JPH1010086A - 光走査型二次元濃度分布測定装置 - Google Patents

光走査型二次元濃度分布測定装置

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JPH1010086A
JPH1010086A JP8181237A JP18123796A JPH1010086A JP H1010086 A JPH1010086 A JP H1010086A JP 8181237 A JP8181237 A JP 8181237A JP 18123796 A JP18123796 A JP 18123796A JP H1010086 A JPH1010086 A JP H1010086A
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Katsuhiko Tomita
勝彦 冨田
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
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CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU
CHIKYU KANKYO SANGYO GIJUTSU KENKYU KIKO
Horiba Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料におけるイオン濃度の二次元測定を行う
に際し、温度補正を確実に行い、高精度の測定を行うこ
とができる光走査型デバイスを提供すること。 【解決手段】 半導体基板5の一方の面にイオンに応答
するセンサ面7を形成し、前記半導体基板5に対してプ
ローブ光3を照射するようにした光走査型二次元濃度分
布測定装置において、前記センサ面7に設けられる試料
9またはセンサ面7の温度を検出する二次元温度測定装
置II設け、前記センサ面7によって検出される出力を温
度補正できるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば光走査型
pH画像装置などの光走査型二次元濃度分布測定装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】前記光走査型pH画像装置として、例え
ば、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.33
(1994)pp L394−L397に記載してある
ように、SPV(Surface−Photovolt
age)方式あるいはLAPS(Light−Addr
essable Potentiometric Se
nsor)方式を採用して、界面での表面電位変化を測
定するものがある。このような装置においては、EIS
(電解質E−絶縁体I−半導体S)構造を横切るように
光をスキャンし、このスキャンによって、半導体中にお
いて誘発された光電流を取り出すことにより、溶液など
におけるpHの測定を行うことができ、その二次元的な
分布画像を得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、pH値は測
定対象である溶液などの温度やセンサ部の温度などによ
る影響を受けやすい。従来より一般に行われている溶液
のpH測定においては、ビーカーに溶液を入れ、その溶
液内に浸漬型の測定電極を浸漬して、溶液のpHを測定
していた。この場合、単一センサであるpH電極の温度
変化を補償する意味で、pH電極とともに、サーミスタ
などの温度センサを溶液内に浸漬し、そのときの信号に
より、pH測定値の温度補償を行っている。
【0004】そして、前記光走査型pH画像装置による
pH測定おいては、測定対象である溶液が少量(微量)
であるため、その熱容量が小さく、外部の温度影響を受
けるところから、センサ面での温度を代表させる訳には
いかない。温度補償を行う場合、測定対象である試料の
温度とセンサ部の温度とのいずれを採用するかは、測定
精度に大きな影響を及ぼす。そのため、試料が微量であ
るとき、その測定結果に高精度を保証しようとする場
合、装置全体を温度制御しながら測定するしかない。し
かし、二次元のpH分布測定においては、前記温度制御
による温度分布さえ問題となることがある。
【0005】さらに、試料が微量であり、それ自体が反
応系であるときは、測定対象それ自体に温度分布が生じ
ていることになり、特に、微生物の活動では、装置全体
を温度制御しても、微生物における反応が進行するにし
たがってその部位によっては温度が異なる。したがっ
て、このような場合、試料の特定の場所での温度で代表
