JP3347920B2 - ポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体及びその製造方法 - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体及びその製造方法

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JP3347920B2 JP19451195A JP19451195A JP3347920B2 JP 3347920 B2 JP3347920 B2 JP 3347920B2 JP 19451195 A JP19451195 A JP 19451195A JP 19451195 A JP19451195 A JP 19451195A JP 3347920 B2 JP3347920 B2 JP 3347920B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリプロピレン系樹
板状押出発泡体及びその製造方法に関する。この押出
発泡体は各種形状に切断加工して緩衝包装材や浮材さら
には断熱材等の分野に利用される。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂の高密度板状押出
発泡体は、例えば特開平4−363227号公報に記さ
れていて公知である。この公報によると、ポリプロピレ
ン系樹脂に揮発性発泡剤を含んでなる発泡性組成物を高
温高圧下で混練後調温し押出用ダイから低温低圧下の領
域に押出し発泡させ押出発泡体を得る製造方法の記載が
ある。この発泡体の基材樹脂に、230℃におけるメル
トテンションが7gf以上のポリプロピレン系樹脂を用
いれば、密度が0.018g/cm3以上0.18g/
cm3以下で肉厚が10〜100mmの表面凹凸のない
表面状態の良好な独立気泡の均質な押出発泡体が得られ
る旨の記載がある。
【0003】一方、ポリプロピレン系樹脂板状押出発泡
体で、密度が0.03g/cm3以上0.18g/cm3
以下で肉厚10mm以上の高密度のポリプロピレン系樹
脂押出発泡体は、主に20〜200kg程度の重量の被
緩衝物、例えばディスクトップ型パソコンやコピー機等
のOA機器、大型テレビや冷蔵庫等の家電製品、エンジ
ンブロックやプロペラシャフト等の自動車部品等の緩衝
材として使用されている。
【0004】発泡体は、緩衝設計と言われる手法を用い
緩衝材として使用さる。緩衝設計の手順は、先ず、発
泡体の緩衝性能を示す最大加速度と静的応力の関係を示
す動的衝撃特性曲線をJIS Z0235「包装用緩衝
材料の動的圧縮試験方法」に準じ作成し、続いて、得ら
れた動的衝撃特性曲線を用い、発泡体の被緩衝物支持面
で発生する静的応力を同曲線上で被緩衝物の許容加速度
以下の最大加速度を示す値となる様に決定する手順で行
われる。
【0005】通常、この緩衝設計手法で緩衝設計を行え
ば期待した緩衝性能が確実に得られ被緩衝物である商品
にトラブルが発生することはないと言われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平4−363227号公報で使用される樹脂で製造さ
れる密度0.03g/cm3以上0.18g/cm3以下
のポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体を用い、上述し
た緩衝設計手法で設計した緩衝材を、上記家電製品等の
緩衝材として使用した場合、輸送後の製品に品質異常
(電気回路の故障、樹脂製ハウジングのひび割れ等)が
生じる確立が高いと言う大きな問題点がある。
【0007】一般的に上記大型家電製品等では、故障や
破損が発生しない最大加速度は100G以下であると言
われており、通常その最大加速度に対し約10%程度低
い最大加速度(約90G)になる様に緩衝設計が行われ
ている。しかし、上述の様な品質異常が生じてしまうの
は、従来の高密度ポリプロピレン系樹脂押出発泡体で
は、通常の緩衝設計手法での安全率を上回り100Gを
超える最大加速度を時として発生させている可能性が高
いと考えられる。
【0008】本発明の目的は、密度が0.03g/cm
3以上0.18g/cm3以下、肉厚10mm以上、独立
気泡性に富むポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体にあ
って、緩衝設計が容易であり使用中の緩衝性能の急激な
低下がなく(緩衝性能の保持性のある)、且つ、外観品
位に優れたポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体、及
び、上記発泡体が得られる製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の板状押出発泡体
としての構成は、ポリプロピレン系樹脂の2軸伸長歪
0.2に於ける2軸伸長粘度が3×106poise以
上、2軸歪硬化率αが0.25以上[但し、2軸歪硬化
率は、次式:α=0.77×(logη2−logη1
(式中、η1は2軸伸長歪0.01の時の2軸伸長粘度
を示し、η2は2軸伸長歪0.2の時の2軸伸長粘度を
示す)で定義される]であり、上記板状押出発泡体の密
度が0.03g/cm3以上0.18g/cm3以下、肉
厚10mm以上、独立気泡率が60%以上のものであ
り、且つ、動的圧縮試験後の独立気泡低下値〔動的圧縮
試験前の独立気泡率−動的圧縮試験後の独立気泡率〕が
45%以下であることを特徴とする。
【0010】又、本発明の押出発泡体の製造方法として
の構成は、ポリプロピレン系樹脂に揮発性発泡剤を含ん
でなる発泡性組成物を高温高圧下で混練後調温し押出用
ダイから低温低圧下の領域に押出し発泡させ、押出発泡
体を製造する方法に於いて、上記ポリプロピレン系樹脂
は2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が4.5×1
6poise以上、2軸歪硬化率αが0.30以上
[但し、2軸歪硬化率は、次式: α=0.77×
(logη2−logη1) (式中、η1は2軸伸長歪0.01の時の2軸伸長粘度
を示し、η2は2軸伸長歪0.2の時の2軸伸長粘度を
示す)で定義される]であり、上記押出用ダイのスリッ
ト部での押出せん断速度γは600sec -1以上150
0sec -1以下[但し、せん断速度γは次式:γ=6×
Q/(W×T2) (式中、Qは発泡性組成物の体積流量(cc/se
c)、Tは押出用ダイスリット部の間隔(cm)、Wは
押出用ダイスリット部の幅(cm)を示す。)]とする
ことを特徴とする。以下本発明の内容を説明の都合上製
造方法から詳述する。
【0011】本発明の製造方法上での従来技術との相違
点は、 1)特殊な粘弾性特性「2軸伸長歪0.2に於ける2軸
伸長粘度が、4.5×106poise以上、2軸伸長
歪硬化率が0.30以上」を有するポリプロピレン系樹
脂を用いること、 2)押出スリット部での押出せん断速度を600sec
-1以上1500sec -1以下で押出すこと、の上記1)
2)の組み合わせである。
【0012】図1、図2を用いて、上記1)2)の要件
の役割について述べる。図1はポリプロピレン系樹脂の
粘弾性特性値である「2軸伸長歪硬化率」と「2軸伸長
粘度」の関係を示している。図1の縦軸は「2軸伸長歪
