JP2817726B2 - トンネルトランジスタ及びその製造方法 - Google Patents

トンネルトランジスタ及びその製造方法

Info

Publication number
JP2817726B2
JP2817726B2 JP23418996A JP23418996A JP2817726B2 JP 2817726 B2 JP2817726 B2 JP 2817726B2 JP 23418996 A JP23418996 A JP 23418996A JP 23418996 A JP23418996 A JP 23418996A JP 2817726 B2 JP2817726 B2 JP 2817726B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
semiconductor layer
layer
difference
substrate
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23418996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1079518A (ja
Inventor
哲也 植村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP23418996A priority Critical patent/JP2817726B2/ja
Publication of JPH1079518A publication Critical patent/JPH1079518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2817726B2 publication Critical patent/JP2817726B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bipolar Transistors (AREA)
  • Junction Field-Effect Transistors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高集積化及び多機
能化が可能な、トンネル現象を利用したトランジスタと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体表面におけるp+−n+
接合でのトンネル現象を利用し、高集積化及び多機能化
が可能なトランジスタとしてトンネルトランジスタが提
案されている。
【0003】本出願人は、例えば、特開平8−1862
73号公報において、少ない素子数で機能回路を構成す
ることができ、高集積化を可能にするトンネルトランジ
スタを提案している。
【0004】図3は、従来のトンネルトランジスタの一
例を示す構造模式図である。
【0005】本従来例は図3に示すように、半絶縁性G
aAsからなる基板101と、基板101上の一部に形
成された縮退したp+−GaAsからなるドレイン層1
02と、ドレイン層102上の一部に形成されたi−G
aAsからなる絶縁層103と、基板101上のドレイ
ン層102が形成されていない部分と絶縁層103上に
形成された縮退したn+−GaAsからなるチャネル層
104と、チャネル層104上の一部に形成されたi−
Al0.3Ga0.7Asからなるゲート絶縁層105と、ゲ
ート絶縁層105上に形成されたAl膜からなるゲート
電極106と、ドレイン層102上の絶縁層103が形
成されていない部分の一部に形成されたAuZn/Au
膜からなるドレイン電極107と、チャネル層104上
のゲート絶縁層105が形成されてない部分の一部に形
成されたAuGe/Au膜からなるソース電極108と
から構成されている。ここで、上述したiは、真性また
は実質的に真性とみなすことができるノンドープ半導体
を意味する略号である。
【0006】以下に、上記のように構成されたトンネル
トランジスタの動作について説明する。
【0007】ソース電極108をアース電極とし、ソー
ス−ドレイン間に電圧を印加する。
【0008】すると、チャネル層104とドレイン層1
02とが接している部分において、江崎ダイオード(ト
ンネルダイオード)と同様の接合(トンネル接合)が形
成され、結果としてソース−ドレイン間にトンネル効果
によるトンネル電流が流れる。
【0009】特に、ドレイン電極107に正の電圧を印
加すると、江崎ダイオードが順方向バイアスになるた
め、その電流電圧特性には微分負性抵抗が現れる。トン
ネル電流の大きさは、チャネルに誘起される電子の濃度
に依存するため、この微分負性抵抗特性は、ゲート電極
106に印加する電圧により制御されることになり、機
能を有するトランジスタの動作が得られる。
【0010】以下に、上述したトンネルトランジスタの
製造方法について説明する。
【0011】まず、基板101の温度を520℃に設定
し、分子線エピタキシー法(以下、MBE法と称す)に
より、基板101上に厚さ20nmのp+−GaAsか
らなるドレイン層102(濃度5×1019cm-3のBe
をドーパントとして含んでいる)を、また、ドレイン層
102上の一部に厚さ30nmのi−GaAsからなる