させる訳にはいかなくなる。つまり、pH二次元的に測
定するような場合、その測定に点に対応してその点の温
度を測定し、その結果に基づいてpHの測定結果を補正
する必要がある。
【0006】このような問題は、pHの二次元測定のみ
ならず、他のイオン濃度の二次元測定においても同様に
生じているところである。
【0007】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、試料におけるイオン濃度の二次
元測定を行うに際し、温度補正を確実に行い、高精度の
測定を行うことができる光走査型二次元濃度分布測定装
置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の光走査型二次元濃度分布測定装置は、半
導体基板の一方の面にイオンに応答するセンサ面を形成
し、前記半導体基板に対してプローブ光を照射するよう
にした光走査型二次元濃度分布測定装置において、前記
センサ面に設けられる試料またはセンサ面の温度を検出
する二次元温度測定装置を設け、前記センサ面によって
検出される出力を温度補正できるようにしている。
【0009】そして、前記二次元温度測定装置を、セン
サ面と同じ側に設けても、また、センサ面と反対側に設
けもよい。
【0010】この発明の光走査型二次元濃度分布測定装
置においては、試料におけるイオン濃度と、試料または
この試料と接触するセンサ面の温度を、それぞれ二次元
的に測定し、イオン濃度を表すデータを温度を表すデー
タに基づいて補正するので、高精度な測定結果を得るこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施例
を、図を参照しながら説明する。
【0012】図1は、この発明の第1実施例の光走査型
二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図であ
る。この光走査型二次元濃度分布測定装置は、センサ面
7に配置される試料9におけるイオン濃度の二次元分布
を測定する二次元イオン濃度測定装置Iと、前記センサ
面7に配置される試料9の温度を測定する二次元温度測
定装置IIとからなる。
【0013】まず、二次元イオン濃度測定装置Iの構成
を説明すると、1は測定装置本体で、センサ部2とこれ
にプローブ光3を照射するための光照射部4とからな
る。
【0014】前記センサ部2は、例えばシリコンなどの
半導体よりなる基板5の一方の面(図示例では上面)に
SiO2 層6、Si3 4 層7を熱酸化、CVDなどの
手法によって順次形成してなるもので、水素イオンに応
答するよう形成されている。8はセンサ部2のセンサ面
(Si3 4 層)7の上面側に形成される試料収容部
で、適宜の樹脂などよりなる。9は溶液などの試料であ
る。
【0015】そして、CE,REは対極、比較電極で、
これらの対極CE、比較電極REは、ともに後述するポ
テンショスタット13の安定化バイアス回路15に接続
されている。また、OCは半導体基板5に設けられる電
流信号取出し用のオーミック電極で、後述する電流−電
圧変換器16および演算増幅回路17を介して安定化バ
イアス回路15に接続されている。
【0016】10はセンサ部2を、両矢印Xで示す方向
とこれに垂直な方向Y(紙面に垂直な方向)との二方向
(二次元方向)に走査するセンサ部走査装置で、走査制
御装置11からの信号によって制御される。
【0017】また、前記光照射部4は、半導体基板5を
センサ部走査装置10側から照射するもので、例えばパ
ルス光源よりなり、後述するインターフェースボード1
4に接続され、後述するコンピュータ18からの信号に
よって制御される。
【0018】12は測定装置本体1を制御するための制
御ボックスであって、半導体基板5に適宜のバイアス電
圧を印加し、そのときに得られる信号を電流信号として
取り出すポテンショスタット13と、このポテンショス
タット13と信号を授受したり、光照射部4に対する制
御信号を出力するインターフェースボード14とよりな
る。そして、ポテンショスタット13は、安定化バイア
ス回路15と半導体基板5に形成されたオーミック電極
OCから取り出される電流信号を電圧信号に変換する電
流−電圧変換器16、この電流−電圧変換器16からの
信号が入力される演算増幅回路17とから構成されてい
る。
【0019】そして、18は各種の制御や演算を行うと
ともに、画像処理機能を有する制御・演算部としてのコ
ンピュータで、キーボードなどの入力装置19、カラー
ディスプレイなどの表示装置20およびメモリ装置21
を備えており、二次元イオン濃度測定装置Iと二次元温
度測定装置IIとに共通に設けられるものである。
【0020】前記二次元温度測定装置IIは、温度測定用
