JP2001074691A - 化学濃度分布測定装置 - Google Patents

化学濃度分布測定装置

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JP2001074691A
JP2001074691A JP25046799A JP25046799A JP2001074691A JP 2001074691 A JP2001074691 A JP 2001074691A JP 25046799 A JP25046799 A JP 25046799A JP 25046799 A JP25046799 A JP 25046799A JP 2001074691 A JP2001074691 A JP 2001074691A
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sensor
tray
concentration distribution
sample
semiconductor substrate
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JP25046799A
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Shuji Takamatsu
修司 高松
Satoshi Nomura
聡 野村
Kenichi Ikeda
健一 池田
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Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の測定においてセンサおよび試料を常に
所定の温度となるようにし、精度の高い測定を行うこと
ができる化学濃度分布測定装置を提供すること。 【解決手段】 半導体基板51の上面にセンサ面53を
有するセンサ10を、センサトレイ11によって着脱自
在に保持するとともに、このセンサトレイ11側から前
記半導体基板51に対して光源部16からの光20を照
射するようにした化学濃度分布測定装置において、前記
センサトレイ11内を恒温水Wが循環し、前記センサト
レイ11およびセンサ10を温調するように構成すると
ともに、前記半導体基板51に対して照射される光20
を二次元的に走査するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶液などの試料
におけるイオン濃度などの二次元分布を測定することが
できる光走査型の化学濃度分布測定装置に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、液体中あるいは物質中にしみこん
だ液体中に溶存している物質(イオンなど)の濃度を二
次元的に計測する装置の研究・開発が行われ、この二次
元分布の計測を行う手法の一つに、LAPS(Ligh
t−AddressablePotentiometr
ic Sensor)センサからなる電気化学画像計測
装置がある。このような装置は、例えば、Jpn.J.
Appl.Phys.Vol.33(1994)pp
L394−L397に記載してあるように、イオンなど
に感応するセンサ面を形成した半導体基板を適宜の光で
スキャンし、このスキャンによって、半導体基板中に誘
発された光電流を取り出すことにより測定を行うことが
できる。
【0003】前記装置のセンサ部を直接計測したい対象
物質に挿入したり接触させることによって溶存物質の濃
度分布を測定する。得られたデータはコンピュータ処理
により、二次元または三次元の濃度分布画像として出力
される。ある時間での濃度分布のみならず、その変化の
様子をリアルタイムに追跡することができる。リアルタ
イムに得られた画像を、目視、CCDカメラなどによっ
て得られた電磁波画像と容易に比較できる。
【0004】そして、この出願の出願人は、上記光走査
型二次元濃度分布測定装置およびこれに関連した技術を
主題とする発明を、特願平7−39114号(特開平8
−213580号)を始めとして数多く特許出願してい
るところである。
【0005】しかしながら、上記光走査型二次元濃度分
布測定装置は、その全体構造は実験室レベルのものであ
り、例えば、半導体基板の上面にセンサ面を有してなる
センサは、これを保持する受け部と一体的な構造であ
り、センサを必要に応じて交換することはできなかっ
た。また、信号取り出し部においてはリード線を単に接
続する方式を採用していたので、接触抵抗の大きさが安
定せず、安定した信号を得られないことがあり、測定に
支障を来すことがあった。
【0006】
【従来の技術】そこで、上述のような問題点を解決する
ものとして、この出願の出願人は、半導体基板の上面に
