JP2005299548A - クロスヘッド式の大型ピストンエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】舶用等に使用される大型機関において、運転パラメータをプログラム制御することにより目的に沿った運行管理を実現する。
【解決手段】クロスヘッド式の大型ピストンエンジン、特に2ストロークエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御するための方法において、該プロセスの数学的モデルが、該調整要素を制御するため使用される。この数学的モデルに基づいて、プロセスを表すパラメータの所望値の組が確立される。少なくとも1つの代表パラメータの観察値が得られ、偏差値を得るため該少なくとも1つの代表パラメータの観察値は、その所望値と比較される。該偏差値に応じて、数学的モデルに基づき少なくとも1つの調整要素が該偏差を減少させるように調整される。オペレータは、例えば燃料経済又は排出物に対して最適化された所望のエンジン性能データを入力することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、クロスヘッド式の大型ピストンエンジン、特に2ストロークエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスの制御であって、当該エンジンが、プロセスに影響を及ぼすためアクチュエータ入力を提供するための複数の調整要素を有し、当該プロセスの数学的モデルが該調整要素を制御するため使用されるところの制御に関する。この数学的モデルは、所望のエンジン性能データ、実際のエンジン性能データ、当該プロセスに影響を及ぼすシステム入力等の複数の影響パラメータと、当該プロセスを表すプロセス出力等の複数のエンジン応答パラメータと、を含んでいる。
大型ピストンエンジンは、例えば、遠洋航行船を推進するため使用される。そのような大型ピストンエンジンでは、該エンジンのための、最適な全体的作動条件及び性能データを得るため該エンジンにおいて多数のプロセスの各々を最適化することが非常に重要となる。該エンジンのための最適な全体的な作動条件は、地域的又は国家的要求に従って変動し得、又は、船の所有者又はオペレータにより画定される基準に依存し得る。国家的な要求は、地域的な環境を保護することを目的とし、エンジンからの有害且つ有毒な物質、特にNOX及び粒子の放出に幾つかの制限を設定することができる。そのような作動モードは、燃料消費に関して最も経済的なモードとはなり得ない。放出に関して厳重な制限が無いか又は全く無い国家管轄区外では、船の所有者又はオペレータは、低燃料消費を強調したモード、及び/又は、エンジン及びその構成部品上の機械的負荷を強調したモードでエンジンを駆動することが望ましい。
低速ピストンエンジンを、燃料経済、排出物及びその構成部品上への機械的負荷に関する要求に合致させるためには、サイクルプロセスが、その設計レイアウトに、運転中の数年後にも維持されるということがきわめて重要である。このことは非常に得がたいことが経験で示された。
エンジン構成部品の磨耗、燃料特性の変動及び周囲条件の変動は、全て、サイクルプロセスにゆっくりとした変化を生じさせることの要因となる。テスト中に、動作資格要員は、所望のサイクルプロセスが得られるまでエンジンを調整する。運転中に、技術指導者は、受容可能なサイクルプロセスを維持するため、確認し、要求された調整をなすことの責任を有する。これは、時間を浪費するプロセスであり、しばしば、どの調整手続き又は工程が正しいか明らかでないことがある。更には、ほとんどのサイクルプロセスの逸脱は、機械的な不具合を、少なくとも短期間では生じさせない。従って、望ましくないサイクルプロセスが定期的に評価されるという、かなりのリスクが存在する。
運転中にエンジンが調整されるとき、典型的には、それは、燃焼チャンバー内の圧力を測定若しくは推定し、それを設計レイアウト値と比較することにより、なされる。設計値は、通常、ISO基準条件に対して有効である。従って、他の状況下で実行された調整は、実際には、エンジン性能に負の効果を及ぼす。日常のオペレータが、いずれのサイクル圧力が与えられた作動ポイントで望ましいかを導出することはしばしば判り難い。これは、電子制御式エンジン、即ち多数の仕方でエンジン応答を変化させたカムシャフトが無いエンジンの導入で特に重要となる。
(各従来技術の説明)
