JPH10115233A - 筒内噴射式2サイクルエンジン - Google Patents
筒内噴射式2サイクルエンジンInfo
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- JPH10115233A JPH10115233A JP8268623A JP26862396A JPH10115233A JP H10115233 A JPH10115233 A JP H10115233A JP 8268623 A JP8268623 A JP 8268623A JP 26862396 A JP26862396 A JP 26862396A JP H10115233 A JPH10115233 A JP H10115233A
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- exhaust
- valve
- engine
- start timing
- control valve
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
- Y02T10/00—Road transport of goods or passengers
- Y02T10/10—Internal combustion engine [ICE] based vehicles
- Y02T10/12—Improving ICE efficiencies
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- Y02T10/40—Engine management systems
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 不整燃焼を防止でき、未燃焼燃料の排出によ
る燃費低下,排気ガス性状の悪化を回避できる筒内噴射
式2サイクルエンジンを提供する。 【解決手段】 シリンダ側壁に掃気ポート13a及び排
気ポート35aを形成し、シリンダヘッド5に点火プラ
グ34を取り付け、燃焼室a内に燃料噴射弁14を備え
る。排気通路35に配設した通路断面積を可変とする排
気制御弁39と、燃料噴射弁をエンジン負荷に基づき、
負荷が大なる程多くの燃料を点火プラグによる点火前に
噴射供給制御する燃料噴射制御手段ECU70と、負荷
が小さい運転域での排気制御弁開度を負荷が大きい運転
域での排気制御弁開度より小さく設定する排気制御弁開
度制御手段ECUと、排気タイミングを可変とする排気
開始時期可変弁37と、負荷が大きい運転域での排気タ
イミングをエンジン負荷が小さい運転域での排気タイミ
ングより進めるよう制御する排気タイミング制御手段E
CUとを備える。
る燃費低下,排気ガス性状の悪化を回避できる筒内噴射
式2サイクルエンジンを提供する。 【解決手段】 シリンダ側壁に掃気ポート13a及び排
気ポート35aを形成し、シリンダヘッド5に点火プラ
グ34を取り付け、燃焼室a内に燃料噴射弁14を備え
る。排気通路35に配設した通路断面積を可変とする排
気制御弁39と、燃料噴射弁をエンジン負荷に基づき、
負荷が大なる程多くの燃料を点火プラグによる点火前に
噴射供給制御する燃料噴射制御手段ECU70と、負荷
が小さい運転域での排気制御弁開度を負荷が大きい運転
域での排気制御弁開度より小さく設定する排気制御弁開
度制御手段ECUと、排気タイミングを可変とする排気
開始時期可変弁37と、負荷が大きい運転域での排気タ
イミングをエンジン負荷が小さい運転域での排気タイミ
ングより進めるよう制御する排気タイミング制御手段E
CUとを備える。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に燃料を
噴射供給するようにした筒内噴射式2サイクルエンジン
に関する。
噴射供給するようにした筒内噴射式2サイクルエンジン
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、新気をスロットル弁を配置した吸
気通路を経てクランク室内に導いて一次圧縮し、該圧縮
された新気により筒内を掃気する一方、燃焼室壁に配置
された燃料噴射弁から燃料を、掃気,排気行程の途中,
さらには圧縮行程中に噴射するとともに、圧縮行程を経
て点火プラグにより着火し燃焼させ、上記掃気行程に先
行して燃焼室から既燃ガスを排気通路に排出するように
した筒内噴射式2サイクルエンジンが提案されている。
気通路を経てクランク室内に導いて一次圧縮し、該圧縮
された新気により筒内を掃気する一方、燃焼室壁に配置
された燃料噴射弁から燃料を、掃気,排気行程の途中,
さらには圧縮行程中に噴射するとともに、圧縮行程を経
て点火プラグにより着火し燃焼させ、上記掃気行程に先
行して燃焼室から既燃ガスを排気通路に排出するように
した筒内噴射式2サイクルエンジンが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の2サイクル
エンジンでは、掃気行程,排気行程中に筒内に燃料を噴
射すると、既燃焼ガスとともに燃料の一部が燃焼室から
排気通路に排出されて燃費を悪化させるとともに、排出
された燃料が排気通路を既燃焼ガスと共に流下する途中
で不完全に後燃えし、排気ガス中のCOやHCを増加さ
せてしまうという問題がある。
エンジンでは、掃気行程,排気行程中に筒内に燃料を噴
射すると、既燃焼ガスとともに燃料の一部が燃焼室から
排気通路に排出されて燃費を悪化させるとともに、排出
された燃料が排気通路を既燃焼ガスと共に流下する途中
で不完全に後燃えし、排気ガス中のCOやHCを増加さ
せてしまうという問題がある。
【0004】また上記2サイクルエンジンでは、掃気に
より燃焼室に入った新気が、既燃焼ガスとともに燃焼室
から排気通路に排出されるいわゆる吹き抜けも発生す
る。スロットル弁開度が小さい低負荷においては掃気の
ための新気量そのものが少なく、掃気行程中あるいは掃
気行程終了後排気孔が閉じるまでの期間に、燃焼室内の
圧力が大気圧以下に低下してしまう。この期間中には燃
焼室と排気通路が連通しており、温度が低下した排気通
路中の既燃焼ガスが筒内に逆流する。なお、新気の吹き
抜け量が多い場合には、仮にスロットル弁を廃止した場
合でも既燃焼ガス量の少ない低負荷においては、前述の
期間中の燃焼室内の圧力の低下が大きくなり、吹き抜け
た新気の一部と、吹き抜けた新気によりさらに温度低下
した既燃焼ガスが筒内に逆流する。そして、点火前に噴
射され微粒化した燃料は、掃気流,逆流あるいはこれら
の残留分により燃焼室内に広く拡散してしまう。
より燃焼室に入った新気が、既燃焼ガスとともに燃焼室
から排気通路に排出されるいわゆる吹き抜けも発生す
る。スロットル弁開度が小さい低負荷においては掃気の
ための新気量そのものが少なく、掃気行程中あるいは掃
気行程終了後排気孔が閉じるまでの期間に、燃焼室内の
圧力が大気圧以下に低下してしまう。この期間中には燃
焼室と排気通路が連通しており、温度が低下した排気通
路中の既燃焼ガスが筒内に逆流する。なお、新気の吹き
抜け量が多い場合には、仮にスロットル弁を廃止した場
合でも既燃焼ガス量の少ない低負荷においては、前述の
期間中の燃焼室内の圧力の低下が大きくなり、吹き抜け
た新気の一部と、吹き抜けた新気によりさらに温度低下
した既燃焼ガスが筒内に逆流する。そして、点火前に噴
射され微粒化した燃料は、掃気流,逆流あるいはこれら
の残留分により燃焼室内に広く拡散してしまう。
【0005】このように逆流する既燃焼ガスにより燃焼
室内の新気割合(充填効率)が低下するとともに燃料が
拡散してまうので、点火プラグで点火しても着火しにく
い。また一旦着火しても隣接部における燃料濃度が適正
範囲より小さく、また筒内の温度が低いので続いて燃焼
する火炎伝播が起きにくい。即ち、失火が発生してしま
う。一旦失火すると、次のサイクルにおいて逆流するも
のは既燃焼ガスではなく失火により残留した新気となる
ので、燃焼室の既燃焼ガスの割合が低下し、燃料を噴射
した後、点火プラグで点火すれば着火するようになる。
このように失火したり着火したりの繰り返しによる不整
燃焼が生じ、エンジン振動や、失火に起因する未燃焼燃
料の排出による燃費低下,排気ガス性状の悪化等が発生
する。
室内の新気割合(充填効率)が低下するとともに燃料が
拡散してまうので、点火プラグで点火しても着火しにく
い。また一旦着火しても隣接部における燃料濃度が適正
範囲より小さく、また筒内の温度が低いので続いて燃焼
する火炎伝播が起きにくい。即ち、失火が発生してしま
う。一旦失火すると、次のサイクルにおいて逆流するも
のは既燃焼ガスではなく失火により残留した新気となる
ので、燃焼室の既燃焼ガスの割合が低下し、燃料を噴射
した後、点火プラグで点火すれば着火するようになる。
このように失火したり着火したりの繰り返しによる不整
燃焼が生じ、エンジン振動や、失火に起因する未燃焼燃
料の排出による燃費低下,排気ガス性状の悪化等が発生
する。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、不整燃焼を防止でき、エンジン振動や、失火に起因
する未燃焼燃料の排出による燃費低下,排気ガス性状の
悪化を回避できる筒内噴射式2サイクルエンジンを提供
することを課題としている。
で、不整燃焼を防止でき、エンジン振動や、失火に起因
する未燃焼燃料の排出による燃費低下,排気ガス性状の
悪化を回避できる筒内噴射式2サイクルエンジンを提供
することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、シリ
ンダ側壁にクランク室に連通する掃気ポート及び排気通
路に連通する排気ポートを形成し、シリンダヘッドに点
火プラグを取り付け、シリンダヘッド,シリンダボデ
ィ,及びピストンにより形成される燃焼室内に燃料を噴
射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式2サイクルエ
ンジンにおいて、上記燃料噴射弁をアクセル操作部によ
り設定されるエンジン負荷に基づき、上記燃料噴射弁
を、エンジン負荷が大なる程多くの燃料が点火プラグに
よる点火前に噴射供給されるよう制御する燃料噴射弁制
御手段と、上記排気通路に配設され排気通路断面積を可
変とする排気制御弁と、該排気制御弁を、エンジン負荷
が小さい運転域での排気制御弁開度がエンジン負荷が大
きい運転域での排気制御弁開度より小さくなるよう制御
する排気制御弁開度制御手段と、排気開始時期を可変と
する排気開始時期可変弁と、該排気開始時期可変弁を、
エンジン負荷が大きい運転域での排気開始時期がエンジ
ン負荷が小さい運転域での排気開始時期より進角するよ
う制御する排気開始時期制御手段とを備えたことを特徴
としている。
ンダ側壁にクランク室に連通する掃気ポート及び排気通
路に連通する排気ポートを形成し、シリンダヘッドに点
火プラグを取り付け、シリンダヘッド,シリンダボデ
ィ,及びピストンにより形成される燃焼室内に燃料を噴
射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴射式2サイクルエ
ンジンにおいて、上記燃料噴射弁をアクセル操作部によ
り設定されるエンジン負荷に基づき、上記燃料噴射弁
を、エンジン負荷が大なる程多くの燃料が点火プラグに
よる点火前に噴射供給されるよう制御する燃料噴射弁制
御手段と、上記排気通路に配設され排気通路断面積を可
変とする排気制御弁と、該排気制御弁を、エンジン負荷
が小さい運転域での排気制御弁開度がエンジン負荷が大
きい運転域での排気制御弁開度より小さくなるよう制御
する排気制御弁開度制御手段と、排気開始時期を可変と
する排気開始時期可変弁と、該排気開始時期可変弁を、
エンジン負荷が大きい運転域での排気開始時期がエンジ
ン負荷が小さい運転域での排気開始時期より進角するよ
う制御する排気開始時期制御手段とを備えたことを特徴
としている。
【0008】請求項2の発明は、請求項1において、上
記排気開始時期可変弁が、排気ポートの上縁位置を実質
的に気筒軸方向に可変とし、排気開始時期を早くするこ
とにより排気通路断面積を大きくし、排気開始時期を遅
くすることにより排気通路断面積を小さくする排気制御
弁の機能をも兼ね備えたものであることを特徴としてい
る。
記排気開始時期可変弁が、排気ポートの上縁位置を実質
的に気筒軸方向に可変とし、排気開始時期を早くするこ
とにより排気通路断面積を大きくし、排気開始時期を遅
くすることにより排気通路断面積を小さくする排気制御
弁の機能をも兼ね備えたものであることを特徴としてい
る。
【0009】請求項3の発明は、請求項1において、気
筒軸方向に少なくとも2つの排気ポートを設け、各排気
ポートにそれぞれ上流排気通路を接続し、少なくとも最
もシリンダヘッドに近い排気ポートに連なる上記上流排
気通路に開閉弁を配設し、該開閉弁を上記排気開始時期
可変弁とし、上記上流排気通路を合流した合流通路に上
記排気制御弁を配設したことを特徴としている。
筒軸方向に少なくとも2つの排気ポートを設け、各排気
ポートにそれぞれ上流排気通路を接続し、少なくとも最
もシリンダヘッドに近い排気ポートに連なる上記上流排
気通路に開閉弁を配設し、該開閉弁を上記排気開始時期
可変弁とし、上記上流排気通路を合流した合流通路に上
