JPH10107133A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JPH10107133A
JPH10107133A JP25814896A JP25814896A JPH10107133A JP H10107133 A JPH10107133 A JP H10107133A JP 25814896 A JP25814896 A JP 25814896A JP 25814896 A JP25814896 A JP 25814896A JP H10107133 A JPH10107133 A JP H10107133A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸着特性を向上させるとともに、被吸着物の離
脱応答性を高め、かつ塵埃や摩耗粉の付着の少ない静電
チャックを提供する。 【解決手段】静電作用により被吸着物を吸着保持する静
電チャックの吸着面を遷移金属をドープしてなる単結晶
アルミナにより形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被吸着物の固定や
搬送等に使用する静電チャックに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、半導体製造装置において、半導体ウエハに微細加工
を施すためのエッチング工程や薄膜を形成するための成
膜工程、あるいはフォトレジストに対する露光処理工程
や各種処理工程間への搬送等においては、上記半導体ウ
エハを高精度に保持するために静電チャックが使用され
ている。
【0003】この種の静電チャックは、絶縁基体と誘電
体層との間に静電吸着用電極を備えるとともに、誘電体
層の上面を吸着面としてなり、該吸着面に被吸着物であ
る半導体ウエハを載置して電極とウエハとの間に直流電
圧を印加することで誘電分極によるクーロン力を発生さ
せてウエハを吸着保持するようになっていた。
【0004】また、その他に、絶縁基体と誘電体層との
間に複数の静電吸着用電極を備え、これらの電極間に正
負の交流電圧を印加することで吸着面に載置したウエハ
を吸着保持するようにした双極型のものもあった。
【0005】そして、これらの静電チャックを構成する
誘電体層には、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム
等のセラミックスが用いられているが、これらのセラミ
ックスの表面には微細なボイドが多数存在するために、
ウエハの脱着を繰り返すうちに吸着面が摩耗するととも
に、上記ボイドには塵埃や摩耗粉等が溜まり易いことか
ら、吸着面に半導体ウエハを吸着させるとボイドに保持
された塵埃や摩耗粉がウエハに付着する恐れがあった。
【0006】その為、特に、ウエハへのコンタミネーシ
ョンやパーティクルを嫌う場合には、吸着面を優れた平
滑性、平坦性に仕上げることができるとともに、表面に
殆どボイドがなく、かつ耐プラズマ性、耐熱性に優れる
サファイアで誘電体層を形成したものが提案されている
(特開平6−291175号公報)。
【0007】しかしながら、サファイアは高絶縁性材料
であり誘電率がそれほど高くないために充分な吸着力を
得ることができないといった課題があった。
【0008】即ち、ウエハを吸着保持させる静電吸着力
にはクローン力とジョンソン・ラーベック力の2種類が
あり、クローン力は誘電体層を構成する材質の誘電率に
依存し、ジョンソン・ラーベック力は誘電体層を構成す
る材質の体積固有抵抗値に依存することが知られてい
る。
【0009】具体的には、誘電体層の体積固有抵抗値が
1015Ω・cmより大きい時の吸着力はクーロン力で支
配され、誘電体層の体積固有抵抗値が低下するにしたが
ってジョンソン・ラーベック力が発現するとともに、誘
電体層の体積固有抵抗値が1012Ω・cm以下となると
吸着力はジョンソン・ラーベック力により支配され、ク
ーロン力に比べて大きな吸着力を得ることができるので