絶縁層103をそれぞれ形成する。
【0012】次に、ドレイン領域となる部分以外のドレ
イン層102を除去する。
【0013】次に、MBE法により、基板1上のドレイ
ン層102が形成されていない部分と絶縁層103上に
厚さ12nmのn+−GaAsからなるチャネル層10
4(濃度1×1019cm-3のSiをドーパントとして含
んでいる)を、また、その上に厚さ20nmのi−Al
0.3Ga0.7Asからなるゲート絶縁層105をそれぞれ
再成長させる。
【0014】なお、このとき、露出しているドレイン層
102の側面において、バンド間トンネル接合が形成さ
れる。
【0015】次に、ゲート絶縁層105上に、厚さ50
nmのAl膜を蒸着させ、Al膜及びゲート絶縁膜10
5を加工することにより、ゲート電極106を形成す
る。
【0016】その後、リフトオフ法により、AuZn/
Auからなるドレイン電極107及びAuGe/Au多
層膜からなるソース電極108をそれぞれ形成する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のトンネルトランジスタにおいては、バン
ド間トンネル接合を形成するためのドレイン層とチャネ
ル層との接合が、ドレイン層が加工された後にチャネル
層が再成長することにより形成されるため、接合面にお
いて、ドレイン層の加工時における残留不純物が存在し
てしまい、素子特性が劣化してしまう虞れがある。
【0018】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって、バンド間ト
ンネル接合が形成される接合面における残留不純物の量
を低減し、素子特性の優れたトンネルトランジスタを提
供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、断差を有する基板上に、第1の導電性を具
備する半導体からなる第1の半導体層と、絶縁性を具備
する第1の絶縁層と、前記第1の半導体層と異なる導電
性を具備する第2の半導体層と、絶縁性を具備する第2
の絶縁層とが順次積層され、前記第1の半導体層のうち
前記基板の断差により高くなる部分に形成された第1の
半導体層上に形成されたドレイン電極と、前記第2の半
導体層のうち前記基板の断差により低くなる部分に形成
された第2の半導体層上に形成されたソース電極と、前
記第2の絶縁層上に形成されたゲート電極とを有してな
るトンネルトランジスタであって、前記第1の半導体層
のうち前記基板の断差により高くなる部分に形成された
第1の半導体層と前記第2の半導体層のうち前記基板の
断差により低くなる部分に形成された第2の半導体層と
が互いの側面において接していることを特徴とする。
【0020】また、断差を有する基板上に、第2の導電
性を具備する半導体からなる第2の半導体層と、絶縁性
を具備する絶縁層と、前記第2の半導体層と異なる導電
性を具備する第1の半導体層とが順次積層され、前記第
1の半導体層のうち前記基板の断差により高くなる部分
に形成された第1の半導体層上に形成されたゲート電極
と、前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低
くなる部分に形成された第1の半導体層上に形成された
ドレイン電極と、前記第2の半導体層のうち前記基板の
断差により高くなる部分に形成された第2の半導体層上
に形成されたソース電極とを有してなるトンネルトラン
ジスタであって、前記第1の半導体層のうち前記基板の
断差により低くなる部分に形成された第1の半導体層と
前記第2の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
る部分に形成された第2の半導体層とが互いの側面にお
いて接していることを特徴とする。
【0021】また、断差を有する基板上に第1の導電性
を有する第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の
半導体層上に絶縁性を有する第1の絶縁層を形成する工
程と、前記第1の絶縁層上に前記第1の半導体層と異な
る導電性を有する第2の半導体層を形成する工程と、前
記第2の半導体層上に絶縁性を有する第2の絶縁層を形
成する工程と、前記第2の絶縁層上にゲート電極を形成
する工程と、前記第1の半導体層のうち前記基板の断差
により高くなる部分に形成された第1の半導体層上にド
レイン電極を形成する工程と、前記第2の半導体層上の
うち前記基板の断差により低くなる部分に形成された第
2の半導体層上にソース電極を形成する工程とを順次行
い、前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを接合
させることにより、該接合面においてバンド間トンネル
接合を形成させるトンネルトランジスタの製造方法であ
って、前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により
高くなる部分に形成された第1の半導体層と前記第2の
半導体層のうち前記基板の断差により低くなる部分に形
成された第2の半導体層とが互いの側面において接する
ように前記基板の断差及び前記第1の絶縁層の厚さを設
定することを特徴とする。
【0022】また、断差を有する基板上に第2の導電性
