JPH10107274A - トンネルトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents
トンネルトランジスタ及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH10107274A JPH10107274A JP25847796A JP25847796A JPH10107274A JP H10107274 A JPH10107274 A JP H10107274A JP 25847796 A JP25847796 A JP 25847796A JP 25847796 A JP25847796 A JP 25847796A JP H10107274 A JPH10107274 A JP H10107274A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- semiconductor
- drain
- lattice constant
- tunnel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Bipolar Transistors (AREA)
- Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のトンネルトランジスタは、ドレイン層
及びチャネル層が臨界膜厚により制限され、高電流密度
化には限界がある。 【解決手段】 半絶縁性GaAs基板1上に、緩衝層2
及び3を順次に積層し、更に平均の格子定数がGaAs
と同じになるような縮退したp+ −In0.2 Ga0.8 A
s層と、縮退したp+ −GaAs0.38P0.62層とを交互
に積層した超格子構造のドレイン層4を形成する。ドレ
イン層4に一部接し、かつ、ドレイン層4と異なる導電
型を有するチャネル層6を形成する。チャネル層6と超
格子ドレイン層4とが接しているところには、バンド間
トンネル接合が形成され、結果としてソース・ドレイン
間にはトンネル電流が流れる。チャネル濃度をゲート電
極8へのゲート電圧で制御することにより、電流−電圧
特性に微分負性抵抗が現れる。基板との格子不整合の影
響を受けないため、トンネル電流密度が増加する。
及びチャネル層が臨界膜厚により制限され、高電流密度
化には限界がある。 【解決手段】 半絶縁性GaAs基板1上に、緩衝層2
及び3を順次に積層し、更に平均の格子定数がGaAs
と同じになるような縮退したp+ −In0.2 Ga0.8 A
s層と、縮退したp+ −GaAs0.38P0.62層とを交互
に積層した超格子構造のドレイン層4を形成する。ドレ
イン層4に一部接し、かつ、ドレイン層4と異なる導電
型を有するチャネル層6を形成する。チャネル層6と超
格子ドレイン層4とが接しているところには、バンド間
トンネル接合が形成され、結果としてソース・ドレイン
間にはトンネル電流が流れる。チャネル濃度をゲート電
極8へのゲート電圧で制御することにより、電流−電圧
特性に微分負性抵抗が現れる。基板との格子不整合の影
響を受けないため、トンネル電流密度が増加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネルトランジス
タ及びその製造方法に係り、特に高集積化、高速動作が
可能なトンネル現象利用のトンネルトランジスタ及びそ
の製造方法に関する。
タ及びその製造方法に係り、特に高集積化、高速動作が
可能なトンネル現象利用のトンネルトランジスタ及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体表面におけるp+−n+接合でのト
ンネル現象を利用し、高集積化、多機能化が可能なトラ
ンジスタとして、トンネルトランジスタが提案されてい
る。このトンネルトランジスタとしては、例えば本発明
者達により提案されたトンネルトランジスタが文献(T.
Uemura et al.,"First Demonstration of Planar-TypeS
urface Tunnel Transistor",Extended Abstracts of MS
S7,pp.808)に記載されている。このトンネルトランジ
スタは、少ない素子数で機能回路を構成でき、高集積化
を可能にする。
ンネル現象を利用し、高集積化、多機能化が可能なトラ
ンジスタとして、トンネルトランジスタが提案されてい
る。このトンネルトランジスタとしては、例えば本発明
者達により提案されたトンネルトランジスタが文献(T.
