JPH10105252A - 信号制御システムおよび信号制御方法 - Google Patents

信号制御システムおよび信号制御方法

Info

Publication number
JPH10105252A
JPH10105252A JP9186087A JP18608797A JPH10105252A JP H10105252 A JPH10105252 A JP H10105252A JP 9186087 A JP9186087 A JP 9186087A JP 18608797 A JP18608797 A JP 18608797A JP H10105252 A JPH10105252 A JP H10105252A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
response
psd
signal
target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9186087A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3220418B2 (ja
Inventor
Kazuyoshi Ueno
和良 上野
Katsuji Imoto
勝司 井本
Yoshikado Yamauchi
佳門 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
I M V KK
IMV KK
Original Assignee
I M V KK
IMV KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by I M V KK, IMV KK filed Critical I M V KK
Priority to JP18608797A priority Critical patent/JP3220418B2/ja
Publication of JPH10105252A publication Critical patent/JPH10105252A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3220418B2 publication Critical patent/JP3220418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)
  • Control By Computers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のドライブ信号を用いて駆動される被制
御系の応答が原目標に対し所望の関係を有することとな
るよう正確に制御する。 【解決手段】 制御群10のPSD制御器12を構成す
る仮制御目標生成手段30は、リミット応答PSDが監
視PSDを越えないよう、仮の制御目標を生成する。制
御目標生成手段32は、平均化制御応答PSDが仮の制
御目標と実質的にほぼ等しくなるよう、制御目標PSD
及びランダム波生成PSDを生成する。ランダム波発生
器14は、ランダム波生成PSDを制御目標信号に変換
して多次元波形制御器8に与える。制御群20について
も同様である。多次元波形制御器8は、各主制御応答信
号が、異なる制御群に属するドライブ信号の影響をも受
け得ることを考慮し、各主制御応答信号が、対応する各
制御目標信号にほぼ等しくなるよう、各制御目標信号に
基づいてドライブ信号を生成して被制御系2に与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、信号制御システ
ムおよび信号制御方法に関し、特に、複数のドライブ信
号を用いて駆動される被制御系に与えるドライブ信号を
制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】供試体の振動を制御し
て、目標とする振動を与える装置が開発されている(例
えば上野和良:『ランダム振動制御器 SX-2000』日本工
業出版、計測技術、第15巻、第3号、75頁〜79頁)。い
わゆるランダム振動制御装置と呼ばれるものである。ラ
ンダム振動制御装置によって振動発生器を制御し、目標
とする振動を供試体に与え、供試体の耐振動性を試験す
るために用いられている。
【0003】現実の稼動環境や輸送環境に置かれた機器
