JPH10108536A - コンバインの穀粒排出装置 - Google Patents

コンバインの穀粒排出装置

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JPH10108536A
JPH10108536A JP26580296A JP26580296A JPH10108536A JP H10108536 A JPH10108536 A JP H10108536A JP 26580296 A JP26580296 A JP 26580296A JP 26580296 A JP26580296 A JP 26580296A JP H10108536 A JPH10108536 A JP H10108536A
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discharge auger
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braking
discharge
auger
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山形  浩司
Mitsuru Takenaka
竹中  満
Toshikatsu Otani
利克 大谷
Ryoji Mizuno
亮二 水野
Norimune Ozaki
徳宗 尾崎
Shigeo Fujita
茂雄 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排出オーガの旋回速度の高速化が図られた穀
粒排出装置における排出オーガの自重などによる不測の
旋回を阻止できるように構成して、穀粒排出作業時にお
ける作業効率の向上を図れるようにする。 【解決手段】 グレンタンク5に貯留された穀粒を外部
に排出する排出オーガ17を起伏操作可能にかつ旋回操
作可能に装備したコンバインの穀粒排出装置において、
前記排出オーガ17を所望の旋回位置に固定保持する制
動状態と、前記排出オーガの旋回移動を許容する非制動
状態とに切り換え可能な制動手段Aを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グレンタンクに貯
留された穀粒を外部に排出する排出オーガを起伏操作可
能にかつ旋回操作可能に装備したコンバインの穀粒排出
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のようなコンバインの穀粒排出装置
においては、排出オーガを旋回操作可能に構成するため
の旋回駆動手段が装備されている。旋回駆動手段は、例
えば特開平6‐249320号公報などで開示されてい
るように、縦送りスクリューコンベヤにその軸芯周りに
回動自在に支持された回動ケース、該回動ケースの外周
に固着された大径ギヤ、および、該大径ギヤに噛合する
ピニオンを備えた電動モータなどによって構成されてい
る。そして、電動モータには、機体が比較的に大きく傾
斜する傾斜地での穀粒排出作業時における排出オーガの
自重などに起因した不測の旋回を阻止することから、制
動力の大きいウォームギヤからなる減速機構部を備えた
直交軸形式のギヤードモータが採用されている。そのた
め、従来では、上記のようなコンバインの穀粒排出装置
において、排出オーガを所望の旋回位置に固定保持する
ための専用の制動手段を新たに設けるように構成された
ものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術のように排出オーガを旋回させる電動モータに
直交軸形式のギヤードモータを採用すると、機体が比較
的に大きく傾斜する傾斜地での穀粒排出作業時における
排出オーガの自重などに起因した不測の旋回は阻止でき
るものの、排出オーガの旋回速度が著しく低下する不都
合が生じるようになっており、穀粒排出作業の作業効率
の向上を図る上において改善の余地があった。
【0004】そこで近年では、旋回駆動手段の電動モー
タに、排出オーガの旋回速度の高速化を図ることのでき
る平歯車からなる減速機構部を備えた平行軸形式のギヤ
ードモータを採用することによって穀粒排出作業の作業
効率の向上が図られている。しかしながら、電動モータ
に平行軸形式のギヤードモータを採用すると、排出オー
ガの旋回速度の高速化を図ることはできるものの、ギヤ
ードモータとしての制動力が低下するようになることか
ら、機体が比較的に大きく傾斜する傾斜地において穀粒
排出装置による穀粒排出作業を行った場合には、ギヤー
ドモータの制動力が排出オーガの重量に負けてしまい、
排出オーガが自重によって傾斜方向下手側へ徐々に旋回
し、排出オーガの排出口が所望の穀粒排出箇所(例えば
運搬車の荷台など)から外れてしまうといった直交軸形
式のギヤードモータを採用することによって解消されて
いた不都合が新たに生じるようになる。そのため、機体
が比較的に大きく傾斜する傾斜地での穀粒排出作業時に
は、排出オーガの排出口を所望の穀粒排出箇所に復帰さ
せるための旋回操作を要するようになる。
【0005】つまり、単に旋回駆動手段の電動モータに
排出オーガの旋回速度の高速化を図ることのできる平行
軸形式のギヤードモータを採用したとしても、作業地の
状況によっては、排出オーガの自重などに起因した不測
の旋回によって排出オーガの排出口が所望の穀粒排出箇
所から外れてしまう不都合が生じ、それを修正するため
の時間や労力を要するようになることから、穀粒排出作
業の作業効率の向上が図られたとは言い難いものとなっ
ており、穀粒排出作業の作業効率の向上を図る上におい
て未だ改善の余地があった。
【0006】本発明の目的は、排出オーガの旋回速度の
高速化が図られた穀粒排出装置における排出オーガの自
重などによる不測の旋回を阻止できるように構成して、
穀粒排出作業時における作業効率の向上を図れるように
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちの請求項1記載の発明では、グレンタ
ンクに貯留された穀粒を外部に排出する排出オーガを起
伏操作可能にかつ旋回操作可能に装備したコンバインの
穀粒排出装置において、前記排出オーガを所望の旋回位
置に固定保持する制動状態と、前記排出オーガの旋回移
動を許容する非制動状態とに切り換え可能な制動手段を
設けた。
【0008】上記請求項1記載の発明によると、排出オ
ーガを所望の旋回位置まで旋回させた後に制動手段を制