Uemura et al.,"First Demonstration of Planar-TypeS
urface Tunnel Transistor",Extended Abstracts of MS
S7,pp.808)に記載されている。このトンネルトランジ
スタは、少ない素子数で機能回路を構成でき、高集積化
を可能にする。
【0003】図3はこの従来のトンネルトランジスタの
一例の構造模式図を示す。この従来のトンネルトランジ
スタは、基板1に表面部が絶縁性の緩衝層2及び3が積
層され、緩衝層3の上に縮退した半導体からなるドレイ
ン層4b及び絶縁層5と、ドレイン層4bと異なる導電
型を有する半導体からなるチャネル層6とが形成され、
更にチャネル層6の上にゲート絶縁層7を介してゲート
電極8が形成されると共にソース電極10が直接形成さ
れており、またドレイン層4b上にドレイン電極9が形
成されている。
一例の構造模式図を示す。この従来のトンネルトランジ
スタは、基板1に表面部が絶縁性の緩衝層2及び3が積
層され、緩衝層3の上に縮退した半導体からなるドレイ
ン層4b及び絶縁層5と、ドレイン層4bと異なる導電
型を有する半導体からなるチャネル層6とが形成され、
更にチャネル層6の上にゲート絶縁層7を介してゲート
電極8が形成されると共にソース電極10が直接形成さ
れており、またドレイン層4b上にドレイン電極9が形
成されている。
【0004】この従来のトンネルトランジスタの動作に
ついて、基板1に半絶縁性GaAs、緩衝層2にi−A
l0.5Ga0.5As層(ここで、iは真性又は実質的に真
性とみなせるノンドープ半導体を意味する略号、以下、
同様。)、緩衝層3にi−GaAs層、ドレイン層4b
に縮退したp+−In0.2Ga0.8As層、絶縁層5にi
−GaAs層、チャネル層6に縮退したn+−In0.2G
a0.8As層、ゲート絶縁層7にi−Al0.3Ga0.7A
s層、ゲート電極8にAl膜、ドレイン電極9にAuZ
n/Au膜、ソース電極10にAuGe/Au膜を用い
た例について説明する。
ついて、基板1に半絶縁性GaAs、緩衝層2にi−A
l0.5Ga0.5As層(ここで、iは真性又は実質的に真
性とみなせるノンドープ半導体を意味する略号、以下、
同様。)、緩衝層3にi−GaAs層、ドレイン層4b
に縮退したp+−In0.2Ga0.8As層、絶縁層5にi
−GaAs層、チャネル層6に縮退したn+−In0.2G
a0.8As層、ゲート絶縁層7にi−Al0.3Ga0.7A
s層、ゲート電極8にAl膜、ドレイン電極9にAuZ
n/Au膜、ソース電極10にAuGe/Au膜を用い
た例について説明する。
【0005】ソース電極10をアース電位とし、ソース
電極10・ドレイン電極9間に電圧を印加する。チャネ
ル層6とドレイン領域4bとが接しているところには、
トンネルダイオード(江崎ダイオード)と同様の接合
(トンネル接合)が形成され、結果としてソース・ドレ
イン間にはトンネル効果による電流(トンネル電流)が
流れる。特に、ドレイン電極9に正の電圧を印加する
と、江崎ダイオードが順方向バイアスになるため、その
電流−電圧特性には微分負性抵抗が現れる。トンネル電
流の大きさはチャネルに誘起される電子の濃度に依存す
るため、この微分負性抵抗特性はゲート電極に印加する
電圧により制御されることになり、機能を有するトラン
ジスタの動作が得られる。この素子では高速化のため
に、基板1よりも禁止帯エネルギーの小さい半導体単層
膜をドレイン及びチャネル領域に用いることにより、ト
ンネル電流密度の増加を図っている。
電極10・ドレイン電極9間に電圧を印加する。チャネ
ル層6とドレイン領域4bとが接しているところには、
トンネルダイオード(江崎ダイオード)と同様の接合
(トンネル接合)が形成され、結果としてソース・ドレ
イン間にはトンネル効果による電流(トンネル電流)が
流れる。特に、ドレイン電極9に正の電圧を印加する
と、江崎ダイオードが順方向バイアスになるため、その
電流−電圧特性には微分負性抵抗が現れる。トンネル電
流の大きさはチャネルに誘起される電子の濃度に依存す
るため、この微分負性抵抗特性はゲート電極に印加する
電圧により制御されることになり、機能を有するトラン
ジスタの動作が得られる。この素子では高速化のため
に、基板1よりも禁止帯エネルギーの小さい半導体単層
膜をドレイン及びチャネル領域に用いることにより、ト
ンネル電流密度の増加を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
のトンネルトランジスタにおいて、ドレイン層4b及び
チャネル層6に用いる半導体層は、基板1との間の格子
定数の違いにより、臨界膜厚と呼ばれる良質な状態で積
層できる厚さの上限があり、これに制限される。また、
禁止帯エネルギーをより小さくすると、格子定数の違い
が更に顕著になるため、臨界膜厚が更に小さくなる。よ
って、従来のトンネルトランジスタでは高電流密度化に
は限界がある。
のトンネルトランジスタにおいて、ドレイン層4b及び
チャネル層6に用いる半導体層は、基板1との間の格子
