JP3547195B2 - ポリプロピレン系樹脂 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は例えば発泡体にした際、各種形状の緩衝包装材や浮材、或いは、断熱材等に好適な厚肉の発泡体を得ることができるポリプロピレン系樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ポリエチレン樹脂押出発泡体はよく知られているが、その物性には種々の問題がある。一方、ポリプロピレン樹脂は、高い剛性を有しているので、押出発泡体とした時に少ない樹脂量で高い機械的特性を有し、しかも軽量である優れた発泡体製品とすることができるため、近年その開発がいろいろなされている。
【0003】
例えば、▲1▼特表平5−506875号公報、▲2▼特開平4−363227号公報等にはポリプロピレン系樹脂を基材樹脂とした密度が0.03g/cm3以下の押出発泡体が開示されている。しかしながら、これらの、従来知られている、密度が0.03g/cm3以下のポリプロピレン系樹脂押出発泡体は、高い衝撃性能を発揮するのに十分な肉厚と独立気泡率を有しておらず、緩衝包装材として用いるには不満足なものである。
【0004】
このような従来知られているポリプロピレン系樹脂押出発泡体の問題を解決す為に、本発明者らは、まず、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン系樹脂のようなオレフィン樹脂を基材樹脂として製造され、且つ種々の肉厚を有する押出発泡体について、樹脂発泡体の肉厚と該発泡体の発揮する緩衝性能との関係を求めるための実験を行い、得られた結果を示す動的衝撃特性曲線のグラフを用いて考察を行った。
【0005】
即ち、図3はJIS Z0235「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方法」に準じて、ポリエチレン樹脂押出発泡体(密度が0.025g/cm3、肉厚が各20,30,40mm)について求めた、発泡体の肉厚と、該発泡体の1回落下時の最大加速度との関係を示す、動的衝撃特性曲線のグラフである。この図3は本発明で言う発泡体の「緩衝性能」の意味と、この「緩衝性能」を有効に発現させるには、肉厚が20mm以上の発泡体が必要であることを示すものである。
【0006】
図3の動的衝撃特性曲線を示すグラフにおいて、縦軸は最大加速度J(0〜100G)を示し、横軸は対数目盛りで示した静的応力I(0.02kgf/cm2〜0.4kgf/cm2)を表す。このグラフは60cmの高さから加速度計を内臓した重りを落下させ、落下時にその加速度計で測定される最大の加速度を最大加速度とし、その重りを発泡体上に静置した時に発泡体に発生する応力を静的応力として、両者の関係をプロットしたものである。なおこの場合の静的応力は、5〜50kg程度の重量のオーディオ等の家電製品やパーソナルコンピューター等のOA機器、更には、同程度の重量の精密機器等を発泡体上に静置した時に生じる0.02kgf/cm2以上0.4kgf/cm2以下の範囲とした。また、図3でt20、t30、t40の記号は各々発泡体の肉厚(mm)のものを示す。上記静的応力の範囲での最も低い最大加速度は(以下「最大加速度の最小値」と称す)は、発泡体を家電製品等の緩衝包装材として使用した場合、上記家電製品等に掛かる最も小さい最大加速度(負荷)、つまり、その発泡体の最高の「緩衝性能」の値を示すものである。
【0007】
一般に、上記家電製品等に故障や破損が発生しない最大加速度は80G以下であると言われている。従って、前記静的応力範囲において肉厚が20mm未満の発泡体では包装体落下時に被包装体である上記家電製品等の商品に掛かる最大加速度が許容値である80Gを超えてしまう為、商品が故障或いは破損する可能性が高く、肉厚が20mm未満の発泡体は上記家電製品等の緩衝包装材としての使用が難しいことを意味している。
【0008】
一方、本発明者らの更なる研究の結果、押出発泡体の緩衝性能を繰返し落下においても維持させるには、押出発泡体の独立気泡率が80%以上必要であることがわかった。独立気泡率が80%未満のものでは1回落下時と2〜5回落下時に測定される最大加速度の最小値の比が大きくなる為、緩衝材料としての信頼性が低く、一般に緩衝包装材として使用出来ない。
【0009】
更に、本発明者らの研究の結果、肉厚が20mm以上の緩衝包装用の押出発泡体では平均気泡径が0.4mm以上2.0mm以下であることが必要であることがわかった。平均気泡径が0.4mm未満の押出発泡体は、発泡体製造時の押出方向と肉厚方向の圧縮応力の比が大きすぎる為、発泡体の使用方向により緩衝性能が大きく変化し使用方向に十分注意する必要があり緩衝包装材としての商品価値が非常に低くなる。又、逆に平均気泡径が2.0mmを超える大きな平均気泡径の発泡体は表面外観が悪く、更に気泡膜が厚いため手触りも悪く緩衝包装材としての商品価値が低くなる。
【0010】
ところで、前述の▲1▼特表平5−506875号公報及び▲2▼特開平4−363227号公報には低密度ポリエチレンに比べてポリプロピレン系樹脂を用いた押出発泡体の製造が困難であることが述べられている。▲2▼特開平4−363227号公報には、プロピレン系樹脂は低密度ポリエチレンに比べ結晶化度が高い為、僅かな温度変化により粘弾性が大きく変化し発泡適性温度範囲が非常に狭く、実際の押出発泡工程ではこの様な温度範囲での樹脂温度の調整は難しく良好な発泡体を得ることが難しいと述べられている。そして、その問題を解決するために特別の樹脂を用いてポリプロピレン系樹脂押出発泡体を製造する方法が開示されている。即ち、「230℃におけるメルトテンションが7gf以上」のものを用いれば、密度0.18〜0.018g/cm3、厚み10〜100mmの押出板状発泡体が得られる旨の記載がある。又、▲1▼特表平5−506875号公報では特殊なポリプロピレン系樹脂[大部分は線状であるが、高分子量の少量成分は高度に枝分かれしているポリプロピレン系樹脂]を用いると、肉厚0.5〜5.0mmのポリプロピレン系樹脂のシート状押出発泡体が得られる旨の記載がある。
【0011】
