JPH10109365A - 成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット及び無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー - Google Patents

成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット及び無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー

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JPH10109365A
JPH10109365A JP28167796A JP28167796A JPH10109365A JP H10109365 A JPH10109365 A JP H10109365A JP 28167796 A JP28167796 A JP 28167796A JP 28167796 A JP28167796 A JP 28167796A JP H10109365 A JPH10109365 A JP H10109365A
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net
polypropylene resin
tray
foam
ratio
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JP28167796A
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English (en)
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Yukio Furusawa
幸雄 古澤
Chikafumi Harada
慎史 原田
Toru Kino
徹 木野
Akira Iwamoto
晃 岩本
Takashi Muroi
崇 室井
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JSP Corp
Original Assignee
JSP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の発泡シートからなるトレーは、トレー
収納部に収納された被包装物の外観が見られず、輸送中
の傷にも気付かないという問題があった。また、収納部
内部に結露が生じた場合に水分を排出できなかった。 【解決手段】 無架橋ポリプロピレン系住発泡体からな
る多数の細条2が相互に交差し、その交差部が互いに融
着して、開孔部を形成してなる網目状に構成された成形
用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット1を提供
する。ネット1の開孔率は10〜60%、細条の平均密
度は0.022〜0.10g/cm3 、細条の垂直断面
の平均断面積は7〜180mm2 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無架橋ポリプロピレ
ン系樹脂発泡体製ネット及び無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡体製ネットトレーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、果物等の軟質物や精密機械部品を
内容物として包装する、緩衝製を備えた容器として、熱
可塑性樹脂発泡シートを熱成形してなる、複数の収納部
を有するトレーが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のト
レーは、輸送中に内容物が収納部から脱落したり、回転
して輸送後の見栄えや作業性を悪化させることがないよ
うに、内容物に則した大きさや形状に収納部が形成され
ているが、このため、内容物が収納部の壁に覆われてし
まい、収納部内の内容物の外観を目視することが困難で
あった。内容物の外観がわからないために輸送中に傷が
ついてもそれに気付かず、破損した不良品を納品してし
まうということも起こり、輸送の信頼性や出荷工程にお
ける不良品チェック等の作業の信頼性を損なうばかりで
なく、再納品という二重の手間を要することにもなって
いた。
【0004】また、内容物に結露が生じた場合、水滴が
収納部に溜まってしまい、内容物を損傷してしまう虞れ
があった。特に、精密機械部品には水分は大敵であり、
精密機械部品の包装に当っては結露の問題は無視するこ
とができないものであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みなされたものであ
り、上記従来の欠点を解消し、金型を用いた成形後も細
条間の空間が適当な大きさであると共に細条の太さも適
当な太さであり且つ硬さも適当であり、包装用として充
分な緩衝性を有し且つ内容物の視認性及び排水性に優れ
た、複数の収納部を有するトレーを容易に得られる発泡
体製ネット、及び該ネットを成形してなる発泡体製ネッ
トトレーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、無架橋ポリ
プロピレン系樹脂発泡体からなる多数の細条が相互に交
差し、その交差部が互いに融着してなる網目状に構成さ
れた成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット
であって、該ネットの開孔率が10〜60%であると共
に、該ネットを構成する細条の平均密度が0.022〜
0.10g/cm3 、垂直断面の平均断面積が7〜18
0mm2 であることを特徴とする成形用無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂発泡体製ネット、収納部を有するネット
トレーであって、請求項1記載の成形用無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂発泡体製ネットを熱成形して構成したこと
を特徴とする無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネッ
トトレー、ネットトレーの収納部において、開口部面
積に対する展開面積の比をXとし、細条の垂直断面の平
均断面積の熱成形前後の比をYとした時、1<X≦2.