動状態に切り換えるようにすれば、その所望の旋回位置
に排出オーガを固定保持することができるので、穀粒排
出作業を行う作業地が、機体が比較的に大きく傾斜する
傾斜地であったとしても、排出オーガの自重などによっ
て排出オーガが傾斜方向下手側へ不測に旋回し、排出オ
ーガの排出口が所望の穀粒排出箇所から外れてしまうと
いった不都合が生じることを阻止できるようになる。こ
れによって、排出オーガの排出口が所望の穀粒排出箇所
から外れた際の時間や労力を要する修正作業を無くすこ
とができるようになる。また、制動手段を設けたことに
より、排出オーガを旋回させる旋回駆動手段の電動モー
タに、排出オーガの自重などに起因した不測の旋回を阻
止するための大きな制動力を持たせる必要がなくなるの
で、旋回駆動手段の電動モータに、ギヤードモータとし
ての制動力は低いが排出オーガの旋回速度の高速化を図
ることのできる平行軸形式のギヤードモータを採用する
ことができるようになる。
【0009】従って、制動手段を設けたことによって排
出オーガの自重などによる不測の旋回を阻止できるよう
になり、それによって、排出オーガの排出口が所望の穀
粒排出箇所から外れた際の時間や労力を要する修正作業
を無くすことができるとともに、旋回駆動手段の電動モ
ータに排出オーガの旋回速度の高速化を図ることのでき
る平行軸形式のギヤードモータを採用することができる
ので、穀粒排出作業時における作業効率の向上を図れる
ようになった。
【0010】本発明のうちの請求項2記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記排出オーガの穀
粒排出状態を検出する排出検出手段を設け、該排出検出
手段により前記排出オーガの穀粒排出状態が検出される
と、前記制動手段が制動状態に切り換わるよう構成し
た。
【0011】上記請求項2記載の発明によると、排出オ
ーガを所望の旋回位置まで旋回させた後に穀粒排出装置
による穀粒排出作業を開始させると、それに伴って排出
オーガが穀粒排出状態になったことを排出検出手段が検
出し、その検出に基づいて、制動手段が制動状態に自動
的に切り換わるようになる。これによって、制動手段の
制動状態への切り換えを独自の手動操作で行うよう構成
した場合に比較して、排出オーガを所望の旋回位置まで
旋回させた後に制動手段を制動状態に切り換える手間を
無くすことができるので、穀粒排出作業を行う際に要す
る操作の簡便性の向上を図れるようになる。また、制動
手段の制動状態への切り換えを独自の手動操作で行うよ
う構成した場合に生じる虞のある、排出オーガを所望の
旋回位置まで旋回させた後の制動手段の制動状態への切
り換え忘れを防止することができるので、その切り換え
忘れによって穀粒排出作業時に排出オーガが不測に旋回
するといった不都合が生じることを回避でき、これによ
って、排出オーガの排出口が所望の穀粒排出箇所から外
れた際の時間や労力を要する修正作業を確実に無くすこ
とができるようになる。
【0012】従って、穀粒排出作業を行う際に要する操
作の簡便性の向上を図ることができるとともに、排出オ
ーガの排出口が所望の穀粒排出箇所から外れた際の時間
や労力を要する修正作業を確実に無くすことができるこ
とから、穀粒排出作業時における作業効率の向上をより
一層図れるようになった。
【0013】本発明のうちの請求項3記載の発明では、
上記請求項1または2記載の発明において、前記排出オ
ーガの移動操作を検出する移動検出手段を設け、該移動
検出手段により前記排出オーガの移動操作が検出される
と、前記制動手段が非制動状態に切り換わるよう構成し
た。
【0014】上記請求項3記載の発明によると、制動手
段の制動作用により所望の旋回位置に固定保持された排
出オーガを旋回させるための移動操作を行うと、その移
動操作を移動検出手段が検出し、その検出に基づいて、
制動手段が非制動状態に自動的に切り換わるようにな
る。これによって、制動手段の非制動状態への切り換え
を独自の手動操作で行うよう構成した場合に比較して、
排出オーガを所望の旋回位置から旋回させる際に制動手
段を非制動状態に切り換える手間を無くすことができる
ので、排出オーガを所望の旋回位置から旋回させる際に
要する操作の簡便性の向上を図れるようになる。また、
制動手段の非制動状態への切り換えを独自の手動操作で
行うよう構成した場合に生じる虞のある、排出オーガを
所望の旋回位置から旋回させる際における制動手段の非
制動状態への切り換え忘れを防止することができるの
で、その切り換え忘れにより制動手段が制動状態である
にもかかわらず排出オーガが旋回操作されることによっ
て制動手段あるいは排出オーガを旋回させる旋回駆動手
段(電動モータや伝動ギヤなど)が破損するといった不
都合が生じることを回避できるようになる。
【0015】従って、排出オーガを所望の旋回位置から
旋回させる際に要する操作の簡便性の向上を図れること
から、穀粒排出作業時における作業効率の向上をより一
層図れるようになった。また、排出オーガを所望の旋回
位置から旋回させる際の制動手段の非制動状態への切り
換え忘れに起因して制動手段あるいは旋回駆動手段が破
損することを回避できるとともに、それらの破損に起因
した穀粒排出作業時における作業効率の低下を防止でき
るようになった。
【0016】本発明のうちの請求項4記載の発明では、
上記請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明におい
て、自動格納指令手段からの指令に基づいて前記排出オ
ーガを所定の格納位置に自動格納操作する自動格納操作
手段と、前記排出オーガの起立限界位置への到達を検出
する上限検出手段とを設け、前記自動格納操作手段によ
る前記排出オーガの自動格納操作中に前記上限検出手段
により前記排出オーガの起立限界位置への到達が検出さ
れると、前記制動手段が非制動状態に切り換わるよう構
成した。
【0017】上記請求項4記載の発明によると、自動格
納指令手段からの指令に基づいて自動格納操作手段が制
動手段の制動作用により所望の旋回位置に固定保持され
ている排出オーガを所定の格納位置に移動させる自動格
納操作中において、排出オーガの起立限界位置への到達
が上限検出手段により検出されると、排出オーガを所望
の旋回位置に固定保持している制動手段が自動的に非制
動状態に切り換わるようになる。これによって、制動手
段の非制動状態への切り換えを独自の手動操作で行うよ