(供試体)に加わる振動は、一般に不規則な波形をして
いる。そこで、このランダム振動制御装置においては、
現実に加わる不規則波形のPSD(パワースペクトル密
度)を算出し、このPSDを有する振動を供試体に加え
るようにしている。
【0004】ここで考慮すべきことは、振動発生器自体
も、周波数応答特性を有するということである。したが
って、単に、目標となるPSDを有するドライブ波形を
振動発生器に与えるだけでは、目標となるPSDを有す
る振動を機器に与えることはできない。そこで、振動発
生器の周波数応答特性を考慮した上で、ドライブPSD
を得、このドライブPSDをもつドライブ波形を生成し
て、振動発生器に与えている。
【0005】図30に示すように、このようなランダム
振動制御装置と振動発生器(加振器)とからなる加振系
を複数用意し、供試体に対し各加振系から同時に振動を
加え得るよう構成するとともに、各加振系にそれぞれ所
望の目標PSDを与えることにより、供試体に対する多
次元の振動試験を行なうことが考えられる。
【0006】しかしながら従来のこのような多次元の振
動試験には、次のような問題があった。従来の多次元の
振動試験においては、各加振系は相互に独立した系とみ
なしていた。しかし実際には、加振系を構成する加振器
は全て一つの供試体において結合されているため、加振
器相互間の干渉の発生を機械的に回避するには限度があ
る。
【0007】また、図31に示すいわゆる多点加振シス
テム等においては、原理的に加振器相互間の干渉が存在
する。
【0008】したがって、各加振系を相互に独立した系
とみなす従来の多次元の振動試験によっては、加振器相
互間の干渉に基づく応答の歪を補正することはできな
い。このため、各目標PSDを正確に再現したり、目標
PSDに対し所望の関係を有する振動を供試体に正確に
与えたりすることができなかった。
【0009】この発明はこのような問題点を解決して、
複数のドライブ信号を用いて駆動される被制御系の応答
が原目標に対し所望の関係を有することとなるよう正確
に制御することができる信号制御システムおよび信号制
御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の信号制御シス
テムは、複数のドライブ信号を用いて駆動される被制御
系の応答が複数のドライブ信号の影響を受け得ることを
考慮して、応答が制御目標と実質的にほぼ等しくなるよ
う閉ループ制御を行ないつつドライブ信号を生成して被
制御系に与える第1の制御手段、応答と与えられた原目
標とに基づいて制御目標を生成する第2の制御手段、を
備えたことを特徴とする。
【0011】請求項2の信号制御システムは、請求項1
の信号制御システムにおいて、前記第2の制御手段は、
応答に基づいて得られた量が原目標と実質的にほぼ等し
くなるよう制御目標を生成することを特徴とする。
【0012】請求項3の信号制御システムは、請求項1
の信号制御システムにおいて、前記第2の制御手段は、
応答に基づいて得られた量が与えられた限界値を越えな
いよう制御目標を生成することを特徴とする。
【0013】請求項4の信号制御システムは、請求項1
の信号制御システムにおいて、前記第2の制御手段は、
応答に基づいて得られた量が与えられた限界値を越えな
いよう、当該応答と原目標とに基づいて仮の制御目標を
生成する仮制御目標生成手段、応答に基づいて得られた
量が仮の制御目標と実質的にほぼ等しくなるよう、当該
応答と仮の制御目標とに基づいて制御目標を生成する制
御目標生成手段、を備えたことを特徴とする。
【0014】請求項5の信号制御システムは、請求項1
ないし請求項4のいずれかの信号制御システムにおい
て、一つ以上の制御群を設定し、各制御群に属する原目
標、第2の制御手段、制御目標、ドライブ信号および応
答を定義するとともに、各制御群に属する応答のうち一
つ以上の所定の応答を当該制御群の主応答と定義し、前
記第1の制御手段は、各制御群に属する主応答が、対応
する制御群以外の制御群に属するドライブ信号の影響を
も受け得ることを考慮して、各制御群に属する主応答
が、対応する制御群に属する制御目標と実質的にほぼ等
しくなるよう制御し、各制御群に属する前記第2の制御
手段は、対応する制御群に属する応答と原目標とに基づ
いて対応する制御群に属する制御目標を生成することを
特徴とする。
【0015】請求項6の信号制御システムは、請求項5
