JPH10106854A - 静止誘導電器 - Google Patents

静止誘導電器

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Publication number
JPH10106854A
JPH10106854A JP8261808A JP26180896A JPH10106854A JP H10106854 A JPH10106854 A JP H10106854A JP 8261808 A JP8261808 A JP 8261808A JP 26180896 A JP26180896 A JP 26180896A JP H10106854 A JPH10106854 A JP H10106854A
Authority
JP
Japan
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tank
noise
resonance type
iron core
stationary induction
Prior art date
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Pending
Application number
JP8261808A
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English (en)
Inventor
Juichi Nagata
寿一 永田
Tadahira Hirai
匡平 平井
Hiroshi Muramatsu
浩史 村松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機器のコンパクト化に寄与しつつ低騒音化を
図る優れた静止誘導電器を提供する。 【解決手段】 タンク1の内壁には、その一部に開口部
9を形成し、且つ内部に空洞部11を有する共鳴型消音
装置6が配置されている。この共鳴型消音装置6は、タ
ンク1内に発生する騒音の持つ周波数と共鳴する共鳴周
波数に設定して構成されている。そのため、共鳴型消音
装置6はタンク1内に発生した騒音の周波数と共鳴し、
タンク1内の騒音を低減することができ、これによりタ
ンク1の外部へ放射される騒音を低減することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、変圧器やリアクト
ルなどの静止誘導電器に係わり、特に、静止誘導電器か
ら発生する騒音を低減した低騒音タイプの静止誘導電器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、変圧器やリアクトルなどの静止誘
導電器に関しては、環境改善の観点や変電所の設置場所
が居住地域に隣接してきた点などから、騒音に対する仕
様の要求が厳しくなってきている。そこで従来より、静
止誘導電器から発生する騒音を低減した低騒音タイプの
静止誘導電器が研究開発されており、その代表的な例と
して、周囲に防音壁を設けた静止誘導電器が提案されて
いる。
【0003】ここで、図12を参照して、防音壁を採用
した静止誘導電器の従来例を具体的に説明する。図に示
すように、静止誘導電器には密閉されたタンク1が設け
られている。タンク1は鉄などの磁性体から構成されて
おり、内部にはSF6 ガスや絶縁油といった冷却用の絶
縁媒質が封入されている。
【0004】タンク1内の中央部には鉄心2および巻線
3が収納されている。巻線3は鉄心2の周囲に巻回され
ており、この巻線3を上方および下方から挟持するよう
にして鉄心クランプ4が鉄心2の上部および下部に配置
されている。また、タンク1内壁の側面部に近接して、
漏れ磁束を防止するための磁気シールド5が配置されて
いる。磁気シールド5は磁性体であるタンク1へ磁束が
回り込んで加熱することを防止するためのものである。
【0005】以上のような静止誘導電器では次の2つの
要因により騒音が発生している。第一の発生要因は鉄心
2の振動である。鉄心2は電圧がかかった際に励磁され
て磁気歪みが生じるため、この磁気歪みにより鉄心2が
振動する。第二の発生要因は巻線3の振動である。巻線
3は通電した時に巻線3間に電磁機械力が発生するが、
この電磁機械力により巻線3が振動する。
【0006】このような鉄心2および巻線3の振動によ