を有する第2の半導体層を形成する工程と、前記第2の
半導体層上に絶縁性を有する絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層上に前記第2の半導体層と異なる導電性を有
する第1の半導体層を形成する工程と、前記第1の半導
体層のうち前記基板の断差により高くなる部分に形成さ
れた第1の半導体層上にゲート電極を形成する工程と、
前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
る部分に形成された第1の半導体層上にドレイン電極を
形成する工程と、前記第2の半導体層のうち前記基板の
断差により高くなる部分に形成された第2の半導体層に
ソース電極を形成する工程とを順次行い、前記第1の半
導体層と前記第2の半導体層とを接合させることによ
り、該接合面においてバンド間トンネル接合を形成させ
るトンネルトランジスタの製造方法であって、前記第1
の半導体層のうち前記基板の断差により低くなる部分に
形成された第1の半導体層と前記第2の半導体層のうち
前記基板の断差により高くなる部分に形成された第2の
半導体層とが互いの側面において接するように前記基板
の断差及び前記絶縁層の厚さを設定することを特徴とす
る。
【0023】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、断差を有する基板上に、第1の半導体層、第
1の絶縁層、第2の半導体層及び第2の絶縁層がそれぞ
れ積層され、第1の半導体層と第2の半導体層とが接合
されることにより、その接合面においてバンド間トンネ
ル接合が形成されるが、その際、第1の半導体層のうち
基板の断差により高くなる部分に形成された第1の半導
体層と第2の半導体層のうち基板の断差により低くなる
部分に形成された第2の半導体層とが互いの側面におい
て接するように基板の断差及び第1の絶縁層の厚さが設
定されるので、第1の半導体層と第2の半導体層との接
合面が接合のために加工されることがなくなり、接合面
において加工による残留不純物が生じることはない。
【0024】それにより、負性抵抗特性が向上し、機能
素子としての応用範囲が広がる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0026】(第1の実施の形態)図1は、本発明のト
ンネルトランジスタの第1の実施の形態を示す断面図で
ある。
【0027】本形態は図1に示すように、断差を有し、
半絶縁性GaAsからなる基板1と、基板1上に形成さ
れた縮退した第1の導電性を有するp+−GaAsから
なる第1の半導体層であるドレイン層2と、ドレイン層
2のうち基板1の断差により高くなる部分に形成された
ドレイン層2上の一部と断差により低くなる部分に形成
されたドレイン層2上にそれぞれ形成されたi−GaA
sからなる第1の絶縁層である絶縁層3と、絶縁層3上
に形成された縮退したn+−GaAsからなる第2の半
導体層であるチャネル層4と、チャネル層4上の一部に
形成されたi−Al0.3Ga0.7Asからなる第2の絶縁
層であるゲート絶縁層5と、ゲート絶縁層5上に形成さ
れたAl膜からなるゲート電極6と、ドレイン層2上の
絶縁層3が形成されていない部分の一部に形成されたA
uZn/Au膜からなるドレイン電極7と、チャネル層
4のうち基板1の断差により低くなる部分に形成された
ドレイン層4上のゲート絶縁層5が形成されてない部分
の一部に形成されたAuGe/Au膜からなるソース電
極8とから構成されている。ここで、上述したiは、真
性または実質的に真性とみなすことができるノンドープ
半導体を意味する略号である。
【0028】また、基板1の断差及び絶縁層3の厚さに
おいては、ドレイン層2のうち基板1の断差により高く
なる部分に形成されたドレイン層2とチャネル層4のう
ち基板1の断差により低くなる部分に形成されたチャネ
ル層4とが互いの側面において接するように設定されて
いる。
【0029】上記のように構成されたトンネルトランジ
スタにおいては、ドレイン層2のうち基板1の断差によ
り高くなる部分に形成されたドレイン層2とチャネル層
4のうち基板1の断差により低くなる部分に形成された
チャネル層4とが互いの側面で接合し、その接合面にお
いてバンド間トンネル接合が形成され、n+−GaAs
からなるチャネル層4をチャネルとしてその濃度をゲー
ト電圧で制御することにより、微分負性抵抗特性を有す
るトランジスタ動作が得られる。
【0030】以下に、上述したトンネルトランジスタの
製造方法について説明する。
【0031】まず、基板1に高さ200nmの断差構造
を形成する。このとき、断差構造の側壁面に成膜が行わ
れないように、塩素ガスによるドライエッチング加工や
異なる結晶面間のエッチング速度の違いを利用した異方
性エッチングにより、側壁の形状を90度に近い角度を
有する急峻な形状、もしくは逆サヤ形状とする。なお、
本形態においては、(100)GaAs基板上にパター
ニングを行い、硫酸、過酸化水素水、水の混合液(体積
比1:1:10)を用いて異方性エッチングを行い、
(111)A面を露出させ、逆サヤ構造を形成した。一
方、前述した従来例においては、ドレイン領域に形成さ
れた断差の側壁上にチャネル層を形成する必要があるた