2であり且つ0.5≦Y<1.0であると共に、XとY
との関係を下記条件式(1)で表した時、少なくとも上
記XとYとの範囲内において、0<a≦0.6である関
係を満足することを特徴とする上記記載の無架橋ポリ
プロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー、
【数2】Y=−a・X+1+a ・・・・・・・(1) を要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づき詳細
に説明する。図1は本発明の成形用無架橋ポリプロピレ
ン系樹脂発泡体製ネットの一例を示す一部切欠斜視図で
ある。図中、1は成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発
泡体製ネット(以下、単にネットという)、2は該ネッ
ト1を構成する細条を表す。
【0008】ネット1は、無架橋ポリプロピレン系樹脂
発泡体からなる多数の細条2が、各々との間に所定間隔
を隔てて並列に配されて細条の群21を形成しており、
同様に、多数の細条2が、各々との間に所定間隔を隔て
て並列に配されて細条の群22を形成しており、上記群
21と群22とが相互に交差し、群21の各細条2と群
22の各細条2とが相互に交差し、その交差部が互いに
融着してなる網目状に構成されている。3は、細条2と
細条2との間に形成された開孔部である。
【0009】ネット1の開孔率は10〜60%である。
開孔率とは、シート状のネット1をシート面に対して垂
直な方向から観察した時の、所定範囲内における全体の
面積に対する、上記所定範囲内に存在する全部の開孔部
3の面積の占める割合である。開孔率が10%未満であ
ると、このネット1を用いて複数の収納部を有するトレ
ーに成形した場合、開孔率の小さいトレーしか得られ
ず、このようなトレーの収納部に内容物を入れた場合は
内容物の外観を収納部の外側から目視することが困難で
ある。また、結露等によって生じた水滴を収納部から速
やかに排除することが困難である。また、開孔率が60
%を超えると、このネット1からは開孔率の大きいトレ
ーしか得られず、各々の細条の間隔が広すぎて収納部の
内容物が充分に緩衝されずに内容物が損傷する虞れがあ
る。
【0010】ネット1を構成する細条2の平均密度は
0.022〜0.10g/cm3 であり、好ましくは
0.03〜0.09g/cm3 である。細条2の平均密
度が0.022g/cm3 未満であると、熱成形時に細
条が破断したり、気泡構造が破壊されて細条が潰れた状
態となり、緩衝性の乏しいものとなる虞れがあり、良好
な成形体を得ることが困難である。細条2の平均密度が
0.10g/cm3 を超えると、細条2は硬く従ってま
たネット1は硬く、該ネット1を成形して得られるトレ
ーは硬いものとなり、内容物を衝撃から保護するのに充
分な緩衝性を有しないものとなる。このようなトレーで
果物等の軟質物を包装して輸送すると、輸送中に被包装
物の表面が傷付いたり、細条の跡が付いたりする虞れが
ある。
【0011】ネット1を構成する細条2の垂直断面の平
均断面積は7〜180mm2 、好ましくは12〜80m
2 である。垂直断面の平均断面積とは、ネット1を構
成する各々の細条2の進行方向に対して垂直な断面にお
ける、複数の細条2の各断面積の平均値である。上記平
均断面積が7mm2 未満であると、熱成形時に細条が潰
れてしまう虞れがあり、良好な緩衝性を有する成形体を
得ることが困難である。また、上記平均断面積が180
mm2 を超えると、強度が過剰となって成形に当って賦
形され難く、また細条の厚みが大きいため、熱成形時に
均一に加熱され難く、良好な成形品を得ることが困難で
ある。
【0012】ネット1、即ち細条2を構成する無架橋ポ
リプロピレン系樹脂としては、以下に示される溶融粘性
か動的粘弾性を有するものを用いることが好ましい。即
ち、好ましい溶融粘性としては、210℃の測定温度に
おいて1000dyn/cm2 の一定の応力を加えた時
の平衡コンプライアンスJeoが、1.0×10-4cm
2 /dyn以上の値を示すものであり、好ましくは、上
記平衡コンプライアンスJeoが、1.4×10-4cm
2 /dyn以上の値を示すものである。
【0013】上記平衡コンプライアンスは、動的粘弾性
試験機によってクリープ試験を行なうことにより測定す
ることができる。上記試験機を用いたクリープ試験につ
いて説明する。まず、厚さ約1.4mmの測定サンプル
樹脂板を直径25mmのパラレルプレートの間に挟み、
210℃に達するまで約10分間放置した後、1000
dyn/cm2 の一定の応力を加えた状態で0〜300
秒間のクリープデータを測定する。得られたデータを、
時間を横軸に、歪みを応力で割った値を縦軸にとってプ
ロットすることにより、クリープ・コンプライアンスJ
(t)が求められる。クリープ・コンプライアンスJ
(t)は、下記式(2)により与えられる。下記式にお
いて、JeoはJ(t)の時間軸に対する切片である。
【0014】
【数3】 J(t)=〔τ(t)/σD 〕=〔Jeo+(t/η0 )〕・・・(2) (但し、式中、τは歪み、σD は応力、Jeoは平衡コ
ンプライアンス、η0は無剪断粘度をそれぞれ表す。)
