JPH10117397A - 圧電スピーカ - Google Patents

圧電スピーカ

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JPH10117397A
JPH10117397A JP26811696A JP26811696A JPH10117397A JP H10117397 A JPH10117397 A JP H10117397A JP 26811696 A JP26811696 A JP 26811696A JP 26811696 A JP26811696 A JP 26811696A JP H10117397 A JPH10117397 A JP H10117397A
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JP
Japan
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piezoelectric
diaphragm
crystal film
elastic substrate
piezoelectric crystal
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JP26811696A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Abu
俊彦 阿武
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型で軽量な圧電スピーカを提供するもので
ある。 【解決手段】 弾性体基板と、該弾性体基板の片面また
は両面に水熱合成法によって形成された圧電結晶膜と、
該圧電結晶膜表面上に配置された電極とからなる圧電ユ
ニモルフまたは圧電バイモルフを駆動板とする圧電スピ
ーカである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水熱合成法により
成膜された圧電ユニモルフまたは圧電バイモルフを振動
板に利用した圧電スピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電体を使用する圧電スピーカで
は、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTと略記す
る。)等の圧電特性に優れた材料からなる圧電体結晶に
金属ピンやカンチレバーなどを取り付け、該ピンや該カ
ンチレバーの一部を主に金属箔などの振動板に接触させ
ておくことにより、該圧電体結晶に変化する電圧を印加
したときに発生する該圧電体結晶の変位を振動板の振動
に変換している。また、ある程度の厚さを有するPZT
等の圧電体結晶からなる平面圧電体を別体の振動板に接
着し、該平面圧電体に変化する電圧を印加したときに発
生する該平面圧電体の変位を振動板の振動に変換してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、通信機器、情報
処理機器、AV、家電製品等の高性能化と小型化が進む
のと平行して、それらの機器に使用される圧電スピーカ
の小型化、軽量化、高性能化が望まれている。
【0004】しかしながら、小型化、軽量化のために圧
電体結晶を薄型化するためには、圧電体磁器組成物を焼
成、成型して得られた圧電体結晶を薄く切り出して研磨
することが行われているが、そのような薄型化には限界
があり、また製品とする際の歩留りが悪くコストアップ
となるという課題がある。さらにまた、従来の圧電スピ
ーカの場合、圧電体結晶を単独で振動板とすることは強
度の面や所望の振幅が得られない等の点から、通常、薄
型化した圧電体結晶に別体の振動板を接着剤等により接
合するような構造となっており、該接着剤の劣化が課題
であった。
【0005】また、スパッタリング法やCVD法等の真
空プロセスを用いて薄膜化した圧電体結晶を得ることも
できるが、これらの方法の場合、基板の種類が限られ
る、高温での成膜あるいは成膜後の熱処理が必要であり
組成の制御が難しい、膜厚を厚くする場合の量産性に乏
しく、数μm程度が現実的な厚さであるため、大きな出
力が得られない等の課題があった。さらに、グリーンシ
ート法やドクターブレード法により薄膜化した焼結体を
