JP3597951B2 - 光走査型二次元濃度分布測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば光走査型pH画像装置などの光走査型二次元濃度分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記光走査型pH画像装置として、例えば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33(1994)pp L394−L397に記載してあるように、SPV(Surface−Photovoltage)方式あるいはLAPS(Light−Addressable Potentiometric Sensor)方式を採用して、界面での表面電位変化を測定するものがある。このような装置においては、EIS(電解質E−絶縁体I−半導体S)構造を横切るように光をスキャンし、このスキャンによって、半導体中において誘発された光電流を取り出すことにより、溶液などにおけるpHの測定を行うことができ、その二次元的な分布画像を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、pH値は測定対象である溶液などの温度やセンサ部の温度などによる影響を受けやすい。従来より一般に行われている溶液のpH測定においては、ビーカーに溶液を入れ、その溶液内に浸漬型の測定電極を浸漬して、溶液のpHを測定していた。この場合、単一センサであるpH電極の温度変化を補償する意味で、pH電極とともに、サーミスタなどの温度センサを溶液内に浸漬し、そのときの信号により、pH測定値の温度補償を行っている。
【0004】
そして、前記光走査型pH画像装置によるpH測定おいては、測定対象である溶液が少量(微量)であるため、その熱容量が小さく、外部の温度影響を受けるところから、センサ面での温度を代表させる訳にはいかない。温度補償を行う場合、測定対象である試料の温度とセンサ部の温度とのいずれを採用するかは、測定精度に大きな影響を及ぼす。そのため、試料が微量であるとき、その測定結果に高精度を保証しようとする場合、装置全体を温度制御しながら測定するしかない。しかし、二次元のpH分布測定においては、前記温度制御による温度分布さえ問題となることがある。
【0005】
さらに、試料が微量であり、それ自体が反応系であるときは、測定対象それ自体に温度分布が生じていることになり、特に、微生物の活動では、装置全体を温度制御しても、微生物における反応が進行するにしたがってその部位によっては温度が異なる。したがって、このような場合、試料の特定の場所での温度で代表させる訳にはいかなくなる。つまり、pH二次元的に測定するような場合、その測定に点に対応してその点の温度を測定し、その結果に基づいてpHの測定結果を補正する必要がある。
【0006】
このような問題は、pHの二次元測定のみならず、他のイオン濃度の二次元測定においても同様に生じているところである。
【0007】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、試料におけるイオン濃度の二次元測定を行うに際し、温度補正を確実に行い、高精度の測定を行うことができる光走査型二次元濃度分布測定装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の光走査型二次元濃度分布測定装置は、半導体基板の一方の面にイオンに応答するセンサ面を形成し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するようにした光走査型二次元濃度分布測定装置において、前記センサ面に設けられる試料またはセンサ面の温度を検出する二次元温度測定装置を設け、前記センサ面によって検出される出力を温度補正できるようにしている。
【0009】
そして、前記二次元温度測定装置を、センサ面と同じ側に設けても、また、センサ面と反対側に設けもよい。
【0010】
この発明の光走査型二次元濃度分布測定装置においては、試料におけるイオン濃度と、試料またはこの試料と接触するセンサ面の温度を、それぞれ二次元的に測定し、イオン濃度を表すデータを温度を表すデータに基づいて補正するので、高精度な測定結果を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好ましい実施例を、図を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、この発明の第1実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。この光走査型二次元濃度分布測定装置は、センサ面7に配置される試料9におけるイオン濃度の二次元分布を測定する二次元イオン濃度測定装置Iと、前記センサ面7に配置される試料9の温度を測定する二次元温度測定装置IIとからなる。
【0013】
まず、二次元イオン濃度測定装置Iの構成を説明すると、1は測定装置本体で、センサ部2とこれにプローブ光3を照射するための光照射部4とからなる。
【0014】
