成物を以下のように調整した。下記化学式
(2)で示されるアクリル樹脂100部を、1−メトキ
シ−2−プロパノール210部に溶解させた後、光開始
剤1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ
ガイギー社製:イルガキュア−184)7部及びレベリ
ング剤としてシリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコ
ーニング社製:SH28PA)を0.03部を混合し、
放射線硬化性樹脂からなるコーティング組成物を得た。
【0037】
【化4】
【0038】このコーティング組成物を、マイヤーバー
を用いて酸化珪素膜付ポリカーボネートフィルムの酸化
珪素膜面と反対側の面上にコーティングし、60℃にて
1分間加熱して塗膜中の残留溶媒を揮発除去した後、1
60W/cmの高圧水銀灯を用いて、紫外線を照射して
塗膜の硬化を行い、膜厚4μmの硬化性樹脂層(D層)
を積層した両面積層フィルムを得た。
【0039】そして、この両面積層フィルムの酸化珪素
膜上に、エチレンービニルアルコール共重合体{クラレ
(株)製:EVOH−F(エチレン共重合比32モル
%)}100部を、水720部、n−プロパノール10
80部、n−ブタノール100部の混合溶媒に加熱溶解
させ、更にレベリング剤としてシリコーン系レベリング
剤(東レ・ダウコーニング社製:SH30PA)を0.
1部添加した溶液を、マイヤーバーを用いてコーティン
グし、130℃で2分熱処理を行うことでエチレン−ビ
ニルアルコール共重合体層(C層)を形成し、中間積層
基板を得た。
【0040】次いで、以上で得られた(D)/(A)/
(B)/(C)の積層構成の中間積層基板のD層すなわ
ち硬化性樹脂層上に透明導電層(E層)として、インジ
ウムー錫酸化物層をスパッタ法により以下のように形成
した。スパッタターゲットとして組成が重量比インジウ
ム/錫=90/10、充填密度が90%のターゲットを
用いた。そして、スパッタ装置に中間積層基板をセット
し、9.8×10-6Torrの圧力まで排気した後、A
r/O2=98.5/1.5の体積混合比のガスを導入
し、雰囲気圧力2×10-3Torrにした。そして、フ
ィルム温度を50℃に設定し、投入電力密度1W/cm
2でDCスパッタを行い、膜厚125nmのインジュウ
ム−錫酸化物層を形成し、透明導電基板を得た。得られ
た中間積層基板、透明導電基板について前述の各種評価
を行った。その結果を表1に示した。いずれの評価結果
も良好であった。
【0041】[実施例2]実施例1において、D層の硬
化性樹脂層を下記のエポキシ樹脂層に変えた以外は、実
施例1と同様にして、同じ構成の透明導電基板を作成し
た。D層を形成するエポキシ樹脂層は以下のように形成
した。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
株式会社製:EOCN−104S)100重量部を、メ
チルイソブチルケトン150重量部に溶解させ、メチル
ヘキサヒドロ無水フタル酸74重量部、1,8−ジアザ
ビシクロ(5,4,0)ウンデセン5重量部、レベリン
グ剤としてシリコーン系レベリング剤(東レ・ダウコー
ニング社製:SH28PA)を0.03部を加え均一に
混合し、D層を形成するコーティング組成物を得た。
【0042】このコーティング組成物を、マイヤーバー
を用いて酸化珪素膜付ポリカーボネートフィルムの酸化
珪素膜面と反対側の面上にコーティングし、130℃に
て10分熱処理して、膜厚7μmのエポキシ樹脂層(D
層)を形成した。得られた中間積層基板、透明導電基板
について前述の各種評価を行った。その結果を表1に示
した。いずれの評価結果も良好であった。
【0043】[実施例3]実施例1においてB層の金属
酸化物膜を酸化珪素膜に変えて酸化アルミニウム膜とし
た以外は、実施例1と同様にして、同じ構成の透明導電
基板を作成した。なお、酸化アルミニウム膜は、酸化珪
素膜と同様に、真空蒸着法により形成した。蒸着源に酸
化アルミニウムを用い、5×10-5torrの真空中で
加熱蒸着し、厚さ40nmの酸化アルミニウム膜を形成
した。得られた中間積層基板、透明導電基板について前
述の各種評価を行った。その結果を表1に示した。いず
れの評価結果も良好であった。
【0044】
【表1】
【0045】[比較例1]実施例1において、B層の酸
化珪素膜を積層しない以外は実施例1と同様にして透明
導電基板を作成した。すなわち、積層構成が(E)/
(D)/(A)/(C)の透明導電基板を作成した。こ
の透明導電基板、中間積層基板の各種評価を行った結果
を表2に示した。A層とC層との界面の接着が悪く、更
にガスバリア性も劣っていた。
【0046】[比較例2]実施例1において、C層のエ
チレン−ビニルアルコール共重合体層を積層しない以外
は実施例1と同様にして透明導電基板を作成した。すな