あるが、サファイアは室温から300℃の範囲において
体積固有抵抗値が1015Ω・cm以上であることからク
ーロン力による吸着力しか得られず、誘電率がそれほど
高くないことから充分な吸着力を得ることができなかっ
た。
【0010】その為、歪みをもったウエハを吸着した時
には、ウエハの全面を吸着面と接触させることができな
いためにウエハの平坦性及び均熱性等が損なわれ、例え
ば、成膜処理工程ではウエハ上に均一な厚みをもった薄
膜を形成することができないなど、各工程においてウエ
ハに精度の良い処理を施すことができないといった恐れ
があった。
【0011】また、成膜工程やエッチング工程における
300〜400℃の温度条件下では、サファイアの体積
固有抵抗値が1013〜1015Ω・cmにまで低下するた
め、ウエハと静電吸着用電極との間に発生するクーロン
力以外にウエハと吸着面との間に流れる微小な漏れ電流
によるジョンソン・ラーベック力を発現させて吸着力を
高めることができるものの、逆に、ウエハの離脱応答性
が悪くなるといった課題もあった。
【0012】即ち、ジョンソン・ラーベック力は時間に
依存し、その応答性は誘電体層を構成する材質の抵抗値
が低下するにつれて速くなるのであるが、300〜40
0℃の温度雰囲気において誘電体層を構成する材質の体
積固有抵抗値が1012〜1015Ω・cmの範囲にある
と、静電吸着用電極への通電をOFFにしてもウエハと
吸着面との間に帯電する電荷を除去するのに時間がかか
り、ウエハをすぐに取り外すことができなかった。
【0013】しかも、帯電したウエハや静電チャックの
吸着面には塵埃や摩耗粉が付着し易いためにウエハに悪
影響を与える恐れもあった。
【0014】
【本発明の目的】本発明は、耐プラズマ性や耐熱性等の
サファイアの持つ優れた特性を維持したまま、各種処理
温度(25〜400℃)における体積固有抵抗値を10
12Ω・cm以下とすることで、ジョンソン・ラーベック
力を主体とする吸着力を発現させ、ウエハの吸着特性を
向上させるとともに、ウエハの帯電を速やかに除去して
離脱応答性を高め、かつ塵埃や摩耗粉等の付着の少ない
静電チャックを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は上記課題
に鑑み、誘電体層の下面に電極を備えるとともに、上面
を吸着面としてなる静電チャックにおいて、上記誘電体
層を遷移金属をドープしてなる単結晶アルミナにより形
成したことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は半導体製造工程で使用する本発明に係
る静電チャック1を示す図で、(a)は斜視図、(b)
はそのX−X線断面図であり、誘電体層3の上面を吸着
面3aとするとともに、下面3bに静電吸着用電極5を
備えてなり、上記誘電体層3を遷移金属をドープした単
結晶アルミナにより形成してある。また、誘電体層3の
下面3bには接合剤6を介して単結晶アルミナまたは各
種セラミックスからなるベース基体4を固定して板状体
2を構成し、該板状体2の内部に静電吸着用電極5を内
蔵するようにしてある。なお、板状体2は半導体ウエハ
10の外径とほぼ同径の円板状としてあるが、若干大き
かったりあるいは小さくても構わない。なお、ここで言
う接合剤6とは有機、無機接着剤だけでなく、ガラス、
ロウ材、メタライズなどを含むものであり、用途に応じ
た接合方法を用いれば良い。
【0017】また、ベース基体4には静電吸着用電極5
に通電するための電極取出孔4cを形成してあり、該電
極取出孔4cに接合した給電端子7を通して電極5と吸
着面3aに載置する半導体ウエハ10との間に直流電圧
を印加することでウエハ10と吸着面3aとの間に微小
な漏れ電流によるジョンソン・ラーベック力を主体とす
る吸着力を発現させ、ウエハ10を高精度に吸着保持す
ることができる。
【0018】即ち、発明者らは単結晶アルミナの抵抗値
を下げるために鋭意研究を重ねたところ、バナジウム