センサ面を有し、前記半導体基板に対してプローブ光を
二次元的に走査しながら照射するように構成されたセン
サ本体を組み込んだカセット型のセンサと、測定装置本
体内に設けられ、前記センサが着脱自在にセットされる
センサトレイと、前記センサに形成された信号取り出し
用電極に対して接離可能なように前記測定装置本体内に
設けられるコンタクトプローブ部とからなる装置を、
「光走査型二次元濃度分布装置」として特許出願してい
る〔例えば特願平9−202325号(特開平11−3
0584号)〕。
【0007】上記光走査型二次元濃度分布測定装置にお
いては、センサがカセット型であるので、これを測定装
置本体に対して容易に脱着することができる。そして、
センサ本体を保持するセンサの構造が簡単であるため、
センサ本体に故障が生じた場合にもその点検や交換を容
易に行えるとともに、センサ本体回りの部品を再利用す
ることが可能になり、所謂環境に優しい構成となってい
る。また、信号の取り出しをコンタクトプローブによっ
て行うようにしているので、信号を安定して取り出すこ
とができ、安定な測定を行うことができるなど優れた利
点を数多く備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような優れた光走査型二次元濃度分布測定装置において
も、以下のような改良すべき点が見いだされたのであ
る。すなわち、上記光走査型二次元濃度分布測定装置に
おいては、温調機構を備えてなく、センサを着脱自在に
載置するためのセンサトレイを設けた測定装置本体内の
温度変化によってネルンスト電位等の温度ドリフトを防
止することができず、測定が長引くとどうしても測定精
度が低下するといった問題があった。そして、例えば生
菌培養状態を観察する場合などにおいては、測定装置本
体内の温度と培養温度との間に差が生ずることがあっ
た。
【0009】また、仮に、前記測定装置本体内の雰囲気
温度を温調するようにしても、センサ上の試料に温調用
の風が先に当たり、センサが直接温調されにくいといっ
た問題があるとともに、温調用の風によって試料から水
分の蒸発が助長され、長時間の測定において試料が乾燥
されることがある。
【0010】上述の問題を回避する手段として、センサ
を着脱自在に保持するセンサトレイをシートヒータやペ
ルチェ素子で温調することが考えられるが、シートヒー
タによる温調の場合、温度を下げるのが困難であるとと
もに、温調範囲が周囲温度に左右されるといった問題が
ある。また、ペルチェ素子で温調する場合は、装置外部
に放熱または吸熱機構を設ける必要があるところから、
装置構造が複雑化・大型化するとともに、コストアップ
を招来するといった問題がある。
【0011】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、試料の測定においてセンサおよ
び試料を常に所定の温度となるようにし、精度の高い測
定を行うことができる化学濃度分布測定装置を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、半導体基板の上面にセンサ面を有す
るセンサを、センサトレイによって着脱自在に保持する
とともに、このセンサトレイ側から前記半導体基板に対
して光源部からの光を照射するようにした化学濃度分布
測定装置において、前記センサトレイ内を恒温水が循環
し、前記センサトレイおよびセンサを温調するように構
成するとともに、前記半導体基板に対して照射される光
を二次元的に走査するようにしている(請求項1)。
【0013】上記化学濃度分布測定装置においては、セ
ンサを着脱自在に保持するセンサトレイ内を恒温水が循
環することにより、センサトレイおよびセンサが温調さ
れ、センサおよびこれに載置される試料に対する温度影
響が最小限に抑制される。そして、前記温調はセンサト
レイ内を恒温水が循環することのみによって行われ、測
定装置本体内の雰囲気を循環させたりするものではない
ので、測定中に試料から水分が蒸発するのが最小限に抑
制される。したがって、長時間にわたって測定が行われ
るような場合であっても、測定中にセンサや試料の温度
変化が最小となり、試料に与えられる影響が最小となる
ので、所望の測定を精度よく行うことができる。
【0014】そして、前記恒温水Wの温度を適宜調整す
ることにより、試料温度をパラメータとした種々の測定
データを得ることができる。
【0015】また、上記化学濃度分布測定装置において
は、センサの半導体基板に対して照射される光を二次元
的に走査するようにしているので、センサを保持するセ
ンサトレイを固定構造とすることができ、センサトレイ
側の構成が簡略化されるとともに、液体やセンサ面上に
固定されにくい試料についても容易に測定することが可
能である。
【0016】さらに、上記化学濃度分布測定装置におい