め、その形状が順サヤ形状となっている。
【0032】次に、MBE法により、基板1上に厚さ2
0nmのp+−GaAsからなるドレイン層2(濃度5
×1019cm-3のBeをドーパントとして含んでいる)
を、また、ドレイン層2のうち基板1の断差により高く
なる部分に形成されたドレイン層2上の一部と断差によ
り低くなる部分に形成されたドレイン層2上にそれぞれ
厚さ200nmのi−GaAsからなる絶縁層3を、ま
た、絶縁層3上に厚さ12nmのn+−GaAsからな
るチャネル層4(濃度1×1019cm-3のSiをドーパ
ントとして含んでいる)を、また、チャネル層4上の一
部に厚さ20nmのi−Al0.3Ga0.7Asからなるゲ
ート絶縁層5を順次成長させる。
【0033】このとき、各層においては、断差により高
くなる部分と低くなる部分とが断差において切断されて
おり、また、ドレイン層2のうち基板1の断差により高
くなる部分に形成されたドレイン層2とチャネル層4の
うち基板1の断差により低くなる部分に形成されたチャ
ネル層4とが互いの側面において接するように基板1の
断差及び絶縁層3の厚さが設定されている。
【0034】これにより、ドレイン層2のうち基板1の
断差により高くなる部分に形成されたドレイン層2とチ
ャネル層4のうち基板1の断差により低くなる部分に形
成されたチャネル層4とが互いの側面で接合し、その接
合面においてバンド間トンネル接合が形成されている。
【0035】次に、ゲート絶縁層5上に、厚さ50nm
のAl膜を蒸着させ、Al膜及びゲート絶縁膜5を加工
することにより、ゲート電極6を形成する。
【0036】ここで、ゲート電極6においては、基板1
の断差により低くなる部分と高くなる部分とが接続され
るように形成され、表面が同じ高さとなっている。
【0037】その後、リフトオフ法により、ドレイン層
2のうち基板1の断差により高くなる部分に形成された
ドレイン層2上の一部にAuZn/Auからなるドレイ
ン電極7を、また、チャネル層4のうち基板1の断差に
より高くなる部分に形成されたチャネル層4上の一部に
AuGe/Au多層膜からなるソース電極8をそれぞれ
形成する。
【0038】上述した一連の工程により製造されたトン
ネルトランジスタにおいては、トンネル接合を形成する
ために接合面を露出させる加工プロセスが必要なく、良
質な接合界面が得られる。それにより、従来例と比べ
て、負性抵抗特性の劣化原因となる余剰電流が1桁以上
減少した。
【0039】(第2の実施の形態)図2は、本発明のト
ンネルトランジスタの第2の実施の形態を示す断面図で
ある。
【0040】本形態は図2に示すように、断差を有し、
半絶縁性GaAsからなる基板11と、基板11上に形
成された縮退した第2の導電性を有するn+−GaAs
からなる第2の半導体層であるチャネル層14と、チャ
ネル層14のうち基板11の断差により高くなる部分に
形成されたチャネル層14上の一部と断差により低くな
る部分に形成されたチャネル層14上にそれぞれ形成さ
れたi−Al0.3Ga0 .7Asからなるゲート絶縁層15
と、ゲート絶縁層15上に形成された縮退したp+−G
aAsからなる第1の半導体層であるドレイン層12
と、ドレイン層12のうち基板11の断差により高くな
る部分に形成されたドレイン層12上に形成されたAl
膜からなるゲート電極16と、ドレイン層12のうち基
板11の断差により低くなる部分に形成されたドレイン
層12上の一部に形成されたAuZn/Au膜からなる
ドレイン電極17と、チャネル層14のうち基板11の
断差により低くなる部分に形成されたチャネル層14上
のゲート絶縁層5が形成されてない部分の一部に形成さ
れたAuGe/Au膜からなるソース電極18とから構
成されている。ここで、上述したiは、真性または実質
的に真性とみなすことができるノンドープ半導体を意味
する略号である。
【0041】また、基板11の断差及びゲート絶縁層1
5の厚さにおいては、ドレイン層12のうち基板11の
断差により低くなる部分に形成されたドレイン層12と
チャネル層14のうち基板1の断差により高くなる部分
に形成されたチャネル層14とが互いの側面において接
するように設定されている。
【0042】上記のように構成されたトンネルトランジ
スタにおいては、ドレイン層12のうち基板11の断差
により低くなる部分に形成されたドレイン層12とチャ
ネル層14のうち基板11の断差により高くなる部分に
形成されたチャネル層14とが互いの側面で接合し、そ
の接合面においてバンド間トンネル接合が形成され、n
+−GaAsからなるチャネル層14をチャネルとして
その濃度をゲート電圧で制御することにより、微分負性
抵抗特性を有するトランジスタ動作が得られる。
【0043】以下に、上述したトンネルトランジスタの
製造方法について説明する。
【0044】まず、基板11に高さ70nmで90度に
近い角度もしくは逆サヤ構造の側面を有する断差構造を
形成する。
【0045】次に、MBE法により、基板11上に厚さ
12nmのn+−GaAsからなるチャネル層14(濃
度1×1019cm-3のSiをドーパントとして含んでい
る)を、また、チャネル層14のうち基板11の断差に
より高くなる部分に形成されたチャネル層14上の一部
とチャネル層14のうち基板11の断差により低くなる
