JPH10108216A - 磁気再生装置、磁気再生装置の特殊再生方法及び色信号補正回路 - Google Patents

磁気再生装置、磁気再生装置の特殊再生方法及び色信号補正回路

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JPH10108216A
JPH10108216A JP8277491A JP27749196A JPH10108216A JP H10108216 A JPH10108216 A JP H10108216A JP 8277491 A JP8277491 A JP 8277491A JP 27749196 A JP27749196 A JP 27749196A JP H10108216 A JPH10108216 A JP H10108216A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間モードで磁気テープに記録されたPA
L又はSECAM方式のテレビジョン信号を高速再生す
るときの色消え、スキュー歪みを補正する磁気再生装置
を提供する。 【解決手段】 長時間モードの動作態様で磁気テープに
記録されたPAL又はSECAM方式のテレビジョン信
号を高速再生する際、通常の動作態様に対して磁気テー
プを(8n+1)倍速(nは整数)で走行させ、この走
行速度に応じて磁気テープが巻き付けられた回転ドラム
のドラムベースと、磁気テープの回転ドラムへの巻き付
け位置を案内するリードリングとを可動して回転ドラム
上の磁気ヘッドの走査軌跡と磁気テープ上のトラックパ
ターンとを一致させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PAL又はSEC
AMのテレビジョン方式の映像信号を、標準の動作態様
に対し長時間の動作態様にて記録したテープ状磁気記録
媒体を高速再生するヘルカルスキャン型VTRにおい
て、色信号を正しく再生し、スキュー歪みのないノイズ
レスの再生画像を得る磁気再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テープ状磁気記録媒体(以下、「磁気テ
ープ」という)が巻き付けられた回転ドラムに搭載され
た磁気ヘッドによりこの磁気テープを走査し、所定のト
ラックパターンを形成しながら映像及び音声信号を記録
し、更にこれを再生する周知のヘリカルスキャン型VT
Rがある。こうしたVTRでは、所定の回転数で一定に
回転する回転ドラムに対して磁気テープを標準の走行速
度で走行させ、上記した記録再生を行う標準の動作態様
(標準モード)と、これに対して磁気テープを長時間の
走行速度で走行させ、上記した記録再生を行う長時間の
動作態様(長時間モード)とがあり、これらのモードを
選択的に切り換えることにより、テープの走行速度を可
変し映像信号を標準の時間あるいは長時間、記録再生す
ることができる。また上記したVTRにおいて、映像信
号が記録された磁気テープを早送りしたり、巻き戻した
りしながら信号再生を行う高速再生、あるいは磁気テー
プの走行を一時的に停止し、上記したトラックパターン
のうち、任意の1つを繰り返し走査する静止画像再生等
の特殊再生を行うことができる。
【0003】特に、高速再生について、磁気ヘッドが磁
気テープ上を走査したときの走査軌跡は、図9に示すよ
うに、トラックパターンを複数跨るようにして得られ
る。一般的なVTRにおいて、回転ドラム上には180°
対向した位置にアジマス角度の異なるヘッド対が取り付
けられているので、磁気ヘッドが隣り合うトラックパタ
ーンを跨るとその磁気ヘッドと異なるアジマス角度(逆
アジマス)で信号が記録されているトラック上は信号が
得られず、ノイズとなって再生画面上に現れる(いわゆ
る再生画面上のノイズバー)。
【0004】これに対し、特殊再生時に回転ドラムの回
転中心軸を傾斜させると共に磁気テープの下端を案内す
る案内部(リード)を変位させる機構を持つVTRがあ
り、これによって図10に示すように磁気ヘッドの走査
軌跡とトラックパターンとを一致させるものがある。磁
気ヘッドの走査軌跡がトラックパターンと一致するた
め、再生画面上に上記したノイズバーは現れない。また
このとき同図に示すように、磁気ヘッドはいくつかのト
ラックを飛び越しながらトラックパターンを走査する。
【0005】具体的には、リードの機能を従来のVTR
のロアドラム(回転ドラムを支持するための構成)から
切り離し、リードリングという特別な部品として設けて
いる。このリードリングは4カ所に突起を持ち、標準モ
ードではこの突起をロアドラムの下面に当てて正確な位
置を保つ。図15に示すように、標準モードのリードリ
ングの状態は圧縮バネによって常にロアドラムの底部に
押しつけられる。そしてリードリングを動かすときは押
しねじbを用いる。この押しねじbは、ドラムベースを
突き抜けてリードリングと有効ねじ部でかみ合ってお
り、押しねじbの回転によってロアドラムとリードリン
グとの距離が広がる。即ち、ドラムに対するリードの相
対位置が制御される。同図において、ドラムを右に傾け
るときは左の押しねじbを回転させ、ドラムを左に傾け
るときは右の押しねじbを回転させる。
【0006】さて、PAL方式のテレビジョン信号を上
記した長時間モードにより記録した場合、図11(A)
に示すようなトラックパターンが得られる。ここで、P
AL方式のテレビジョン信号は走査線数625本/50フィ
ールド方式であり、4フィールドシーケンスパターンで
テープ上に記録される(同図〜)。各シーケンスパ
ターンは1つのトラックに夫々対応している。
【0007】同図(B)に示すように、テープ端付近を
拡大した夫々のトラックパターンは隣接トラックで0.
75Hのずれがあり(例えば、トラックAとB,トラッ
クBとC)、同一アジマスのトラック(例えば、トラッ
クAとC)で1H毎の信号情報(ライン情報;第1の走
査線情報から第625の走査線情報まで)が0.5Hずれ
ている。このライン情報のずれによって各ライン情報の
水平同期信号のタイミングが0.5Hずれるため、トラ
ックジャンプ(磁気ヘッドが逆アジマスのトラックを跨
ぐこと)毎に再生画面上にスキューが発生する。このず
れは上記したトラックジャンプの前後で0.5Hずつ累
積されて、例えば、2回のトラックジャンプで1Hのず
れとなる。
【0008】また、上記した映像信号がPAL方式では
色信号のR−Y軸の位相が1H(水平期間)毎に反転し
て伝送され、SECAM方式ではFM変調された色信号
成分(色差信号)が1Hおきに伝送されるという線順次
性の性質を有しており(例えば、図11(B)において
ライン情報の色信号の位相を+,−で表す)、上記した
ライン情報の1Hのずれによって色信号が正しく再生さ
れず再生画面上で色相の反転や色消えの問題があった。
【0009】PAL又はSECAMのテレビジョン方式
のように線順次性を持つ映像信号を磁気テープに記録し
たトラックパターンを示す図11において、トラック
には第1ラインの情報から第313ラインの情報までが記
録され、第1ラインの色信号の位相を+で表すと、第2
ライン以下−、第3ライン+、…と極性が交互に変わ
る。トラックには色信号の位相の極性+の第313ライ
ンの情報から第625ライン(−)の情報までが記録され
る。トラックには第1ラインの情報(−)で、第313
ライン(+)まで記録され、トラックには第313ライ
ンの情報(−)で、第625ライン(−)まで記録され
る。
【0010】特殊再生時、磁気ヘッドがトラックを再
生した後はトラックもしくはに移行する。これは、
上述したように回転ドラム30上に 180°対向した位置に
アジマス角度の異なるヘッド対を取り付けた関係によ
り、一方の回転ヘッドがトラックを再生した後はそれ
とは逆アジマスのヘッドがトラック又はを走査する