0.2に於ける2軸伸長粘度」を、横軸は「2軸伸長歪
硬化率」を夫々目盛っている。図1中、本発明に用いる
樹脂(樹脂1〜樹脂5)は○印で、従前のポリプロピレ
ン系樹脂(樹脂6)は☆印で、前記特開平4−3632
27号公報等で示される改良ポリプロピレン系樹脂(樹
脂7、及び樹脂8)は△印で各々プロットし示してい
る。
【0013】図2は、図1に示した樹脂の押出発泡適性
を示す実験図である。図2の縦軸はダイ近傍の実測の流
動圧力値(ダイ圧力)を、横軸は押出せん断速度値を目
盛っている。また図中の各線は、図1に示す各樹脂の
「ダイ圧力」と「押出せん断速度値」の実測値をプロッ
トし、そのプロットを線で結んで描いた関係グラフであ
る。図2中の○印は本発明に用いる樹脂(樹脂1〜樹脂
5)を示し、☆印は従来のポリプロピレン系樹脂(樹脂
6)を示し、△印は前記特開平4363227号公報
等で示される改良ポリプロピレン系樹脂(樹脂7、及び
樹脂8)を示している。○☆△印共通で「黒塗り」記号
は「ダイ内発泡」が発生したことを現し、発泡直後に押
出発泡体に波型の屈曲変形が生じ、更に、独立気泡率が
60%未満で、正常な押出発泡体が得られなかったこと
を示し、「半黒塗り」記号はせん断速度が高い為樹脂の
配向が押出方向に強く、且つ、押出方向の気泡径が他方
向に比べ大きく気泡が偏平化した発泡体であることを示
している。この種の発泡体は、押出方向の圧縮応力が他
方向に比べ非常に高く、発泡体の使用方向によって緩衝
性能が大きく異なり上記緩衝設計が非常に難しいという
欠点を有している。「白ぬき」記号は得られた押出発泡
体の独立気泡率が60%以上で、更に、上記緩衝性能の
異方性の少ない、良好な厚板状押出発泡体であったこと
を示している。
【0014】図2の結果によると、本発明に用いる樹脂
は、従来樹脂や改良樹脂の場合に比べて「ダイ内発泡」
を抑制するのに必要とする「押出せん断速度」領域を著
しく低くできることを示している。即ち、ダイ圧を例え
ば30〜150(kg/cm2)に保つ上では、従前樹
脂や改良樹脂ではそのせん断速度値が約2000〜80
00sec -1の範囲になるのに対し、本発明に用いる樹
脂では約600〜1500sec -1の範囲に留まること
になる。
【0015】この差異が発現する因子を図1に求める
と、本発明に用いる樹脂(○印)は従前樹脂や改良樹脂
(☆印や△印)に比べ、「2軸伸長歪硬化率」と「2軸
伸長粘度」のいずれもが高い関係位置にあることがわか
る。即ち本発明に用いる樹脂は、「2軸伸長歪0.2に
於ける2軸伸長粘度が4.5×106poise以上で
あり、且つ2軸伸長歪硬化率が0.30以上」の双方を
満たすものとして、従前樹脂や改良樹脂のそれと明確に
層別できることになる。
【0016】図2に示されるダイ圧を高める効果は、主
に要件1)の内の「2軸伸長粘度」がもたらす作用と考
えられる。即ち押出発泡ダイで発生する流動圧力はダイ
のテーパ部での伸長流動による圧力の高まりとダイ内で
のせん断流動による圧力の高まりの和として考えられ
る。一方本発明で言う「2軸伸長粘度」は、樹脂の分子
鎖同士の絡み合いの生成により発現し、絡み合い易さや
絡みの強さは分子鎖の形態に強く依存すると考えられ
る。この絡みの要素はダイのテーパ部での伸長流動によ
り伸長粘度を大幅に上昇させ圧力の高まりに大きく作用
するものである。この流動特性の相違は、従来の例えば
単なるMFRの大小やメルトテンション値の大小関係で
は論じられない内容のもので、本発明者等の研究、即ち
押出時の系内の流動圧力の高まりは、押出用ダイ内部で
の樹脂の伸長流動を考慮に入れる必要があると考えて
「2軸伸長粘度」に着目した研究によって、ようやくこ
の差別化を可能にしたものである。
【0017】更に図2は次のことを示している。即ち、
本発明に用いる樹脂の場合にあってもダイ内発泡の抑制
と緩衝性能の異方性の改良とを両立させたい観点から
は、その押出時のせん断速度には適正範囲(図中の白ぬ
き○印の範囲)があることがわかる。即ち、せん断速度
値600sec -1以上1500sec -1以下の範囲の必
要性である。具体的にはせん断速度値600sec -1
満ではダイ内発泡の発生により波型の屈曲変形がない独
立気泡率が60%以上の押出発泡体は得られず、せん断
速度値が1500sec -1を越えると緩衝性能の異方性
が少ない押出発泡体が得られないことになる。
【0018】よって図1、図2の内容は、本発明の目的
とする押出発泡体は本発明で言う特定の粘弾特性の樹脂
と適正せん断速度領域で押出発泡することの組み合わせ
によってはじめて可能になることを示すものである。尚
この際、図2中の適正せん断速度領域で良質の押出発泡
体が得られる(図中の白ぬき○印の部分)ところの作用
効果は、要件1)の内の主として「2軸伸長歪硬化率」
がもたらす作用と考えられる。
【0019】即ち、押出発泡体の独立気泡率の低下は気
泡形成の過程において気泡膜が均一に2軸方向に伸長せ
ずに局部的に薄膜化した部分が更に伸長して破泡してし
まうことによる。これに対し本発明で言う「2軸伸長歪
硬化率」は、技術的には気泡膜になる溶融状態の樹脂が
強靭であることを意味する。又、気泡膜の伸長時に膜に
厚薄が生じた際も、気泡膜が薄い部分では歪硬化により
高い伸長粘度を発現して一段と薄化することを抑え、伸
長粘度の低い未伸長の気泡膜部分での伸長を促進させ膜
全体の膜厚みの均質化を図り、気泡の冷却固化が完了す
るまでの過程での気泡膜の破膜を防止する役割を果た
す。したがって、「2軸伸長歪硬化率」の大きい樹脂で
形成される気泡膜は膜厚が非常に均質なものとなる。
【0020】上記の作用によって、押出発泡体の独立気
泡率が60%以上に向上するだけでなく、気泡の膜厚が
均一で、押出発泡体を圧縮した場合でも気泡膜の一部に
応力が集中せず、気泡膜が破れ難い効果を有している。
上述した諸効果をより完全なものにしたい観点からは、
押出発泡体の製造に用いる樹脂は、2軸伸長歪0.2に
於ける2軸伸長粘度が、6.0×106poise以上
15.0×106poise以下、2軸伸長歪硬化率が
0.40以上0.60以下のものを選ぶのが望ましい。
この際に得られる押出発泡体を構成する樹脂では2軸伸
長歪0.2に於ける2軸伸長粘度は、4.0×106
oise以上10.0×106poise以下、2軸伸
長歪硬化率が0.35以上0.55以下の値となる。
【0021】本発明の板状押出発泡体の製造に使用され
る、GPC法により測定されるZ平均分子量MZが8×
106以上、特に8×106〜40×106以上、且つ、
Z平均分子量MZと重量平均分子量MWの比であるMZ
Wが10以上、特に10〜50(押出発泡体を構成す
る樹脂では、GPC法により測定されるMZが2×106
以上、特に2〜20(×106)、且つ、MZ/MWが5
以上、特に5〜25)であるポリプロピレン系樹脂であ
る場合が望ましい。この場合のZ平均分子量MZは、樹
脂の高分子量成分の平均分子量への寄与を重視したもの
であり、重量平均分子量MWはZ平均分子量MZに比べ低
分子量成分の平均分子量への寄与を重視したものであ
る。つまり、従来の樹脂である高粘度ポリプロピレン系
樹脂等では、分子量1.0×107以上の超高分子量成
分を多く含むことはないので、Z平均分子量MZが8×
106以上であるものは存在しない筈である。この超高
分子量成分の存在は、従来の樹脂にない幾つかの利点を