て、恒温水を測定装置本体の外部に設けられる試料準備
台に対して供給し、これを温調するように構成してもよ
く(請求項2)、このようにした場合、試料を測定前に
予め温調しておくことができ、前記効果をより一層高め
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を、図面を
参照しながら説明する。図1〜図8は、この発明の一つ
の実施の形態を示す。まず、図1はこの発明の化学濃度
分布測定装置の全体構成を概略的に示す図で、この図に
おいて、1は測定装置本体である。この測定装置本体1
の本体ケース2の内部には、図2に示すように、水平な
基礎ベース3の上面に適宜長さの支持部材4が適宜数垂
直方向に立設され、これらの支持部材4の上端側に中間
ベース5が上下方向に変移自在かつ水平に保持されてい
る。すなわち、この中間ベース5には、支持部材4の上
端に上方に突設されたねじ軸6を挿通させる孔7が開設
される一方、ねじ軸6の中間ベース5の下方および上方
に調整ナット8およびロックナット(図示していない)
が螺合しており、これらのナット8等の固定位置を適宜
設定することにより、中間ベース5の基礎ベース3から
の保持高さを調節することができる。
【0018】そして、図2に示すように、中間ベース5
の上方には、暗箱を兼ねた試料室9が区画形成されてお
り、この試料室3の内部には、カセット型のセンサ10
(その構成については後で説明する)を着脱自在に保持
するセンサトレイ11(その構成については後で説明す
る)が中間ベース5に保持されるようにして設けられて
いる。そして、中間ベース5の試料室3の外部の上面に
はプリアンプ部12が設けられ、さらに、このプリアン
プ部12からは、図4に示すように、センサトレイ11
側に向かって3つのコンタクトプローブ13,14,1
5が互いに平行な状態で突設されている。これらのコン
タクトプローブ13,14,15は、後述する対極5
9、比較電極60およびオーミックコンタクト54にそ
れぞれ連なる接続部59c,60c,56cと接続分離
自在に構成されている。
【0019】また、図2において、16は中間ベース5
の下方に設けられる光源部で、次のように構成されてい
る。すなわち、17は基礎ベース3の上面に設けられる
ステージベースで、このステージベース17の上面に
は、図中のX方向(紙面の左右方向)とこれに垂直なY
方向(紙面に垂直な方向)とに移動自在なXYステージ
18が設けられている。そして、19はXYステージ1
8の上面に設けられる光学ベースで、この光学ベース1
9の上面には、レーザダイオードとコリメータからな
り、所定のビーム径を有するレーザ光20を水平方向に
発するレーザ光源20と、NDフィルタ21と、絞り2
2と、シャッタ24とがこの順に配置されるとともに、
シャッタ24の後段には、水平方向のレーザ光20を垂
直方向(センサトレイ11方向)に向きを変えるミラー
25および集光レンズ系26を備えた光学装置27が設
けられている。この光学装置27は、センサトレイ11
におけるセンサ載置部64(後述する)のほぼ真下に位
置するように設けられる。なお、28は光軸合わせ機構
である。
【0020】上記構成の光源部16においては、レーザ
光源21からのレーザ光20は、所定のビーム径で上方
に設けられたセンサトレイ11に保持されているセンサ
10に向かい、しかも、XYステージ18がX方向およ
びY方向の二次元方向に移動することにより、センサ1
0をその下面側において二次元方向に走査しながら照射
する(図5参照)。
【0021】そして、図2において、29は試料室9の
内部上方に設けられるリング照明装置で、センサトレイ
11を照明できるように構成されている。また、試料室
9の上部にはゴムベローズ30が設けられ、その上方に
はディジタルカメラ31および接写レンズ系32が設け
られ、センサトレイ11およびこれに載置されるセンサ
10およびこれに保持される試料(例えば溶液)33を
観察できるように構成されている。
【0022】また、本体ケース2の前面には、図1に示
すように、溶液33をセットしたセンサ3を本体ケース
2内の試料室9に対して出し入れするための開口が開設
され、34はこの開口を開閉する扉である。
【0023】そして、図1において、35は前記測定装
置本体1を制御するとともに、これから送られてくる信
号やディジタルカメラ31からの信号を適宜処理する制
御・画像処理装置で、例えば画像処理機能を有するコン
ピュータ(例えばパソコン)である。このコンピュータ
35は、制御や各種の演算などの処理を行い、各種のデ
ータや処理結果を記憶する。36はコンピュータ35か
らの信号に基づいて前記データや処理結果およびディジ
タルカメラ31によって得られる画像などを表示する表
示装置で、例えばカラーディスレイよりなる。なお、図