記排気制御弁を配設したことを特徴としている。
【0010】請求項4の発明は、請求項1ないし3の何
れかにおいて、上記排気制御弁に該排気制御弁の全閉時
に排気ガスを流動させる小孔を設けたことを特徴とてい
る。
れかにおいて、上記排気制御弁に該排気制御弁の全閉時
に排気ガスを流動させる小孔を設けたことを特徴とてい
る。
【0011】請求項5の発明は、請求項1ないし4の何
れかにおいて、上記排気制御弁開度制御手段,排気開始
時期制御手段のそれぞれは、排気制御弁,排気開始時期
可変弁のそれぞれを、エンジン低速回転域では、全エン
ジン負荷運転域に渡って排気開始時期可変弁の開率が排
気制御弁の開率より小さくなるよう制御することを特徴
としている。
れかにおいて、上記排気制御弁開度制御手段,排気開始
時期制御手段のそれぞれは、排気制御弁,排気開始時期
可変弁のそれぞれを、エンジン低速回転域では、全エン
ジン負荷運転域に渡って排気開始時期可変弁の開率が排
気制御弁の開率より小さくなるよう制御することを特徴
としている。
【0012】請求項6の発明は、請求項1ないし5の何
れかにおいて、上記排気制御弁開度制御手段,排気開始
時期制御手段のそれぞれは、排気制御弁,排気開始時期
可変弁のそれぞれを、エンジン中速回転域では、エンジ
ン低負荷運転域にて、排気制御弁の開率と排気開始時期
可変弁の開率が略同じで、かつエンジン低速回転域での
開率より大きくなるよう制御することを特徴としてい
る。
れかにおいて、上記排気制御弁開度制御手段,排気開始
時期制御手段のそれぞれは、排気制御弁,排気開始時期
可変弁のそれぞれを、エンジン中速回転域では、エンジ
ン低負荷運転域にて、排気制御弁の開率と排気開始時期
可変弁の開率が略同じで、かつエンジン低速回転域での
開率より大きくなるよう制御することを特徴としてい
る。
【0013】本発明における排気制御弁,排気開始時期
可変弁の開率とは、全開に対する開割合である。排気制
御弁の開率0%は全閉を、開率100%は全開を意味す
る。一方、排気開始時期可変弁の開率0%は最遅角(T
DC後約110°)を、開率100%は最進角(TDC
後約97°)を意味する。
可変弁の開率とは、全開に対する開割合である。排気制
御弁の開率0%は全閉を、開率100%は全開を意味す
る。一方、排気開始時期可変弁の開率0%は最遅角(T
DC後約110°)を、開率100%は最進角(TDC
後約97°)を意味する。
【0014】
【発明の作用効果】請求項1の発明によれば、エンジン
負荷が小さい運転域での排気制御弁開度をエンジン負荷
が大きい運転域での排気制御弁開度より小さく設定した
ので、低負荷運転域での排気通路抵抗が大きくなり、排
気行程における既燃焼ガスの排出性が低下する。
負荷が小さい運転域での排気制御弁開度をエンジン負荷
が大きい運転域での排気制御弁開度より小さく設定した
ので、低負荷運転域での排気通路抵抗が大きくなり、排
気行程における既燃焼ガスの排出性が低下する。
【0015】そのため温度の高い既燃焼ガスが燃焼室内
に滞留し、燃焼室内が高温に保たれ、燃焼室内に噴射さ
れ微細粒化した燃料の気化が促進される。
に滞留し、燃焼室内が高温に保たれ、燃焼室内に噴射さ
れ微細粒化した燃料の気化が促進される。
【0016】また排気行程において既燃焼ガスの排出性
が低下するので、温度の高い既燃焼ガスが燃焼室内に滞
留するとともに、吸気通路へのスロットル弁の配置の有
無に拘らず、掃気行程中あるいは掃気行程終了後排気孔
が閉じるまでの期間に、燃焼室内の圧力低下が起きにく
いので、上述の温度低下した既燃焼ガスの逆流が発生し
にくい。また、排気通路の流動性が規制されるので、さ
らに逆流の発生がしにくくなる。また、既燃焼ガスが燃
焼室内に滞留し、燃焼室内の圧力低下が起きにくい分掃
気流は弱められる。
が低下するので、温度の高い既燃焼ガスが燃焼室内に滞
留するとともに、吸気通路へのスロットル弁の配置の有
無に拘らず、掃気行程中あるいは掃気行程終了後排気孔
が閉じるまでの期間に、燃焼室内の圧力低下が起きにく
いので、上述の温度低下した既燃焼ガスの逆流が発生し
にくい。また、排気通路の流動性が規制されるので、さ
らに逆流の発生がしにくくなる。また、既燃焼ガスが燃
焼室内に滞留し、燃焼室内の圧力低下が起きにくい分掃
気流は弱められる。
【0017】そのため燃焼室内に噴射され微細粒化した
燃料が燃焼室内に拡散しにくく、既燃焼ガスが滞留して
いても点火プラグ近傍に濃混合気を形成しやすく、また
燃焼室内温度が高いので着火性が向上し、一旦着火すれ
ば燃料が拡散しないがために適正混合気となっており、
且つ温度の高い周囲の部分が着火による輻射熱でさらに
昇温し燃焼する。この燃焼が点火プラグを起点にして次
々と起こり、燃焼が完結する。その結果、失火を防止し
不整燃焼を防止でき、エンジン振動や、失火に起因する
未燃焼燃料の排出による燃費低下,排気ガス性状の悪化
を回避できる効果があり、かつ高負荷運転域では、排気
制御弁による通路抵抗を小さくでき、十分な吸入空気量
及び燃料噴射量が得られ、高いエンジン出力を確保でき
る効果がある。
燃料が燃焼室内に拡散しにくく、既燃焼ガスが滞留して
いても点火プラグ近傍に濃混合気を形成しやすく、また
燃焼室内温度が高いので着火性が向上し、一旦着火すれ
ば燃料が拡散しないがために適正混合気となっており、
且つ温度の高い周囲の部分が着火による輻射熱でさらに
昇温し燃焼する。この燃焼が点火プラグを起点にして次
々と起こり、燃焼が完結する。その結果、失火を防止し
不整燃焼を防止でき、エンジン振動や、失火に起因する
未燃焼燃料の排出による燃費低下,排気ガス性状の悪化
を回避できる効果があり、かつ高負荷運転域では、排気
制御弁による通路抵抗を小さくでき、十分な吸入空気量
及び燃料噴射量が得られ、高いエンジン出力を確保でき
る効果がある。
【0018】また、エンジン負荷が小さい運転域での排
気開始時期をエンジン負荷が大きい運転域での排気開始
時期より遅角するようにしたので、遅角の分ピストン移
動により燃焼室内圧が低下し、既燃焼ガスの排出性が低
下する。これにより、低負荷運転域において上述の排気
制御弁により排気通路面積を絞るようにしたことによる
効果がより一層確実となる。また低負荷運転域での燃料
の吹き抜けが抑制され、HCの減少により排気ガスの性
状が良好となるとともに、燃費が向上する。また排気開
始時期の遅角により実圧縮比が大きくなり、この点から
も排気ガス性状,燃費が向上する。
気開始時期をエンジン負荷が大きい運転域での排気開始
時期より遅角するようにしたので、遅角の分ピストン移
動により燃焼室内圧が低下し、既燃焼ガスの排出性が低
下する。これにより、低負荷運転域において上述の排気
制御弁により排気通路面積を絞るようにしたことによる
効果がより一層確実となる。また低負荷運転域での燃料
の吹き抜けが抑制され、HCの減少により排気ガスの性
状が良好となるとともに、燃費が向上する。また排気開
始時期の遅角により実圧縮比が大きくなり、この点から
も排気ガス性状,燃費が向上する。
【0019】請求項2の発明によれば、排気開始時期可
変弁を、排気ポートの上縁位置を実質的に気筒軸方向に
可変とする上縁可変タイプのものとしたので、低負荷運
転域において排気開始時期を遅角させると、これと同時
に排気通路断面積も小さくなり、上記請求項1における
作用効果を簡単な構造でもって確保できる。
変弁を、排気ポートの上縁位置を実質的に気筒軸方向に
可変とする上縁可変タイプのものとしたので、低負荷運
転域において排気開始時期を遅角させると、これと同時
に排気通路断面積も小さくなり、上記請求項1における
作用効果を簡単な構造でもって確保できる。
【0020】請求項3の発明によれば、少なくとも2つ
上流排気通路を設け、少なくとも最もシリンダヘッドに
近い排気ポートに連なる上流排気通路に開閉弁を設けて
これを排気開始時期可変弁としたので、低負荷運転域で
は、上記開閉弁を閉じることにより排気開始時期が遅角
され、これと同時に排気通路断面積が小さくなり、上記
請求項1における作用効果を簡単な構造でもって確保で
きる。
上流排気通路を設け、少なくとも最もシリンダヘッドに
近い排気ポートに連なる上流排気通路に開閉弁を設けて
これを排気開始時期可変弁としたので、低負荷運転域で
は、上記開閉弁を閉じることにより排気開始時期が遅角
され、これと同時に排気通路断面積が小さくなり、上記
請求項1における作用効果を簡単な構造でもって確保で
きる。
【0021】請求項4の発明によれば、上記排気制御弁
に該排気制御弁の全閉時に排気ガスを流動させる小孔を
設けたので、例えばアイドリング運転時等のような低速
回転低負荷運転域では、排気制御弁を全閉にしながら必
要な排気ガスの流動を確保できる。この場合、排気開始
時期可変弁によっても排気通路面積が絞られているの
で、上記小孔を比較的大径に設定することが可能であ
り、そのため上記小孔のカーボン等による目詰まりが回
避される。
に該排気制御弁の全閉時に排気ガスを流動させる小孔を
設けたので、例えばアイドリング運転時等のような低速
回転低負荷運転域では、排気制御弁を全閉にしながら必
要な排気ガスの流動を確保できる。この場合、排気開始
時期可変弁によっても排気通路面積が絞られているの
で、上記小孔を比較的大径に設定することが可能であ
り、そのため上記小孔のカーボン等による目詰まりが回
避される。
【0022】請求項5の発明によれば、排気制御弁,排
気開始時期可変弁を、エンジン低速回転域では、全エン
ジン負荷運転域に渡って、排気開始時期可変弁の開率が
排気制御弁の開率より小さくなるようにしたので、また
請求項6の発明によれば、排気制御弁,排気開始時期可
変弁を、エンジン中速回転域では、エンジン低負荷運転
域にて、排気制御弁の開率と排気開始時期可変弁の開率
が略同じでかつエンジン低速回転域での開率より大きく
なるようにしたので、低速,中速運転域における排気通
路面積及び排気開始時期を適正に制御することができ、
上述の排気ガスの排出性を抑えて燃焼室内温度を高くす
ることによる燃焼性の向上、燃料の吹き抜けを抑えるこ
とによる排気ガス性状,燃費の向上を実現できる。
気開始時期可変弁を、エンジン低速回転域では、全エン
ジン負荷運転域に渡って、排気開始時期可変弁の開率が
排気制御弁の開率より小さくなるようにしたので、また
請求項6の発明によれば、排気制御弁,排気開始時期可
変弁を、エンジン中速回転域では、エンジン低負荷運転
域にて、排気制御弁の開率と排気開始時期可変弁の開率
が略同じでかつエンジン低速回転域での開率より大きく
なるようにしたので、低速,中速運転域における排気通
路面積及び排気開始時期を適正に制御することができ、
上述の排気ガスの排出性を抑えて燃焼室内温度を高くす
ることによる燃焼性の向上、燃料の吹き抜けを抑えるこ
とによる排気ガス性状,燃費の向上を実現できる。
【0023】
【実施の形態】以下本発明の実施の形態を添付図面に基
づいて説明する。図1〜図23は本発明の一実施形態
(第1実施形態)による筒内噴射式2サイクルエンジン
を説明するための図であり、図1は制御装置を含む全体
構成図、図2は平面構成図、図3,図4は燃焼室回りの
断面側面図,断面平面図,図5は燃料噴射弁の断面側面
図、図6,図7は噴射ノズル部分の断面側面図,正面
図、図8は燃料,吸気,排気の流れを示す図、図9は運
転制御装置のブロック構成図、図10〜図23は動作説
明図である。
づいて説明する。図1〜図23は本発明の一実施形態
(第1実施形態)による筒内噴射式2サイクルエンジン
を説明するための図であり、図1は制御装置を含む全体
構成図、図2は平面構成図、図3,図4は燃焼室回りの
断面側面図,断面平面図,図5は燃料噴射弁の断面側面
図、図6,図7は噴射ノズル部分の断面側面図,正面
図、図8は燃料,吸気,排気の流れを示す図、図9は運
転制御装置のブロック構成図、図10〜図23は動作説
明図である。
【0024】図において、1は水冷式並列3気筒筒内噴
射式2サイクルエンジンであり、該エンジン1は、自動
二輪車の車体フレーム2にクランク軸8を車幅方向に水
平に向けて搭載されている。該エンジン1は変速装置を
内蔵するクランクケース3の前部に各気筒毎に独立のシ
リンダボディ4及びシリンダヘッド5を気筒軸が縦向き
となるように積層締結し、各シリンダボディ4のシリン
ダボア4a内にピストン6を摺動自在に挿入し、該ピス
トン6をコンロッド7によりクランク軸8のクランクア
ーム8aに連結した概略構造のものである。また上記シ
リンダヘッド5の合面には燃焼凹部5aが凹設されてお
り、該凹部5aに点火プラグ34の電極34aが位置し
ている。
射式2サイクルエンジンであり、該エンジン1は、自動
二輪車の車体フレーム2にクランク軸8を車幅方向に水
平に向けて搭載されている。該エンジン1は変速装置を
内蔵するクランクケース3の前部に各気筒毎に独立のシ
リンダボディ4及びシリンダヘッド5を気筒軸が縦向き
となるように積層締結し、各シリンダボディ4のシリン
ダボア4a内にピストン6を摺動自在に挿入し、該ピス
トン6をコンロッド7によりクランク軸8のクランクア
ーム8aに連結した概略構造のものである。また上記シ
リンダヘッド5の合面には燃焼凹部5aが凹設されてお
り、該凹部5aに点火プラグ34の電極34aが位置し
ている。
【0025】また上記エンジン1は、外気を上記燃焼凹
部5a,シリンダボア4a,ピストン6の頂部で囲まれ
た空間(燃焼室a)内に導入する吸気系Aと、該燃焼室