前記センサ部2は、例えばシリコンなどの半導体よりなる基板5の一方の面(図示例では上面)にSiO2 層6、Si3 N4 層7を熱酸化、CVDなどの手法によって順次形成してなるもので、水素イオンに応答するよう形成されている。8はセンサ部2のセンサ面(Si3 N4 層)7の上面側に形成される試料収容部で、適宜の樹脂などよりなる。9は溶液などの試料である。
【0015】
そして、CE,REは対極、比較電極で、これらの対極CE、比較電極REは、ともに後述するポテンショスタット13の安定化バイアス回路15に接続されている。また、OCは半導体基板5に設けられる電流信号取出し用のオーミック電極で、後述する電流−電圧変換器16および演算増幅回路17を介して安定化バイアス回路15に接続されている。
【0016】
10はセンサ部2を、両矢印Xで示す方向とこれに垂直な方向Y(紙面に垂直な方向)との二方向(二次元方向)に走査するセンサ部走査装置で、走査制御装置11からの信号によって制御される。
【0017】
また、前記光照射部4は、半導体基板5をセンサ部走査装置10側から照射するもので、例えばパルス光源よりなり、後述するインターフェースボード14に接続され、後述するコンピュータ18からの信号によって制御される。
【0018】
12は測定装置本体1を制御するための制御ボックスであって、半導体基板5に適宜のバイアス電圧を印加し、そのときに得られる信号を電流信号として取り出すポテンショスタット13と、このポテンショスタット13と信号を授受したり、光照射部4に対する制御信号を出力するインターフェースボード14とよりなる。そして、ポテンショスタット13は、安定化バイアス回路15と半導体基板5に形成されたオーミック電極OCから取り出される電流信号を電圧信号に変換する電流−電圧変換器16、この電流−電圧変換器16からの信号が入力される演算増幅回路17とから構成されている。
【0019】
そして、18は各種の制御や演算を行うとともに、画像処理機能を有する制御・演算部としてのコンピュータで、キーボードなどの入力装置19、カラーディスプレイなどの表示装置20およびメモリ装置21を備えており、二次元イオン濃度測定装置Iと二次元温度測定装置IIとに共通に設けられるものである。
【0020】
前記二次元温度測定装置IIは、温度測定用の赤外線センサ22を備えた温度測定部23と、これを互いに直交するX,Y方向に走査制御する走査制御部24とからなり、赤外線センサ22によって、二次元イオン濃度測定装置Iのセンサ面7に配置された溶液9からの赤外線25を検出して、それに基づいて溶液9の温度を測定し、その検出出力をインターフェースボード26を介してコンピュータ18に入力するように構成されている。
【0021】
上記構成の光走査型二次元濃度分布測定装置を用いて、溶液の水素イオン濃度(pH)を測定する場合について、図2を参照しながら説明する。まず、試料収容部8内に溶液9を入れる。これにより、センサ面7に溶液9が接する。そして、対極CEおよび比較電極REを溶液9に浸漬する。
【0022】
上記の状態で、半導体基板1に空乏層が発生するように、ポテンショスタット13からの直流電圧を対極CEとオーミック電極OCとの間に印加して、半導体基板5に所定のバイアス電圧を印加する。この状態で、半導体基板5に対して、光照射部4からプローブ光3を一定周期(例えば、10kHz)で断続的に照射することによって半導体基板5に交流光電流を発生させる。この光電流は、半導体基板5の照射点に対応する点で、センサ面7に接している溶液9におけるpHを反映した値であり、その値を測定することにより、この部分でのpH値を知ることができる。
【0023】
さらに、センサ部走査装置10によって、センサ部2をX,Y方向に順次移動させることにより、半導体基板5にはプローブ光3が二次元方向に走査されるようにして照射され、溶液9における位置信号(X,Y)と、その場所で観測された交流光電流値により、図2に示すような、pH二次元画像27が得られる。このpH二次元画像27は、勿論、温度補正前のデータに基づくものである。
【0024】
そして、前記光照射部4によるプローブ光3の二次元的な照射のタイミングに合わせて、二次元温度測定装置IIの温度測定部23をX,Y方向に走査することにより、赤外線温度センサ22によって、二次元イオン濃度測定装置Iの試料収容部8に収容された溶液9の温度を測定することができ、その温度データがコンピュータ18に入力される。このときの温度分布データに基づいて、図2に示すような、二次元画像28として表示することができる。
【0025】
そして、コンピュータ18においては、二次元イオン濃度測定装置IからのpHに関する二次元データを、二次元温度測定装置IIからの温度に関する二次元データによって補正し、その補正後のpH二次元データに基づいて、図2の符号29で示すようなpH分布画像を表示装置20に表示する。なお、pH二次元データは、前記pHに関する二次元データや温度に関する二次元データとともにメモリ装置21に格納するようにしてもよい。
【0026】