有している。まず第一に超高分子量成分同士の絡み合い
易さによる高い「2軸伸長歪硬化率」の発現、第二に
「2軸伸長粘度」の発現である。
【0022】又、Z平均分子量MZと重量平均分子量MW
の比であるMZ/MWは、分子量分布の広さを示すが、従
来の樹脂ではMZ/MWが10以上のものの存在は知られ
ていない。このMZ/MWの値が高いと言うことは、前記
超高分子量成分の存在に加えて低分子量成分も多く含む
ことを示しており、この低分子量成分の存在によって高
分子量成分が多い割にはせん断粘度が高まらないので、
押出発泡に使用する押出機の負荷を低く抑えることがで
きる利点を有している。
【0023】しかしながら現状の解析技術では、樹脂の
中の超高分子量成分の存在を正確に定量表現することは
難しく、むしろ樹脂の持つ溶融粘弾性の特性値で表現す
ることの方が正確であると言われている。本発明の樹脂
の構成要件が、先ずはその粘弾性の特性値出表現して有
るのは上述した技術的背景が存在する理由による。本発
明に用いる樹脂は、その骨格が線状ポリプロピレン系樹
脂であることが望ましい。その理由は、まず従来の[主
要成分の大部分は線状であるが高分子量成分は高度に枝
分かれしている]ポリプロピレン系樹脂に比べ、押出機
で溶融混練された後の「2軸伸長粘度」及び「2軸伸長
歪硬化率」の低下が少ないので、一旦溶融混練された後
の樹脂の特性が重要になる発泡体に使用される樹脂とし
ては、設定できる樹脂の限界的な特性をほとんど損なう
ことなく押出発泡体形成に利用できる理想的な樹脂とな
るからである。
【0024】樹脂骨格の線状と枝分かれの判別は、一般
的に特開平6−192460号公報に示される様に、G
PC法により測定されるデータを基に作成される分子量
分布カーブを用いて行われ、同カーブの高分子領域に
「らくだのこぶ」状のカーブの張り出しのあるものは枝
分かれ、張り出しのないものは線状の樹脂であると言う
ことができる。
【0025】更に本発明に用いる樹脂は、エチレン成分
を0.05〜8%含有していることが望ましい。その理
由は、動的圧縮試験後の独立気泡低下値の減少、即ち、
緩衝性能の保持に有効である。特に、この緩衝性能の保
持性向上に対するその効果の傾向はエチレン含有量が
0.01%で効果が生じ始め、0.05%〜4%の範囲
で顕著な効果の高まりを示し、8%程度でその効果の高
まりは緩やかとなる。
【0026】又、本発明の押出発泡体を得るための製造
装置や製造条件上で留意すべき点は、「発泡性組成物の
流動圧力」を高め「押出ダイ内発泡」を抑制する為の工
夫である。まずは本発明の押出発泡体を構成する樹脂の
最も大きな特長である前記「超高分子量成分」の押出機
内での分子鎖切断による低分子量化を抑制する為に樹脂
に添加されている熱安定剤を一般の基準量より10%程
度増量しておくこと、押出機内の樹脂温度が195℃を
超えない状態に押出機の温調に努めること、使用する押
出機の押出用スクリューは樹脂の分子鎖に掛かる応力の
小さいものを選ぶことを推奨する。更に、押出機先端に
取付られる押出用ダイのテーパの角度(θ)を、40゜
〜60゜程度に調整することが好ましく、これは「発泡
性組成物の流動圧力」を高め「押出ダイ内発泡」を抑制
する効果を一段と高めることが可能になるからである。
又、押出用ダイのテーパの角度(θ)が60゜を超える
と押出発泡時に押出発泡体に屈曲変形が生じ、特にその
変形の大きな押出発泡体では運搬、加工性等実用上大き
な問題となる。
【0027】上述のようにして得られる本発明のポリプ
ロピレン系樹脂押出発泡体は、発泡体を構成するポリプ
ロピレン系樹脂の2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘
度が3×106poise以上、2軸歪硬化率αが0.
25以上で、押出発泡体の密度が0.03g/cm3
上0.18g/cm3以下、肉厚が10mm以上、独立
気泡率が60%以上のものであり、動的圧縮試験後の独
立気泡低下値〔動的圧縮試験1回落下後の独立気泡率−
動的圧縮試験5回落下後の独立気泡率〕が45%以下で
あるという条件を兼備したものとなる。
【0028】以下、本発明の板状押出発泡体について説
明する。本発明の押出発泡体の従来技術との相違点は、
「独立気泡率が60%以上のものであり、動的圧縮試験
後の独立気泡低下値〔動的圧縮試験1回落下後の独立気
泡率−動的圧縮試験5回落下後の独立気泡率〕が45%
以下」という構成要件を有することである。この「独立
気泡率が60%以上のものであり、動的圧縮試験後の独
立気泡低下値〔動的圧縮試験1回落下後の独立気泡率−
動的圧縮試験5回落下後の独立気泡率〕が45%以下」
という要件の意味は、特定の溶融粘弾性を有するポリプ
ロピレン系樹脂を使用し、従来では不可能な低い押出せ
ん断速度領域で発泡体を製造することにより得られた発
泡体は、その気泡構造は膜質の均質な気泡で構成されて
いるので、これに大きな衝撃力が繰り返し加わる場合で
も、その気泡構造が破壊され難いものであることを示す
構造指標を意味する。
【0029】上記の相違点の役割を図3、図4を用い説
明する。図3は、PP系押出発泡体の緩衝性能(最大加
速度)と独立気泡率の関係を示す図である。図3の縦軸
は、動的圧縮試験各落下後の独立気泡率(0〜100
%)を、横軸は動的圧縮試験各落下時の測定される静的
応力(0.1kgf/cm2)での最大加速度(50〜
110G)を表す。最大加速度は、JIS Z0235
「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方法」に準じて、密度
0.06g/cm3、肉厚30mmの発泡体に60cm
の高さから加速度計を内蔵した重りを複数回落下させ、
各落下時にその加速度計で測定される最大の加速度を最
大加速度とした。図3でX1〜X6は、各々本発明の発
泡体(実施例2、実験No10)を用い上記動的圧縮試
験で重り1回〜6回落下時に測定される最大加速度を、
各落下後に測定される独立気泡率に対しプロットしたも
のであり、又、同様にY1〜Y6は、各々従来の発泡体
(参考例2、実験No28)を用い重り1〜6回落下の
データをプロットしたものである。図3で、本発明の発
泡体と従来の発泡体では2〜5回落下時に測定される最
大加速度の平均値はほぼ同じで、その値(約90G)は
破線hで示されている。図3の結果によると、PP系樹
脂押出発泡体により生じる最大加速度は、動的圧縮試験
後の発泡体の独立気泡率によって一義的に支配される関
係にあり、発泡体を構成する樹脂の溶融粘弾性特性の違
い(従来品と本発明品の違い)には無関係であることが
わかる。
【0030】JISの規定によれば、緩衝設計は使用す
る発泡体の動的圧縮試験2〜5回落下時に測定される最
大加速度の平均値を用る。例えば、100Gを超える最
大加速度が発生すると品質異常が生じる製品では、図3
に示す本発明の発泡体及び従来の発泡体の様に2〜5回
落下時に測定される最大加速度の平均値が90G(1
割:10Gの安全率を考慮して)の発泡体を使用し緩衝
設計が行われる。この様に設計すれば、製品に加わる最
大加速度は経験的に品質異常が生じる100Gを超えな
いとされている。
【0031】図3の結果より、最大加速度の平均値が同
じ発泡体であっても動的圧縮試験1〜5回落下時の最大
加速度の変化が異なることがわかる。例えば従来の発泡