の信号制御システムにおいて、前記各制御群に属する第
2の制御手段は、対応する制御群以外の制御群に属する
応答をも参照して、対応する制御群に属する制御目標を
生成することを特徴とする。
【0016】請求項7の信号制御システムは、請求項5
ないし請求項6のいずれかの信号制御システムにおい
て、前記応答のうち主応答を含む少なくとも一部の応答
およびドライブ信号は、実質的に時間軸上の信号として
表わされ、前記原目標および制御目標は、周波数軸上の
振幅スペクトルに対応する量として表わされ、時間軸上
の信号に変換して第1の制御手段に与える第1の変換手
段、時間軸上の信号として表わされた応答を周波数特性
に対応する量に変換して第2の制御手段に与える第2の
変換手段、を備えたことを特徴とする。
【0017】請求項8の信号制御システムは、請求項7
の信号制御システムにおいて、前記第1の制御手段は、
制御特性を記憶する制御特性記憶手段、第1の変換手段
により時間軸上の信号に変換された制御目標と、制御特
性記憶手段に記憶されている制御特性とに基づき、ドラ
イブ信号をリアルタイム性の保証のために必要とされる
時間内に演算し、被制御系に与えるドライブ信号演算手
段、ドライブ信号演算手段から出力されたドライブ信号
と、このドライブ信号に対する被制御系からの主応答と
に基づき、制御特性記憶手段に記憶されている制御特性
を更新する制御特性更新手段、を備えたことを特徴とす
る。
【0018】請求項9の信号制御システムは、請求項8
の信号制御システムにおいて、前記制御特性は、ドライ
ブ信号と主応答との関係を表わす被制御系の複数の伝達
関数を要素とする被制御系の伝達関数マトリックスの所
定の逆マトリックスで表現されることを特徴とする。
【0019】請求項10の信号制御システムは、請求項
9の信号制御システムにおいて、ドライブ信号演算手段
は、時間軸上の信号に変換された制御目標を要素とする
制御目標信号ベクトルをフーリエ変換して、複素フーリ
エスペクトルを要素とする制御目標スペクトルベクトル
を求めるフーリエ変換手段、前記伝達関数マトリックス
の所定の逆マトリックスと制御目標スペクトルベクトル
との積である、ドライブスペクトルベクトルを求める乗
算手段、ドライブスペクトルベクトルを逆フーリエ変換
して、ドライブ信号を要素とするドライブ信号ベクトル
を出力する逆フーリエ変換手段、を備えたことを特徴と
する。
【0020】請求項11の信号制御システムは、請求項
1ないし請求項10のいずれかの信号制御システムにお
いて、被制御系が、供試体、ドライブ信号を受けて複数
の加振器により供試体に振動を与える振動発生器、供試
体の振動を一つ以上の応答点において検出する振動検出
器、を有する場合に、供試体に対し、原目標に対し所定
の関係を有する振動を与えることを目的とする。
【0021】請求項12の信号制御方法は、複数のドラ
イブ信号を用いて駆動される被制御系の応答が複数のド
ライブ信号の影響を受け得ることを考慮して、応答が制
御目標と実質的にほぼ等しくなるよう閉ループ制御を行
ないつつドライブ信号を生成して被制御系に与え、応答
と与えられた原目標とに基づいて制御目標を生成するこ
とを特徴とする。
【0022】請求項13の信号制御方法は、請求項12
の信号制御方法において、応答に基づいて得られた量が
与えられた限界値を越えないよう、当該応答と原目標と
に基づいて仮の制御目標を生成し、応答に基づいて得ら
れた量が仮の制御目標と実質的にほぼ等しくなるよう、
当該応答と仮の制御目標とに基づいて制御目標を生成す
ることを特徴とする。
【0023】請求項14の信号制御方法は、請求項12
ないし請求項13のいずれかの信号制御方法において、
一つ以上の制御群を設定し、各制御群に属する原目標、
制御目標、ドライブ信号および応答を定義するととも
に、各制御群に属する応答のうち一つ以上の所定の応答
を当該制御群の主応答と定義し、各制御群に属する主応
答が、対応する制御群以外の制御群に属するドライブ信
号の影響をも受け得ることを考慮して、各制御群に属す
る主応答が、対応する制御群に属する制御目標と実質的
にほぼ等しくなるよう制御し、対応する制御群に属する
応答と原目標とに基づいて対応する制御群に属する制御
目標を生成することを特徴とする。
【0024】請求項15の記憶媒体は、コンピュータが
実行可能なプログラムを記憶したコンピュータ可読の記
憶媒体であって、前記プログラムは、請求項1ないし請