示は省略しているが、コンピュータ35には、入力キー
ボードやマウスなどの入力装置や各種のデータなどを記
憶する外部記憶装置が接続されている。
【0024】また、図1において、37は試料準備台
で、測定に供される試料(例えば溶液)33をセットし
た複数のセンサ10を載置する台で、測定装置本体1の
外部近傍に設けられている。そして、38はセンサトレ
イ11に恒温水Wを供給するための恒温水供給装置で、
詳細には図示してないが、恒温水Wを貯留するタンク、
ヒータ、温調器、送水ポンプなどを備えており、送出す
る恒温水Wの量および流速や温度を適宜設定できるよう
に構成されている。
【0025】そして、この実施の形態においては、前記
恒温水供給装置38を出た恒温水Wは、試料準備台37
を経てセンサトレイ11に至り、この内部を循環した
後、試料準備台37を経て恒温水供給装置38に戻るよ
うに構成されており、センサトレイ11のみならず試料
準備台37に設けられているセンサ10も温調できるよ
うに構成されている。39は恒温水供給装置38と試料
準備台37との間、および、試料準備台37とセンサト
レイ11との間をそれぞれ接続する配管である。
【0026】なお、図2および図5においては、試料準
備台37は図示されてない。また、これらの図におい
て、符号39aは恒温水供給装置38からセンサトレイ
11に対して送られる恒温水Wが流れる管路を示し、符
号39bはセンサトレイ11から恒温水供給装置38に
戻る恒温水Wが流れる管路を示している。
【0027】ここで、溶液33を収容保持するセンサ1
0およびこのセンサ10を保持するセンサトレイ11の
構成について説明する。まず、センサ10の構成につい
て、図5〜図8を参照しながら説明する。図6〜図8に
おいて、40,41は平面視が方形のセンサホルダ、ホ
ルダカバーで、これらの間に後述するオーミックコンタ
クト54、センサ本体50およびパッキン57をこの順
に重ねた順で挟持される(図7参照)。
【0028】そして、センサホルダ40、ホルダカバー
41はいずれも適宜厚さの絶縁材料、例えば合成樹脂よ
りなり、それらの平面視の外形寸法は互いに等しく、4
つのコーナーには斜めにカットされた部分42,43を
有するが、対応する一つのコーナー42a,43aは、
他のコーナー42,43とは異なる形状に形成して、セ
ンサ10がセンサトレイ11に対して誤ってセットされ
るのを防止できるようにしてあるとともに、それぞれの
中央には同サイズの方形の貫通孔44,45が設けられ
ている。この貫通孔44,45は、後述するセンサ本体
50の大きさとほぼ同じである。
【0029】そして、センサホルダ40の貫通孔44の
下端部周囲には、オーミックコンタクト54、センサ本
体50およびパッキン57を保持するための座グリ面4
4aが形成され、ホルダカバー41の貫通孔45の下端
側の周囲には前記座グリ面44aに対応するようにして
突平面45aが形成されている(図7参照)。また、セ
ンサホルダ40には、貫通孔44の外側にねじ46を螺
着するための4つのねじ孔47が等配置的に形成されて
いる。
【0030】一方、ホルダカバー41には、前記ねじ孔
47に対応する位置にねじ46を挿通させるための孔4
8が開設されているとともに、貫通孔45の一辺側に2
つの溝49が適宜の間隔をおいて並設されている。
【0031】50は平面視が方形のセンサ本体で、外形
が座グリ面44aおよび突平面41aの形状および寸法
にほぼ合致するように形成されている。このセンサ本体
50は、図5に示すように、測定分解能より小さい厚み
を有する(例えば100μm以下)シリコンなどの半導
体基板51の上面にSiO2 層52、センサ面としての
Si3 4 層53を熱酸化、CVDなどの手法によって
順次形成してなるもので、水素イオンに応答するように
形成されている。
【0032】54はセンサ本体50の半導体基板51に
当接するように設けられる電流信号取出し用の平面視方
形のオーミックコンタクトで、外形が貫通孔44,45
の形状および寸法にほぼ合致し、中央に座グリ面44
a、突平面45aの形状および寸法に合致する孔55を
有するとともに、その周囲の適宜箇所から作用極となる
作用極56を備えている。このオーミックコンタクト5
4は、適宜厚の銀または白金などの金属板を例えば抜き
加工によって形成することができる。そして、作用極5
6は、短冊状部分を両端を互いに異なる方向に互いに平
行になるように曲げてなるもので、すなわち、オーミッ
クコンタクト54に連なり、これの上方に直角に折曲さ
れた部分56aと、この部分56aに連なり、これから
水平に折曲された部分56bと、これに連なり、これの
上方に直角に折曲された接続部56cとからなる。ま
た、この接続部56cの外面にはコンタクトプローブ1