DE4 203 649号は、内燃エンジンにある量の燃料を注入する方法に関し、該燃料の量は、連続的な燃料注入の間の作動パラメータに依存する。この注入プロセスは、エンジンの作動サイクルの間に変化する。
DE19 936 269号は、ディーゼルエンジンの燃料注入バルブ又はターボチャージャーブースト圧力を動的に調整する方法を開示している。この方法は、作動ポイントにおいて画定された制御状態で予備制御又はパイロット変数の動的修正を要求している。
DE19 914 277号は、システムのクラス又は後のプロセスに影響を及ぼすプロセス状態の登録に関する。多重センサーアレイが、状態ベクトル及びクラスを画定するため、ニューラルネットワーク又はファジー論理を使用した適応的学習プロセスで用いられる。
US5513097号は、調整システムにおけるプロセス制御に関し、各サイクルの前後でニューラルネットワークのパラメータと適合する工程を含んでいる。これは、周期的に繰り返されるプロセスではないが、幾つかの異なるシーケンスの時間変化技術的プロセス、例えば、金属の圧延工程である。
US5673368号は、少なくとも1つの予備計算プロセスパラメータが数学的モデルを使用して決定された、被制御システムにおけるプロセスを実行するための方法及び装置を開示している。この数学的モデルは、ニューラルネットワークのネットワーク応答に基づいて調整された可変モデルパラメータを有する。ニューラルネットワーク及び数学的モデルの組み合わせが使用される。
US6226557号は、特にICディーゼルエンジン注入のための非線形制御システムの調整に関する。それは、制御値の修正が線形制御法を生じさせるように、制御されたシステム状態に応じた修正値の選択を含んでいる。
US2002 0019674号は、モデル流れソフトウェアにより提供されたパラメータ設計閾値を備えるインテリジェント制御及び品質予測放射荷重ニューラルネットワークを使用した、プラスチック製造物を製造するための射出成形装置の品質制御に関する。
DE4 203 649号 DE19 936 269号 DE19 914 277号 US5513097号 US5673368号 US6226557号 US2002 0019674号
クロスヘッド式の大型ピストンエンジン、特に2ストロークエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御するための本発明に係る方法では、プロセスの数学的モデルが、当該プロセスに影響を及ぼす調整要素を制御するため使用される。主要な数学的モデルに基づいて、当該プロセスを表す1組の所望のパラメータ値が得られ、少なくとも1つの代表パラメータの観察値が、偏差値を得るためその所望値と比較される。該偏差値に応じて、数学的サブモデルに基づいて、調整要素の少なくとも1つが偏差値を減少させるように調整される。
オペレータは、例えば、燃料経済又は排出物のために最適化された所望のエンジン性能データを入力することができる。
本発明の方法は、クロスヘッド式の電子制御式大型ピストンエンジンにおいて燃焼プロセスを制御するのに特に適している。
図1には、好ましくは、例えば2ストロークエンジン等のクロスヘッド式の電子制御式大型ピストンエンジンであるエンジンが示されている。当該エンジンは、クランクシャフトの回転と共に周期的に作動し、燃焼プロセス及びその多数のサブプロセスは、周期的であり、クランクシャフトの回転に同期化されている。
当該エンジンは、燃焼プロセスに影響を及ぼすようにアクチュエータ入力を提供するための幾つかの調整要素を有している。典型的には、調整要素は、次のもののうち1つ又はそれ以上を実行する。即ち、排気バルブ開放のタイミング及び/又はシェーピング、排気バルブ閉鎖のタイミング及び/又はシェーピング、及び、燃料注入のタイミング及び/又はシェーピングである。ここで、タイミングは、クランクシャフトの回転に関連し、成形は、関連するパラメータの強制的な一時的変化を意味している。
エンジンでは、多数のセンサーが、エンジン内の物理学的プロセスのパラメータを検出し、物理的プロセスを表す信号即ちエンジン応答パラメータの実際に観察された値を出力するため配置されている。これらのセンサーは、例えば、圧力、温度、流量、応力等々の物理的特性を検出することができる。エンジン応答パラメータの観察値は、サイクルプロセス最適化ユニットへの入力としてフィードバックされる。