の赤外線センサ22を備えた温度測定部23と、これを
互いに直交するX,Y方向に走査制御する走査制御部2
4とからなり、赤外線センサ22によって、二次元イオ
ン濃度測定装置Iのセンサ面7に配置された溶液9から
の赤外線25を検出して、それに基づいて溶液9の温度
を測定し、その検出出力をインターフェースボード26
を介してコンピュータ18に入力するように構成されて
いる。
【0021】上記構成の光走査型二次元濃度分布測定装
置を用いて、溶液の水素イオン濃度(pH)を測定する
場合について、図2を参照しながら説明する。まず、試
料収容部8内に溶液9を入れる。これにより、センサ面
7に溶液9が接する。そして、対極CEおよび比較電極
REを溶液9に浸漬する。
【0022】上記の状態で、半導体基板1に空乏層が発
生するように、ポテンショスタット13からの直流電圧
を対極CEとオーミック電極OCとの間に印加して、半
導体基板5に所定のバイアス電圧を印加する。この状態
で、半導体基板5に対して、光照射部4からプローブ光
3を一定周期(例えば、10kHz)で断続的に照射す
ることによって半導体基板5に交流光電流を発生させ
る。この光電流は、半導体基板5の照射点に対応する点
で、センサ面7に接している溶液9におけるpHを反映
した値であり、その値を測定することにより、この部分
でのpH値を知ることができる。
【0023】さらに、センサ部走査装置10によって、
センサ部2をX,Y方向に順次移動させることにより、
半導体基板5にはプローブ光3が二次元方向に走査され
るようにして照射され、溶液9における位置信号(X,
Y)と、その場所で観測された交流光電流値により、図
2に示すような、pH二次元画像27が得られる。この
pH二次元画像27は、勿論、温度補正前のデータに基
づくものである。
【0024】そして、前記光照射部4によるプローブ光
3の二次元的な照射のタイミングに合わせて、二次元温
度測定装置IIの温度測定部23をX,Y方向に走査する
ことにより、赤外線温度センサ22によって、二次元イ
オン濃度測定装置Iの試料収容部8に収容された溶液9
の温度を測定することができ、その温度データがコンピ
ュータ18に入力される。このときの温度分布データに
基づいて、図2に示すような、二次元画像28として表
示することができる。
【0025】そして、コンピュータ18においては、二
次元イオン濃度測定装置IからのpHに関する二次元デ
ータを、二次元温度測定装置IIからの温度に関する二次
元データによって補正し、その補正後のpH二次元デー
タに基づいて、図2の符号29で示すようなpH分布画
像を表示装置20に表示する。なお、pH二次元データ
は、前記pHに関する二次元データや温度に関する二次
元データとともにメモリ装置21に格納するようにして
もよい。
【0026】上述の説明から理解されるように、この発
明の光走査型二次元濃度分布測定装置においては、溶液
9におけるpHと溶液9の温度とをそれぞれ二次元的に
測定し、溶液9における二次元的なpHを表すデータ
を、溶液9における二次元的な温度を表すデータに基づ
いて補正するので、高精度な測定結果を得ることができ
る。
【0027】図3は、この発明の第2実施例の光走査型
二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図であ
る。この第2実施例においては、センサ部2を二次元方
向に移動させるのに代えて、パルス光源8を二次元方向
に移動させるようにして半導体基板5に照射させるとと
もに、パルス光源8と赤外線温度センサ22とを、基板
5のセンサ面7を形成してない側に設けたものである。
【0028】すなわち、図3において、I’は測定装置
本体で、この測定装置本体I’は、第1実施例における
測定装置本体Iからセンサ部走査装置10を除去したも
ので、センサ部2からなる。そして、この実施例におい
ては、パルス光源8と赤外線温度センサ22とを同一の
基板30に設け、この基板30を走査制御装置31によ
ってX,Y方向に走査するようにしている。この場合、
パルス光源8によるプローブ光3の照射ポイントに対応
する溶液9のポイントを赤外線温度センサ22によって
温度測定できるように、パルス光源8と赤外線温度セン
サ22とを配置するのが好ましい。なお、32は温度測
定部である。
【0029】この第2実施例によれば、上記第1実施例
と同様に、高精度な測定結果を得ることができるのは勿
論のこと、位置制御のための構成や制御方法が第1実施
例よりも簡単になる。
【0030】図4は、この発明の第3実施例の光走査型
二次元濃度分布測定装置の構成を概略的に示す図であ
る。この第3実施例においては、半導体基板5にプロー
ブ光を照射するための走査機構および二次元温度測定装