体では、動的圧縮試験1〜5回落下時の最大加速度の変
化は44Gと大きく、動的圧縮試験5回落下時(Y5)
に測定される最大加速度が100Gを超えてしまい、通
常の緩衝設計手法が適用できないことがわかる。一方、
図3で本発明の発泡体では、動的圧縮試験1〜5回落下
時の最大加速度の変化は31Gと従来の発泡体に比べ小
さく、動的圧縮試験5回落下時(X5)に測定される最
大加速度は96Gであることがわかる。従って、通常の
緩衝設計手法を適用する為には、少なくとも本発明の発
泡体の様に、動的圧縮試験1〜5回落下時の最大加速度
が100Gを超えないことを考慮すれば、その変化は3
5G以下であることが必要であることがわかる。図3で
示される最大加速度と独立気泡率の関係から、35G以
下の最大加速度の変化は、動的圧縮試験後の独立気泡低
下値〔動的圧縮試験1回落下後の独立気泡率−動的圧縮
試験5回落下後の独立気泡率〕では45%以下に相当す
る。従って、本発明の「動的圧縮試験後の独立気泡低下
値が45%以下」と言う要件は、動的圧縮試験1〜5回
落下時の最大加速度の変化が35G以下であることを意
味している。
【0032】次に、図4は動的圧縮試験の重り落下回数
の増加に伴う最大加速度の変化を示す実験図である。即
ち、図4は本発明の発泡体の独立気泡率の適性範囲を示
す図である。図4の縦軸は、静的応力(0.1kgf/
cm2)で測定される最大加速度(0〜130G)を、
横軸は動的圧縮試験の重り落下回数を(1〜6回)を表
す。図4の曲線a、b,cはそれぞれ本発明の発泡体
[実施例3、実験No6(発泡体製造時の独立気泡率6
3%)]、[実施例3、実験No5(発泡体製造時の独
立気泡率84%))、比較の発泡体[比較例2、実験N
o16(発泡体製造時の独立気泡率56%)]を用い測
定されたデータである。図4の結果によると、aの本発
明の発泡体(独立気泡率63%)は動的圧縮試験1〜5
回落下時の最大加速度の変化(最大加速度低下値D)が
32Gであり、一方、cの比較発泡体(動的圧縮試験前
の独立気泡率56%)は、動的圧縮試験1〜5回落下時
の最大加速度の変化が35Gを超え42Gに達してしま
うことがわかる。従って、動的圧縮試験1〜5回落下時
の最大加速度の変化を35G以下に止める為には、前記
要件に加え、(発泡体製造時の)独立気泡率60%以上
と言う要件が必要であることがわかる。
【0033】上述した様に、本発明の発泡体が従来の発
泡体に比べ緩衝性能の低下率が低い理由は、特殊な溶融
粘弾性を有する樹脂を用い、且つ、特定の製造条件を用
いることにより、押出用ダイ内での樹脂の配向及び気泡
形状の偏平化が抑制されて気泡膜の脆さが改良され、更
に、気泡の膜厚が非常に均一で、発泡体に応力が掛かっ
た場合でも気泡膜の一部に応力が集中しない、非常に強
靭な気泡膜が形成されていることによると考えられる。
【0034】又、発泡体製造時の独立気泡率の違いによ
って緩衝性能の低下率に差が生じる理由は、気泡膜の膜
厚の均一性がある独立気泡率を境に急激に変化する為に
生じると考えられる。図4から動的圧縮試験1〜5回落
下時の最大加速度の変化が25G以下で、緩衝性能の変
化が非常に少なく、緩衝材として過酷な衝撃力が繰り返
し発生する条件下でも使用可能で、更に、最大加速度が
一段と低い発泡体を得たい場合は(発泡体製造時の)独
立気泡率が80%以上と言う要件を満たす発泡体が好ま
しく使用される。本発明の押出発泡体の密度を0.03
g/cm3以上0.18g/cm3以下と規定している意
味は、本発明の目的対象分野、即ち20〜200kg程
度の大型のOA機器や家電製品等の緩衝材として使用さ
れる発泡体であることを示す技術区分要件である。
【0035】又、上記要件を満たしたものでも肉厚が1
0mm未満の板状押出発泡体では、通常最も良く緩衝設
計に用いられる静的応力(0.1kgf/cm2)で動
的圧縮試験を行い重りを5回落下させた場合、被緩衝材
である製品が地面に直接接触すし200G以上の異常に
高い最大加速度が発生し、被緩衝物である製品が非常に
高い確率で破壊してしまう。従って、本発明の目的対象
分野の緩衝材として使用される本発明の発泡体では10
mm以上の肉厚が必要である。又、本発明の発泡体にお
いて、上記静的応力下で5回落下時の最大加速度を12
0G以下にしたい場合は、肉厚20mm以上の発泡体が
好ましく使用される。更に、本発明の板状押出発泡体で
は、最大100mm程度の肉厚の発泡体の製造に成功し
ている。
【0036】本発明の押出発泡体は、例えば直径1〜2
0mmの複数の押出発泡細条の相互が融着し一体化され
た押出発泡細条集束体であっても良い。この押出発泡細
条集束体は本発明で示す樹脂に押出機内で揮発性発泡剤
を注入して発泡性組成物とし、高温高圧下で混練後調温
し、本発明の押出条件で複数個の押出孔を有する押出用
ダイから低温低圧下の領域に細条に押出し発泡させ、そ
の押出発泡細条を成形装置内に導入集束させる方法で製
造できる。得られる押出発泡細条集束体は、その密度、
肉厚、独立気泡率、独立気泡低下値が全て満たされるこ
とになるので、緩衝材として十分な性能を有し、通常の
板状の発泡体と何等遜色はない。
【0037】本発明の押出発泡体を構成するポリプロピ
レン系樹脂の製造は、例えば移動固定床を有する重合槽
を用いたチーグラー・ナッタ触媒による2段階重合法に
より行われる。この際の製造条件として重要なことは、
触媒として下記の式(1)で表されるチタン含有化合物
と下記の式(2)で表されるエステルを振動ボールミル
中で磨砕加速度45〜55m・sec -2で混合磨砕さる
ことにより得られるチタン含有固体構成分と、アルミニ
ウム構成分を含有するチーグラー・ナッタ触媒を用いる
こと、又、分子量制御剤として水素を使用すること、次
に重合条件として、先ず第1重合段階で重合圧力を30
〜40kg/cm2、重合温度を100〜120℃、反
応混合物平均滞留時間を1〜3時間とし粘度(MF
1)が1〜14g/10分のポリプロピレン系樹脂を
重合し、続いて、第2重合段階では、分子量制御剤であ
る水素を除去、具体的には水素を0.005モル%以下
にした状態で、重合圧力10〜20kgf/cm2、重
合温度40〜50℃、反応混合物平均滞留時間3〜5時
間の条件下で全重合量に対する第2重合段階の重合量を
10〜20wt%とし第1重合段階での粘度(MF
1)に対し1/4〜1/6値の最終粘度(MFR2)の
ポリプロピレン系樹脂にすることである。
【0038】特に、第2重合段階の重合量を10〜20
wt%とすることは、この製法では上記分子量、分子量
分布、及び、それに伴う粘弾性特性の発現には重要であ
る。ポリプロピレン系樹脂にエチレン等のプロピレン以
外のオレフィン系樹脂を含有させる場合は、第2重合段
階で上記オレフィン系ガスを添加し重合を行う方法を用
いることが出来る。この場合分子量制御剤である水素濃
度を0.005モル%以下と非常に低い濃度に下げる
為、例えばエチレンガスを多量に添加すると重合される
樹脂の分子量が過度に高まりゲル成分が多量に生成し連
続した重合を行うことが出来なくなることを確認してい
る。従って、この様な樹脂の製造方法では実際にエチレ
ン含有量が8%以下のものしか製造出来ていない。
【0039】 TiCl3・nAlCl3 ・・・・(1) (式中nは、0.1〜0.4の範囲とする。) R1−O−CO−R2 ・・・・(2) (式中R1は炭素原子数1〜8のアルキル基、R2は炭素