求項14のいずれかのシステムまたは方法を実現するも
のであることを特徴とする。
【0025】
【発明の効果】請求項1の信号制御システムおよび請求
項12の信号制御方法は、被制御系の応答が複数のドラ
イブ信号の影響を受け得ることを考慮して、応答が制御
目標と実質的にほぼ等しくなるよう閉ループ制御を行な
いつつドライブ信号を生成して被制御系に与える。した
がって、応答が複数のドライブ信号の影響を受ける被制
御系においても、応答におよぼす各ドライブ信号の影響
を調整しつつ所望の制御目標を再現することができる。
【0026】また、制御目標は応答と与えられた原目標
とに基づいて生成される。したがって、応答に応じて制
御目標を調整するよう制御することにより応答が原目標
に対して所望の関係を有することとなるよう制御するこ
とができる。
【0027】すなわち、性質の異なる2つの制御を組合
せて相補的制御を行なうことで、複数のドライブ信号を
用いて駆動される被制御系の応答が原目標に対し所望の
関係を有することとなるよう正確に制御することができ
る。
【0028】請求項2の信号制御システムは、応答に基
づいて得られた量が原目標と実質的にほぼ等しくなるよ
う制御目標を生成することを特徴とする。したがって、
複数のドライブ信号を用いて駆動される被制御系におい
て、原目標を正確に再現することができる。
【0029】請求項3の信号制御システムは、応答に基
づいて得られた量が与えられた限界値を越えないよう制
御目標を生成することを特徴とする。したがって、複数
のドライブ信号を用いて駆動される被制御系の応答が所
定の制約条件を維持するよう正確に制御することができ
る。
【0030】請求項4の信号制御システムおよび請求項
13の信号制御方法は、応答に基づいて得られた量が与
えられた限界値を越えないよう当該応答と原目標とに基
づいて仮の制御目標を生成し、応答に基づいて得られた
量が仮の制御目標と実質的にほぼ等しくなるよう当該応
答と仮の制御目標とに基づいて制御目標を生成すること
を特徴とする。
【0031】したがって、被制御系の応答が所定の制約
条件を維持するよう仮の制御目標を設定し、仮の制御目
標を正確に再現することができるよう制御目標を設定す
ることができる。このため、複数のドライブ信号を用い
て駆動される被制御系の応答が所定の制約条件を維持
し、かつ、応答が原目標に対し所望の関係を有すること
となるよう、より正確に制御することができる。
【0032】請求項5の信号制御システムおよび請求項
14の信号制御方法は、一つ以上の制御群を設定し、各
制御群に属する主応答が対応する制御群以外の制御群に
属するドライブ信号の影響をも受け得ることを考慮し
て、各制御群に属する主応答が対応する制御群に属する
制御目標と実質的にほぼ等しくなるよう制御する。した
がって、各制御群に属する主応答から他の制御群に属す
る制御目標の影響を排除するよう制御することで、各制
御群に属する制御目標をそれぞれ独立に再現することが
できる。
【0033】また、各制御群に属する制御目標は対応す
る制御群に属する応答と原目標とに基づいて生成され
る。したがって、各制御群に属する制御目標は、当該制
御群内の処理のみにより生成される。
【0034】すなわち、一連の制御処理を制御群間にわ
たる処理と制御群内で完結する処理とに分類し、これら
の処理を組合せて行なうことで、複数のドライブ信号を
用いて駆動される被制御系に対する信号の制御をより容
易に行なうことができる。
【0035】請求項6の信号制御システムは、一の制御
群以外の制御群に属する応答をも参照して、対応する制
御群に属する制御目標を生成することを特徴とする。し
たがって、一の制御群に属する応答が他の制御群に属す
る制御目標の影響を受ける場合には、制御群間にわたる
処理を行なうことにより適正な制御目標を生成すること
ができる。
【0036】請求項7の信号制御システムは、応答のう
ち主応答を含む少なくとも一部の応答およびドライブ信
号は実質的に時間軸上の信号として表わされ、原目標お
よび制御目標は周波数軸上の振幅スペクトルに対応する
量として表わされる。また、制御目標を時間軸上の信号
に変換するとともに、時間軸上の信号として表わされた
応答を周波数特性に対応する量に変換する。
【0037】したがって、実質的に時間軸上の信号とし
て表わされた量を扱うことにより、被制御系の応答が複
数のドライブ信号の影響を受け得ることを考慮して制御
することが可能となる。