(V)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、鉄(F
e)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)の遷移金属
をドープすることで単結晶アルミナの体積固有抵抗値を
下げることができることを見出し、このような遷移金属
をドープした単結晶アルミナにより誘電体層3を形成し
たものである。
【0019】その為、成膜、エッチング、露光等の各種
処理温度(25〜400℃)において単結晶アルミナの
体積固有抵抗値を1012Ω・cm以下とすることがで
き、前述したようにクーロン力に比べて大きな吸着力が
得られるジョンソン・ラーベック力を発現させてウエハ
を保持することができるため、従来の単結晶アルミナの
ようにクーロン力のみによる吸着に比べ吸着力を大幅に
高めることができる。
【0020】その結果、若干の歪みを持ったウエハ10
でも吸着面3aの平坦精度にならわせてウエハ10のほ
ぼ全面を吸着面3aに接触させ、高精度に保持すること
ができるため、成膜工程ではウエハ10に均一な厚みを
持った薄膜を形成することができ、エッチング工程や露
光工程では精度良く加工や露光処理を施すことができ
る。
【0021】また、誘電体層3の体積固有抵抗値を10
12Ω・cm以下とすれば、電荷を帯びたウエハ10を吸
着したとしても誘電体層3をなす単結晶アルミナの抵抗
値が低いことから、電極5への通電をOFFにすると、
吸着面3aの電荷が単結晶アルミナ中を移動し、直ちに
除去することができるため静電吸着力の残留がなく、ウ
エハ10の離脱応答性をクーロン力による離脱応答性と
同様レベル程度まで高めることができるとともに、塵埃
や摩耗粉等のウエハ10および静電チャック1への付着
を防止することもできる。
【0022】ところで、単結晶アルミナの体積固有抵抗
値を1012Ω・cm以下とするためにはドープする遷移
金属の含有量を酸化物換算で0.3〜2.5重量%とす
ることが重要である。
【0023】即ち、図2にバナジウムの含有量(酸化物
換算:V2 3 )と単結晶アルミナの体積固有抵抗値と
の関係の一例を示すように、バナジウム等の遷移金属の
含有量が酸化物換算で0.3重量%未満であると、成
膜、エッチング、露光等の各種処理温度(25〜400
℃)にて単結晶アルミナの体積固有抵抗値を1012Ω・
cm以下とすることができないためにジョンソン・ラー
ベック力を主体とする吸着力を発現させることができ
ず、吸着力を高めることができないからであり、逆に、
バナジウム等の遷移金属の含有量が酸化物換算で2.5
重量%より多くなると、単結晶体が得られなくなり、耐
プラズマ性や耐熱性等も大幅に低下するからである。
【0024】また、遷移金属を酸化物換算で0.3〜
2.5重量%の範囲でドープした単結晶アルミナは、体
積固有抵抗値以外に大きな特性劣化が少なく、熱伝導率
では41W/mk程度と、多結晶体であるアルミナセラ
ミックスの2倍近くの熱伝導率を有することから、放熱
性に優れウエハ10の均熱性を高めることができる。
【0025】しかも、抗折強度が700MPaと高強度
を有することから、吸着力を高めるのに重要な誘電体層
3の厚みtを0.1〜0.4mmとすることができると
ともに、ビッカース硬度が22.5GPaとセラミック
スと比べても高く、また、単結晶体からなるために吸着
面3aを含む表面には微細なボイドがないことから、ウ
エハ10の脱着を繰り返したとしても吸着面3aの摩耗
が少なく、かつ吸着面3aに塵埃や摩耗粉等が溜まるこ
とが少ないため、ウエハ10へのパーティクルの付着を
大幅に抑えることもできる。なお、吸着面3aの面粗さ
は最大粗さ(Rmax)で0.8μm以下の滑らかな面
としておけば良い。
【0026】このような単結晶アルミナからなる誘電体
層3を形成するには、EFG(Edge−define
d Film−fed Growth Method)
法により形成することができる。
【0027】具体的には、ほぼ粉径の等しい純度99.
