JPH10113199A - 光走査型二次元濃度分布測定方法 - Google Patents

光走査型二次元濃度分布測定方法

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JPH10113199A
JPH10113199A JP8289373A JP28937396A JPH10113199A JP H10113199 A JPH10113199 A JP H10113199A JP 8289373 A JP8289373 A JP 8289373A JP 28937396 A JP28937396 A JP 28937396A JP H10113199 A JPH10113199 A JP H10113199A
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dimensional
concentration distribution
semiconductor substrate
solution
distribution measuring
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JP8289373A
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Motoi Nakao
基 中尾
Satoshi Nomura
聡 野村
Katsuhiko Tomita
勝彦 冨田
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Horiba Ltd
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所望のイオン濃度の二次元分布測定を短時間
で行うことができる光走査型二次元濃度分布測定方法を
提供すること。 【解決手段】 半導体基板5の一方の面にセンサ面7を
有し、前記半導体基板5に対してプローブ光3を照射す
るように構成された光走査型二次元濃度分布測定装置の
前記センサ面7に接するように、微生物28を培養した
培地26を設け、前記微生物28の代謝によって変化す
る化学物質の濃度変化を二次元画像として観測する光走
査型二次元濃度分布測定方法において、前記化学物質が
酸性であるときは前記培地26をアルカリ性にし、化学
物質がアルカリ性であるときは培地26を酸性にするよ
うにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光走査型二次元
濃度分布測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液体中あるいは物質中にしみこん
だ液体中に溶存している物質(イオンなど)の濃度を二
次元的に計測する装置の研究・開発が行われ、この二次
元分布の計測を行う手法の一つに、LAPS(Ligh
t−AddressablePotentiometr
ic Sensor)センサからなる電気化学画像計測
装置がある。このような装置は、例えば、Jpn.J.
Appl.Phys.Vol.33(1994)pp
L394−L397に記載してあるように、イオンなど
に感応するセンサ面を形成した半導体基板を適宜の光で
スキャンし、このスキャンによって、半導体基板中に誘
発された光電流を取り出すことにより測定を行うことが
できる。
【0003】前記装置のセンサ面を直接計測したい対象
物質に挿入したり接触させることによって溶存物質の濃
度分布を測定する。得られたデータは、コンピュータ処
理により、二次元または三次元の濃度分布画像として出
力される。ある時間での濃度分布のみならず、その変化
の様子をリアルタイムに追跡することができる。リアル
タイムに得られた画像を、目視、CCDカメラなどによ
って得られた光学的画像と容易に比較できる。
【0004】本願の出願人の一人(堀場製作所)は、上
述の二次元濃度分布を測定する装置については、例え
ば、「溶存物質の濃度分布計測方法」として特許出願し
ている(特願平7−90319号)。
【0005】ところで、媒体中に含まれる微生物の活動
状態を把握するのに、従来においては、平板培地法を用
い、寒天培地上に植菌し、培養した後に発生するコロニ
ーを目視によって計数し、微生物の濃度や個数を測定す
ることによって行っていた。この場合、単一菌からの増
殖で菌コロニーが目視できる大きさまで成長しないとコ
ロニーの計数を行うことができない。
【0006】そこで、前記光走査型二次元濃度分布測定
装置を用いて、微生物活動状態を計測することが考えら
れ、本願の出願人の一人(堀場製作所)は、このような
技術についても、「微生物活動状態計測方法」として特