原子数7〜14のフェニルアルキル基またはフェニル基
であり、全体の炭素原子数は18以下の化合物である。
具体的には、例えばn−吉草酸エチルエステル、フェニ
ル酪酸エチルエステルである。)ただし、上述した重合
条件は採用する重合装置、即ち例えば重合槽の形状構造
やその大きさ及び撹拌翼の形状等で幾分変わることが考
えられるので、使用する重合装置において上記の開示条
件を参考に若干の予備実験を行うことを推奨する。この
場合の管理指標は各重合段階での粘度である。
【0040】本発明の押出発泡体を構成するポリプロピ
レン系樹脂は、プロピレンホモポリマー、あるいは、プ
ロピレンと他のオレフィン系樹脂との共重合体等であ
る。前記、オレフィン系樹脂としてはエチレン、1−ブ
テン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−
ブテン、1−ヘキセン、3.4−ジメチル−1−ブテ
ン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が、特
にエチレンが好ましく使用される。
【0041】本発明の押出発泡体を構成するポリプロピ
レン系樹脂には、気泡膜固化過程において樹脂を速やか
に固化させる目的で、公知のポリプロピレン系樹脂用結
晶増核剤例えば芳香族カルボン酸のアルミニウム塩、ジ
ベンジリデンソルビトール、置換ジベンジリデンソルビ
トール、メチレンビス(2.4.−ジ−t−ブチルフェ
ノール)アシッドホスフェートナトリウム塩等を、及び
/又は、気泡の発生状態を調節する目的で例えばタル
ク、酸化珪素のような無機粉末、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウムのような有機質微粉末、更にクエ
ン酸、炭酸水素ナトリウムのような加熱により分解しガ
スを発生する微粉末など気泡核剤を、必要に応じて添加
してもよい。その他例えば、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、帯電防止剤、着色剤等の公知の添加剤の必要量を添
加してもよいことは従来の押出発泡束体を構成する樹脂
と変わりはない。
【0042】本発明のポリプロピレン系樹脂板状押出発
泡体の特徴づけに用いられる種々のパラメーター及び諸
物性の測定方法を次に列挙する。物性測定の対象物が発
泡体の場合には、押出発泡体製造後40℃に於いてエー
ジングを連続して行い、或る30日の連続したエージン
グ期間中の発泡体の体積変化率が1%以下になった状態
の発泡体を用いた。 (1)2軸伸長粘度及び2軸歪硬化率α 潤滑スクイーズ法2軸伸長粘度測定装置、具体的には例
えば、岩本製作所製の液体2軸伸張測定装置BE−10
0型を用いて測定される。基本的な測定条件は、使用す
るサンプルには、押出発泡体の製造に使用される樹脂、
叉は、押出発泡体を用い予め直径16±1mm、厚さ
6.5±0.5mmの円柱状に脱泡成形した状態にして
用いること、サンプル及び測定用プレート間に介在させ
る潤滑剤にはシリコンオイル〔信越化学工業(株)、K
F968−100CS〕を用い、測定は昇温させたプレ
ート温度が200±1℃に安定した後、2軸伸長歪速度
0.01sec-1の条件下で行なうことである。そして
得られた測定値の内の2軸伸長歪み0.2の時の2軸伸
長粘度η2を、本発明で言う「2軸伸長粘度」とする。
一方「2軸歪硬化率α」は、上記の2軸伸長歪が0.0
1の時の2軸伸長粘度η1と、2軸伸長歪が0.2の時
の2軸伸長粘度η2との、2点間の2軸伸長歪に対する
2軸伸長粘度の変化率αであり、下記の(3)式で計算
する。 α=0.77×log(η2−η1)・・・・(3)
【0043】(2)MZ及びMZ/MW: Z平均分子量MZ及び重量平均分子量MWは、高温ゲル浸
透クロマトグラフィ(GPC)により測定される。測定
には、WATERS製150C GPCクロマトグラフ
ィを用い、担体溶媒として1.2.4−トリクロロベン
ゼン、カラムとして昭和電工(株)製shodexAT
−80M/Sを使用する。測定は、溶液温度140℃、
溶液濃度0.2%(w/v)、溶媒流速1ml/分の条
件下で行なう。
【0044】(3)MFR MFRはJIS K7210に準じ試験温度230℃、
試験荷重2.16kgfで測定されるメルトフローレイ
トの値である。 (4)メルトテンション メルトテンションは、特開平4−363227号公報に
示されている方法に準じ東洋精機製のキャピログラフ1
Cを用い測定される。測定の基本条件としては、直径
2.095mm,長さ8.0mmのキャピラリーを用
い、先ず230℃に温度調整されたバレルにパウダー、
叉は、ペレット状の樹脂をスウェル値Sの測定時と同じ
方法でバレルに詰め、その後ピストンに荷重をかけピス
トンを10mm/分の一定速度で下降させ、押出された
紐状樹脂を張力検出プーリーを通過させて送りロールに
巻き取る。この巻き取り速度を上げながら紐状樹脂の張
力を測定し巻き取り速度78.5m/分以下で紐状樹脂
が破断しない場合は、同速度78.5m/分での張力を
メルトテンションとした。又、同速度78.5m/分未
満で紐状樹脂が破断した場合は、破断直前の張力をメル
トテンションとした。又、この測定は樹脂投入開始後、
30分以内に行った。 (5)板状押出発泡体肉厚 [測定方法]発泡体の押出方向に沿った平行な相対する
2つの面間の距離をノギスを用い測定した。 (6)最大加速度AJ(Aの添え字Jは落下回数を表す) [測定用サンプル作製] 発泡体の押出方向に沿った平行な相対する2つの面間の
距離で規定される肉厚を有する押出発泡体を、肉厚方向
に垂直な面で肉厚3mmにスライスし、上記の対向する
2つの面が、その一つの面に或るおもりを落下させた時
に、押出発泡体に0.1kgf/cm2の静的応力が発
生する様な面積を持つようにする。
【0045】[測定方法] JISZ0235「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方
法」に準じ測定された。静的応力が0.1kgf/cm
2となる様に、おもりが落下する押出発泡体面の面積、
或いは、おもりの重量を調整しながら加速度計を内蔵し
たおもりを、自由落下高さ60cmから押出発泡体面上
に1分間隔で計6回落下させ、各落下時におもりに発生
する最大の加速度を加速度計で測定し記録する。 (7)独立気泡率SJ [測定用サンプル作製] (製造時の)発泡体の独立気泡率S0測定用サンプル作
製: 押出発泡体断面中央部より一辺の長さが20mmの立方
体のサンプルを切り出し測定用サンプルとした。 動的圧縮試験各落下後の発泡体の独立気泡率SJ測定用
サンプル作製 (Sの添え字Jは落下回数を表す): 上記動的圧縮試験で重りをJ回落下させた発泡体の端部
から一辺の長さが20mmの立方体のサンプルを切り出
し測定用サンプルとした。
【0046】[測定方法] ASTM−D2856に記載されている方法に準じ東芝
・BECKMAN株式会社製空気比較式比重計930に
より測定される発泡体の真の体積の値Vxを用い次式に
より独立気泡率を計算し、N=5の平均値で求めた。 SJ=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (%) Vx:上記方法で測定される押出発泡体の真の体積=押
出発泡体を構成する樹脂の容積と、押出発泡体内の独立