上述の説明から理解されるように、この発明の光走査型二次元濃度分布測定装置においては、溶液9におけるpHと溶液9の温度とをそれぞれ二次元的に測定し、溶液9における二次元的なpHを表すデータを、溶液9における二次元的な温度を表すデータに基づいて補正するので、高精度な測定結果を得ることができる。
【0027】
図3は、この発明の第2実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。この第2実施例においては、センサ部2を二次元方向に移動させるのに代えて、パルス光源8を二次元方向に移動させるようにして半導体基板5に照射させるとともに、パルス光源8と赤外線温度センサ22とを、基板5のセンサ面7を形成してない側に設けたものである。
【0028】
すなわち、図3において、I’は測定装置本体で、この測定装置本体I’は、第1実施例における測定装置本体Iからセンサ部走査装置10を除去したもので、センサ部2からなる。そして、この実施例においては、パルス光源8と赤外線温度センサ22とを同一の基板30に設け、この基板30を走査制御装置31によってX,Y方向に走査するようにしている。この場合、パルス光源8によるプローブ光3の照射ポイントに対応する溶液9のポイントを赤外線温度センサ22によって温度測定できるように、パルス光源8と赤外線温度センサ22とを配置するのが好ましい。なお、32は温度測定部である。
【0029】
この第2実施例によれば、上記第1実施例と同様に、高精度な測定結果を得ることができるのは勿論のこと、位置制御のための構成や制御方法が第1実施例よりも簡単になる。
【0030】
図4は、この発明の第3実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。この第3実施例においては、半導体基板5にプローブ光を照射するための走査機構および二次元温度測定装置IIにおける走査機構をともに1軸2次元走査機構としている。
【0031】
すなわち、図4において、I’は測定装置本体で、前記第2実施例における測定装置本体I’と同様の構成である。この測定装置本体I’には、図示してないが、対極CEおよび比較電極REが設けられるとともに、制御ボックス12が接続されている。この測定装置本体I’は、適宜の素材よりなるフレーム33の上部に載置されている。そして、フレーム33の下部、より具体的には、測定装置本体I’の下方には、二次元走査機構34が設けられている。
【0032】
前記二次元走査機構34は、例えば次のように構成されている。すなわち、図4および図5において、35は適宜の部材を介してベース部材36に取り付けられたパルスモータで、その出力軸37がベース部材36の上面から突出するように鉛直方向に設けられており、この出力軸37に原動歯車38が水平に固着されている。そして、パルスモータ35は、インターフェースボード14(図3参照)を介してコンピュータ18(図3参照)に接続されている。
【0033】
39は原動歯車38に噛合する従動歯車で、その回転軸40が軸受部材41を介してベース部材36に鉛直方向に突設されている。42はこの従動歯車39と同軸上に回転中心を有する太陽歯車で、内周に複数の歯が周設されている。
【0034】
43は従動歯車39上であってその回転中心40から適宜離れた位置に立設されるピン部材44に枢支されて太陽歯車42に常に内接しながら回転する遊星歯車である。
【0035】
45は遊星歯車43上であってその回転中心44から適宜離れた位置に設けられた機能素子設置部で、この機能素子設置部45にはレーザ光源46と集光用レンズ47とからなる光源部48が設けられている。この光源部48は、前記測定装置本体I’のセンサ部2の半導体基板5に対してプローブ光3を照射するもので、集光用レンズ47が半導体基板5の下面に接触しないように設けられている。
【0036】
49は機能素子設置部45に連設された板状部材で、遊星歯車43の移動に対応できる長さを有する長孔50が開設され、この長孔50を適宜の固定部51に立設されたピン部材52が挿通している。なお、詳細には図示してないが、レーザ光源46への電源供給のための電源ケーブルは、板状部材49に沿うようにして設けられている。
【0037】
ここで、上記光走査型測定装置の動作説明に入る前に、二次元走査機構34によって、半導体基板5に対して、プローブ光3を二次元的に走査しながら照射するための描画方程式について、図6を参照しながら説明する。
【0038】
図6において、Lは大円(前記太陽歯車42に相当する)、Sはこれに内接して回転する小円(前記遊星歯車43に相当する)である。また、
Lr :大円Lの半径
OL :大円Lの中心
Sr :小円Sの半径
OS :小円Sの中心
Q :小円Sの中心から距離r離れた地点
A :大円Lと小円Sの初期状態において当接しているときの大円L側の位置
B :大円Lと小円Sの初期状態において当接しているときの小円S側の位置
C :小円Sが角度θL (ラジアン)回転したときにおける大円Lと小円Sとの当接位置
θ10:線分COs と線分OS Bとがなす角度(ラジアン)
とする。
【0039】
点Cの座標は、(Lr ・cosθL ,Lr ・sinθL )と表される。そして、大円L、小円Sの矢印方向への回転に伴い、両者の接点は移動するが、両者における移動長は互いに等しく、弧AC=弧BCであるから、