【0015】押出発泡に使用する基材樹脂の平衡コンプ
ライアンスの測定サンプルは、基材樹脂に無機物を高充
填するような場合には、無機物を含有するものを使用す
る。また、押出発泡後の発泡体及びその熱成形品につい
ても、ヒートプレスにより発泡体及びその熱成形品を発
泡させ樹脂板とすることにより平衡コンプライアンスを
測定することができる。押出発泡体及びその熱成形品の
平衡コンプライアンスの値はわずかに減少するが、ほぼ
同様であり、前記した方法により発泡体及びその熱成形
品から測定された平衡コンプライアンスの値は、ほぼそ
の基材樹脂の平衡コンプライアンスの値であるというこ
とができる。
【0016】上記した如き特定の無架橋ポリプロピレン
系樹脂は、例えばポリプロピレン系樹脂を重合する際の
重合触媒としてメタロセン触媒を用いたり、低分子量の
ポリプロピレンを含む線状ポリプロピレン系樹脂に放射
線を照射したりする等によって適宜調整することができ
る。
【0017】また、好ましい動的粘弾性としては、23
0℃における樹脂の動的粘弾性測定によって与えられ
る、角周波数:ω(rad/sec.) と、貯蔵弾性率:G´
(dyn/cm2 ) との下記近似式(3)に示す関係におい
て、ω=0.1〜1(logω=−1〜0)の範囲内に
おいて、0<α≦1.00、3.65≦β≦4.50で
ある。
【0018】
【数4】 logG´= α・logω + β ・・・・(3) (但し、α及びβは、logω=−1、logω=0に
対応するlogG´の2点間の傾き及び切片である。)
【0019】上記近似式(3)において、αはlogG
´を縦軸に、logωを横軸とする座標に、logω=
−1とその時のlogG´の値及び、logω=0とそ
の時のlogG´の値の2点をプロットすることにより
求められる式(3)で示される直線の傾きであり、βは
式(3)で示される直線がlogω=0(ω=1)の時
に縦軸と交差する切片を示す。図2に、上記式(3)に
おいて、αが1.00でβが3.65の直線(符号aを
附して示す。)、αが1.00でβが4.50の直線
(符号bを附して示す。)をそれぞれ示す。
【0020】図2において、logωの値が大きい場
合、logG´で示される動的粘弾性挙動は弾性体の性
質の強い状態の樹脂の弾性率を表し、発泡工程中の押出
発泡直後の気泡形成時の樹脂の挙動に相当すると考えら
れる。一方、logωの値が小さい場合、logG´で
示される動的粘弾性挙動は粘性体の性質の強い状態の樹
脂の弾性率を表し、発泡工程中の前記気泡形成後の気泡
を維持するための樹脂の挙動に相当すると考えられる。
従って、押出発泡における気泡形成後の気泡を維持させ
るために、角周波数:ωが1〜0.1に変化する際の貯
蔵弾性率:G´の値及び変化率を特定することは重要で
ある。
【0021】本発明において、基材樹脂として用いるポ
リプロピレン系樹脂は、上記式(1)で示される関係に
おいて、0<α≦1.00、好ましくは0.70<α≦
1.00であり、且つ3.65≦β≦4.50、好まし
くは3.85≦β≦4.35のものである。
【0022】角周波数と、貯蔵弾性率とが上記式(3)
に示す関係にある樹脂であっても、式(3)におけるα
が0以下の樹脂は存在しないし、発泡時の気泡形成はα
が0に近づくにしたがって難しくなる。一方、αが1.
00を超える樹脂の場合には低発泡倍率の発泡体しか得
られない。またβが3.65未満の樹脂の場合には、得
られる発泡体は独立気泡率が低く、低発泡倍率の発泡体
しか得られず、βが4.50を超える樹脂の場合には、
得られる発泡体は、溶融張力が強すぎるために表面凹凸
が解消できず、仮に発泡温度を高くしても気泡を保持す
ることが難しく、結局表面状態の悪いものとなる。
【0023】また貯蔵弾性率:G´により代表される樹
脂の気泡形成・維持の挙動は、G´と同時に測定される
損失弾性率:G´´により、より確実に掌握できると考
えられる。つまり、G´の値が同じポリプロピレン系樹
脂であっても発泡工程における気泡形成・維持の挙動に
相違が見られることがある。樹脂の性質は弾性体の性質
(G´に相当)と、粘性体の性質(G´´に相当)との
組み合わせと考えることができる。従って、G´´/G
´で表されるtanδの値を特定することが重要であ
る。そして、G´´/G´で表されるtanδの値が、
角周波数:ωが0.1〜1(rad/sec.) の範囲内におい
て、1.25〜3.50の間にあると、より好ましくは
1.30〜2.70の間にあると、外観、発泡倍率、独
立気泡率の制御がより容易となり、優れた押出発泡体を
更に容易に製造することができる。
【0024】上記樹脂の動的粘弾性は、動的粘弾性試験
機(例えばレオメトリックスファーイースト株式会社製
の動的粘弾性試験機:SR200型等)によって、応力
制御方式により、線形領域内で測定される。例えば、線
形領域内での測定は応力を5000dyn/cm2 とする。
尚、応力制御方式での測定において、ポリプロピレン系
樹脂は最大周波数100rad/sec.まで測定を行う場合、
応力が2000〜50000dyn/cm2 であれば線形領域
内となる。また言うまでもなく、線形領域とは、歪率と
応力とが比例関係にある領域のこと、即ち貯蔵弾性率等