許出願している(特願平7−156925号)。この計
測方法は、微生物を活動させたいプロセス中または環境
中で活動させたり、培地で培養し、そのとき微生物の代
謝によって変化する化学物質(例えばpH)の変化を二
次元画像として観測し、その画像変化に基づいて微生物
の活動状態を数値的に把握するようにしたもので、この
計測方法によれば、実際に、微生物を活動条件下に置い
たとき、微生物が代謝によって引き起こす微生物近傍の
化学物質の変化を、二次元濃度分布画像として捉えるこ
とによって、微生物の活動状態をその最終結果を待たず
して直接観測することができる。
【0007】しかしながら、上記微生物活動状態計測方
法においても、寒天培地として一般的なpH7程度の標
準寒天培地を用いた場合、菌コロニーによる酸性化のた
めに、プロトンが元の培地のpHを変化させる量だけ必
要とされ、そのために培地における培養時間が長くなら
ざるをえず、それだけ測定に時間がかかるといった不都
合があった。
【0008】このような問題は、光走査型二次元濃度分
布測定装置を用いて微生物活動状態を計測する場合のみ
ならず、光走査型二次元濃度分布測定装置を用いてイオ
ン交換体を評価したり、あるいは、マイクロカプセルを
評価するような場合にも生じている。なお、本願の出願
人は、光走査型二次元濃度分布測定装置を用いてイオン
交換体を評価する方法については、「イオン交換体の評
価方法」として特許出願(特願平8−135750号)
しており、また、光走査型二次元濃度分布測定装置を用
いてマイクロカプセルを評価する方法については、「マ
イクロカプセルの評価方法」として特許出願(特願平8
−135751号)しているところである。
【0009】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、所望のイオン濃度の二次元分布
測定を短時間で行うことができる光走査型二次元濃度分
布測定方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この出願の第1の発明では、半導体基板の一方の面
にセンサ面を有し、前記半導体基板に対してプローブ光
を照射するように構成された光走査型二次元濃度分布測
定装置の前記センサ面に接するように、微生物を培養し
た培地を設け、前記微生物の代謝によって変化する化学
物質の濃度変化を二次元画像として観測する光走査型二
次元濃度分布測定方法において、前記化学物質が酸性で
あるときは前記培地をアルカリ性にし、化学物質がアル
カリ性であるときは培地を酸性にするようにしている。
【0011】上記光走査型二次元濃度分布測定方法によ
れば、微生物の代謝によって生ずるpH変化量を、従来
に比べて短時間で検出することができる。
【0012】この出願の第2の発明では、半導体基板の
一方の面にセンサ面を有し、前記半導体基板に対してプ
ローブ光を照射するように構成された光走査型二次元濃
度分布測定装置の前記センサ面に接するように溶液を設
け、この溶液内にイオン交換体を浸し、そのときイオン
交換体から放出されるイオンの濃度変化を二次元画像と
して観測する光走査型二次元濃度分布測定方法におい
て、前記放出イオンが酸性であるときは前記溶液をアル
カリ性にし、放出イオンがアルカリ性であるときは溶液
を酸性にするようにしている。
【0013】上記光走査型二次元濃度分布測定方法によ
れば、イオン交換体の評価を従来に比べて短時間で行う
ことができる。
【0014】この出願の第3の発明では、半導体基板の
一方の面にセンサ面を有し、前記半導体基板に対してプ
ローブ光を照射するように構成された光走査型二次元濃
度分布測定装置の前記センサ面に接するように溶液を設
け、この溶液内にマイクロカプセルを浸し、そのときマ
イクロカプセルから放出されるイオンの濃度変化を二次
元画像として観測する光走査型二次元濃度分布測定方法
において、前記放出イオンが酸性であるときは前記溶液
をアルカリ性にし、放出イオンがアルカリ性であるとき
は溶液を酸性にするようにしている。
【0015】上記光走査型二次元濃度分布測定方法によ
れば、マイクロカプセルの評価を従来に比べて短時間で
行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施例
を、図を参照しながら説明する。
【0017】まず、この発明の光走査型二次元濃度分布
測定方法(以下、単に測定方法という)を説明する前
に、この測定方法に用いる測定装置の構成について、図
1を参照しながら説明する。
【0018】図1において、1はセンサ部で、センサ2
とこれにプローブ光3を照射するための光照射部4とか
らなる。
【0019】前記センサ2は、シリコンなどの半導体よ