a内に燃料を直接噴射供給する燃料供給系Bと、該燃焼
室a内で発生した既燃焼ガスを外部に排出する排気系C
とを備えている。
部5a,シリンダボア4a,ピストン6の頂部で囲まれ
た空間(燃焼室a)内に導入する吸気系Aと、該燃焼室
a内に燃料を直接噴射供給する燃料供給系Bと、該燃焼
室a内で発生した既燃焼ガスを外部に排出する排気系C
とを備えている。
【0026】上記吸気系Aは、上記クランクアーム8a
が収容配置された各気筒独立のクランク室3aの背面に
連通するように形成された吸気口3bに逆流防止用リー
ドバルブ組立体9を挿着するとともに、該リードバルブ
組立体9に吸気管10を介してスロットルボディ11,
3気筒共通のエアクリーナ12を接続し、また上記各ク
ランク室3a内を複数の掃気通路13を介して上記シリ
ンダボア4a内に連通させた構成になっている。なお、
13aはシリンダボア4aに開口する掃気ポートであ
る。
が収容配置された各気筒独立のクランク室3aの背面に
連通するように形成された吸気口3bに逆流防止用リー
ドバルブ組立体9を挿着するとともに、該リードバルブ
組立体9に吸気管10を介してスロットルボディ11,
3気筒共通のエアクリーナ12を接続し、また上記各ク
ランク室3a内を複数の掃気通路13を介して上記シリ
ンダボア4a内に連通させた構成になっている。なお、
13aはシリンダボア4aに開口する掃気ポートであ
る。
【0027】上記スロットルボディ11は吸気通路面積
を開閉制御するスロットル弁29を有し、該スロットル
弁29は弁軸30の端部に配設されたスロットルアクチ
ュエータ31により開閉駆動される。該アクチュエータ
31は操向ハンドル33の右端に装着されたアクセル操
作部であるアクセルグリップ19の回動角度に基づいて
制御される。本実施形態ではアクセルグリップ19の回
動角度がエンジン負荷θを表すものとする。
を開閉制御するスロットル弁29を有し、該スロットル
弁29は弁軸30の端部に配設されたスロットルアクチ
ュエータ31により開閉駆動される。該アクチュエータ
31は操向ハンドル33の右端に装着されたアクセル操
作部であるアクセルグリップ19の回動角度に基づいて
制御される。本実施形態ではアクセルグリップ19の回
動角度がエンジン負荷θを表すものとする。
【0028】上記燃料供給系Bは、上記シリンダボディ
4の後壁4bに装着された各気筒毎に独立の燃料噴射弁
14に、燃料タンク21内の燃料を燃料コック22,燃
料フィルタ23,燃料供給ポンプ24,燃料配送管2
5,及び燃料分配管26を介して供給するように構成さ
れている。なお、27は燃料分配管26内の燃料圧力を
所定圧に調節するための調圧器,28は戻り管である。
4の後壁4bに装着された各気筒毎に独立の燃料噴射弁
14に、燃料タンク21内の燃料を燃料コック22,燃
料フィルタ23,燃料供給ポンプ24,燃料配送管2
5,及び燃料分配管26を介して供給するように構成さ
れている。なお、27は燃料分配管26内の燃料圧力を
所定圧に調節するための調圧器,28は戻り管である。
【0029】上記燃料噴射弁14は、図5に示すよう
に、略円筒状のハウジング15内に略棒状の弁体16を
進退自在に挿入配置し、該弁体16を電磁コイル17で
進退駆動することにより、噴射口15eを開閉するよう
に構成されている。
に、略円筒状のハウジング15内に略棒状の弁体16を
進退自在に挿入配置し、該弁体16を電磁コイル17で
進退駆動することにより、噴射口15eを開閉するよう
に構成されている。
【0030】上記ハウジング15は、両端が開口した筒
状のハウジング本体15a内に、燃料導入孔15dを有
する導入パイプ15b,上記噴射口15eが形成された
ノズル体15cを挿入固定した構造を有している。
状のハウジング本体15a内に、燃料導入孔15dを有
する導入パイプ15b,上記噴射口15eが形成された
ノズル体15cを挿入固定した構造を有している。
【0031】上記弁体16は、上記噴射口15eを開閉
するバルブ部材16aと、磁気回路の一部を構成するア
ーマチャ16bとで構成されている。なお、該磁気回路
は該アーマチャ16bと、上記ハウジング本体15a,
及び上記導入パイプ15bにより形成される。そして上
記アーマチャ16bと上記導入パイプ15bとの間には
該弁体16を噴射口15eを閉じる方向に付勢するリタ
ーンばね18が介設されている。
するバルブ部材16aと、磁気回路の一部を構成するア
ーマチャ16bとで構成されている。なお、該磁気回路
は該アーマチャ16bと、上記ハウジング本体15a,
及び上記導入パイプ15bにより形成される。そして上
記アーマチャ16bと上記導入パイプ15bとの間には
該弁体16を噴射口15eを閉じる方向に付勢するリタ
ーンばね18が介設されている。
【0032】また上記バルブ部材16aの途中にはフラ
ンジ部16cが一体形成されており、該フランジ部16
cが上記ノズル体15cとハウジング本体15aとの間
に挟持されたストッパ15iに当接することにより上記
噴射口15eの開度を規制している。そしてバルブ部材
16aが噴射口15eの弁座に密着した状態で、上記ア
ーマチャ16bの上端面と上記導入パイプ15bの下端
面との間に磁気ギャップGが設けられている。該磁気ギ
ャップGは上記磁気回路を分断することとなるので、製
造時には該磁気ギャップGが所定の設計値に精度良く一
致するように調整される。
ンジ部16cが一体形成されており、該フランジ部16
cが上記ノズル体15cとハウジング本体15aとの間
に挟持されたストッパ15iに当接することにより上記
噴射口15eの開度を規制している。そしてバルブ部材
16aが噴射口15eの弁座に密着した状態で、上記ア
ーマチャ16bの上端面と上記導入パイプ15bの下端
面との間に磁気ギャップGが設けられている。該磁気ギ
ャップGは上記磁気回路を分断することとなるので、製
造時には該磁気ギャップGが所定の設計値に精度良く一
致するように調整される。
【0033】そして上記ノズル体15cの先端には、上
記噴射口15eから噴射された燃料の噴射方向,分配割
合を規制するガイドノズル15fが固着されている。こ
のガイドノズル15fには、噴射流を点火プラグ方向に
指向させる上向き孔15gと、ピストン頂部を指向させ
る下向き孔15hとが形成されている。この下向き孔1
5hの直径D2は上向き孔15gの直径D1よりも大き
く設定されており、これにより点火プラグを指向する噴
射流xよりもピストン頂部を指向する噴射流yの燃料量
が多くなっており、また噴射流xよりも噴射流yの方が
広角度に拡散するようになっている。なお、各燃焼サイ
クル当たりの燃焼噴射量は弁体16が噴射口15eを開
としている時間に比例する。アクセルグリップ19の回
動角度が大きく設定される程、すなわちエンジン負荷が
大なる程、スロットル弁29の開度が大きく設定される
とともに、この開時間が長く設定され、燃焼噴射量が増
加される。
記噴射口15eから噴射された燃料の噴射方向,分配割
合を規制するガイドノズル15fが固着されている。こ
のガイドノズル15fには、噴射流を点火プラグ方向に
指向させる上向き孔15gと、ピストン頂部を指向させ
る下向き孔15hとが形成されている。この下向き孔1
5hの直径D2は上向き孔15gの直径D1よりも大き
く設定されており、これにより点火プラグを指向する噴
射流xよりもピストン頂部を指向する噴射流yの燃料量
が多くなっており、また噴射流xよりも噴射流yの方が
広角度に拡散するようになっている。なお、各燃焼サイ
クル当たりの燃焼噴射量は弁体16が噴射口15eを開
としている時間に比例する。アクセルグリップ19の回
動角度が大きく設定される程、すなわちエンジン負荷が
大なる程、スロットル弁29の開度が大きく設定される
とともに、この開時間が長く設定され、燃焼噴射量が増
加される。
【0034】上記排気系Cは、上記燃焼室a内で発生し
た既燃焼ガスを、シリンダボア4aの前部に開口する排
気ポート35a,排気通路35,該通路35の外部開口
35bに接続された排気管36,排気マフラ36a,排
出口36dを介して外気に排出するようになっている。
た既燃焼ガスを、シリンダボア4aの前部に開口する排
気ポート35a,排気通路35,該通路35の外部開口
35bに接続された排気管36,排気マフラ36a,排
出口36dを介して外気に排出するようになっている。
【0035】そして上記各排気通路35内には、各排気
ポート35aの実質的上縁位置を変化させることにより
排気開始時期(排気タイミング)を可変制御する排気開
始時期可変弁37の弁体38が配設されており、また上
記各排気管36内には通路断面積を可変制御する排気制
御弁39の弁体40が配設されている。
ポート35aの実質的上縁位置を変化させることにより
排気開始時期(排気タイミング)を可変制御する排気開
始時期可変弁37の弁体38が配設されており、また上
記各排気管36内には通路断面積を可変制御する排気制
御弁39の弁体40が配設されている。
【0036】上記排気開始時期可変弁37は、各排気通
路35内に配置された3つの弁体38を駆動軸41で連
結したものであり、該駆動軸41はサーボモータ等のア
クチュエータ42で駆動される。上記各弁体38は、鼓
状の棒体の一部を排気通路内面形状に合わせて切り欠い
た弁部38aを有し、該弁部38aが排気通路35の天
壁面と面一をなす最進角位置(図3の実線参照)と、弁
部38aが排気通路35内に突出する最遅角位置(図3
の二点鎖線参照)との間で回動可能となっている。
路35内に配置された3つの弁体38を駆動軸41で連
結したものであり、該駆動軸41はサーボモータ等のア
クチュエータ42で駆動される。上記各弁体38は、鼓
状の棒体の一部を排気通路内面形状に合わせて切り欠い
た弁部38aを有し、該弁部38aが排気通路35の天
壁面と面一をなす最進角位置(図3の実線参照)と、弁
部38aが排気通路35内に突出する最遅角位置(図3
の二点鎖線参照)との間で回動可能となっている。
【0037】上記弁体38が最進角位置に位置している
ときは、弁部38aのシリンダボア側の縁部38bが上
記排気ポート35aの上縁と一致し、ピストン頂部が該
上縁を通過する時点で排気が開始される。一方、上記弁
体38が最遅角位置に位置しているときは、弁部38a
の縁部38bが上記排気ポート35aの上縁より下方に
位置し、ピストン頂部が該縁部38bを通過する時点で
排気が開始される。また排気ポート面積(排気通路面
積)は弁体38が最進角位置に位置としているとき最大
となり、最遅角位置に位置しているとき最小となる。従
って、この排気開始時期可変弁37は排気通路面積の可
変弁としても機能する。
ときは、弁部38aのシリンダボア側の縁部38bが上
記排気ポート35aの上縁と一致し、ピストン頂部が該
上縁を通過する時点で排気が開始される。一方、上記弁
体38が最遅角位置に位置しているときは、弁部38a
の縁部38bが上記排気ポート35aの上縁より下方に
位置し、ピストン頂部が該縁部38bを通過する時点で
排気が開始される。また排気ポート面積(排気通路面
積)は弁体38が最進角位置に位置としているとき最大
となり、最遅角位置に位置しているとき最小となる。従
って、この排気開始時期可変弁37は排気通路面積の可
変弁としても機能する。
【0038】上記排気制御弁39は、各排気管36内に
配置された弁体40を駆動軸43で連結したものであ
り、該駆動軸43はサーボモータ等のアクチュエータ4
4で駆動される。上記弁体40は、弁軸40aに弁板4
0bをボルト締め固定したものであり、排気管36の通
路面積を全開と全閉との間で任意に変化させる。また、
弁板40bには、該排気制御弁39の全閉時に排気ガス
を流動させるリーク穴(小孔)200が形成されてい
る。
配置された弁体40を駆動軸43で連結したものであ
り、該駆動軸43はサーボモータ等のアクチュエータ4
4で駆動される。上記弁体40は、弁軸40aに弁板4
0bをボルト締め固定したものであり、排気管36の通
路面積を全開と全閉との間で任意に変化させる。また、
弁板40bには、該排気制御弁39の全閉時に排気ガス
を流動させるリーク穴(小孔)200が形成されてい
る。
【0039】ここで、本実施形態では、上記排気制御弁
39が全閉状態にあるときには排気時期可変弁39によ
って排気ポート35aの断面積が絞られており、そのた
め所定排気ガス流量を確保できるように上記リーク穴2
00は排気開始時期可変弁37を備えていない場合より
も大径に形成されている。このようにリーク穴200が
大径に形成されていることから、該リーク穴200にカ
ーボンが付着しにくくなっている。
39が全閉状態にあるときには排気時期可変弁39によ
って排気ポート35aの断面積が絞られており、そのた
め所定排気ガス流量を確保できるように上記リーク穴2
00は排気開始時期可変弁37を備えていない場合より
も大径に形成されている。このようにリーク穴200が
大径に形成されていることから、該リーク穴200にカ
ーボンが付着しにくくなっている。
【0040】なお、上記排気ポート35aと掃気ポート
13aの気筒軸方向位置については、ピストン6の下降
に伴ってまず排気ポート35aが開き始め、これに若干
遅れて掃気ポート13aが開き始めるように設定されて
いる。従って、爆発行程に続いて排気行程が開始すると
これに若干遅れて掃気行程が開始することとなる。この