(トラックは逆アジマスヘッドでは再生されない)場
合を説明している。
【0011】トラックからへ移行するときは、図1
1の場合、(4n+1)倍速の特殊再生となる(nは整
数)。上述したように、トラックパターンは4フィール
ドシーケンスパターンにより倍速再生は4の倍数毎に変
化し、更にトラックからへ移行するときは隣のトラ
ックに移行するので+1となる。
【0012】またこのとき回転ドラムは再生された水平
同期信号に合わせて回転するため、高速再生時はトラッ
クを速く再生し、逆のスロー再生時はトラックを遅く再
生するので、得られる1フィールド当たりのライン情報
の数が変化する。上記した特殊再生時のライン数の増減
を考えないときはトラックからを走査する際のヘッ
ドの切換えによって信号の流れは図13(A)のように
なる。また、上記した特殊再生時のライン数が1H増え
るときは同じ状態による信号の流れは同図(B)のよう
になる。同様に、上記した特殊再生時のライン数が2
H、1.5H増えるときは同じ状態による信号の流れは
夫々同図(C),(D)のようになる。
【0013】図13においてトラックを走査したとき
の信号のタイミングと線順次性(上記した色信号の位相
の極性の+,−で表示)とを考えた場合、同図(B)に
おいては線順次性がずれてしまい、同図(D)において
はライン情報のずれから水平同期のタイミングがずれて
しまうのがわかる。
【0014】トラックからへ移行するときは、図1
1から(4n+3)倍速の特殊再生となる(nは整
数)。上記した特殊再生時のライン数の増減を考えない
ときはトラックからを走査する際のヘッドの切換え
によって信号の流れは図14(A)のようになる。ま
た、上記した特殊再生時のライン数が1H増えるときは
同じ状態による信号の流れは同図(B)のようになる。
同様に、上記した特殊再生時のライン数が2H、1.5
H増えるときは同じ状態による信号の流れは夫々同図
(C),(D)のようになる。
【0015】図13,図14において、線順次性がずれ
ると色信号成分が正しく再生されないので再生画面上は
輝度のみの色が消えた信号が再生されてしまい(色消
え)、水平同期がずれると画面上にスキュー歪みが発生
する。即ち、増減するライン数が0.5H分の端数を含
んでいるとスキュー歪みを生じ、更に増減するライン数
が奇数、偶数であるかによって線順次性がずれたりずれ
なかったりする。言い換えれば、(4n+1)倍速の特
殊再生時、増減するライン数が偶数の時、線順次性は維
持され、(4n+3)倍速の特殊再生時、増減するライ
ン数が奇数の時、線順次性は維持される。
【0016】こうした、特殊再生の速度によって走査さ
れる1フィールド当たりのライン数が変化することによ
るスキューや再生画面の色の問題を解決するため、出願
人は、磁気ヘッドの走査軌跡をトラックパターンに一致
させるため回転ドラムの回転中心軸を傾斜させると共に
磁気テープの下端を案内する案内部を変位させ、更にヘ
ッド切換えのタイミングに応じて色信号の位相を反転さ
せるVTRとして特願平7−347341号に記載され
た磁気記録再生装置を提案した。
【0017】上記した磁気記録再生装置において、スキ
ューや再生画面の色の問題を解決するためには、再生さ
れた映像信号にスキューが発生していることや再生され
た色信号の線順次性を検出することが不可欠となる。こ
のときこの装置の再生系のブロックは図12に示すよう
に、高速再生時に回転ヘッドからの再生信号に所定の再
生信号処理を施す信号処理回路10と、信号処理回路10か
らの再生映像信号の色信号の線順次性を検出する検出回
路11と信号処理回路10からの再生映像信号において高速
再生時にトラックジャンプを行うことによって水平同期
信号のタイミングがずれたことを検出するスキュー検出
回路12と、夫々の検出回路によって検出されたタイミン
グで再生映像信号を遅延する遅延回路8,9とから構成
される。上記したライン情報のずれに伴う色信号の線順
次性のずれは図12の1H遅延回路80によって補正さ
れ、更に上記したスキュー歪みの原因となる水平同期信
号のタイミングは同図の0.5H遅延回路90によって補
正される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記した倍速再生時に
おいて、色信号の線順次性のずれと、スキュー歪みの発
生する関係とがはっきりしており、上記した磁気記録再
生装置で用いた線順次性検出回路/スキュー検出回路が
なくても特定の倍速再生時に色信号の線順次性のずれあ
るいはスキュー歪みが発生することがわかるので、その
ときのみ色信号の線順次性のずれとスキュー歪みとを補
正すればよい。即ち、特定の倍速再生のみに応じた色信
号の線順次性のずれとスキュー歪みの補正を行うことに
よりこれら検出回路を夫々省略することができる。
【0019】ここで、上記した特殊再生時と線順次性の
関係は実際のVTRでは表1のような関係になってお
り、VTRの標準モードでは磁気テープの走行速度に応
じて上記したように増減するライン数が奇数、偶数と交
互に変わるが、長時間モードの場合ではこれに加え、増
減するライン数が0.5H分の端数を含む場合が交互に
現れる。
【0020】
【表1】
【0021】更に詳しくは、長時間モードにおいて(4
n+1)倍速の特殊再生時は、nが偶数のとき(再生速
度が-15,−7,1,9,17倍の時)増減するライン数
は偶数となり、スキュー、線順次性の反転は起こらな
い。nが奇数のとき(再生速度が-19,-11,−3,5,
13倍の時)増減するライン数は奇数となり、線順次性の
反転が起こる。また、(4n+3)倍速の特殊再生時
(再生速度が-17,-13,−9,−5,−1,3,7,1
1,19倍の時)は、ライン数の増減に0.5Hの端数が
つくのでスキューによる歪みが発生する。この歪みは上
記したように磁気ヘッドの切換えの度に発生し、累積さ
れるので線順次性の反転に影響する。
【0022】そこで、長時間モードによって記録された
磁気テープの特殊再生を行う場合、特定の倍速再生によ
って、上記したスキュー歪み、又は線順次性の反転が発
生するタイミングが決まることを利用して、図12に示
すスキュー検出回路、再生された色信号の線順次性を検
出する検出回路がなくてもこのスキュー歪み、又は線順
次性の反転を補正することができる磁気再生装置を提供
する。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した課題を
解決するため以下の構成を提供する。
【0024】(1) 第1の発明は、所定のトラックパ
ターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式によ
る映像及び音声信号が標準の動作態様に対して長時間の
動作態様によって記録されたテープ状磁気記録媒体(磁
気テープ)(T)が巻き付けられた回転ドラム(30)に搭載
された磁気ヘッド(VH)により前記磁気テープ(T)を走査
し、記録された信号を再生するヘリカルスキャン型の磁
気再生装置において、標準の再生動作に対して高速再生
するために前記磁気テープ(T)を(8n+1)倍速(n
は整数)で走行させ、前記磁気テープ(T)の走行速度に
応じて、前記回転ドラム(30)が取り付けられたドラムベ
ース(31)及び、前記磁気テープ(T)の前記回転ドラム(3
0)への巻き付け位置を案内するリードリング(32)を夫々
可動して前記磁気ヘッド(VH)の走査軌跡と、前記トラッ
クパターンとを一致させることによって再生映像信号を
得ることを特徴とする磁気再生装置の特殊再生方法を提
供する。
【0025】(2) 第2の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+5)倍速(nは整数)で走行させ、前記トラックパタ
ーンに対応したフィールド単位で再生される信号を連続