部分に形成されたチャネル層14上に厚さ50nmのi
−Al0.3Ga0.7Asからなるゲート絶縁層15を、ま
た、ゲート絶縁層15上に厚さ20nmのp+−GaA
sからなるドレイン層2(濃度5×1019cm-3のBe
をドーパントとして含んでいる)を順次成長させる。
【0046】このとき、各層においては、断差により高
くなる部分と低くなる部分とが断差において切断されて
おり、また、ドレイン層12のうち基板11の断差によ
り低くなる部分に形成されたドレイン層12とチャネル
層14のうち基板11の断差により高くなる部分に形成
されたチャネル層14とが互いの側面において接するよ
うに基板11の断差及びゲート絶縁層15の厚さが設定
されている。
【0047】これにより、ドレイン層12のうち基板1
1の断差により低くなる部分に形成されたドレイン層1
2とチャネル層14のうち基板11の断差により高くな
る部分に形成されたチャネル層14とが互いの側面で接
合し、その接合面においてバンド間トンネル接合が形成
される。
【0048】その後、リフトオフ法により、ドレイン層
12のうち基板11の断差により高くなる部分に形成さ
れたドレイン層12上にAl膜からなるゲート電極6
を、また、ドレイン層12のうち基板11の断差により
低くなる部分に形成されたドレイン層12上の一部にA
uZn/Auからなるドレイン電極17を、また、チャ
ネル層14のうち基板11の断差により高くなる部分に
形成されたチャネル層14上の一部にAuGe/Au多
層膜からなるソース電極18をそれぞれ形成する。
【0049】上述した一連の工程により製造されたトン
ネルトランジスタにおいては、トンネル接合を形成する
ために接合面を露出させる加工プロセスが必要なく、良
質な接合界面が得られる。それにより、従来例と比べ
て、負性抵抗特性の劣化原因となる余剰電流が1桁以上
減少した。
【0050】以上説明した第1及び第2の実施の形態に
おいては、ドレイン領域がp型である場合について説明
したが、n型である場合においても本発明において適用
することができる。
【0051】また、用いられる材料においては、基板、
ドレイン層及びチャネル層としてGaAsを、絶縁層及
びゲート絶縁層としてAlGaAsをそれぞれ用いた
が、本発明はこれに限られることはなく、他の材料を用
いることもできる。
【0052】例えば、ドレイン層及びチャネル層として
は、Si,Ge,GaAs,InP等の単一の半導体の
他、GaAs/AlGaAs,Ge/SiGe,Si/
SiGeC,Si/GaP,Ge/GaAs,InAs
P/GaAs,InGaAs/InAlAs,InGa
As/InP,GaSb/AlGaSb,InAs/A
lGaSb,InSb/InAs,HgCbTe/Cb
Te等のヘテロ接合を有する半導体を用いることができ
る。また、絶縁層として、AlGaAsの他、禁止帯幅
の広いその他の半導体であるSiO2,Si34,酸窒
化シリコン,Al23,TiO3,PbZrTiO3,C
aF等を用いることができる。
【0053】また、上述した実施の形態においては、ソ
ース電極がチャネル層から直接引き出されているが、チ
ャネル層と同一の導電性を有する縮退した半導体領域を
介して引き出されてもよい。また、第2の実施の形態に
おいては、ゲート電極がドレイン層上に形成されている
が、ゲート絶縁層上に形成されていてもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0055】請求項1及び請求項3に記載のものにおい
ては、断差を有する基板上に、第1の半導体層、第1の
絶縁層、第2の半導体層及び第2の絶縁層がそれぞれ積
層され、第1の半導体層と第2の半導体層とが接合され
ることにより、その接合面においてバンド間トンネル接
合が形成されるが、その際、第1の半導体層のうち基板
の断差により高くなる部分に形成された第1の半導体層
と第2の半導体層のうち基板の断差により低くなる部分
に形成された第2の半導体層とが互いの側面において接
するように基板の断差及び第1の絶縁層の厚さが設定さ
れるため、第1の半導体層と第2の半導体層との接合面
が接合のために加工されることがなくなり、バンド間ト
ンネル接合が形成される接合面における残留不純物の量
を低減させることができる。
【0056】それにより、負性抵抗特性が向上して機能
素子としての応用範囲が広がり、素子特性の優れたトン
ネルトランジスタを提供することができる。
【0057】請求項2及び請求項4に記載のものにおい
ては、断差を有する基板上に、第2の半導体層、絶縁層
及び第1の半導体層がそれぞれ積層され、第1の半導体
層と第2の半導体層とが接合されることにより、その接
合面においてバンド間トンネル接合が形成されるが、そ
の際、第1の半導体層のうち基板の断差により低くなる
部分に形成された第1の半導体層と第2の半導体層のう
ち基板の断差により高くなる部分に形成された第2の半
導体層とが互いの側面において接するように基板の断差
及び絶縁層の厚さが設定されるため、上記同様の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトンネルトランジスタの第1の実施の
形態を示す断面図である。
【図2】本発明のトンネルトランジスタの第2の実施の
形態を示す断面図である。