関係は、上記排気開始時期可変弁37の弁体38が最遅
角位置に位置している場合にも保持されている。
13aの気筒軸方向位置については、ピストン6の下降
に伴ってまず排気ポート35aが開き始め、これに若干
遅れて掃気ポート13aが開き始めるように設定されて
いる。従って、爆発行程に続いて排気行程が開始すると
これに若干遅れて掃気行程が開始することとなる。この
関係は、上記排気開始時期可変弁37の弁体38が最遅
角位置に位置している場合にも保持されている。
【0041】また上記エンジン1はエンジン運転状態を
表す各種のパラメータを検出するセンサとして、クラン
ク角センサを兼ねエンジン回転速度を検出する回転数セ
ンサ(パルスジェネレータ)51,アクセル開度を検出
するアクセル開度センサ52,O2 濃度を検出するO2
センサ53,その他吸気管圧力センサ54,吸気管温度
センサ55,クランク室圧力センサ56,筒内圧力セン
サ57,エンジン温度センサ58,排気管圧力センサ5
9,排気管温度センサ60等各種のセンサを備えてい
る。
表す各種のパラメータを検出するセンサとして、クラン
ク角センサを兼ねエンジン回転速度を検出する回転数セ
ンサ(パルスジェネレータ)51,アクセル開度を検出
するアクセル開度センサ52,O2 濃度を検出するO2
センサ53,その他吸気管圧力センサ54,吸気管温度
センサ55,クランク室圧力センサ56,筒内圧力セン
サ57,エンジン温度センサ58,排気管圧力センサ5
9,排気管温度センサ60等各種のセンサを備えてい
る。
【0042】ここで上記O2 濃度センサ53は、図3に
示すように、シリンダボア4aの上記排気ポート35a
よりシリンダヘッド5側寄りに形成された採取孔4bか
ら燃焼ガスを採取するようになっている。ピストン6が
上死点近傍まで上昇したところで点火が行われ、ピスト
ン6が下降して採取孔4bが開くと新気を含まない既燃
焼ガスが該採取孔4bを通ってO2 濃度センサ53に供
給される。
示すように、シリンダボア4aの上記排気ポート35a
よりシリンダヘッド5側寄りに形成された採取孔4bか
ら燃焼ガスを採取するようになっている。ピストン6が
上死点近傍まで上昇したところで点火が行われ、ピスト
ン6が下降して採取孔4bが開くと新気を含まない既燃
焼ガスが該採取孔4bを通ってO2 濃度センサ53に供
給される。
【0043】70はエンジン運転状態の制御を行うEC
Uであり、該ECU70は、上記各種のセンサからの検
出信号に基づいて、スロットル弁29の開度(吸入空気
量)、燃料噴射弁14の開タイミング(燃料噴射時
期),及び開時間(燃料噴射量)、点火回路45による
点火時期、排気開始時期可変弁37の開度(排気開始時
期)、及び排気制御弁39の開度(排気通路抵抗)を制
御する。
Uであり、該ECU70は、上記各種のセンサからの検
出信号に基づいて、スロットル弁29の開度(吸入空気
量)、燃料噴射弁14の開タイミング(燃料噴射時
期),及び開時間(燃料噴射量)、点火回路45による
点火時期、排気開始時期可変弁37の開度(排気開始時
期)、及び排気制御弁39の開度(排気通路抵抗)を制
御する。
【0044】次に本実施形態エンジン1における運転制
御を詳細に説明する。図10は各ポートの開閉タイミン
グ,燃料噴射タイミング等をクランク角度でもって説明
するための特性図であり、図中、TDC,BDCはそれ
ぞれ上死点,下死点であり、Sは掃気ポート13aの開
期間を、Eは排気ポート35aの開期間を、Qは噴射孔
が燃焼室a内へ露出する燃料噴射可能期間を、またCは
点火タイミングを示す。燃料噴射期間はエンジン負荷及
び排気制御弁39の開度に対応して変化する。すなわ
ち、エンジン負荷が大きくなる程、燃料噴射期間は長く
なる。エンジン負荷が中負荷あるいは中負荷より小負荷
の所定負荷の時、燃料噴射開始タイミングが最も遅い。
この時排気制御弁39の開度は全開である。Q2はエン
ジン負荷が上記所定負荷の時の燃料噴射期間を示す。そ
して、エンジン負荷が上記所定負荷より小さくなる程、
排気制御弁39の開度が絞られるとともに、燃料噴射開
始タイミングが進められ燃料噴射期間は短くなる。Q3
はエンジン負荷が最小の時の燃料噴射期間を示す。一
方、エンジン負荷が上記所定負荷より大きくなる程、燃
料噴射期間は長くなり、且つ燃料噴射開始タイミングが
進められる。このエンジン負荷領域では排気制御弁39
の開度は全開に保持される。Q1はエンジン負荷が最大
の時の燃料噴射期間を示す。
御を詳細に説明する。図10は各ポートの開閉タイミン
グ,燃料噴射タイミング等をクランク角度でもって説明
するための特性図であり、図中、TDC,BDCはそれ
ぞれ上死点,下死点であり、Sは掃気ポート13aの開
期間を、Eは排気ポート35aの開期間を、Qは噴射孔
が燃焼室a内へ露出する燃料噴射可能期間を、またCは
点火タイミングを示す。燃料噴射期間はエンジン負荷及
び排気制御弁39の開度に対応して変化する。すなわ
ち、エンジン負荷が大きくなる程、燃料噴射期間は長く
なる。エンジン負荷が中負荷あるいは中負荷より小負荷
の所定負荷の時、燃料噴射開始タイミングが最も遅い。
この時排気制御弁39の開度は全開である。Q2はエン
ジン負荷が上記所定負荷の時の燃料噴射期間を示す。そ
して、エンジン負荷が上記所定負荷より小さくなる程、
排気制御弁39の開度が絞られるとともに、燃料噴射開
始タイミングが進められ燃料噴射期間は短くなる。Q3
はエンジン負荷が最小の時の燃料噴射期間を示す。一
方、エンジン負荷が上記所定負荷より大きくなる程、燃
料噴射期間は長くなり、且つ燃料噴射開始タイミングが
進められる。このエンジン負荷領域では排気制御弁39
の開度は全開に保持される。Q1はエンジン負荷が最大
の時の燃料噴射期間を示す。
【0045】本実施形態では、排気開始時期可変弁37
の回動角度により排気開始時期(排気ポート開き始めの
タイミング)及び排気ポート開期間が変化する。該可変
弁37を例えば図3の実線位置に回動させると、排気開
始時期は最も早くなりかつ圧縮開始時期は最も遅くなり
排気ポート開期間は最長になる(図10のE参照)。一
方、排気開始時期可変弁37を図3の二点鎖線位置に回
動させると、排気開始時期は最も遅くなりかつ圧縮開始
時期は最も早くなり排気ポート開期間は最短になる(図
10のE′参照)。
の回動角度により排気開始時期(排気ポート開き始めの
タイミング)及び排気ポート開期間が変化する。該可変
弁37を例えば図3の実線位置に回動させると、排気開
始時期は最も早くなりかつ圧縮開始時期は最も遅くなり
排気ポート開期間は最長になる(図10のE参照)。一
方、排気開始時期可変弁37を図3の二点鎖線位置に回
動させると、排気開始時期は最も遅くなりかつ圧縮開始
時期は最も早くなり排気ポート開期間は最短になる(図
10のE′参照)。
【0046】上記ECU70は、圧縮開始時期可変弁を
兼ねる排気開始時期可変弁37を、エンジン回転数N及
びエンジン負荷(アクセル開度)θに基づいて設定され
た低速回転低負荷運転域において上記二点鎖線で示す最
遅角位置に位置させ、高速回転高負荷運転域において実
線で示す最進角位置に位置させ、その間の運転域におい
て適宜変化させる。これによりエンジンの運転状態に応
じた排気タイミングが得られ、低速低負荷運転域での吹
き抜けを防止しつつ高速回転高負荷運転域での十分な吸
気量を確保する。
兼ねる排気開始時期可変弁37を、エンジン回転数N及
びエンジン負荷(アクセル開度)θに基づいて設定され
た低速回転低負荷運転域において上記二点鎖線で示す最
遅角位置に位置させ、高速回転高負荷運転域において実
線で示す最進角位置に位置させ、その間の運転域におい
て適宜変化させる。これによりエンジンの運転状態に応
じた排気タイミングが得られ、低速低負荷運転域での吹
き抜けを防止しつつ高速回転高負荷運転域での十分な吸
気量を確保する。
【0047】図12は排気制御弁39の開度のマップ値
設定イメージを説明するための特性図である。即ち、排
気制御弁39の開度は、エンジンの低速回転域では、最
小エンジン負荷にて略全閉(リーク穴200の分だけ排
気ガスが流動する)とされ、負荷の増加に伴って増加
し、略最大負荷にて全開とされる。中速回転域では、最
小負荷にて略1/2開度とされ、略中負荷にて全開とさ
れる。また高速回転域では略全負荷域にて略全開とされ
る。即ち、低速回転,低負荷運転域ほど排気制御弁39
は閉じられる。
設定イメージを説明するための特性図である。即ち、排
気制御弁39の開度は、エンジンの低速回転域では、最
小エンジン負荷にて略全閉(リーク穴200の分だけ排
気ガスが流動する)とされ、負荷の増加に伴って増加
し、略最大負荷にて全開とされる。中速回転域では、最
小負荷にて略1/2開度とされ、略中負荷にて全開とさ
れる。また高速回転域では略全負荷域にて略全開とされ
る。即ち、低速回転,低負荷運転域ほど排気制御弁39
は閉じられる。
【0048】図13〜図17は、上記排気制御弁39の
開率のマップ値設定イメージ(破線で示す)と、排気開
始時期可変弁37の開率のマップ値設定イメージ(実線
で示す)とを比較して示した図である。即ち、排気開始
時期可変弁37の開率(排気開始時期)は、エンジンの
低速回転域では、図15に示すように、エンジン負荷が
10〜20%程度までは開率0%(最遅角状態,TDC
後約110°程度)に保持され、負荷が20〜30%程
度に増加すると開率20〜30%(TDC後約106°
程度)程度とされ、その後は負荷が増加しても開率(排
気開始時期)は変化しない。
開率のマップ値設定イメージ(破線で示す)と、排気開
始時期可変弁37の開率のマップ値設定イメージ(実線
で示す)とを比較して示した図である。即ち、排気開始
時期可変弁37の開率(排気開始時期)は、エンジンの
低速回転域では、図15に示すように、エンジン負荷が
10〜20%程度までは開率0%(最遅角状態,TDC
後約110°程度)に保持され、負荷が20〜30%程
度に増加すると開率20〜30%(TDC後約106°
程度)程度とされ、その後は負荷が増加しても開率(排
気開始時期)は変化しない。
【0049】そして上記排気開始時期可変弁37の開率
(排気開始時期)は、エンジンの中速回転域では、図1
4に示すように、最小負荷時において20〜30%程度
とされ、中負荷にて80%程度とされ、それ以後は変化
しない。また上記排気開始時期可変弁37の開率は、エ
ンジンの高速回転域では、図15に示すように、最小負
荷時において80%程度とされ、中負荷以降で100%
とされる。
(排気開始時期)は、エンジンの中速回転域では、図1
4に示すように、最小負荷時において20〜30%程度
とされ、中負荷にて80%程度とされ、それ以後は変化
しない。また上記排気開始時期可変弁37の開率は、エ
ンジンの高速回転域では、図15に示すように、最小負
荷時において80%程度とされ、中負荷以降で100%
とされる。
【0050】即ち、エンジンの低速回転域では、上記排
気制御弁39の開率はエンジン負荷の増加に応じて増加
し高負荷域では100%とされるのに対し、上記排気開
始時期可変弁37の開率は概ね略全ての負荷運転域に渡
って0%又は20%程度、つまり概ね最遅角状態に保持
される。このように低速回転域では排気制御弁39と排
気開始時期可変弁37の開率は大きく異なる。一方、中
速回転域,高速回転域では、排気制御弁39,排気開始
時期可変弁37の開率は概ね同様に制御される。
気制御弁39の開率はエンジン負荷の増加に応じて増加
し高負荷域では100%とされるのに対し、上記排気開
始時期可変弁37の開率は概ね略全ての負荷運転域に渡
って0%又は20%程度、つまり概ね最遅角状態に保持
される。このように低速回転域では排気制御弁39と排
気開始時期可変弁37の開率は大きく異なる。一方、中
速回転域,高速回転域では、排気制御弁39,排気開始
時期可変弁37の開率は概ね同様に制御される。
【0051】図16は上記排気開始時期可変弁の開率
(排気タイミング)のエンジン回転数とエンジン負荷に
対する変化を示す図であり、排気タイミングは低負荷,
低速回転ほど遅角され、高負荷,高速回転ほど進角され
る。
(排気タイミング)のエンジン回転数とエンジン負荷に
対する変化を示す図であり、排気タイミングは低負荷,
低速回転ほど遅角され、高負荷,高速回転ほど進角され
る。
【0052】図17は上記排気制御弁39の開率(排気
通路面積)のエンジン回転数とエンジン負荷に対する変
化を示す図であり、排気制御弁の開率は、低負荷,低速
回転ほど小となり、高負荷,高速回転ほど大となる。な
お、図17において、全閉時の開率が5%であるのは、
上記リーク穴200によるものである。
通路面積)のエンジン回転数とエンジン負荷に対する変
化を示す図であり、排気制御弁の開率は、低負荷,低速
回転ほど小となり、高負荷,高速回転ほど大となる。な
お、図17において、全閉時の開率が5%であるのは、
上記リーク穴200によるものである。
【0053】図18,図19は排気制御弁39の開度と
燃料噴射開始時期,噴射量との関係を示す特性図であ
る。例えば低速低負荷状態,及び高速高負荷の何れにお
いても、燃料噴射開始時期は、排気制御弁39の開度が
小さいほど進角するよう制御され、また燃料噴射量は排
気制御弁39の開度が小さいほど減量するよう制御され
る。燃料噴射開始時期は、例えば低速低負荷時には、排
気制御弁39の全開時は上死点前90°付近に設定され