って、タンク1の内部には特定の周波数を持つ騒音が発
生する。タンク1内に発生した騒音は、タンク1の内壁
面にて反射を繰り返し、特定のパターンを持つ定在波が
発生する。そして、定在波のパターン中の騒音値が次第
に増幅されていき、タンク1を透過して外部に放射さ
れ、タンク1の周囲に拡散されていく。
【0007】図12に示す静止誘導電器では、このよう
な騒音に対する防音対策として、遮音壁10がタンク1
の周囲に設置されている。この遮音壁10は、鉄板やコ
ンクリートからなり、タンク1を透過して外部に放射さ
れる騒音を遮断して、タンク1の周囲に拡散することを
防ぐことができる。このような静止誘導電器によれば、
低騒音化を図ることができ、騒音に対する厳しい仕様要
求に応えることが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで最近では、電
力需要の増大に伴って、静止誘導電器の鉄心2や巻線3
は大型化する傾向にある。鉄心2や巻線3が大型化すれ
ば、騒音の発生要因である鉄心2や巻線3の振動量が増
大することになる。そのため、タンク1内で発生する騒
音値は大きくなり、タンク1外部へ放射される騒音値も
増大する。したがって、鉄心2や巻線3が大型化した静
止誘導電器に対しては、さらなる低騒音化対策が必要と
なっている。例えば、図12に示した静止誘導電器にお
いて、いっそうの低騒音化を進めるためには、遮音壁1
0を大型化して遮音性能を向上させることが考えられ
る。
【0009】しかし、遮音壁10を大型化した場合、遮
音壁10の設置に要する面積が広がるので、静止誘導電
器全体の据え付け面積が拡大するといった新たな問題点
が生じてくる。変電所建設用地の入手が困難であり、し
かも周囲への環境調和が重視される現状にあっては、機
器のコンパクト化は強く望まれており、機器の据え付け
面積の拡大は深刻な問題点となっている。
【0010】本発明は、上記のような従来技術が持つ課
題を解決するために提案されたものであり、その目的
は、機器のコンパクト化に寄与しつつ低騒音化を図る優
れた静止誘導電器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の静止誘導電器は、密閉されたタンクが設
けられ、このタンク内には冷却用の絶縁媒質が封入され
ると共に鉄心が収納され、前記鉄心には巻線が巻回され
た静止誘導電器において、前記タンクの内壁には、その
一部に開口部を形成し、且つ内部に空洞部を有する共鳴
型消音装置が配置され、前記共鳴型消音装置は、前記タ
ンク内に発生する騒音の周波数と共鳴するよう設定され
たことを特徴とする。
【0012】このような請求項1の発明においては、共
鳴型消音装置がタンク内に発生した騒音の周波数と共鳴
するため、共鳴型消音装置はタンク内部の騒音のエネル
ギーを消音装置における共鳴振動のエネルギーとして吸
収し、騒音を消音することができる。したがって、タン
ク内の騒音を低減し、これによりタンクの外部へ放射さ
れる騒音を低減することができる。
【0013】請求項2の静止誘導電器は、密閉されたタ
ンクが設けられ、このタンク内には冷却用の絶縁媒質を
封入されると共に鉄心が収納され、前記鉄心には巻線が
巻回された静止誘導電器において、前記鉄心には鉄心ク
ランプが設けられ、前記鉄心クランプには、その一部に
開口部を形成し、且つ内部に空洞部を有する共鳴型消音
装置が配置され、前記共鳴型消音装置は、前記タンク内
に発生する騒音の周波数と共鳴するよう設定されたこと
を特徴とする。
【0014】このような請求項2の発明では、騒音の発
生源である鉄心や巻線の近くに位置する鉄心クランプに
共鳴型消音装置を配置するので、共鳴型消音装置は音源
に近い位置でタンク内に発生した騒音の周波数と共鳴し
て、騒音を消音することができる。したがって、タンク
内の騒音を効率良く低減することができる。
【0015】請求項3の静止誘導電器は、密閉されたタ
ンクが設けられ、このタンク内には冷却用の絶縁媒質を
封入されると共に鉄心が収納され、前記鉄心には巻線が
巻回された静止誘導電器において、前記タンクの外壁に
は、その一部に開口部を形成し、且つ内部に空洞部を有
する共鳴型消音装置が配置され、前記共鳴型消音装置
は、前記タンク内に発生する騒音の周波数と共鳴するよ
う設定されたことを特徴とする。