【0038】請求項8の信号制御システムは、時間軸上
の信号に変換された制御目標と記憶されている制御特性
とに基づきリアルタイム性の保証のために必要とされる
時間内にドライブ信号を演算して被制御系に与え、ドラ
イブ信号とこのドライブ信号に対する被制御系からの主
応答とに基づき記憶されている制御特性を更新すること
を特徴とする。
【0039】したがって、リアルタイムで被制御系にド
ライブ信号を与えることができる。また、適宜制御特性
を更新することで、より忠実に制御特性を再現すること
ができる。
【0040】請求項9の信号制御システムは、制御特性
が、ドライブ信号と主応答との関係を表わす被制御系の
複数の伝達関数を要素とする被制御系の伝達関数マトリ
ックスの所定の逆マトリックスで表現されることを特徴
とする。したがって、比較的単純な形で制御特性を記述
することができる。このため、被制御系の制御特性の把
握、解析が容易となる。
【0041】請求項10の信号制御システムは、時間軸
上の信号に変換された制御目標を要素とする制御目標信
号ベクトルをフーリエ変換して複素フーリエスペクトル
を要素とする制御目標スペクトルベクトルを求め、伝達
関数マトリックスの所定の逆マトリックスと制御目標ス
ペクトルベクトルとの積であるドライブスペクトルベク
トルを求め、ドライブスペクトルベクトルを逆フーリエ
変換してドライブ信号を要素とするドライブ信号ベクト
ルを出力することを特徴とする。
【0042】すなわち、時間軸上の信号で表わされた制
御目標を演算の容易な周波数軸上の量に変換し、変換し
た量と前記逆マトリックスとの積を演算により求め、求
めた積を時間軸上のドライブ信号に再変換する。このよ
うにして、演算時間の短縮を図ることができる。
【0043】請求項11の信号制御システムは、被制御
系が、供試体と、ドライブ信号を受けて複数の加振器に
より供試体に振動を与える振動発生器と、供試体の振動
を一つ以上の応答点において検出する振動検出器とを有
する場合に、供試体に対し、原目標に対し所定の関係を
有する振動を与えることを目的とする。
【0044】したがって、複数の加振器を用いて振動試
験を行なう際、加振器相互間の干渉に基づく応答の歪を
除去することができる。このため、原目標を正確に再現
したり、原目標に対し所望の関係を有する振動を供試体
に正確に与えたりすることができる。
【0045】請求項15の記憶媒体は、請求項1ないし
請求項14のいずれかのシステムまたは方法をコンピュ
ータを用いて実現するためのプログラムを記憶したこと
を特徴とする。したがって、コンピュータに読取らせる
ことにより、信号制御システム等を実現することができ
る。すなわち、さらに容易に、複数のドライブ信号を用
いて駆動される被制御系の応答が原目標に対し所望の関
係を有することとなるよう正確に制御することができる
信号制御システムおよび信号制御方法を提供することが
できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
[システムの構成]図1に、この発明の一実施形態によ
る信号制御システムである振動制御システムの全体ブロ
ック図を示す。振動制御システムは、第2の変換手段で
あるフーリエ変換手段16、26、PSD分析手段1
8、28、第2の制御手段であるPSD制御器12、2
2、第1の変換手段であるランダム波発生器14、2
4、第1の制御手段である多次元波形制御器8を備えて
いる。
【0047】フーリエ変換手段16、PSD分析手段1
8、PSD制御器12、ランダム波発生器14は制御群
10に属する。同様に、フーリエ変換手段26、PSD
分析手段28、PSD制御器22、ランダム波発生器2
4は別の制御群20に属する。
【0048】原目標である原目標PSD、限界値である
監視PSD、制御目標である制御目標PSD、被制御系
2を駆動するためのドライブ信号、ドライブ信号に対す
る被制御系2の応答である応答信号等は、それぞれいず
れの制御群に属するかが定義されている。なお、図1に
おいては説明の便宜のため、制御群が2つの場合を例示
したが、制御群の数は1つであってもよいし、3つ以上
であってもよい。
【0049】応答信号は、振動制御システムの制御入力
として使用される制御応答信号と、システムの監視のた
めのモニタ応答信号(図示せず)とに大別される。制御
応答信号またはモニタ応答信号のうち後述するリミット