θL ・Lr =θS ・Sr ……(1)
が成り立つ。
【0040】
小円Sの中心OS は、小円Sの回転に伴い、半径(Lr −Sr )の円(図中、仮想線で示す)の周上を移動し、その座標は、{(Lr −Sr )・cosθL ,(Lr −Sr )・sinθL )で表される。
【0041】
点Qの座標(XQ ,YQ )は次のように表される。すなわち、
XQ =(Lr −Sr )・cosθL −r・cos(θL −θS )……(2)
YQ =(Lr −Sr )・sinθL −r・sin(θL −θS )……(3)
となる。
【0042】
ところで、上述したように、弧AC=弧BCであるから、(1)式から、
θS =Lr ・θL /Sr ……(4)
が得られ、これを上記(2),(3)式に代入すると、
【0043】
そして、点Qが描く軌跡が大円Lの中心OL を通る場合、r=Lr −Sr であるから、上記(5), (6)式は、
XP =r・{cosθL +cos(θL ・r/Sr )} ……(7)
Yp =r・{sinθL +sin(θL ・r/Sr )} ……(8)
となる。
【0044】
上述のような描画方程式を有するプログラムがコンピュータ18に設けられており、二次元走査機構34はこのプログラムに基づいて制御される。
【0045】
今、この発明で用いる原動歯車38、従動歯車39、太陽歯車42および遊星歯車43のモジュール、歯数ピッチが例えば下記表1のようなものであり、従動歯車39の中心からその半径の3/4の位置に遊星歯車43の中心があり、さらに、点Q、すなわち、機能素子設置部45の描く軌跡が太陽歯車42の中心40を通るものとする。
【0046】
【表1】
【0047】
前記二次元走査機構34による二次元平面走査方法を、図5〜図7を参照しながら説明すると、
▲1▼ パルスモータ35を回転させることにより、原動歯車38が図7において例えば矢印61方向に回転し、これに伴って、従動歯車39が図7において矢印62方向に回転し、太陽歯車42も矢印63方向に回転する。
【0048】
▲2▼ 原動歯車38を1回転させると、遊星歯車43が太陽歯車42に内接しながら所定回転数(605/403)だけ矢印64方向に自転するとともに、1回公転して元の位置に戻る。
【0049】
▲3▼ 遊星歯車43を例えば605回自転させると、遊星歯車43は元の位置に戻るが、この回転に伴って、機能素子設置部45(光源部48)が曲線65で表す軌跡を描きながら二次元平面を一筆書き的に移動する。これによって、二次元平面は、図8に示すように、機能素子設置部45によって走査されることになる。
【0050】
ここで、機能素子設置部45が描く軌跡(特定軌跡)が完結するまでを1フレーム(この語は、発明者の造語である)とすると、この1フレームは太陽歯車42の回転中心40を中心に、特定の二次元領域をくまなく走査する軌跡となる。この軌跡は、上述した点Q(図6参照)が描く軌跡にほかならず、この軌跡の方程式から、X軸、Y軸の位置情報を予め演算で求めておき、回転開始点や原点などを予め定めておく。そして、この原点を基準として、動き始めからの時間によって、X座標およびY座標を定めることによって、機能素子設置部45を特定の位置に連続的に移動することができる。
【0051】
そして、原動歯車38を連続的に回転させて、機能素子設置部45に二次元平面において1フレームの軌跡を描かせる場合、そのフレーム面でのX軸、Y軸で二次元面を代表する特定位置あるいはその近傍(誤差範囲内)を予め選び、位置を演算して原点時間(時間ゼロ)から特定時間ごとに二次元を代表する多数のX,Y位置を、機能素子設置部45がたどるようにして軌跡を描く。
【0052】
そして、この実施例においては、測定装置本体I’の上方に設けられる二次元温度測定装置IIも、前記二次元走査機構34と同様に構成された二次元走査機構53によって駆動されている。すなわち、54はセンサ設置部で、赤外線温度センサ55と集光レンズ56が設けられている。この二次元温度測定装置IIも、上述した光源46と同様にして、二次元平面を一筆書き的に走査し、測定装置本体I’における試料9の温度を二次元的に測定することができる。
【0053】
そして、この実施例においては、半導体基板5へのプローブ光3の照射および試料9の温度測定を、それぞれ二次元走査機構34,53を同期させて駆動することにより、上述した第1、第2の実施例と同様に、高精度な測定結果を得ることができる。
【0054】
図9は、この発明の第4実施例を示し、この実施例においては、プローブ光を発する光源46と赤外線温度センサ55とを半導体基板5の一方の側(図示例では下面側)に配置し、これら46,55を一つの二次元走査機構34によって二次元的に走査するようにしたものである。この第4実施例によれば、上記第3実施例と同様に、高精度な測定結果を得ることができるのは勿論のこと、位置制御のための構成や制御方法が第3実施例よりも簡単になる。
【0055】
ところで、上述の各実施例においては、プローブ光3を半導体基板5に対してセンサ面7とは反対側(下面側)から照射するようにしていたが、これに代えて、センサ部7と同じ側から照射するようにしてもよい。
