JPH10117763A - ソフトアイス状凍結アルコール性飲料及びその製造方法 - Google Patents

ソフトアイス状凍結アルコール性飲料及びその製造方法

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JPH10117763A
JPH10117763A JP29313196A JP29313196A JPH10117763A JP H10117763 A JPH10117763 A JP H10117763A JP 29313196 A JP29313196 A JP 29313196A JP 29313196 A JP29313196 A JP 29313196A JP H10117763 A JPH10117763 A JP H10117763A
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weight
frozen
alcoholic beverage
sugar
erythritol
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JP29313196A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kono
宏行 河野
Kyoko Nakajima
京子 中島
Tatsuya Urachi
達哉 裏地
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Nikken Chemicals Co Ltd
Nikken Chemical and Synthetic Industry Co Ltd
Original Assignee
Nikken Chemicals Co Ltd
Nikken Chemical and Synthetic Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低カロリー、低甘味、低糖含量で、家庭用冷
蔵庫の冷凍室で凍結させて喫食できるソフトアイス状凍
結アルコール性飲料(以下、飲料)とその製造方法の提
供。 【解決手段】 アルコール濃度が1〜18容量%以下
で、糖アルコール含有飲料、総糖質量が30重量%以下
の前記記載の飲料、アルコール濃度が4〜8容量%
で、糖アルコール含有、総糖質量が15〜25重量%の飲
料、アルコール濃度4〜6容量%、エリスリトール
(以下、ERT)3〜7重量%又は/及びキシリトール
(以下、XLT)4〜23重量%含有、総糖質量が20〜25
重量%の飲料、アルコール濃度6〜8容量%、ERT 1
〜7重量%又は/及びXLT4〜20重量%含有、総糖質
量が15〜20重量%の飲料、増粘安定化剤を0.02〜0.15
重量%含有の前記〜の飲料、アルコール原料、ER
T 又は/及びXLT、これら以外の糖質、及び増粘安定
化剤を攪拌混合後、凍結させる前記の飲料の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低カロリーであ
り、しかも通常の家庭用冷蔵庫の冷凍室でも簡単にソフ
トアイス状に凍結させて喫食することができる、ソフト
アイス状凍結アルコール性飲料と、その製造方法とに関
する。ここで喫食とは、飲食を含めた概念である。
【0002】
【従来の技術】カクテルなどのアルコール性飲料を凍結
させた凍結アルコール性飲料(所謂フローズンカクテル
など)が、これまで種々提案されている。
【0003】例えば、特開平8−70810号公報に
は、梅酒から得られた梅エキスを氷結させた梅エキス入
りシャーベットの製造方法が記載されている。この発明
によれば、風味がよく、適当な粘性があって、食感に優
れたシャーベットが製造できるとされている。
【0004】しかしながら、この発明では、凍結硬度を
低下させるための配慮はなされておらず、この発明で得
られるものは、あくまで氷結させたシャーベットであっ
て、ここで目的としているソフトアイス状の凍結アルコ
ール性飲料ではない。
【0005】次に、特公平7−77553号公報には、
凍結アルコール性飲料の製造法が記載されている。この
発明によれば、低糖度(略15°以下)、かつ低アルコ
ール度(略10°以下)で、しかも好適なスクイーズ性
を有するシャーベット状の凍結飲料(ソフトアイス状の
凍結アルコール性飲料)が得られるとされている。
【0006】しかしながら、この発明は、氷塊を小片状
若しくは小粒状に切削する工程と、アルコール性飲料を
氷点下の温度に冷却する工程と、上記アルコール性飲料
の凍結凝固点以下の温度雰囲気下で、冷却アルコール性
飲料を上記切削氷に一様に混合させる工程とからなり、
上記切削氷の相互間隙及び表面部に上記冷却アルコール
性飲料の凍結層を形成させることを特徴とするものであ
って、複雑な工程を要し、溶液状のアルコール製飲料を
通常の家庭用冷蔵庫の冷凍室などで凍結させることによ
り簡単に作って飲むことができるようなものではない。
【0007】なお、凍結アルコール性飲料(フローズン
カクテル)は、既に幾つか市販されている。例えば、市
販のフローズンストロベリーダイキリやフローズンメロ
ンダイキリは、アルコール濃度は8%程度であるが、ソ
フトアイス状とするために、総糖質量が28%程度と高
糖質濃度であり、カロリー値が高い上に甘い製品となっ
ている。また、市販のフローズンマルガリータは、総糖
質量は23%程度であり、甘さの点で改良されているも
のの、アルコール濃度が10%程度であって、市販のカ
クテル飲料(アルコール濃度4〜8%)と比べて、アル
コール濃度が高く、また高カロリーという問題点が解決
されていない。
【0008】さらに、特開昭63−160572号公報
には、水、糖、アルコール、風味料およびカルボキシメ
チルセルロースを含むアルコール性飲料をフリーザー内