した信号として再生するための磁気ヘッドのスイッチン
グ動作を行う際、再生された色信号のR−Y軸の位相を
反転することによりPAL方式の再生映像信号を得るこ
とを特徴とする上記(1)記載の磁気再生装置の特殊再
生方法を提供する。
【0026】(3) 第3の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+1)倍速あるいは(8n+5)倍速(nは整数)で走
行させ、前記トラックパターンに対応したフィールド単
位で再生される信号を連続した信号として再生するため
の磁気ヘッドのスイッチング動作を行う際、再生された
色信号あるいは再生された映像信号を1水平期間遅延す
ることにより再生映像信号を得ることを特徴とする上記
(1)記載の磁気再生装置の特殊再生方法を提供する。
【0027】(4) 第4の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+1)倍速、(8n+5)倍速あるいは(4n+3)倍
速(nは整数)で走行させ、前記トラックパターンに対
応したフィールド単位で再生される信号を連続した信号
として再生するための磁気ヘッドのスイッチング動作を
行う際、再生された映像信号を0.5水平期間遅延する
ことにより再生映像信号を得ることを特徴とする上記
(1)記載の磁気再生装置の特殊再生方法を提供する。
【0028】(5) 第5の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+1)倍速、(8n+5)倍速あるいは(4n+3)倍
速(nは整数)で走行させ、前記トラックパターンに対
応したフィールド単位で再生される信号を連続した信号
として再生するための磁気ヘッドのスイッチング動作を
行う際に、反転された色信号と輝度信号とを合成した再
生映像信号を0.5水平期間遅延することにより再生映
像信号を得ることを特徴とする上記(2)記載の磁気再
生装置の特殊再生方法を提供する。
【0029】(6) 第6の発明は、所定のトラックパ
ターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式によ
る映像及び音声信号が標準の動作態様に対して長時間の
動作態様によって記録された前記磁気テープ(T)が巻き
付けられた回転ドラム(30)に搭載された磁気ヘッド(VH)
により前記磁気テープ(T)を走査し、記録された信号を
再生するヘリカルスキャン型の磁気再生装置において、
標準の再生動作に対して高速再生するために前記磁気テ
ープ(T)を(8n+1)倍速、(8n+5)倍速あるい
は(4n+3)倍速(nは整数)で走行させ、前記磁気
テープ(T)の走行速度に応じて、前記回転ドラム(30)が
取り付けられたドラムベース(31)及び、前記磁気テープ
(T)の前記回転ドラム(30)への巻き付け位置を案内する
リードリング(32)を夫々可動して前記磁気ヘッド(VH)の
走査軌跡と、前記トラックパターンとを一致させ、前記
トラックパターンに対応したフィールド単位で再生され
る信号を連続した信号として再生するための磁気ヘッド
のスイッチング動作を行う際、再生された色信号を1水
平期間遅延し、再生された映像信号を0.5水平期間遅
延することにより再生映像信号を得ることを特徴とする
磁気再生装置の特殊再生方法を提供する。
【0030】(7) 第7の発明は、所定のトラックパ
ターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式によ
る映像及び音声信号が標準の動作態様に対して長時間の
動作態様によって記録された磁気テープ(T)が巻き付け
られた回転ドラム(30)に搭載された磁気ヘッド(VH)によ
り前記磁気テープ(T)を走査し、記録された信号を再生
するヘリカルスキャン型の磁気再生装置において、標準
の再生動作に対して高速再生するために前記磁気テープ
(T)を(8n+1)倍速(nは整数)で走行させる走行
手段(1)と、前記磁気テープ(T)の走行速度に応じて、前
記回転ドラム(30)が取り付けられたドラムベース(31)及
び、前記磁気テープ(T)の前記回転ドラム(30)への巻き
付け位置を案内するリードリング(32)を夫々可動して前
記磁気ヘッドの走査軌跡と、前記トラックパターンとを
一致させる可動手段(2)を備えたことを特徴とする磁気
再生装置を提供する。
【0031】(8) 第8の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+5)倍速(nは整数)で走行させる走行手段(1)と、
前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号の
R−Y軸の位相を反転出力する反転手段(7)とを備えた
ことを特徴とする上記(7)記載の磁気再生装置を提供
する。
【0032】(9) 第9の発明は、標準の再生動作に
対して高速再生するために前記磁気テープ(T)を(8n
+5)倍速(nは整数)で走行させる走行手段(1)と、
前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号を
1水平期間遅延して出力する遅延手段(8)とを備えたこ
とを特徴とする上記(7)記載の磁気再生装置を提供す
る。
【0033】(10) 第10の発明は、前記トラック
パターンに対応したフィールド単位で再生される信号を
連続した信号として再生するための磁気ヘッドのスイッ
チング動作を行う際、再生された輝度信号及び色信号を
合成し得た映像信号を0.5水平期間遅延する遅延手段
(9)とを備えたことを特徴とする上記(7)乃至(9)
記載の磁気再生装置を提供する。
【0034】(11) 第11の発明は、所定のトラッ
クパターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式
による映像及び音声信号が長時間の動作態様によって記
録されたテープ状磁気記録媒体(T)の走行速度に応じ
て、回転ドラム(30)が取り付けられたドラムベース(31)
及び、前記テープ状磁気記録媒体(T)の前記回転ドラム
(30)への巻き付け位置を案内するリードリング(32)を夫
々可動して前記回転ドラム(30)に搭載された磁気ヘッド
(VH)の走査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体(T)のト
ラックパターンとを一致させる可動手段を有するヘリカ
ルスキャン型の磁気再生装置にて再生された色信号の線
順次性を補正する遅延手段(100)を備えた色信号補正回
路において、前記磁気再生装置の高速再生動作によって
再生された色信号の線順次性を補正するため、前記した
遅延手段(100)は、再生された色信号を低域変換の状態
で1H遅延することを特徴とする色信号補正回路を提供
する。
【0035】(12) 第12の発明は、所定のトラッ
クパターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式
による映像及び音声信号が長時間の動作態様によって、
選択的に記録されたテープ状磁気記録媒体(T)の走行速
度に応じて、回転ドラム(30)が取り付けられたドラムベ
ース(31)及び、前記テープ状磁気記録媒体(T)の前記回
転ドラム(30)への巻き付け位置を案内するリードリング
(32)を夫々可動して前記回転ドラム(30)に搭載された磁
気ヘッド(VH)の走査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体
(T)のトラックパターンとを一致させる可動手段を有す
るヘリカルスキャン型の磁気再生装置にて再生された色
信号の線順次性を補正する色信号補正回路において、前
記テープ状磁気記録媒体(T)に記録されたSECAM方
式のテレビジョン信号を前記磁気再生装置にて高速再生