置IIにおける走査機構をともに1軸2次元走査機構とし
ている。
【0031】すなわち、図4において、I’は測定装置
本体で、前記第2実施例における測定装置本体I’と同
様の構成である。この測定装置本体I’には、図示して
ないが、対極CEおよび比較電極REが設けられるとと
もに、制御ボックス12が接続されている。この測定装
置本体I’は、適宜の素材よりなるフレーム33の上部
に載置されている。そして、フレーム33の下部、より
具体的には、測定装置本体I’の下方には、二次元走査
機構34が設けられている。
【0032】前記二次元走査機構34は、例えば次のよ
うに構成されている。すなわち、図4および図5におい
て、35は適宜の部材を介してベース部材36に取り付
けられたパルスモータで、その出力軸37がベース部材
36の上面から突出するように鉛直方向に設けられてお
り、この出力軸37に原動歯車38が水平に固着されて
いる。そして、パルスモータ35は、インターフェース
ボード14(図3参照)を介してコンピュータ18(図
3参照)に接続されている。
【0033】39は原動歯車38に噛合する従動歯車
で、その回転軸40が軸受部材41を介してベース部材
36に鉛直方向に突設されている。42はこの従動歯車
39と同軸上に回転中心を有する太陽歯車で、内周に複
数の歯が周設されている。
【0034】43は従動歯車39上であってその回転中
心40から適宜離れた位置に立設されるピン部材44に
枢支されて太陽歯車42に常に内接しながら回転する遊
星歯車である。
【0035】45は遊星歯車43上であってその回転中
心44から適宜離れた位置に設けられた機能素子設置部
で、この機能素子設置部45にはレーザ光源46と集光
用レンズ47とからなる光源部48が設けられている。
この光源部48は、前記測定装置本体I’のセンサ部2
の半導体基板5に対してプローブ光3を照射するもの
で、集光用レンズ47が半導体基板5の下面に接触しな
いように設けられている。
【0036】49は機能素子設置部45に連設された板
状部材で、遊星歯車43の移動に対応できる長さを有す
る長孔50が開設され、この長孔50を適宜の固定部5
1に立設されたピン部材52が挿通している。なお、詳
細には図示してないが、レーザ光源46への電源供給の
ための電源ケーブルは、板状部材49に沿うようにして
設けられている。
【0037】ここで、上記光走査型測定装置の動作説明
に入る前に、二次元走査機構34によって、半導体基板
5に対して、プローブ光3を二次元的に走査しながら照
射するための描画方程式について、図6を参照しながら
説明する。
【0038】図6において、Lは大円(前記太陽歯車4
2に相当する)、Sはこれに内接して回転する小円(前
記遊星歯車43に相当する)である。また、 Lr :大円Lの半径 OL :大円Lの中心 Sr :小円Sの半径 OS :小円Sの中心 Q :小円Sの中心から距離r離れた地点 A :大円Lと小円Sの初期状態において当接している
ときの大円L側の位置 B :大円Lと小円Sの初期状態において当接している
ときの小円S側の位置 C :小円Sが角度θL (ラジアン)回転したときにお
ける大円Lと小円Sとの当接位置 θ10:線分COs と線分OS Bとがなす角度(ラジア
ン) とする。
【0039】点Cの座標は、(Lr ・cosθL ,Lr
・sinθL )と表される。そして、大円L、小円Sの
矢印方向への回転に伴い、両者の接点は移動するが、両
者における移動長は互いに等しく、弧AC=弧BCであ
るから、 θL ・Lr =θS ・Sr ……(1) が成り立つ。
【0040】小円Sの中心OS は、小円Sの回転に伴
い、半径(Lr −Sr )の円(図中、仮想線で示す)の
周上を移動し、その座標は、{(Lr −Sr )・cos
θL ,(Lr −Sr )・sinθL )で表される。
【0041】点Qの座標(XQ ,YQ )は次のように表
される。すなわち、 XQ =(Lr −Sr )・cosθL −r・cos(θL −θS )……(2) YQ =(Lr −Sr )・sinθL −r・sin(θL −θS )……(3) となる。
【0042】ところで、上述したように、弧AC=弧B
Cであるから、(1)式から、 θS =Lr ・θL /Sr ……(4) が得られ、これを上記(2),(3)式に代入すると、 XP =(Lr −Sr )・cosθL −r・cos{θL ・(Sr −Lr ) /Sr } ……(5) Yp =(Lr −Sr )・sinθL −r・sin{θL ・(Sr −Lr ) /Sr } ……(6)
【0043】そして、点Qが描く軌跡が大円Lの中心O
L を通る場合、r=Lr −Sr であるから、上記(5)