定数の違いにより、臨界膜厚と呼ばれる良質な状態で積
層できる厚さの上限があり、これに制限される。また、
禁止帯エネルギーをより小さくすると、格子定数の違い
が更に顕著になるため、臨界膜厚が更に小さくなる。よ
って、従来のトンネルトランジスタでは高電流密度化に
は限界がある。
【0007】本発明は上記の点に鑑みなされたもので、
より高電流密度化を可能にしたトンネルトランジスタ及
びその製造方法を提供することを目的とする。
より高電流密度化を可能にしたトンネルトランジスタ及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、表面部が絶縁性の緩衝層の表面上に形成さ
れた、格子定数が緩衝層のそれよりも大きく、禁止帯幅
の小さい縮退した第一の半導体と、格子定数が緩衝層の
それよりも小さな第二の半導体とを交互に積層した超格
子構造のドレイン層と、ドレイン層に一部接し、かつ、
第一の半導体と異なる導電型を有するチャネル層と、チ
ャネル層上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され
たゲート電極と、ドレイン層上に形成されたドレイン電
極と、チャネル層上に形成されたソース電極とを有する
構成としたものである。
成するため、表面部が絶縁性の緩衝層の表面上に形成さ
れた、格子定数が緩衝層のそれよりも大きく、禁止帯幅
の小さい縮退した第一の半導体と、格子定数が緩衝層の
それよりも小さな第二の半導体とを交互に積層した超格
子構造のドレイン層と、ドレイン層に一部接し、かつ、
第一の半導体と異なる導電型を有するチャネル層と、チ
ャネル層上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され
たゲート電極と、ドレイン層上に形成されたドレイン電
極と、チャネル層上に形成されたソース電極とを有する
構成としたものである。
【0009】また、本発明の製造方法は上記の目的を達
成するため、基板上に表面部が絶縁性の緩衝層を形成す
る第1の工程と、格子定数が緩衝層のそれよりも大き
く、禁止帯幅の小さい縮退した第一の半導体と、格子定
数が緩衝層のそれよりも小さな第二の半導体とを交互に
積層した超格子構造を形成する第2の工程と、超格子構
造のうち所定の領域をドレイン層として残してそれ以外
の超格子構造は除去し、この除去した領域にドレイン層
に一部接し、かつ、第一の半導体と異なる導電型を有す
るチャネル層を成長させる第3の工程と、チャネル層上
に絶縁ゲート電極構造を形成する第4の工程と、ドレイ
ン層及びチャネル層上にそれぞれドレイン電極及びソー
ス電極を形成する第5の工程とを含むことを特徴とす
る。
成するため、基板上に表面部が絶縁性の緩衝層を形成す
る第1の工程と、格子定数が緩衝層のそれよりも大き
く、禁止帯幅の小さい縮退した第一の半導体と、格子定
数が緩衝層のそれよりも小さな第二の半導体とを交互に
積層した超格子構造を形成する第2の工程と、超格子構
造のうち所定の領域をドレイン層として残してそれ以外
の超格子構造は除去し、この除去した領域にドレイン層
に一部接し、かつ、第一の半導体と異なる導電型を有す
るチャネル層を成長させる第3の工程と、チャネル層上
に絶縁ゲート電極構造を形成する第4の工程と、ドレイ
ン層及びチャネル層上にそれぞれドレイン電極及びソー
ス電極を形成する第5の工程とを含むことを特徴とす
る。
【0010】本発明では、緩衝層上に、ドレイン層とチ
ャネル層の間にバンド間トンネル接合を形成すると共
に、その緩衝層に対し格子定数の大きな層と小さな層か
らなる超格子構造をドレイン層として形成するようにし
たため、禁止帯エネルギーのより小さな層の歪みを緩和
できるので、全体の積層膜厚を自由に制御できる。
ャネル層の間にバンド間トンネル接合を形成すると共
に、その緩衝層に対し格子定数の大きな層と小さな層か
らなる超格子構造をドレイン層として形成するようにし
たため、禁止帯エネルギーのより小さな層の歪みを緩和
できるので、全体の積層膜厚を自由に制御できる。
【0011】また、本発明はチャネル層が、第一の半導
体と異なる導電型を有し、かつ、格子定数が前記緩衝層
のそれよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の半導体
と、第一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、格子定
数が緩衝層のそれよりも小さい第四の半導体とを交互に
積層した超格子構造であるため、単層構造に比し禁止帯
エネルギーの小さな第三の半導体を挿入できる。
体と異なる導電型を有し、かつ、格子定数が前記緩衝層
のそれよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の半導体
と、第一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、格子定
数が緩衝層のそれよりも小さい第四の半導体とを交互に
積層した超格子構造であるため、単層構造に比し禁止帯
エネルギーの小さな第三の半導体を挿入できる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。
て図面と共に説明する。
【0013】図1は本発明になるトンネルトランジスタ
の第1の実施の形態の模式的断面図を示す。同図中、図
3と同一機能を果たす部分は同一符号を付してある。図
1に示すトンネルトランジスタは、基板1上に形成され
た少なくとも表面部が絶縁性の緩衝層2及び3が積層さ
れ、緩衝層3の上に、その緩衝層3よりも格子定数が大
きく、かつ、禁止帯幅の小さい縮退した第一の半導体
と、緩衝層3よりも格子定数の小さい縮退した第二の半
導体による超格子構造からなる超格子ドレイン層4と、
超格子ドレイン層4に一部接し、かつ、上記第一の半導
体と異なる導電型を有するチャネル層6とが形成され、
更にチャネル層6の上にゲート絶縁層7を介してゲート
電極8が形成されると共にソース電極10が直接形成さ
れており、また超格子ドレイン層4上にドレイン電極9
が形成されている。
の第1の実施の形態の模式的断面図を示す。同図中、図
3と同一機能を果たす部分は同一符号を付してある。図
1に示すトンネルトランジスタは、基板1上に形成され
た少なくとも表面部が絶縁性の緩衝層2及び3が積層さ
れ、緩衝層3の上に、その緩衝層3よりも格子定数が大
きく、かつ、禁止帯幅の小さい縮退した第一の半導体
と、緩衝層3よりも格子定数の小さい縮退した第二の半
導体による超格子構造からなる超格子ドレイン層4と、
超格子ドレイン層4に一部接し、かつ、上記第一の半導
体と異なる導電型を有するチャネル層6とが形成され、
更にチャネル層6の上にゲート絶縁層7を介してゲート
電極8が形成されると共にソース電極10が直接形成さ
れており、また超格子ドレイン層4上にドレイン電極9
が形成されている。
【0014】このトンネルトランジスタの動作につい
て、基板1に半絶縁性GaAs、緩衝層2にi−Al
0.5Ga0.5As層、緩衝層3にi−GaAs層、前記第
一の半導体に縮退したp+−In0.2Ga0.8As層、前
記第二の半導体に縮退したp+−GaAs0.38P
0.62層、チャネル層6に縮退した厚さ12nm程度のn
+−In0.2Ga0.8As層、ゲート絶縁層7にi−Al
0.3Ga0.7As層、ゲート電極8にAl膜、ドレイン電
極9にAuZn/Au膜、ソース電極10にAuGe/
Au膜を用いた例について説明する。
て、基板1に半絶縁性GaAs、緩衝層2にi−Al
0.5Ga0.5As層、緩衝層3にi−GaAs層、前記第
一の半導体に縮退したp+−In0.2Ga0.8As層、前
記第二の半導体に縮退したp+−GaAs0.38P
0.62層、チャネル層6に縮退した厚さ12nm程度のn
+−In0.2Ga0.8As層、ゲート絶縁層7にi−Al
0.3Ga0.7As層、ゲート電極8にAl膜、ドレイン電
極9にAuZn/Au膜、ソース電極10にAuGe/
Au膜を用いた例について説明する。
【0015】ソース電極10をアース電位とし、ソース
電極10・ドレイン電極9間に電圧を印加する。チャネ
ル層6と超格子ドレイン層4とが接しているところに
は、バンド間トンネル接合が形成され、結果としてソー
ス・ドレイン間にはトンネル効果による電流(トンネル
電流)が流れる。チャネル濃度をゲート電極8へのゲー
ト電圧で制御することにより、電流−電圧特性には微分
負性抵抗が現れる。
電極10・ドレイン電極9間に電圧を印加する。チャネ
ル層6と超格子ドレイン層4とが接しているところに
は、バンド間トンネル接合が形成され、結果としてソー
ス・ドレイン間にはトンネル効果による電流(トンネル
電流)が流れる。チャネル濃度をゲート電極8へのゲー
ト電圧で制御することにより、電流−電圧特性には微分
負性抵抗が現れる。
【0016】ここで、超格子ドレイン層4を構成してい
る第一の半導体である縮退したp+−In0.2Ga0.8A
s層と第二の半導体である縮退したp+−GaAs0.38
P0.62層は、下地の緩衝層3であるi−GaAs層に対
して格子不整合度がそれぞれ+1.4%と−1.4%で
あるため、両者を等しい膜厚で交互に積層した超格子構
造のGaAs層に対する平均的な格子不整合度は殆ど0
となり、全体の積層膜厚は任意に制御できる。また、ト
ンネル電流密度は、禁止帯エネルギーの小さな第一の半
導体の全体の膜厚により決まるため、従来例に比べ、ト
ンネル電流密度が増加するようにできる。
る第一の半導体である縮退したp+−In0.2Ga0.8A
s層と第二の半導体である縮退したp+−GaAs0.38
P0.62層は、下地の緩衝層3であるi−GaAs層に対
して格子不整合度がそれぞれ+1.4%と−1.4%で
あるため、両者を等しい膜厚で交互に積層した超格子構
造のGaAs層に対する平均的な格子不整合度は殆ど0
となり、全体の積層膜厚は任意に制御できる。また、ト
ンネル電流密度は、禁止帯エネルギーの小さな第一の半
導体の全体の膜厚により決まるため、従来例に比べ、ト
ンネル電流密度が増加するようにできる。
【0017】次に、この第1の実施の形態の製造方法に
ついて説明する。まず、GaAs基板1上の(100)
面上に膜厚500nmのi−Al0.5Ga0.5As層と膜
厚200nmのi−GaAs層の積層構造をそれぞれ緩
衝層2及び3として形成し、その上に超格子ドレイン層
4となる厚さ1nmのp+−In0.2Ga0.8As層(濃
度5×1019cm-3のBeをドーパントとして含んでい
る。)と、厚さ1nmのp+−GaAs0.38P0.62層
(濃度5×1019cm-3のBeをドーパントとして含ん
でいる。)を交互に50回繰り返し積層した超格子構造
を分子線エピタキシー(MBE)法により基板温度52
0℃でそれぞれ形成する。
ついて説明する。まず、GaAs基板1上の(100)
面上に膜厚500nmのi−Al0.5Ga0.5As層と膜
厚200nmのi−GaAs層の積層構造をそれぞれ緩
衝層2及び3として形成し、その上に超格子ドレイン層
4となる厚さ1nmのp+−In0.2Ga0.8As層(濃
度5×1019cm-3のBeをドーパントとして含んでい
る。)と、厚さ1nmのp+−GaAs0.38P0.62層
(濃度5×1019cm-3のBeをドーパントとして含ん
でいる。)を交互に50回繰り返し積層した超格子構造
を分子線エピタキシー(MBE)法により基板温度52
0℃でそれぞれ形成する。
【0018】続いて、ドレインとなる部分以外の{(p
+−In0.2Ga0.8As)/(p+−GaAs
0.38P0.62)}超格子層を除去した後、その除去した部
分に厚さ12nmのn+−In0.2Ga0.8As層(濃度
1×1019cm-3のSiをドーパントとして含んでい
る。)をチャネル層6として、また、厚さ20nmのi
−Al0.3Ga0.7As層をゲート絶縁層7として全面に
成長させた後、厚さ50nmのAl膜を蒸着する。
+−In0.2Ga0.8As)/(p+−GaAs
0.38P0.62)}超格子層を除去した後、その除去した部
分に厚さ12nmのn+−In0.2Ga0.8As層(濃度
1×1019cm-3のSiをドーパントとして含んでい
る。)をチャネル層6として、また、厚さ20nmのi
−Al0.3Ga0.7As層をゲート絶縁層7として全面に
成長させた後、厚さ50nmのAl膜を蒸着する。
【0019】続いて、ゲート電極8の形状に上記のAl
膜及びその下のi−Al0.3Ga0.7As層を加工した
後、最後にリフトオフ法により、AuZn/Auからな
るドレイン電極9及びAuGe/Au多層膜からなるソ
ース電極10を形成する。この構造のデバイスにより、
In0.2Ga0.8As層の膜厚を従来構造に比べて2.5
倍増加させることができ、ピーク電流密度はおよそ5倍
増加した。
膜及びその下のi−Al0.3Ga0.7As層を加工した
後、最後にリフトオフ法により、AuZn/Auからな
るドレイン電極9及びAuGe/Au多層膜からなるソ
ース電極10を形成する。この構造のデバイスにより、
In0.2Ga0.8As層の膜厚を従来構造に比べて2.5
倍増加させることができ、ピーク電流密度はおよそ5倍
増加した。
【0020】次に、本発明の第2の実施の形態について
図2と共に説明する。図2は本発明になるトンネルトラ
ンジスタの第2の実施の形態の模式的断面図を示す。同
図中、図1と同一機能を果たす部分は同一符号を付し、
その説明を省略する。図2に示すトンネルトランジスタ
は、チャネル層として超格子チャネル層6bを形成した
点に特徴がある。
図2と共に説明する。図2は本発明になるトンネルトラ
ンジスタの第2の実施の形態の模式的断面図を示す。同
図中、図1と同一機能を果たす部分は同一符号を付し、
その説明を省略する。図2に示すトンネルトランジスタ
は、チャネル層として超格子チャネル層6bを形成した
点に特徴がある。
【0021】この超格子チャネル層6bは、前記第一の
半導体と異なる導電型を有し、格子定数が緩衝層3のそ
れよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の半導体と、格
子定数が緩衝層3のそれよりも小さい第四の半導体とを
交互に積層した超格子構造で、一例として第三の半導体
はn+−In0.4Ga0.6As、第四の半導体としてn+−
GaAs0.19P0.81を用い、その他は第1の実施の形態
と同様のものを用いている。第1の実施の形態では、チ
ャネル層6は単層構造であったが、第2の実施の形態で
はチャネル層6bを超格子構造にすることにより、In
組成の更に高いInGaAs層を超格子構造中に挿入す
ることができ、その結果、第1の実施の形態よりも更に
電流密度を増大することができる。
半導体と異なる導電型を有し、格子定数が緩衝層3のそ
れよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の半導体と、格
子定数が緩衝層3のそれよりも小さい第四の半導体とを
交互に積層した超格子構造で、一例として第三の半導体
はn+−In0.4Ga0.6As、第四の半導体としてn+−
GaAs0.19P0.81を用い、その他は第1の実施の形態
と同様のものを用いている。第1の実施の形態では、チ
ャネル層6は単層構造であったが、第2の実施の形態で
はチャネル層6bを超格子構造にすることにより、In
組成の更に高いInGaAs層を超格子構造中に挿入す
ることができ、その結果、第1の実施の形態よりも更に
電流密度を増大することができる。
【0022】次に、この第2の実施の形態の製造方法に
ついて説明する。第2の実施の形態では、チャネル領域
の形成方法以外は第1の実施の形態と同様である。チャ
ネル層6bは、厚さ0.5nmのn+−In0.4Ga0.6
As層(濃度1×1019cm-3のSiをドーパントとし
て含んでいる。)と、厚さ0.5nmのn+−GaAs
0.19P0.81層(濃度1×1019cm-3のSiをドーパン
トとして含んでいる。)との積層構造が12周期からな
る超格子構造である。従来の構造では、In組成の高い
In0.4Ga0.6As層の単層膜はたかだか1nm程度し
か良好に形成できないが、この実施の形態では、超格子
構造により、全体として6nm形成させることができ
た。In組成をあげることにより、禁止帯エネルギーが
小さくなり、従来構造に比べて約1桁動作電流密度が増
加した。
ついて説明する。第2の実施の形態では、チャネル領域
の形成方法以外は第1の実施の形態と同様である。チャ
ネル層6bは、厚さ0.5nmのn+−In0.4Ga0.6
As層(濃度1×1019cm-3のSiをドーパントとし
て含んでいる。)と、厚さ0.5nmのn+−GaAs
0.19P0.81層(濃度1×1019cm-3のSiをドーパン
トとして含んでいる。)との積層構造が12周期からな
る超格子構造である。従来の構造では、In組成の高い
In0.4Ga0.6As層の単層膜はたかだか1nm程度し
か良好に形成できないが、この実施の形態では、超格子
構造により、全体として6nm形成させることができ
た。In組成をあげることにより、禁止帯エネルギーが
小さくなり、従来構造に比べて約1桁動作電流密度が増
加した。
【0023】なお、以上の実施の形態では、ドレイン層
としてIn0.2Ga0.8As/GaAs0.38P0.62層及び
In0.4Ga0.6As/GaAs0.19P0.81層を超格子構
造として用いるように説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、基板の格子定数よりも大きい層と
小さい層の積層構造であれば、その他の組成あるいは材
料系でも実現可能である。また、上記の各実施の形態で
は、ソース電極はチャネル層より直接引き出したが、チ
ャネル層と同一の導電性を示す縮退した半導体領域を介
して引き出してもよい。
としてIn0.2Ga0.8As/GaAs0.38P0.62層及び
In0.4Ga0.6As/GaAs0.19P0.81層を超格子構
造として用いるように説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、基板の格子定数よりも大きい層と
小さい層の積層構造であれば、その他の組成あるいは材
料系でも実現可能である。また、上記の各実施の形態で
は、ソース電極はチャネル層より直接引き出したが、チ
ャネル層と同一の導電性を示す縮退した半導体領域を介
して引き出してもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
緩衝層上に、ドレイン層とチャネル層の間にバンド間ト
ンネル接合を形成すると共に、その緩衝層に対し格子定
数の大きな層と小さな層からなる超格子構造をドレイン
層として形成することにより、禁止帯エネルギーのより
小さな層の歪みを緩和でき、全体の積層膜厚を自由に制
御でき、よって、禁止帯エネルギーの小さな第一の半導
体の全体の膜厚により決まるトンネル電流密度を従来に
比べて増大できる。
緩衝層上に、ドレイン層とチャネル層の間にバンド間ト
ンネル接合を形成すると共に、その緩衝層に対し格子定
数の大きな層と小さな層からなる超格子構造をドレイン
層として形成することにより、禁止帯エネルギーのより
小さな層の歪みを緩和でき、全体の積層膜厚を自由に制
御でき、よって、禁止帯エネルギーの小さな第一の半導
体の全体の膜厚により決まるトンネル電流密度を従来に
比べて増大できる。
【0025】また、本発明によれば、チャネル層が、第
一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、格子定数が前
記緩衝層のそれよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の
半導体と、第一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、
格子定数が緩衝層のそれよりも小さい第四の半導体とを
交互に積層した超格子構造とすることにより、単層構造
に比し禁止帯エネルギーの小さな第三の半導体を挿入で
きるため、チャネル層が単層構造の場合よりもより一層
トンネル電流密度を増大できる。
一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、格子定数が前
記緩衝層のそれよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の
半導体と、第一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、
格子定数が緩衝層のそれよりも小さい第四の半導体とを
交互に積層した超格子構造とすることにより、単層構造
に比し禁止帯エネルギーの小さな第三の半導体を挿入で
きるため、チャネル層が単層構造の場合よりもより一層
トンネル電流密度を増大できる。
【0026】以上より、本発明によれば、高いトンネル
電流密度を持った負性抵抗特性を有したトンネルトラン
ジスタを実現でき、高速、低消費電力、室温動作、超高
密度のトンネルデバイス集積回路を実現できる。
電流密度を持った負性抵抗特性を有したトンネルトラン
ジスタを実現でき、高速、低消費電力、室温動作、超高
密度のトンネルデバイス集積回路を実現できる。
【図1】本発明の第1の実施の形態の模式的断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の第2の実施の形態の模式的断面図であ
る。
る。
【図3】従来の一例の模式的断面図である。
1 基板 2、3 緩衝層 4 超格子ドレイン層 6 チャネル層 6b 超格子チャネル層 7 ゲート絶縁層 8 ゲート電極 9 ドレイン電極 10 ソース電極
Claims (4)
- 【請求項1】 表面部が絶縁性の緩衝層の表面上に形成
された、格子定数が該緩衝層のそれよりも大きく、禁止
帯幅の小さい縮退した第一の半導体と、格子定数が該緩
衝層のそれよりも小さな第二の半導体とを交互に積層し
た超格子構造のドレイン層と、 前記ドレイン層に一部接し、かつ、前記第一の半導体と
異なる導電型を有するチャネル層と、 前記チャネル層上に形成された絶縁層と、 前記絶縁層上に形成されたゲート電極と、 前記ドレイン層上に形成されたドレイン電極と、 前記チャネル層上に形成されたソース電極とを有するこ
とを特徴とするトンネルトランジスタ。 - 【請求項2】 前記チャネル層は、前記第一の半導体と
異なる導電型を有し、かつ、格子定数が前記緩衝層のそ
れよりも大きく、禁止帯幅の小さい第三の半導体と、前
記第一の半導体と異なる導電型を有し、かつ、格子定数
が該緩衝層のそれよりも小さい第四の半導体とを交互に
積層した超格子構造であることを特徴とする請求項1記
載のトンネルトランジスタ。 - 【請求項3】 基板上に表面部が絶縁性の緩衝層を形成
する第1の工程と、 格子定数が前記緩衝層のそれよりも大きく、禁止帯幅の
小さい縮退した第一の半導体と、格子定数が前記緩衝層
のそれよりも小さな第二の半導体とを交互に積層した超
格子構造を形成する第2の工程と、 前記超格子構造のうち所定の領域をドレイン層として残
してそれ以外の超格子構造は除去し、この除去した領域
に前記ドレイン層に一部接し、かつ、前記第一の半導体
と異なる導電型を有するチャネル層を成長させる第3の
工程と、 前記チャネル層上に絶縁ゲート電極構造を形成する第4
の工程と、 前記ドレイン層及びチャネル層上にそれぞれドレイン電
極及びソース電極を形成する第5の工程とを含むことを
特徴とするトンネルトランジスタの製造方法。 - 【請求項4】 前記第3の工程は、前記超格子構造のう
ち所定の領域をドレイン層として残してそれ以外の超格
子構造は除去し、この除去した領域に前記ドレイン層に
一部接し、前記第一の半導体と異なる導電型を有し、か
つ、格子定数が前記緩衝層のそれよりも大きい第三の半
導体と、前記第一の半導体と異なる導電型を有し、か
つ、格子定数が該緩衝層のそれよりも小さい第四の半導
体とを交互に積層した超格子構造を形成することを特徴
とする請求項3記載のトンネルトランジスタの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25847796A JPH10107274A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | トンネルトランジスタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25847796A JPH10107274A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | トンネルトランジスタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10107274A true JPH10107274A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=17320768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25847796A Pending JPH10107274A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | トンネルトランジスタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10107274A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014188617A1 (ja) * | 2013-05-21 | 2014-11-27 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