制御のために使用される応答信号を特にリミット応答信
号という。したがって、リミット応答信号と制御応答信
号とが、図1に示す振動制御システムの広義の制御入力
として使用されることになる。また、制御応答信号のう
ち多次元波形制御器8の入力として使用される応答信号
を主制御応答信号(主応答に該当する)という。なお、
各制御群において少なくとも一つの制御応答信号が存在
すればよく、モニタ応答信号、リミット応答信号の数は
問わない。また、制御応答信号の全部が主制御応答信号
であってもよく、制御応答信号の一部が主制御応答信号
であってもよい。また、各制御群における主制御応答信
号の数は1以上であればよい。
【0050】この実施形態においては、各応答信号、ド
ライブ信号等は、実質的に時間軸上の信号として表わさ
れる。また、原目標PSD、監視PSD、制御目標PS
D等は、パワースペクトル密度として表わされている。
【0051】制御群10について説明する。フーリエ変
換手段16は、いずれも時間軸上の信号である制御応答
信号およびリミット応答信号を、複素フーリエスペクト
ルに変換するとともに、得られた各複素フーリエスペク
トルに基づいて、これらのパワースペクトル密度である
制御応答PSDおよびリミット応答PSDを算出し、こ
のうちリミット応答PSDをPSD制御器12に与え
る。
【0052】PSD分析手段18は、フーリエ変換手段
16により得られたPSDのうち、各制御応答PSDに
所定の平均化処理を施すことにより、代表制御応答PS
Dを算出し、PSD制御手段12に与える。この実施形
態においては、このようにして得られた代表制御応答P
SDを平均化制御応答PSDとよんでいる。
【0053】なお、PSD分析手段18において、フー
リエ変換手段16により得られた各制御応答PSDに、
所定の最大値抽出処理を施すことにより代表制御応答P
SDを算出し、PSD制御手段12に与えるよう構成す
ることもできる。また、フーリエ変換手段16により得
られた各制御応答PSDに、平均化処理と最大値抽出処
理とを組合せた処理を施すことにより代表制御応答PS
Dを算出し、PSD制御手段12に与えるよう構成する
こともできる。
【0054】PSD制御器12は、平均化制御応答PS
D、リミット応答PSD、原目標PSD、監視PSD、
目標レベル(後述)に基づいて、制御目標PSDを生成
し、ランダム波生成PSDを生成する。
【0055】PSD制御器12は、仮制御目標生成手段
30と制御目標生成手段32とを備えている。仮制御目
標生成手段30は、リミット応答PSDが、与えられた
監視PSDを越えないよう、リミット応答PSD、平均
化制御応答PSD、与えられた原目標PSDおよび目標
レベルに基づいて仮の制御目標を生成する。制御目標生
成手段32は、平均化制御応答PSDが仮の制御目標と
実質的にほぼ等しくなるよう、平均化制御応答PSDと
仮の制御目標とに基づいて制御目標PSDを生成する。
そして、制御目標PSDに、必要な補正をし、ランダム
波生成PSDを生成する。
【0056】ランダム波発生器14は、ランダム波生成
PSDを時間軸上の信号である制御目標信号に変換して
多次元波形制御器8に与える。以上、制御群10につい
て説明したが、制御群20についても同様である。
【0057】多次元波形制御器8は、ランダム波発生器
14、24から与えられた各制御目標信号に基づいて各
ドライブ信号を生成し、これを被制御系2に与える。多
次元波形制御器8は、たとえば制御群10に属する主制
御応答信号が、制御群20に属するドライブ信号の影響
をも受け得ることを考慮し、制御群10に属する主制御
応答信号が、制御群10に属する制御目標信号とほぼ等
しくなるよう閉ループ制御を行ないつつドライブ信号を
生成して被制御系2に与える。制御群20に属するドラ
イブ信号も同様に生成される。
【0058】図2に、図1の多次元波形制御器8の一例
を表わす詳細なブロック図を示す。多次元波形制御器8
は、被制御系の伝達特性を記憶する伝達特性記憶手段3
8、ドライブ信号演算手段40、被制御系の伝達特性を
更新する伝達特性更新手段42、D/A変換器44、A
/D変換器46、制御目標記憶手段48を備えている。
なお、各制御目標信号を要素とするベクトルを制御目標
信号ベクトルと呼び、各ドライブ信号を要素とするベク
トルをドライブ信号ベクトルと呼び、各主制御応答信号
を要素とするベクトルを主制御応答信号ベクトルと呼
ぶ。