りなる基板5の一方の面(図示例では上面)にSiO2
層6、センサ面としてのSi3 4 層7を熱酸化、CV
Dなどの手法によって順次形成してなるもので、センサ
面7は例えば水素イオンに応答するように形成されてい
る。8はセンサ面7を含みその周囲に設けられるセル
で、溶液などの試料を収容できるように構成され、適宜
の部材よりなる。
【0020】そして、CE、REはセンサ面7の近傍に
設けられる対極、比較電極で、これらの対極CE、比較
電極REは、ともに後述するポテンショスタット12の
安定化バイアス回路14に接続されている。また、OC
は半導体基板5に設けられる電流信号取出し用のオーミ
ック電極で、後述する電流−電圧変換器15および演算
増幅回路16を介して安定化バイアス回路14に接続さ
れている。
【0021】また、9はセンサ2を二次元方向、つま
り、X方向(図示例では左右方向)とY方向(図示例で
は、紙面に垂直な方向)に走査するセンサ走査機構とし
ての透過型XYステージで、走査制御装置10によって
制御される。
【0022】前記光照射部4は、例えば半導体レーザか
らなるとともに、半導体基板5の下面側(センサ面7と
は反対側)に設けられており、後述するインターフェー
スボード13を介して入力されるコンピュータ17(後
述する)からの制御信号によって断続光を発するととも
に、XYステージ9によって二次元方向に走査されるセ
ンサ2の半導体基板5に対して最適なビーム径になるよ
うに調整されたプローブ光3を照射するように構成され
ている。
【0023】11はセンサ部1を制御するための制御ボ
ックスであって、半導体基板5に適宜のバイアス電圧を
印加し、そのときに得られる信号を電流信号として取り
出すポテンショスタット12と、このポテンショスタッ
ト12と信号を授受したり、走査制御装置10や光照射
部4に対する制御信号を出力するインターフェースボー
ド13よりなる。そして、ポテンショスタット12は、
安定化バイアス回路14と半導体基板5に形成されたオ
ーミック電極OCから取り出される電流信号を電圧信号
に変換する電流−電圧変換器15、この電流−電圧変換
器15からの信号が入力される演算増幅回路16とから
構成されている。
【0024】17は各種の制御や演算を行うとともに、
画像処理および出力機能を有する画像出力装置としての
コンピュータ、18は例えばキーボードなどの入力装
置、19はカラーディスプレイなどの表示装置、20は
メモリ装置である。
【0025】上記構成の光走査型二次元濃度分布測定装
置を用いて、溶液の水素イオン濃度(pH)を測定する
場合について説明すると、セル8内に溶液21を入れ
る。これにより、センサ面7に溶液21が接する。そし
て、対極CEおよび比較電極REを溶液21に浸漬す
る。
【0026】上記の状態で、半導体基板5に空乏層が発
生するように、ポテンショスタット12からの直流電圧
を比較電極REとオーミック電極OCとの間に印加し
て、半導体基板5に所定のバイアス電圧を印加する。こ
の状態で半導体基板5に対してプローブ光3を一定周期
(例えば、10kHz)で断続的に照射することによっ
て半導体基板5に交流光電流を発生させる。このプロー
ブ光3の断続照射は、コンピュータ17の制御信号がイ
ンターフェースボード13を介して入力されることによ
って行われる。前記光電流は、半導体基板5の照射点に
対向する点で、センサ面7に接している溶液21におけ
るpHを反映した値であり、その値を測定することによ
り、この部分でのpH値を知ることができる。
【0027】さらに、走査制御装置10によって、セン
サ2をX,Y方向に移動させることにより、半導体基板
5にはプローブ光3が二次元方向に走査されるようにし
て照射され、溶液21における位置信号(X,Y)と、
その場所で観測された交流光電流値により、表示装置2
0の画面上にpHを表す二次元画像が表示される。
【0028】なお、上記光走査型二次元濃度分布測定装
置において、比較電極REを省略し、対極CEを介して
バイアス電圧を印加してもよい。但し、比較電極REを
設けていた場合の方が半導体基板5にバイアス電圧をよ
り安定に印加することができる。
【0029】そして、上記光走査型二次元濃度分布測定
装置において、センサ2をX,Y方向に移動させるのに
代えて、光照射部4に光照射部走査装置を設け、光照射
部4をX,Y方向に移動させるようにしてもよく、ま
た、光照射部4とセンサ2との間にプローブ光走査装置
を設け、プローブ光3をX,Y方向に移動させるように
してもよい。
【0030】さらに、上記光走査型二次元濃度分布測定
装置においては、光照射部4によるプローブ光3を半導
体基板5のセンサ面7とは反対側から照射するようにし
ていたが、これに代えて、センサ面7側から照射するよ