ており、排気制御弁39が絞られるほど進角され、その
全閉時は上死点前180°付近まで進角される。即ち、
排気制御弁39の開度が小さいほど燃料噴射開始時期を
早めるとともに、燃料噴射量を絞る。
燃料噴射開始時期,噴射量との関係を示す特性図であ
る。例えば低速低負荷状態,及び高速高負荷の何れにお
いても、燃料噴射開始時期は、排気制御弁39の開度が
小さいほど進角するよう制御され、また燃料噴射量は排
気制御弁39の開度が小さいほど減量するよう制御され
る。燃料噴射開始時期は、例えば低速低負荷時には、排
気制御弁39の全開時は上死点前90°付近に設定され
ており、排気制御弁39が絞られるほど進角され、その
全閉時は上死点前180°付近まで進角される。即ち、
排気制御弁39の開度が小さいほど燃料噴射開始時期を
早めるとともに、燃料噴射量を絞る。
【0054】図20〜22は排気制御弁39,及びスロ
ットル弁29の制御方法を説明するための図である。排
気制御弁39の開度を制御することによる効果は低速低
負荷運転域で大きいことから、本実施形態では、基本的
には、エンジン負荷(アクセル開度)が中以下もしくは
エンジン回転数が中以下の領域を排気制御弁39の制御
領域としている。
ットル弁29の制御方法を説明するための図である。排
気制御弁39の開度を制御することによる効果は低速低
負荷運転域で大きいことから、本実施形態では、基本的
には、エンジン負荷(アクセル開度)が中以下もしくは
エンジン回転数が中以下の領域を排気制御弁39の制御
領域としている。
【0055】図20は、排気制御弁39とスロットル弁
29の制御領域をエンジン負荷のみに基づいて区別した
例であり、エンジン負荷が所定値以下の低負荷運転域で
は、スロットル弁29を最小開度に固定し、排気制御弁
39の開度を最小開度から最大開度の間で制御する。上
記エンジン負荷が所定値を越えた高負荷運転域では、排
気制御弁39を最大開度に固定し、スロットル弁29の
開度を上記最小開度から最大開度の間で制御する。
29の制御領域をエンジン負荷のみに基づいて区別した
例であり、エンジン負荷が所定値以下の低負荷運転域で
は、スロットル弁29を最小開度に固定し、排気制御弁
39の開度を最小開度から最大開度の間で制御する。上
記エンジン負荷が所定値を越えた高負荷運転域では、排
気制御弁39を最大開度に固定し、スロットル弁29の
開度を上記最小開度から最大開度の間で制御する。
【0056】図21は、排気制御弁39,及びスロット
ル弁29の制御を低エンジン負荷運転域で併用した例で
あり、排気制御弁39の開度は、低負荷運転域において
最小開度から最大開度の間で開閉制御し、スロットル弁
29の開度は全運転域で最小開度から最大開度の間で開
閉制御し、結果的に低負荷運転域では排気制御弁39及
びスロットル弁29の開閉制御を併用する。
ル弁29の制御を低エンジン負荷運転域で併用した例で
あり、排気制御弁39の開度は、低負荷運転域において
最小開度から最大開度の間で開閉制御し、スロットル弁
29の開度は全運転域で最小開度から最大開度の間で開
閉制御し、結果的に低負荷運転域では排気制御弁39及
びスロットル弁29の開閉制御を併用する。
【0057】また、図22は、排気制御弁39とスロッ
トル弁29の制御領域をエンジン負荷及びエンジン回転
数の両方に基づいて区別した例であり、エンジンの低速
回転域では、スロットル弁29開度はエンジン負荷に関
わらず最小開度近傍の一定開度に固定し、排気制御弁3
9はエンジン負荷の増加に伴って大きくする。一方、高
速回転域では、スロットル弁29の開度はエンジン負荷
に伴って大きくするとともに、排気制御弁39の開度は
低負荷運転域において最小開度から最大開度の間で開閉
制御する。この場合、スロットル弁29開度は、上記一
定開度から最大開度の間で直線的に増加させてもよく
(図22の参照)、あるいは低負荷運転域では一定開
度に固定し、高負荷域では一定開度から最大開度の間で
増加させてもよい(図22の参照)。
トル弁29の制御領域をエンジン負荷及びエンジン回転
数の両方に基づいて区別した例であり、エンジンの低速
回転域では、スロットル弁29開度はエンジン負荷に関
わらず最小開度近傍の一定開度に固定し、排気制御弁3
9はエンジン負荷の増加に伴って大きくする。一方、高
速回転域では、スロットル弁29の開度はエンジン負荷
に伴って大きくするとともに、排気制御弁39の開度は
低負荷運転域において最小開度から最大開度の間で開閉
制御する。この場合、スロットル弁29開度は、上記一
定開度から最大開度の間で直線的に増加させてもよく
(図22の参照)、あるいは低負荷運転域では一定開
度に固定し、高負荷域では一定開度から最大開度の間で
増加させてもよい(図22の参照)。
【0058】図23は排気制御弁39,スロットル弁の
開度及びエンジン回転数と点火時期との関係を示す特性
図である。即ち、常用回転領域において、エンジン負荷
により予め設定される第1所定回転数A1において、点
火時期進角度を最大とし、この第1所定回転数A1より
大となるエンジン回転数領域においては、エンジン回転
数が増加する程点火時期進角度を減少する。そして第2
所定回転数A0を越える過回転領域においては点火時期
進角はBTDC5°に設定する。一方、第1所定回転数
A1より小となるエンジン回転数領域においては、エン
ジン回転数が減少する程点火時期進角度を減少する。エ
ンジン負荷が減少する程、第1所定回転数A1における
最大点火時期進角度を増加させ、例えば、アクセル開度
1/12において点火時期進角はBTDC35°に設定
し、アクセル開度1/1(エンジン負荷最大)において
点火時期進角はBTDC17〜18°に設定する。な
お、エンジン負荷が増加する程、第1所定回転数A1を
増加させている。
開度及びエンジン回転数と点火時期との関係を示す特性
図である。即ち、常用回転領域において、エンジン負荷
により予め設定される第1所定回転数A1において、点
火時期進角度を最大とし、この第1所定回転数A1より
大となるエンジン回転数領域においては、エンジン回転
数が増加する程点火時期進角度を減少する。そして第2
所定回転数A0を越える過回転領域においては点火時期
進角はBTDC5°に設定する。一方、第1所定回転数
A1より小となるエンジン回転数領域においては、エン
ジン回転数が減少する程点火時期進角度を減少する。エ
ンジン負荷が減少する程、第1所定回転数A1における
最大点火時期進角度を増加させ、例えば、アクセル開度
1/12において点火時期進角はBTDC35°に設定
し、アクセル開度1/1(エンジン負荷最大)において
点火時期進角はBTDC17〜18°に設定する。な
お、エンジン負荷が増加する程、第1所定回転数A1を
増加させている。
【0059】ここで上記排気制御弁39の開度は、同じ
エンジン回転数において見ると、スロットル弁開度(負
荷)が小さいほど小さく制御され、該排気制御弁開度が
小さいほど点火時期進角量は大きくなる。
エンジン回転数において見ると、スロットル弁開度(負
荷)が小さいほど小さく制御され、該排気制御弁開度が
小さいほど点火時期進角量は大きくなる。
【0060】なお、エンジン回転数が大きくなる程、掃
気流が強くなる。エンジン負荷が小さい時、これによる
着火性の低下は起こるが、排気制御弁開度を小さくする
ことにより排気温度の高い既燃焼ガスを十分燃焼室内に
滞留させていることができ、噴射燃料の気化性が向上
し、混合気の着火温度までの温度差を小さくすることに
より、着火性を確保できる。そして、燃焼室内の混合気
温度が高い状態において掃気流が残留する方が火炎の伝
播性を高めることとなり、着火から燃焼完了までの時間
を短くできる。また、エンジン負荷が大きい時はもとも
と着火性や燃焼伝播は良好であり、エンジン回転数が大
きくなる程掃気流が強くなり、さらに燃焼伝播が向上
し、着火から燃焼完了までの時間を短くできる。
気流が強くなる。エンジン負荷が小さい時、これによる
着火性の低下は起こるが、排気制御弁開度を小さくする
ことにより排気温度の高い既燃焼ガスを十分燃焼室内に
滞留させていることができ、噴射燃料の気化性が向上
し、混合気の着火温度までの温度差を小さくすることに
より、着火性を確保できる。そして、燃焼室内の混合気
温度が高い状態において掃気流が残留する方が火炎の伝
播性を高めることとなり、着火から燃焼完了までの時間
を短くできる。また、エンジン負荷が大きい時はもとも
と着火性や燃焼伝播は良好であり、エンジン回転数が大
きくなる程掃気流が強くなり、さらに燃焼伝播が向上
し、着火から燃焼完了までの時間を短くできる。
【0061】すなわち、エンジン回転数が大きくなる
程、点火時期進角量をへらすので、排気行程前に燃焼を
完了させつつ、上死点以前の燃焼を減らすことができ、
エンジンの熱効率を向上できる。且つエンジン回転数が
所定値以下において点火時期進角量を増加すると、上死
点以前の燃焼が増加し過ぎることになり、却ってエンジ
ンの熱効率を減少してしまうが、点火時期進角量を減少
させることにより上死点以前の燃焼を減少し、且つエン
ジン回転数が小さくなる程、排気行程までに時間的余裕
ができるので、排気行程までに燃焼を完了させ、エンジ
ンの熱効率の減少を緩和することができる。
程、点火時期進角量をへらすので、排気行程前に燃焼を
完了させつつ、上死点以前の燃焼を減らすことができ、
エンジンの熱効率を向上できる。且つエンジン回転数が
所定値以下において点火時期進角量を増加すると、上死
点以前の燃焼が増加し過ぎることになり、却ってエンジ
ンの熱効率を減少してしまうが、点火時期進角量を減少
させることにより上死点以前の燃焼を減少し、且つエン
ジン回転数が小さくなる程、排気行程までに時間的余裕
ができるので、排気行程までに燃焼を完了させ、エンジ
ンの熱効率の減少を緩和することができる。
【0062】ここで、排気制御弁39及びスロットル弁
29の制御領域の関係については図20の場合と同様で
あり、エンジン負荷が所定値以下の低負荷運転域では、
スロットル弁29を最小開度に固定し、排気制御弁39
の開度を最小開度から最大開度の間で制御する。上記エ
ンジン負荷が所定値を越えた高負荷運転域では、排気制
御弁39を最大開度に固定し、スロットル弁29の開度
を上記最小開度から最大開度の間で制御する。
29の制御領域の関係については図20の場合と同様で
あり、エンジン負荷が所定値以下の低負荷運転域では、
スロットル弁29を最小開度に固定し、排気制御弁39
の開度を最小開度から最大開度の間で制御する。上記エ
ンジン負荷が所定値を越えた高負荷運転域では、排気制
御弁39を最大開度に固定し、スロットル弁29の開度
を上記最小開度から最大開度の間で制御する。
【0063】このように本実施形態エンジン1では、低
速回転低負荷運転域ほど排気制御弁39を絞るようにし
たので、該運転域では排気通路抵抗が大きくなり、排気
行程における既燃焼ガスの排出性が低下する。そのため
温度の高い既燃焼ガスが燃焼室a内に滞留し、燃焼室a
内が高温に保たれ、燃焼室a内に噴射され微細粒化した
燃料の気化が促進される。
速回転低負荷運転域ほど排気制御弁39を絞るようにし
たので、該運転域では排気通路抵抗が大きくなり、排気
行程における既燃焼ガスの排出性が低下する。そのため
温度の高い既燃焼ガスが燃焼室a内に滞留し、燃焼室a
内が高温に保たれ、燃焼室a内に噴射され微細粒化した
燃料の気化が促進される。
【0064】また排気行程において既燃焼ガスの排出性
が低下するので、温度の高い既燃焼ガスが燃焼室a内に
滞留するとともに、吸気通路へのスロットル弁29の配
置の有無に拘らず、掃気行程中あるいは掃気行程終了後
排気ポート35aが閉じるまでの期間、燃焼室a内の圧
力低下が起きにくいので、上述の温度低下した既燃焼ガ
スの逆流が発生しにくい。また、排気通路の流動性が規
制されるので、さらに逆流の発生がしにくくなる。ま
た、既燃焼ガスが燃焼室a内に滞留し、燃焼室a内の圧
力低下が起きにくい分掃気流は弱められる。
が低下するので、温度の高い既燃焼ガスが燃焼室a内に
滞留するとともに、吸気通路へのスロットル弁29の配
置の有無に拘らず、掃気行程中あるいは掃気行程終了後
排気ポート35aが閉じるまでの期間、燃焼室a内の圧
力低下が起きにくいので、上述の温度低下した既燃焼ガ
スの逆流が発生しにくい。また、排気通路の流動性が規
制されるので、さらに逆流の発生がしにくくなる。ま
た、既燃焼ガスが燃焼室a内に滞留し、燃焼室a内の圧
力低下が起きにくい分掃気流は弱められる。
【0065】そのため燃焼室内に供給された燃料が燃焼
室a内に拡散しにくく、既燃焼ガスが滞留していても点
火プラグ34の電極34a近傍に濃混合気を形成しやす
く、また燃焼室a内温度が高いので着火性が向上し、一
旦着火すれば燃料が拡散しないがために適正混合気とな
っており、且つ温度の高い周囲の部分が着火により輻射
熱でさらに昇温し燃焼する。この燃焼が電極34aを起
点にして次々と起こり、燃焼が完結する。
室a内に拡散しにくく、既燃焼ガスが滞留していても点
火プラグ34の電極34a近傍に濃混合気を形成しやす
く、また燃焼室a内温度が高いので着火性が向上し、一
旦着火すれば燃料が拡散しないがために適正混合気とな
っており、且つ温度の高い周囲の部分が着火により輻射
熱でさらに昇温し燃焼する。この燃焼が電極34aを起
点にして次々と起こり、燃焼が完結する。
【0066】その結果、失火を防止し不整燃焼を防止で