得ることも検討されているが、セラミックスと電極材料
とを一体焼成するため電極材料が限定され、高価なパラ
ジウム等の貴金属を含む電極を使用する必要がある等の
課題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、弾性体基板
と、該弾性体基板の片面に水熱合成法によって形成され
た圧電結晶膜と、該圧電結晶膜表面に配置された電極と
からなる圧電ユニモルフを振動板とすることを特徴とす
る圧電スピーカに関する。
【0007】また本発明は、弾性体基板と、該弾性体基
板の両面に水熱合成法によって形成された圧電結晶膜
と、該圧電結晶膜表面に配置された電極とからなる圧電
バイモルフを振動板とすることを特徴とする圧電スピー
カに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において振動板を構成する
弾性体基板としては、金属板または金属コーティングし
た樹脂が用いられる。金属板としてはチタン、ステンレ
ス、Fe−Ni合金等、あるいはこれらの金属と他の金
属とが積層され、且つこれらの金属層が表面に形成され
ているもの、また樹脂としてはポリイミドフィルムやポ
リフェニレンサルファイド等の耐熱性の樹脂などが好ま
しい。コーティング用金属としてはTi等が用いられ
る。
【0009】前記弾性体基板の片面または両面に水熱合
成によって圧電結晶膜を形成する。圧電結晶膜の形成
は、例えば以下のような方法により行う。まずPb(N
3 2 水溶液50mmol/l〜500mmol/l、ZrOCl
2 水溶液20mmol/l〜500mmol/l、TiCl4 水溶液
0.002mmol/l〜5mmol/lおよびKOH水溶液1mol/
l 〜8mol/l の混合溶液中に、平板状若しくは予め必要
な形状にプレス等の処理により成形した前記弾性体基
板、又はプレスなどの処理で必要な形状が得られない場
合には複数の前記弾性体基板を溶接や接着などの手段で
組み合わせて必要な形状に組み立てたものを投入し、1
40〜190℃の温度で、1〜24時間水熱による表面
処理を行い、結晶核を形成させる。前記弾性体基板の片
面に水熱合成によって圧電結晶膜を形成するような場合
には、結晶膜を形成しない片面に結晶の析出を防止する
ためにフッ素樹脂等でコーティングして前記水熱合成を
行う。
【0010】次に結晶を成長させるため、Pb(N
3 2 水溶液50mmol/l〜500mmol/l、ZrOCl
2 水溶液5mmol/l〜400mmol/l、TiCl4 水溶液1
0mmol/l〜500mmol/lおよびKOH水溶液2mol/l 〜
8mol/l の混合溶液中に、前記配向性の結晶核が形成さ
れた基板を入れて100〜140℃、1〜96時間水熱
処理を行う。これにより基板上に高配向性の圧電結晶膜
が形成される。水熱処理における加熱方法は油浴や電気
炉などによる。その後一般的な洗浄を行う。例えば、純
水中で超音波洗浄を行い、ついで酢酸水溶液中で超音波
洗浄を行い、さらに純水中で超音波洗浄を行い、100
〜120℃で12時間程度乾燥させる。圧電結晶膜の製
造については、上記水熱条件に限定されるものではな
い。
【0011】こうして形成された圧電結晶膜の組成はP
b(ZrX Ti1-X )O3 (ただし、0≦x≦1であ
る。)からなっている。得られた圧電結晶膜の結晶状態
はX線回折等により確認される。
【0012】本発明において、圧電結晶膜表面に形成さ
れる電極としては、特に限定されないが、スピーカの振
動板として、またコストや量産性を考慮し最適なものが
選定される。例えばスパッタリング法によるNi、無電
解メッキ法によるNi、焼付けタイプのAg等がある。
その他、蒸着またはスパッタリング法によるPt、Al
またはAu等も用いることができる。しかし、基板に樹
脂を用いる場合には、高温に加熱できないので焼付けタ
イプのAgは使用できない。
【0013】このようにして弾性体基板の片面に圧電体
結晶膜を有する圧電ユニモルフおよび弾性体基板の両面
に圧電体結晶膜を有する圧電バイモルフが得られる。該
圧電ユニモルフおよび圧電バイモルフに変化する電圧を
印加すると、該圧電ユニモルフおよび圧電バイモルフは
電圧の変化に伴い変位するので、薄くて軽量なスピーカ
の振動板として機能する。
【0014】本発明により得られる振動板は、使用する
弾性体基板と同じ形状のものにでき、また、圧電体結晶