の粘弾性の測定値が応力の影響を受けない範囲のことで
ある。動的粘弾性試験では、厚さ約2mmの測定サンプ
ル樹脂板を直径25mmのパラレルプレートの間に挟
み、230℃に達するまで約10分放置し、その後、樹
脂板を僅かに押さえ付けて樹脂板とパラレルプレートの
なじみを良くし、更に溢れでた樹脂を削り取ってから角
周波数:ωを変化させ、角周波数に対応した貯蔵弾性
率:G´及び損失弾性率:G´´を測定する。
【0025】尚、動的粘弾性測定は押出発泡に使用する
樹脂を測定サンプル(但し、無機物を高充填するような
場合は、無機物を含有するもの)として使用する。参考
までに押出発泡後の発泡体をヒートプレスにより脱泡さ
せ樹脂板として動的粘弾性測定を行うと、貯蔵弾性率は
押出発泡に使用した樹脂の値と比較して小さな値となる
場合があるため、押出発泡に使用する樹脂を測定サンプ
ルとする必要がある。また、230℃における動的粘弾
性の測定は、発泡温度にて押出発泡される溶融樹脂が押
出機ダイスから押出され気泡形成から発泡体固化までの
温度低下にともなう粘弾性体の弾性率変化を、角周波数
低下にともなう弾性率変化と対応させて求めた場合、ポ
リプロピレン系樹脂の温度低下に伴う弾性率変化の挙動
を顕著に表すことのできる動的粘弾性測定温度条件とし
て採用されるものである。
【0026】角周波数と貯蔵弾性率、更にはtanδと
の間に上記した特定の関係を有するポリプロピレン系樹
脂は、例えばポリプロピレン系樹脂を重合する際の重合
触媒としてメタロセン触媒を用いるとか、低分子量のポ
リプロピレンを含む線状ポリプロピレン系樹脂に放射線
を照射する等によって適宜調製される。
【0027】上記した如き特定の溶融粘性或いは動的粘
弾性を有する無架橋ポリプロピレン系樹脂を用いれば、
押出発泡性に優れるため、本発明の発泡体製ネットを得
ることが容易であり、また得られるネットは独立気泡率
が高く、引張強度や緩衝性に優れるという利点がある。
尚、架橋ポリプロピレン系樹脂を用いた場合には樹脂の
リサイクルが困難である。
【0028】本発明において基材樹脂として用いる無架
橋ポリプロピレン系樹脂は、上記した如き特定の無架橋
ポリプロピレン系樹脂のみならず、他の無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチ
レン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリ
エチレン、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−無水
マレイン酸共重合体等のエチレン系樹脂、ブテン系樹
脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂等を混合して用
いることができる。
【0029】尚、本発明における無架橋とは、溶融特性
改善のために微架橋したものも含む。具体的にはゲル分
率で15重量%未満のものまで本発明で言う無架橋の範
囲に含む。尚、ゲル分率は、沸騰キシレン中で15時間
抽出操作を行い、樹脂の抽出残量の抽出前重量に対する
100分率として求められる。
【0030】上記したネット1の製造方法について説明
する。ネット1は、円周上に多数のノズルを設けた外輪
ダイと内輪ダイとが互いに逆方向に回転する円形回転ダ
イを備えた押出機を用い、該押出機内で基材樹脂を溶融
して発泡剤を混練してなる溶融混練物を上記円形回転ダ
イから押出発泡することによって、多数の発泡細条を形
成し、押出直後に外輪ダイから押し出された発泡細条と
内輪ダイから押し出された発泡細条とを互いに交差させ
て融着することによって、網目状に構成された筒型のネ
ットを形成し、冷却後にこれを切り開いてシート状とす
る方法等によって製造することができる。
【0031】上記方法において、発泡剤としては、無機
発泡剤、揮発性発泡剤、分解型発泡剤等を用いることが
できる。無機発泡剤としては、二酸化炭素、空気、窒素
等を用いることができる。揮発性発泡剤としては、プロ
パン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタ
ン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン等
の脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン等の
環式脂肪族炭化水素、1−クロロ−1,1−ジフルオロ
エタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,
1−ジフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロ
ライド、メチレンクロライド等のハロゲン化炭化水素等
を用いることができる。また分解型発泡剤としては、ア
ゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミン、アゾビスイソブチロニトリル、重炭酸ナトリウム
等を用いることができる。これらの発泡剤は適宜混合し
て用いることもできる。
【0032】上記発泡剤のうち特に好ましいものとして