き、何れのサイクルにおいても既燃焼ガスを抽出でき、
空燃比の検出を迅速に行うことができ、全運転域におい
てフィードバック制御を安定して動作させることができ
る。燃料噴射弁14は排気ポート35aと対向してお
り、所定の噴射圧により噴射される燃料に比べ、エンジ
ン負荷が小さくエンジン速度の遅い領域においてはピス
トン速度が遅く、排気ポート35aが長い時間開口して
いることとなり、空気からなる掃気流に乗って噴射され
た燃料がそのまま吹き抜け易いが、エンジン負荷が小さ
い時排気制御弁39の開度が小さくされ、排気ポート3
5aから流出する掃気流が弱められるので、燃料の吹き
抜けを減少できる効果がある。また、この時の噴射開始
のタイミングは排気ポート35aが閉じてからとしてい
るので、なおさらに掃気流に乗って燃料が吹き抜けるこ
とはない。
き、何れのサイクルにおいても既燃焼ガスを抽出でき、
空燃比の検出を迅速に行うことができ、全運転域におい
てフィードバック制御を安定して動作させることができ
る。燃料噴射弁14は排気ポート35aと対向してお
り、所定の噴射圧により噴射される燃料に比べ、エンジ
ン負荷が小さくエンジン速度の遅い領域においてはピス
トン速度が遅く、排気ポート35aが長い時間開口して
いることとなり、空気からなる掃気流に乗って噴射され
た燃料がそのまま吹き抜け易いが、エンジン負荷が小さ
い時排気制御弁39の開度が小さくされ、排気ポート3
5aから流出する掃気流が弱められるので、燃料の吹き
抜けを減少できる効果がある。また、この時の噴射開始
のタイミングは排気ポート35aが閉じてからとしてい
るので、なおさらに掃気流に乗って燃料が吹き抜けるこ
とはない。
【0067】また本実施形態の、排気開始時期可変弁3
7は、排気通路面積可変機能をもあわせ持っている。即
ち、低速回転低負荷運転域では、排気ポート35aの面
積が絞られ、排気通路抵抗が大きくなるとともに排気開
始時期が遅くなり、既燃焼ガスの排出性がより一層低下
される。
7は、排気通路面積可変機能をもあわせ持っている。即
ち、低速回転低負荷運転域では、排気ポート35aの面
積が絞られ、排気通路抵抗が大きくなるとともに排気開
始時期が遅くなり、既燃焼ガスの排出性がより一層低下
される。
【0068】そのため、燃焼室内の高温化による燃料の
気化促進、燃焼室内ガス流動及び燃焼内への逆流防止に
よる燃料の拡散防止がより一層確実となり、不整燃焼を
確実に防止できる。
気化促進、燃焼室内ガス流動及び燃焼内への逆流防止に
よる燃料の拡散防止がより一層確実となり、不整燃焼を
確実に防止できる。
【0069】ここで本実施形態では、低速回転低負荷運
転域では、排気制御弁39及び排気開始時期可変弁37
の両方を閉じているので、排気制御弁39の全閉時に排
気ガスを流動をさせるリーク穴200が比較的大径とな
り、該リーク穴200へのカーボン付着を抑制でき、該
リーク穴200の目詰まりによる不具合の発生を防止で
きる。
転域では、排気制御弁39及び排気開始時期可変弁37
の両方を閉じているので、排気制御弁39の全閉時に排
気ガスを流動をさせるリーク穴200が比較的大径とな
り、該リーク穴200へのカーボン付着を抑制でき、該
リーク穴200の目詰まりによる不具合の発生を防止で
きる。
【0070】また本実施形態では、排気制御弁39の開
度を低負荷運転域で小さくすることにより排気通路抵抗
を大きくし、新気の吹き抜けを抑制できるようにしたの
で、該排気制御弁39の開度が小さいほど燃料噴射開始
時期を進角させることができる。そのため燃料噴射から
点火までの時間を延長でき、燃料の霧化がさらに促進さ
れることから燃焼を改善でき、より一層不整燃焼の発生
を抑制できる。
度を低負荷運転域で小さくすることにより排気通路抵抗
を大きくし、新気の吹き抜けを抑制できるようにしたの
で、該排気制御弁39の開度が小さいほど燃料噴射開始
時期を進角させることができる。そのため燃料噴射から
点火までの時間を延長でき、燃料の霧化がさらに促進さ
れることから燃焼を改善でき、より一層不整燃焼の発生
を抑制できる。
【0071】また本実施形態では、(1)低負荷運転域
ではスロットル弁29の開度は最小開度に固定するか僅
かに変化させ、排気制御弁39の開度はエンジン負荷に
応じて最小開度から最大開度の間で開閉制御する、ある
いは(2)低速回転域ではスロットル弁29の開度は最
小開度付近の一定開度に固定し、排気制御弁39の開度
はエンジン負荷に応じて最小開度から最大開度の間で開
閉制御する、等の方法を採用したので、排気制御弁39
を既燃焼ガスの排出抑制による燃焼状態改善効果の大き
い低速低負荷運転域で動作させることができ、ひいては
不整燃焼を防止でき、燃費低下,排気ガス性状の悪化を
回避できる。
ではスロットル弁29の開度は最小開度に固定するか僅
かに変化させ、排気制御弁39の開度はエンジン負荷に
応じて最小開度から最大開度の間で開閉制御する、ある
いは(2)低速回転域ではスロットル弁29の開度は最
小開度付近の一定開度に固定し、排気制御弁39の開度
はエンジン負荷に応じて最小開度から最大開度の間で開
閉制御する、等の方法を採用したので、排気制御弁39
を既燃焼ガスの排出抑制による燃焼状態改善効果の大き
い低速低負荷運転域で動作させることができ、ひいては
不整燃焼を防止でき、燃費低下,排気ガス性状の悪化を
回避できる。
【0072】さらにまた本実施形態では、低負荷運転域
では排気制御弁39の開度を小さくするほど点火時期を
進角でき、排気ガス性状,及び燃費の改善を図ることが
できる。即ち、従来の排気制御弁を備えていないエンジ
ンの場合、低負荷・アイドル運転時にドライバビリティ
からの要求により点火時期を上死点後付近まで遅角する
必要があり、そのため燃料消費量が増加し、排気ガス性
状が悪化する問題があった。
では排気制御弁39の開度を小さくするほど点火時期を
進角でき、排気ガス性状,及び燃費の改善を図ることが
できる。即ち、従来の排気制御弁を備えていないエンジ
ンの場合、低負荷・アイドル運転時にドライバビリティ
からの要求により点火時期を上死点後付近まで遅角する
必要があり、そのため燃料消費量が増加し、排気ガス性
状が悪化する問題があった。
【0073】本実施形態では、排気制御弁39を設け、
該制御弁39の開度を低負荷運転域では小さく設定する
ようにしたので、排気ポート35a付近のガス流動を抑
制でき、通常低負荷運転域では気筒内に既燃焼ガスが多
量残留するものの、ガス流動が少なくなる分だけ噴射さ
れた燃料及び新気が既燃焼ガスと比較的混合され難くな
り、その結果、成層的燃焼となり、多量の既燃焼ガス中
であっても安定した燃焼を得ることが可能となる。また
吹き抜け低減と、既燃焼ガスの残留による燃焼室内温度
の上昇とによって噴射された燃料の霧化が促進され、排
出ガス性状,及び燃焼の安定性を向上できる。この燃焼
の安定化により、低負荷運転域では、点火時期を進角さ
せることが可能となり、排気ガス性状,及び燃費の改善
を図ることができる。
該制御弁39の開度を低負荷運転域では小さく設定する
ようにしたので、排気ポート35a付近のガス流動を抑
制でき、通常低負荷運転域では気筒内に既燃焼ガスが多
量残留するものの、ガス流動が少なくなる分だけ噴射さ
れた燃料及び新気が既燃焼ガスと比較的混合され難くな
り、その結果、成層的燃焼となり、多量の既燃焼ガス中
であっても安定した燃焼を得ることが可能となる。また
吹き抜け低減と、既燃焼ガスの残留による燃焼室内温度
の上昇とによって噴射された燃料の霧化が促進され、排
出ガス性状,及び燃焼の安定性を向上できる。この燃焼
の安定化により、低負荷運転域では、点火時期を進角さ
せることが可能となり、排気ガス性状,及び燃費の改善
を図ることができる。
【0074】また本実施形態の燃料噴射弁14では、噴
射された燃料の一部は噴射流xとして上向き孔15gを
通って点火プラグ34の電極に向かって流れ、残りは噴
射流yとなって下向き孔15hを通ってピストン6の頂
部に向かって、かつ大きく拡がりながら流れる。そのた
め燃料の多くは高温のピストン頂部に当たって確実に気
化して燃焼室内に均一に分布し、かつ上向き噴射流xに
より電極34a付近には着火しやすい濃混合気雲が形成
され、着火性をより一層向上できる。
射された燃料の一部は噴射流xとして上向き孔15gを
通って点火プラグ34の電極に向かって流れ、残りは噴
射流yとなって下向き孔15hを通ってピストン6の頂
部に向かって、かつ大きく拡がりながら流れる。そのた
め燃料の多くは高温のピストン頂部に当たって確実に気
化して燃焼室内に均一に分布し、かつ上向き噴射流xに
より電極34a付近には着火しやすい濃混合気雲が形成
され、着火性をより一層向上できる。
【0075】さらにまた本実施形態では、燃料噴射弁1
4をシリンダ側壁に配設したので、該噴射弁14の先端
部は燃焼ガス温度が最高の期間においてはピストン6に
より覆われており、それだけ燃料噴射弁14の耐久性を
向上できる。
4をシリンダ側壁に配設したので、該噴射弁14の先端
部は燃焼ガス温度が最高の期間においてはピストン6に
より覆われており、それだけ燃料噴射弁14の耐久性を
向上できる。
【0076】上記実施形態では、排気ポートが1つの場
合を説明したが、本発明にかかる排気ポートは1つに限
らない。
合を説明したが、本発明にかかる排気ポートは1つに限
らない。
【0077】図24は、請求項3の発明の一実施形態を
示し、図中、図3と同一符号は同一又は相当部分を示
す。この実施形態では、2つの排気ポート35c,35
dを気筒軸方向に並べて設け,各排気ポート35c,3
5dに上流側排気通路35′,35を連通させ、シリン
ダヘッド側に位置する排気通路35′に排気開始時期可
変弁(開閉弁)37′を配設し、両通路35′,35の
合流部より下流側に排気制御弁39を設けている。
示し、図中、図3と同一符号は同一又は相当部分を示
す。この実施形態では、2つの排気ポート35c,35
dを気筒軸方向に並べて設け,各排気ポート35c,3
5dに上流側排気通路35′,35を連通させ、シリン
ダヘッド側に位置する排気通路35′に排気開始時期可
変弁(開閉弁)37′を配設し、両通路35′,35の
合流部より下流側に排気制御弁39を設けている。
【0078】本実施形態では、低速回転低負荷運転域で
は、排気開始時期可変37′が排気通路35′を全閉
し、また排気制御弁39の開度は上述の図12,13の
特性図に基づいて制御される。なお、排気開始時期可変
弁37′は、低速回転低負荷運転域でのみ排気通路3
5′を閉じ、他の運転域では該排気通路を開く。
は、排気開始時期可変37′が排気通路35′を全閉
し、また排気制御弁39の開度は上述の図12,13の
特性図に基づいて制御される。なお、排気開始時期可変
弁37′は、低速回転低負荷運転域でのみ排気通路3
5′を閉じ、他の運転域では該排気通路を開く。
【0079】これにより上述の実施形態と同様に、低速
回転低負荷運転域では、排気通路抵抗が大きくなるとと
もに排気開始時期が遅くなり、排気ガスの排出抵抗が大
きくなり、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
回転低負荷運転域では、排気通路抵抗が大きくなるとと
もに排気開始時期が遅くなり、排気ガスの排出抵抗が大
きくなり、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
【0080】なお、上記実施形態では、自動二輪車用エ
ンジンの場合を説明したが、本発明の適用範囲はこれに
限られるものではない。例えば、図25〜図28は船外
機用エンジンの例(第2実施形態)を示し、図29〜図
31はウォータビークル用エンジンの例(第3実施形
態)を示す。各図中、図1〜図5と同一符号は同一又は
相当部分を示す。
ンジンの場合を説明したが、本発明の適用範囲はこれに
限られるものではない。例えば、図25〜図28は船外
機用エンジンの例(第2実施形態)を示し、図29〜図
31はウォータビークル用エンジンの例(第3実施形
態)を示す。各図中、図1〜図5と同一符号は同一又は
相当部分を示す。
【0081】図25,図26において、船外機100
は、図25の下側部分に示すように、主として推進機1
01が配設されたロアケース102の上部にアッパケー
ス103を接続し、これの上部にエンジン1が収容され
たトップカウル104を接続して構成されており、該船
外機100は船体110の船尾110aにブラケット1
11を介して左右,上下方向に揺動可能に枢支されてい
る。
は、図25の下側部分に示すように、主として推進機1
01が配設されたロアケース102の上部にアッパケー
ス103を接続し、これの上部にエンジン1が収容され
たトップカウル104を接続して構成されており、該船
外機100は船体110の船尾110aにブラケット1
11を介して左右,上下方向に揺動可能に枢支されてい
る。
【0082】上記エンジン1は、クランク軸8を航行時
に略垂直をなすように縦置きに配置し、3対の気筒をそ
れぞれVバンクをなすよう船体後方に向けて配設したV
型6気筒筒内噴射式2サイクルエンジンである。
に略垂直をなすように縦置きに配置し、3対の気筒をそ
れぞれVバンクをなすよう船体後方に向けて配設したV
型6気筒筒内噴射式2サイクルエンジンである。
【0083】上記エンジン1の吸気系Aは、クランクケ
ース3の各気筒毎に設けられたクランク室3aの前面に