, (6)式は、 XP =r・{cosθL +cos(θL ・r/Sr )} ……(7) Yp =r・{sinθL +sin(θL ・r/Sr )} ……(8) となる。
【0044】上述のような描画方程式を有するプログラ
ムがコンピュータ18に設けられており、二次元走査機
構34はこのプログラムに基づいて制御される。
【0045】今、この発明で用いる原動歯車38、従動
歯車39、太陽歯車42および遊星歯車43のモジュー
ル、歯数ピッチが例えば下記表1のようなものであり、
従動歯車39の中心からその半径の3/4の位置に遊星
歯車43の中心があり、さらに、点Q、すなわち、機能
素子設置部45の描く軌跡が太陽歯車42の中心40を
通るものとする。
【0046】
【表1】
【0047】前記二次元走査機構34による二次元平面
走査方法を、図5〜図7を参照しながら説明すると、 パルスモータ35を回転させることにより、原動歯
車38が図7において例えば矢印61方向に回転し、こ
れに伴って、従動歯車39が図7において矢印62方向
に回転し、太陽歯車42も矢印63方向に回転する。
【0048】 原動歯車38を1回転させると、遊星
歯車43が太陽歯車42に内接しながら所定回転数(6
05/403)だけ矢印64方向に自転するとともに、
1回公転して元の位置に戻る。
【0049】 遊星歯車43を例えば605回自転さ
せると、遊星歯車43は元の位置に戻るが、この回転に
伴って、機能素子設置部45(光源部48)が曲線65
で表す軌跡を描きながら二次元平面を一筆書き的に移動
する。これによって、二次元平面は、図8に示すよう
に、機能素子設置部45によって走査されることにな
る。
【0050】ここで、機能素子設置部45が描く軌跡
(特定軌跡)が完結するまでを1フレーム(この語は、
発明者の造語である)とすると、この1フレームは太陽
歯車42の回転中心40を中心に、特定の二次元領域を
くまなく走査する軌跡となる。この軌跡は、上述した点
Q(図6参照)が描く軌跡にほかならず、この軌跡の方
程式から、X軸、Y軸の位置情報を予め演算で求めてお
き、回転開始点や原点などを予め定めておく。そして、
この原点を基準として、動き始めからの時間によって、
X座標およびY座標を定めることによって、機能素子設
置部45を特定の位置に連続的に移動することができ
る。
【0051】そして、原動歯車38を連続的に回転させ
て、機能素子設置部45に二次元平面において1フレー
ムの軌跡を描かせる場合、そのフレーム面でのX軸、Y
軸で二次元面を代表する特定位置あるいはその近傍(誤
差範囲内)を予め選び、位置を演算して原点時間(時間
ゼロ)から特定時間ごとに二次元を代表する多数のX,
Y位置を、機能素子設置部45がたどるようにして軌跡
を描く。
【0052】そして、この実施例においては、測定装置
本体I’の上方に設けられる二次元温度測定装置IIも、
前記二次元走査機構34と同様に構成された二次元走査
機構53によって駆動されている。すなわち、54はセ
ンサ設置部で、赤外線温度センサ55と集光レンズ56
が設けられている。この二次元温度測定装置IIも、上述
した光源46と同様にして、二次元平面を一筆書き的に
走査し、測定装置本体I’における試料9の温度を二次
元的に測定することができる。
【0053】そして、この実施例においては、半導体基
板5へのプローブ光3の照射および試料9の温度測定
を、それぞれ二次元走査機構34,53を同期させて駆
動することにより、上述した第1、第2の実施例と同様
に、高精度な測定結果を得ることができる。
【0054】図9は、この発明の第4実施例を示し、こ
の実施例においては、プローブ光を発する光源46と赤
外線温度センサ55とを半導体基板5の一方の側(図示
例では下面側)に配置し、これら46,55を一つの二
次元走査機構34によって二次元的に走査するようにし
たものである。この第4実施例によれば、上記第3実施
例と同様に、高精度な測定結果を得ることができるのは
勿論のこと、位置制御のための構成や制御方法が第3実
施例よりも簡単になる。
【0055】ところで、上述の各実施例においては、プ
ローブ光3を半導体基板5に対してセンサ面7とは反対
側(下面側)から照射するようにしていたが、これに代
えて、センサ部7と同じ側から照射するようにしてもよ
い。
【0056】また、プローブ光3は、その波長が半導体
基板5の空乏層に到達できるものであればよく、したが
って、可視光、近赤外光、赤外光、紫外光、X線などい
ずれの電磁波であってもよいが、空乏層において完全に
吸収されるように波長選択されていればより好ましい。
【0057】そして、二次元走査機構34,53におい
て、パルスモータ35に代えて、サーボモータを用いて
もよい。
【0058】また、二次元温度測定装置IIによって、測