するとき、低域に変換されたPAL方式の色信号のクロ
ストークを除去するための櫛形フィルタを構成する遅延
手段(102,109,112)によって前記SECAM方式の色信
号を1水平期間遅延し、色信号の線順次性を補正するこ
とを特徴とする色信号補正回路を提供する。
【0036】(13) 第13の発明は、所定のトラッ
クパターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式
による映像及び音声信号が長時間の動作態様によって、
選択的に記録されたテープ状磁気記録媒体(T)の走行速
度に応じて、回転ドラム(30)が取り付けられたドラムベ
ース(31)及び、前記テープ状磁気記録媒体(T)の前記回
転ドラム(30)への巻き付け位置を案内するリードリング
(32)を夫々可動して前記回転ドラム(30)に搭載された磁
気ヘッド(VH)の走査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体
(T)のトラックパターンとを一致させ、再生された信号
から低域に変換された色信号を周波数変換する第1の変
換手段(105)と、前記低域に変換された色信号の内PA
L方式の色信号のクロストークを除去する櫛形フィルタ
(102,103/108/109/112,113)と、前記櫛形フィルタ(1
02,103/108/109/112,113)からの色信号を周波数変換
する第2の変換手段(104)とを備えたヘリカルスキャン
型の磁気再生装置にて再生された色信号の線順次性を補
正する色信号補正回路において、前記テープ状磁気記録
媒体(T)に記録されたSECAM方式のテレビジョン信
号を前記磁気再生装置にて高速再生するとき、前記櫛形
フィルタを構成する遅延手段(102,109,112)によって再
生された色信号を1水平期間遅延しSECAM方式の色
信号処理手段(51)に切り換え出力することにより、色信
号の線順次性を補正することを特徴とする色信号補正回
路を提供する。
【0037】
【発明の実施の形態】図1は本発明の磁気再生装置の第
1実施例を説明する図、図2は本発明の磁気再生装置の
第2実施例を説明する図、図3は本発明の磁気再生装置
の第3実施例を説明する図、図4は第3実施例のその他
の構成を説明する図、図5は本発明の磁気再生装置の第
4実施例を説明する図、図6は本発明の磁気再生装置の
第5実施例を説明する図、図7は本発明の磁気再生装置
の第6実施例を説明する図、図8は第6実施例のその他
の構成を説明する図、図16は本発明の色信号補正回路
の一の実施の形態を説明するブロック図、図17及び図
18は本発明の色信号補正回路のその他の実施の形態を
説明するブロック図、図19はNTSC方式の映像信号
の簡易再生を説明するための図、図20及び図21は本
発明の色信号補正回路のその他の実施の形態を説明する
ブロック図である。以下、図面を参照しながら本発明の
実施の形態を説明する。尚、同じ構成には同一符号を付
し、重複する説明を省略する。
【0038】本発明の磁気再生装置は、ヘリカルスキャ
ン型VTRにおいて、PAL又はSECAMのテレビジ
ョン方式による映像信号を、標準の動作モードに対して
長時間の記録再生を行う動作モードによって記録された
磁気テープの特殊再生を行う際、特定の倍速再生におい
て上記したスキュー、色信号の線順次性の補正を行うこ
とによって、上記したスキュー検出回路、又は再生され
た色信号の線順次性を検出する検出回路を省略した構成
においても良好な再生画像を得るものである。その具体
的構成を第1実施例から説明する。
【0039】(第1実施例)本実施例による磁気再生装
置を図1に示す。本磁気再生装置は、PAL又はSEC
AMのテレビジョン方式による映像信号が上記した長時
間モードによって記録された磁気テープTが巻き付けら
れる回転ドラム30と、回転ドラム30上に搭載される磁気
ヘッドVHと、この回転ドラムが取り付けられたドラムベ
ース31と、磁気テープTの回転ドラム30への巻き付け位
置を案内するリードリング32とからなる機構部と、磁気
テープTを走行させる走行回路1と、機構部と走行回路
1を制御するCPU2と、磁気ヘッドVHから再生された
信号に所定の信号処理を施して輝度信号と色信号とを夫
々再生復調する輝度信号処理回路4及び色信号処理回路
5と、輝度信号処理回路4からの再生輝度信号と、色信
号処理回路5からの再生色信号とを夫々周波数多重して
複合(コンポジット)映像信号を生成出力するY/C混
合器6とからなる。尚、ここでは図示しないが、本磁気
再生装置では、磁気ヘッドから再生された信号に所定の
信号処理を施して音声信号を再生する音声信号処理回路
を持つものとする。
【0040】通常の再生動作で磁気テープTから信号を
再生しているとき、図示しない操作部において特殊再生
動作を指示すると、指示信号がCPUに供給され、この
指示信号に基づいてCPU2から制御信号2a,2bが走行
回路1及び機構部に夫々供給される。走行回路1はキャ
プスタンモータなど、磁気テープTを走行させるための
駆動部を備え、供給された制御信号2aに基づいて磁気テ
ープTを通常の走行速度から所定の特殊走行速度に切り
換えて走行させる。
【0041】機構部は供給された制御信号2bに基づいて
機構部を構成するドラムベース31とリードリング32とを
可動させ、回転ドラム30の回転軸を変位させることによ
り、磁気ヘッドVHが磁気テープ上の所定のトラックパタ
ーンを走査するように走査軌跡を補正する。こうして図
10に示すように、特殊再生時に磁気ヘッドVHの走査軌
跡をトラックパターンに一致させることができる。即
ち、高速再生時に発生していた再生画面上のノイズバー
を防ぐことができる。このとき走行回路1は通常の再生
動作における磁気テープの走行速度に対して(8n+
1)倍の速度(nは整数)で磁気テープを走行させる。
【0042】上記したように、(4n+1)倍速の特殊
再生時においてnが偶数((2m);mは整数)のとき
増減するライン情報は偶数となり、上記したスキュー歪
み、線順次性の反転は起こらない。即ち、(4n+1)
はnが偶数(2m)のとき、(8m+1)と表すことが
できるので、磁気テープの倍速再生は(8n+1)倍の
速度ということになる。また、nが奇数のとき(同様に
して(8n+5)倍の速度)は、ヘッドの切り換えによ
って線順次性が反転するため色信号の位相に影響を与え
る。更に、(4n+3)倍速の場合は、上記したよう
に、増減するライン情報に0.5H分の端数が現れるの
でスキュー歪みが現れ、色信号の線順次性にも影響を与
える(上記した色消え等)。表2に夫々の倍速時のスキ
ュー、線順次性の状態を表す。
【0043】
【表2】
【0044】こうして再生された信号は夫々輝度信号処
理回路4と色信号処理回路5とに供給され、輝度信号処
理回路4は周波数変調された輝度信号を復調し、色信号
処理回路5は低域変換された色信号を復元する。夫々の
処理回路4,5からの再生輝度信号及び再生色信号はY
/C混合器6に供給され、周波数多重された後、複合映
像信号として出力される。
【0045】(第2実施例)図2に示すように、本実施
例では上記した第1実施例の磁気再生装置に対して色信
号処理回路5からの色信号を補正する補正回路7を追加
したものであり、この補正回路7によって第1実施例で
は補正できなかった(8n+5)倍速再生時の色信号の
位相を補正するものである。この補正回路7は再生され
た色信号のR−Y軸の位相を反転する反転回路70と反転
回路70からの反転色信号と、再生された色信号とを夫々
切換え出力する切換回路71とから構成される。
【0046】(8n+1)倍速再生を行うときは、第1
実施例で述べたように、特殊再生時に増減するライン数
が偶数となるので、スキュー、又は色信号の線順次性の
反転は起こらない。(8n+5)倍速再生を行うとき