う構成した場合に比較して、排出オーガの自動格納操作
の際に制動手段を非制動状態に切り換える手間を無くす
ことができるので、排出オーガを自動格納させる際に要
する操作の簡便性の向上を図れるようになる。また、制
動手段の非制動状態への切り換えを独自の手動操作で行
うよう構成した場合に生じる虞のある、排出オーガを自
動格納させる際における制動手段の非制動状態への切り
換え忘れを防止することができるので、その切り換え忘
れにより制動手段が制動状態であるにもかかわらず排出
オーガの自動格納操作(旋回操作)が行われることによ
って制動手段あるいは旋回駆動手段(電動モータや伝動
ギヤなど)が破損するといった不都合が生じることを回
避できるようになる。
【0018】ちなみに、自動格納操作手段の自動格納操
作により排出オーガを所望の旋回位置から所定の格納位
置まで移動させる際には、排出オーガが操縦部の上方を
通過する場合がある。そのため、自動格納操作手段によ
る排出オーガの自動格納操作において、排出オーガは、
自動格納操作中の排出オーガが操縦者に接触することを
回避する点から、所望の旋回位置において起立限界位置
まで起立操作された後に所定の格納位置まで旋回操作さ
れ、所定の格納位置に到達した後に所定の格納姿勢とな
るように倒伏操作されるようになっている。そこで、こ
の操作手順を考慮して、上述したように排出オーガの自
動格納操作時における制動手段の非制動状態への切り換
えは、上限検出手段により排出オーガの起立限界位置へ
の到達が検出されることによって行われるように設定し
ているのであり、これによって、例えば、制動手段の非
制動状態への切り換えが排出オーガの自動格納操作が開
始されるのに伴って行われるように設定した場合に生じ
る虞のある、排出オーガの起立限界位置への起立操作中
における不測の旋回により排出オーガが操縦者に接触す
るといった不都合が生じることを阻止できるようにな
る。
【0019】従って、排出オーガを自動格納させる際に
要する操作の簡便性の向上を図れることから、穀粒排出
作業時における作業効率の向上をより一層図れるように
なった。また、排出オーガを自動格納させる際の制動手
段の非制動状態への切り換え忘れに起因して制動手段あ
るいは旋回駆動手段が破損することを回避できるととも
に、それらの破損に起因した穀粒排出作業時における作
業効率の低下を防止でき、さらに、排出オーガを自動格
納させる際における排出オーガの不測の旋回に起因した
操縦者への接触を阻止できるようになった。
【0020】本発明のうちの請求項5記載の発明では、
上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明におい
て、走行機体の旋回操作を検出する機体旋回検出手段を
設け、該機体旋回検出手段により前記走行機体の旋回操
作が検出されると、前記制動手段が非制動状態に切り換
わるよう構成した。
【0021】上記請求項5記載の発明によると、走行機
体の旋回操作を行うと、その旋回操作を機体旋回検出手
段が検出し、その検出に基づいて、制動手段が非制動状
態に自動的に切り換わるようになる。つまり、排出オー
ガを制動手段の制動作用により所望の旋回位置に固定保
持している状態において、走行機体の旋回操作が行わ
れ、それによって、排出オーガに対して走行機体の旋回
操作に起因した旋回方向の振り回し力が作用したとして
も、走行機体の旋回操作が行われたことによって制動手
段が非制動状態に切り換えられていることから、その振
り回し力による排出オーガの旋回が許容されるようにな
る。これによって、走行機体の旋回操作が行われる際に
おいても排出オーガを制動手段の制動作用により所望の
旋回位置に固定保持するよう構成した場合に生じる虞の
ある、走行機体の旋回操作に起因した排出オーガの振り
回し力により制動手段あるいは旋回駆動手段が破損する
といった不都合が生じることを回避できるようになる。
【0022】従って、走行機体の旋回操作に起因した排
出オーガの旋回方向の振り回し力による制動手段あるい
は旋回駆動手段の破損を回避できるとともに、それらの
破損に起因した穀粒排出作業時における作業効率の低下
を防止できるようになった。
【0023】本発明のうちの請求項6記載の発明では、
上記請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記排出オーガに所定値以上の旋回操作トルクが作
用すると、前記制動手段による前記排出オーガの制動を
解除するトルクリミッタを設けた。
【0024】上記請求項6記載の発明によると、排出オ
ーガの旋回操作(自動格納操作を含む)や、走行機体の
旋回操作などに起因した旋回方向の振り回し力により、
排出オーガに対して所定値以上の旋回操作トルクが作用
すると、トルクリミッタが制動手段による排出オーガの
制動を自動的に解除するようになる。言い換えると、排
出オーガに対して所定値以上の旋回操作トルクが作用し
ない限り、トルクリミッタは制動手段の制動作用によっ
て排出オーガを所望の旋回位置に固定保持するようにな
る。これによって、制動手段の作動状態(制動状態と非
制動状態)の切り換えを独自の手動操作で行うよう構成
した場合に比較して、排出オーガの操作に応じて制動手
段の作動状態を切り換える手間を無くすことができるの
で、排出オーガを旋回あるいは固定保持させる際に要す
る操作の簡便性の向上を図れるようになる。また、制動
手段の作動状態の切り換えを独自の手動操作で行うよう
構成した場合に生じる虞のある制動手段の作動状態の切
り換え忘れを防止することができるので、その切り換え
忘れにより、排出オーガが自重などに起因して不測に旋
回することによって排出オーガを所望の旋回位置(穀粒
排出箇所)に復帰させるための修正作業を要する、ある
いは、制動手段が制動状態であるにもかかわらず排出オ
ーガが旋回操作されることによって制動手段あるいは旋
回駆動手段が破損するといった不都合が生じることを確
実に回避できるようになる。さらに、走行機体の旋回操
作時などに起因した旋回方向の振り回し力により排出オ
ーガに対して所定値以上の旋回操作トルクが作用してい
る状態においても排出オーガを制動手段の制動作用によ
り所望の旋回位置に固定保持するよう構成した場合に生
じる虞のある、走行機体の旋回操作に起因した振り回し
力による排出オーガに対する所定値以上の旋回操作トル
クにより制動手段あるいは旋回駆動手段が破損するとい
った不都合が生じることを回避できるようになる。
【0025】その上、穀粒排出箇所にて待機している作
業者が排出オーガの先端部を旋回方向に押圧した場合に
おいても、その押圧によって得られる排出オーガの旋回
操作トルクが所定値以上になると、制動手段による排出
オーガの制動を解除できることから、排出オーガの先端
部を作業者が旋回方向に押圧することによっても排出オ
ーガの旋回操作を行えるようになる。つまり、穀粒排出
作業時における穀粒排出箇所に対する排出オーガの旋回
方向の微調節を穀粒排出箇所にて待機している作業者に
よって容易かつ好適に行えるようになる。
【0026】従って、排出オーガを旋回あるいは固定保
持させる際に要する操作の簡便性の向上を図れるととも
に、排出オーガを所望の旋回位置に復帰させる修正作業
の必要性を確実に無くすことができることから、穀粒排
出作業時におけるより一層の作業効率の向上を図れるよ
うになった。また、制動手段の非制動状態への切り換え
忘れや、走行機体の旋回操作などに起因した排出オーガ
の振り回し力による制動手段あるいは旋回駆動手段の破
損を確実に回避できるとともに、それらの破損に起因し
た穀粒排出作業時の作業効率の低下を防止でき、その
上、穀粒排出作業時における穀粒排出箇所に対する排出
オーガの旋回方向の微調節を穀粒排出箇所側から容易か
つ好適に行えるようになった。
【0027】本発明のうちの請求項7記載の発明では、
上記請求項1〜6のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記排出オーガの先端側に、該排出オーガに対して
付与された旋回方向の外力を検出する旋回外力検出手段
を設け、該旋回外力検出手段が所定値以上の外力を検出
すると、前記制動手段が非制動状態に切り換わるよう構
成した。
【0028】上記請求項7記載の発明によると、穀粒排
出箇所にて待機している作業者が、穀粒排出作業時には
穀粒排出箇所に位置する状態となる排出オーガの先端側
に設けられた旋回外力検出手段に対して所定値以上の外
力を付与すると、制動手段を非制動状態に切り換えるこ
とができるようになる。つまり、穀粒排出箇所側からの
排出オーガの旋回操作が可能になり、これによって、穀
粒排出作業時における穀粒排出箇所に対する排出オーガ
の旋回方向での微調節や、排出オーガの旋回位置(穀粒
排出位置)の変更などを穀粒排出箇所側から容易かつ好
適に行えるようになる。その上、穀粒排出箇所側から排
出オーガを旋回させる際に要する操作力を、先述した請
求項6記載の発明のものに比較して軽減できる利点を有
するようになる。
【0029】従って、穀粒排出作業時における穀粒排出
箇所に対する排出オーガの旋回方向の微調節を穀粒排出
箇所側から容易かつ好適に、しかも労力の軽減を図りな
がら行えるようになった。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】図1には自脱型コンバインの全体側面が、
図2には自脱型コンバインの全体平面が夫々示されてお
り、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置
1を備えた走行機体2、走行機体2の前部に装着された
刈取部3、刈取部3にて刈り取られた穀稈を脱穀して穀
粒を選別回収する脱穀装置4、脱穀装置4にて選別回収
された穀粒を貯留するグレンタンク5、グレンタンク5
の前方に配備された操縦部6、および、グレンタンク5
に貯留された穀粒を穀粒排出箇所の一例であるトラック
の荷台などに排出する穀粒排出装置7などによって構成
されている。
【0032】図3に示すように、左右のクローラ式走行
装置1は、走行クラッチ8、無段変速装置9、および、
ミッションケース10を介して伝達されるエンジン11
からの動力によって駆動されるようになっている。ミッ
ションケース10には、左右の各クローラ式走行装置1
に対応する左右一対のクラッチ・ブレーキ12Aと、左
右のクラッチ・ブレーキ12Aの作動状態を切り換える
油圧式の操作機構12Bとからなるクラッチ・ブレーキ
機構12が装備されており、操縦部6に装備された操向
レバー13を中立位置から揺動操作して、操作機構12
Bの作動により一方のクラッチ・ブレーキ12Aの作動
状態を「クラッチ→入・ブレーキ→切」状態から「クラ
ッチ→切・ブレーキ→切」状態に切り換えて一方のクロ
ーラ式走行装置1に対する伝動を絶つことにより、旋回
半径の比較的に大きい緩旋回走行を現出できるようにな
っている。また、操向レバー13をさらに揺動操作し
て、一方のクラッチ・ブレーキ12Aの作動状態を「ク
ラッチ→切・ブレーキ→切」状態から「クラッチ→切・
ブレーキ→入」状態に切り換えて一方のクローラ式走行
装置1に対して制動力を付与することにより、旋回半径
の比較的に小さい急旋回走行を現出できるようになって
いる。尚、クラッチ・ブレーキ機構12と操向レバー1
3は、操向レバー13の揺動操作量を検出するレバーセ
ンサS1と、レバーセンサS1からの検出に基づいてク
ラッチ・ブレーキ機構12の作動を制御する制御装置1
4とを介して連係されている。
【0033】図1〜4に示すように、穀粒排出装置7
は、グレンタンク5の底部に前後方向に沿う状態に配備
された底部スクリューコンベヤ15、底部スクリューコ
ンベヤ15の搬送終端部から上方に向けて延設された縦
送りスクリューコンベヤ16、縦送りスクリューコンベ
ヤ16の上部に横軸芯P1周りに起伏揺動自在でかつ縦
軸芯P2周りに旋回揺動自在に装備された排出オーガ1
7、排出オーガ17を縦送りスクリューコンベヤ16に
対して横軸芯P1周りに起伏駆動する起伏駆動手段1
8、および、排出オーガ17を縦送りスクリューコンベ
ヤ16に対して縦軸芯P2周りに旋回駆動する旋回駆動
手段19などによって構成されている。底部スクリュー
コンベヤ15は、その搬送始端側の端部がグレンタンク
5の前部側に露出する状態に延出されたコンベヤスクリ
ュー15Aから構成されており、その延出端には、エン
ジン11から底部スクリューコンベヤ15への伝動を断
続するベルトテンション式に構成された排出クラッチ2
0の出力プーリ20Aが装着されている。縦送りスクリ
ューコンベヤ16は、底部スクリューコンベヤ15にベ
ベルギヤ式連動機構(図示せず)を介して連動連結され
たコンベヤスクリュー16Aと、それを外囲するととも
にグレンタンク5に連通接続された円筒ケース16Bに
よって構成されている。排出オーガ17は、縦送りスク
リューコンベヤ16のコンベヤスクリュー16Aにベベ
ルギヤ式連動機構(図示せず)を介して連動連結された
コンベヤスクリュー17Aと、それを外囲するとともに
縦送りスクリューコンベヤ16の円筒ケース16Bに回
動ケース21を介して連通接続された円筒ケース17B
によって構成されている。回動ケース21は、縦送りス
クリューコンベヤ16の円筒ケース16Bには縦軸芯P
2周りに相対回動可能に接続され、また、排出オーガ1
7の円筒ケース17Bには横軸芯P1周りに相対回動可
能に接続されている。排出オーガ17における円筒ケー
ス17Bの先端部には穀粒排出用の排出口17aが形成
されている。つまり、底部スクリューコンベヤ15、縦
送りスクリューコンベヤ16、および、排出オーガ17
は、排出クラッチ20を介して伝達されるエンジン11
からの動力で駆動されることによって、グレンタンク5
に貯留された穀粒を排出オーガ17の排出口17aから
排出するようになっている。
【0034】図3および図4に示すように、起伏駆動手
段18は、回動ケース21、回動ケース21と排出オー
ガ17の円筒ケース17Bとに渡って架設された油圧シ
リンダ22、および、油圧シリンダ22に対する作動油
の流動状態を切り換える電磁制御弁23などによって構
成されており、操縦部6に装備された起立スイッチ24
または倒伏スイッチ25の操作により、制御装置14に
対して排出オーガ17の起立指令または倒伏指令を指令
することによって、排出オーガ17の所望の起伏位置へ
の起伏操作を行えるようになっている。旋回駆動手段1
9は、回動ケース21、回動ケース21の外周に固着さ
れた大径ギヤ26、および、大径ギヤ26に噛合するピ
ニオン27を備える状態で縦送りスクリューコンベヤ1
6の円筒ケース16Bに支持固定された電動モータ28
によって構成されており、操縦部6に装備された左旋回
スイッチ29または右旋回スイッチ30の操作により、
制御装置14に対して排出オーガ17の左旋回指令また
は右旋回指令を指令することによって、排出オーガ17
の所望の旋回位置(穀粒排出位置)への旋回操作を行え
るようになっている。電動モータ28としては、排出オ
ーガ17の旋回速度の高速化を図る点から、平歯車(図
示せず)からなる減速機構部28Aを備えた平行軸形式
のギヤードモータが採用されている。
【0035】図1、図3および図4に示すように、旋回
駆動手段19の電動モータ28には制動手段Aとしての
電磁ブレーキ31が装備されており、この電磁ブレーキ
31を制動状態に切り換えて電動モータ28の回転軸
(図示せず)に制動力を付与することによって、排出オ
ーガ17を所望の旋回位置に固定保持できるようになっ
ている。また、電磁ブレーキ31を非制動状態に切り換
えて電動モータ28の回転軸に対する制動力の付与を解
除することによって、排出オーガ17の所望の旋回位置
からの旋回移動を許容するようになっている。
【0036】以上の構成から、排出オーガ17を所望の
旋回位置まで旋回させた後に電磁ブレーキ31(制動手
段A)を制動状態に切り換えるようにすれば、その所望
の旋回位置に排出オーガ17を固定保持することができ
るので、穀粒排出作業を行う作業地が、走行機体2が比
較的に大きく傾斜する傾斜地であったとしても、排出オ
ーガ17の自重や機体の振動などに起因した排出オーガ
17の傾斜方向下手側への不測の旋回移動を阻止するこ
とができ、これによって、排出オーガ17の排出口17
aが所望の旋回位置である穀粒排出箇所(トラックの荷
台など)から外れてしまうといった不都合が生じること
を阻止できるようになっている。また、これによって、
排出オーガ17の排出口17aが所望の旋回位置から外
れた際に要する修正作業を無くすことができるようにな
っている。
【0037】図1〜3に示すように、グレンタンク5の
前部には、排出クラッチ20の作動状態を切り換えるク
ラッチレバー32と、このクラッチレバー32が「入」
位置に操作されたことを検出して制御装置14に出力す
るリミットスイッチS2とが装備されている。制御装置
14は、リミットスイッチS2によりクラッチレバー3
2の「入」位置への操作が検出されると、その検出に基
づいて排出オーガ17(穀粒排出装置7)が穀粒排出状
態であることを検知して電磁ブレーキ31を制動状態に
切り換えるようになっている。つまり、リミットスイッ
チS2は、排出オーガ17の穀粒排出状態を検出する排
出検出手段Bである。
【0038】以上の構成から、排出オーガ17を所望の
旋回位置(穀粒排出箇所)まで旋回させた後にクラッチ
レバー32を操作して穀粒排出装置7による穀粒排出作
業を開始させると、それに伴って排出オーガ17が穀粒
排出状態になったことをリミットスイッチS2(排出検
出手段B)が検出し、その検出に基づく制御装置14の
制御作動によって、電磁ブレーキ31(制動手段A)が
制動状態に自動的に切り換わるようになっており、これ
によって、電磁ブレーキ31の制動状態への切り換えを
独自の手動操作で行うよう構成した場合に比較して、排
出オーガ17を所望の旋回位置まで旋回させた後に電磁
ブレーキ31を制動状態に切り換える手間を無くすこと
ができ、もって、穀粒排出作業を行う際に要する操作の
簡便性の向上を図れるようになっている。また、電磁ブ
レーキ31の制動状態への切り換えを独自の手動操作で
行うよう構成した場合に生じる虞のある、排出オーガ1
7を所望の旋回位置まで旋回させた後の電磁ブレーキ3
1の制動状態への切り換え忘れを防止することができる
ので、その切り換え忘れによって穀粒排出作業時に排出
オーガ17が不測に旋回するといった不都合が生じるこ
とを回避できるようになっている。
【0039】また、制御装置14は、穀粒排出作業時に
おいて起立スイッチ24、倒伏スイッチ25、左旋回ス
イッチ29、または、右旋回スイッチ30の操作により
排出オーガ17の起立指令、倒伏指令、左旋回指令、ま
たは、右旋回指令が指令されると、その指令に基づいて
起伏駆動手段18または旋回駆動手段19の作動を制御
して排出オーガ17を起伏操作あるいは旋回操作する前
に、電磁ブレーキ31を非制動状態に切り換えるように
なっている。つまり、制御装置14は、排出オーガ17
の移動操作を検出する移動検出手段Cとしても機能する
よう構成されている。
【0040】以上の構成から、電磁ブレーキ31(制動
手段A)の制動作用により所望の旋回位置(穀粒排出箇
所)に固定保持された排出オーガ17の穀粒排出箇所の
変更などを行うための移動操作を行うと、その移動操作
を制御装置14(移動検出手段C)が検出するととも
に、その検出に基づく制御作動によって、電磁ブレーキ
31が非制動状態に自動的に切り換わるようになってお
り、これによって、電磁ブレーキ31の非制動状態への
切り換えを独自の手動操作で行うよう構成した場合に比
較して、排出オーガ17を所望の旋回位置から旋回させ
る際に電磁ブレーキ31を非制動状態に切り換える手間
を無くすことができ、もって、排出オーガ17を所望の
旋回位置から旋回させる際に要する操作の簡便性の向上
を図れるようになっている。また、電磁ブレーキ31の
非制動状態への切り換えを独自の手動操作で行うよう構
成した場合に生じる虞のある、排出オーガ17を所望の
旋回位置から旋回させる際における電磁ブレーキ31の
非制動状態への切り換え忘れを防止することができるの
で、その切り換え忘れにより電磁ブレーキ31が制動状
態であるにもかかわらず排出オーガ17が旋回操作され
ることによって電磁ブレーキ31あるいは旋回駆動手段
19が破損するといった不都合が生じることを回避でき
るようになっている。
【0041】尚、制御装置14は、起立スイッチ24、
倒伏スイッチ25、左旋回スイッチ29、または、右旋
回スイッチ30の操作に基づく排出オーガ17の移動操
作が終了すると、その終了に伴って自動的に電磁ブレー
キ31を制動状態に切り換えるよう構成されている。
【0042】図3および図4に示すように、起伏駆動手
段18の油圧シリンダ22には、その伸縮作動量から排
出オーガ17の起立限界位置への到達を検出して制御装
置14に出力する上限検出手段Dとしてのストロークセ
ンサS3が並設されている。縦送りスクリューコンベヤ
16の円筒ケース16Bには、回動ケース21の大径ギ
ヤ26に噛合するセンサギヤ33の回動量から排出オー
ガ17の旋回位置を検出して制御装置14に出力するロ
ータリエンコーダS4が装備されている。制御装置14
には、排出オーガ17が走行機体2における操縦部6の
左側方に立設された受け具34(図1および図2参照)
の直上に位置する状態となる排出オーガ17の旋回方向
での所定の格納位置が記憶されている。そして、制御装
置14は、操縦部6に装備された格納スイッチ35の操
作により排出オーガ17の格納指令が指令されると、排
出オーガ17の所望の旋回位置から所定の格納位置への
旋回移動時における操縦者との接触を回避する点から、
先ず、ストロークセンサS3により排出オーガ17の起
立限界位置への到達が検出されるまでの間、起伏駆動手
段18を作動させて排出オーガ17を所望の旋回位置に
おいて起立操作し、排出オーガ17が起立限界位置に到
達した後に電磁ブレーキ31を非制動状態に切り換え、
その後、制御装置14に記憶された排出オーガ17の格
納位置と、ロータリエンコーダS4により検出される排
出オーガ17の旋回位置とが合致するまでの間、旋回駆
動手段19を作動させて排出オーガ17を旋回操作し、
排出オーガ17が所定の格納位置に到達した後に、受け
具34に装備した格納検出スイッチS5により排出オー
ガ17が受け具34に受け止め支持されたことが検出さ
れるまでの間、再び起伏駆動手段18を作動させて排出
オーガ17を所定の格納位置において倒伏操作するよう
になっている。つまり、格納スイッチ35は、排出オー
ガ17を所定の格納位置に自動格納させる自動格納操作
の実行を制御装置14に対して指令する自動格納指令手
段Eである。また、制御装置14は、格納スイッチ35
からの指令に基づいて排出オーガ17を所定の格納位置
に自動格納操作する自動格納操作手段Fとしても機能す
るよう構成されている。
【0043】以上の構成から、格納スイッチ35(自動
格納指令手段E)からの指令に基づいて制御装置14
(自動格納操作手段F)が電磁ブレーキ31(制動手段
A)の制動作用により所望の旋回位置に固定保持されて
いる排出オーガ17を所定の格納位置に移動させる自動
格納操作中において、排出オーガ17の起立限界位置へ
の到達がストロークセンサS3(上限検出手段D)によ
り検出されると、排出オーガ17を所望の旋回位置に固
定保持している電磁ブレーキ31が自動的に非制動状態
に切り換わるようになっており、これによって、電磁ブ
レーキ31の非制動状態への切り換えを独自の手動操作
で行うよう構成した場合に比較して、排出オーガ17の
自動格納操作を行う際に電磁ブレーキ31を非制動状態
に切り換える手間を無くすことができ、もって、排出オ
ーガ17を自動格納させる際に要する操作の簡便性の向
上を図れるようになっている。また、電磁ブレーキ31
の非制動状態への切り換えを独自の手動操作で行うよう
構成した場合に生じる虞のある、排出オーガ17を自動
格納させる際における電磁ブレーキ31の非制動状態へ
の切り換え忘れを防止することができるので、その切り
換え忘れにより電磁ブレーキ31が制動状態であるにも
かかわらず排出オーガ17の自動格納操作(旋回操作)
が行われることによって電磁ブレーキ31あるいは旋回
駆動手段19が破損するといった不都合が生じることを
回避できるようになっている。しかも、排出オーガ17
の自動格納操作時における電磁ブレーキ31の非制動状
態への切り換えは、ストロークセンサS3により排出オ
ーガ17の起立限界位置への到達が検出されることによ
って行われるように設定していることから、例えば、電
磁ブレーキ31の非制動状態への切り換えが排出オーガ
17の自動格納操作が開始されるのに伴って行われるよ
う設定した場合に生じる虞のある、排出オーガ17の起
立限界位置への起立操作中における不測の旋回により排
出オーガ17が操縦者に接触するといった不都合が生じ
ることを阻止できるようになっている。
【0044】図3に示すように、制御装置14は、電磁
ブレーキ31の制動作用により排出オーガ17を所望の
旋回位置に固定保持している状態において、操向レバー
13の揺動操作量を検出するレバーセンサS1からの検
出に基づいてクラッチ・ブレーキ機構12の作動状態を
旋回走行状態に切り換える際には、クラッチ・ブレーキ
機構12の旋回走行状態への切り換えとともに、電磁ブ
レーキ31を非制動状態に切り換えるようになってい
る。つまり、レバーセンサS1は、走行機体2の旋回操
作を検出する機体旋回検出手段Gである。
【0045】以上の構成から、排出オーガ17を電磁ブ
レーキ31(制動手段A)の制動作用により所望の旋回
位置に固定保持している状態において、操向レバー13
の揺動操作による走行機体2の旋回操作が行われ、それ
によって、排出オーガ17に対して走行機体2の旋回操
作に起因した旋回方向の振り回し力が作用したとして
も、走行機体2の旋回操作が行われたことによって電磁
ブレーキ31が非制動状態に切り換えられていることか
ら、その振り回し力による排出オーガ17の旋回が許容
されるようになる。これによって、走行機体2の旋回操
作が行われる際においても排出オーガ17を電磁ブレー
キ31の制動作用により所望の旋回位置に固定保持する
よう構成した場合に生じる虞のある、走行機体2の旋回
操作に起因した排出オーガ17の振り回し力により電磁
ブレーキ31あるいは旋回駆動手段19が破損するとい
った不都合が生じることを回避できるようになってい
る。
【0046】尚、制御装置14は、レバーセンサS1か
らの検出に基づいてクラッチ・ブレーキ機構12の作動
状態を直進走行状態に切り換える(操向レバー13が中
立位置に復帰操作された)際には、クラッチ・ブレーキ
機構12の直進走行状態への切り換えとともに、電磁ブ
レーキ31を制動状態に切り換えるよう構成されてい
る。
【0047】図1〜3に示すように、排出オーガ17の
先端側における左右両側部には、該排出オーガ17に対
して付与された旋回方向の外力を検出して制御装置14
に出力する旋回外力検出手段Hとしての左右一対の感圧
スイッチS6が設けられている。そして、制御装置14
は、左右いずれかの感圧スイッチS6により所定値以上
の外力が検出されると電磁ブレーキ31を非制動状態に
切り換えるよう構成されている。
【0048】以上の構成から、穀粒排出箇所にて待機し
ている作業者が、穀粒排出作業時には穀粒排出箇所に位
置する状態となる排出オーガ17の先端側に設けられた
左右いずれか一方の感圧スイッチS6(旋回外力検出手
段H)に対して所定値以上の外力を付与することによっ
て、電磁ブレーキ31(制動手段A)を非制動状態に切
り換えることができるとともに、外力を付与した感圧ス
イッチS6側からの押圧による排出オーガ17の旋回操
作を行えるようになっている。これによって、穀粒排出
作業時における穀粒排出箇所に対する排出オーガ17の
旋回方向での微調節や、排出オーガ17の旋回位置(穀
粒排出位置)の変更などを穀粒排出箇所側から容易かつ
好適に行えるようになっている。
【0049】尚、制御装置14は、左右いずれかの感圧
スイッチS6により所定値以上の外力が検出されなくな
ると再び電磁ブレーキ31を制動状態に切り換えるよう
構成されている。
【0050】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態
を列記する。 上記の実施形態においてはコンバインとして自脱型
のものを例示したが、全稈投入型のものであってもよ
い。 制動手段Aとして、ディスクブレーキやドラムブレ
ーキなどを採用するようにしてもよい。 排出検出手段Bとして、穀粒排出装置7に装備され
たいずれかのコンベヤスクリュー15A,16A,17
Aの回転を感知することにより排出オーガ17の穀粒排
出状態を検出する回転センサや、穀粒排出装置7内にお
ける穀粒の流動に伴う内圧の変化を感知することにより
排出オーガ17の穀粒排出状態を検出する感圧センサな
どを採用するようにしてもよい。 上限検出手段Dとして、起立限界位置に到達した排
出オーガ17との接当によりオン操作されることによっ
て排出オーガ17の起立限界位置への到達を検出するリ
ミットスイッチなどを採用するようにしてもよい。 機体旋回検出手段Gを、例えば、左右のクローラ式
走行装置1における各駆動軸の回転数を検出して制御装
置14に出力する左右一対の回転センサと、それら左右
の回転センサにより検出された各駆動軸の回転数を比較
し、その比較差から機体の旋回を検知するよう構成した
制御装置14とから構成するようにしてもよい。 図5および図6に示すように、排出オーガ17の先
端側における左右両側部にそれぞれ設けられる感圧スイ
ッチS6を、排出オーガ17の内部において発生する旋
回方向の内圧をも検出するよう構成するとともに、左右
いずれかの感圧スイッチS6により所定値以上の内圧が
検出された場合においても、制御装置14が制動手段A
(電磁ブレーキ31)を非制動状態に切り換えるよう構
成してもよい。この構成によると、例えば、走行機体2
が比較的に大きく傾斜する傾斜地での穀粒排出作業にお
いて、図6に示すように、穀粒排出箇所に堆積する穀粒
に起因した排出オーガ17の内部における穀粒詰まりが
生じ、その穀粒詰まりによって排出オーガ17の内圧が
高くなり、左右いずれかの感圧スイッチS6により所定
値以上の内圧が検出されるようになると、その検出に基
づいて制御装置14が制動手段Aを非制動状態に切り換
えるようになり、それに伴って、排出オーガ17が自重
により旋回するようになる。そして、この旋回によって
穀粒排出箇所に堆積する穀粒に起因した排出オーガ17
の内部における穀粒詰まりが解消され、左右の各感圧ス
イッチS6にて所定値より低い値の内圧が検出されるよ
うになると、その検出に基づいて制御装置14が制動手
段Aを制動状態に切り換えるようになり、それに伴って
排出オーガ17の自重による旋回が阻止されるようにな
る。つまり、穀粒排出作業時において、穀粒排出箇所に
堆積する穀粒に起因した排出オーガ17の内部における
穀粒詰まりが生じたとしても、自動的に排出オーガ17
による穀粒排出位置を変更できて、穀粒排出箇所に堆積
する穀粒に起因した排出オーガ17の内部における穀粒
詰まりを解消できる利点を有するようになる。尚、図5
および図6における符号36は、板バネやゴム板などか
らなる弾性体である。 制動手段Aの制動状態と非制動状態との切り換えを
手動操作でも行えるよう構成してもよく、また、手動操
作によってのみ行えるよう構成してもよい。 図7に示すように、電磁ブレーキ31に、排出オー
ガ17に対して旋回方向の外力などが作用した際に、旋
回駆動手段19を介して電動モータ28の回転軸に伝達
される排出オーガ17の旋回操作トルクを検知するとと
もに、その旋回操作トルクが所定値以上である場合に
は、電磁ブレーキ31による排出オーガ17の制動を解
除させる制動解除指令を制御装置14に対して出力する
トルクリミッタ37を装備するようにしてもよい。この
構成によると、排出オーガ17の旋回操作(自動格納操
作を含む)や、走行機体2の旋回操作などに起因した旋
回方向の振り回し力により、排出オーガ17に対して所
定値以上の旋回操作トルクが作用すると、トルクリミッ
タ37が制御装置14を介して制動手段A(電磁ブレー
キ31)による排出オーガ17の制動を自動的に解除す
るようになる。言い換えると、排出オーガ17に対して
所定値以上の旋回操作トルクが作用しない限り、トルク
リミッタ37は制動手段Aの制動作用によって排出オー
ガ17を所望の旋回位置に固定保持するようになる。こ
れによって、制動手段Aの作動状態(制動状態と非制動
状態)の切り換えを独自の手動操作で行うよう構成した
場合に比較して、排出オーガ17の操作に応じて制動手
段Aの作動状態を切り換える手間を無くすことができる
ので、排出オーガAを旋回あるいは固定保持させる際に
要する操作の簡便性の向上を図れるようになる。また、
制動手段Aの作動状態の切り換えを独自の手動操作で行
うよう構成した場合に生じる虞のある制動手段Aの作動
状態の切り換え忘れを防止することができるので、その
切り換え忘れにより、排出オーガAが自重などに起因し
て不測に旋回することによって排出オーガ17を所望の
旋回位置(穀粒排出箇所)に復帰させるための修正作業
を要する、あるいは、制動手段Aが制動状態であるにも
かかわらず排出オーガ17が旋回操作されることによっ
て制動手段Aあるいは旋回駆動手段19が破損するとい
った不都合が生じることを確実に回避できるようにな
る。さらに、走行機体2の旋回操作時などに起因した旋
回方向の振り回し力により排出オーガ17に対して所定
値以上の旋回操作トルクが作用している状態においても
排出オーガ17を制動手段Aの制動作用により所望の旋
回位置に固定保持するよう構成した場合に生じる虞のあ
る、走行機体2の旋回操作に起因した振り回し力による
排出オーガ17に対する所定値以上の旋回操作トルクに
より制動手段Aあるいは旋回駆動手段19が破損すると
いった不都合が生じることを回避できるようになる。そ
の上、穀粒排出箇所にて待機している作業者が排出オー
ガ17の先端部を旋回方向に押圧した場合においても、
その押圧によって得られる排出オーガ17の旋回操作ト
ルクが所定値以上になると、制動手段Aによる排出オー
ガ17の制動を解除できるので、排出オーガ17の先端
部を作業者が旋回方向に押圧することによっても排出オ
ーガ17の旋回操作を行えるようになる。つまり、穀粒
排出作業時における穀粒排出箇所に対する排出オーガ1
7の旋回方向の微調節を穀粒排出箇所にて待機している
作業者によって容易かつ好適に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自脱型コンバインの全体側面図
【図2】自脱型コンバインの全体平面図
【図3】制御構成を示すブロック図
【図4】起伏駆動手段と旋回駆動手段の構成を示す穀粒
排出装置の部分側面図
【図5】別実施形態における感圧センサの構成を示す排
出オーガ先端部の横断平面図
【図6】別実施形態における感圧センサの構成を示す排
出オーガ先端部の縦断正面図
【図7】電磁ブレーキにトルクリミッタを装備した場合
の制御構成を示すブロック図
【符号の説明】
2 走行機体 5 グレンタンク 17 排出オーガ 37 トルクリミッタ A 制動手段 B 排出検出手段 C 移動検出手段 D 上限検出手段 E 自動格納指令手段 F 自動格納操作手段 G 機体旋回検出手段 H 旋回外力検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 亮二 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 尾崎 徳宗 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内 (72)発明者 藤田 茂雄 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グレンタンクに貯留された穀粒を外部に
    排出する排出オーガを起伏操作可能にかつ旋回操作可能
    に装備したコンバインの穀粒排出装置において、 前記排出オーガを所望の旋回位置に固定保持する制動状
    態と、前記排出オーガの旋回移動を許容する非制動状態
    とに切り換え可能な制動手段を設けてあるコンバインの
    穀粒排出装置。
  2. 【請求項2】 前記排出オーガの穀粒排出状態を検出す
    る排出検出手段を設け、該排出検出手段により前記排出
    オーガの穀粒排出状態が検出されると、前記制動手段が
    制動状態に切り換わるよう構成してある請求項1記載の
    コンバインの穀粒排出装置。
  3. 【請求項3】 前記排出オーガの移動操作を検出する移
    動検出手段を設け、該移動検出手段により前記排出オー
    ガの移動操作が検出されると、前記制動手段が非制動状
    態に切り換わるよう構成してある請求項1または2記載
    のコンバインの穀粒排出装置。
  4. 【請求項4】 自動格納指令手段からの指令に基づいて
    前記排出オーガを所定の格納位置に自動格納操作する自
    動格納操作手段と、前記排出オーガの起立限界位置への
    到達を検出する上限検出手段とを設け、前記自動格納操
    作手段による前記排出オーガの自動格納操作中に前記上
    限検出手段により前記排出オーガの起立限界位置への到
    達が検出されると、前記制動手段が非制動状態に切り換
    わるよう構成してある請求項1〜3のいずれか一つに記
    載のコンバインの穀粒排出装置。
  5. 【請求項5】 走行機体の旋回操作を検出する機体旋回
    検出手段を設け、該機体旋回検出手段により前記走行機
    体の旋回操作が検出されると、前記制動手段が非制動状
    態に切り換わるよう構成してある請求項1〜4のいずれ
    か一つに記載のコンバインの穀粒排出装置。
  6. 【請求項6】 前記排出オーガに所定値以上の旋回操作
    トルクが作用すると、前記制動手段による前記排出オー
    ガの制動を解除するトルクリミッタを設けてある請求項
    1〜4のいずれか一つに記載のコンバインの穀粒排出装
    置。
  7. 【請求項7】 前記排出オーガの先端側に、該排出オー
    ガに対して付与された旋回方向の外力を検出する旋回外
    力検出手段を設け、該旋回外力検出手段が所定値以上の
    外力を検出すると、前記制動手段が非制動状態に切り換
    わるよう構成してある請求項1〜6のいずれか一つに記
    載のコンバインの穀粒排出装置。
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