しかしながら、上記▲1▼の提案の樹脂では、密度が0.04〜0.4g/cm3 の範囲では、肉厚が5mm以下の発泡シート状のものであれば良質の発泡体は得られるが、発泡体の肉厚を20mm以上に高めた板状発泡体では、破泡が著しく生じ独立気泡率が急激に低下してしまうという問題がある。この独立気泡率の低下を防ごうとする対策は、気泡径が0.4mm未満に微小化してしまい、発泡体の肉厚が高まらないばかりか、発泡体の圧縮応力や「緩衝性能」に異方性が生じたり、表面に鱗状の凹凸が生じたり、厚肉の板状発泡体全体が波板状に変形してしまう現象(以下コルゲート現象と称す)が障害になって、結局は良質の発泡体には出来ない問題点に遭遇してしまう。又上記▲2▼の提案の樹脂では、主要な不良現象は上述した▲1▼の樹脂と全く変わらない。それは「230℃におけるメルトテンションが7gf以上」という表現の特性は、上記と同じ骨格樹脂の本質的な問題点を改善したことを意味する特性ではないからである。即ち、上記▲2▼の公報には「密度0.18〜0.018g/cm3 、肉厚10〜100mmの押出板状発泡体が得られる」旨の記載があるものの、実際には、例えば、密度が0.18〜0.10g/cm3 程度の範囲の低発泡体であれば、その肉厚を30〜100mm程度に高めることができるが、発泡体の密度を0.03g/cm3 以下の高発泡体にしようとすると、その肉厚はせいぜい10mm以下の薄肉の板状・シート状の発泡体にしかならない問題がある。上記▲2▼の公報の実施例で、発泡体内容の記載が比較的整っているものの全ては、肉厚が2mm以下の薄肉シート状の場合に留められてあるのは、上述した技術的背景が存在するからである。
【0012】
上述の通り、上記▲1▼、▲2▼の提案の樹脂を用いても、密度が0.03g/cm3以下の高発泡体で、肉厚20mm以上の独立気泡率の高い発泡体を得る製造条件的な余地は見出せないのが現状であった。
従って、ポリプロピレン系樹脂発泡体で肉厚が20mm以上のものを緩衝包装材にするには、肉厚2〜3mmのシート状の発泡体を熱や接着剤等を用い張り合わせた積層発泡体しかない。しかし、この積層発泡体では、発泡体の接着面は硬質な層である為に被包装体である商品が触れた場合商品が傷付くこともあり、更に、硬質層の露出面と他の面では圧縮応力や緩衝性能の異方性が強く、使用する方向に注意が必要となる為、緩衝包装材としての商品価値は非常に低い。又、この様な積層による厚板の製造は従来の押出発泡工程に加え積層工程が必要となり、それに伴う製造コストの大幅な上昇が予想される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来はその実現が不可能であった処の、単体で肉厚が20mm以上有した状態にあって、且つ、密度が0.005g/cm3以上0.03g/cm3以下、平均気泡径0.4mm以上2.0mm以下、独立気泡率80%以上で、最大加速度の最小値が80G以下の値を示す押出発泡体を得ることができる、ポリプロピレン系線状樹脂を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の通りである。
1.エチレン含有量が0.05〜8wt%であるポリプロピレン系線状樹脂であって、GPC法により測定されるZ平均分子量MZが8×106〜40×106、且つ、Z平均分子量MZと重量平均分子量MWの比であるMZ/MWが10〜50であり、2軸伸長歪0.2における2軸伸長粘度が4.5×106〜15×106poiseであり、かつ下記の式(1)で表される2軸歪硬化率αが0.30〜0.60であることを特徴とするポリプロピレン系線状樹脂。
α=0.77×(logη2−logη1)・・・(1)
(但し、上式中、η1は2軸伸長歪が0.01の時の2軸伸長粘度を示し、η2は2軸伸長歪が0.2の時の2軸伸長粘度を示す)
2.スウェル値Sが2以上5.0以下である1.記載のポリプロピレン系線状樹脂。
3.押出発泡用樹脂である1.〜2.のいずれかに記載のポリプロピレン系線状樹脂。
本発明のポリプロピレン系線状樹脂は、2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が4.5×106poise以上で、更に2軸歪硬化率αが0.30以上であることを特徴とする。
ここで、本発明における「2軸伸長粘度」は後述の方法によって測定されるものであって、ポリマ−鎖のからみ合いの強さの指標となるものであって、その詳細については、S.H,Chatraei et al .,“Journal of Rheology” edited by The Society of Rheology,Inc.,and published by JohnWilley & Sons,Inc.,U.S.A.,25(4),433−443(1981)を参照することができる。
【0015】
また、本発明における「2軸歪硬化率α」は、2軸伸長歪速度が0.01sec−1で2軸伸長歪みがそれぞれ0.01となる時間及び0.2となる時間の差に対する2軸伸長粘度の変化率であって、下記の式で算出されるものであり、ポリマ−鎖のからみやすさの指標となるものである。
α=0.77×(logη2 −logη1 )・・・・(1)
(但し、上式中、η1 は2軸伸長歪みが0.01の時の2軸伸長粘度を示し、η2 は2軸伸長歪みが0.2の時の2軸伸長粘度を示す)
なお、2軸歪硬化率の詳細についてはJ.J.Lisnster et al.,“Polymer Bulletin”,16,187−194(1986)、Springer−Verlagを参照することができる。
【0016】
本発明の樹脂が従来の樹脂と相違する点は、上記の「2軸伸長粘度」と「2軸歪硬化率α」の2つの特性値が、共に特定値以上の高い値を示す点にある。以下、押出発泡法上から従来技術との相違を説明する。
押出発泡法の原点は「押出ダイ内発泡」を抑制することにある。図1は、押出機の押出用ダイ近傍における発泡体の形成及び気泡の成長過程を示す説明図で、系内外の気泡の成長過程を概念図で示したものである。図1で、矢印内Aは押出用ダイのランド部領域、同Bは押出用ダイのテーパ部領域、同Cは押出機の先端部領域を示し、これらの下方に示す折れ線図は縦軸Pの矢印方向を流動圧力の高さとし、0.03g/cm3 以下の高発泡体を得ることができる発泡性組成物の、押出量Q1における各領域での流動圧力実測値の高さ関係を示す図である。図1の折れ線グラフ内を横断する線4(一点鎖線)は、用いた発泡剤の系内温度における蒸気圧を示している。更に図1のDは、本発明の樹脂3を用いた発泡性組成物の場合の発泡体形成過程を示すもので、内部に描かれる丸印E1、E2は、発泡性組成物の気泡発生とその成長過程を示すものである。叉、上記折れ線グラフ内の折れ線1は、本発明の樹脂3(MFR1.9、2軸伸長粘度6.7×106 、2軸歪硬化率α0.48)の場合の流動圧力値であり、折れ線2,3は比較の為に示す従来樹脂の流動圧力値である。即ち折れ線2は樹脂12(市販樹脂:MFR0.5、2軸伸長粘度4.2×106 、2軸歪硬化率α0.22)、折れ線3は樹脂14(市販樹脂:MFR3.0、2軸伸長粘度2.5×106 、2軸歪硬化率α0.44)の場合の値である。