は、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマル
ペンタン、イソペンタンの群より選ばれた1種又は2種
以上の混合物が挙げられる。これらの発泡剤は基材樹脂
の動的粘弾性挙動を大きく変化させることがなく、発泡
倍率コントロール性、押出発泡における取扱性、経済性
に優れている。
【0033】発泡剤の基材樹脂に対する添加量は、樹脂
の種類、発泡剤の種類、所望の発泡倍率等によっても異
なるが、例えば密度0.022〜0.1g/cm3 の発
泡体を得る場合の発泡剤使用量の目安は、無機発泡剤で
0.4〜15重量%、揮発性発泡剤で0.8〜13重量
%、分解型発泡剤で0.2〜20重量%である。
【0034】ネット1中には、5〜25重量%の無機充
填剤を含有させることもできる。無機充填剤としては、
例えばタルク、シリカ、炭酸カルシウム、クレー、ゼオ
ライト、アルミナ、硫酸バリウム等が挙げられ、平均粒
径1〜70μmのものが好適である。このような無機充
填剤を含有させると、ネットの耐熱性が向上すると共
に、ネットを焼却処理する際の燃焼カロリーを低下させ
ることができる。
【0035】上記無機充填剤は、押出機内で基材樹脂を
溶融して発泡剤を混練してなる溶融混練物中に添加する
が、この溶融混練物中には更に気泡調整剤を添加するこ
ともできる。上記したタルク、シリカ等の無機充填剤は
気泡調整剤としての作用も有する。その他の気泡調整剤
としては、多価カルボン酸の酸性塩、多価カルボン酸と
炭酸ナトリウム或いは重炭酸ナトリウムとの混合物等が
挙げられる。気泡調整剤は、0.01〜5重量%添加す
れば、充分に目的を達成することができる。また、必要
に応じて上記溶融混練物中には、更に熱安定剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、着色剤等の添加剤を添加すること
ができる。
【0036】尚、ネット1を製造するに当たっては、円
形回転ダイに温度調節手段を設け、押出発泡直前のダイ
を通過する時点の樹脂温度を適温に制御しながら押出発
泡成形を行なうのが好ましい。ポリプロピレン系樹脂は
結晶性であり、ポリエチレン系樹脂と比較して結晶化度
がより大きく、押出温度も高いため、結晶化物が発生し
易く、この結晶化物がダイのノズル先端のリップ部分に
付着すると押出発泡される発泡細条の径が不均一なもの
なってネットの外観や強度が劣ったものとなる虞れがあ
り、更にはノズルが詰まってしまい押出発泡が困難とな
る。また、結晶化物が発泡細条と共に押し出される場合
には、得られたネットを熱成形して得られるネットトレ
ーの収納部内面に結晶化物が位置して、果物等の軟質の
収納物の表面を傷付けて商品価値を低下する虞れがあ
る。従って、結晶化物の発生は極力抑えられるべきであ
る。そのために、上記した方法を採用するのが好まし
い。
【0037】上記方法において温度調節手段としては、
例えば、ダイシャフト内にオイル等の熱媒を循環させる
方法や、外輪ダイの周囲にベアリングを介してバンドヒ
ーター等の熱源を取り付け、ベアリングを介した熱伝導
によってダイの温度を調節する方法等が挙げられる。
【0038】円形回転ダイの温度調節により結晶化物の
発生を大幅に抑制できるのは、樹脂が円形回転ダイを通
過する時点で急激に冷却されていたため結晶化物が生じ
ていたと考えられ、上記方法によって円形回転ダイ付近
が適温に調節されているためダイを通過する時点で急激
に冷却されなくなったたためと考えられる。
【0039】本発明のネットにおいて、基材樹脂として
無架橋ポリプロピレン系樹脂以外の、例えばポリエチレ
ン系樹脂等を用いた場合には、熱成形時の細条の垂直断
面積の減少が著しいものしか得られない。従って、この
ようなネットを用いても、緩衝性や引張強度に劣った成
形品しか得られない。また、基材樹脂としてポリスチレ
ン系樹脂を用いた場合には、細条の引張強度が低く伸長
により破断し易いものしか得られず、このようなネット
を用いても、熱成形時の金型による伸長により細条が破
断し易く、複数の収納部が形成されたトレーを得ること
は困難である。
【0040】次に、本発明の無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡体製ネットトレー(以下、反にネットトレーとい
う)について図3、図4に基づき説明する。図3はネッ
トトレーの概略斜視図、図4は図3のネットトレーのA
−A線切断端面図である。図中、4はネットトレー、5
は収納部を表す。尚、図4においてはネットの厚みを無
視してある。
【0041】ネットトレー4は、例えば図3、図4に示
すように、前記したネット1を熱成形することにより、
複数の収納部5が形成されてなるものである。収納部5
は、果物や精密機械部品等のような、収納部5内に収納
される形でネットトレー4によって包装される物の外形
形状の一部に沿った形又はそれに近い形であって被収納
物が収納部5内部において振動などにより前後左右に動
揺しないような形状を有している。収納部5の個数は1
個でもよく、任意である。
【0042】ネットトレー4において、収納部5の容積
は、収納される物品の大きさに応じて任意に設定するこ
とができるが、本発明においては、上記収納部の容積が