5との接触抵抗を低減するために、例えば金めっきが施
されている。
【0033】57は平面視が方形のパッキンで、外形が
座グリ面44a、突平面45aの形状にほぼ合致し、中
央に貫通孔44,45の形状および寸法に合致する孔5
8を有している。このパッキン57は、例えばシリコン
ゴムよりなる。
【0034】そして、図6〜図8において、59,60
は対極、比較電極で、ホルダカバー41の貫通孔45の
一辺側に形成された2つの溝49に装着できるようにコ
字状に形成されている。すなわち、対極59、比較電極
60はともにオーミックコンタクト54と同様の素材、
すなわち、適宜厚の銀または白金などの金属板よりな
り、短冊状に形成したプレートの両端を同方向に平行と
なるように折曲されている。そして、対極59,60
は、その一方の折り曲げ部59a,60aを貫通孔45
を形成する内壁の一部に沿うようにし、水平部59b,
60bを溝49の上面に当接させ、さらに、他方の折り
曲げ部59c,60cをホルダカバー41の外面に沿う
ようにして溝49にそれぞれ装着される。なお、折り曲
げ部59c,60cの外面には、コンタクトプローブ1
3,14との接触抵抗を低減するために、例えば金めっ
きが施され、接続部に形成されている。さらに、試料と
接触する部分60aはバイアス電圧の安定印加のために
塩化銀などがコートされている。
【0035】61は前記対極59、比較電極60を、溝
49に装着した状態でこれらを固定するための電極押さ
えで、合成樹脂など絶縁性素材よりなり、溝59に嵌合
し、対極59、比較電極60を強固に固定するととも
に、毛管現象により溶液33が電極59,60をつたわ
って外部に漏れ出ないように構成されている。
【0036】そして、センサ10を組み立てるには、セ
ンサホルダ40の座グリ面44aに、オーミックコンタ
クト54、センサ本体50およびパッキン57をこの順
に重ねた後、ホルダカバー41をセンサホルダ40の上
面から被せてねじ46で締めつけることによりセンサ本
体50が水密に保持される。そして、対極59、比較電
極60をホルダカバー41に形成された溝49に装着
し、電極押さえ61で対極59、比較電極60を固定す
る。これによって、センサ本体50の上面にセル62を
有するセンサ10を得ることができる(図6および図7
参照)。
【0037】そして、上述のように、センサ10はその
センサ面53の上方が開放されているが、測定中、図1
〜図3および図5に示すように、キャップ63によって
前記開放されたセンサ面53を覆うようにしてもよい。
このようにした場合、溶液33における水分の蒸発が防
止され、外部から異物の混入が防止される。このキャッ
プ63は、樹脂など適宜の材料で形成され、センサ10
に対して着脱自在の構成にするのが好ましい。
【0038】次に、上記構成のセンサ10を保持するた
めのセンサトレイ11の構成について、図2〜図5を参
照しながら説明する。このセンサトレイ11は、図4に
示すように、平面形状が例えば長方形であり、図3およ
び図4に示すように、樹脂など断熱材よりなるトレー台
64を介して中間ベース5の上に載置され、そのほぼ中
央に石英などの素材からなる光透過部としてのセンサ載
置部65が形成されている。このセンサ載置部65は、
前記構成のセンサ10を水平にセットできる広さを有し
ている。なお、中間ベース5およびトレー台64の前記
センサ載置部65に対応する部分は、レーザ光20の通
過を妨げないように切除されている。
【0039】そして、前記センサ載置部65の周囲に
は、これをほぼ一周するようにして水路66が形成され
ており、この水路66の一端側は、恒温水供給往路39
aに接続され、他端側は恒温水供給復路39bに接続さ
れており、恒温水供給装置38側から供給される恒温水
が水路66を一巡することにより、センサトレイ11の
温度は所定の温度に保持される。
【0040】そして、図5において、67は測定装置本
体1に設けられる制御ボックスであって、半導体基板5
1に適宜のバイアス電圧を印加するためのポテンショス
タット68、半導体基板51に形成されたオーミックコ
ンタクト54に連なる作用極56から取り出される電流
信号を電圧信号に変換する電流−電圧変換器69、この
電流−電圧変換器69からの信号が入力される演算増幅
回路70、この演算増幅回路70と信号を授受したり、
XYステージ18やレーザ光源21に対する制御信号を
出力するインタフェースボード71などよりなる。この
インタフェースボード71は、コンピュータ35と信号
ケーブルで接続されている。
【0041】また、図5において、72は光源部16を
制御する光源部制御装置で、コンピュータ35からの指
令に基づいてXYステージ18を制御したり、レーザ光
源21を制御する。
【0042】上記構成の化学濃度分布測定装置を用いて
溶液33の水素イオン濃度(pH)を測定する場合につ