1つ又はそれ以上の制御ユニットは、エンジン内の1つ又はそれ以上の要素を各々制御する。サイクルプロセス最適化ユニットからは、各制御ユニットは、プロセスパラメータの所望値を表す1つ又はそれ以上の信号、即ち、それを得ることが望ましいパラメータ値を受信する。エンジン内のセンサーは、プロセスのパラメータ及び当該プロセスを表す観察値の出力信号を検出する。エンジン応答パラメータの観察値は、関連する制御ユニットに、及び、サイクル最適化ユニットにフィードバックされる。関連する制御ユニットでは、観察値は、パラメータの対応する所望値と比較される。所望値と観察値との間で偏差が存在している場合、制御ユニットは、偏差の値に応じて、数学的サブモデルに基づき調整コマンドを出力し、該偏差を減少させるように1つ又はそれ以上の調整要素を調整する。このプロセスは、所望の組の値が達成されるか又は偏差が許容制限範囲内に収まるまで、幾つかのエンジンサイクルの間に継続され得る。
各制御ユニットは、エンジンの1つ以上のシリンダーを制御するシリンダー制御ユニット又は幾つかのシリンダー内で1つ以上のサブプロセスを制御するプロセス制御ユニットとすることができる。そのような制御ユニットの幾つかは、1つ以上のシリンダー制御ユニット及びプロセス制御ユニットを含む全エンジンを制御するエンジン制御ユニットにより制御することができる。各制御ユニットは、それが、プロセスを表すパラメータの関連する観察値のエンジンからのフィードバックを受け取る制御ループ内に配置されている。
サイクルプロセス最適化ユニットは、エンジンのセンサーからエンジン応答パラメータの上述した観察値を受け取る。そのような入力の例は、クーラー出口温度、清掃空気圧力、タービン入口温度、ターボチャージャー速度、NOx及び粒子排出物、及び、エンジンのその他の性能データである。更なるエンジンパラメータを計算し又は推定することができる。加えて、サイクルプロセス最適化ユニットは、周囲の影響パラメータを表す入力、即ち、エンジンの外部でエンジンのサイクルプロセスに影響を及ぼすパラメータを表す入力を受け取る。そのような周囲影響パラメータの例は、燃料特性、周囲空気の例えば温度、圧力、密度及び湿度等の特性である。これらは、実際の地域の気象条件、地理的位置及び1年のうちの時期に従って変動する。更には、サイクルプロセス最適化ユニットは、オペレータからの入力を受け取る。オペレータの入力は、例えば、所望のエンジン速度と、エンジンサイクルプロセスが例えば燃料経済、NOx及び粒子排出物並びにエンジン構成部品への機械的及び熱的負荷の観点で最適化されるところの所望の作動モードと、を含んでいる。
サイクルプロセス最適化ユニットは、エンジン及びサイクルプロセスの数学的主要モデルを使用し、該数学的主要モデルに基づいてその計算を実行する。該数学的主要モデルは、エンジンの作動条件及び性能データの間の関係の記述であり、特に、サイクルプロセスの特性を表す全ての関連するパラメータ、それらの互いに関する依存性、周囲条件及びオペレータからの入力に関する依存性を含んでいる。
オペレータは、典型的には、例えばエンジン速度等のエンジン作動条件や、燃料経済又は排出物に関して最適化された所望の作動モード等を入力する。数学的主要モデルは、実際の周囲影響パラメータと、エンジン応答パラメータの観察値の組により表される実際のエンジン作動条件とを使用して、プロセスパラメータの新しい組の所望値を計算し、該所望値は、関連する制御ユニットに入力される。制御ユニットは、エンジンの調整要素の適切な設定を実行する。
周囲影響パラメータが、例えば周囲空気特性又は燃料経済における変化に起因して変化するとき、サイクルプロセス最適化ユニットは、数学的主要モデルを使用して、プロセスパラメータの所望値の組において適切な変化を形成し、これらは、関連する制御ユニットに入力される。該制御ユニットは、オペレータにより設定された所望作動条件が得られるように、エンジンの調整ユニットを設定する。
数学的モデルにおける不可避の不完全さに起因して、エンジン内のプロセスは、所望の結果を厳密に与えるように制御され得ない。従って、好ましくは、数学的モデルは適応モデルであるのがよい。この適応モデルは、手動又は自動のいずれかで実行されてもよい。両方の場合で、エンジン応答パラメータは、入力として使用され、適切な調整が、数学的モデルのアルゴリズムに対してなされる。
適応が手動で実行される場合、オペレータ又は他の資格要員は、例えば視覚的検査により、1つ以上のエンジン応答パラメータを観察する。望ましくないパラメータ又は状態が観察された場合、彼は、ユーザーインターフェースを介して、1つ以上の調整を実行する。ユーザーインターフェースは、典型的には、高レベル調整手段を提供するコンピュータを備え、該コンピュータは、そのようなユーザー入力を、与えられた数学的モデルの適切な調整へと変換する。
数学的モデルが自動的に適応される場合、エンジン応答パラメータが、測定又は推定され、当該モデルは、それ自体を適応させる。適応のための方法は既知である。
図1は、本発明の方法を使用するように構成された制御システムを備えたエンジンの概略ブロック図を示す。

Claims (16)

  1. クロスヘッド式の大型ピストンエンジン、特に2ストロークエンジンにおける周期的に繰り返されるプロセスを制御するための方法であって、
    前記エンジンは、前記プロセスに影響を及ぼすための複数の調整要素を有しており、該プロセスの数学的モデルが、該調整要素を制御するため使用され、該数学的モデルは、所望のエンジン性能データ及び実際のエンジン性能データと、前記プロセスに影響を及ぼす複数の影響パラメータと、該プロセスを表す複数の代表プロセスパラメータと、を有し、
    前記方法は、
    主要数学的モデルに基づいて、前記代表プロセスパラメータの所望値の組を確立し、
    少なくとも1つのエンジン応答パラメータの観察値を取得し、
    前記少なくとも1つのエンジン応答パラメータの前記観察値を前記代表プロセスパラメータの前記所望値と比較し、該少なくとも1つの代表パラメータの該所望値からの偏差を表す偏差値を取得し、
    前記偏差値に応じて、数学的サブモデルに基づいて、前記偏差を減少させるように前記調整要素の少なくとも1つを調整する、各工程を備える、方法。
  2. 前記代表プロセスパラメータの前記所望値の組は、所望の性能データに基づいて確立される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記所望の性能データは、シリンダー圧力を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記所望の性能データは、前記エンジンの所望の作動条件を含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記エンジンの所望の作動条件は、排出物に対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  6. 前記エンジンの所望の作動条件は、燃料経済に対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  7. 前記エンジンの所望の作動条件は、振動に対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  8. 前記エンジンの所望の作動条件は、機械的構成部品負荷に対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  9. 前記エンジンの所望の作動条件は、煤煙に対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  10. 前記エンジンの所望の作動条件は、前記エンジンにより駆動される船の速度を増大させることに対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  11. 前記エンジンの所望の作動条件は、前記エンジンにより駆動される船の速度を減少させることに対して最適化されている、請求項4に記載の方法。
  12. 前記代表的プロセスパラメータの前記所望値の組は、前記プロセスに影響を及ぼす周囲影響パラメータに基づいて確立される、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記周囲影響パラメータは、周囲空気の特性を含んでいる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記周囲影響パラメータは、燃料特性を含んでいる、請求項12に記載の方法。
  15. 前記数学的モデルの少なくとも1つは、適応モデルである、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法を使用して前記エンジンの周期的に繰り返されたプロセスを制御するための手段を有する、特に2ストロークエンジンである、クロスヘッド式の大型ピストンエンジン。
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