でソフトアイス状に凍結させるとともに、必要時までそ
の状態を保持するように調製した凍結アルコール性飲料
が記載されている。
【0009】この凍結アルコール性飲料は、Brixは約1
5°と約28°の間の範囲、好ましくは約18°から約
25°の範囲にあるとされており、甘さの問題は解決さ
れているものの、ソフトアイス状とするためにアルコー
ル濃度が15〜20重量%とされており、市販のカクテ
ル飲料(アルコール濃度4〜8%)はもとより、市販の
フローズンカクテル(アルコール濃度8〜10重量%程
度)と比較してもかなりアルコール濃度が高く、飲みに
くい上に高カロリーという問題がある。
【0010】アルコール濃度や糖度と、凍結硬度との間
には、互いに相反する面があり、甘さを抑えるために糖
含量を低くした場合には、凍結硬度が高くなり過ぎてし
まい、ソフトアイス状とならないため、今度は凍結硬度
を下げるためにアルコール濃度を高くしなければなら
ず、その結果、カロリーが高くなり、また飲みにくいも
のとなってしまう。また、糖含量を高くした場合には、
アルコール濃度を抑えたとしても、凍結硬度は低くな
り、ソフトアイス状となるものの、この場合にはカロリ
ーが高くなり、また甘くなり過ぎてしまう。
【0011】従って、低カロリーで、しかもソフトアイ
ス状の凍結アルコール飲料、特にアルコール濃度がそれ
ほど高くなく、かつソフトアイス状で、しかも糖度も低
く、低カロリーであるという凍結アルコール性飲料は、
これまで得られていないのが実情である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、凍結硬度が低
くソフトアイス状を呈し、しかも低カロリーである凍結
アルコール性飲料、特にアルコール濃度が比較的低く、
しかも凍結硬度が低くソフトアイス状を呈し、かつ低カ
ロリーであり、更に家庭用冷蔵庫の冷凍室などで凍結さ
せることにより簡単に喫食することのできる凍結アルコ
ール性飲料の開発が望まれている。本発明は、このよう
な課題を解決しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】凍結アルコール性飲料の
アルコール濃度及び糖質濃度は、凍結状態の進行、並び
に氷結性の生成に重要な影響を及ぼすことが分かってい
る。両者の増大により、凍結凝固点は降下し、氷結晶の
成長が抑制される。特に、糖質の濃度を高めることによ
り、氷結晶の生成サイズはより小さいものとなる。従っ
て、家庭用冷蔵庫のフリーザ温度で凍結し、ソフトアイ
ス状の凍結飲料を得るためには、糖含量が比較的高く、
また、それに応じた適切なアルコール濃度を有する凍結
アルコール性飲料であることが必要とされる。
【0014】ところが、前記したように、アルコール濃
度を一定範囲に抑えた場合、凍結硬度を低くしてソフト
アイス状とするには、糖含量をある程度高くせざるを得
ず、カロリーが高くなるという問題が残ることになる。
【0015】本発明者らは、この問題を解決するために
鋭意研究を重ねた結果、ソフトアイス状凍結アルコール
性飲料の糖質分として、少なくとも糖アルコールを使用
することにより、カロリー値を低減させつつ、凍結硬度
を低減することができることを見出した。更に、糖アル
コールは、砂糖,異性化糖等と比較して、甘味度が低い
ため、甘さが抑えられた飲みやすいソフトアイス状凍結
アルコール性飲料が得られることを見出された。凍結ア
ルコール性飲料の凍結硬度は、凍結点と凍結保存温度の
差に対し、正の相関を示すことが分かっている。すなわ
ち、凍結アルコール性飲料の凍結点を凍結保存温度によ
り近づけることによって(両者の差が小さい方が)、よ
り柔らかい製品を得ることが可能であることが分かっ
た。また、同じ溶質では氷結率が高いほど、凍結硬度は
高く、用いる糖質(糖・ポリオールなど)の溶質の分子
量及び溶解度が高いほど、凍結硬度も高いことが分かっ
た。すなわち、分子量が低いほど、凍結硬度を低下させ
ることができることが分かった。
【0016】換言すれば、凍結硬度は、糖質の種類、濃
度、分子量、溶解度が大きな影響因子であり、それによ
って氷結点、凍結点、ガラス転移点、凍結濃縮された溶
液部分の粘度が決まり、その総合評価が凍結硬度として
表されることが分かった。
【0017】このような知見に基づき、好ましい糖アル
コールとしては、分子量の低い糖類の中から、エリスリ
トールとキシリトールが挙げられる。なお、これまでア
ルコール性飲料に、エリスリトールとキシリトールが使
用された例はなかった。
【0018】後述するように、エリスリトールは、砂糖
よりも甘味が少なく、低糖効果が認められるにもかかわ
らず、分子量が低いため、より少ない量で、しかもより
低い甘味度で、凍結点を下げ、凍結硬度を低くすること
ができることが分かった。換言すれば、甘味度及び糖濃
度当たりの凍結点降下度は、エリスリトールの方が砂糖
よりもかなり大きいことが分かった。
【0019】また、キシリトールは、砂糖と同等の甘味
度ではあるが、砂糖より分子量が低いため、やはりより
少ない量で凍結点を下げ、凍結硬度を低くできることが
分かった。換言すれば、糖濃度当たりの凍結点降下度
は、キシリトールの方が砂糖よりも大きいことが分かっ
た。さらに、エリスリトールのカロリー値は0 Kcal/g
であり、キシリトールのカロリー値は、砂糖などの他の
糖質のカロリー値から1/4程度低減されており、これ
らを使用することにより、低カロリーのアルコール性飲
料が実現できる。
【0020】本発明は、このような知見に基づいて完成
されたものであって、アルコールの使用量を減らしてア
ルコール濃度を一定範囲に抑えるとともに、糖分として
糖アルコールを使用することにより、低カロリーで、凍
結硬度が低いソフトアイス状の凍結アルコール性飲料を
提供すると共に、複雑な製造工程を要さず、家庭用冷蔵