いて説明する。図6および図7に示すように組み立てら
れたセンサ10のセル62内に試料として溶液33を入
れる。これにより、センサ本体50のセンサ面53に溶
液33が接するとともに、溶液33が対極59および比
較電極60と接触する。複数のセンサ10にそれぞれ溶
液33を入れ、これらを試料準備台37の所定の位置に
セットする。この場合、各センサ10にキャップ63を
被せておく。
【0043】次に、測定装置本体1の開閉34を開い
て、溶液33を収容した複数のセンサ10のうちの一つ
を測定装置本体1内のセンサトレイ11上にセットす
る。これにより、センサトレイ11近傍に設けられてい
るコンタクトプローブ13,14,15と、センサ10
に設けられている対極59、比較電極60および作用極
56のそれぞれの接続部59c,60c,56cとが電
気的に接続される。
【0044】前記状態において、半導体基板51に空乏
層が発生するように、ポテンショスタット68からの直
流電圧を比較電極60とオーミックコンタクト54との
間に印加して、半導体基板51に所定のバイアス電圧を
印加する。この状態で半導体基板51に対してレーザ光
20を一定周期(例えば、10kHz)で断続的に照射
することによって半導体基板51に交流光電流を発生さ
せる。このレーザ光20の断続照射は、コンピュータ3
5の制御信号がインタフェースボード71を介して光源
部制御装置72に入力されることによって行われる。前
記光電流は、半導体基板51の照射点に対向する点で、
センサ面53に接している溶液33におけるpHを反映
した値であり、その値を測定することにより、この部分
でのpH値を知ることができる。
【0045】そして、光源部制御装置72によって、X
Yテーブル18をX,Y方向に移動させることにより、
半導体基板51にはレーザ光20が二次元方向に走査さ
れるようにして照射され、溶液33における位置信号
(X,Y)と、その場所で観測された交流光電流値によ
り、コンピュータ35に接続された表示装置36の画面
上にpHを表す二次元画像が表示される。
【0046】上記化学濃度分布測定装置においては、冒
頭に掲げた従来の光走査型二次元濃度分布測定装置(特
開平11−30584号公報に記載されているもの)と
同様の作用効果を奏する。そして、この発明の化学濃度
分布測定装置においては、これに加えて、以下のような
効果を奏する。
【0047】すなわち、上記化学濃度分布測定装置にお
いては、センサ10を着脱自在に保持するセンサトレイ
11内を恒温水Wが循環するように構成してあるので、
測定中において、センサトレイ11およびセンサ10が
温調され、その温度が一定に保持される。その結果、セ
ンサ10およびこれに載置される溶液33に対する温度
影響が最小限に抑制される。そして、前記温調は、セン
サトレイ11内を恒温水Wが循環することのみによって
行われ、測定装置本体1内の雰囲気を循環させたりする
ものではないので、測定中に試料としての溶液33から
水分が蒸発するのが最小限に抑制される。したがって、
長時間にわたって測定が行われるような場合であって
も、測定中にセンサ10や溶液33の温度変化が最小と
なり、溶液33に与えられる影響が最小となるので、所
望の測定を精度よく行うことができる。
【0048】そして、上記化学濃度分布測定装置におい
ては、恒温水Wの温度を適宜調整することにより、試料
温度をパラメータとした種々の測定データを得ることが
できる。
【0049】また、上記化学濃度分布測定装置において
は、センサ10の半導体基板51に対してレーザ光20
を照射する光源部16をXYステージ18の上にコンパ
クトに纏めて配置し、センサ10を保持するセンサトレ
イ11を二次元的に移動するのではなく、レーザ光20
を二次元的に走査するようにしているので、センサ10
を保持するセンサトレイ11を固定構造とすることがで
き、センサトレイ11側の構成が簡略化されるととも
に、液体やセンサ面53上に固定されにくい試料につい
ても容易に測定することが可能である。
【0050】そして、上記実施の形態における化学濃度
分布測定装置においては、恒温水Wを試料準備台37に
対して供給しているので、この試料準備台37に載置さ
れたセンサ10が試料33とともに温調される。したが
って、試料33を測定前に予め温調しておくことがで
き。前記効果をより一層高めることができる。
【0051】また、上記化学濃度分布測定装置において
は、センサ10の上部にキャップ63を被着して、セン
サ面53を覆うようにしているので、測定待機中および
測定中における試料33の水分の蒸発や、外部から試料
33に異物が混入するのが防止され、より精度よく測定
を行うことができる。
【0052】さらに、上記化学濃度分布測定装置におい
ては、試料室9の上方にディジタルカメラ31を設けて