わち、積層構成が(E)/(D)/(A)/(B)の透
明導電基板を作成した。この透明導電基板、中間積層基
板の各種評価を行った結果を表2に示した。ガスバリア
性が劣っていた。
【0047】[比較例3]実施例1において、D層の硬
化性樹脂層を積層しない以外は実施例1と同様にして透
明導電基板を作成した。すなわち、積層構成が(E)/
(A)/(B)/(C)の透明導電基板を作成した。こ
の透明導電基板、中間積層基板の各種評価を行った結果
を表2に示した。耐薬品性、耐薬品性、耐久性が劣
っていた。
【0048】[比較例4]実施例1において、積層配置
を(E)/(C)/(A)/(B)/(D)の配置に変
えた以外は実施例1と同様にして各層を形成し、透明導
電基板を作成した。この透明導電基板、中間積層基板の
各種評価を行った結果を表2に示した。耐薬品性、耐
薬品性、A層とC層との界面の接着性、B層とD層と
の界面の接着性、ガスバリア性及び耐久性が劣ってい
た。
【0049】[比較例5]実施例1において、積層配置
を(E)/(D)/(B)/(A)/(C)の配置構成
に変えた以外は実施例1と同様にして各層を形成し、透
明導電基板を作成した。この透明導電基板、中間積層基
板の各種評価を行った結果を表2に示した。耐薬品性
、A層とC層との界面の接着性、B層とD層との界面
の接着性及びガスバリア性が劣っていた。
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、4層の機能層を積層す
る簡単な積層構成で、ガスバリア性、耐薬品性に優れ、
しかも液晶用途等に要求される高度な透明性、耐熱性、
耐久性、ガスバリア性を備え、更にカール、可撓性、層
間の密着性が良好で取扱性の良い透明導電基板が実現さ
れる。すなわち、本発明は、高分子フィルムを用いた透
明導電基板の高性能化、用途拡大、コスト低減に効果を
奏するものであり、産業上大きな寄与をなすものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 299/02 C08F 299/02 C08L 63/00 C08L 63/00 67/06 67/06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子フィルムに透明導電層を積層
    した透明導電基板において、透明高分子フィルムの一方
    の面に金属酸化物層とエチレンービニルアルコール共重
    合体がこの順序で積層され、その他方の面に透明導電層
    がエポキシ樹脂又は放射線硬化性樹脂の硬化物層を介し
    て積層されていることを特徴とする透明導電基板。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂がノボラック型エポキシ樹
    脂である請求項1記載の透明導電基板。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂の硬化物層がノボラック型
    エポキシ樹脂を酸無水物で熱硬化させた硬化物層である
    請求項2記載の透明導電基板。
  4. 【請求項4】 放射線硬化性樹脂が分子あるいは単位構
    造内に2個以上のアクリロイル基、メタクリロイル基、
    ビニル基等の不飽和二重結合を含む放射線硬化性樹脂で
    ある請求項1記載の透明導電基板。
  5. 【請求項5】 放射線硬化性樹脂が下記一般式(1)で
    示されるポリエステル変性アクリレートオリゴマーを固
    形分率で50重量%以上含有する放射線硬化性樹脂であ
    る請求項1記載の透明導電基板。 【化1】
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物層が酸化珪素または酸化
    アルミニウムである請求項1〜請求項5に記載のいずれ
    かの透明導電基板。
  7. 【請求項7】 前記透明高分子フィルムが、ポリカーボ
    ネート樹脂またはポリアリレート樹脂のフィルムである
    請求項1〜請求項6に記載のいずれかの透明導電基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006225612A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Dainippon Printing Co Ltd 重合性化合物

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JP2006225612A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Dainippon Printing Co Ltd 重合性化合物

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