連通形成された吸気口3bにリードバルブ9を挿着する
とともに、該吸気口3bに吸気管10,スロットルボデ
ィ11,各気筒共通の吸気サイレンサ12を接続して構
成されている。この吸気サイレンサ12の上端には後方
に向かって開口する外気取入口12aが形成されてお
り、上記トップカウル104のカウリング開口104a
から外気が吸入される。
ース3の各気筒毎に設けられたクランク室3aの前面に
連通形成された吸気口3bにリードバルブ9を挿着する
とともに、該吸気口3bに吸気管10,スロットルボデ
ィ11,各気筒共通の吸気サイレンサ12を接続して構
成されている。この吸気サイレンサ12の上端には後方
に向かって開口する外気取入口12aが形成されてお
り、上記トップカウル104のカウリング開口104a
から外気が吸入される。
【0084】燃料系Bは、船体110側に配置された燃
料タンク115内の燃料を船外機100側に配置された
ベーパセパレータ117に供給する第1燃料ポンプ11
6と、該ベーパセパレータ117内の燃料を加圧し、燃
料配送管123を介して各シリンダボディ4の外側壁の
各気筒毎に装着された燃料噴射弁14に供給する第2燃
料ポンプ118とを備えている。
料タンク115内の燃料を船外機100側に配置された
ベーパセパレータ117に供給する第1燃料ポンプ11
6と、該ベーパセパレータ117内の燃料を加圧し、燃
料配送管123を介して各シリンダボディ4の外側壁の
各気筒毎に装着された燃料噴射弁14に供給する第2燃
料ポンプ118とを備えている。
【0085】上記燃料タンク115と第1燃料ポンプ1
16とは始動時に手動で燃料を送るプライマリポンプ1
19,ホース側コネクタ120,カウリング側コネクタ
121を介して接続され、第1燃料ポンプ116とベー
パセパレータ117との間には燃料フィルタ122が介
設されている。このベーパセパレータ117はフロート
117aが所定レベル以下になるとニードル弁117b
が開いて燃料を補給するようになっている。上記燃料配
送管123には燃料噴射弁14に供給される燃料圧力を
所定圧に調整するための調圧器124が配設され、噴射
されない燃料は戻り管125によりベーパセパレータ1
17に戻される。
16とは始動時に手動で燃料を送るプライマリポンプ1
19,ホース側コネクタ120,カウリング側コネクタ
121を介して接続され、第1燃料ポンプ116とベー
パセパレータ117との間には燃料フィルタ122が介
設されている。このベーパセパレータ117はフロート
117aが所定レベル以下になるとニードル弁117b
が開いて燃料を補給するようになっている。上記燃料配
送管123には燃料噴射弁14に供給される燃料圧力を
所定圧に調整するための調圧器124が配設され、噴射
されない燃料は戻り管125によりベーパセパレータ1
17に戻される。
【0086】上記エンジン1の排気系Cは、燃焼室a内
で発生した既燃料ガスを、シリンダボア4aのVバンク
内に開口する各排気ポート35a,第1排気通路35,
第2排気通路126,該第2排気通路126及び図示し
ない第3排気通路を介して上記推進機101から水中に
排出するようになっている。
で発生した既燃料ガスを、シリンダボア4aのVバンク
内に開口する各排気ポート35a,第1排気通路35,
第2排気通路126,該第2排気通路126及び図示し
ない第3排気通路を介して上記推進機101から水中に
排出するようになっている。
【0087】そして上記各第1排気通路35内には排気
開始時期を可変制御する排気開始時期可変弁37が配設
されており、これの下流側には通路断面積を可変制御す
る排気制御弁39が配設されている。この排気開始時期
可変弁37,排気制御弁39は上述の実施形態と同様の
構造となっており、それぞれアクチュエータ42,44
で開閉駆動される。
開始時期を可変制御する排気開始時期可変弁37が配設
されており、これの下流側には通路断面積を可変制御す
る排気制御弁39が配設されている。この排気開始時期
可変弁37,排気制御弁39は上述の実施形態と同様の
構造となっており、それぞれアクチュエータ42,44
で開閉駆動される。
【0088】上記エンジン1の運転制御を行うECU7
0は、エンジン回転数センサ51,スロットル開度セン
サ52,O2 センサ53,その他吸気管温度センサ5
5,クランク室圧力センサ56,筒内圧力センサ57,
エンジン温度センサ58,大気圧センサ128,背圧セ
ンサ129,シリンダ温度センサ130,ノックセンサ
131等の各種センサからの検出値に基づいて、燃料噴
射弁14の開タイミング及び開時間、点火時期、排気開
始時期可変弁37,排気制御弁39の開度を制御する。
なお、132はエンジン動力を推進機101に伝達する
動力伝達装置(不図示)のシフト動作,変速状態を検出
するシフトセンサ、133は船外機100の上下回動位
置を検出するトリム角センサである。ここで、本エンジ
ン1の運転制御は上述の制御方法と同様であることか
ら、説明は省略する。
0は、エンジン回転数センサ51,スロットル開度セン
サ52,O2 センサ53,その他吸気管温度センサ5
5,クランク室圧力センサ56,筒内圧力センサ57,
エンジン温度センサ58,大気圧センサ128,背圧セ
ンサ129,シリンダ温度センサ130,ノックセンサ
131等の各種センサからの検出値に基づいて、燃料噴
射弁14の開タイミング及び開時間、点火時期、排気開
始時期可変弁37,排気制御弁39の開度を制御する。
なお、132はエンジン動力を推進機101に伝達する
動力伝達装置(不図示)のシフト動作,変速状態を検出
するシフトセンサ、133は船外機100の上下回動位
置を検出するトリム角センサである。ここで、本エンジ
ン1の運転制御は上述の制御方法と同様であることか
ら、説明は省略する。
【0089】本実施形態によれば、低速・低負荷運転域
ほど排気制御弁39を絞るようにしたので、排気行程に
おける既燃料ガスの排出性が低下する。そのため高い既
燃料ガスにより燃焼室aが高温に保たれ、燃料の気化が
促進されるるとともに、新気の吹き抜けが抑制され、圧
力低下による逆流の発生を抑制でき、上記実施形態と同
様の効果が得られる。
ほど排気制御弁39を絞るようにしたので、排気行程に
おける既燃料ガスの排出性が低下する。そのため高い既
燃料ガスにより燃焼室aが高温に保たれ、燃料の気化が
促進されるるとともに、新気の吹き抜けが抑制され、圧
力低下による逆流の発生を抑制でき、上記実施形態と同
様の効果が得られる。
【0090】また燃料噴射弁14からの噴射流の一部を
点火プラグ34を指向させ、残りをピストン頂部に指向
させたので、燃料が燃焼室a内に均一に分布し、かつ点
火プラグ34近傍に濃混合気雲が形成され、着火性を向
上でき、この点においても上記実施形態と同様の効果が
得られる。
点火プラグ34を指向させ、残りをピストン頂部に指向
させたので、燃料が燃焼室a内に均一に分布し、かつ点
火プラグ34近傍に濃混合気雲が形成され、着火性を向
上でき、この点においても上記実施形態と同様の効果が
得られる。
【0091】図27,図28は、船外機の筒内噴射式2
サイクルエンジンを示す。これは各シリンダボア4aに
2つの排気ポート35c,35dを気筒軸方向に並べて
設け,各排気ポート35c,35dに排気通路35′,
35を連通させ、シリンダヘッド側に位置する排気通路
35′に排気開始時期可変弁37′を配設し、上記各排
気通路35の合流部より下流側に各気筒共通の排気制御
弁39´を設けている。本実施形態においても、低速回
転低負荷運転域では、排気通路抵抗が大きくなるととも
に排気開始時期が遅くなり、上述の実施形態と同様の効
果が得られる。
サイクルエンジンを示す。これは各シリンダボア4aに
2つの排気ポート35c,35dを気筒軸方向に並べて
設け,各排気ポート35c,35dに排気通路35′,
35を連通させ、シリンダヘッド側に位置する排気通路
35′に排気開始時期可変弁37′を配設し、上記各排
気通路35の合流部より下流側に各気筒共通の排気制御
弁39´を設けている。本実施形態においても、低速回
転低負荷運転域では、排気通路抵抗が大きくなるととも
に排気開始時期が遅くなり、上述の実施形態と同様の効
果が得られる。
【0092】図29〜図31において、150はウォー
タビークルであり、これはバスタブ状のハル151と蓋
状のデッキ152とをガンネル153で水密に結合して
船体154を形成し、上記デッキ152の左右側縁に前
後方向に延びる足載せ部152aを形成するとともに、
上面中央部に開閉可能なシート155を、該シート15
5の前部に操舵ハンドル156を左右揺動可能に配置し
て構成されている。
タビークルであり、これはバスタブ状のハル151と蓋
状のデッキ152とをガンネル153で水密に結合して
船体154を形成し、上記デッキ152の左右側縁に前
後方向に延びる足載せ部152aを形成するとともに、
上面中央部に開閉可能なシート155を、該シート15
5の前部に操舵ハンドル156を左右揺動可能に配置し
て構成されている。
【0093】上記船体154内の船底154aの前後方
向中央部にはエンジン1が搭載されており、該エンジン
1の前方には燃料タンク157が、後方にはジェット推
進機158がそれぞれ配設されている。このジェット推
進機158は、船底154aに開口する吸込口160a
と後方の船尾154bに開口する噴射口160bとを有
する推進通路160内にインペラ161が固着されたイ
ンペラ軸162を略水平をなすように挿入配置して構成
されている。
向中央部にはエンジン1が搭載されており、該エンジン
1の前方には燃料タンク157が、後方にはジェット推
進機158がそれぞれ配設されている。このジェット推
進機158は、船底154aに開口する吸込口160a
と後方の船尾154bに開口する噴射口160bとを有
する推進通路160内にインペラ161が固着されたイ
ンペラ軸162を略水平をなすように挿入配置して構成
されている。
【0094】上記ジェット推進158は、インペラ16
1の回転により吸込口160aから水を吸い上げ、この
吸い込んだ水を加圧して噴射口160bから噴射するこ
とにより推進力を発生させるものである。また上記噴射
口160bにはノズルデフレクタ163が左右,上下揺
動可能に接続されており、該ノズルデフレクタ163は
操舵ハンドル156の操作により船体154の旋回角度
を変化させたり,トリム角を変化させたりするものであ
る。
1の回転により吸込口160aから水を吸い上げ、この
吸い込んだ水を加圧して噴射口160bから噴射するこ
とにより推進力を発生させるものである。また上記噴射
口160bにはノズルデフレクタ163が左右,上下揺
動可能に接続されており、該ノズルデフレクタ163は
操舵ハンドル156の操作により船体154の旋回角度
を変化させたり,トリム角を変化させたりするものであ
る。
【0095】上記エンジン1は、水冷式並列2気筒筒内
噴射式2サイクルエンジンであり、これのクランク軸8
は前後方向に略水平に向けて配置されており、該クラン
ク軸8の後端部にはカップリング165を介して上記イ
ンペラ軸162の前端が連結されている。上記エンジン
1の船体幅方向一側には吸気系A,及び燃料供給系B
が、他側には排気系Cがそれぞれ配置されている。
噴射式2サイクルエンジンであり、これのクランク軸8
は前後方向に略水平に向けて配置されており、該クラン
ク軸8の後端部にはカップリング165を介して上記イ
ンペラ軸162の前端が連結されている。上記エンジン
1の船体幅方向一側には吸気系A,及び燃料供給系B
が、他側には排気系Cがそれぞれ配置されている。
【0096】上記吸気系Aは、各気筒独立のクランク室
3aの側面に二股状の吸気管167を接続し、該吸気管
167に各気筒共通のスロットルボディ168を接続す
るとともに吸気サイレンサ169を接続した構造であ
り、該サイレンサ169の吸込口169aは船体後方に
向いて開口している。上記スロットルボディ168内に
は通路面積を開閉するスロットル弁170が配置されて
おり、該スロットル弁170は操舵ハンドル156のア
クセルグリップの開度に応じて図示しないアクチュエー
タで開閉制御される。
3aの側面に二股状の吸気管167を接続し、該吸気管
167に各気筒共通のスロットルボディ168を接続す
るとともに吸気サイレンサ169を接続した構造であ
り、該サイレンサ169の吸込口169aは船体後方に
向いて開口している。上記スロットルボディ168内に
は通路面積を開閉するスロットル弁170が配置されて
おり、該スロットル弁170は操舵ハンドル156のア
クセルグリップの開度に応じて図示しないアクチュエー
タで開閉制御される。
【0097】上記燃料供給系Bは、シリンダボア4aの
一側壁に装着された各気筒独立の燃料噴射弁14に、燃
料タンク157内の燃料をストレーナ175,燃料ポン
プ176,燃料配送管177を介して供給される。な
お、178は燃料配送管177内の燃料圧力を所定圧力
に調整する調圧器,179は戻り管である。
一側壁に装着された各気筒独立の燃料噴射弁14に、燃
料タンク157内の燃料をストレーナ175,燃料ポン
プ176,燃料配送管177を介して供給される。な
お、178は燃料配送管177内の燃料圧力を所定圧力
に調整する調圧器,179は戻り管である。
【0098】上記排気系Cは、燃焼室a内に発生した既