庫の冷凍室などで凍結させるだけで簡単に、そのような
ソフトアイス状の凍結アルコール性飲料を製造すること
ができる方法を提供するものである。
【0021】すなわち、請求項1記載の本発明は、アル
コール濃度が1容量%以上、18容量%以下であり、糖
アルコールを含有するソフトアイス状凍結アルコール性
飲料を提供するものである。
【0022】請求項2記載の本発明は、総糖質量が30
重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のソフ
トアイス状凍結アルコール性飲料を提供するものであ
る。
【0023】請求項3記載の本発明は、アルコール濃度
が4〜8容量%であり、糖アルコールを含有し、かつ総
糖質量が15〜25重量%であるソフトアイス状凍結ア
ルコール性飲料を提供するものである。
【0024】請求項4記載の本発明は、糖アルコールと
して、少なくともエリスリトール又は/及びキシリトー
ルを含有することを特徴とする、前記請求項1〜請求項
3のいずれかに記載のソフトアイス状凍結アルコール性
飲料を提供するものである。
【0025】請求項5記載の本発明は、アルコール濃度
4〜6容量%、エリスリトール1重量%以上10重量%
未満(但し、キシリトールを含有する場合には、0重量
%以上10重量%未満とする。)又は/及びキシリトー
ル4〜23重量%(但し、エリスリトールを含有する場
合には、0〜23重量%とする。)を含有し、かつ、総
糖質量が20〜25重量%であるソフトアイス状凍結ア
ルコール性飲料を提供するものである。
【0026】請求項6記載の本発明は、アルコール濃度
6容量%を超え、8容量%以下、エリスリトール1重量
%以上10重量%未満(但し、キシリトールを含有する
場合には、0重量%以上10重量%未満とする。)又は
/及びキシリトール4〜20重量%(但し、エリスリト
ールを含有する場合には、0〜20重量%とする。)を
含有し、かつ、総糖質量が15〜20重量%であるソフ
トアイス状凍結アルコール性飲料を提供するものであ
る。
【0027】請求項7記載の本発明は、増粘安定化剤を
0.02〜0.15重量%含有する、前記請求項1〜請
求項6のいずれかに記載のソフトアイス状凍結アルコー
ル性飲料を提供するものである。
【0028】請求項8記載の本発明は、増粘安定化剤
が、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ロー
カストビーンガム、タマリンドガム及びアラビアガムよ
りなる群から選ばれた1種以上のものである、前記請求
項7記載のソフトアイス状凍結アルコール性飲料を提供
するものである。
【0029】請求項9記載の本発明は、アルコール原
料、糖質、及び増粘安定化剤を攪拌、混合した後、凍結
させることを特徴とする、前記請求項7記載のソフトア
イス状凍結アルコール性飲料を製造する方法を提供する
ものである。
【0030】請求項10記載の本発明は、アルコール原
料、エリスリトール又は/及びキシリトール、エリスリ
トール及びキシリトール以外の糖質、及び増粘安定化剤
を攪拌、混合した後、凍結させることを特徴とする、前
記請求項7記載のソフトアイス状凍結アルコール性飲料
を製造する方法を提供するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0032】本発明のソフトアイス状凍結アルコール性
飲料は、流動せず、ソフトアイス状の食感を有するもの
である。ここで「ソフトアイス状」とは、アルコール性
飲料を凍結した際に、氷晶部分と凍結によって濃縮され
た溶液部分とが混在する不均一系の状態を指し、感覚的
には、容易にスプーンですくうことができる状態を指
し、かき氷ほどの粗さはないが、アイスクリームほど細
かくはないというものである。
【0033】数値的に示すと、「ソフトアイス状」と
は、レオメーターを用いて測定した、−20℃における
凍結硬度が、150g以上、1000g未満の状態をい
う。すなわち、レオメーターを用いて円錐形(底部直径
10mm×高さ10mm)のアタッチメントを、円柱状に凍
結させたアルコール性飲料(直径25mm×高さ25mm)
に対して、一定速度(1mm/min)で進入させたときの最
大応力を凍結硬度とし、凍結温度におけるその値が、上
記のように150g以上、1000g未満の状態を、本
発明において「ソフトアイス状」と称し、150g以
上、500g未満が特に好ましい範囲であり、500g
以上、1000g未満が好ましい範囲である。
【0034】本発明のソフトアイス状凍結アルコール性
飲料に用いられるアルコール原料としては、公知の酒類
が用いられる。具体的には例えば、ウィスキー、ワイ
ン、ブランデー、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラム酒
(ホワイトラムなど)、リキュール等、さらにはそれら
を組み合わせたカクテルなどの洋酒、清酒、焼酎などを
用いることができる。
【0035】次に、本発明のソフトアイス状凍結アルコ
ール性飲料の糖質分としては、少なくとも糖アルコール
を使用する。具体的な糖アルコールとしては、グリセリ
ン、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マ
ンニトール、マルチトール、ラクチトール、パラチニッ
ト、還元水飴等が挙げられる。これらの糖アルコールの
カロリー値は、砂糖と比較して低く、ソフトアイス状凍
結アルコール性飲料の低カロリー化が達成される。これ
ら糖アルコールの具体的なカロリー値は、砂糖、果糖、
ブドウ糖、異性化糖が4 Kcal/g であるのに対し、エリ
スリトールが0 Kcal/g 、ラクチトール、マルチトー
ル、パラチニット、ソルビトール、キシリトール、マン
ニトールが2Kcal/g 、グリセリンが4 Kcal/g 、還元
水飴が2〜4 Kcal/g である。
【0036】これらの糖アルコールは、いずれも市販さ
れているが、その由来は限定されない。また、糖アルコ
ールの形状は、結晶品、顆粒品、微粉末等の固形物又は
液状品のいずれの形状のものも、そのまま使用すること
ができる。これらの糖アルコールのうち、分子量が低
く、味質の点で、エリスリトール、キシリトールの使用
が特に好ましい。
【0037】エリスリトール(詳しくは meso-エリスリ
トールという)は、炭素数4、分子量122のポリオー
ルであり、甘味度は砂糖と比べて80%である。なお、
砂糖の分子量は342であるから、エリスリトールは砂
糖に比べて著しく分子量が小さく、凍結点降下度が大き
い。従って、甘味度当たり及び糖濃度当たりの凍結点降
下度が、砂糖よりもかなり大きい。
【0038】また、キシリトールは、炭素数5、分子量
152のポリオールであり、甘味度は砂糖と比べて同等
であり、砂糖と同じである。従って、糖濃度当たりの凍
結点降下度が、砂糖よりもかなり大きい。キシリトール
は、共晶点が他の糖・ポリオールと比較して、かなり低
温、かつ高濃度であるので、凍結下で物性が安定してお
り、さらに凍結に伴い、濃縮された溶液部分の粘度が低
いことも低凍結硬度に寄与している。よって、エリスリ
トール又は/及びキシリトールを配合することにより、
低糖濃度、低甘味で、凍結点を下げることができ、その
結果、凍結硬度を下げることができるため、ソフトアイ
ス状の凍結アルコール性飲料を得ることができる。
【0039】なお、グリセリンも、これらと同様の凍結
調整作用を有するが、味が悪くなると言う問題とカロリ
ーを低減できないため、これらの影響のない範囲でのみ
用いることができる。
【0040】また、ソルビトールは、分子量が182
で、エリスリトールやキシリトールと比べるとやや高分
子であるが、砂糖よりは低分子である。そして、ソルビ
トールは砂糖と比べ、やや低い甘味度を持ち、しかも比
較的結晶性が低いので、添加成分として好適に用いるこ
とができる。
【0041】また、エリスリトールとキシリトールの甘
味質は、砂糖等の糖類と比較して、後味は残らないもの
の、口当たりはほぼ同じである。このため、糖類と共
に、或いは糖類を用いることなく、エリスリトール又は
/及びキシリトールを配合することにより、凍結アルコ
ール性飲料の甘味の質はそのままに、カロリーを低く抑
えることができる(請求項4参照)。
【0042】これらの糖アルコールを用いることによ
り、非糖質の甘味料と同様に、低カロリー、かつ、非う
蝕性の凍結アルコール性飲料を得ることが可能である。
【0043】なお、本発明のソフトアイス状凍結アルコ
ール性飲料は、上記の糖アルコールに加えて、各種の糖
類又は非糖質の甘味料を含有することができる。糖類又
は非糖質の甘味料を含有することにより、凍結アルコー
ル性飲料の甘味の増強、或いは甘味質の改良や調整を図
ることができる。
【0044】糖類としては、砂糖、ブドウ糖、果糖ブド
ウ糖液糖、トレハロース、水飴などが挙げられる。非糖
質の甘味料としては、アスパルテーム、アセスルファム
K、ステビア、ジヒドロカルコン類、ソーマチンなどが
挙げられる。低カロリーで非う蝕性の凍結アルコール性
飲料を得るためには、非糖質の甘味料を用いればよい。
【0045】請求項1記載の本発明のソフトアイス状凍
結アルコール性飲料は、基本的には上記成分を含有する
ものであり、前記したように、アルコール濃度が1容量
%以上、18容量%以下であり、糖アルコールを含有す
るものである。
【0046】ここで請求項1記載の本発明のソフトアイ
ス状凍結アルコール性飲料のアルコール濃度が18容量
%を超えると、凍結が不充分であり、目的とするソフト
アイス状の食感を得るためには、非常に低い凍結温度を
維持する必要がある。
【0047】次に、請求項2記載の本発明は、上記請求
項1記載の発明において、総糖質量が30重量%以下で
あることを特徴とするものである。アルコール濃度が低
い場合、例えばアルコール濃度が1容量%である場合に
は、55重量%程度の糖質量でソフトアイス状の凍結ア
ルコール性飲料を得ることが可能であるが、糖アルコー
ルの甘味度は砂糖などの糖質より低いとはいえ、55重
量%という糖質の濃度は、飲料としては甘過ぎる濃度で
ある。従って、好ましい総糖質量は、請求項2に記載し
たように、30重量%以下である。
【0048】しかし、一般的に、アルコール濃度が8容
量%を超えると、凍結させずに飲む通常のカクテルと比
較して、アルコール濃度が高くなるため飲みにくくな
り、また、アルコール濃度が4容量%未満であると、凍
結硬度が高くなり、ソフトアイス状の食感が不充分にな
ってしまう。従って、アルコール濃度としては、4〜8
容量%が好ましい範囲である。このような好ましいアル
コール濃度4〜8容量%に対する、好ましい総糖質量
は、15〜25重量%の範囲である。なお、アルコール
濃度の調整は、所定濃度となるように水を加えて行なえ
ば良い。
【0049】このような好ましいアルコール濃度と、こ
れに対応する好ましい総糖質量を規定したのが、請求項
3である。すなわち、請求項3記載の本発明は、アルコ
ール濃度が4〜8容量%であり、糖アルコールを含有
し、かつ総糖質量が15〜25重量%であるソフトアイ
ス状凍結アルコール性飲料を提供する。
【0050】しかし、本発明のソフトアイス状凍結アル
コール性飲料の特に好ましい総糖質量は、アルコール濃
度によって異なる。凍結アルコール性飲料の凍結硬度を
150g以上、1000g未満の範囲に保つために、ア
ルコール濃度が低い場合には、糖質含量が多少多くても
良く、逆にアルコール濃度がそれより高い場合には、糖
質含量をより低く設定する必要があるからである。
【0051】また、本発明のソフトアイス状凍結アルコ
ール性飲料の糖質分として、エリスリトール又は/及び
キシリトールを使用する場合の含有量は、両者を併用す
る場合と、それぞれ単独で使用する場合とで若干異な
る。
【0052】従って、請求項5記載の本発明の凍結アル
コール性飲料においては、アルコール濃度は4〜6重量
%、エリスリトール1重量%以上10重量%未満(但
し、キシリトールを含有する場合には、0重量%以上1
0重量%未満とする。)又は/及びキシリトール4〜2
3重量%(但し、エリスリトールを含有する場合には、
0〜23重量%とする。)であり、かつ、総糖質量が2
0〜25重量%である。
【0053】これに対して、請求項6に示すように、ア
ルコール濃度が6重量%を超える場合には、総糖質量は
より少なくなる。即ち、請求項6記載の本発明の凍結ア
ルコール性飲料においては、アルコール濃度は6重量%
を超え、8重量%以下、エリスリトール1重量%以上1
0重量%未満(但し、キシリトールを含有する場合に
は、0重量%以上10重量%未満とする。)又は/及び
キシリトール4〜20重量%(但し、エリスリトールを
含有する場合には、0〜20重量%とする。)であり、
かつ、総糖質量が15〜20重量%である。
【0054】なお、上記したように、エリスリトールと
キシリトールの含有量は、請求項5と6とで若干異な
る。また、両者を併用する場合と、それぞれ単独で使用
する場合とで若干異なる。
【0055】即ち、請求項5記載の本発明のソフトアイ
ス状凍結アルコール性飲料においては、エリスリトール
は単独使用の場合、1重量%以上10重量%未満である
が、キシリトールを含有する場合には、0重量%以上1
0重量%未満とする。一方、キシリトールの割合は、単
独使用の場合、4〜23重量%であるが、エリスリトー
ルを含有する場合には、0〜23重量%とする。
【0056】一方、請求項6記載の本発明のソフトアイ
ス状凍結アルコール性飲料においては、エリスリトール
の割合は、請求項5記載の発明と同じく、単独使用の場
合、1重量%以上10重量%未満であるが、キシリトー
ルを含有する場合には、0重量%以上10重量%未満で
ある。しかし、キシリトールの割合は、単独使用の場合
4〜20重量%であり、エリスリトールを含有する場合
には、0〜20重量%とする。
【0057】つまり、エリスリトールは、キシリトール
を併用しない場合には、1重量%以上10重量%未満の
割合で含有させる必要がある。ここでエリスリトールの
割合が1重量%未満であると凍結硬度が不充分となり、
一方、10重量%以上であると、製品に結晶が析出する
ので、好ましくない。また、エリスリトールは、キシリ
トールを併用する場合には、0重量%以上10重量%未
満の割合であり、下限は0重量%であって、全く含有さ
せないでも良い。しかし、10重量%以上であると、製
品に結晶が析出するので好ましくない。換言すれば、エ
リスリトールは、キシリトールと併用するか否かに関わ
らず、10重量%以上であると製品に結晶が析出するの
で、最大10重量%とする。
【0058】次に、キシリトールは、アルコール濃度に
よって上限値が異なり、また、単独使用の場合と両者を
併用する場合とで下限値が異なる。即ち、キシリトール
は、アルコール濃度が4〜6重量%のとき、単独使用の
場合、4〜23重量%であるが、エリスリトールを含有
する場合には、0〜23重量%である。また、キシリト
ールは、アルコール濃度が6重量%を超え、8重量%以
下のときには、単独使用の場合、4〜20重量%であ
り、エリスリトールを含有する場合には、0〜20重量
%である。
【0059】つまり、キシリトールは、エリスリトール
を併用しない場合には、4〜20重量%又は4〜20重
量%の割合で含有させる必要がある。ここでエリスリト
ールの割合が4重量%未満であると凍結硬度が不充分と
なり、上限値を超えると、甘くなり過ぎるため、いずれ
も好ましくない。また、キシリトールは、エリスリトー
ルを併用する場合には、0〜23重量%又は0〜20重
量%の割合であり、下限は0重量%であって、全く含有
させないでも良い。しかし、上限値を超えると、やはり
甘くなり過ぎるため、好ましくない。
【0060】なお、総糖質量もアルコール濃度によって
異なり、アルコール濃度が4〜6重量%のときには、2
0〜25重量%であり、アルコール濃度が6重量%を超
え、8重量%以下のときには、15〜20重量%であ
る。前記したように、アルコール濃度が低い場合には、
糖質含量が多少多くても良く、逆にアルコール濃度がそ
れより高い場合には、糖質含量をより低く設定する必要
があるからである。ここで総糖質量が、上記下限値未満
では、氷結晶が大きく成長し、食感が粗くなり過ぎるた
め、好ましくない。また、総糖質量が上記上限値を超え
ると、製品が甘くなり過ぎるため好ましくない。
【0061】本発明の凍結アルコール性飲料には、請求
項7に示す如く、さらに増粘安定化剤が含有されていて
も良い。増粘安定化剤としては、粉末状、固形状等いず
れの形態でもよい。また、市販品を使用することも可能
である。請求項7記載の本発明において使用することが
できる増粘安定化剤としては、通常、食品分野で使用さ
れているものが挙げられる。具体的には例えば、請求項
8に示す如く、カラギーナン、キサンタンガム、グアー
ガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アラビ
ヤガム等があり、これらの1種を単独で、或いは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0062】これら増粘安定化剤は、製品に適度な粘度
を与えつつ、氷結晶の大きさを調節して塊状とし、凍結
層全体をより均一な凍結状態とする働きを有する。ま
た、これら増粘安定化剤は、製品を冷凍庫から出した
後、より長い時間ソフトアイス状で安定に保つ効果も有
する。
【0063】請求項7記載の本発明の凍結アルコール性
飲料において、増粘安定化剤は、通常、0.02〜0.
15重量%、好ましくは、0.05〜0.1重量%の割
合で含有させることができる。増粘安定化剤の含有量が
0.02重量%未満であると、増粘安定化剤を含有させ
る効果がないので好ましくない。一方、増粘安定化剤の
含有量が0.15重量%を超えると、製品の粘度が高過
ぎるものとなるため、好ましくない。
【0064】本発明のソフトアイス状凍結アルコール性
飲料は、アルコール原料、糖アルコール(好ましくはエ
リスリトール又は/及びキシリトール)、さらに増粘安
定化剤を含有し、必要に応じて糖アルコール以外の糖類
(好ましくはエリスリトール及びキシリトール以外の糖
類)を含有するものであるが、その他に、本発明の目的
を損なわない限り、他の食品成分や、果汁、香料、着色
料、クエン酸,リンゴ酸,酒石酸等の酸味料などの食品
添加成分を含有するものであってもよい。
【0065】これらの中でも、果汁を加えることによ
り、アルコール性飲料に適度な風味と香りを付与するこ
とができる。従って、通常は果汁を含有させる。使用す
ることができる果汁としては、特に制限はないが、例え
ば、ライム、レモン、オレンジ、ユズ、カボスなどの柑
橘類の果汁やパイナップル、リンゴ、グレープなどの果
汁、さらにトマトなどの野菜類の果汁が挙げられる。さ
らに、これらの濃縮果汁や果汁粉末を使用することも可
能である。
【0066】本発明の凍結アルコール性飲料に果汁を配
合する場合は、通常、4容量%前後、好ましくは0.5
〜5容量%の範囲で添加する。果汁の配合量が0.5容
量%未満であると、好ましい果汁感が得られないことと
なり、また、5容量%を超えると、果汁感が強過ぎた
り、凍結点が降下し過ぎたりする。
【0067】このようなソフトアイス状凍結アルコール
性飲料は、上記原料成分を攪拌、混合した後、家庭用の
冷凍庫または冷蔵庫の冷凍室や業務用冷凍庫などで凍結
させるだけで、簡単に製造することができる。なお、凍
結条件等は特に制限はないが、通常、−15℃〜−20
℃程度の温度で7〜20時間程度凍結処理すれば良い。
【0068】本発明のソフトアイス状凍結アルコール性
飲料は、適当な容器に充填、密封後、加熱殺菌したもの
がより好ましい。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれによって何ら制限されるもので
はない。
【0070】実験例1 アルコール原料としてのホワイトラム(アルコール濃度
4容量%と6容量%)、果糖ブドウ糖液糖、及びエリス
リトール(日研化学株式会社製)を第1表に示す所定割
合で水に溶解し、これにさらにキサンタンガム0.08
重量%とレモン果汁4容量%を配合したものを、攪拌、
混合し、これを−20℃の冷凍庫に9時間保持して凍結
させ、凍結アルコール性飲料〔フローズンカクテル(ダ
イキリ)〕を得た。なお、通常、フローズンカクテルに
は、糖質としては、砂糖と同等の甘味度を有し、凍結硬
度を下げやすい果糖ブドウ糖液糖が使用されているの
で、この実験例でも果糖ブドウ糖液糖を使用した。得ら
れた凍結アルコール性飲料の凍結硬度の評価結果と観察
結果を第1表に示す。なお、第1表中、アルコール原料
については、エタノール濃度に換算したものを示した。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】〔第1表の脚注〕 ◎:凍結硬度が1500g以上、500g未満であっ
て、特に好ましい性状 ○:凍結硬度が500g以上、1000g未満であっ
て、好ましい性状 △:凍結硬度が1000g以上、1500g未満であっ
て、やや好ましくない性状 ×:凍結硬度が1500g以上であって、好ましくない
性状
【0074】第1表によれば、アルコール濃度が4〜6
容量%の範囲の場合、エリスリトールが3〜7重量%の
範囲であって、かつ、総糖質量が20〜25重量%の範
囲であれば、甘過ぎず、かつ好ましい凍結硬度を有し、
しかもエリスリトールの結晶も析出することなく、ソフ
トアイス状の凍結アルコール性飲料が得られることが分
かる。また、第1表によれば、このようなソフトアイス
状の凍結アルコール性飲料は、果糖ブドウ糖液糖を使用
することによっては、達成困難であることも分かる。さ
らに、エリスリトールを10重量%使用すると、結晶が
析出して、白濁してしまい、望ましい性状とはならない
ことも分かる。
【0075】実験例2 アルコール原料としてのホワイトラム(アルコール濃度
7容量%と8容量%)、果糖ブドウ糖液糖、及びエリス
リトール(日研化学株式会社製)を第2表に示す所定割
合で水に溶解し、これにさらにキサンタンガム0.08
重量%とレモン果汁4容量%を配合したものを、攪拌、
混合し、これを−20℃の冷凍庫に9時間保持して凍結
させ、凍結アルコール性飲料〔フローズンカクテル(ダ
イキリ)〕を得た。得られた凍結アルコール性飲料の凍
結硬度の評価結果と観察結果を第2表に示す。なお、第
2表中、アルコール原料については、通常、飲料用とし
て含有されるエタノール濃度に換算したものを示した。
また、凍結硬度は、第1表の脚注に示したと同様にして
評価した。
【0076】
【表3】
【0077】第2表によれば、アルコール濃度が6容量
%を超えて8容量%以下の場合、エリスリトールが1重
量%以上10重量%未満の範囲であって、かつ、総糖質
量が15〜20重量%の範囲であれば、甘過ぎず、かつ
好ましい凍結硬度を有し、しかもエリスリトールの結晶
も析出することなく、ソフトアイス状の凍結アルコール
性飲料が得られることが分かる。また、この第2表の結
果を、アルコール濃度が4〜6容量%の範囲の場合であ
る実験例1の結果(第1表)と比較すると、アルコール
濃度が高い場合には、エリスリトールは同じ量必要であ
っても、総糖質量はより少ない量で充分であることが分
かる。
【0078】実験例3 アルコール原料としてのテキーラ(アルコール濃度4容
量%と6容量%)、果糖ブドウ糖液糖、エリスリトール
(日研化学株式会社製)及びキシリトール(日研化学株
式会社製)を第3表に示す所定割合で水に溶解し、これ
にさらにカラギーナン0.08重量%とレモン果汁4容
量%を配合したものを、攪拌、混合し、これを−20℃
の冷凍庫に9時間保持して凍結させ、凍結アルコール性
飲料〔フローズンカクテル(マルガリータ)〕を得た。
得られた凍結アルコール性飲料の凍結硬度の評価結果と
観察結果を第3表に示す。なお、第3表中、アルコール
原料については、通常、飲料用として含有されるエタノ
ール濃度に換算したものを示した。また、凍結硬度は、
第1表の脚注に示したと同様にして評価した。
【0079】
【表4】
【0080】第3表によれば、アルコール濃度が4〜6
容量%の範囲の場合、以下のようなときに、甘過ぎず、
かつ好ましい凍結硬度を有し、しかもエリスリトールの
結晶も析出することなく、ソフトアイス状の凍結アルコ
ール性飲料が得られることが分かる。すなわち、エリス
リトール3〜7重量%であって、総糖質量20〜25重
量%のときである。但し、キシリトールを含有する場合
には、エリスリトール0重量%以上10重量%未満であ
り、つまりエリスリトールを含有しなくとも良い。キシ
リトールを含有させる場合、4〜23重量%とする。な
お、エリスリトールを含有しているときには、キシリト
ールは0〜23重量%で良く、つまりキシリトールを含
有しなくとも良い。
【0081】さらに、第3表によれば、エリスリトール
やキシリトールがあれば、これら以外の糖質がなくとも
良好なソフトアイス状の凍結アルコール性飲料が得られ
ており、シュガーレスの処方も可能となることが分か
る。
【0082】実験例4 アルコール原料としてのテキーラ(アルコール濃度7容
量%と8容量%)、果糖ブドウ糖液糖、エリスリトール
(日研化学株式会社製)及びキシリトール(日研化学株
式会社製)を第4表に示す所定割合で水に溶解し、これ
にさらにカラギーナン0.08重量%とレモン果汁4容
量%を配合したものを、攪拌、混合し、これを−20℃
の冷凍庫に9時間保持して凍結させ、凍結アルコール性
飲料〔フローズンカクテル(マルガリータ)〕を得た。
得られた凍結アルコール性飲料の凍結硬度の評価結果と
観察結果を第4表に示す。なお、第4表中、アルコール
原料については、通常、飲料用として含有されるエタノ
ール濃度に換算したものを示した。また、凍結硬度は、
第1表の脚注に示したと同様にして評価した。
【0083】
【表5】
【0084】第4表によれば、アルコール濃度が6容量
%を超えて8容量%以下の場合、以下のようなときに、
甘過ぎず、かつ好ましい凍結硬度を有し、しかもエリス
リトールの結晶も析出することなく、ソフトアイス状の
凍結アルコール性飲料が得られることが分かる。即ち、
キシリトールは含まれず、エリスリトールを単独で含む
ときであって、エリスリトール1重量%以上10重量%
未満および総糖質量15〜20重量%のとき、或いはエ
リスリトールとキシリトールとを含有するときであっ
て、エリスリトール1重量%以上10重量%未満、キシ
リトール4〜20重量%および総糖質量15〜20重量
%のときである。このようなときに目的とするソフトア
イス状の凍結アルコール性飲料が得られることが分か
る。
【0085】実験例5 アルコール原料としてのホワイトラム(アルコール濃度
6容量%と8容量%)、果糖ブドウ糖液糖15重量%、
エリスリトール(日研化学株式会社製)5重量%、レモ
ン果汁4容量%、さらに増粘安定化剤としてカラギーナ
ン又はキサンタンガムを第5表に示す割合で配合し、水
に溶解したものを、攪拌、混合し、これを−20℃の冷
凍庫に9時間保持して凍結させ、凍結アルコール性飲料
〔フローズンカクテル〕を得た。得られた凍結アルコー
ル性飲料の凍結硬度の評価結果と観察結果を第5表に示
す。なお、第5表中、アルコール原料については、通
常、飲料用として含有されるエタノール濃度に換算した
ものを示した。第5表中、凍結硬度の評価は、次の3段
階で行なった。
【0086】 ○:バラツキが小さい △:バラツキが大きい ×:増粘安定化剤の影響で、粘度が高過ぎる。
【0087】
【表6】
【0088】第5表から、増粘安定化剤を0.02〜0.1
5重量%配合することにより、望ましい凍結硬度が得ら
れることが分かった。
【0089】実験例6 アルコール原料としてのホワイトラム(アルコール濃度
8容量%)、果糖ブドウ糖液糖15重量%、エリスリト
ール(日研化学株式会社製)5重量%、レモン果汁4容
量%、さらに増粘安定化剤として、グアーガムとローカ
ストビーンガムとタマリンドガムのいずれかをそれぞれ
0.08重量%の割合で配合し、水に溶解したものを、
攪拌、混合し、これを−20℃の冷凍庫に9時間保持し
て凍結させ、凍結アルコール性飲料〔フローズンカクテ
ル〕を得た。
【0090】得られた凍結アルコール性飲料の凍結硬度
は、100〜300gであった。従って、グアーガム、
ローカストビーンガム、タマリンドガムというガム類も
凍結安定化に貢献することが明らかになった。
【0091】実験例7 実験例1〜6で得られた本発明のソフトアイス状凍結ア
ルコール性飲料のうち、代表的なものについてのカロリ
ー値を測定し、糖質として果糖ブドウ糖液糖のみを用い
たものからのカロリーの低減率を算出し、エリスリトー
ルとキシリトールによるカロリーの低減効果を調べた。
結果を第6表に示す。
【0092】各凍結アルコール性飲料のカロリーは、ま
ずアルコールのカロリーを求め、それに糖質のカロリー
を加算することによって求めた。アルコールのカロリー
は次のようにして求めた。まず、アルコールのグラム
(g)数を「四訂食品成分表」に基づき、次式により求
めた。
【0093】・アルコールのグラム(g)数=(0.794
/製品の比重)×アルコール濃度
【0094】次に、得られたアルコールのグラム(g)
数に、換算係数6.93を乗じて、アルコールのグラム
(g)数のカロリー値を求めた。ここで、製品(凍結ア
ルコール性飲料)の比重は、溶液中に糖質が含有される
と、1.0を超えるが、便宜的に1.0に統一して、カ
ロリー値を計算した。
【0095】計算の結果、アルコール4容量%の場合の
カロリー値は22kcal/100g 、6容量%では33kc
al/100g 、7容量%では38.5kcal/100g 、8
容量%では44kcal/100g 、10容量%では55kc
al/100g であった。一方、糖質のカロリーは、果糖
ブドウ糖液糖は4kcal/g、エリスリトールは0kcal/g、
キシリトールは2kcal/gとして、各例の糖質濃度から算
出した。
【0096】
【表7】
【0097】第6表より、同じ総糖質量の凍結アルコー
ル性飲料でも、エリスリトール又は/及びキシリトール
を使用することにより、通常、飲料に使用される果糖ブ
ドウ糖液糖を含有する製品より、約30〜50%程度ま
でカロリーを低減することができることが分かる。つま
り、凍結アルコール性飲料の糖分として、エリスリトー
ル又は/及びキシリトールを多用することにより、カロ
リーを低く抑えることが可能であることが証明された。
【0098】比較実験例 比較として、市販の4種のフローズンカクテルについ
て、アルコール濃度、糖質含量、凍結硬度およびカロリ
ーを調べた。結果を第7表に示す。また、第7表中、凍
結硬度は、第1表の脚注に示したと同様にして評価し
た。
【0099】
【表8】
【0100】第7表によれば、次のことが分かった。す
なわち、サンプルNo.1は、アルコール濃度が4容量%と
好ましい範囲のものであるものの、凍結硬度が1000
g以上で好ましくない性状のものであった。次に、サン
プルNo.2とNo.3は、アルコール濃度が8容量%であり、
しかも凍結硬度も良好なものであったが、糖質含量がい
ずれも27%以上と高く、甘味の強いものであった。ま
た、サンプルNo.4は、糖質含量と凍結硬度は良好であっ
たものの、アルコール濃度が10容量%と高過ぎて、好
ましくないものであった。また、これら市販のサンプル
のカロリーは、アルコール濃度が8容量%程度の場合、
150kcal/g前後であった。これに対し、第7表の本発
明の凍結アルコール性飲料のカロリーは、アルコール濃
度が8容量%程度の場合、70〜90kcal/gであり、こ
れら市販のサンプルより、約40〜50%程度カロリー
が低減されていることが分かる。
【0101】従って、これらの市販品と比較すると、実
験例で得られた本発明のソフトアイス状アルコール性飲
料は、低カロリー、低糖濃度、かつ低甘味度で、しかも
同等以上の凍結硬度を有することが分かった。
【0102】
【発明の効果】本発明のソフトアイス状凍結アルコール
性飲料は、凍結硬度が低く、柔らかいソフトアイス状の
製品となっている。しかも、本発明のソフトアイス状凍
結アルコール性飲料は、冷凍室から出してからも、暫く
の間、ソフトアイス状を保っている。
【0103】また、本発明のソフトアイス状凍結アルコ
ール性飲料は、カロリーの低い糖アルコールを用いてい
るため、砂糖などの糖質を用いた市販品と比べて、カロ
リーを抑えたソフトアイス状凍結アルコール性飲料とな
っている。また、時代の要請に適うシュガーレスタイプ
も実現可能となった。
【0104】特に糖アルコールとして、エリスリトール
及び/又はキシリトールを用いた場合、市販品と同程度
(4〜8容量%)のアルコール濃度であり、かつ、より
低カロリー、低糖、低甘味であるにもかかわらず、凍結
硬度が低く、柔らかいソフトアイス状の製品が得られ
る。
【0105】さらに、本発明の方法によれば、上記した
如きソフトアイス状凍結アルコール性飲料を、複雑な工
程を必要とせず、家庭用の冷蔵庫の冷凍室で簡単に作る
ことができる。すなわち、本発明の方法によれば、通常
の凍結処理を行なうだけで、上記した如きソフトアイス
状凍結アルコール性飲料を簡単に製造することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 裏地 達哉 愛知県知多市北浜町24番12 日研化成株式 会社名古屋工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルコール濃度が1容量%以上、18容
    量%以下であり、糖アルコールを含有するソフトアイス
    状凍結アルコール性飲料。
  2. 【請求項2】 総糖質量が30重量%以下であることを
    特徴とする請求項1記載のソフトアイス状凍結アルコー
    ル性飲料。
  3. 【請求項3】 アルコール濃度が4〜8容量%であり、
    糖アルコールを含有し、かつ総糖質量が15〜25重量
    %であるソフトアイス状凍結アルコール性飲料。
  4. 【請求項4】 糖アルコールとして、少なくともエリス
    リトール又は/及びキシリトールを含有することを特徴
    とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のソフトア
    イス状凍結アルコール性飲料。
  5. 【請求項5】 アルコール濃度4〜6容量%、エリスリ
    トール1重量%以上10重量%未満(但し、キシリトー
    ルを含有する場合には、0重量%以上10重量%未満と
    する。)又は/及びキシリトール4〜23重量%(但
    し、エリスリトールを含有する場合には、0〜23重量
    %とする。)を含有し、かつ、総糖質量が20〜25重
    量%であるソフトアイス状凍結アルコール性飲料。
  6. 【請求項6】 アルコール濃度6容量%を超え、8容量
    %以下、エリスリトール1重量%以上10重量%未満
    (但し、キシリトールを含有する場合には、0重量%以
    上10重量%未満とする。)又は/及びキシリトール4
    〜20重量%(但し、エリスリトールを含有する場合に
    は、0〜20重量%とする。)を含有し、かつ、総糖質
    量が15〜20重量%であるソフトアイス状凍結アルコ
    ール性飲料。
  7. 【請求項7】 増粘安定化剤を0.02〜0.15重量
    %含有する請求項1〜請求項6のいずれかに記載のソフ
    トアイス状凍結アルコール性飲料。
  8. 【請求項8】 増粘安定化剤が、キサンタンガム、カラ
    ギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリ
    ンドガム及びアラビアガムよりなる群から選ばれた1種
    以上のものである請求項7記載のソフトアイス状凍結ア
    ルコール性飲料。
  9. 【請求項9】 アルコール原料、糖質、及び増粘安定化
    剤を攪拌、混合した後、凍結させることを特徴とする、
    請求項7記載のソフトアイス状凍結アルコール性飲料を
    製造する方法。
  10. 【請求項10】 アルコール原料、エリスリトール又は
    /及びキシリトール、エリスリトール及びキシリトール
    以外の糖質、及び増粘安定化剤を攪拌、混合した後、凍
    結させることを特徴とする、請求項7記載のソフトアイ
    ス状凍結アルコール性飲料を製造する方法。
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