定装置本体、特に、試料9と接するセンサ面7の温度を
図るようにしてもよいことはいうまでもない。
【0059】さらに、上述の第3および第4実施例にお
いては、機能素子設置部45の描く軌跡が太陽歯車42
の中心40を通るように構成されているが、機能素子設
置部45の設置位置は、遊星歯車43上であって、その
回転中心44以外であれば任意である。このようにした
場合、機能素子設置部45が描く軌跡は、太陽歯車42
の中心40を必ずしも通ることはないが、種々の軌跡を
得ることができる。
【0060】また、上述の第3および第4実施例におい
ては、遊星歯車43を、太陽歯車42に常に内接しなが
ら回転するように設けてあったが、これに代えて、図1
0および図11に示すように、遊星歯車43’を、その
回転中心44’が従動歯車39上であってその回転中心
40から適宜離れた位置にあり、しかも、従動歯車39
の回転中心40と同じ位置に回転中心を有する太陽歯車
42’に常に外接しながら回転するように設けてもよ
い。このようにした場合においても、機能素子設置部4
5に種々の軌跡を描かせることができる。
【0061】この発明は、上述の溶液のpH測定のみな
らず、例えば、りんごなど物質に含まれている溶液にお
けるpHの二次元測定をも行うことができる。すなわ
ち、りんごを半分に切り、その切断面をセンサ面7に当
接させ、対極CEおよび比較電極REをりんごに挿入
し、その状態でポテンショスタット13によってバイア
ス電圧を印加し、その状態で、二次元光照射部によって
プローブ光を半導体基板5に対して照射するのである。
【0062】また、センサ部2におけるセンサ面(Si
3 4 膜)7の表面を、カリウムやカルシウムなど他の
イオンにそれぞれ応答する物質によって修飾することに
より、これらのイオン濃度についても同様に二次元測定
できることはいうまでもない。
【0063】
【発明の効果】この発明は、以上のような形態で実施さ
れ、以下のような効果を奏する。
【0064】この発明の光走査型二次元濃度分布測定装
置においては、試料におけるイオン濃度と、試料または
この試料と接触するセンサ部の温度を、それぞれ二次元
的に測定し、イオン濃度を表すデータを温度を表すデー
タに基づいて補正するので、高精度な測定結果を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図2】前記光走査型二次元濃度分布測定装置の動作を
説明するための図である。
【図3】第2実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図4】第3実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図5】前記光走査型二次元濃度分布測定装置における
二次元走査機構の要部の構成を概略的に示す斜視図であ
る。
【図6】前記二次元走査機構の動作原理を説明するため
の図である。
【図7】前記二次元走査機構の動作説明図である。
【図8】前記二次元走査機構によって描かれる軌跡の一
例を示す図である。
【図9】第4実施例の光走査型二次元濃度分布測定装置
の構成を概略的に示す図である。
【図10】二次元走査機構の他の実施態様を示す断面図
である。
【図11】前記二次元走査機構の要部の構成を概略的に
示す図である。
【符号の説明】 I…二次元イオン濃度測定装置、II…二次元温度測定装
置、3…プローブ光、5…半導体基板、7…センサ面、
9…試料。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の一方の面にイオンに応答す
    るセンサ面を形成し、前記半導体基板に対してプローブ
    光を照射するようにした光走査型二次元濃度分布測定装
    置において、前記センサ面に設けられる試料またはセン
    サ面の温度を検出する二次元温度測定装置を設け、前記
    センサ面によって検出される出力を温度補正できるよう
    にしたことを特徴とする光走査型二次元濃度分布測定装
    置。
  2. 【請求項2】 二次元温度測定装置をセンサ面側に設け
    てなる請求項1に記載の光走査型二次元濃度分布測定装
    置。
  3. 【請求項3】 二次元温度測定装置をセンサ面とは反対
    側に設けてなる請求項1に記載の光走査型二次元濃度分
    布測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110260905A (zh) * 2019-05-29 2019-09-20 西安邮电大学 一种阵列检测光寻址电位传感器的恒相位差闭环测量方法

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