【0017】
図1に於いて、先ず本発明の樹脂(折れ線1)は、従来の樹脂(折れ線2、3)に比べて系内圧力が全体的に高く、又、少なくとも押出用ダイのランド部領域(A)よりも上流の領域において蒸気圧線4を優に越えた高い流動圧力を示すものであることがわかる。一般に蒸気圧線4と折れ線(流動圧力値)との交点は気泡形成の起点である。従って本発明の樹脂(折れ線1)は、領域(A)の上流側1は完全に発泡が抑制され、領域(A)に於いて初めて気泡E1が生じ、この気泡E1はダイ外に押出されながらゆるやかに気泡E2に大きく成長することになる。つまり本発明の樹脂は「押出ダイ内発泡」を抑制するに充分な流動粘度特性を備えた樹脂であることが分かる。
【0018】
これに対し従来の樹脂(折れ線2、3)は「押出ダイ内発泡」を抑制できる流動粘度特性は備わっていないことは明らかである。従って現象としては(気泡発生は図示されてはいないが)領域(B)で発泡が生じ、領域(B)以降での押出方向の発泡体の線速度が早まり且つ発泡性組成物内の圧力が急激に降下する結果、瞬時に多数の微小径気泡を発生させ、同時にこの発泡時の発泡剤潜熱により発泡体が急冷され、系内において発泡体外周表面部の固化が進行した状態で押出される為に、ダイ開口部の寸法に近い厚みの薄肉の発泡体にしかならない。又この際の押出では、押出用ダイのランド部での摩擦により発泡体表面には鱗状の凹凸が発生してしまう。一方押出物断面中央の未冷却部分の気泡は成長を続けようとするので発泡体各所の局部で内部応力が生じ、その応力解放によって発泡体全体にコルゲートが生じてしまう。その結果、従来の樹脂(折れ線2、3)では、正常な発泡体を得ることは出来ないのである。
【0019】
上述した流動粘度特性の相違は、従来の例えば単なるMFRの大小関係やメルトテンション値の大小関係では論じられない内容のもので、本発明者等の研究、即ち押出時の系内の流動圧力値の高まりは、押出用ダイのテーパ部領域(B)を流動するときの樹脂の流動に支配される筈であるから伸長粘度を考慮に入れる必要があると考えて「2軸伸長粘度」に着目した研究によって、ようやくこの差異が明確に究明され、そして新規な樹脂の具現に成功し得たものである。
【0020】
即ち、本発明の樹脂における「2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が4.5×106 poise以上」とする要件の必要性は、先ず押出発泡法の原点である「押出ダイ内発泡」の抑制を、樹脂の特性で容易に達成させるためのものである。従って本発明の樹脂は、従来のポリエチレン系樹脂等の押出発泡装置を用いた場合でも「押出ダイ内発泡」を抑制し、厚肉の良質な発泡体を製造する基盤を容易に作り出すことが出来る。本発明者等の実験によると、上記「2軸伸長粘度」が15×106 poiseになる樹脂の製造に成功しており、種々な性能の押出機で、種々な形状の断面形状(押出し方向に垂直な面の形状)を持つ発泡体断面の大きい発泡体を容易に得たい観点からは、上記「2軸伸長粘度」は6.0〜15.0(×106 poise)の範囲にある樹脂を選ぶことが望ましい。
【0021】
次に、押出発泡に最も重要な「大きい径の独立気泡性に富んだ気泡の保持性」について説明する。
図2は説明図で、図1の折れ線3の樹脂の流動圧力を機械的に高めた場合の押出機の押出用ダイ近傍における発泡体の形成及び気泡の成長過程を示す概念図である。従って図1と相違する処は、折れ線3(従来の樹脂)を用いた発泡性組成物のその押出量をQ2に高めることで、セン断速度を高めた時の流動圧力の実測値を折れ線3’(3’’)で示し、押出機の押出用ダイ近傍における発泡体の形成過程を気泡の成長過程の概念図で示している。尚3’は、図1の3と同じ組成成分の場合のもので、系外の気泡(発泡体)の成長過程は破線のF’で示し、3’’は上記3’の気泡維持性の改良する組成成分の場合のもので、系外の気泡(発泡体)の成長過程は実線のFで示してある。
【0022】
図2において、組成物の流動圧力は、系内の組成物のセン断速度(ダイ開口部寸法に対する押出量の関係)によって調節することが出来、その結果「押出ダイ内発泡」の抑制は、押出装置の選択で可能なものであることを示している。この調節は設備の経済性を無視すれば見掛け上は無制限である。よって図2の折れ線3’,3’’の場合も共に、図1の折れ線1の場合と同様に領域(A)の上流側では完全に発泡が抑制され、領域(A)に於いて初めて気泡G1が生じ、この気泡G1がダイ外に押出されG2に成長する状態に調節されている。しかし、図2に示す折れ線3’の場合は、発泡性組成物の押出量をQ2に高めた為、押出方向の発泡体の線速度が早まって見かけ上図1のDに比べ膨張開始位置が後退し、且つ発泡性組成物内の圧力が急激に低下する結果瞬時に多数の微小径気泡が発生し、同時にこの発泡時の発泡剤潜熱による急冷で発泡体外周表面部が急速に固化してしまうので、破線のF’で示す様に発泡体の肉厚は薄くなるが、その外は見掛け上では差異はない。しかしこの場合の問題点は(図示が困難なので詳細な記載は省略してあるが)、形成された発泡体が冷却固化されて行く過程において、発泡体内部に形成していた筈の気泡が著しく破泡してしまい、独立気泡率が急激に低下することである。この破泡による気泡の連通化現象は、発泡体の厚みを高めようとする程に発泡体内部に巣の様な空洞(以下ボイド現象と称す)を生む状態にまで進行する傾向があるので、肉厚20mm以上の発泡体では、独立気泡率の高い状態のものは得られないという致命的な問題点を有している。
【0023】
この対策として例えば、気泡核剤量を増して3’’の成分組成にして独立気泡率を高めようとすると、折れ線3’の場合と同様に領域(A)に於いて初めて気泡G1が生じ、この気泡G1はダイ外に押出されてG2に成長しようとする。しかしこの場合の問題点は、領域(A)にあって瞬時に微小径気泡G1が多数発生する。その瞬時に生じた多数の気泡の発泡時の発泡剤潜熱による急冷で、押出物外周部が急激に固化し気泡の成長が終了する前に外周寸法が決まってしまうので気泡は偏平化し発泡体の厚みが高まらない。更に一方押出物断面中央の未冷却部分の気泡は成長を続けようとするので発泡体各所の局部で内部応力が生じ、その応力解放によって発泡体全体にコルゲートが生じ、図2のFに示す様な波板状をした小径気泡群の発泡体にしかなり得ないのである。
【0024】