US9614042B2 (en) | 2015-03-06 | 2017-04-04 | International Business Machines Corporation | Heterojunction tunnel field effect transistor fabrication using limited lithography steps |
JP2018037466A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 半導体装置 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25847796A patent/JPH10107274A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014188617A1 (ja) * | 2013-05-21 | 2014-11-27 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 半導体装置および半導体装置の製造方法 |
US9614042B2 (en) | 2015-03-06 | 2017-04-04 | International Business Machines Corporation | Heterojunction tunnel field effect transistor fabrication using limited lithography steps |
US10276685B2 (en) | 2015-03-06 | 2019-04-30 | International Business Machines Corporation | Heterojunction tunnel field effect transistor fabrication using limited lithography steps |
JP2018037466A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 | 半導体装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5705827A (en) | Tunnel transistor and method of manufacturing same | |
JPH05110086A (ja) | トンネルトランジスタ | |
JPH024140B2 (ja) | ||
KR920003799B1 (ko) | 반도체 장치 | |
JPH0855979A (ja) | ヘテロ接合電界効果トランジスタ | |
US6469315B1 (en) | Semiconductor device and method of manufacturing the same | |
US5206524A (en) | Heterostructure bipolar transistor | |
EP0240567B1 (en) | Semiconductor device | |
JPH10107274A (ja) | トンネルトランジスタ及びその製造方法 | |
JPS6359272B2 (ja) | ||
JP3230503B2 (ja) | トンネルトランジスタとその製造方法 | |
JP3446664B2 (ja) | トンネルトランジスタおよびその製造方法 | |
JP2817718B2 (ja) | トンネルトランジスタおよびその製造方法 | |
JP3119207B2 (ja) | 共鳴トンネルトランジスタおよびその製造方法 | |
JP2658934B2 (ja) | トンネルトランジスタ | |
JP2655594B2 (ja) | 集積型半導体装置 | |
JP2817726B2 (ja) | トンネルトランジスタ及びその製造方法 | |
JPH06334175A (ja) | トンネルトランジスタおよびその製造方法 | |
JPH0468775B2 (ja) | ||
JP2701632B2 (ja) | エンハンスメント型電界効果トランジスタ | |
JPS594085A (ja) | 半導体装置 | |
JPS6012773A (ja) | 半導体素子の製造方法 | |
JPH10200093A (ja) | トンネルトランジスタの製造方法 | |
JP3156252B2 (ja) | 電界効果トランジスタ | |
JPH06151469A (ja) | 化合物半導体装置 |