は、ヘッドの切り換えによって線順次性が反転するた
め、色信号成分(例えば、色差信号のR−Y)が反転し
た状態で色信号処理回路5から出力される。この再生色
信号の出力は反転回路70及び切換回路71に夫々供給さ
れ、反転回路70は復元された色信号のR−Y軸の成分を
反転出力する。切換回路71はヘッドの切換えのタイミン
グに応じて反転回路70からの反転色信号を切換え出力す
るので、色信号の線順次性が維持される。
【0047】こうして切換回路71からの色信号と、輝度
信号処理回路4からの再生輝度信号とがY/C混合器6
において周波数多重され、複合映像信号が出力される。
ここで、上記した補正回路7はPAL方式の映像信号に
は有効であるが、変調された色差信号を1Hおきに伝送
するSECAM方式の映像信号には、そのまま有効とは
ならない。また、(4n+3)倍速再生を行うときは、
第1実施例と同様にライン数の増減に0.5Hの端数が
現れるのでスキューによる歪みが発生する。表3に夫々
の倍速時のスキュー、線順次性の状態を表す。
【0048】
【表3】
【0049】(第3実施例)図3に示すように、本実施
例では上記した第1実施例の磁気再生装置に対して色信
号再生処理回路5からの色信号を補正する補正回路8を
追加したものであり、この補正回路8によって第2実施
例では補正できなかった(8n+5)倍速再生時のSE
CAM方式の色信号の補正を行うものである。この補正
回路8は再生された色信号を1H遅延する遅延回路80と
遅延回路80からの遅延色信号と、再生された色信号とを
夫々切換え出力する切換回路81とから構成される。
【0050】(8n+5)倍速再生を行うときは、ヘッ
ドの切り換えによって線順次性が反転した色信号が復元
される。色信号処理回路5からの再生色信号は1H遅延
回路80及び切換回路81に夫々供給され、1H遅延回路80
は再生色信号を1H遅延出力することによりずれた線順
次性を戻す。1H遅延回路80からの遅延色信号は切換回
路81に供給され、ヘッドの切換えのタイミングに応じて
Y/C混合器6に供給される。以下、上記した実施例と
同様にY/C混合器6から複合映像信号が出力される。
その他の倍速再生の場合は第2実施例と同様である。表
4に夫々の倍速時のスキュー、線順次性の状態を表す。
【0051】
【表4】
【0052】尚、上記した遅延回路80は、例えば、PA
L又はSECAM方式のいずれの映像信号の特殊再生を
行うときでも用いることができるのは勿論である。
【0053】尚、図4に示すように、上記した補正回路
8をY/C混合器6の後段に接続しても同様の効果を得
ることができる。
【0054】(第4実施例)図5に示すように、本実施
例では図4に示した第3実施例の補正回路8の代わりに
補正回路9を追加したものであり、第1実施例〜第3実
施例において補正することができなかった(4n+3)
倍速再生時のスキュー歪みを補正するものである。
【0055】この補正回路9はY/C混合器6からの複
合映像信号を0.5H遅延する遅延回路90と、遅延回路
90からの遅延映像信号と複合映像信号とを切換え出力す
る切換回路91とから構成される。上述したと同様に(8
n+1)倍速再生時にはスキュー歪みと色信号の線順次
性のずれは発生しないが、(8n+5)倍速再生時の映
像信号の線順次性が1H毎にずれていることに対して遅
延回路90でこれを補正することはできない。しかし、上
記した各実施例において全く補正できなかった(4n+
3)倍速再生時のスキュー歪みを補正することができる
(但し、この場合も、色信号の線順次性のズレは補正さ
れないので再生画面は色が消えた状態で輝度のみの再生
(白黒画像)となる)。表5に夫々の倍速時のスキュ
ー、線順次性の状態を表す。
【0056】
【表5】
【0057】(第5実施例)図6に示すように、本磁気
再生装置は上記した第4実施例に第2実施例の補正回路
7を追加したものであり、上記した第4実施例で改善さ
れなかったPAL方式の映像信号の色信号の線順次性を
補正するものである。即ち、補正回路7によってPAL
方式において1H毎に位相が反転して伝送される色信号
の位相を補正し、補正回路9によって(4n+3)倍速
再生時に発生していたスキュー歪みを補正することがで
きる。
【0058】本実施例では各倍速再生において少なくと
もPAL方式の映像信号のスキュー歪みと色信号の線順
次性とを補正することができる。表6に夫々の倍速時の
スキュー、線順次性の状態を表す。
【0059】
【表6】
【0060】(第6実施例)図7に示すように、本磁気
再生装置は上記した第3実施例に補正回路9を追加した
ものであり、(8n+1),(8n+5),(4n+
3)倍速再生時の夫々において、スキュー歪み及び色信
号の線順次性を改善するものである。即ち、上記した第
3実施例において改善されなかった(4n+3)倍速再
生時のスキュー歪みを補正回路9によって補正し、夫々
の倍速再生において色信号の線順次性及びスキュー歪み
を改善した。
【0061】各倍速再生時の色信号の線順次性は、再生
された色信号が補正回路8において1H遅延されること
により補正される。そして、(4n+3)倍速再生時に
磁気ヘッドの切り替えタイミングにおいてライン情報が
0.5Hずれる場合は、補正回路9によってこのライン
情報のずれを補正するので、このときに生じるスキュー
歪みを改善することができる。
【0062】尚、図8に示すように、上記した第3実施
例同様、補正回路8はY/C混合器6の後段に設け、補
正回路8の出力を補正回路9によって0.5H遅延させ
ることによってヘッド切換え時のスキュー歪みを補正し
てもよいことは勿論である。表7に夫々の倍速時のスキ
ュー、線順次性の状態を表す。
【0063】
【表7】
【0064】さてここで、上記したようにPAL又はS
ECAMのテレビジョン方式の映像信号を記録したVT
Rによって、特殊再生時(特に高速再生)の色信号の線
順次性を補正するときの具体的な色信号補正について説
明する。
【0065】上記した遅延回路80を現実に構成する場
合、例えば、CCD遅延回路を用いることが考えられ
る。この場合CCD遅延回路の遅延時間は、(サンプリ
ングクロックの逆数)×(CCDの段数)で決定され
る。このときクロック周波数は遅延する信号の最大周波
数の2倍以上でなければならないので、信号周波数が高
いとクロック周波数を高くし、CCDの段数を増やさな
いと所定の遅延時間を得ることができない。色信号の副
搬送波周波数が低域周波数と同じ信号帯域幅であると仮
定し、例えば、信号伝送帯域幅が副搬送波周波数±500k
Hzであるとすると、PAL又はSECAM方式の信号は
共に最大約5MHzの信号を遅延させなければならず、ク
ロック周波数は10MHz以上でなければならない。する
と、1H期間(64μsec)遅延に必要なCCDの段数は6
4μsec×10MHz=640段となる。
【0066】ここで、低域変換された状態の色信号を遅
延すればクロック周波数を低く設定可能であり、CCD
の段数も少なくすることができる。低域周波数にて遅延
回路を用いるとき、同一の伝送帯域でPAL方式の低域
変換色信号は最大1.2MHz、SECAM方式の低域変換色
信号は最大1.6MHzであり、クロック周波数は3.2MHzとな
る。従って、1H期間遅延に必要なCCDの段数は64μ
sec×3.2MHz=205段となる。
【0067】実際に、通常はVTRではCCDのクロッ
ク周波数は副搬送波周波数の整数倍に設定されるので、
映像信号の色信号ではPALの副搬送波周波数で3倍以
上のクロック周波数のCCDが必要となるが、低域変換
色信号ではPALの副搬送波周波数のクロック周波数の
CCDを用いることができるので段数では前者の1/3
で済む。
【0068】そこで、本発明なる色信号補正回路では、
図16に示すように、色信号補正回路AをPAL又はS
ECAM方式の色信号処理回路5の前段に設け、再生さ
れた色信号が低域変換された状態でその線順次性を補正
する。同図において、上述のように磁気テープTを走査
した磁気ヘッドVHからの再生信号は図示しないバンドパ
スフィルタによってFM変調輝度信号及び低域変換色信
号とに分離され、輝度信号処理回路4及び色信号処理回
路5に夫々供給される。ここで、例えば、色信号処理回
路5はPAL方式対応あるいはSECAM方式対応、更
にはPAL/SECAM方式両方に対応するものいずれ
であってもよい。
【0069】上記した色信号補正回路Aは遅延回路100
と切換スイッチSW1とから構成され、供給された低域変
換色信号を1H遅延することによって色信号の線順次性
を補正し、補正した低域変換色信号を色信号処理回路5
に供給し、周波数変換と後述するクロストーク除去がな
された後、Y/C混合器6において、輝度信号処理回路
4からの再生輝度信号と合成される。
【0070】ところで、通常VTRでは磁気ヘッドより
再生された信号に含まれるクロストーク成分を遅延回路
を備えた櫛形フィルタを用いて打ち消す処理を行ってい
る。記録時、磁気テープ上には1H毎に色信号の位相を
90°シフトしてこれを記録していく(いわゆるPS記録
方式;Phase Shift)。そして再生時は櫛形フィルタの1
H遅延回路によって遅延された再生色信号とそのままの
再生色信号とを加算することにより、色信号のクロスト
ーク成分のみが打ち消される。この櫛形フィルタは通常
のVTRの色信号処理には欠かせないものであり、再生
復調された色信号は輝度信号と周波数多重される直前で
この櫛形フィルタによってクロストークの除去がなされ
る。
【0071】ここで、NTSC方式のテレビジョン信号
の場合は上記したPS記録方式によって色信号のクロス
トークの位相が1Hおきに反転した状態にすることがで
きるので、上記した櫛形フィルタは1H遅延回路を備え
ていれば、そのまま再生された色信号と1H遅延された
再生色信号とを加算してクロストーク成分のみを除去す
ることができるが、PAL方式のテレビジョン信号の場
合は1H毎に色差信号((R−Y)軸)の位相を180°
反転して伝送しているので、上記した櫛形フィルタは2
H遅延回路を必要とする。
【0072】またここで、SECAM方式のテレビジョ
ン信号は色差信号を副搬送波のFM変調により伝送する
もので、PAL方式の信号処理と共用の信号処理系を用
いてSECAM方式の信号を記録再生するVTRにおい
てはSECAM方式の色信号は4分周して低域周波数領
域に記録されるので、櫛形フィルタを用いるものではな
い。更に、SECAM方式とPAL方式と共通の信号処
理系を用いて映像信号を再生するVTRがある。そこ
で、PAL方式の色信号のための櫛形フィルタの遅延回
路を用いて、再生されたSECAM方式の色信号の色信
号補正を行えば、新たな遅延回路を用いることなく効率
の良い処理を行うことができる。即ち、SECAM方式
のテレビジョン信号を再生するときはPAL方式のテレ
ビジョン信号の再生に用いられる櫛形フィルタを色信号
補正用の遅延回路として用いる。
【0073】本発明の色信号補正回路の実施の形態を図
17に示すに、再生された信号から低域変換色信号を分
離する、あるいは低域変換色信号成分に対して余分なF
M周波数成分をカットするLPF101、分離された低域
変換色信号を周波数変換する変換回路105、変換回路105
の出力をON/OFFするスイッチSW4、上記低域変換
色信号を遅延する1H遅延回路102,103、遅延回路102,1
03の出力を夫々切り換えるスイッチSW2、上記した低域
変換色信号とスイッチSW2の出力とを切換出力するスイ
ッチSW3、スイッチSW3の出力を周波数変換する変換回路
104、変換回路104の出力をON/OFFするスイッチSW
5、スイッチSW4,SW5の出力を加算する加算器106、加算
器106の出力する色信号の雑音除去を行うBPF(バン
ドパスフィルタ)107とから構成される。ここで、図1
7中の色信号補正回路A1は上記した色信号補正回路A
に相当するものである。
【0074】上記したPAL方式の信号処理と共用の信
号処理系を用いてSECAM方式の信号を記録再生する
VTRにおいて再生されるSECAM方式の信号を便宜
上MESECAM方式の信号とすると、このMESEC
AM方式の色信号補正を行うときは、スイッチSW4をO
FFにしてスイッチSW5をONの状態にする。再生され
た低域変換色信号はLPF101から遅延回路102及びスイ
ッチSW3に夫々供給される。
【0075】このときスイッチSW2は遅延回路102の出力
をスイッチSW3へ供給し、スイッチSW3は遅延された色信
号を変換回路104に供給することにより遅延された色信
号が周波数変換されてスイッチSW5を介して加算器106に
供給され、BPF107を介してY/C混合器6へ供給さ
れるので、上記したようにその線順次性が補正された色
信号が復調された輝度信号と周波数多重されて色信号の
補正されたビデオ(映像)信号を得ることができる。
【0076】通常の再生信号を再生するとき(色信号の
補正が必要ないとき)はスイッチSW3は低域変換色信号
を変換回路104に供給することにより色信号を遅延出力
することがない。ここで、LPF101からの低域変換色
信号をスイッチSW3、変換回路104及びスイッチSW5を介
して伝送する経路と、変換回路105及びスイッチSW4を介
して伝送する経路とは実質的な相違はないが、例えば、
MESECAM方式の色信号を処理するときはスイッチ
SW5をONにした経路(つまり前者の経路)で処理すれ
ばスイッチSW2,SW3の切り換え制御のみにより色信号補
正ができる。即ち、変換回路105及びスイッチSW4の伝送
経路をOFFにしておくことで制御すべきスイッチをス
イッチSW2,SW3のみにして簡易な制御を行うことができ
る。
【0077】これに対し、例えば、PAL方式の色信号
を処理するときはスイッチSW4をONにしてスイッチSW
2,SW3が遅延回路103の出力を変換回路104及びスイッチS
W5を介して加算器106へ供給するようにすれば、遅延回
路102,103は櫛形フィルタとして動作しPAL方式の再
生色信号のクロストーク除去を行うことができる。但
し、この場合遅延回路102,103は櫛形フィルタとして使
われるのでPAL方式の色信号の補正を行うことはでき
ない。
【0078】上記したMESECAM方式の信号処理で
はPAL方式の信号処理を共用することを述べたが、S
ECAM方式の信号処理系を独立に備えても良い。例え
ば、図18に示すように、上記した図17の色信号処理
系に対してスイッチSW6及びSECAM色信号処理回路5
1(例えば、上記した色信号処理回路5を構成する)を
追加する。通常のSECAM方式の色信号を処理すると
きはスイッチSW3はLPF101の出力を信号処理回路51に
供給することでSECAM方式の色信号を復調し、スイ
ッチSW6によって再生復調された色信号をY/C混合器
6へ供給することができる。このときスイッチSW4,SW5
はOFFとなる。
【0079】また、特殊再生時のSECAM方式の色信
号の補正を行うときは、上記したように、PAL方式の
色信号のクロストーク除去に用いられる遅延回路102の
出力をスイッチSW2,SW3によって信号処理回路51へ供給
することにより、色信号を遅延出力してその線順次性を
補正することができる。
【0080】さて、PAL方式の映像信号を記録再生す
るVTRには、上記したようにSECAM方式の映像信
号を処理するものからNTSC方式の信号を擬似的にP
AL方式の映像信号に変換して出力する簡易再生機能を
有するものがある。こうしたVTRにおいて、NTSC
方式の映像信号が記録された磁気テープから再生信号を
得て、NTSC方式の水平同期信号数の数及びフィール
ド周波数をそのまま再生し、色信号副搬送波周波数を3.