つまり高発泡体にする場合、従来の樹脂では「破泡による気泡の連通化現象」と「小径気泡になって発泡体の厚みが高まらずにコルゲートが生じる現象」との両方の不良現象を回避する条件的な改良の余地がなく、結局、図1(本発明の樹脂)で示す様な発泡体の形成過程、即ち領域Aで発生した適当な数の微小気泡E1が系外に緩やかに押出され、大径気泡E2に成長して膨張軌跡Dを描き、独立気泡性に富んだほぼ球状の気泡として冷却固定されて良質の厚肉発泡体になる発泡体形成過程を形成させることが出来ないのである。
【0025】
この処の本発明の樹脂と従来の樹脂との相違は、樹脂の持つ本質的な性質、つまり「大きい径の独立気泡性に富んだ気泡の保持性」を持つ本発明の樹脂と、この性質を持たない従来の樹脂との相違点である。即ち本発明の樹脂は、上述した「2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が4.5×106 poise以上」である要件に加えて「2軸歪硬化率αが0.30以上」である要件を満たしていることの相違である。
【0026】
本発明者等は、発泡体の冷却固化過程における上記破泡と気泡の連通化現象を研究した結果、この現象は気泡膜を形成する樹脂自体の「気泡膜冷却固化過程での気泡膜の破れ易さ」と「気泡の成長過程での均一な厚みの気泡膜の形成し難さ」との二つの欠点に基づくものと推論した。更に気泡膜は面を形成するものであるから少なくとも2軸方向の特性を考慮すべきであるとする仮説の下に「2軸伸長粘度」と「2軸歪硬化率α」に着目し、ようやく本発明の樹脂の完成に至ったものである。
【0027】
即ち「2軸伸長歪0.2に於ける2軸伸長粘度が4.5×106 poise以上」である要件の役割は、未だ流動可能な状態にある気泡膜樹脂の流動性を抑制することで気泡膜を強靱にし、形成されている気泡膜が冷却固化する迄の過程での表面張力に抗して膜破断しない状態にすることにある。又一方「2軸歪硬化率αが0.30以上」である要件の役割は、未だ流動可能な状態にある気泡膜樹脂を均一に流動させることで均一な厚みの気泡膜を形成し、更に伸長時に気泡膜に厚薄が生じた際も、気泡膜が薄い部分では歪硬化により高い伸長粘度発現し気泡膜の一段の薄化を抑え、伸長粘度の低い気泡膜の厚い部分での伸長を進行させ膜全体の厚薄化形成を抑制し、気泡の冷却固化が完了するまでの過程の薄い膜部分からの局部的な気泡膜の破断を防止することにある。従って上記の観点から独立気泡率が一段と高い良質な発泡体を得たい場合は、「2軸伸長粘度」が5.0×106 poise以上、「2軸歪硬化率α」が0.35以上である樹脂の採用が望ましく、更に「2軸伸長粘度」が6.0×106 poise以上で、「2軸歪硬化率α」が0.40〜0.60の範囲にある樹脂を採用することが最も望ましい。本発明者等によると「2軸歪硬化率α」の値は0.70もある樹脂が得られる可能性を確認している。
【0028】
本発明の樹脂は、一段と厚みを高めた発泡体を得るために、上述の2つの要件に加え、スウェル値Sが2以上の高い値であることが望ましい。ここで、スウェル値は、溶融状態での弾性力の指標となるものであって、内径2.095mm、長さ8.0mmのキャピラリ−から650sec−1のセン断速度で鉛直方向に樹脂を押し出して得られる紐状樹脂押出体の直径のキャピラリ−の内径に対する比として定義されるものであって、後述の方法により測定される。発泡体の密度が0.020g/cm3 程度で30mm以上の厚みを得たい場合は「スウェル値S」が3.0〜5.0である樹脂を採用することが最も望ましい。
【0029】
上述のようにして得られる本発明の樹脂からなる厚肉の押出発泡体は、肉厚が20mm以上を有した状態にあって、密度0.005g/cm3以上0.03g/cm3以下、平均気泡径0.4mm以上2.0mm以下、独立気泡率80%以上という条件を兼備し、更に、この発泡体は、実施例に示すように、前記JISZ0235に準じ測定した「1回落下時の最大加速度の最小値J1」で80G以下の値を示し、前記家電製品等の緩衝包装材としての有用性を有したものである。又、本発明者等の実験によると次のことが確認されている。即ち、肉厚が20mm以上の条件を満たしたものでも、密度が0.005g/cm3未満、或いは、0.03g/cm3を超えるものでは、繰り返し落下評価で示される「緩衝性能低下度K」が1.5の値を超えて大きくなり緩衝包装材料としての信頼性が悪化するし、同様に独立気泡率が80%未満のものでも、上記「緩衝性能低下度K」が1.5を超え緩衝包装材料として価値のないものになる。更に、平均気泡径0.4mm未満のものでは、上述したコルゲートの発生に加え、発泡体製造時の押出方向と肉厚方向の圧縮応力の比である「圧縮応力異方度Z」が1.5を超える為、発泡体の使用方向により緩衝性能が大きく変化し使用方向に十分注意する必要があり緩衝包装材としての商品価値が非常に低く、逆に平均気泡径が2.0mmを超える大きな平均気泡径の発泡体は表面外観が悪く更に気泡膜が厚いため手触りも悪く緩衝包装材としての商品価値が低くなる。
【0030】
本発明の樹脂は、次に述べる点から、エチレン含有量が0.05〜8wt%であることが望ましい。
図4は、本発明の樹脂のエチレン含有量とその樹脂からなる発泡体が示す「緩衝性能低下度K」及び「圧縮後厚み回復率R」の関係を示す図である。
左側の縦軸は「緩衝性能低下度K」を0.1間隔で1.0から目盛り、右側の縦軸は「圧縮後厚み回復率R」を1%間隔で90〜100迄目盛り、横軸はエチレン含有量Etを対数目盛りで0.01〜10%迄目盛り、図4中で白丸は「緩衝性能低下度K」の測定値、黒丸は「圧縮後厚み回復率R」の測定値を示す。同図で線5(一点鎖線)は、特に厳しい緩衝性能の維持性の基準となる「緩衝性能低下度K」1.3を示している。「圧縮後厚み回復率R」は、500mm/minの速度で肉厚の方向に厚みの90%量を圧縮し解放した後の24時間後の厚みの回復率で、この値が95%未満では、発泡体の加工法の一つである抜き刃を用いる圧縮切断加工を行った後の発泡体の寸法回復が十分でない為、同加工を行うことが出来ない。図4で線6(破線)は「圧縮後厚み回復率R」の必要最低値である95%を示している。
【0031】
従って、図4で明らかな様に、本発明の樹脂を用いた発泡体に「緩衝性能低下度K」が1.3以下の非常に優れた緩衝性能の維持性や、ある特定な圧縮切断加工を行った後の寸法回復性を付与させたい場合は、本発明の樹脂にエチレン成分を含有させることが極めて有効である。その効果はエチレン含有量が0.01%で生じ始め、0.05%〜4%の範囲で顕著な効果の高まりを示し、8%程度でその効果の高まりは緩やかとなる。
【0032】