【0056】
また、プローブ光3は、その波長が半導体基板5の空乏層に到達できるものであればよく、したがって、可視光、近赤外光、赤外光、紫外光、X線などいずれの電磁波であってもよいが、空乏層において完全に吸収されるように波長選択されていればより好ましい。
【0057】
そして、二次元走査機構34,53において、パルスモータ35に代えて、サーボモータを用いてもよい。
【0058】
また、二次元温度測定装置IIによって、測定装置本体、特に、試料9と接するセンサ面7の温度を図るようにしてもよいことはいうまでもない。
【0059】
さらに、上述の第3および第4実施例においては、機能素子設置部45の描く軌跡が太陽歯車42の中心40を通るように構成されているが、機能素子設置部45の設置位置は、遊星歯車43上であって、その回転中心44以外であれば任意である。このようにした場合、機能素子設置部45が描く軌跡は、太陽歯車42の中心40を必ずしも通ることはないが、種々の軌跡を得ることができる。
【0060】
また、上述の第3および第4実施例においては、遊星歯車43を、太陽歯車42に常に内接しながら回転するように設けてあったが、これに代えて、図10および図11に示すように、遊星歯車43’を、その回転中心44’が従動歯車39上であってその回転中心40から適宜離れた位置にあり、しかも、従動歯車39の回転中心40と同じ位置に回転中心を有する太陽歯車42’に常に外接しながら回転するように設けてもよい。このようにした場合においても、機能素子設置部45に種々の軌跡を描かせることができる。
【0061】
この発明は、上述の溶液のpH測定のみならず、例えば、りんごなど物質に含まれている溶液におけるpHの二次元測定をも行うことができる。すなわち、りんごを半分に切り、その切断面をセンサ面7に当接させ、対極CEおよび比較電極REをりんごに挿入し、その状態でポテンショスタット13によってバイアス電圧を印加し、その状態で、二次元光照射部によってプローブ光を半導体基板5に対して照射するのである。
【0062】
また、センサ部2におけるセンサ面(Si3 N4 膜)7の表面を、カリウムやカルシウムなど他のイオンにそれぞれ応答する物質によって修飾することにより、これらのイオン濃度についても同様に二次元測定できることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】
この発明は、以上のような形態で実施され、以下のような効果を奏する。
【0064】
この発明の光走査型二次元濃度分布測定装置においては、試料におけるイオン濃度と、試料またはこの試料と接触するセンサ部の温度を、それぞれ二次元的に測定し、イオン濃度を表すデータを温度を表すデータに基づいて補正するので、高精度な測定結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】前記光走査型二次元濃度分布測定装置の動作を説明するための図である。
【図3】第2実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図4】第3実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】前記光走査型二次元濃度分布測定装置における二次元走査機構の要部の構成を概略的に示す斜視図である。
【図6】前記二次元走査機構の動作原理を説明するための図である。
【図7】前記二次元走査機構の動作説明図である。
【図8】前記二次元走査機構によって描かれる軌跡の一例を示す図である。
【図9】第4実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図である。
【図10】二次元走査機構の他の実施態様を示す断面図である。
【図11】前記二次元走査機構の要部の構成を概略的に示す図である。
【符号の説明】
I…二次元イオン濃度測定装置、II…二次元温度測定装置、3…プローブ光、5…半導体基板、7…センサ面、9…試料。
Claims (3)
- 半導体基板の一方の面にイオンに応答するセンサ面を形成し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するようにした光走査型二次元濃度分布測定装置において、前記センサ面に設けられる試料またはセンサ面の温度を検出する二次元温度測定装置を設け、前記センサ面によって検出される出力を温度補正できるようにしたことを特徴とする光走査型二次元濃度分布測定装置。
- 二次元温度測定装置をセンサ面側に設けてなる請求項1に記載の光走査型二次元濃度分布測定装置。
- 二次元温度測定装置をセンサ面とは反対側に設けてなる請求項1に記載の光走査型二次元濃度分布測定装置。
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JPH1010086A (ja) | 1998-01-16 |
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