【0059】伝達特性記憶手段38は、被制御系の伝達
特性を記憶する。なお、この実施形態においては、被制
御系の伝達特性は、ドライブ信号ベクトルと主制御応答
信号ベクトルとの関係を表わす被制御系2の伝達関数マ
トリックスの所定の逆マトリックスであるイコライゼー
ションマトリックスで表現される。ドライブ信号演算手
段40は、ランダム波発生器14、24(図1参照)に
より生成された制御目標信号ベクトルと、伝達特性記憶
手段38に記憶されている被制御系の伝達特性とに基づ
き、ドライブ信号ベクトルをリアルタイム性の保証のた
めに必要とされる時間内に演算し、D/A変換器44に
よりアナログ信号に変換した後、被制御系2に与える。
【0060】伝達特性更新手段42は、ドライブ信号演
算手段40から出力されたドライブ信号ベクトルと、こ
のドライブ信号ベクトルに対する被制御系2からの主制
御応答信号ベクトルとに基づき、伝達特性記憶手段38
に記憶されている被制御系の伝達特性を更新する。な
お、被制御系2からの主制御応答信号ベクトルは、A/
D変換器46によりデジタル信号に変換され、伝達特性
更新手段42に与えられる。
【0061】制御目標記憶手段48は、制御目標信号ベ
クトルを記憶し、A/D変換器46から入力される応答
信号ベクトルに対応させて出力する。これらの出力は、
後述するバスコントロールボード72を介して、パーソ
ナルコンピュータ76のCRT88に表示される(図5
参照)。
【0062】図3に、図2のドライブ信号演算手段40
の一例を表わす詳細なブロック図を示す。ドライブ信号
演算手段40は、フーリエ変換手段50、乗算手段5
2、逆フーリエ変換手段54を備えている。
【0063】フーリエ変換手段50は、時間軸上の信号
である制御目標信号を要素とする制御目標信号ベクトル
をフーリエ変換して、複素フーリエスペクトルを要素と
する制御目標スペクトルベクトルを求める。乗算手段5
2は、イコライゼーションマトリックスと制御目標スペ
クトルベクトルとの積である、ドライブスペクトルベク
トルを求める。逆フーリエ変換手段54は、ドライブス
ペクトルベクトルを逆フーリエ変換して、時間軸上の信
号であるドライブ信号を要素とするドライブ信号ベクト
ルを出力する。
【0064】図4は、図2のドライブ信号演算手段40
の他の例を表わす詳細なブロック図である。図4の例
は、図3の例におけるフーリエ変換手段50の前に窓操
作手段56を設けるとともに、逆フーリエ変換手段54
の後に重ね合せ手段58を設けたものである。
【0065】窓操作手段56は、制御目標信号ベクトル
を1フレームごとに取り込み、窓操作を行った後、フー
リエ変換手段50に与える。重ね合わせ手段58は、逆
フーリエ変換手段54からの出力を重ね合わせる。この
ように、窓操作処理と重ね合わせ処理とを組合せて行な
うことにより、被制御系の伝達特性が急激に変化したと
してもドライブ信号ベクトルが不連続になることを防止
することができる。なお、特開平2−213908号公
報には、窓操作処理および重ね合わせ処理の詳細が記載
されている。
【0066】[ハードウェア]図1に示す振動制御シス
テムの各機能をDSP(Digital Signal Processor)を
用いて実現した場合のハードウェア構成および被制御系
2の一例を、図5に示す。図5は、図1に示す振動制御
システムが、合計3つの制御群を有する場合の例であ
る。すなわち、振動制御システムは、図中X方向の振動
を制御するX制御群、Y方向の振動を制御するY制御
群、Z方向の振動を制御するZ制御群を有する。
【0067】被制御系2は、供試体90、ドライブ信号
を受けて供試体90に振動を与える振動発生器92、供
試体90の振動を検出する振動検出器である加速度セン
サ94を備えている。振動発生器92は、X方向の振動
を発生するX加振器92x、Y方向の振動を発生するY
加振器92y、Z方向の振動を発生するZ加振器92z
を備えている。加速度センサ94は、X方向の振動を検
出するX加速度センサ94x、Y方向の振動を検出する
Y加速度センサ94y、Z方向の振動を検出するZ加速
度センサ94zを備えている。
【0068】振動制御システムのX制御群と、被制御系
2のX加振器92xおよびX加速度センサ94xとによ
り、X加振群を形成している。同様に、Y制御群と、被
制御系2のY加振器92yおよびY加速度センサ94y
とにより、Y加振群を形成し、Z制御群と、被制御系2