99%程度のアルミナ(Al2 3)原料と、純度9
9.99%程度である酸化バナジウム(V2 3 )、酸
化クロム(Cr2 3 )、酸化鉄(Fe2 3 )、酸化
チタン(TiO2 )、酸化ニッケル(NiO)、酸化コ
バルト(CoO)等からなる遷移金属酸化物原料とを重
量比で98:2〜90:10の割合で混合粉砕する。な
お、粉砕は乾式、湿式のいずれにおいで行ったものであ
っても構わない。
【0028】次に、混合原料をルツボに入れて不活性雰
囲気中で溶融し、この融液と接するように内部にスリッ
トを備えたリボン状サファイア単結晶育成モリブデンダ
イを位置させ、融液を毛細管作用によりダイ上端部まで
上昇させるとともに、サファイアシードをダイ上端部の
融液と接触させ、次いでシードを上方に引き上げること
で酸化物換算で0.3〜2.5重量%の遷移金属をドー
プしてなる単結晶アルミナシートを形成する。しかるの
ち、単結晶アルミナシートを所定の形状、大きさに研削
加工を施すことで誘電体層3を得ることができる。
【0029】なお、単結晶アルミナは六方晶形の結晶構
造を有し、A面、C面、R面の3つの面方位を持ち、ウ
エハ10と接触する吸着面3aをいずれの面方位で形成
したものであっても良いが、A面で形成すれば結晶を成
育させ易いため製作が容易である。また、本発明の単結
晶アルミナの製造はEFG法だけに限定されるものでは
なく、他にチョクラルスキー(CZ)法やベルヌーイ法
により形成することもできる。
【0030】一方、静電チャック1の静電吸着用電極5
の材料としては、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白
金(Pt)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、タン
グステン(W)、モリブデン(Mo)、Cr(クロム)
などの金属やこれらの合金を使用することができるが、
これらに限定するものではなく導電体であれば構わな
い。また、ベース基体4の材質としては単結晶アルミナ
やアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化アルミニウム等
のセラミックス、さらには表層部をアルマイト(酸化ア
ルミニウム被膜)処理した高純度アルミニウムを用いる
ことができ、これらは使用目的に応じて適宜設定すれば
良い。また、上記ベース基体4にヒータ電極を埋設して
も良く、このような場合、ベース基体4を窒化アルミニ
ウムにより形成すれば、熱伝導率が80W/mk以上と
セラミックスの中でも優れた放熱性を有することから、
ウエハ10の均熱性を高めるには好適である。
【0031】なお、図1では単極型の静電チャック1の
例を示したが、静電吸着用電極を複数個形成し、これら
の電極間に正負の交流電圧を印加することでウエハと吸
着面との間に静電作用を発生させて吸着保持する双極型
の静電チャックとすることもできる。
【0032】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0033】図3に示す静電チャック1は、遷移金属を
ドープした単結晶アルミナからなる誘電体層3と単結晶
アルミナや多結晶セラミックスからなるベース基体4と
をMo−Mn法によるメタライズやTi合金からなる活
性金属を用いて一体的に接合したものであり、上記メタ
ライズ層や活性金属層を静吸着用電極5としたものであ
る。
【0034】また、図4に示す静電チャック1は、単結
晶アルミナや多結晶セラミックスからなるベース基体4
に所定の電極形状をした溝4dを形成しておき、この溝
4d中にタングステン(W)やモリブデン−マンガン
(Mo−Mn)等のペーストを充填して焼き付けること
により静電吸着用電極5を形成し、この上面に遷移金属
をドープした単結晶アルミナからなる誘電体層3を被せ
て高温融着により一体的に接合したものである。
【0035】このように誘電体層3とベース基体4とを
メタライズや融着により形成すれば、樹脂、ガラス、金
属等の腐食を受け易い接合剤6が不要であるため、エッ
チング工程や成膜工程において腐食性ガスやプラズマに
曝されたとしても好適に使用可能な静電チャック1とす
ることができる。
【0036】なお、本発明の実施形態では、半導体製造
工程で使用する静電チャック1について示したが、これ
以外の様々な分野においても使用できることは言うまで
もない。
【0037】
【実施例】ここで、遷移金属の含有量をそれぞれ変化さ
せた単結晶アルミナからなる誘電体層3を備える静電チ
ャック1を試作して吸着特性について実験を行った。
【0038】測定条件は印加電圧500〜1500Vで
真空度は10-3Torr、温度は25℃とした。そし
て、各静電チャック1により吸着保持した1インチ角の
ウエハ10を垂直に引き上げ、離脱した時の力をロード
セルにて測定し、この値をウエハ面積で除した値を吸着
力として測定した。
【0039】また、静電チャック1の構造は図1に示す