58MHzから4.43MHz(正確には4.43361875MHz)に変更
し、色信号をPAL方式に変換する。NTSC方式の色
信号の位相は図19(A)のようになっている。
【0081】これをPAL方式に変換する方法は、図1
9に示すように、(1)色信号のバースト位相を45°遅ら
せる(同図(A))、(2)R−Y軸を反転させる(同
図(A))、(3)(1)と(2)で得た信号を1H毎に切り
換え出力するもので、この場合、上記した櫛形フィルタ
はNTSC方式の信号に対応して1H遅延回路を構成す
るものが用いられる。同図(B)に回路ブロックを示す
に、上記(1)の位相シフトを移相回路111aで行い、上記
(2)のR−Y軸反転を反転回路111bで行う。そしてスイ
ッチSW111cによって上記(3)の処理を行う。
【0082】上記したNTSC方式の映像信号の簡易再
生機能を持つVTRで、上記したようなSECAM方式
の色信号補正を行う色信号処理系を図20に示す。図2
0の色信号補正回路A2は図18の色信号補正回路A1
に対してLPF102からの低域変換色信号を夫々遅延す
るためのPAL方式対応の2H遅延回路108及びNTS
C方式対応の1H遅延回路109として、PAL又はNT
SC方式の遅延量の違いを補正するイコライザ110を追
加し、色信号処理系ではBPF107からの色信号を最終
的に上記した色信号変換によって疑似PAL方式の色信
号に変換するための変換回路111とを追加したものであ
る。このとき変換回路111は上記した図19(B)のよ
うな構成を持つものとする。
【0083】即ち、上記した色信号補正回路A2におい
て、追加の遅延回路を用いずに色信号を補正するために
は、PAL方式に対応した2H遅延回路108及びNTS
C方式に対応した1H遅延回路109いずれかを利用する
必要がある。ここで、PAL/SECAM方式のテレビ
ジョン信号では1H64μsecであり、この2H遅延回路1
08の遅延時間は64μsec×2、1H遅延回路109の遅延時
間は63.5μsecである。そこで、64μsecの遅延時間を得
るためイコライザ110を用いる(遅延回路108の遅延時間
を半分にするよりはイコライザ110を用いて遅延回路109
の遅延出力を更に0.5μsec遅延させる方が現実的であ
る)。
【0084】こうして、NTSC方式の映像信号の簡易
再生機能を持つVTRにおいてSECAM方式の色信号
の線順次を補正するとき、スイッチSW2は遅延回路109か
らの遅延出力をイコライザ110を介してスイッチSW3に供
給する。スイッチSW3は補正色信号をSECAM色信号
処理回路51に供給し、この処理回路51において所定の色
信号復調処理によって補正色信号が復調され、スイッチ
SW6へ供給される。スイッチSW6はSECAM方式の色信
号処理回路51からの出力をY/C混合器6に切換え出力
する。PAL又はNTSC方式の色信号を再生するとき
は変換回路111からの出力をY/C混合器6へ切換え出
力する。
【0085】尚、例えば、LPF101も所定の遅延量を
持っており、その遅延量を上記した0.5μsecに設定ある
いは0.5μsecの遅延量を持つLPFを用いれば上記した
イコライザ111を省略することができるのは勿論であ
る。また、図21に示すように、2H遅延回路108の代
わりにPAL方式対応の1H遅延回路112,113を夫々備
えれば上記したイコライザ111を省略することができる
のは勿論である。即ち、SECAM方式の色信号を補正
するときはスイッチSW7(スイッチSW7は遅延回路109,11
2,113夫々の出力を切り換えるものである)によって遅
延回路112の出力をスイッチSW3に切換え出力すればよ
い。NTSC方式の簡易再生(通常の再生)のときは遅
延回路109の出力をスイッチSW3に切換え出力し、スイッ
チSW5をONにしてスイッチSW6を変換回路111の出力側
に切り換える。また、PAL方式の通常再生時は遅延回
路113の出力をスイッチSW3に切換え出力し、同様にスイ
ッチSW5をONにしてスイッチSW6を変換回路111の出力
側に切り換えることによって夫々の遅延回路112,113を
櫛形フィルタとして用いるのは言うまでもない。
【0086】こうして、本発明なる色信号補正回路によ
れば、PAL方式の色信号処理と共通の処理回路を用い
るVTRにおいて、あるいはその中でNTSC方式の映
像信号を簡易に再生する機能を持つVTRにおいて、P
AL方式又はNTSC方式の色信号処理に用いられる櫛
形フィルタを構成する遅延回路を用いてSECAM方式
の色信号補正を行うことができるので、構成を追加する
ことなく、しかも簡易な制御によって特殊再生時のSE
CAM方式の色信号の線順次性を補正することができ
る。
【0087】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、特殊
再生時に回転ヘッドの走査軌跡とトラックパターンとを
一致させることができるVTRにおいて、所定のトラッ
クパターンにPAL又はSECAMのテレビジョン方式
による映像及び音声信号が記録されたテープ状磁気記録
媒体を(8n+1)倍速で再生することにより、再生画
面上のスキュー歪みと、色信号の位相反転による色消え
を防止することができるので、この倍速再生時において
は常に良好な再生画像を得ることができるという効果が
ある。
【0088】また、本発明によれば、上述した効果に加
え、特定のテープ状磁気記録媒体の走行速度に応じて、
回転ヘッドの切り換えタイミングによって色信号の位相
を反転したり(PAL方式のテレビジョン信号)、1H
遅延することにより再生映像信号の線順次性を補正した
り((8n+5),(4n+3)倍速再生時)、再生映
像信号の水平同期信号のタイミングを補正することによ
り((4n+3)倍速再生時)、従来必要であった色信
号の線順次性検出、あるいは水平同期信号のタイミング
を夫々検出する回路を省略した簡易な構成によって、高
速再生時に確実に再生画面上のスキュー歪みと、色信号
の位相反転による色消えを防止することが可能となり、
常に良好な再生画像を得ることができるという効果があ
る。
【0089】更に、本発明によれば、上述した効果に加
え、PAL方式の色信号処理と共通の処理回路を用いる
VTRにおいて、あるいはその中でNTSC方式の映像
信号を簡易に再生する機能を持つVTRにおいて、PA
L方式又はNTSC方式の色信号処理に用いられる櫛形
フィルタを構成する遅延回路を用いてSECAM方式の
色信号補正を行うことができるので、構成を追加するこ
となく、しかも簡易な制御によって特殊再生時のSEC
AM方式の色信号の線順次性を補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気再生装置の第1実施例を説明する
図である。
【図2】本発明の磁気再生装置の第2実施例を説明する
図である。
【図3】本発明の磁気再生装置の第3実施例を説明する
図である。
【図4】第3実施例のその他の構成を説明する図であ
る。
【図5】本発明の磁気再生装置の第4実施例を説明する
図である。
【図6】本発明の磁気再生装置の第5実施例を説明する
図である。
【図7】本発明の磁気再生装置の第6実施例を説明する
図である。
【図8】第6実施例のその他の構成を説明する図であ
る。
【図9】従来の高速再生時の磁気ヘッドの走査軌跡を説
明する図である。
【図10】高速再生時に磁気ヘッドの走査軌跡とトラッ
クパターンとが一致した状態を説明する図である。
【図11】トラックパターン上のライン情報を説明する
図である。
【図12】従来の磁気記録再生装置の再生系を説明する
図である。
【図13】磁気ヘッドの切り換えタイミングにおける映
像信号の線順次性とスキュー歪みの発生を説明する図で
ある。
【図14】磁気ヘッドの切り換えタイミングにおける映
像信号の線順次性とスキュー歪みの発生を説明する図で
ある。
【図15】磁気ヘッドの走査軌跡とトラックパターンと
を一致させるドラムの機構を説明する図である。
【図16】本発明の色信号補正回路の一の実施の形態を
説明するブロック図である。
【図17】本発明の色信号補正回路のその他の実施の形
態を説明するブロック図である。
【図18】本発明の色信号補正回路のその他の実施の形
態を説明するブロック図である。
【図19】NTSC方式の映像信号の簡易再生を説明す
るための図である。
【図20】本発明の色信号補正回路のその他の実施の形
態を説明するブロック図である。
【図21】本発明の色信号補正回路のその他の実施の形
態を説明するブロック図である。
【符号の説明】
T…磁気テープ、30…回転ドラム、VH…磁気ヘッ
ド、1…走行手段、31…ドラムベース(可動手段)、
32…リードリング(可動手段)、7…反転手段8,9
…遅延手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04N 5/783 H04N 5/783 H 9/83 9/83 C

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定のトラックパターンにPAL又はSE
    CAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が標
    準の動作態様に対して長時間の動作態様によって記録さ
    れたテープ状磁気記録媒体が巻き付けられた回転ドラム
    に搭載された磁気ヘッドにより前記テープ状磁気記録媒
    体を走査し、記録された信号を再生するヘリカルスキャ
    ン型の磁気再生装置において、 標準の再生動作に対して高速再生するために前記テープ
    状磁気記録媒体を(8n+1)倍速(nは整数)で走行
    させ、 前記テープ状磁気記録媒体の走行速度に応じて、前記回
    転ドラムが取り付けられたドラムベース及び、前記テー
    プ状磁気記録媒体の前記回転ドラムへの巻き付け位置を
    案内するリードリングを夫々可動して前記磁気ヘッドの
    走査軌跡と、前記トラックパターンとを一致させること
    によって再生映像信号を得ることを特徴とする磁気再生
    装置の特殊再生方法。
  2. 【請求項2】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+5)倍速(nは