【図3】従来のトンネルトランジスタの一例を示す構造
模式図である。
【符号の説明】
1,11 基板 2,12 ドレイン層 3 絶縁層 4,14 チャネル層 5,15 ゲート絶縁層 6,16 ゲート電極 7,17 ドレイン電極 8,18 ソース電極

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断差を有する基板上に、第1の導電性を
    具備する半導体からなる第1の半導体層と、絶縁性を具
    備する第1の絶縁層と、前記第1の半導体層と異なる導
    電性を具備する第2の半導体層と、絶縁性を具備する第
    2の絶縁層とが順次積層され、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層上に形成されたドレ
    イン電極と、 前記第2の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
    る部分に形成された第2の半導体層上に形成されたソー
    ス電極と、 前記第2の絶縁層上に形成されたゲート電極とを有して
    なるトンネルトランジスタであって、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層と前記第2の半導体
    層のうち前記基板の断差により低くなる部分に形成され
    た第2の半導体層とが互いの側面において接しているこ
    とを特徴とするトンネルトランジスタ。
  2. 【請求項2】 断差を有する基板上に、第2の導電性を
    具備する半導体からなる第2の半導体層と、絶縁性を具
    備する絶縁層と、前記第2の半導体層と異なる導電性を
    具備する第1の半導体層とが順次積層され、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層上に形成されたゲー
    ト電極と、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
    る部分に形成された第1の半導体層上に形成されたドレ
    イン電極と、 前記第2の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第2の半導体層上に形成されたソー
    ス電極とを有してなるトンネルトランジスタであって、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
    る部分に形成された第1の半導体層と前記第2の半導体
    層のうち前記基板の断差により高くなる部分に形成され
    た第2の半導体層とが互いの側面において接しているこ
    とを特徴とするトンネルトランジスタ。
  3. 【請求項3】 断差を有する基板上に第1の導電性を有
    する第1の半導体層を形成する工程と、 前記第1の半導体層上に絶縁性を有する第1の絶縁層を
    形成する工程と、 前記第1の絶縁層上に前記第1の半導体層と異なる導電
    性を有する第2の半導体層を形成する工程と、 前記第2の半導体層上に絶縁性を有する第2の絶縁層を
    形成する工程と、 前記第2の絶縁層上にゲート電極を形成する工程と、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層上にドレイン電極を
    形成する工程と、 前記第2の半導体層上のうち前記基板の断差により低く
    なる部分に形成された第2の半導体層上にソース電極を
    形成する工程とを順次行い、 前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを接合させ
    ることにより、該接合面においてバンド間トンネル接合
    を形成させるトンネルトランジスタの製造方法であっ
    て、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層と前記第2の半導体
    層のうち前記基板の断差により低くなる部分に形成され
    た第2の半導体層とが互いの側面において接するように
    前記基板の断差及び前記第1の絶縁層の厚さを設定する
    ことを特徴とするトンネルトランジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】 断差を有する基板上に第2の導電性を有
    する第2の半導体層を形成する工程と、 前記第2の半導体層上に絶縁性を有する絶縁層を形成す
    る工程と、 前記絶縁層上に前記第2の半導体層と異なる導電性を有
    する第1の半導体層を形成する工程と、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第1の半導体層上にゲート電極を形
    成する工程と、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
    る部分に形成された第1の半導体層上にドレイン電極を
    形成する工程と、 前記第2の半導体層のうち前記基板の断差により高くな
    る部分に形成された第2の半導体層にソース電極を形成
    する工程とを順次行い、 前記第1の半導体層と前記第2の半導体層とを接合させ