気泡部分の気泡全容積との和(cm3) Va:押出発泡体の外寸より計算される、見かけ上の押
出発泡体の体積(cm3) W:押出発泡体の重量(g) ρ:押出発泡体を構成する樹脂の密度(g/cm3) (8)動的圧縮試験後の独立気泡低下値K 動的圧縮試験後の独立気泡低下値Kは、次式で計算し
た。 K=S1−S5
【0047】 [評価尺度] 尺度 緩衝設計手法の適用 下記以外 不可能 S0が60%以上且つKが45%以下 可能 (9)発泡体の屈曲値 [測定用サンプル作製] 製造された押出発泡体を押出方法に1mの長さに切り出
し、測定用サンプルとした。
【0048】[測定方法] 発泡体を平板上に置き、発泡体周辺部の発泡体底面と平
板との鉛直方向の間隔(mm)を測定し、最も大きな間
隔を発泡体の屈曲値とした。 [評価尺度] 尺度 緩衝材用途への使用 20mm以上 不可能 10mm以上20mm未満 一部可能 10mm未満 可能 (10)圧縮応力異方度 [測定用サンプル作製] 独立気泡率測定用サンプルと同じ方法で作製した。
【0049】[測定方法] JISZ0234「包装用緩衝材料の静的圧縮試験方
法」に準じ測定され、測定用サンプルを荷重速度10m
m/minで元の厚みの25%量を圧縮し、その時点で
測定される荷重V(kgf)の測定値から、応力Y(k
gf/cm2)を次式で計算する。押出発泡体圧縮面の
面積:U(cm2) Y=V/U 上記測定時、押出方向及び肉厚方向の各方向に垂直な面
に発生する応力を、それぞれ押出方向の圧縮応力Y
E(N=5の平均値),肉厚方向の圧縮応力YT(N=5
の平均値)とし、圧縮応力異方度Zを次式で計算する。 Z=YE/YT
【0050】[評価尺度] 尺度 緩衝包装材用途への使用 1.5超 不可能 1.5以下 可能 (11)発泡体密度 [測定用サンプル作製] 独立気泡率測定用サンプルと同じ方法で作製した。
【0051】[測定方法] JIS K6767に準じ測定した。
【0052】
【発明の実施の形態】(樹脂の製造) 本文記載の2段階重合法により、粘度(MFR)を管理
指標にして5種類のポリプロピレン系樹脂を製造した。
得られた樹脂は、各々樹脂1〜5の番号を付け本文記載
の測定方法で各々の特性値を測定した。その結果を上記
管理指標と共に表1に示した。又、これらの樹脂を用い
て得られる押出発泡体を構成する樹脂についての特性値
は表2に示す。又、市販の3種類のポリプロピレン系樹
脂6〜8を用意した。樹脂6は昭和電工(株)製「E1
100」、樹脂7は米国ハイモント社製「SD−63
2」、樹脂8は米国ハイモント社製「PF−815」で
ある。樹脂6〜8について、それらの特性値を測定し表
1に示した。又、これら樹脂を用いて得られる押出発泡
体を構成する樹脂についての特性値を表2に示した。
【0053】尚、表1に示されている樹脂1〜5のMF
2は、押出機を用い重合された粉体状の樹脂に各種添
加剤を練り込み作られたペレットを使用して測定値され
た値である。以下に実施例・比較例・参考例に用いる基
本的製造方法及び変更点とその方法等について述べる。
【0054】[基本的製造方法] 45mmのバレル内径を有するスクリュ−型押出機の供
給域に、樹脂を1時間当たり50kgの速度で供給し、
同時に、樹脂100重量部に対し0.01重量部の割合
で気泡核形成剤(永和化成製セルボンSC−K:商品
名)を供給した。押出機のバレル温度を190℃に調節
し、押出機の先端に設けた混合領域に揮発性発泡剤〔テ
トラフルオロエタン/塩化エチル=2/8(モル比)の
混合物〕を供給し、樹脂の溶融物、発泡剤及び気泡核形
成剤とが混合してなる発泡性組成物とした。この発泡性
組成物を、押出機の出口に接続した冷却装置で最終的に
発泡温度に冷却した後、3.6リットルの内容積を有し
発泡温度に調温されたアキュムレーター内に、発泡が生
じないアキュムレーター内圧力を保ちながら、油圧シリ
ンダーのピストンを後退させて充填した。充填完了直後
に、このアキュムレーター先端部に取り付けた押出用ダ
イの閉塞板を開き、且つ油圧シリンダーのピストンを前
進させて、押出用ダイ内の発泡性組成物を一定の押出せ
ん断速度で押出用ダイスリット部から押出し、押出し直
後に上下からロールで挟み成形を行った。
【0055】[変更点とその方法] a)発泡体密度 :使用する樹脂100重量部あたり
2.7〜13重量部の割合で発泡剤注入量を変更する方
法による。 b)押出せん断速度:押出機出口に取り付ける押出用ダ
イスリット部の形状変更(押出発泡細条集束体では押出
ダイ押出孔の形状変更)、アキュムレーター付属シリン
ダーのピストン速度の変更による発泡性組成物の体積流
量の調整、及び、これらの組合わせにより行う。
【0056】c)発泡温度 :ダイ内の発泡性組成
物温度を140〜155℃の範囲で樹脂の結晶固形物が
ダイから出ない最低の温度に設定する。
【実施例・比較例・参考例】樹脂に表1に示す樹脂番号
1〜5のものを用い各々上述した製造方法に基づいて、
発泡体密度0.06g/cm3、肉厚40mm、幅30
0mmの板状押出発泡体を作製した。この場合の各々の
押出条件は表3、4中の「押出発泡条件」項に示す。
【0057】得られた押出発泡体は本文記載の方法で密
度、肉厚、独立気泡率S0、屈曲値、圧縮応力異方度Z
を夫々測定、計算を行いその値を表5、6中の「発泡体
特性」項に示す。尚この場合の実施例は実験No1〜1
0、比較例は実験No11〜20で示す。発泡体の製造
に用いる樹脂を表1の樹脂番号6〜8に変更すること、
及び押出条件を表7中「押出発泡条件」項に示すものに
変更したことの他は上記(実施例・比較例)と同じ製造
方法を繰り返し押出発泡体を作製した。得られた押出発
泡体は本文記載の方法で密度、肉厚、独立気泡率S0
屈曲値、圧縮応力異方度Zを夫々測定、計算を行いその
値を表8中の「発泡体特性」項に示す。尚この場合の参
考例は実験No21〜30で示す。
【0058】図1は実験例で用いる「本発明に使用され
るポリプロピレン系樹脂」と従前及び改良ポリプロピレ
ン系樹脂の粘弾性特性値(「2軸伸長歪硬化率」と「2
軸伸長粘度」)の関係位置を示している。図2は実施
例、比較例及び、参考例で得られた「押出せん断速度
値」と「ダイ圧」の関係位置を示す。図2では、得られ
た発泡体が、屈曲変形の少ない、圧縮応力異方度1.5
以下、独立気泡率60%以上の良好な発泡体であった実
施例(実験No1〜No10)を「白ぬき」記号で示
し、比較例(実験No11〜No20)及び、参考例
(実験No21〜No31)の「ダイ内発泡」で大きな
屈曲変形が生じ屈曲値が20mm以上になり、独立気泡
率S0が60%未満で正常な発泡体が得られなかった場
合は「黒塗り」記号で、得られた押出発泡体の圧縮応力
異方度が1.5を超えたものであった場合は「半黒塗
り」記号で示す。
【0059】図1、図2に示す結果から「2軸伸長歪
0.2に於ける2軸伸長粘度が、4.5×106poi
se以上、2軸伸長歪硬化率が0.30以上」を有する
ポリプロピレン系樹脂を用いることで屈曲変形の少な
い、独立気泡率60%以上、圧縮応力異方度1.5以下
の良好な押出発泡体を得られることがわかる。更に、図
2の結果からダイ内発泡の抑制と押出発泡体の緩衝性能
の異方性の改良とを両立させたい観点からは、せん断速
度値600sec -1以上1500sec -1以下の範囲が
せん断速度の適正範囲であることがわかる。又、本発明