【0016】このような請求項3の発明においては、タ
ンク外に配置された共鳴型消音装置がタンクから発生し
た騒音の周波数と共鳴して、騒音を消音することができ
る。そのため、タンク外部にもれる騒音を低減すること
ができる。また、この発明では、配置スペースが十分に
あるタンクの外部に共鳴型消音装置を取付けるため、タ
ンクの内部に共鳴型消音装置を設置する空間的余裕がな
い場合や、共鳴型消音装置の配置が困難な場合でも、簡
単な作業で容易に共鳴型消音装置を取付けることができ
る。さらに、スペース的な制約が少ない分、共鳴型消音
装置の設定自由度が高く、最適な共鳴作用を発揮する共
鳴型消音装置を設けることができる。
【0017】請求項4の静止誘導電器は、請求項1、2
または3記載の静止誘導電器において、前記タンク内に
発生した騒音が前記タンクの内壁面にて繰り返し反射さ
れて特定のパターンを持つ定在波が発生するとき、この
定在波のパターンの中で騒音値の高い部分に相当する前
記タンクの位置に、前記共鳴型消音装置が配置されたこ
とを特徴とする。
【0018】このような請求項4の発明においては、騒
音値の高いタンクの位置に共鳴型消音装置を配置するこ
とによって、騒音を効率良く消音することができ、タン
ク内の騒音を大幅に低減することができる。
【0019】請求項5の静止誘導電器は、請求項1、
2、3または4記載の静止誘導電器において、前記共鳴
型消音装置が複数配置され、これらの共鳴型消音装置は
それぞれ異なる共鳴周波数に設定して構成されたことを
特徴とする。
【0020】このような請求項5の発明においては、複
数の異なる周波数を持つ騒音に対し、最適な共鳴周波数
を持つ複数の共鳴型消音装置を配置することができるた
め、タンク内の騒音を効率良く低減することができる。
【0021】請求項6の静止誘導電器は、密閉されたタ
ンクが設けられ、このタンク内には冷却用の絶縁媒質を
封入されると共に鉄心が収納され、前記鉄心には巻線が
巻回された静止誘導電器において、前記タンクの内部に
は、多数の貫通孔を有する多孔構造体が配置され、前記
タンクの内壁と前記多孔構造体との間には前記タンク内
の騒音を吸収する流体層が設けられたことを特徴とす
る。
【0022】このような請求項6の発明においては、多
孔構造体の貫通孔を音が通過する際に、貫通孔および流
体層により共鳴作用が起き、流体層がタンク内の騒音を
吸音することができる。この結果、タンク内部の騒音を
低減することができ、タンク外部へ放射される騒音を低
減することができる。また、多孔構造体および流体層が
タンク内壁による騒音の反射を防止することができる。
そのため、タンク内部での定在波の発生を抑制すること
ができ、タンク内部の騒音の増大を防止することができ
る。
【0023】請求項7の静止誘導電器は、請求項6記載
の静止誘導電器において、前記タンク内に発生した騒音
が前記タンクの内壁面にて繰り返し反射されて特定のパ
ターンを持つ定在波が発生するとき、この定在波のパタ
ーンの中で騒音値の高い部分に相当する前記タンクの位
置に、前記多孔構造体および前記流体層が配置されたこ
とを特徴とする。
【0024】このような請求項7の発明においては、騒
音が特に大きくなる場所に多孔構造体および流体層を配
置したので、より効率的にタンク内の騒音を吸音するこ
とができる。
【0025】請求項8の静止誘導電器は、請求項6また
は7記載の静止誘導電器において、前記多孔構造体が漏
れ磁束を防止するための磁気シールドから構成されたこ
とを特徴とする。
【0026】このような請求項8の発明においては、磁
気シールドが多孔構造体を兼ねているため、磁気シール
ドと流体層とによりタンク内の騒音を吸音することがで
きると同時に、新たに多孔構造体を設置する必要がない
ので、安価なコストで簡単に吸音構造を構成することが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の静止誘導電器にお
ける実施形態の一例を図面に従って具体的に説明する。
なお、図12に示した従来の静止誘導電器と同一機能を
有する部材に関しては同一符号を付し、説明は省略す
る。
【0028】(1)第1の実施形態…図1、図2参照 [構成]第1の実施形態は請求項1に対応した静止誘導
電器であり、図1は第1の実施形態の構成図、図2は図
1に示した静止誘導電器内に配置される共鳴型消音装置
6の構成図である。