構造とし、誘電体層としてバナジウム(V)を酸化物換
算で0重量%、0.3重量%、1.6重量%、2.5重
量%含有した単結晶アルミナで形成するとともに、誘電
体層3の厚みtを0.2mmとし、静電吸着用電極5を
チタン(Ti)により形成した。
【0040】この結果、図5に各々の静電チャック1の
吸着特性を示すように、誘電体層3を酸化バナジウム
(V2 3 )の含有量が0重量%である従来の単結晶ア
ルミナで形成したものでは、1000Vの印加電圧に対
する吸着力が50g/cm2 未満であり、1500Vの
印加電圧でも70g/cm2 程度と単極型の静電チャッ
ク1に要求されている100g/cm2 以上の吸着力を
得ることができなかった。
【0041】また、誘電体層3を酸化バナジウム(V2
3 )の含有量が0.3重量%である単結晶アルミナで
形成したものも、図2のように室温における体積固有抵
抗値が1015Ω・cmより大きいために、ジョンソン・
ラーベック力を発現させることができず、1500Vの
印加電圧に対する吸着力を100g/cm2 以上とする
ことができなかった。
【0042】一方、誘電体層3を酸化バナジウム(V2
3 )の含有量が1.6重量%、2.5重量%である単
結晶アルミナで形成したものは、図2のように室温にお
ける体積固有抵抗値が1012Ω・cm以下であるため、
ジョンソン・ラーベック力を主体とする吸着力が得ら
れ、1000Vの印加電圧に対する吸着力では100g
/cm2 以上、1500Vの印加電圧では200g/c
2 以上の吸着力が得られた。
【0043】なお、室温において誘電体層を酸化バナジ
ウム(V2 3 )の含有量が0.3重量%である単結晶
アルミナで形成したものではそれほど高い吸着力が得ら
れなかったものの、図2のように400℃の温度では体
積固有抵抗値をほぼ1012Ω・cmとすることができ、
1500Vの印加電圧において約100g/cm2 の吸
着力が得られた。
【0044】このように、誘電体層3を構成する単結晶
アルミナへのバナジウム(V)の含有量は使用温度に応
じて適宜制御すれば良く、誘電体層3をバナジウム
(V)をドープした単結晶アルミナで形成することで、
ジョンソン・ラーベック力を主体とする吸着力が得られ
るため、吸着特性を大幅に向上させることができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、誘電体
層の下面に電極を備えるとともに、上面を吸着面として
なる静電チャックにおいて、上記誘電体層をバナジウム
等の遷移金属をドープしてなる単結晶アルミナで形成し
たことにより、ジョンソン・ラーベック力を主体とする
吸着力が得られるため、被吸着物の吸着力を大幅に向上
させることができるとともに、被吸着物の離脱応答性に
優れ、かつ塵埃や摩耗粉等の付着を防止することができ
る。しかも、体積固有抵抗値以外のサファイアの持つ優
れた特性を維持していることから、耐プラズマ性に優れ
るとともに、高温においても使用可能である。その上、
吸着面にはボイドがないため、被吸着物へのパーティク
ルやコンタミネーションの発生を大幅に抑えることもで
きる。
【0046】その為、本発明の静電チャックを用いて成
膜処理を施せば、被吸着物に膜厚の均一な薄膜を形成す
ることができ、エッチング処理や露光処理に用いれば、
被吸着物に高精度の加工や露光処理を施すことができる
とともに、搬送の際には、被吸着物に悪影響を与えるこ
とが少ないなど、様々な工程で使用可能な優れた静電チ
ャックを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電チャックを示す図であり、
(a)は斜視図、(b)はX−X線断面図である。
【図2】バナジウムの含有量(酸化物換算)と体積固有
抵抗値との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る静電チャックの他の例を示す断面
図である。
【図4】本発明に係る静電チャックの他の例を示す断面
図である。
【図5】バナジウムの含有量(酸化物換算)を変化させ
た単結晶アルミナにより誘電体層を形成した静電チャッ
クの吸着特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・静電チャック、 2・・・板状体、 3・・・
誘電体層、3a・・・吸着面、 4・・・ベース基体、
5・・・静電吸着用電極、6・・・接合剤、 7・・・
給電端子、 10・・・ウエハ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体層の下面に電極を備えるとともに、
    上面を吸着面としてなる静電チャックにおいて、上記誘
    電体層を遷移金属をドープしてなる単結晶アルミナによ
    り形成したことを特徴とする静電チャック。
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