の発泡体を構成する樹脂を用いた場合でもせん断速度値
600sec -1未満では、ダイ内発泡の発生により波型
の屈曲変形のない独立気泡率が60%以上の発泡体は得
られず、せん断速度値が1500sec -1を越えると圧
縮応力異方度が1.5以下の押出発泡体が得られないこ
とがわかる。つまり本発明の目的とする押出発泡体は本
発明で言う特定の粘弾特性の樹脂と適正せん断速度領域
で押出発泡することの組み合わせによってはじめて可能
になることがわかる。
【0060】図2より又、従前樹脂、改良樹脂では屈曲
変形の少ない、独立気泡率60%以上、圧縮応力異方度
1.5以下の良好な発泡体は得られないことも明らかで
ある。図3は実施例及び参考例で得られた「最大加速
度」と「独立気泡率」の関係位置を示す。図3でX1〜
X6は実施例2の発泡体を用い動的圧縮試験で重り1回
〜6回落下時に測定されるデータで、Y1〜Y6は、参
考例2の発泡体を用い上記同様1〜6回落下時に測定さ
れるデータをプロットしたものである。又、図3で、実
施例及び参考例の発泡体は、JISで規定されている2
〜5回落下時に測定される最大加速度の平均値はほぼ同
じで、その値(約90G)は破線hで示されている。
【0061】図3より、PP系樹脂押出発泡体により生
じる最大加速度は、動的圧縮試験後の発泡体の独立気泡
率によって一義的に支配される関係にあり、発泡体を構
成する樹脂の溶融粘弾性特性の違い(参考例と実施例の
樹脂の違い)には無関係であることがわかる。又、図3
より、最大加速度の平均値が同じ発泡体であっても動的
圧縮試験1〜5回落下時の最大加速度の変化が異なるこ
とがわかる。例えば参考例2の発泡体では、動的圧縮試
験1〜5回落下時の最大加速度の変化は44Gと大き
く、動的圧縮試験5回落下時(Y5)に測定される最大
加速度が従来予想される100Gを超えてしまい、通常
の緩衝設計手法が適用できないことがわかる。一方、図
3で本発明の発泡体では、動的圧縮試験1〜5回落下時
の最大加速度の変化は31Gと従来の発泡体に比べ小さ
く、動的圧縮試験5回落下時(X5)に測定される最大
加速度は96Gであることがわかる。従って、通常の緩
衝設計手法を適用する為には、少なくとも実施例の発泡
体の様に、動的圧縮試験1〜5回落下時の最大加速度が
100Gを超えない、その変化が35G以下であること
の必要性がわかる。
【0062】図3より又、上述した最大加速度と独立気
泡率の関係から、35G以下の最大加速度の変化は、動
的圧縮試験後の独立気泡低下値〔動的圧縮試験1回落下
後の独立気泡率−動的圧縮試験5回落下後の独立気泡
率〕では45%以下に相当することがわかる。又、図3
より独立気泡低下値を45%以下にする為には、本発明
の発泡体を構成する樹脂が必要不可欠であることがわか
る。
【0063】図4は、動的圧縮試験の重り落下回数の増
加に伴う最大加速度の変化を示す実験図である。即ち、
図4は本発明の発泡体の独立気泡率の適性範囲を示す図
である。図4の縦軸は、静的応力(0.1kgf/cm
2)で測定される最大加速度(0〜130G)を、横軸
は動的圧縮試験の重り落下回数を(1〜6回)を表す。
図4の曲線a、b,cはそれぞれ実施例(実験No6
(発泡体製造時の独立気泡率63%)]、実施例(実験
No5(発泡体製造時の独立気泡率84%))、比較例
(実験No16(発泡体製造時の独立気泡率56%))
の発泡体を用い測定されたデータである。図4の結果か
ら、aの実施例の発泡体(独立気泡率63%)は動的圧
縮試験1〜5回落下時の最大加速度の変化(最大加速度
低下値D)が32Gであり、一方、cの比較例の発泡体
(動的圧縮試験前の独立気泡率56%)は、動的圧縮試
験1〜5回落下時の最大加速度の変化が35Gを超え4
2Gに達してしまうことがわかる。従って、動的圧縮試
験1〜5回落下時の最大加速度の変化を35G以下に止
める為には、本発明の押出発泡体を構成する樹脂を用
い、且つ、独立気泡率S0を60%以上とする必要があ
ることがわかる。
【0064】表11で示す一連の実験例は、本発明に用
いる樹脂にエチレン成分含有させることにより、動的圧
縮試験後の独立気泡低下値の減少、即ち、緩衝性能の保
持性が向上することを実証するものである。評価にはエ
チレン含有率の異なる(0〜8%)本発明の発泡体に用
いられる樹脂で作製された、実施例の実験No1、3、
5、7の発泡体を用いた。
【0065】表11に示す結果から本発明に用いられる
樹脂では、エチレン含有量を増加させることにより独立
気泡低下値、つまり、緩衝性能の保持性が向上し、その
傾向はエチレン含有量が0.05%〜4%の範囲で顕著
な効果の高まりを示し、8%程度でその効果の高まりは
緩やかとなることがわかる。表12で示す一連の実験例
は、本発明に用いる発泡体の肉厚範囲を実証するもので
ある。評価には本発明の発泡体に用いられる樹脂3を用
い実験No3で製造された発泡体を肉厚方向に垂直な面
で各々8、13、20mmにスライスした発泡体を使用
した。
【0066】表12に示す結果から本発明の発泡体に用
いられる樹脂を使用し、適正な押出せん断速度範囲で製
造した発泡体でも、比較例の発泡体の様に肉厚が10m
m未満の押出発泡体では、通常最も良く緩衝設計に用い
られる静的応力(0.1kgf/cm2)で動的圧縮試
験を行い重りを5回落下させた場合、被緩衝材である製
品が地面に直接接触し、200G以上の被緩衝材を破壊
させる可能性の高い異常な最大加速度を発生させること
がわかる。即ち、緩衝材として使用される本発明の発泡
体では10mm以上の肉厚が必要であることがわかる。
【0067】又、表12の肉厚20mmスライス品の結
果から、本発明の発泡体において、上記静的応力下で5
回落下時の最大加速度を120G以下にしたい場合は、
発泡体の肉厚を20mm以上にすることの必要性がわか
る。表13でで示す一連の実験例は、本発明の製造方法
により発泡体の密度0.03〜0.18g/cm3の良
好な発泡体を得ることができることを実証するものであ
る。発泡体の製造に用いる樹脂を表1に示す樹脂番号3
のものに固定すること及び押出条件を表13中「押出発
泡条件」項に示すものに変更したことの他は上記(実施
例・比較例)の最初に記したものと同じ製造方法を繰り
返し、肉厚40mm、幅300mmの板状押出発泡体を
作成した。
【0068】得られた押出発泡体は本文記載の方法で密
度、肉厚、独立気泡率S0、屈曲値、圧縮応力異方度Z
を夫々測定、計算を行いその値を表14中の「発泡体特
性」項に示す。尚この場合の実施例は実験No31〜3
3で示す。表14に示す結果から本発明の押出発泡体を
構成する樹脂を用いた場合、発泡体密度0.003g/
cm3以上0.18g/cm3以下の範囲では得られる押
出発泡体は屈曲変形の少ない、圧縮応力異方度1.5以
下、独立気泡率60%以上の良好な発泡体であることが
わかる。
【0069】表15で示す一連の実験例は、本発明の製
造方法により得られる押出発泡細条集束体は、本発明の
発泡体の密度、肉厚、独立気泡率、独立気泡低下値が全
て満たすことを実証するものである。押出発泡細条発泡
体の製造に用いる樹脂を表1に示す樹脂番号3のものに
固定すること、直径1mmの押出孔を千鳥状に配し隣接
する押出孔の中心間距離が8mmでその押出孔を肉厚方
向に5列幅方向に8列の計40個設けた押出用ダイを使
用すること、ダイから押出された押出発泡細条集束体
は、押出し直後に上下左右からロールで挟み成形を行う
こと、押出条件を表15中「押出発泡条件」項に示すも
のに変更したことの他は上記(実施例・比較例)の最初
に記したものと同じ製造方法を繰り返し、肉厚40m
m、幅65mmの押出発泡細条集束体を作製した。な
お、上記押出孔での押出せん断速度γは次式:γ=4×
Q/(π×r3) (式中、Qは押出孔1個当たりの発泡性組成物の体積流
量(cc/sec)、rは押出孔半径(cm)を示
す。)で求めた。
【0070】得られた板状押出発泡細条集束体は本文記
載の方法で密度、肉厚、独立気泡率S0、屈曲値、圧縮
応力異方度Zを夫々測定、計算を行いその値を表16中
の「発泡体特性」項に示す。尚この場合の実施例は実験
No34〜36で示す。表16に示す結果から本発明の
製造方法を用いることにより本発明の押出発泡体と同
様、良好な緩衝性能を有する板状押出発泡細条集束体が
得られることがわかる。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
【表6】
【0077】
【表7】
【0078】
【表8】
【0079】
【表9】
【0080】
【表10】
【0081】
【表11】
【0082】
【表12】
【0083】
【表13】
【0084】
【表14】
【0085】
【表15】
【0086】
【表16】
【0087】
【発明の効果】本発明は、上述の構成をもつことにより
発泡体密度が0.03g/cm3以上0.18g/cm3
以下、肉厚10mm以上、独立気泡率が60%以上、且
つ、動的圧縮試験後の独立気泡低下値が45%以下であ
るポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体及び、その製造
方法を提供することが可能となった。
【0088】上述した通り本発明の押出発泡体は、緩衝
性能に優れ繰り返し使用による緩衝性能の劣化が少な
い、有用性の高い押出発泡体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用されるポリプロピレン系樹脂と従
前及び改良ポリプロピレン系樹脂の粘弾性特性値(「2
軸伸長歪硬化率」と「2軸伸長粘度」)の関係位置の比
較図である。
【図2】本発明に使用されるポリプロピレン系樹脂と従
前及び改良ポリプロピレン系樹脂の押出発泡適性を示す
実験図である。
【図3】ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の最大加速度
と独立気泡率の関係位置を示す実験図である。
【図4】ポリプロピレン系樹脂押出発泡体の動的圧縮試
験の重り落下回数の増加に伴う最大加速度の変化を示す
実験図である。
【符号の説明】
○印 :本発明で用いるポリプロピレン樹脂 ☆印 :従前のポリプロピレン樹脂 △印 :従来の技術での改良ポリプロピレン樹脂 X1〜X6:本発明のポリプロピレン系樹脂板状押出発
泡体 Y1〜Y6:従来のポリプロピレン系樹脂板状押出発泡
体 h:動的圧縮試験2〜5回落下時の最大加速度の平均値 a:本発明で用いる樹脂を使用して製造された独立気泡
率63%の発泡体 b:本発明で用いる樹脂を使用して製造された独立気泡
率84%の発泡体 c:本発明で用いる樹脂を使用して製造された独立気泡
率56%の発泡体

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂の高密度板状押出
    発泡体に於いて、その発泡体を構成するポリプロピレン
    系樹脂は、2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が、
    3.0×106poise以上、2軸伸長歪硬化率が
    0.25以上〔但し、2軸歪硬化率αは、次式:α=
    0.77×(logη2−logη1)(式中、η1は2
    軸伸長歪0.01の時の2軸伸長粘度を示し、η2は2
    軸伸長歪0.2の時の2軸伸長粘度を示す)で定義され
    る〕であり、 その発泡体は、密度が0.03g/cm3以上0.18
    g/cm3以下、肉厚が10mm以上、独立気泡率S0
    60%以上のものであり、且つ、動的圧縮試験後の独立
    気泡低下値K〔動的圧縮試験1回落下後の独立気泡率−
    動的圧縮試験5回落下後の独立気泡率〕が45%以下で
    あることを特徴とするポリプロピレン系樹脂押出発泡
    体。
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体の
    独立気泡率S0が80%以上である請求項1記載のポリ
    プロピレン系樹脂板状押出発泡体。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体の
    肉厚が20mm以上である請求項1記載のポリプロピレ
    ン系樹脂板状押出発泡体。
  4. 【請求項4】 ポリプロピレン系樹脂が線状樹脂である
    請求項1記載のポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体。
  5. 【請求項5】 ポリプロピレン系樹脂のエチレン含有量
    が0.05〜8wt%である請求項1記載のポリプロピ
    レン系樹脂板状押出発泡体。
  6. 【請求項6】 ポリプロピレン系樹脂のGPC法により
    測定されるZ平均分子量が2×106以上、且つ、Z平
    均分子量MZと重量平均分子量MWの比であるMZ/M
    Wが、5以上である請求項1記載のポリプロピレン系樹
    板状押出発泡体。
  7. 【請求項7】 ポリプロピレン系樹脂に揮発性発泡剤を
    含んでなるポリプロピレン系樹脂発泡性組成物を高温高
    圧下で混練後調温し押出用ダイから低温低圧下の領域に
    押出し発泡させ、押出発泡体を製造する方法に於いて、
    上記ポリプロピレン系樹脂は2軸伸長歪0.2に於ける
    2軸伸長粘度が4.5×106poise以上、2軸歪
    硬化率αが0.30以上[但し、2軸歪硬化率は、次
    式: α=0.77×(logη2−logη1) (式中、η1は2軸伸長歪0.01の時の2軸伸長粘度
    を示し、η2は2軸伸長歪0.2の時の2軸伸長粘度を
    示す)で定義される]であり、上記押出用ダイのスリッ
    ト部での押出せん断速度γは600sec-1以上150
    0sec-1以下[但し、せん断速度γは次式:γ=6×
    Q/(W×T2) (式中、Qは発泡性組成物の体積流量(cc/se
    c)、Tは押出用ダイスリット部の間隔(cm)、Wは
    押出用ダイスリット部の幅(cm)を示す。)]とした
    ことを特徴とするポリプロピレン系樹脂板状押出発泡体
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 押出用ダイのテーパ角度が40°〜60
    °である請求項7記載のポリプロピレン系樹脂板状押出
    発泡体の製造方法。
  9. 【請求項9】 発泡性組成物の温度が195℃を超えな
    い状態にしておく請求項7記載のポリプロピレン系樹脂
    板状押出発泡体の製造方法。
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