【0029】第1の実施形態の静止誘導電器では、前記
タンク1内壁の上部1aのほぼ中央に、箱状の共鳴型消
音装置6が配置されている。共鳴型消音装置6には内部
に空洞部11が形成されており、下面には円孔状の開口
部9が設けられている。共鳴型消音装置6における共鳴
周波数は、鉄心2あるいは巻線3の振動によってタンク
1内に発生した騒音の持つ周波数と共鳴するように設定
されている。
【0030】[作用]一般に、共鳴型消音装置6の共鳴
周波数は、開口部9の形状が円孔である場合、次式で表
される。
【0031】
【数1】 この式から明らかなように、共鳴型消音装置6の共鳴周
波数は、空洞部11の容積や、開口部9の開口率によっ
て決定することができる。つまり、空洞部11の容積や
開口部9の開口率を決めることによって、所望の共鳴周
波数に設定した共鳴型消音装置6を簡単に得ることがで
きる。
【0032】ところで、静止誘導電器における騒音の周
波数は、電源周波数の2倍を基本周波数として、その倍
調波となることが多い。つまり、電源周波数が50Hz
の場合、騒音の周波数は100Hz、200Hz、30
0Hzなどとなり、電源周波数が60Hzであれば、騒
音の周波数は120Hz、240Hz、360Hzなど
となる。そして、これらの周波数は変化することはな
い。したがって、共鳴型消音装置6の共鳴周波数をこれ
らの値と一致させて設定することにより、確実な共鳴作
用を起こすことができる。
【0033】[効果]以上のような第1の実施形態で
は、共鳴型消音装置6に設定された共鳴周波数がタンク
1内に発生した騒音の周波数と共鳴する。すなわち、共
鳴型消音装置6はタンク1内部の騒音エネルギーを共鳴
型消音装置6における共鳴振動エネルギーとして吸収
し、騒音を消音することができる。そのため、タンク1
内の騒音を低減することができ、これによりタンク1の
外部へ放射される騒音もまた低減することが可能とな
る。しかも、第1の実施形態によれば、従来のような遮
音壁10を設置する必要がないため、静止誘導電器全体
の据え付け面積を縮小化することが可能であり、機器の
コンパクト化に寄与することができる。
【0034】[第1の実施形態の変形例]なお、上記第
1の実施形態では共鳴型消音装置6がタンク1内壁の上
部1aに設置されているが、静止誘導電器の構成上問題
のない位置であれば、タンク1の内壁における配置位置
は特に制限はなく、タンク1内壁の側面部1bや底部1
cに配置されてもよい。
【0035】(2)第2の実施形態…図3参照 [構成]第2の実施形態は請求項2に対応した静止誘導
電器であり、図3は第2の実施形態の構成図である。こ
の実施形態では、共鳴型消音装置6が鉄心クランプ4の
上部4aに配置されたことを構成上の特徴としている。
【0036】[作用効果]このような第2の実施形態で
は、上記第1の実施形態の持つ作用効果に加えて次のよ
うな作用効果がある。すなわち、共鳴型消音装置6を設
置する鉄心クランプ4は、騒音の発生源である鉄心2や
巻線3の近くに位置しているため、共鳴型消音装置6を
騒音源に近接して配置することができる。したがって、
第2の実施形態における共鳴型消音装置6は、騒音源に
近い騒音値の高い騒音と共鳴して、騒音を消音すること
ができ、タンク1内の騒音を効果的に低減することがで
きる。
【0037】[第2の実施形態の変形例]上記第2の実
施形態の変形例としては、共鳴型消音装置6の配置位置
を鉄心クランプ4の下部4bに配置した実施形態や、ク
ランプ4の上部4aおよび下部4bの双方に配置した実
施形態も提案することができる。
【0038】(3)第3の実施形態…図4参照 [構成]第3の実施形態は請求項3に対応した静止誘導
電器であり、図4は第3の実施形態の構成図である。こ
の実施形態では、共鳴型消音装置6がタンク1の外壁の
側面部に配置されている。より詳しくは、タンク1外壁
の側面部には取付口1dが形成されており、この取付口
1dに共鳴型消音装置6の開口部9が取付けられてい
る。このため、タンク1の内部と共鳴型消音装置6の空
洞部11とは開口部9を介してつながっている。
【0039】[作用効果]以上のような第3の実施形態
では、タンク1外の共鳴型消音装置6がタンク1から発
生した騒音と共鳴して、騒音を消音することができ、こ
れによりタンク1外部へ放射される騒音を低減すること