    ることにより、該接合面においてバンド間トンネル接合
    を形成させるトンネルトランジスタの製造方法であっ
    て、 前記第1の半導体層のうち前記基板の断差により低くな
    る部分に形成された第1の半導体層と前記第2の半導体
    層のうち前記基板の断差により高くなる部分に形成され
    た第2の半導体層とが互いの側面において接するように
    前記基板の断差及び前記絶縁層の厚さを設定することを
    特徴とするトンネルトランジスタの製造方法。
JP23418996A 1996-09-04 1996-09-04 トンネルトランジスタ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2817726B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23418996A JP2817726B2 (ja) 1996-09-04 1996-09-04 トンネルトランジスタ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23418996A JP2817726B2 (ja) 1996-09-04 1996-09-04 トンネルトランジスタ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1079518A JPH1079518A (ja) 1998-03-24
JP2817726B2 true JP2817726B2 (ja) 1998-10-30

Family

ID=16967081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23418996A Expired - Fee Related JP2817726B2 (ja) 1996-09-04 1996-09-04 トンネルトランジスタ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2817726B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102220445B1 (ko) 2019-07-01 2021-02-25 삼성전자주식회사 반도체 소자 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1079518A (ja) 1998-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5705827A (en) Tunnel transistor and method of manufacturing same
US5633516A (en) Lattice-mismatched crystal structures and semiconductor device using the same
JPH05110086A (ja) トンネルトランジスタ
JP3177951B2 (ja) 電界効果トランジスタおよびその製造方法
US5351128A (en) Semiconductor device having reduced contact resistance between a channel or base layer and a contact layer
JPH08306909A (ja) InGaAs電界効果型トランジスタ
JP2817726B2 (ja) トンネルトランジスタ及びその製造方法
JP2701583B2 (ja) トンネルトランジスタ及びその製造方法
JP3421306B2 (ja) 化合物半導体装置
JP3446664B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP3230503B2 (ja) トンネルトランジスタとその製造方法
JP3094500B2 (ja) 電界効果トランジスタ
JP2630252B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP2817718B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP2658934B2 (ja) トンネルトランジスタ
JPH088360B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JPH10107274A (ja) トンネルトランジスタ及びその製造方法
JP2778447B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP2541280B2 (ja) 半導体装置
JP2757758B2 (ja) トンネルトランジスタおよびその製造方法
JP2583793B2 (ja) 半導体基板
JPH07263708A (ja) トンネルトランジスタ
JPH06151469A (ja) 化合物半導体装置
JPH06177367A (ja) トンネルトランジスタ
JPS62276882A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees