JPH10106583A - 鉛蓄電池用複合格子 - Google Patents

鉛蓄電池用複合格子

Info

Publication number
JPH10106583A
JPH10106583A JP8256545A JP25654596A JPH10106583A JP H10106583 A JPH10106583 A JP H10106583A JP 8256545 A JP8256545 A JP 8256545A JP 25654596 A JP25654596 A JP 25654596A JP H10106583 A JPH10106583 A JP H10106583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lead
composite
synthetic resin
lattice
resin sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8256545A
Other languages
English (en)
Inventor
Kozo Kitamura
幸三 北村
Katsumi Yamada
山田  克己
Muneyoshi Mizutani
宗美 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd, Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP8256545A priority Critical patent/JPH10106583A/ja
Publication of JPH10106583A publication Critical patent/JPH10106583A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉛蓄電池の出力の低下を抑えることが出来、
軽量化による出力密度の向上が可能となる鉛蓄電池用複
合格子を提供する。 【解決手段】 鉛若しくは鉛合金薄板16と合成樹脂層
18とを積層、一体化した構造の複合板状材料をエキス
パンド加工して得られる、格子構造を有する鉛蓄電池用
複合格子において、合成樹脂層18が、接着性樹脂材料
と導電性材料からなる組成物にて形成されてなり、且つ
103 Ωcm以下の体積抵抗率となるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、鉛蓄電池用複合格子の改良に係
り、特に、鉛板と合成樹脂シートとを積層、一体化して
なる構造の複合板状材料から得られる鉛蓄電池用複合格
子において、その活物質との接触抵抗を低減せしめて、
鉛蓄電池の出力密度を向上せしめ得る構造に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、二次電池として用いられる鉛蓄
電池において、鉛を主体とした鉛板からなる格子状の極
板は、充填された活物質を保持すると共に、電気化学的
に発生した起電力を取り出すための集電体としての機能
を果たすものであるが、その重量が鉛蓄電池の総重量の
約30〜40%を占めるところから、かかる格子状の極
板の軽量化の要請には、大なるものがある。そして、そ
のような鉛蓄電池における格子状の極板の軽量化、更に
は高機能化の要請に対応すべく、例えば、特公昭61−
51383号公報等においては、かかる極板を鉛板と軽
量な樹脂シートとを一体的に積層、接着してなる複合構
造(ハイブリッド構造)の複合板状材料を用い、それを
エキスパンド加工せしめて、格子状となした構造(鉛蓄
電池用複合格子)の採用が考えられている。
【0003】ところが、このような鉛蓄電池用複合格子
にあっては、その軽量化は達成されるものの、鉛板の一
部が樹脂に置き換わったことにより、そのような格子に
充填される活物質と格子との接触抵抗や、集電体である
格子自体の抵抗等が増加する結果、そのような複合格子
を使用した鉛蓄電池の内部抵抗を増加せしめて、鉛蓄電
池より充分な出力を得ることが出来ず、そのために軽量
化による出力密度、即ち、鉛蓄電池の単位質量当たりの
出力の向上効果が殆ど得られないという問題点を内在し
ている。また、かかる鉛蓄電池用複合格子は、上記の如
きエキスパンド加工時において、部分的に樹脂シートの
剥がれや鉛板の切れ等が発生する可能性をも有している
のである。
【0004】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、鉛蓄電池の出力の低下を抑えることが出来、軽
量化による出力密度の向上が可能となる鉛蓄電池用複合
格子を提供することにあり、また、本発明の他の解決課
題とするところは、エキスパンド加工時において、部分
的に発生し得る樹脂の剥がれや、鉛若しくは鉛合金薄板
の切れに対する信頼性の向上した鉛蓄電池用複合格子を
提供することにある。
【0005】
【解決手段】そして、上記の如き課題を解決するため
に、本発明は、鉛若しくは鉛合金薄板と合成樹脂層とを
積層、一体化せしめてなる構造の複合板状材料をエキス
パンド加工して得られる、格子構造を有する鉛蓄電池用
複合格子において、前記合成樹脂層が、接着性樹脂材料
と導電性材料からなる組成物にて形成されてなり、且つ
103 Ωcm以下の体積抵抗率とされていることを特徴と
する鉛蓄電池用複合格子を、その要旨とするものであ
る。
【0006】この本発明に従う構造とされた鉛蓄電池用
複合格子にあっては、複合板状材料を構成する合成樹脂
層が導電性材料を含有する組成物にて形成され、しか
も、その体積抵抗率が103 Ωcm以下とされているとこ
ろから、かかる格子に充填される活物質と格子との間の
接触抵抗、及び集電体である格子自体の抵抗が効果的に
低下せしめられ、その結果、そのような複合格子を使用
した鉛蓄電池の内部抵抗を低く抑えることが出来、その
使用時における電圧降下が有利に抑えられ得て、軽量化
による鉛蓄電池の出力密度の向上が達成される。
【0007】また、かかる本発明の好ましい態様におい
ては、導電性材料として、カーボンブラックが用いら
れ、これによって、そのような鉛蓄電池用複合格子を、
コスト的に有利に製造することが出来ると共に、鉛若し
くは鉛合金薄板と合成樹脂層との間の接着強度がカーボ
ンブラックの作用によって向上せしめられる結果、エキ
スパンド加工時における部分的な合成樹脂層の剥がれや
鉛若しくは鉛合金薄板の切れが効果的に抑制され得て、
その信頼性が向上するという効果をも奏することとなる
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に具体的に明ら
かにするために、本発明の具体的構成について、図面を
参照しつつ、詳細に説明する。
【0009】先ず、図1には、本発明に従う構造の複合
格子が適用され得る、鉛蓄電池の電槽内に収容される極
板群の一例が示されている。即ち、複数枚の正極板20
と複数枚の負極板22が、極板本体部分(格子状部分)
において、間にセパレータ24を挟んで交互に組み合わ
されて、極板群26に構成されるのであり、各正極板2
0の耳部分28が正極導電部30に接続される一方、各
負極板22の耳部分32が負極導電部34に接続され
て、使用されるようになっている。
【0010】そして、本発明に従う構造の複合格子は、
そのような極板群を構成する各極板に用いられ得るもの
であり、その一例が図2に示されている。即ち、かかる
複合格子10は、略矩形板状を呈し、エキスパンド加工
によって格子状に形成されてなるエキスパンド加工部1
2と、格子上部14とを有して形成されている。より詳
細には、格子10は、図2の左側の側面図及び図3に示
されているように、積層構造を有しており、厚さ0.1
〜0.4mm程度の薄い2枚の鉛若しくは鉛合金薄板(以
下においては、鉛薄板と略称する)16,16間に、芯
材として、接着性樹脂材料と導電性材料とからなる組成
物にて形成された、厚さ0.3〜1.2mm程度の合成樹
脂シート18を積層した構造を有しており、それによ
り、格子10の大幅な軽量化を実現している。
【0011】ところで、かかる合成樹脂シート18を形
成する組成物中の接着性樹脂材料としては、一般に、耐
硫酸性、耐還元性、耐酸化性を有し、活物質との密着性
が良く、高温使用(−30℃〜+100℃程度)が可能
であること等の特性が要求され、また、菱形の網目状の
格子構造のエキスパンド加工部12を形成するためのエ
キスパンド加工において、そのエキスパンド性が良く、
エキスパンド後の変形や収縮がないといった特性が要求
されることは勿論、鉛薄板16に対して積層、一体化せ
しめるために有効な接着性を発揮し、また放電、充電の
繰り返しによる鉛薄板層−合成樹脂シート層の剥離に耐
え得るものであり、更には、エキスパンドに追随する柔
軟な特性を有すること等が要求されることとなる。そし
て、そのような要求を満たす接着性樹脂材料としては、
従来から公知のものが適宜に選定されることとなるが、
特にポリエチレンやポリプロピレン等の無変性のポリオ
レフィン系樹脂に対して無水マレイン酸を付加(グラフ
ト)して得られる、接着性のある公知の無水マレイン酸
変性ポリオレフィン系樹脂等が、有利に用いられるもの
である。
【0012】また、そのような接着性樹脂材料と共に合
成樹脂シート18を形成する組成物を構成し、該合成樹
脂シート18に導電性を付与せしめる導電性材料として
は、接着性樹脂材料と同様に、耐硫酸性、耐還元性、耐
酸化性を有し、高温使用(−30℃〜+100℃程度)
が可能である等の特性が要求され、例えば金等の貴金属
の粒子やカーボンブラック等が適宜に採用され得るが、
特に、アセチレンブラックやケッチェンブラック等のカ
ーボンブラックが望ましい。けだし、カーボンブラック
は、金等の貴金属に比して、低コスト、低比重であっ
て、しかも、後述の如く、鉛薄板16と合成樹脂シート
18との間の接着強度を向上せしめる作用を有するとこ
ろから、そのような鉛蓄電池用複合格子を、コスト的
に、また出力密度において有利に、更にはエキスパンド
加工時における部分的な合成樹脂シート18の剥がれや
鉛薄板16の切れ等を効果的に抑制せしめて、製造する
ことが出来るのである。
【0013】そして、上記の接着性樹脂材料に、導電性
材料が、合成樹脂シート18の体積抵抗率が103 Ωcm
以下となるような配合割合にて、均一に添加、混合され
た上で、例えば後述の如き公知の方法によって、シート
状に成形されることにより、良好な導電性を有する合成
樹脂シート18が形成されるのである。なお、導電性材
料としてアセチレンブラックを用いる場合、その配合量
は30wt%以下が望ましい。けだし、配合量が30w
t%を超えると接着性樹脂材料の流動性が著しく悪くな
るため、合成樹脂シート18の成形が困難となるからで
ある。また、高導電性のカーボンブラックを用いれば、
より少ない添加量で良好な導電性を与えることが可能と
なり、合成樹脂シート18の成形において有利となる。
【0014】而して、鉛薄板16と合成樹脂シート18
とは、常法に従って積層され、一体的な複合板状材料と
されるが、通常は、鉛薄板16,16が、合成樹脂シー
ト18の両側に対して、例えば、後述の如き手法によっ
て熱圧着されて形成される。ここにおいて、鉛薄板16
の接着面には、接着性及び耐酸性を向上させるために、
ショットブラストによる表面処理を施しておくことが、
望ましい。
【0015】このように、複合格子10が、その体積抵
抗率が103 Ωcm以下である優れた導電性を有する合成
樹脂シート18を用いて、所定厚さの鉛板16と積層、
一体化せしめてなる構造の複合板状材料にて構成される
ことにより、かかる格子10に充填される活物質と格子
との間の接触抵抗、及び集電体である複合格子10自体
の抵抗が低下せしめられ、その結果、そのような複合格
子10を使用した鉛蓄電池の内部抵抗を低く抑えること
が出来、使用時における電圧降下が有利に抑えられて、
軽量化による出力密度の向上が可能となるのである。
【0016】なお、本発明に従う鉛蓄電池用複合格子
は、それを構成する合成樹脂シート18が良好な導電性
を有するところから、上例の如き構造において実現され
るばかりでなく、図4に示される如く、鉛薄板16を中
心にして、その両側に合成樹脂シート18、18を積
層、一体化せしめてなる構造においても、有利に実現さ
れ得、更に、図5に示される如く、鉛薄板16の片面に
対して合成樹脂シート18を一体的に積層せしめてなる
構造においても、実現可能であり、また、図6に示され
る如く、図4に示される構造の複合格子における合成樹
脂シート18,18の更に両外側に鉛薄板16,16を
積層せしめた構造のものであってもよい。
【0017】ところで、上述の如き構造の複合板状材料
を用いた複合格子10は、公知の手法に従って製造さ
れ、一般に、少なくとも一枚の鉛薄板16と、前記した
導電性の合成樹脂シート18の少なくとも一枚とを用
い、それらが交互に位置するようにして、それら鉛薄板
と合成樹脂シートを積層せしめて熱圧着することによ
り、一体的な構造とした後、通常のエキスパンド加工を
施して、格子構造を形成することによって、製造される
ものである。
【0018】すなわち、先ず、鉛薄板16や合成樹脂シ
ート18がロール形態において準備される。そして、そ
れら鉛薄板16と合成樹脂シート18とが、図3乃至図
6に示される如き積層形態を与えるように適宜に組み合
わされ、それぞれのロールから連続的に取り出され、公
知のラミネート装置にて積層、一体化せしめられるので
ある。
【0019】ラミネート装置においては、連続的に取り
出された鉛薄板16と合成樹脂シート18とが、圧着ロ
ールにて熱圧着せしめられ、以て積層、一体化されるの
であるが、そのような熱圧着に先立って、有利には、鉛
薄板16には予め加熱炉による加熱が施され、以て鉛薄
板の表面温度を予め高めておくことにより、後の圧着作
業を有利に遂行することが出来るのであって、通常は、
鉛薄板16の表面温度が160℃以上となるように加熱
が行なわれることとなる。なお、圧着ロールでは、温度
は160〜180℃程度に設定され、また圧力は、鉛薄
板と合成樹脂シートとの間の接着を考慮して、適宜に設
定されることとなる。
【0020】このようにして得られた、鉛薄板16と合
成樹脂シート18とを熱圧着して、積層、一体化せしめ
てなる構造の複合板状材料には、従来と同様なエキスパ
ンド加工が施され、図2に示される如き菱型の網目状の
格子構造のエキスパンド加工部12が形成されることと
なる。このエキスパンド加工は、上記熱圧着して得られ
た複合板状材料に対して断続的に切目を入れる一方、そ
れを伸延させて、菱形の網目を形成せしめることによっ
て実施され、その後、従来と同様なプレス操作が施され
て、エキスパンド加工部12の高さが調整される。
【0021】ところで、上述のようなエキスパンド加工
工程においては、鉛薄板16や合成樹脂シート18は、
共に、10%〜20%の伸びがかかり、その伸び率は、
格子形状の大小により異なるが、そのような伸びによっ
て応力が残留し、また鉛薄板と合成樹脂シートの間の微
小な剥離も惹起され、鉛蓄電池に用いられる硫酸水溶液
に浸漬した場合において、その鉛薄板と合成樹脂シート
間の剥離強度が低下する問題を惹起する場合があるとこ
ろから、本発明では、有利には、そのようなエキスパン
ド加工済みの複合板状材料に対して、加熱処理が施さ
れ、これによって合成樹脂シートの鉛薄板に対する再融
着が行なわれる。なお、この加熱処理は、生産性と性能
面により、温度:130℃〜200℃、時間:24時間
〜30秒の範囲内において採用され、高温度の場合には
短時間が、また低温度の場合には長時間の加熱処理が採
用されることとなるが、特に最良な条件としては、温
度:180℃〜220℃、時間:10分〜30秒が採用
されることとなる。・
【0022】このようなエキスパンド加工工程の後の加
熱処理によって、鉛薄板と合成樹脂シートとの間の剥離
が効果的に阻止され、以て複合格子としての耐硫酸性が
効果的に高められ得るのである。
【0023】
【実施例】以下、図2に示される如き本発明に従う構造
の複合格子を、図3若しくは図4に示される積層形態に
おいて、接着性樹脂材料として無水マレイン酸変性ポリ
プロピレンを用いると共に、導電性材料としてアセチレ
ンブラック若しくはケッチェンブラックを用いて、上記
の如き手法にて製作した。次いで、それら各複合格子の
複数個を使用して、目的とする鉛蓄電池を公知の製法に
て製作し、それぞれ、本発明例1〜3とした。また、本
発明例1〜3の鉛蓄電池を構成する複合格子のそれぞれ
と、導電性材料を含有しない点を除いて同一の複合格子
を製作した後、それら各複合格子の複数個を用いて、同
様に鉛蓄電池を製作し、それぞれ比較例1〜3とし、更
に、所定の厚さを有する鉛の薄板製の格子から構成され
た鉛蓄電池をも製作し、比較例4とした。そして、その
特性評価を行ない、結果を、下記表1に示した。
【0024】 1)放電深度50%時 2)放電深度30%時 A)鉛0.2mm/樹脂0.5mm/鉛0.2mm B)鉛0.15mm/樹脂0.3mm/鉛0.15mm C)樹脂0.25mm/鉛0.5mm/樹脂0.25mm D)鉛0.7mm
【0025】かかる表1の結果から明らかな如く、導電
性材料であるカーボンブラックが合成樹脂シート中に含
有されている複合格子から構成された、各本発明例の鉛
蓄電池にあっては、鉛の薄板製の格子から構成された比
較例のそれよりも高い出力密度を有していることは勿論
のこと、対応する本発明例の鉛蓄電池を構成する複合格
子と、導電性材料を含有しない点を除いて、それぞれ同
一の複合格子からなる比較例の鉛蓄電池とを比べても、
その合成樹脂シートの体積抵抗率が極めて小さく、その
結果、それらの比較例より高い出力密度を有しているこ
とが分かる。
【0026】また、接着強度の評価を行なうために、厚
さ0.2mmの鉛薄板の接着面に対して、サンドブラスト
による表面処理を実施した後、そのような鉛薄板と、上
記の手法にて形成した、アセチレンブラックの所定量を
含有した厚さ0.5mmの無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン製合成樹脂シートとを用いて、複合板状材料を上記
の如くして形成した後、10mm幅に切断して供試体を製
作し、それぞれ本発明例4及び5とすると共に、アセチ
レンブラックを含有しない無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン製合成樹脂シートを使用して、同様にして比較例
5の供試体を得た。次いで、これら三個の供試体につい
て、JIS−C−6471に準拠して、それら供試体の
鉛薄板の180度方向引きはがし試験を、引張り速度:
100mm/minにおいて実施し、接着強度の評価を行な
い、結果を下記表2に示した。
【0027】
【0028】かかる表2の結果から明らかな如く、合成
樹脂シートにアセチレンブラックを配合せしめた本発明
例4及び5にあっては、合成樹脂シートと鉛薄板との間
の接着強度に優れ、それらのより強固な接着を実現し得
るのである。これは、カーボンブラック(アセチレンブ
ラック)の添加により樹脂の剛性、凝集力が上がり、接
着強度が上がることによるものと考えられる。
【0029】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、本発明が、そのような実施例の記載によ
って、何等の制約をも受けるものでないことは言うまで
もないところである。また、本発明には、上記の実施例
の他にも、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて、当
業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加
え得るものであることが、理解されるべきである。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、鉛蓄電池用複合格子において、充填される活
物質と格子との間の接触抵抗、及び集電体である格子自
体の抵抗が低下せしめられる結果、そのような複合格子
を使用した鉛蓄電池の内部抵抗を低く抑えることが出
来、その使用時における電圧降下が有利に抑えられ得
て、軽量化による鉛蓄電池の出力密度の向上が効果的に
達成されるのである。また、かかる本発明において、導
電性材料として、カーボンブラックを用いることによっ
て、そのような鉛蓄電池用複合格子を、コスト的に有利
に、しかも、エキスパンド加工時における部分的な樹脂
の剥がれや鉛合金薄板の切れの発生を効果的に抑制して
製造し得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】鉛蓄電池に使用される極板群の代表的な構成を
示す斜視図である。
【図2】本発明に従う鉛蓄電池用複合格子の一例を示す
左側面図及び正面図である。
【図3】図2に示される複合格子の断面を部分的に示す
拡大説明図である。
【図4】本発明に従う鉛蓄電池用複合格子の他の例にお
ける、図3に相当する拡大説明図である。
【図5】本発明に従う鉛蓄電池用複合格子の他の例にお
ける、図3に相当する拡大説明図である。
【図6】本発明に従う鉛蓄電池用複合格子の他の例にお
ける、図3に相当する拡大説明図である。
【符号の説明】
10 複合格子 12 エキスパンド加工部 14 上部板状部 16 鉛若しくは鉛合金薄
板 18 合成樹脂シート 20 正極板 22 負極板 24 セパレータ 26 極板群 28,32 耳部分 30 正極導電部 34 負極導電部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 宗美 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛若しくは鉛合金薄板と合成樹脂層とを
    積層、一体化せしめてなる構造の複合板状材料をエキス
    パンド加工して得られる、格子構造を有する鉛蓄電池用
    複合格子において、前記合成樹脂層が、接着性樹脂材料
    と導電性材料からなる組成物にて形成されてなり、且つ
    103 Ωcm以下の体積抵抗率とされていることを特徴と
    する鉛蓄電池用複合格子。
  2. 【請求項2】 前記導電性材料が、カーボンブラックで
    ある請求項1に記載の鉛蓄電池用複合格子。
JP8256545A 1996-09-27 1996-09-27 鉛蓄電池用複合格子 Pending JPH10106583A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8256545A JPH10106583A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 鉛蓄電池用複合格子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8256545A JPH10106583A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 鉛蓄電池用複合格子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10106583A true JPH10106583A (ja) 1998-04-24

Family

ID=17294132

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8256545A Pending JPH10106583A (ja) 1996-09-27 1996-09-27 鉛蓄電池用複合格子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10106583A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11297332A (ja) * 1998-04-13 1999-10-29 Tdk Corp 集電体及びこれを用いたシート型電気化学素子
WO2018155422A1 (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 独立行政法人国立高等専門学校機構 鉛蓄電池用正極及びそれを用いた鉛蓄電池

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11297332A (ja) * 1998-04-13 1999-10-29 Tdk Corp 集電体及びこれを用いたシート型電気化学素子
WO2018155422A1 (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 独立行政法人国立高等専門学校機構 鉛蓄電池用正極及びそれを用いた鉛蓄電池
JP2018137183A (ja) * 2017-02-23 2018-08-30 独立行政法人国立高等専門学校機構 鉛蓄電池用正極及びそれを用いた鉛蓄電池
CN110326141A (zh) * 2017-02-23 2019-10-11 独立行政法人国立高等专门学校机构 铅蓄电池用正极及使用其的铅蓄电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6380254B2 (ja) 全固体電池の製造方法
JP5636965B2 (ja) リチウムイオン二次電池用電極体の製造方法、及びリチウムイオン二次電池の製造方法
US20050271933A1 (en) Secondary battery
JP7243249B2 (ja) 全固体電池
CN112713258A (zh) 一种锂离子电池
CN114583097A (zh) 极片、卷绕电芯以及电池
EP1478037A3 (en) Secondary battery using non-sintered thin electrode and process for same
CN113421996B (zh) 一种负极片、电池及负极片的制作方法
JP4731871B2 (ja) 分離下部テープが付着された二次電池の電極組立体
JP7424839B2 (ja) 固体電池
US6737196B2 (en) Method of making a lithium polymer battery and battery made by the method
JPH10106583A (ja) 鉛蓄電池用複合格子
JP7004200B2 (ja) 組電池の製造方法、および組電池
JP2013242973A (ja) リチウムイオン二次電池用負極集電銅箔、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池
JP2017174519A (ja) 電池用電極、電池用電極の製造方法および積層電池
JP3913053B2 (ja) 燃料電池用金属製セパレータの製造方法
JP2015103432A (ja) 全固体電池の製造方法
US11764445B2 (en) Battery and battery production method
CN219591470U (zh) 固体电池
CN116759537B (zh) 一种锂电池负极及其制备方法和应用
JP7361054B2 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP2844829B2 (ja) 有機電解質一次電池
JPH0513064A (ja) アルカリ蓄電池用電極板の製造方法
JP2003203677A (ja) 非水電解質二次電池およびその製造方法
JP2010140703A (ja) 非水電解質電池