ができる。また、配置スペースが十分にあるタンク1の
外部に共鳴型消音装置を取付けるので、タンク1内に共
鳴型消音装置6を設置する空間的余裕がない場合や、あ
るいはタンク1内に設置が困難な場合などでも、共鳴型
消音装置6を簡単に取付けることができる。さらに、消
音装置6自身の大きさに対する制約も少ないので、最適
な共鳴作用を発揮する共鳴型消音装置を容易に設けるこ
とができる。
【0040】(4)第4の実施形態…図5参照 [構成]第4の実施形態は請求項4に対応した静止誘導
電器であり、図5は第4の実施形態の構成図である。既
に述べたように、タンク1内に発生した騒音がタンク1
の内壁面にて繰り返し反射されると特定のパターンを持
つ定在波が発生するが、図5の左側のグラフは、この定
在波のパターンの中で騒音値の分布を示している。つま
り、タンク1内の上部および下部において高い騒音値が
認められる。そこで第4の実施形態では、この定在波の
パターンの中で騒音値の高い部分、いわゆる音響モード
の腹に相当するタンク1の内壁面の位置(具体的にはタ
ンク1内壁の側面部における上部および下部)に、前記
共鳴型消音装置6が配置されている。
【0041】[作用効果]以上のような第4の実施形態
では、音響モードの腹のような騒音が大きな場所に共鳴
型消音装置6を配置するため、共鳴型消音装置6は騒音
値の高い騒音と共鳴することができる。したがって、騒
音を効率良く消音することができ、タンク1内の騒音を
より効果的に低減することができる。
【0042】[第4の実施形態の変形例]なお、第4の
実施形態の静止誘導電器では音響モードの腹の位置を2
箇所としているが、対象とする周波数やタンク1の大き
さなどによって音響モードの腹の位置や数は異なるもの
であり、これに対応させて共鳴型消音装置6を配置すれ
ばよい。また、上記第4の実施形態では、2つの音響モ
ードの腹の位置の両方に共鳴型消音装置6を配置する構
成となっているが、片方だけに配置する構成であっても
よい。
【0043】(5)第5の実施形態…図6参照 [構成]第5の実施形態は請求項5に対応した静止誘導
電器であり、図6は第5の実施形態の構成図である。こ
の実施形態では、それぞれ異なる共鳴周波数に設定して
構成された2つの共鳴型消音装置6a、6bが、タンク
1内壁面の側面部における上部および下部に配置されて
いる。例えば、問題となる騒音の周波数が100Hzと
200Hzであり、騒音レベルが同程度であるような場
合、一方の消音装置6aを100Hzに設定して構成
し、他方の消音装置6bを200Hzに設定して構成す
る。
【0044】[作用効果]以上のような第5の実施形態
では、複数の異なる周波数を持つ騒音に対し、最適な共
鳴周波数を持つ共鳴型消音装置6a、6bを配置するこ
とができるため、優れた消音効果を発揮することができ
る。
【0045】[第5の実施形態の変形例]また、第5の
実施形態において、複数の消音装置6a、6bを静止誘
導電器の音響モードの腹の位置に配置することにより、
さらに大きな騒音低減効果を実現することができる。
【0046】(6)第6の実施形態…図7、図8および
図9参照 [構成]第6の実施形態は請求項6に対応した静止誘導
電器であり、図7は第6の実施形態の構成図、図8は第
6の実施形態における要部の拡大斜視図、図9は第6の
実施形態における吸音原理を説明する構成図である。
【0047】図7および図8に示すように、第6の実施
形態ではタンク1内壁の全面には内壁に近接して多孔構
造体7が配置されている。多孔構造体7には小径の貫通
孔19が規則的に多数形成されている。この多孔構造体
7とタンク1の内壁との間にはタンク1内の騒音を吸収
するための流体層としてガス層8が設けられている。
【0048】[作用効果]以上のような第6の実施形態
では、このガス層8と多孔構造体7とが組合わされるこ
とにより吸音構造が構成されることになる。一般に、吸
音構造における吸音の原理は、図9に示すように共鳴型
消音装置6における消音の原理と同様であり、多孔構造
体7の貫通孔19が消音装置6の開口部9、ガス層8が
消音装置6の空洞部11に相当すると考えることができ
る。このような吸音構造においては、貫通孔19を音が
通過する際に、これらの貫通孔19とガス層8により共
鳴作用が起き、ガス層8がタンク1内の騒音を吸音する
ことができる。その結果、タンク1内部の騒音を低減す
ることができ、ひいてはタンク1外部へ放射される騒音
を低減することができる。
【0049】なお、吸音構造における共鳴周波数はガス
層8の厚さが小さい場合、次式で表される。
【0050】
【数2】 また、タンク1内壁に近接する多孔構造体7およびガス
層8は、タンク1内壁面における騒音の反射を防止する
ことができる。そのため、タンク1内部での定在波の発
生を抑えることができ、タンク1内部の騒音の増大を防
ぐことができる。
【0051】[第6の実施形態の変形例]上記第6の実
施形態では、多孔構造体7およびガス層8をタンク1内
壁面すべてにわたって設けているが、タンク1内壁面の
一部にのみ設置するなど、位置や面積などについては適
宜選択可能である。
【0052】(7)第7の実施形態…図10参照 [構成]第7の実施形態は請求項7に対応した静止誘導
電器であり、図10は第7の実施形態の構成図である。
この実施形態では、図10の左側のグラフに示すよう
に、タンク1内の上部および下部において定在波のパタ
ーンの中で騒音値の高い部分、いわゆる音響モードの腹
がある。そこで、多孔構造体7およびガス層8が、この
音響モードの腹付近の位置(具体的にはタンク1内壁の
側面部における上部および下部)に配置されている。
【0053】[作用効果]このような第7の実施形態で
は、上記第6の実施形態と比較して、騒音が特に大きく
なる場所に吸音構造を配置しているため、より効率的に
タンク1内の騒音を低減することができる。
【0054】[第7の実施形態の変形例]なお前述した
ように、静止誘導電器の音響モードの腹の位置や数につ
いては、対象とする周波数やタンク1の大きさなどによ
って異なるので、これに対応させて多孔構造体7および
ガス層8を設置さればよい。
【0055】(8)第8の実施形態…図11参照 [構成]第8の実施形態は請求項8に対応した静止誘導
電器であり、図11は第8の実施形態の構成図である。
この実施形態の静止誘導電器は、タンク1内壁の側面部
に近接して、多数の貫通孔19が開けられた磁気シール
ド5aが配置されている。すなわち、上記多孔構造体7
が磁気シールド5aから構成されたことになる。また、
タンク1の内壁と磁気シールド5aとの間にはガス層8
が設けられている。
【0056】[作用効果]このような第8の実施形態で
は、磁気シールド5aとガス層8とにより吸音効果を発
揮できると同時に、新たに多孔構造体を設置する必要が
ないため、安価なコストで簡単に吸音構造を構成するこ
とができる。
【0057】[第8の実施形態の変形例]なお、上記第
8の実施形態では、磁気シールド5aのみを配置してい
るが、これに加えて多孔構造体7を設置することも可能
であり、これにより、いっそう大きな騒音低減効果を得
ることができる。
【0058】(9)他の実施形態 なお、本発明はこれまでに説明した実施形態に限定され
ることはなく、共鳴型消音装置の外形、寸法および設置
数、あるいは消音装置の開口部の大きさなどは適宜変更
可能であり、例えば共鳴型消音装置の外形は円筒型や直
方体型でもよい。また、公知のように共鳴型消音装置の
空洞部内にグラスウールなどの吸音材を詰めて使用し
て、騒音の低減効果を向上させることもできる。さら
に、吸音構造となる流体層は油層であってもよい。ま
た、本発明の実施の形態の説明においては、絶縁冷却用
の媒質をガスとして説明しているが、これを絶縁油など
の他の絶縁冷却用媒質としても同様である。さらに、多
孔構造体および流体層による吸音構造と共鳴型消音装置
とを同時に配置するなど、数例の実施形態を組み合わせ
て実施することも可能である。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静止誘導
電器によれば、タンクに共鳴型消音装置あるいは多孔構
造体および流体層による吸音構造を設けるといった簡単
な構成によって、共鳴作用による消音効果及び吸音効果
を発揮してタンク内の騒音を低減し、これによりタンク
外部へ放射される騒音を低減することができるので、機
器のコンパクト化を維持しつつ、静止誘導電器の低騒音
化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成図
【図2】第1の実施形態における共鳴型消音装置の構成
【図3】本発明の第2の実施形態の構成図
【図4】本発明の第3の実施形態の構成図