    整数)で走行させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号の
    R−Y軸の位相を反転することによりPAL方式の再生
    映像信号を得ることを特徴とする請求項1記載の磁気再
    生装置の特殊再生方法。
  3. 【請求項3】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+1)倍速あるい
    は(8n+5)倍速(nは整数)で走行させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号あ
    るいは再生された映像信号を1水平期間遅延することに
    より再生映像信号を得ることを特徴とする請求項1記載
    の磁気再生装置の特殊再生方法。
  4. 【請求項4】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+1)倍速、(8
    n+5)倍速あるいは(4n+3)倍速(nは整数)で
    走行させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された映像信号
    を0.5水平期間遅延することにより再生映像信号を得
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気再生装置の特殊
    再生方法。
  5. 【請求項5】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+1)倍速、(8
    n+5)倍速あるいは(4n+3)倍速(nは整数)で
    走行させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際に、反転された色信号
    と輝度信号とを合成した再生映像信号を0.5水平期間
    遅延することにより再生映像信号を得ることを特徴とす
    る請求項2記載の磁気再生装置の特殊再生方法。
  6. 【請求項6】所定のトラックパターンにPAL又はSE
    CAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が標
    準の動作態様に対して長時間の動作態様によって記録さ
    れたテープ状磁気記録媒体が巻き付けられた回転ドラム
    に搭載された磁気ヘッドにより前記テープ状磁気記録媒
    体を走査し、記録された信号を再生するヘリカルスキャ
    ン型の磁気再生装置において、 標準の再生動作に対して高速再生するために前記テープ
    状磁気記録媒体を(8n+1)倍速、(8n+5)倍速
    あるいは(4n+3)倍速(nは整数)で走行させ、 前記テープ状磁気記録媒体の走行速度に応じて、前記回
    転ドラムが取り付けられたドラムベース及び、前記テー
    プ状磁気記録媒体の前記回転ドラムへの巻き付け位置を
    案内するリードリングを夫々可動して前記磁気ヘッドの
    走査軌跡と、前記トラックパターンとを一致させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号を
    1水平期間遅延し、再生された映像信号を0.5水平期
    間遅延することにより再生映像信号を得ることを特徴と
    する磁気再生装置の特殊再生方法。
  7. 【請求項7】所定のトラックパターンにPAL又はSE
    CAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が標
    準の動作態様に対して長時間の動作態様によって記録さ
    れたテープ状磁気記録媒体が巻き付けられた回転ドラム
    に搭載された磁気ヘッドにより前記テープ状磁気記録媒
    体を走査し、記録された信号を再生するヘリカルスキャ
    ン型の磁気再生装置において、 標準の再生動作に対して高速再生するために前記テープ
    状磁気記録媒体を(8n+1)倍速(nは整数)で走行
    させる走行手段と、 前記テープ状磁気記録媒体の走行速度に応じて、前記回
    転ドラムが取り付けられたドラムベース及び、前記テー
    プ状磁気記録媒体の前記回転ドラムへの巻き付け位置を
    案内するリードリングを夫々可動して前記磁気ヘッドの
    走査軌跡と、前記トラックパターンとを一致させる可動
    手段を備えたことを特徴とする磁気再生装置。
  8. 【請求項8】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+5)倍速(nは
    整数)で走行させる走行手段と、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号の
    R−Y軸の位相を反転出力する反転手段とを備えたこと
    を特徴とする請求項7記載の磁気再生装置。
  9. 【請求項9】標準の再生動作に対して高速再生するため
    に前記テープ状磁気記録媒体を(8n+5)倍速(nは
    整数)で走行させる走行手段と、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された色信号を
    1水平期間遅延して出力する遅延手段とを備えたことを
    特徴とする請求項7記載の磁気再生装置。
  10. 【請求項10】前記走行手段は、標準の再生動作に対し
    て高速再生するために前記テープ状磁気記録媒体を(8
    n+1)倍速、(8n+5)倍速あるいは(4n+3)
    倍速(nは整数)で走行させ、 前記トラックパターンに対応したフィールド単位で再生
    される信号を連続した信号として再生するための磁気ヘ
    ッドのスイッチング動作を行う際、再生された輝度信号
    及び色信号を合成し得た映像信号を0.5水平期間遅延
    する遅延手段とを備えたことを特徴とする請求項7乃至
    9記載の磁気再生装置。
  11. 【請求項11】所定のトラックパターンにPAL又はS
    ECAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が
    長時間の動作態様によって記録されたテープ状磁気記録
    媒体の走行速度に応じて、回転ドラムが取り付けられた
    ドラムベース及び、前記テープ状磁気記録媒体の前記回
    転ドラムへの巻き付け位置を案内するリードリングを夫
    々可動して前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドの走
    査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体のトラックパター
    ンとを一致させる可動手段を有するヘリカルスキャン型
    の磁気再生装置にて再生された色信号の線順次性を補正
    する遅延手段を備えた色信号補正回路において、 前記磁気再生装置の高速再生動作によって再生された色
    信号の線順次性を補正するため、前記した遅延手段は、
    再生された色信号を低域変換の状態で1H遅延すること
    を特徴とする色信号補正回路。
  12. 【請求項12】所定のトラックパターンにPAL又はS
    ECAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が
    長時間の動作態様によって記録されたテープ状磁気記録
    媒体の走行速度に応じて、回転ドラムが取り付けられた
    ドラムベース及び、前記テープ状磁気記録媒体の前記回
    転ドラムへの巻き付け位置を案内するリードリングを夫
    々可動して前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドの走
    査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体のトラックパター
    ンとを一致させる可動手段を有するヘリカルスキャン型
    の磁気再生装置にて再生された色信号の線順次性を補正
    する色信号補正回路において、 前記テープ状磁気記録媒体に記録されたSECAM方式
    のテレビジョン信号を前記磁気再生装置にて高速再生す
    るとき、低域に変換されたPAL方式の色信号のクロス
    トークを除去するための櫛形フィルタを構成する遅延手
    段によって前記SECAM方式の色信号を1水平期間遅
    延し、色信号の線順次性を補正することを特徴とする色
    信号補正回路。
  13. 【請求項13】所定のトラックパターンにPAL又はS
    ECAMのテレビジョン方式による映像及び音声信号が
    長時間の動作態様によって記録されたテープ状磁気記録
    媒体の走行速度に応じて、回転ドラムが取り付けられた
    ドラムベース及び、前記テープ状磁気記録媒体の前記回
    転ドラムへの巻き付け位置を案内するリードリングを夫
    々可動して前記回転ドラムに搭載された磁気ヘッドの走
    査軌跡と、前記テープ状磁気記録媒体のトラックパター
    ンとを一致させ、再生された信号から低域に変換された
    色信号を周波数変換する第1の変換手段と、前記低域に
    変換された色信号の内PAL方式の色信号のクロストー
    クを除去する櫛形フィルタと、前記櫛形フィルタからの
    色信号を周波数変換する第2の変換手段とを備えたヘリ
    カルスキャン型の磁気再生装置にて再生された色信号の
    線順次性を補正する色信号補正回路において、 前記テープ状磁気記録媒体に記録されたSECAM方式
    のテレビジョン信号を前記磁気再生装置にて高速再生す
    るとき、前記櫛形フィルタを構成する遅延手段によって
    再生された色信号を1水平期間遅延しSECAM方式の
    色信号処理手段に切り換え出力することにより、色信号
    の線順次性を補正することを特徴とする色信号補正回
    路。
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