30〜2100cm3 であるのが好ましい。収納部5の
容積が30cm3 未満であると、本発明のネットからの
熱成形により得ることが困難となる虞れがある。また上
記容積が2100cm3 を超えると充分な緩衝性を有し
なくなる虞れがある。これは、容積が大きくなると被収
納物の重量も重くなることに関連している。本発明にお
いて、例えばトマト用のネットトレーとしては上記収納
部5の容積が50〜300cm3 になるように形成され
る。メロン用のネットトレーとしては収納部5の容積が
250〜2100cm3 になるように形成される。
【0043】また、ネットトレー4において、収納部5
の開口部6の面積に対する、収納部5を展開した状態の
展開面積の比(以下、展開倍率という)は2.2以下で
あるのが好ましい。該展開面積は、収納部5の外形表面
積と略等しい。上記展開面積は、収納部5を展開した状
態でその輪郭を紙等に写し取り、輪郭線の範囲内を面積
計等を用いて測定することができる。
【0044】収納部5における上記展開倍率が2.2を
超えると、細条2の間隔が拡がりすぎて被収納物を確実
に保護できなくなる虞れがある。また、細条2が大きく
延ばされることにより細条2の垂直断面積(要するに太
さ)が減少して緩衝性に乏しいものとなったり、細条が
破断したものとなったりする等、良好なネットトレーが
得られなくなる虞れがある。尚、展開倍率は必ず1.0
より大きくなる。
【0045】また、ネットトレー4においては、収納部
5における細条の垂直断面の平均断面積の熱成形前後の
比(以下、平均断面積比という)は0.5以上であるの
が好ましい。上記平均断面積比は必ず1より小さい。金
型を用いた熱成形によりネットは延ばされ、熱成形後の
ネットは必ずいくらかは伸びているからである。平均断
面積比が小さいことは、細条の平均垂直断面積の減少が
著しいことを表す。平均断面積比が0.5より小さい
と、気泡構造の破壊された、緩衝性に乏しい、引張強度
の弱いものとなってしまう虞れがある。
【0046】また、ネットトレー4においては、収納部
5の展開倍率をXとし、収納部5における細条の垂直断
面の平均断面積の熱成形前後の比をYとして、XとYと
の関係を前記した条件式(1)で表した時、XとYの範
囲が少なくとも、1<X≦2.2であり且つ0.5≦Y
<1.0である範囲内において、0<a≦0.6である
のが好ましい。
【0047】前記条件式(1)では、aの値が小さい方
がネットの細条が熱成形時に金型により延ばされても垂
直断面積の減少が少ないことを表している。aの値が
0.6を超えると展開倍率に対する細条の垂直断面にお
ける平均断面積の減少が著しいため、特に深絞りの(収
納部の深さが開口部の大きさに比べて深い)ネットトレ
ーとした時に良好なものとなり難い。上記の領域を、
x,y座標上にて表したものが図5における斜線部分で
ある。
【0048】本発明のネットトレー4の成形方法として
は、マッチドモールド成形やプラグアシスト成形等を用
いることができる。ネット1は全面に開孔を有するもの
であるため、圧空成形や真空成形を用いることは困難で
ある。このため、プラグ等の押圧手段を有する方法を用
いるのが好ましい。
【0049】
【実施例】
実施例、比較例 基材樹脂として無架橋プロピレン−エチレン共重合体
(エチレン含有率3.5重量%)を用い、気泡調整剤と
してタルクを添加して押出機内で溶融混練した後、発泡
剤としてブタンを押出機内に圧入して基材樹脂と混練し
た後、発泡温度まで冷却し、押出機先端に取り付けられ
た円形回転ダイより押出発泡した。円形回転ダイは直径
190mmの円周上に1.1mm×1.1mmの角型ノ
ズルを等間隔に80箇所ずつ設けた外輪ダイと内輪ダイ
とが互いに逆方向に回転するものを用いた。
【0050】円形回転ダイから押出発泡された細条は、
押出直後に互いに交差して融着し、網目状に構成された
筒状の発泡体製ネットを形成した。次いで、筒状の発泡
体製ネットを切り開いて、表1に実施例1〜3、比較例
1として示す、各々の密度を有する、幅100cmの長
尺のシート状のネットをそれぞれ得た。押出発泡する際
に添加されたブタン及びタルクの添加量と、得られたネ
ットの特性を、表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例のネット及びその基材樹脂につい
て、210℃の測定温度において1000dyn/cm
2 の一定の応力を加えた時の平衡コンプライアンスJe
oを、レオメトリックスファーイースト株式会社製動的
粘弾性試験機SR200型によって前述の方法により測
定した。ネット及びその基材樹脂の平衡コンプライアン
スJeoはそれぞれ1.49×10-4cm2 /dyn、
1.48×10-4cm2/dynであった。
【0053】また、実施例で用いた基材樹脂の動的粘弾
性は、レオメトリックスファーイースト株式会社製の動
的粘弾性試験機SR200型を用いて、前述の方法にて
G´及びtanδの値を測定した。実施例で用いた樹脂
の融点、MI及び230℃における樹脂の動的粘弾性測
定から求めた前記式(3)におけるα、βの値及びωが
0.1〜1(rad/sec.)におけるtanδの値は、それ
ぞれ、融点=158℃、MI=3 (g/10分) 、α=0.