いるので、センサ面53およびその上面に載置される試
料33を観察することができ、ディジタルカメラ31に
よる出力をコンピュータ35に取り込むようにしている
ので、この画像をpH分布の二次元画像と重ね合わせる
ことなどにより、多角的な考察を行うことができる。
【0053】この発明は、上述の実施の形態に限られる
ものではなく、種々に変形して実施することができる。
例えば、恒温水供給装置38から供給される恒温水Wの
水温や送出量などの制御をコンピュータ35が行うよう
にしてもよい。そして、恒温水供給装置38を測定装置
本体1内に設けてもよい。また、恒温水供給装置38の
恒温水Wを、センサトレイ11と試料準備台37とに並
列的に供給するようにしてもよい。
【0054】そして、測定装置本体1内に一つの試料3
3を置いて長時間測定を行う場合、試料準備台37は必
ずしも設ける必要はない。
【0055】また、この発明の化学濃度分布測定装置
は、pHのみならず、溶液33中のカリウムイオンや塩
化物イオンなど、水素イオン以外の他の物質の濃度を測
定することができる。その場合、センサ面53をカリウ
ムイオンや塩化物イオンに応答する物質で修飾する必要
があり、例えば、カリウムイオンを測定する場合は、セ
ンサ面53をバリノマイシンやクラウンエーテルで修飾
すればよく、塩化物イオンを測定する場合は、センサ面
53を4級アンモニウムで修飾すればよい。さらに、セ
ンサ面53を適宜の応答物質で修飾するとともに、用い
る溶液を適宜選択することにより、他のイオン濃度の測
定を行うことができる。
【0056】そして、測定対象としての試料33は、溶
液など液体のほか、ゲル状体であってもよい。
【0057】
【発明の効果】この発明の化学濃度分布測定装置におい
ては、センサトレイ内を恒温水が循環し、センサトレイ
およびセンサを温調するように構成しているので、セン
サの温度ドリフトが可及的に小さくなり、所望の測定を
精度よく行うことができる。そして、温度をパラメータ
とした試料の温度特性を得ることができる。
【0058】また、前記化学濃度分布測定装置において
は、センサにおける半導体基板に対して照射される光を
二次元的に走査するようにしているので、センサを保持
するセンサトレイを固定構造とすることができ、センサ
トレイ側の構成が簡略化されるとともに、液体やセンサ
面上に固定されにくい試料についても容易に測定するこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の化学濃度分布測定装置の全体構成を
概略的に示す図である。
【図2】前記装置の要部の構成を示す図である。
【図3】センサトレイにセンサをセットした状態を示す
縦断面図である。
【図4】センサトレイにセンサをセットした状態を示す
平面図である。
【図5】測定時における装置の構成全体を概略的に示す
図である。
【図6】前記装置で用いるセンサの一例を示す斜視図で
ある。
【図7】前記センサの縦断面図である。
【図8】前記センサの分解斜視図である。
【符号の説明】
1…測定装置本体、10…センサ、11…センサトレ
イ、16…光源部、20…光、37…試料準備台、51
…半導体基板、53…センサ面、W…恒温水。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上面にセンサ面を有するセ
    ンサを、センサトレイによって着脱自在に保持するとと
    もに、このセンサトレイ側から前記半導体基板に対して
    光源部からの光を照射するようにした化学濃度分布測定
    装置において、前記センサトレイ内を恒温水が循環し、
    前記センサトレイおよびセンサを温調するように構成す
    るとともに、前記半導体基板に対して照射される光を二
    次元的に走査するようにしたことを特徴とする化学濃度
    分布測定装置。
  2. 【請求項2】 恒温水が測定装置本体の外部の試料準備
    台に対して供給され、これを温調するように構成してあ
    る請求項1に記載の化学濃度分布測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003001423A1 (fr) * 2001-06-22 2003-01-03 Arkray, Inc. Systeme de transmission de donnees
US8402812B2 (en) 2007-12-26 2013-03-26 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Gas concentration detection apparatus

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