うにしてもよい。そして、光照射部4として、例えば特
願平7−39114号に示すように、半導体基板5に組
み込まれた光照射部を採用してもよい。
【0031】このように、溶液などにおけるpHの二次
元分布を測定し表示する光走査型二次元濃度分布測定装
置については、この出願人の一人(堀場製作所)が例え
ば特願平7−39112号、特願平7−39114号、
特願平7−329837号など多数特許出願している。
【0032】次に、上記測定装置によって微生物の活動
状態を測定する方法を第1発明とし、これを図2を参照
しながら説明する。
【0033】第1発明の測定方法で使用する試料として
は、例えば寒天培地に微生物を培養したものを用いる。
そして、微生物としては、例えば代謝によって周囲のp
H値を変化させるものが好ましく、この実施例では大腸
菌を用いる。
【0034】まず、図2(A)に示すように、適宜の容
器22内に大腸菌を活動させるための適当な条件に調整
され、かつ、大腸菌の増殖および活動に悪影響を与えな
い程度のアルカリ性に調整された溶液23に寒天24を
加えてこれをシャーレ25に収容して、厚さ1mm程度
のゲル状の寒天培地26を形成する。
【0035】一方、図2(B)に示すように、試験管2
7において測定したい大腸菌28を適宜の希釈液29に
よって希釈し、この希釈された大腸菌29を前記シャー
レ25に収容された寒天培地26の表面に塗布して、試
料30とする(図2(C)参照)。
【0036】そして、図2(C)に示すように、試料3
0を上下逆さにして、光走査型二次元濃度分布測定装置
のセンサ部2のセンサ面7に載せ、周囲温度などを適当
に設定して、大腸菌28の培養を開始する。
【0037】上記光走査型二次元濃度分布測定装置にお
いては、対極CEおよび比較電極REを試料30の寒天
培地26に挿入し、半導体基板2に空乏層が発生するよ
うに、ポテンショスタット12からの直流電圧を比較電
極REとオーミック電極OCとの間に印加して、半導体
基板5に所定のバイアス電圧を印加する。この状態で半
導体基板5に対してプローブ光3を一定周期(例えば、
10kHz)で断続的に照射することによって半導体基
板5に交流光電流を発生させる。
【0038】さらに、走査制御装置10によって、セン
サ2をX,Y方向に移動させることにより、半導体基板
5にはプローブ光3が二次元方向に走査されるようにし
て照射され、試料30における位置信号(X,Y)と、
その場所で観測された交流光電流値により、コンピュー
タ17のディスプレイ20の画面上にpHを表す二次元
画像が表示される。
【0039】そして、大腸菌28の増殖に伴う代謝によ
って大腸菌28近傍に水素イオンが放出され、その領域
におけるpH値が小さくなる。大腸菌28の増殖は対数
的に行われるため、より短時間の培養でpH変化を検出
するのは困難が伴う。
【0040】しかしながら、例えばpH7の寒天培地を
水素イオンによって酸性化し、これをpH6.9にする
には、単位面積当たり2.6×10-8mol/Lの水素
イオンを必要とするが、pH8の寒天培地をpH7.9
にするには、単位面積当たり2.6×10-9mol/L
の水素イオンでよく、1/10の水素イオン発生量で、
変化量ΔpH0.1を引き起こすことができる。このこ
とは、寒天培地のpH7のものに比べてpH8の場合
は、大腸菌28の数が1/10で同じpH変化量を引き
起こすことができ、したがって、培養時間が短くてもコ
ロニーを検出することができることを意味している。
【0041】つまり、上述の実施例においては、寒天培
地26のpHをややアルカリ性にすることにより、大腸
菌28の増殖に伴う代謝によって生ずる大腸菌28近傍
におけるpH値の変化を短時間で検出することができ
る。
【0042】なお、上述の実施例においては、微生物と
して大腸菌を用い、これの増殖に伴う代謝によってその
近傍に水素イオンが放出され、その領域におけるpH値
の変化を検出するようにしているが、第1発明はこれに
限られるものではなく、例えば、微生物としては大腸菌
以外の他のものを用いることができる。
【0043】また、センサ面7上に1mm以下の寒天培
地26を直接形成し、これに微生物28を培養するよう
にしてもよい。
【0044】そして、代謝物質としてアルカリ性の化学
物質を排出する微生物を培養する場合には、その培地を
酸性にする。
【0045】さらに、微生物の培地としては、前記寒天
培地26のほかに液状培地を用いてもよい。
【0046】上述の第1発明では、センサ面7に微生物
28を培養した培地26け、前記微生物の代謝によって
変化する化学物質(実施例では、水素イオン)の濃度変
化を二次元画像として観測するものであったが、イオン
交換体から放出されるイオンの濃度変化を二次元画像と