本発明の樹脂は、GPC法により測定されるZ平均分子量MZ が8×106 以上、特に8〜40(×106 )、且つ、Z平均分子量MZ と重量平均分子量MW の比であるMZ /MW が10以上、特に10〜50であるポリプロピレン系樹脂である場合が望ましい。この場合のZ平均分子量MZ は、樹脂の高分子量成分の平均分子量への寄与を重視したものであり、重量平均分子量MW は、Z平均分子量MZ に比べ低分子量成分の平均分子量への寄与を重視したものである。つまり従来の樹脂である高粘度ポリプロピレン系樹脂等では、分子量1.0×107 以上の超高分子量成分を多く含むことはないので、Z平均分子量MZ が8×106 以上であるものは存在しない筈である。この超高分子量成分の存在は、従来の樹脂にない幾つかの利点を有している。まず第1に超高分子量成分同士の絡み合い易さによる高い「2軸歪硬化率α」の発現、第2に高い「2軸伸長粘度」の発現、及び第3に樹脂の溶融状態での弾性アップによる大きな「スウェル値S」の発現である。
【0033】
又、Z平均分子量MZ と重量平均分子量MW の比であるMZ /MW は、分子量分布の広さを示すが、従来の樹脂ではMZ /MW が10以上のものの存在は知らない。
このMZ /MW の値が高いと言うことは、前記超高分子量成分の存在に加えて低分子量成分も多く含むことを示しており、この低分子量成分の存在によって高分子量成分が多い割にはセン断粘度が高まらないので、押出発泡に使用する押出機のスクリュー負荷を低く抑えることができる利点を有している。
【0034】
しかしながら現状の解析技術では、樹脂の中の超高分子量成分の存在を正確に定量表現することは難しく、むしろ樹脂の持つ粘弾性の特性値で表現することの方が正確であると言われている。本発明の樹脂の構成要件が、先ずはその粘弾性の特性値で表現してあるのは上述した技術背景が存在する理由による。
本発明の樹脂は、その骨格が線状ポリプロピレン系樹脂であることが望ましい。その理由は、まず従来の[大部分は線状であるが、高分子量の少量成分は高度に枝分かれしているポリプロピレン系樹脂]に比べ、押出機で溶融混練された後の樹脂の「2軸伸長粘度」及び「2軸歪硬化率α」の低下が少ないので、一旦溶融混練された後の樹脂の特性が重要になる発泡体に使用される樹脂としては、設定出来る樹脂の限界的な特性をほとんど損なうことなく発泡体形成に利用できる理想的な樹脂となるからである。又、上記[大部分は線状であるが、高分子量の少量成分は高度に枝分かれしているポリプロピレン系樹脂]は開示されている製法から推定すると、電子線や放射線等で行われる主鎖への側鎖(枝分かれ)の結合過程において、同時に主鎖の切断が生じてしまう為、樹脂全体としての粘度を高めることが出来ず、本発明の発泡体に使用される樹脂の様な超高分子量成分を含むことによる高い2軸伸長粘度の発現が不可能と予想される。樹脂骨格の線状と枝分かれの判別は、一般的に特開平6−192460号公報に示される様に、GPC法により測定されるデータを基に作成される分子量分布カーブを用い行われ、同カーブの高分子領域に「らくだのこぶ」状のカーブの張り出しのあるものは枝分かれ、張り出しのないものは線状の樹脂であると言うことが出来る。
【0035】
以上述べた様に本発明の樹脂は、押出機内の高温高圧下で溶融状態の樹脂と発泡剤を混練し得られる発泡性組成物を、押出機先端に取り付けたダイ出口より低圧下に押出し押出発泡体を作る押出発泡用、及び、半溶融状態においても従来の樹脂に比べ高い「2軸伸長粘度」及び「2軸歪硬化率」を有すると予想されることより、発泡剤を含浸させた樹脂粒を加熱発泡させ予備発泡粒子を作り、続いてその予備発泡粒子を所定形状の型内に充填した後再度加熱し予備発泡粒子同士を融着させ成形体を作る発泡粒子型内成形用、特に厚肉の発泡体を得る押出発泡用として最適な樹脂である。更に、この種の樹脂は、発泡体の気泡膜の形成機構と同様な本発明で言う2軸伸長特性が大きく寄与すると考えられるフィルム成形、ブロー成形用の樹脂としても好適である可能性が高い。
【0036】
次に、本発明の樹脂の製造方法について説明する。
本発明の樹脂は、例えば移動固定床(特開平4−226109号公報を参照することができる)を有する重合槽を用いたチーグラー・ナッタ触媒による2段階重合法により製造される。
この際の製造条件として重要なことは、触媒として下記の式(2)で表されるチタン含有化合物と下記の式(3)で表されるエステルを振動ボールミル中で磨砕加速度45〜55m・secー2で混合磨砕さることにより得られるチタン含有固体構成分と、アルミニウム構成分を含有するチーグラー・ナッタ触媒を用いること、又、分子量制御剤として水素を使用すること、次に重合条件として、先ず第1重合段階で重合圧力を30〜40kg/cm2 、重合温度を100〜120℃、反応混合物平均滞留時間を1〜3時間とし粘度(MFR1 )が1〜14g/10分のポリプロピレン系樹脂を重合し、続いて、第2重合段階では、分子量制御剤である水素を除去、具体的には水素濃度を0.005モル%以下にした状態で、重合圧力10〜20kgf/cm2 、重合温度40〜50℃、反応混合物平均滞留時間3〜5時間の条件下で全重合量に対する第2重合段階の重合量を10〜20wt%とし第1重合段階での粘度(MFR1)に対し1/4〜1/6値の最終粘度(MFR2 )のポリプロピレン系樹脂にすることである。
特に、第2重合段階の重合量を10〜20wt%とすることは、この製法では上記分子量、分子量分布、及び、それに伴う粘弾性特性の発現には重要である。
ポリプロピレン系樹脂にエチレン等のプロピレン以外のオレフィン系樹脂を含有させる場合は、第2重合段階で上記オレフィン系ガス(エチレンガス等)を添加し重合を行う方法を用いることが出来る。この場合分子量制御剤である水素濃度を0.005モル%以下と非常に低い濃度に下げる為、例えばエチレンガスを多量に添加すると重合される樹脂の分子量が過度に高まりゲル成分が多量に生成し連続した重合を行うことが出来なくなることを確認している。従って、この様な樹脂の製造方法では実際にエチレン含有量が8%以下のものしか製造出来ていない。
【0037】
TiCl3 ・nAlCl3 ・・・・(2)
(式中nは、0.1〜0.4の範囲とする。)
R1 −O−CO−R2 ・・・・(3)
(式中R1 は炭素原子数1〜8のアルキル基、R2 は炭素原子数7〜14のフェニルアルキル基またはフェニル基であり、全体の炭素原子数は18以下の化合物である。具体的には、例えばn−吉草酸エチルエステル、フェニル酪酸エチルエステルである。)
ただし、上述した重合条件は採用する重合装置、即ち例えば重合槽の形状構造やその大きさ及び撹拌翼の形状等で幾分変わることが考えられるので、使用する重合装置において上記の開示条件を参考に若干の予備実験を行うことを推奨する。この場合の管理指標は各重合段階での粘度である。
【0038】
本発明のポリプロピレン系樹脂は、プロピレンホモポリマー、あるいは、プロピレンと他のオレフィン系樹脂との共重合体等である。前記、オレフィン系樹脂としてはエチレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、3.4−ジメチル−1−ブテン、1−ヘプテン、3−メチル−1−ヘキセン等が、特にエチレンが好ましく使用される。
【0039】
本発明のポリプロピレン系樹脂には、気泡膜固化過程において樹脂を速やかに固化させる目的で、公知のポリプロピレン系樹脂用結晶増核剤例えば芳香族カルボン酸のアルミニウム塩、ジベンジリデンソルビトール、置換ジベンジリデン、ソルビトール、メチレンビス(2.4.−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム塩等を、及び/又は、気泡の発生状態を調節する目的で例えばタルク、酸化珪素のような無機粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムのような有機質微粉末、更にクエン酸、炭酸水素ナトリウムのような加熱により分解しガスを発生する微粉末など気泡核剤を、必要に応じて添加してもよい。その他例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤等の公知の添加剤の必要量を添加してもよいことは従来の樹脂と変わりはない。
【0040】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、実施例、比較例中の樹脂、発泡体の物性は以下の方法で測定した。
(1)測定方法
(a)「2軸伸長粘度」及び「2軸歪硬化率α」
「2軸伸長粘度」及び「2軸歪硬化率α」は、潤滑スクイーズ法2軸伸長粘度測定装置、具体的には例えば、岩本製作所製の液体2軸伸張測定装置BE−100型を用いて測定される。基本的な測定条件は、使用するサンプルには、パウダー、ペレット状の樹脂、叉は、発泡体を予め直径16±1mm、厚さ6.5±0.5mmの円柱状に脱泡成形した状態にして用いること、サンプル及び測定用プレート間に介在させる潤滑剤にはシリコンオイル〔信越化学工業(株)、KF968−100CS〕を用い、予め200±1℃に温度調整されたプレートの上下面にシリコンオイルを塗布し、続いて、シリコンオイルを全面に塗布したサンプルをプレート間に置き、プレート温度が200±1℃に安定した後、2軸伸長歪速度0.01sec−1の条件下で行なうことである。又、この測定はサンプルをプレートに置いた後、30分以内に行った。そして得られた測定値の内の2軸伸長歪み0.2の時の2軸伸長粘度η2 を、本発明で言う「2軸伸長粘度」とする。一方「2軸歪硬化率α」は、2軸伸長歪速度が0.01sec−1で2軸伸長歪みがそれぞれ0.01となる時間及び0.2となる時間の差に対する2軸伸長粘度の変化率であって、下記の式で算出されるものである。
【0041】
α=0.77×(logη2 −logη1 )・・・・(1)
(但し、上式中、η1 は2軸伸長歪みが0.01の時の2軸伸長粘度を示し、η2 は2軸伸長歪みが0.2の時の2軸伸長粘度を示す)
なお、本発明の樹脂からなる発泡体を脱泡成形したサンプルを用いた場合の特性値は、上記押出発泡前の樹脂の特性値に対し10〜40%程度低い値を示し、「2軸伸長粘度」では3〜10×106poise、「2軸歪硬化率α」では0.25〜0.55の値となる。
(b)スウェル値S
スウェル値Sは、東洋精機製のキャピログラフ1Cを用い測定される。測定の基本条件としては、直径2.095mm,長さ8.0mmのキャピラリーを用い、まず230℃に温度調整されたバレルに発泡体を脱泡して得られる樹脂、叉は、パウダー、ペレット状の樹脂を約10〜20gづつ投入し、その都度溶融樹脂内の空気を抜く為に突き棒で投入した樹脂を2〜3回突き、溶融樹脂の体積がバレル体積の50%以上になる迄樹脂を投入する、その後一定のセン断速度(650sec−1)下で上記樹脂をキャピラリー(直径2.095mm,長さ8.0mm)より押出し、キャピラリー下面より10mm下の位置における紐状で回復膨張状態の上記樹脂直径W(mm)を測定し以下に示す式(4)で計算する。
【0042】
S=W/2.095・・・・(4)
又、この測定は樹脂投入開始後、30分以内に行った。
(c)MZ 及びMZ /MW
MZ 及びMZ /MW は、高温ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定される。測定には、WATERS製150C GPCクロマトグラフィを用い、担体溶媒として1.2.4−トリクロルベンゼン、カラムとして昭和電工(株)製shodexAT−807/Sを使用する。測定は、溶液温度140℃、溶液濃度0.2%(w/v)、溶媒流速1ml/分の条件下で行なう。
(d)メルトテンション
メルトテンションは、特開平4−363227号公報に示されている方法に準じ東洋精機製のキャピログラフ1Cを用い測定される。測定の基本条件としては、直径2.095mm,長さ8.0mmのキャピラリーを用い、先ず230℃に温度調整されたバレルにパウダー、叉は、ペレット状の樹脂をスウェル値Sの測定時と同じ方法でバレルに詰め、その後ピストンに荷重をかけピストンを10mm/分の一定速度で下降させ、押出された紐状樹脂を張力検出プーリーを通過させて送りロールに巻き取る。この巻き取り速度を上げながら紐状樹脂の張力を測定し巻き取り速度78.5m/分以下で紐状樹脂が破断しない場合は、同速度78.5m/分での張力をメルトテンションとした。又、同速度78.5m/分未満で紐状樹脂が破断した場合は、破断直前の張力をメルトテンションとした。又、この測定は樹脂投入開始後、30分以内に行った。
(e)MFR
MFRは、JIS K7210に準じ試験温度230℃、試験荷重2.16kgfで測定されるメルトフローレイトの値である。
(2)評価方法
評価に供する発泡体は、発泡体製造後40℃に於いてエージングを行い、30日経時の発泡体の体積変化率が1%以下になった状態のものを用いた。
(a)発泡体肉厚
[測定方法]押出し方向に垂直な発泡体断面の幅方向中央部の厚みをノギスを用い測定した。
(b)独立気泡率
[測定用サンプル作製]
発泡体断面中央部より一辺の長さが20mmの立方体のサンプルを切り出し測定用サンプルとした。ただし、発泡体の厚みが20mm未満の場合はその発泡体の厚みを一辺の長さとする立方体を切り出し測定用サンプルとした。
【0043】
更に、発泡体断面に直径3mm以上の球が入る穴が空いているものは「ボイド現象有り」とし、独立気泡率の測定は行わなかった。
[測定方法]
ASTM−D2856に記載されている方法に準じ東芝・BECKMAN株式会社製空気比較式比重計930により測定される発泡体の真の体積の値Vxを用い次式により独立気泡率を計算し、N=5の平均値で求めた。
【0044】
S=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/ρ) (%)
Vx:上記方法で測定される発泡体の真の体積=発泡体を構成する樹脂の容積と、発泡体内の独立気泡部分の気泡全容積との和(cm3)
Va:発泡体の外寸より計算される見かけ上の発泡体の体積(cm3)
W:発泡体の重量(g)
ρ:発泡体を構成する樹脂の密度(g/cm3)
(c)コルゲートの発生状態=平均気泡径
コルゲートの発生状態は、押出された板状発泡体の成形方法等によって大きく変化する為定量的な評価は非常に難しい。そこでここでは、コルゲートの発生に密接に関連する平均気泡径の数値よりコルゲートの発生状態を評価することにした。
【0045】
[測定用サンプル作製]
発泡体の押出し方向に垂直な断面を5mm厚に切り出す。
[平均気泡径測定方法]グリッドライン法
切断面を拡大投影して気泡写真を作製し、この写真上で発泡体断面の肉厚t(mm)方向に沿って直線を引き、この直線に接触している気泡の数Lを数え次式により平均気泡径を計算する。
【0046】
平均気泡径(mm)=1.626×(t/L)
(d)一回落下時の最大加速度の最小値J1
[測定用サンプル作製及び測定方法]
JISZ0235「包装用緩衝材料の動的圧縮試験方法」に準じ測定された。静的応力が0.02〜0. 07kgf/cm2の範囲(0.02〜0.1kgf/cm2迄は0.01kgf/cm2刻みに、0.1〜0.4kgf/cm2迄は0.1kgf/cm2刻みとなる様に、発泡体のおもりが落下する面の面積、或いは、おもりの重量を調整しながら加速度計を内蔵したおもりを、自由落下高さ60cmから発泡体上に30秒間隔で計5回落下させ、落下時におもりに発生する最大の加速度を加速度計で測定し記録する。測定値は、一回落下時の最大加速度、及び、2〜5回目の落下時の最大加速度の平均値を別々に静的応力に対し動的衝撃曲線図上にプロットし、各々点間をなだらかな曲線で結ぶことにより動的衝撃曲線を完成させ、この2つの曲線より上記静的応力範囲内での最も低い最大加速度の値を、各々「一回落下時の最大加速度の最小値J1」,その発泡体の「2〜5回目の落下時の最大加速度の最小値JAV」とした。
【0047】
(e)緩衝性能低下度K
「緩衝性能低下度K」は、次式で計算した。
【0048】
K=JAV/J1
(f)圧縮後厚み回復率R
[測定用サンプル作製]
独立気泡率測定用サンプルと同じ方法で作製した。
【0049】
[測定方法]
先ず、測定用サンプルの厚み(T1)を測定する。
測定用サンプルを、肉厚方向に厚み(T1)の90%量を圧縮速度500mm/minで均一に圧縮し、その後圧力を解放し20±2℃・相対湿度65%に調整した場所に24時間静置した後、再度厚み(T2)を測定し、次式で圧縮後厚み回復率Rを計算し、3個のサンプルについての平均値で求めた。
【0050】
R=T2/T1×100 (%)
(g)圧縮応力異方度Z
[測定用サンプル作製]
独立気泡率測定用サンプルと同じ方法で作製した。
【0051】
[測定方法]
JISZ0234「包装用緩衝材料の静的圧縮試験方法」に準じ測定され、測定用サンプルを荷重速度10mm/minで元の厚みの25%量を圧縮し、その時点で測定される荷重V(kgf)の測定値から、応力Y(kgf/cm2)を次式で計算する。発泡体圧縮面の面積:U(cm2)
Y=V/U
上記測定時、押出方向及び肉厚方向の各方向に垂直な面に発生する応力を、それぞれ押出方向の圧縮応力YE(N=5の平均値),肉厚方向の圧縮応力YT(N=5の平均値)とし、圧縮応力異方度Zを次式で計算する。
【0052】
Z=YE/YT
(h)発泡体密度
[測定用サンプル作製]
独立気泡率測定用サンプルと同じ方法で作製した。
【0053】
[測定方法]
JIS K6767に準じ測定した。
[総合評価]
上記項目の評価記号より、以下の様に評価を行った。
【0054】
【実施例1】
本文記載のポリプロピレン系樹脂の移動固定床を有する重合槽を用いたチ−グラ−・ナッタ触媒による2段階重合法を用いてポリプロピレン系樹脂を製造した。すなわち、触媒として、TiCl3 ・1/3AlCl3 とn−吉草酸エチルエステルを振動ボ−ルミル中で温度65℃、磨砕速度50m・sec−2の条件で45時間磨砕たものを用い、内容積200リットルの攪拌機付き反応機に固定攪拌床として、微粉状ポリプロピレン50kgを存在せしめ、重合温度110℃、重合圧力34kg/cm2 、気相水素濃度1mol%の条件を保持するようにプロピレンを供給し、2.5時間後の樹脂のMFR1 が2.4になるように触媒供給量を調整し、第1段階の重合を行った。続いて、重合槽内のプロピレン及び水素をバ−ジし、気相水素濃度を0.003〜0.004モル%とし、重合温度40℃、重合圧力20kg/cm2 の条件を保持するようにプロピレンを供給し、4.4時間後の樹脂(ペレタライズ後)のMFR2 が0.5、かつ第2段階の重合量が全重合量に対して12%になるように触媒量を調整し、第2段階の重合を行い、ポリプロピレン系樹脂を得た。得られた樹脂の物性を表2に示す。
【0055】
次いで、45mmのバレル内径を有するスクリュ−型押出機の供給域に、上記の樹脂を1時間当たり50kgの速度で供給し、同時に、上記の樹脂の100重量部に対し0.02重量部の割合で気泡核剤[永和化成製セルボンSC−K]を供給した。押出機のバレル温度を190℃に調節し、押出機の先端に備えた混合部に発泡剤[テトラフルオロエタン/塩化エチル=2/8モル比からなる混合発泡剤]を上記の樹脂100重量部に対し18重量部の割合で注入し、上記の樹脂と気泡核剤の溶融物と混合し発泡性組成物とした。この発泡性組成物を、押出機の出口に接続した冷却装置で最終的に155℃に均一に冷却調温した後、3.6リットルの内容積を有し155℃の押出温度に調温されたアキュムレーター内に、発泡が生じないアキュムレーター内圧力を保ちながら、油圧シリンダーのピストンを後退させて充填した。充填完了直後にこのアキュムレーター先端部に取り付けた押出用ダイ(テ−パ角度:45°、開口部形状 幅:180mm、厚み:1.5mm)の閉塞板を開き、且つ油圧シリンダーのピストンを前進させて、押出用ダイ内の発泡性組成物が「押出ダイ内発泡」しない最低の吐出速度で押出した。押出された発泡体は、押出し直後に上下からロールで挟み成形を行った。
【0056】
得られた発泡体を用い、上記記載の方法で密度、肉厚、独立気泡率、平均気泡径、1回落下時の最大加速度の最小値J1値、緩衝性能低下度K、圧縮後厚み回復率R、圧縮応力異方度Zの特性値の測定・計算を行った。その結果を表3に示す。
【0057】
【実施例2〜9及び比較例1〜5】
実施例1と同様の製造方法を用い、表1に示す製造条件で、粘度(MFR)を管理指標にして8種類の樹脂を製造した(実施例2〜9)。各樹脂について、本文記載の測定方法で物性値を測定した。その結果を上記管理指標と共に表2に示す。尚、表1及び表5に示されているMFR2は、重合された粉体状の樹脂に、各種添加剤を押出機で練り込み作られたペレットを使用して測定値された値である。
【0058】
また、比較のために次の5種類の樹脂を用意した。そのうち2つは上記のポリプロピレン系樹脂の製造方法のうち、一段目と2段目の重合条件の一部を外した条件(条件は表5に示す)を採用したもので、得られた樹脂は比較例1、2とした。他の3種類は次の市販の樹脂を用意した。即ち比較例3は旭化成工業(株)製ポリプロピレン樹脂「E1100」、比較例4は旭化成工業(株)製ポリプロピレン樹脂「E3100」、比較例5は前記特開平4−363227号公報の実施例に採用されている米国ハイモント社製「PF−815」である。比較例1、2の管理指標と共に、この比較の樹脂5種類の特性値も上記と同様に測定し表6にまとめて示す。
【0059】
樹脂、発泡剤注入量、気泡核剤添加量、ダイ開口部厚みについて、一部、表7〜9の製造条件項に示す内容に変更したことの他は実施例1と同じ製造方法をくりかえし、夫々発泡体を得た。又得られた発泡体は、上記記載の評価方法で評価しその結果を実施例2〜9については表3、4に、及び比較例1〜5については表7〜9にまとめた。但し、実施例5〜9(比較例2も同じ)のエチレンを含有する樹脂を用い発泡体を製造する場合のみ、樹脂の冷却温度とアキュムレーター内の温度を155〜145℃の範囲で、樹脂の固形物がダイから出ない最低の温度に設定した。
【0060】
表3、4及び表7〜9の結果によると、本発明の樹脂を用いると、肉厚が20mm以上で独立気泡率が十分に高く圧縮応力の異方性の少ない良質な押出発泡体が得られ、叉、本発明の樹脂からなる肉厚が30mm以上の発泡体では最大加速度の最小値が65G以下の高い「緩衝性能」を有することがわかる。また、表7〜9の結果によると、比較例の樹脂を用いた場合は、独立気泡率を高める目的で気泡核剤添加量を増やしても、独立気泡率を80%以上に高めることが出来ず、更に、圧縮応力に異方性が生じ発泡体の厚みも20mm未満になってしまうことがわかる。更に、表3、4から本発明の樹脂にエチレン成分を所定量含有させることにより、発泡体に緩衝性能の維持性やある特定な加工を行った後の寸法回復性が付与されることがわかる。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【発明の効果】
本発明のポリプロピレン系樹脂により、従来はその実現が不可能であった処の、単体で肉厚が20mm以上有した状態にあって、且つ、密度が0.005g/cm3以上0.03g/cm3以下、平均気泡径0.4mm以上2.0mm以下、独立気泡率80%以上で、その表面には鱗状の凹凸がなく、コルゲートやボイド現象のない外観に優れ、且つ、最大加速度の最小値が80G以下の値を示す「緩衝特性」に優れた発泡体を提供することが可能となった。
【0071】
更に、本発明の樹脂は、従来の樹脂でその実現が不可能であった処の、高密度領域での厚肉発泡体並びに低密度領域での薄肉発泡体を、良質な状態の発泡体として製造することも当然容易に可能である。従って本発明の樹脂は、良質の発泡体を得るに当たり、その密度、発泡体断面(肉厚)の双方を目標通りに自由に選択することが可能な押出発泡適性に富んだ発泡用のポリプロピレン系樹脂であると言うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出機の押出用ダイ近傍における発泡体の形成及び気泡の成長過程を示す説明図である。
【図2】図1の折れ線3の樹脂の流動圧力を機械的に高めた場合の押出機の押出用ダイ近傍における発泡体の形成及び気泡の成長過程を示す説明図である。
【図3】ポリエチレン樹脂押出発泡体の最大加速度の最小値の発泡体の肉厚による違いを示す説明図である。
【図4】本発明の発泡体にエチレンを含有させることにより、発泡体に緩衝性能の維持性やある特定な加工を行った後の寸法回復性を付与させることが出来ることを示す説明図である。
【符号の説明】
A 押出用ダイのランド部領域
B 押出用ダイのテーパ部領域
C 押出機の先端部領域
D、F、F’発泡体
E1、E2、G1、G2 発泡体の気泡
Q1、Q2 発泡組成物の押出量
P 流動圧力
θ 押出用ダイのテ−パの角度
J 最大加速度
I 静的応力
t20 肉厚20mmのポリエチレン系発泡体の動的衝撃曲線図
t30 肉厚30mmのポリエチレン系発泡体の動的衝撃曲線図
t40 肉厚40mmのポリエチレン系発泡体の動的衝撃曲線図
K 緩衝性能低下度K
R 圧縮後厚み回復率R
Et エチレン含有量
1、2、3、3’、3” 樹脂の流動圧力値
4 発泡剤の系内温度における蒸気圧値
5 緩衝性能低下度K1.3を示す線
6 圧縮後厚み回復率R95%を示す線
Claims (3)
- エチレン含有量が0.05〜8wt%であるポリプロピレン系線状樹脂であって、GPC法により測定されるZ平均分子量MZが8×106〜40×106、且つ、Z平均分子量MZと重量平均分子量MWの比であるMZ/MWが10〜50であり、2軸伸長歪0.2における2軸伸長粘度が4.5×106〜15×106poiseであり、かつ下記の式(1)で表される2軸歪硬化率αが0.30〜0.60であることを特徴とするポリプロピレン系線状樹脂。
α=0.77×(logη2−logη1)・・・(1)
(但し、上式中、η1は2軸伸長歪が0.01の時の2軸伸長粘度を示し、η2は2軸伸長歪が0.2の時の2軸伸長粘度を示す) - スウェル値Sが2以上5.0以下である請求項1記載のポリプロピレン系線状樹脂。
- 押出発泡用樹脂である請求項1〜2のいずれかに記載のポリプロピレン系線状樹脂。
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