81、β=4.17、tanδ=2.17(ω=0.1
の時)〜1.48(ω=1の時)であった。
【0054】また、全実施例で使用した基材樹脂の23
0℃における線形領域内での動的粘弾性測定によって求
められる角周波数:ω(rad/sec.)に対する、貯蔵弾性
率:G´(dyn/cm2 ) 及びtanδの関係を図6に示
す。尚、図6において、○はlogG´を、●はlog
tanδを示す。
【0055】上記実施例及び比較例によって得られたネ
ットを、金型を用いて加熱成形し、略半球状の収納部を
4箇所に有するネットトレーを得た。得られたネットト
レーの特性を表2に示す。尚、実施例A、B、Cに示す
ネットトレーは、実施例1のネットを成形したものであ
る。実施例D、E、Fのネットトレーは、実施例2のネ
ットを成形したものである。実施例G、H、I、Jのネ
ットトレーは、実施例3のネットを成形したものであ
る。比較例Aのネットトレーは、比較例1のネットを成
形したものである。
【0056】
【表2】
【0057】上記したネット及びネットトレーの各特性
値は次のようにして測定した。 〔細条の垂直断面の平均断面積〕 (1)ネット 図7に示すように、ネットの押出方向(図中、矢印c方
向)と直交する方向に設けた線分と細条との交点を仮の
測定点(図中、白丸で示す)として、各仮の測定点に最
も近い、細条の、隣接する2つの交差部の中間位置を実
際の測定位置(図中、黒丸で示す)とした。上記実際の
測定位置において細条をその進行方向に対して垂直な方
向に切断して、その断面積をそれぞれ測定し、その平均
値を算出した。尚、図7において細条2は線として表し
ている。切断に当たっては、まず切断部付近を適当な切
断手段で切断し、次いでミクロトームを用いて切断端面
が変形しないように切断する。 (2)ネットトレーの収納部 図8(a)、(b)に示すように、ネットトレーの収納
部を、ネットの押出方向(図中、矢印c方向)を前後方
向として、収納部の2分の1の深さにおける全周位置を
仮の測定点とし、その位置の全ての細条につき、各仮の
測定点に最も近い、隣接する2つの交差部の中間位置を
実際の測定位置として細条の進行方向に対して垂直な断
面が得られるように切断し、図8(c)に示すような形
状として得られた切断断面(図中、斜線で示す切断部端
面)の断面積を測定した。そして、上記測定値の平均値
を算出した。切断に当っては、予め収納部を展開して平
面状にした後、上記と同様の方法によって切断すること
ができる。
【0058】〔ネットの開孔率〕ネットに対して垂直な
方向から観察した時の、網目状に構成された細条間の空
間部分(開孔部)の投影面積を、10cm×10cmの
範囲で測定し、該範囲内の投影面積で除した値を百分率
で表してそのネットの開孔率とした。
【0059】〔引張強度〕 (1)ネット 押出方向について長さ110mm、幅40mmの短冊状
の試験片を作成し、万能試験機を用いて試験速度500
mm/min、チャック間距離50mmの条件で、JI
S K 6767 A法に準拠して引張破断試験を行な
い、試験片の破断時の強度を以て引張強度とした。但
し、試験片の断面積として、試験片の長さ方向中央部の
細条の交差部と交差部との中間位置における厚み方向の
径を試験片幅方向に3点測定した平均値を試験片厚さと
し、これに試験片幅(=40mm)を乗じた値を用い
た。試料数は5点とし、全試料についての測定値を平均
した。 (2)ネットトレーの収納部 収納部底面の中央が試験片の中央部に位置するようにし
た他は、ネットと同様にして引張強度を測定し、その平
均値を得た。試料数は5点であり、全試料についての測
定値を平均した。
【0060】〔ネットトレーの収納部の展開倍率〕ネッ
トトレーの収納部を切り開いて平面状に展開し、収納部
外面側から収納部の展開面積を測定した。切断部分につ
いては、図9に示すように、隣合う細条2の切断端部同
士を結んだ線分7より内側の範囲を展開面積に含むもの
とした。求められた収納部の展開面積を、収納部の開口
部の面積で除して得られた値を以てネットトレーの収納
部の展開倍率とした。
【0061】〔ネットトレーの収納部の容積〕ネットト
レーの収納部内にポリエチレンフィルムを密着させた
後、収納部内に水をあふれるまで注ぎ、その時の収納部
内の水の体積を以て収納部の容積とした。
【0062】〔a値〕ネットトレーの収納部の展開倍率
(X)を横軸とし、ネットトレーを構成するネットの収
納部相当箇所における細条の垂直断面の平均断面積の、
熱成形前後の比(Y)を縦軸としたx,y座標にプロッ
トし、それぞれの点と熱成形前のネットを示す(1,
1)点(熱成形前のネットはX=1,Y=1である)と
を結んだ直線の傾きを以てa値とした。
【0063】〔緩衝性の評価〕実施例及び比較例に示す
ネットトレーについて、実施例A、B、D〜Fについて
はトマトを、実施例C、G〜J、比較例Aについてはメ
ロンを、それぞれ収納部に収納して段ボール箱にて包装
し、トラックによる運送テストを行なった。テスト後の
トマト及びメロンの表面状態を観察し、以下の基準で緩
衝性を評価した。 ○・・・衝撃による傷みが認められない。 ×・・・衝撃による傷みが認められるものがある。
【0064】
【発明の効果】本発明の成形用無架橋ポリプロピレン系
樹脂発泡体製ネットは以上のように構成されているの
で、金型を用いた成形後も細条間の空間が適当な大きさ
であると共に細条の太さも適当な太さであり、また硬さ
も適当であり、充分な緩衝性を有すると共に耐久性に優
れるものである。上記した本発明のネットを用いれば、
被包装物を収納するための複数の収納部を有するトレー
を、容易且つ確実に得ることができる。