燃料ガスを、シリンダボディ4の他側壁に開口する排気
ポート35aの排気通路35,前側排気管180,ウォ
ータロック181,後側排気管182を介して船尾15
4bから水中に排出されるようになっている。上記前側
排気管180は各排気通路35の合流部から上方に屈曲
し、ここから後方に延びて上記ウォータロック181に
連通接続されている。また前側排気管180の外壁には
2重壁構造の冷却ジャケット183が形成されており、
該冷却ジャケット183はフォータロック181内に連
通している。上記後側排気管182はウォータロック1
81から上方に立ち上がって船幅方向に延びた後、船尾
154bに形成されたポンプ室に連通している。
燃料ガスを、シリンダボディ4の他側壁に開口する排気
ポート35aの排気通路35,前側排気管180,ウォ
ータロック181,後側排気管182を介して船尾15
4bから水中に排出されるようになっている。上記前側
排気管180は各排気通路35の合流部から上方に屈曲
し、ここから後方に延びて上記ウォータロック181に
連通接続されている。また前側排気管180の外壁には
2重壁構造の冷却ジャケット183が形成されており、
該冷却ジャケット183はフォータロック181内に連
通している。上記後側排気管182はウォータロック1
81から上方に立ち上がって船幅方向に延びた後、船尾
154bに形成されたポンプ室に連通している。
【0099】そして上記各排気通路35内には排気開始
時期を可変制御する排気開始時期可変弁37が配設され
ており、また上記前側排気管180の合流部には通路断
面積を可変制御する排気制御弁39が配設されている。
この排気開始時期可変弁37,排気制御弁39は上述の
実施形態と同様の構造となっており、それぞれアクチュ
エータ42,44で開閉駆動される。
時期を可変制御する排気開始時期可変弁37が配設され
ており、また上記前側排気管180の合流部には通路断
面積を可変制御する排気制御弁39が配設されている。
この排気開始時期可変弁37,排気制御弁39は上述の
実施形態と同様の構造となっており、それぞれアクチュ
エータ42,44で開閉駆動される。
【0100】上記エンジン1は、上述の実施形態と同様
に、ECUにより、エンジン運転状態を表す各種のパラ
メータを検出するセンサからの検出信号に基づいて、燃
料噴射弁14の噴射時期,噴射時間、点火プラグ34の
点火時期、排気開始時期可変弁37,及び排気制御弁3
9の開度が制御される。本実施形態においても上記実施
形態と同様の効果が得られる。
に、ECUにより、エンジン運転状態を表す各種のパラ
メータを検出するセンサからの検出信号に基づいて、燃
料噴射弁14の噴射時期,噴射時間、点火プラグ34の
点火時期、排気開始時期可変弁37,及び排気制御弁3
9の開度が制御される。本実施形態においても上記実施
形態と同様の効果が得られる。
【図1】本発明の第1実施形態による自動二輪車用筒内
噴射式2サイクルエンジンの制御装置を含む全体構成図
である。
噴射式2サイクルエンジンの制御装置を含む全体構成図
である。
【図2】上記エンジンの平面構成図である。
【図3】上記エンジンの断面側面図である。
【図4】上記エンジンの断面平面図である。
【図5】上記エンジンに採用された燃料噴射弁の断面側
面図である。
面図である。
【図6】上記燃料噴射弁の先端部の拡大断面図である。
【図7】上記先端部の正面図である。
【図8】上記エンジンの吸気系,燃料供給系,排気系の
系統図である。
系統図である。
【図9】上記制御装置のブロック構成図である。
【図10】上記エンジンにおける各ポートの開期間,燃
料噴射期間等の特性図である。
料噴射期間等の特性図である。
【図11】上記エンジンの制御用三次元マップを示すイ
メージ図である。
メージ図である。
【図12】上記排気制御弁の開度のマップ値設定イメー
ジ図である。
ジ図である。
【図13】上記エンジンの排気開始時期可変弁開度のマ
ップ値設定イメージ図である。
ップ値設定イメージ図である。
【図14】上記エンジンの排気開始時期可変弁開度のマ
ップ値設定イメージ図である。
ップ値設定イメージ図である。
【図15】上記エンジンの排気開始時期可変弁開度のマ
ップ値設定イメージ図である。
ップ値設定イメージ図である。
【図16】上記エンジンの排気開始時期可変弁開度のマ
ップ値設定イメージ図である。
ップ値設定イメージ図である。
【図17】上記排気制御弁の開度のマップ値設定イメー
ジ図である。
ジ図である。
【図18】上記排気制御弁の開度と噴射開始時期等との
関係を示す特性図である。
関係を示す特性図である。
【図19】上記排気制御弁開度と噴射開始時期,噴射時
間との関係を示す特性図である。
間との関係を示す特性図である。
【図20】上記排気制御弁,スロットル弁開度の関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図21】上記排気制御弁,スロットル弁開度の関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図22】上記排気制御弁,スロットル弁開度の関係を
示す特性図である。
示す特性図である。
【図23】上記排気制御弁開度と点火時期との関係を示
す特性図である。
す特性図である。
【図24】請求項4の発明の一実施形態によるエンジン
の模式図である。
の模式図である。
【図25】本発明の第2実施形態による船外機の筒内噴
射式2サイクルエンジンを説明するための構成図であ
る。
射式2サイクルエンジンを説明するための構成図であ
る。
【図26】上記エンジンの吸気系,燃料供給系,排気系
の系統図である。
の系統図である。
【図27】上記請求項4の発明の他の実施形態よるエン
ジンの平面模式図である。
ジンの平面模式図である。
【図28】図27に示すエンジンの断面背面模式図であ
る。
る。
【図29】本発明の第3実施形態によるウォータビーク
ルの筒内噴射式2サイクルエンジンを説明するための側
面図である。
ルの筒内噴射式2サイクルエンジンを説明するための側
面図である。
【図30】図29のエンジンの断面正面図である。
【図31】図29のエンジンの側面図である。
1 筒内噴射式2サイクルエンジン 3a クランク室 4 シリンダボディ(シリンダ側壁) 5 シリンダヘッド 6 ピストン 13a 掃気ポート 14 燃料噴射弁 34 点火プラグ 35 排気通路 35a 排気ポート 37 排気開始時期可変弁(排気ポート上縁可変制御
弁) 39 排気制御弁(開閉弁) 70 ECU(運転制御手段, 排気制御弁開度制御手
段, 排気タイミング制御手段, 排気ポート上縁可変制御
弁制御手段, 開閉弁駆動制御手段) 200 リーク穴(小孔) a 燃焼室
弁) 39 排気制御弁(開閉弁) 70 ECU(運転制御手段, 排気制御弁開度制御手
段, 排気タイミング制御手段, 排気ポート上縁可変制御
弁制御手段, 開閉弁駆動制御手段) 200 リーク穴(小孔) a 燃焼室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/34 F02D 41/34 F 43/00 301 43/00 301J 301Z
Claims (6)
- 【請求項1】 シリンダ側壁にクランク室に連通する掃
気ポート及び排気通路に連通する排気ポートを形成し、
シリンダヘッドに点火プラグを取り付け、シリンダヘッ
ド,シリンダボディ,及びピストンにより形成される燃
焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁を備えた筒内噴
射式2サイクルエンジンにおいて、上記燃料噴射弁をア
クセル操作部により設定されるエンジン負荷に基づき、
上記燃料噴射弁を、エンジン負荷が大なる程多くの燃料
が点火プラグによる点火前に噴射供給されるよう制御す
る燃料噴射弁制御手段と、上記排気通路に配設され排気
通路断面積を可変とする排気制御弁と、該排気制御弁
を、エンジン負荷が小さい運転域での排気制御弁開度が
エンジン負荷が大きい運転域での排気制御弁開度より小
さくなるよう制御する排気制御弁開度制御手段と、排気
開始時期を可変とする排気開始時期可変弁と、該排気開
始時期可変弁を、エンジン負荷が小さい運転域での排気
開始時期がエンジン負荷が大きい運転域での排気開始時
期より遅角するよう制御する排気開始時期制御手段とを
備えたことを特徴とする筒内噴射式2サイクルエンジ
ン。 - 【請求項2】 請求項1において、上記排気開始時期可
変弁が、排気ポートの上縁位置を実質的に気筒軸方向に
可変とし、排気開始時期を早くすることにより排気通路
断面積を大きくし、排気開始時期を遅くすることにより
排気通路断面積を小さくする排気制御弁の機能をも兼ね
備えたものであることを特徴とする筒内噴射式2サイク
ルエンジン。 - 【請求項3】 請求項1において、気筒軸方向に少なく
とも2つの排気ポートを設け、各排気ポートにそれぞれ
上流排気通路を接続し、少なくとも最もシリンダヘッド
に近い排気ポートに連なる上記上流排気通路に開閉弁を
配設し、該開閉弁を上記排気開始時期可変弁とし、上記
上流排気通路を合流した合流通路に上記排気制御弁を配
設したことを特徴とする筒内噴射式2サイクルエンジ
ン。 - 【請求項4】 請求項1ないし3の何れかにおいて、上
記排気制御弁に該排気制御弁の全閉時に排気ガスを流動
させる小孔を設けたことを特徴とする筒内噴射式2サイ
クルエンジン。 - 【請求項5】 請求項1ないし4の何れかにおいて、上
記排気制御弁開度制御手段,排気開始時期制御手段のそ
れぞれは、排気制御弁,排気開始時期可変弁のそれぞれ
を、エンジン低速回転域では、全エンジン負荷運転域に
渡って排気開始時期可変弁の開率が排気制御弁の開率よ
り小さくなるよう制御することを特徴とする筒内噴射式
2サイクルエンジン。 - 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかにおいて、上
記排気制御弁開度制御手段,排気開始時期制御手段のそ
れぞれは、排気制御弁,排気開始時期可変弁のそれぞれ
を、エンジン中速回転域では、エンジン低負荷運転域に
て、排気制御弁の開率と排気開始時期可変弁の開率が略
同じで、かつエンジン低速運転域の開率より大きくなる
よう制御することを特徴とする筒内噴射式2サイクルエ
ンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8268623A JPH10115233A (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 筒内噴射式2サイクルエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8268623A JPH10115233A (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 筒内噴射式2サイクルエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10115233A true JPH10115233A (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=17461122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8268623A Withdrawn JPH10115233A (ja) | 1996-10-09 | 1996-10-09 | 筒内噴射式2サイクルエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10115233A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005299548A (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Man B & W Diesel As | クロスヘッド式の大型ピストンエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御する方法 |
JP2009085097A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Honda Motor Co Ltd | 車両用エンジンの排気制御装置 |
-
1996
- 1996-10-09 JP JP8268623A patent/JPH10115233A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005299548A (ja) * | 2004-04-14 | 2005-10-27 | Man B & W Diesel As | クロスヘッド式の大型ピストンエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御する方法 |
JP2009085097A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-04-23 | Honda Motor Co Ltd | 車両用エンジンの排気制御装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040106 |