して観測するようにしてもよく、さらには、マイクロカ
プセルから放出されるイオンの濃度変化を二次元画像と
して観測するようにしてもよい、以下、これらをそれぞ
れ、この出願の第2発明、第3発明として説明する。
【0047】図3は、第2発明に係る測定方法の一例を
示すもので、この実施例においては、イオン交換体とし
て陽イオン交換樹脂を用い、その評価を行うものであ
る。図3(A)において、31は光走査型二次元濃度分
布測定装置のセル8内に満たされた0.1MのKCl溶
液で、適宜の薬品(例えばNaOH)を適宜量添加し
て、アルカリ性となるように調整されている。32はこ
のKCl溶液31に浸漬され、センサ面7に載置された
一粒の陽イオン交換樹脂である。この陽イオン交換樹脂
32としては、予め十分洗浄し乾燥させたものを用い
る。
【0048】前記陽イオン交換樹脂32を浸漬した直後
に、上述したようにして、光走査型二次元濃度分布測定
装置によって、陽イオン交換樹脂32が存在する近傍の
KCl溶液31のpH分布画像を測定する。この場合、
図3(A)に示すように、陽イオン交換樹脂32近傍に
pHが変動する領域33が現れる。この領域33がセン
サ面7と接した部分(当接面)34の形状は、図3
(B)に示すように、円形(または楕円形)であり、当
接面34の面積をコンピュータ17において画像処理に
よって算出する。
【0049】そして、前記測定から例えば3分後に、陽
イオン交換樹脂32が存在する近傍のKCl溶液31の
pH分布画像を測定し、陽イオン交換樹脂32近傍にp
Hが変動する領域(酸性化領域)33がセンサ面7と接
する部分(当接面)34の面積をマイクロコンピュータ
17において画像処理によって算出して、これらの算出
結果に基づいて、前記当接面34の面積の変動速度を求
める。この変動速度の大小は、陽イオン交換樹脂32の
交換容量や交換速度の指標となる。
【0050】上記実施例では、pH分布画像の測定は2
回だけであるが、例えば3分間隔で同様の測定を繰り返
し、前記当接面34の面積の変動を記録し、陽イオン交
換樹脂32の交換容量や交換速度の指標とすることもで
きる。
【0051】なお、上述の実施例においては、陽イオン
交換樹脂32を中心とする酸性化領域33がセンサ面7
と接する部分(当接面)34の面積の変動速度を求める
ようにいたが、これに代えて、前記当接面34における
ある一点、例えば中心部35(図3(B)参照)におけ
るpH値の変化を2回の測定で画像処理によって求める
ようにしてもよい。
【0052】また、上述の実施例では、イオン交換体と
して陽イオン交換樹脂を用いたが、陰イオン交換樹脂を
用いてもよい。この場合、KCl溶液31に例えばHC
lを適宜量添加してこれを酸性にしておく必要がある。
【0053】なお、イオン交換体としては、イオン交換
樹脂以外の他のイオン交換体を用いてもよい。
【0054】図4は、第2発明に係る測定方法の一例を
示すもので、この実施例においては、マイクロカプセル
として内部にKOHを含んだものを用い、その評価を行
うものである。図4(A)において、36は光走査型二
次元濃度分布測定装置のセル8内に満たされた0.1M
のKCl溶液で、適宜の薬品(例えばHCl)を適宜量
添加して、酸性となるように調整されている。37はこ
のKCl溶液36に浸漬され、センサ面7に載置された
一粒のマイクロカプセルである。
【0055】前記マイクロカプセル37を浸漬した直後
に、上述したようにして、光走査型二次元濃度分布測定
装置によって、マイクロカプセル37が存在する近傍の
KCl溶液36のpH分布画像を測定する。この場合、
図4(A)に示すように、マイクロカプセル37近傍に
pHが高くなる領域(アルカリ化領域)38が現れる。
このアルカリ化領域38がセンサ面7と接した部分(当
接面)39の形状は、図4(B)に示すように、円形
(または楕円形)であり、当接面39の面積をコンピュ
ータ17において画像処理によって算出する。
【0056】そして、前記測定から例えば3分後に、マ
イクロカプセル37が存在する近傍のKCl溶液36の
pH分布画像を測定し、そのときの当接面39をマイク
ロコンピュータ17において画像処理によって算出し
て、先に求めた面積から後に求めた面積を引算し、その
差を経過時間(この場合、3分)で割ることにより、当
接面39の面積の変動速度を求める。この変動速度の大
小は、マイクロカプセル37の放出能力の指標となる。
【0057】上記実施例では、pH分布画像の測定は2
回だけであるが、3分間隔で同様の測定を繰り返し、ア
ルカリ化領域38がセンサ面7と当接する部分(当接
面)39の面積の変動を記録し、マイクロカプセル37
の放出能力の指標とすることもできる。
【0058】なお、上述の実施例においては、マイクロ
カプセル37を中心とするアルカリ化領域38がセンサ
面7と当接する部分(当接面)39の面積の変動速度を
求めるようにしていたが、これに代えて、図4(B)に
示すように、当接面39におけるある点、例えば中心部
40におけるpH値の変化を2回の測定で画像処理によ
って求めるようにしてもよい。
【0059】また、上述の実施例では、マイクロカプセ
ルとして内部にKOHを含んだものを用いたが、酸性物
質を放出するマイクロカプセルを用いてもよい。この場
合、KCl溶液36にNaOHを適宜量添加してこれを
アルカリ性にしておく必要がある。
【0060】
【発明の効果】この発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。
【0061】第1発明の測定方法によれば、微生物が存
在しているか否か、存在しておればどの程度活動するか
など、微生物の活動状態を容易かつ迅速にしかもリアル
タイムに評価することができる。特に、微生物の代謝に
よって生ずるpH変化量を、従来に比べて短時間で検出
することができる。
【0062】第2発明の測定方法によれば、測定操作が
簡単であり、イオン交換体の評価を従来に比べて短時間
で再現性よく行うことができる。
【0063】第3発明の測定方法によれば、測定操作が
簡単であり、マイクロカプセルの評価を単時間で再現性
よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光走査型二次元濃度分布測定方法で
用いる装置の一例を示す図である。
【図2】第1発明の測定方法を説明するための図であ
る。
【図3】第2発明の測定方法を説明するための図であ
る。
【図4】第3発明の測定方法を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
3…プローブ光、5…半導体基板、7…センサ面、26
…培地、28…微生物、31…溶液、32…イオン交換
体、36…溶液、37…マイクロカプセル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨田 勝彦 京都府京都市南区吉祥院宮の東町2番地 株式会社堀場製作所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一方の面にセンサ面を有
    し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
    に構成された光走査型二次元濃度分布測定装置の前記セ
    ンサ面に接するように、微生物を培養した培地を設け、
    前記微生物の代謝によって変化する化学物質の濃度変化
    を二次元画像として観測する光走査型二次元濃度分布測
    定方法において、前記化学物質が酸性であるときは前記
    培地をアルカリ性にし、化学物質がアルカリ性であると
    きは培地を酸性にすることを特徴とする光走査型二次元
    濃度分布測定方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板の一方の面にセンサ面を有
    し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
    に構成された光走査型二次元濃度分布測定装置の前記セ
    ンサ面に接するように溶液を設け、この溶液内にイオン
    交換体を浸し、そのときイオン交換体から放出されるイ
    オンの濃度変化を二次元画像として観測する光走査型二
    次元濃度分布測定方法において、前記放出イオンが酸性
    であるときは前記溶液をアルカリ性にし、放出イオンが
    アルカリ性であるときは溶液を酸性にすることを特徴と
    する光走査型二次元濃度分布測定方法。
  3. 【請求項3】 半導体基板の一方の面にセンサ面を有
    し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
    に構成された光走査型二次元濃度分布測定装置の前記セ
    ンサ面に接するように溶液を設け、この溶液内にマイク
    ロカプセルを浸し、そのときマイクロカプセルから放出
    されるイオンの濃度変化を二次元画像として観測する光
    走査型二次元濃度分布測定方法において、前記放出イオ
    ンが酸性であるときは前記溶液をアルカリ性にし、放出
    イオンがアルカリ性であるときは溶液を酸性にすること
    を特徴とする光走査型二次元濃度分布測定方法。
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