【図5】本発明の第4の実施形態の構成図
【図6】本発明の第5の実施形態の構成図
【図7】本発明の第6の実施形態の構成図
【図8】第6の実施形態における要部の拡大斜視図
【図9】第6の実施形態における吸音原理を説明する構
成図
【図10】本発明の第7の実施形態の構成図
【図11】本発明の第8の実施形態の構成図
【図12】従来の静止誘導電器の構成図
【符号の説明】
1…タンク 1a…タンク上部 1b…タンク側面部 1c…タンク底部 1d…取付口 2…鉄心 3…巻線 4…鉄心クランプ 4a…クランプ上部 4b…クランプ下部 5,5a…磁気シールド 6,6a,6b…共鳴型消音装置 7…多孔構造体 8…ガス層 9…開口部 10…遮音壁 11…空洞部 19…貫通孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉されたタンクが設けられ、このタン
    ク内には冷却用の絶縁媒質が封入されると共に鉄心が収
    納され、前記鉄心には巻線が巻回された静止誘導電器に
    おいて、 前記タンクの内壁には、その一部に開口部を形成し、且
    つ内部に空洞部を有する共鳴型消音装置が配置され、 前記共鳴型消音装置は、前記タンク内に発生する騒音の
    周波数と共鳴するよう設定されたことを特徴とする静止
    誘導電器。
  2. 【請求項2】 密閉されたタンクが設けられ、このタン
    ク内には冷却用の絶縁媒質を封入されると共に鉄心が収
    納され、前記鉄心には巻線が巻回された静止誘導電器に
    おいて、 前記鉄心には鉄心クランプが設けられ、 前記鉄心クランプには、その一部に開口部を形成し、且
    つ内部に空洞部を有する共鳴型消音装置が配置され、 前記共鳴型消音装置は、前記タンク内に発生する騒音の
    周波数と共鳴するよう設定されたことを特徴とする静止
    誘導電器。
  3. 【請求項3】 密閉されたタンクが設けられ、このタン
    ク内には冷却用の絶縁媒質を封入されると共に鉄心が収
    納され、前記鉄心には巻線が巻回された静止誘導電器に
    おいて、 前記タンクの外壁には、その一部に開口部を形成し、且
    つ内部に空洞部を有する共鳴型消音装置が配置され、 前記共鳴型消音装置は、前記タンク内に発生する騒音の
    周波数と共鳴するよう設定されたことを特徴とする静止
    誘導電器。
  4. 【請求項4】 前記タンク内に発生した騒音が前記タン
    クの内壁面にて繰り返し反射されて特定のパターンを持
    つ定在波が発生するとき、この定在波のパターンの中で
    騒音値の高い部分に相当する前記タンクの位置に、前記
    共鳴型消音装置が配置されたことを特徴とする請求項
    1、2または3記載の静止誘導電器。
  5. 【請求項5】 前記共鳴型消音装置が複数配置され、 これらの共鳴型消音装置はそれぞれ異なる共鳴周波数に
    設定して構成されたことを特徴とする請求項1、2、3
    または4記載の静止誘導電器。
  6. 【請求項6】 密閉されたタンクが設けられ、このタン
    ク内には冷却用の絶縁媒質を封入されると共に鉄心が収
    納され、前記鉄心には巻線が巻回された静止誘導電器に
    おいて、 前記タンクの内部には、多数の貫通孔を有する多孔構造
    体が配置され、 前記タンクの内壁と前記多孔構造体との間には前記タン
    ク内の騒音を吸収する流体層が設けられたことを特徴と
    する静止誘導電器。
  7. 【請求項7】 前記タンク内に発生した騒音が前記タン
    クの内壁面にて繰り返し反射されて特定のパターンを持
    つ定在波が発生するとき、この定在波のパターンの中で
    騒音値の高い部分に相当する前記タンクの位置に、前記
    多孔構造体および前記流体層が配置されたことを特徴と
    する請求項6記載の静止誘導電器。
  8. 【請求項8】 前記多孔構造体が漏れ磁束を防止するた
    めの磁気シールドから構成されたことを特徴とする請求
    項6または7記載の静止誘導電器。
JP8261808A 1996-10-02 1996-10-02 静止誘導電器 Pending JPH10106854A (ja)

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