膜の厚さや該弾性体基板を適宜選定することにより、所
望の厚さの振動板が得られる。圧電体結晶膜が過度に薄
い場合には圧電特性がばらつくことがあり、また、過度
に厚い場合にはその成膜に時間を要し生産コストが悪く
なるので、圧電結晶膜の厚さは通常1〜100μm程度
が好ましい。弾性体基板の厚さは特に限定されないが、
過度に薄い場合には取り扱いが困難であり、また過度に
厚い場合には振動板の動作特性が悪くなることもあり、
該基板に形成される圧電結晶膜の0.1〜5倍、特に
0.5〜2倍程度が好ましい。振動板の厚さは通常1〜
500μm、好ましくは1〜100μm程度である。
【0015】また、分極が弾性体基板表面に対して垂直
方向に自動的に発生するので、振動板の振動方向は該振
動板の中心から該振動板の表面と垂直な方向に広がるよ
うに振動する。したがって振動板を曲面としたような場
合には、発生した音波面は該振動板の曲面に垂直に広が
るため、広い指向性が容易に得られる。
【0016】プレスなどの処理で必要な振動板の形状が
得られない場合は、複数の弾性体基板で個別に複数振動
板を構成部品として予め製作しておき、スピーカユニッ
トとして組み立てる時にねじ止めや接着等の方法により
目的とする形状に組み立てても良い。
【0017】Ti金属またはTi合金のパターンを描く
ことにより、一つの弾性体基板面内に複数の圧電ユニモ
ルフまたは圧電バイモルフを同時に成膜できるので、例
えば一つの弾性体基板平面に二つの圧電結晶膜を有する
圧電ユニモルフを設けて振動板を構成することにより、
ステレオスピーカとすることもできる。
【0018】振動板を駆動するための磁気回路などの特
別な機構を設ける必要がなく、また、分極のために強電
界をかける必要もなく、さらに、容易に球面状のような
曲面を含んだ立体などの自由形状を有する振動板や大き
な形状の振動板を製作できる。また従来の圧電スピーカ
に較べて薄くて軽量で安価であり、色々な用途、目的に
合わせた圧電スピーカを提供することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例についてさらに
詳細に説明する。
【0020】実施例1 Pb(NO3 2 水溶液16mmol、ZrOCl2 水溶液
8mmol、TiCl4 水溶液0.08mmolおよびKOH水
溶液0.3 molの混合溶液(溶液合計量150ml、充
填率50%)の中部に、厚さ20μmのTi基板を設置
固定し、格別の攪拌操作なしに180℃で12時間の水
熱処理を行い基板面に対して結晶軸の揃ったPb(Zr
Ti)O3 の結晶核を生成させた。
【0021】次に、結晶成長のためPb(NO3 2
溶液16mmol、ZrOCl2 水溶液1.6mmol、TiC
4 水溶液14.4mmolおよびKOH水溶液2.3 mol
の混合溶液(溶液合計量640ml)の上部に設置固定
し、格別の攪拌操作なしに、130℃、48時間の水熱
処理を行ってPb(ZrTi)O3 の膜を形成した。そ
の後、純水中での超音波洗浄3分間×2回、1mol/l 酢
酸水溶液中で超音波洗浄3分間×2回、およびさらに純
水中で超音波洗浄3分間×2回を行い、100℃で12
時間乾燥を行った。
【0022】このようにしてTi基板の両面に厚さ20
μmのPZT結晶膜を形成させた後、金電極を蒸着法に
より形成した。長さ20mmのバイモルフ素子の構成で、
分極処理を施すことなく電圧を印加したところ変位し、
分極方向が揃っていることが電気的にも確認された。こ
の膜の誘電率は約900、誘電損失は約0.02であっ
た。
【0023】前記方法により得られた振動板を直径50
mmφのサイズに切り出し、圧電スピーカの一態様とし
て図1に示すような薄型圧電スピーカを作製した。図1
は本発明を応用した薄型平面スピーカの概略縦断面図で
ある。同図において、1は前記水熱合成法で製作された
圧電バイモルフを使用した振動板である。2および3は
振動板1をそれぞれ外側と内側から挟んで保持する金属
製リング、4は振動板1とリング2および3で形成され
るエアギャップを充填するエポキシ樹脂、5は振動板1
の不要振動を抑制するための硬質フェルト、6は再生す
るための音声信号を入力する端子として使用する金属製
ピン、7は振動板1、リング2,3および硬質フェルト
5を収納し、規定位置に保持するための樹脂製フレー
ム、8は振動板1の背圧を逃がす穴である。
【0024】リング2は振動板1の外側から、リング3
は振動板1の内側から振動板1を挟み込むことで振動板
1にテンションを与え且つ、振動板1の両面に形成され
た電極と接触していることで電気的に接続される。従っ
てリング2および3に圧入されたピン6に音声信号を入
力すれば再生できる。
【0025】振動板1とリング2および3で形成される
エアギャップは振動板1が厚くても数百μm程度と非常
に狭いため、この部分における短絡を防止する目的でエ
ポキシ樹脂4が充填されている。
【0026】振動板1裏側とフレーム7との間の空間
は、振動板1の共振などの不要振動を抑制する目的で硬
質のフェルト5を設けている。またフレーム7には振動
板1の振動で振動板1の裏側に発生する背圧を逃がすた
めの穴8が設けられている。
【0027】図2は図1の分解斜視図を示す。図3は図
1に示す圧電スピーカにおける圧電バイモルフを振動板
とする拡大縦断面図であり、9は弾性体基板、10は圧
電結晶膜、11は電極を示す。また、図4は本発明に使
用する振動板の別の態様を示すものであり、曲面状の弾
性体基板に二つの圧電結晶膜10を有する圧電モノモル
フからなる振動板1の概略縦断面図であり、ステレオス
ピーカを構成することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、非常に簡素な構造で薄
くて軽い圧電スピーカを製作できるので、ヘッドホン用
ユニットなどのような薄型で軽量化が要求される圧電ス
ピーカを提供することができる。また、曲面などの自由
形状を有する振動板や大きな形状の振動板を得ることが
できる。さらに、本発明により得られる圧電スピーカは
弾性体基板と圧電結晶体とを接着剤により接着していな
いので接着剤の劣化等の恐れがなく長期に安定して使用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電スピーカの構成を示す縦断面図で
ある。
【図2】本発明の圧電スピーカの分解斜視図である。
【図3】本発明を構成する振動板の構成を示す縦断面図
である。
【図4】本発明を構成する振動板の別態様の構成を示す
縦断面図である。
【符号の説明】
1 振動板 2,3 リング 4 エポキシ樹脂 5 硬質フェルト 6 金属製ピン 7 フレーム 8 穴 9 弾性体基板 10 圧電結晶膜 11 電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体基板と、該弾性体基板の片面に水
    熱合成法によって形成された圧電結晶膜と、該圧電結晶
    膜表面上に配置された電極とからなる圧電ユニモルフを
    振動板とすることを特徴とする圧電スピーカ。
  2. 【請求項2】 弾性体基板と、該弾性体基板の両面に水
    熱合成法によって形成された圧電結晶膜と、該圧電結晶
    膜表面上に配置された電極とからなる圧電バイモルフを
    振動板とすることを特徴とする圧電スピーカ。
JP26811696A 1996-10-09 1996-10-09 圧電スピーカ Pending JPH10117397A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004515140A (ja) * 2000-11-22 2004-05-20 テクニシエ・ウニベルシタイト・デルフト 音響再生システム
US7068800B2 (en) 1998-09-09 2006-06-27 Fujitsu Limited Speaker apparatus
WO2007024045A1 (en) * 2005-08-24 2007-03-01 Dream Sonic Technology Limited Contact structure of a film-type audio-speaker
US8237334B2 (en) 2009-04-22 2012-08-07 Parker-Hannifin Corporation Piezo actuator
US10335084B2 (en) * 2014-09-08 2019-07-02 Kyocera Corporation Audio device

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