【0065】本発明のネットを熱成形して、被包装物を
収納する収納部を有する緩衝用トレーとした場合、該ト
レーによれば、被包装物を傷付けることなくまた細条の
跡を付けることもなく、良好な状態で運搬することがで
きる。また、適当な隙間を有するので、被包装物の外観
がトレーの外側から観察でき、そのため、万一被包装物
に損傷があった場合も事前に発見して適当な対処が行な
える。更に、収納部内に結露した場合でも上記隙間から
水分が速やかに排出され、被包装物を水分で傷めること
がない等、種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
体製ネットの一例を示す一部切欠斜視図である。
【図2】本発明方法において用い得る無架橋ポリプロピ
レン系樹脂の動的粘弾性の一例を示し、230℃におけ
る線形領域内での動的粘弾性測定によって得られる角周
波数:ωに対応した貯蔵弾性率:G´を、logωを横
軸とし、logG´を縦軸とする座標にプロットした直
線である。
【図3】本発明無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネ
ットトレーの一例を示す概略斜視図である。
【図4】図3のネットトレーのA−A線切断端面図であ
る。
【図5】ネットトレーの好ましい構成態様を示すグラフ
である。
【図6】本発明の実施例で用いた無架橋ポリプロピレン
系樹脂の角周波数:ωの対数値を横軸にとり、ωに対応
したG´の対数値及びtanδの対数値を縦軸にとって
プロットしたグラフである。
【図7】ネットの細条の垂直断面の断面積の測定方法の
一例について説明するための説明図である。
【図8】ネットトレーの収納部における細条の垂直断面
の断面積の測定方法の一例について説明するための説明
図である。
【図9】ネットトレーの収納部展開面積の定義について
説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット 2 細条 4 無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー 5 収納部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 室井 崇 栃木県宇都宮市陽西町1−73

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体から
    なる多数の細条が相互に交差し、その交差部が互いに融
    着してなる網目状に構成された成形用無架橋ポリプロピ
    レン系樹脂発泡体製ネットであって、該ネットの開孔率
    が10〜60%であると共に、該ネットを構成する細条
    の平均密度が0.022〜0.10g/cm3 、垂直断
    面の平均断面積が7〜180mm2 であることを特徴と
    する成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネッ
    ト。
  2. 【請求項2】 収納部を有するネットトレーであって、
    請求項1記載の成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡
    体製ネットを熱成形して構成したことを特徴とする無架
    橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー。
  3. 【請求項3】 ネットトレーの収納部において、開口部
    面積に対する展開面積の比をXとし、細条の垂直断面の
    平均断面積の熱成形前後の比をYとした時、1<X≦
    2.2であり且つ0.5≦Y<1.0であると共に、X
    とYとの関係を下記条件式(1)で表した時、少なくと
    も上記XとYとの範囲内において、0<a≦0.6であ
    る関係を満足することを特徴とする請求項2記載の無架
    橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー。 【数1】 Y=−a・X+1+a ・・・・・・・(1)
JP28167796A 1996-10-03 1996-10-03 成形用無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネット及び無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡体製ネットトレー Pending JPH10109365A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014019812A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Furukawa Electric Co Ltd:The ポリプロピレン系樹脂発泡シート、その製造方法および仕切板
JP2020070355A (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 三井化学株式会社 三次元造形用樹脂材料、及びその製造方法

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JP2014019812A (ja) * 2012-07-19 2014-02-03 Furukawa Electric Co Ltd:The ポリプロピレン系樹脂発泡シート、その製造方法および仕切板
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