のZ加振器92zおよびZ加速度センサ94zとによ
り、Z加振群を形成している。
【0069】一方、振動制御システムは、DSPボード
62、出力ボード66、アンプ68、入力ボード70、
バスコントロールボード72、パーソナルコンピュータ
76を備えている。DSPボード62、出力ボード6
6、入力ボード70、バスコントロールボード72は、
インターナルバス60を介して相互に接続されている。
バスコントロールボード72にはパーソナルコンピュー
タ76が接続されている。
【0070】パーソナルコンピュータ76は、CPU7
8、主メモリ80、ハードディスク82、FDD(フレ
キシブルディスクドライブ)84、キーボード86、C
RT88を備えている。ハードディスク82には、振動
制御のためのプログラム、原目標PSD、監視PSD等
のデータ等が記憶されている。
【0071】DSPボード62は、高速演算を行なうマ
イクロプロセッサであるDSP63、メモリ64を備え
ている。メモリ64には、バスコントロールボード72
を介して、パーソナルコンピュータ76のハードディス
ク82に記憶されたプログラム等がロードされる。DS
P63は、メモリ64にロードされたプログラムに従っ
て、振動制御処理を実行する。
【0072】DSP63から出力されたドライブ信号
は、D/A変換器44を有する出力ボード66によりア
ナログ信号に変換され、アンプ68により増幅された
後、振動発生器92に与えられる。なお、アンプ68
は、X加振器92xに与えるドライブ信号を増幅するた
めのXアンプ68x、Y加振器92yに与えるドライブ
信号を増幅するためのYアンプ68y、Z加振器92z
に与えるドライブ信号を増幅するためのZアンプ68z
を備えている。
【0073】加速度センサ94により検出された被制御
系2の応答信号(アナログ信号)は、A/D変換器46
を有する入力ボード70によりデジタル信号に変換さ
れ、DSP63に送られる。
【0074】なお、プログラムの起動命令、停止命令な
どは、パーソナルコンピュータ76のキーボード86か
ら入力する。これらの入力は、バスコントロールボード
72を介して、DSP63に伝達される。また、DSP
63によるプログラムの処理結果等は、バスコントロー
ルボード72を介して、パーソナルコンピュータ76の
CRT88に表示される。また、バスコントロールボー
ド72は、A/D変換器46にサンプリングタイミング
を与えるためのサンプリングクロックジェネレータ74
を備えている。
【0075】なお、外部機器(図示せず)との間でのプ
ログラムや各種データの授受は、FDD(フレキシブル
ディスクドライブ)84を介して、フレキシブルディス
ク(図示せず)により行なわれる。
【0076】[システムの動作] −試加振− 図6に、図5に示す振動制御システムにおける動作のフ
ローチャートを表わす。図5、図6に基づいて、振動制
御システムにおける動作を説明する。最初に、被制御系
2の伝達関数マトリックス[H]を求めるために、試加
振を行なう(ステップS2)。試加振の指示は、オペレ
ーターがパーソナルコンピュータ76のキーボード86
を介して、DSP63に与える。
【0077】試加振処理の詳細なフローチャートを図7
に示す。試加振の指示を受けたDSP63は、まずX加
振群、Y加振群、Z加振群に対し、相互に無相関なラン
ダム波を同時に与え、供試体90を同時に加振する。
(ステップS20)。
【0078】DSP63は、振動発生器92に与えられ
たドライブ信号ベクトル{D(t)}を、出力ボード6
6を介して取込むとともに、このドライブ信号ベクトル
{D(t)}に対応する主制御応答信号ベクトル{Re
spP(t)}を、入力ボード70を介して取込む(ス
テップS22)。
【0079】DSP63は、取込んだドライブ信号ベク
トル{D(t)}および主制御応答信号ベクトル{Re
spP(t)}をフーリエ変換して、ドライブスペクト
ルベクトル{D(f)}および主制御応答スペクトルベ
クトル{RespP(f)}を求める(ステップS2
4)。
【0080】DSP63は、求めたドライブスペクトル
ベクトル{D(f)}および主制御応答スペクトルベク
トル{RespP(f)}に基づいて、被制御系2の伝
達関数マトリックス[H]を算出したのち、試加振処理
を終了する(ステップS26)。伝達関数マトリックス
[H]の算出方法については後述する。
【0081】なお、この実施形態においては、X加振
群、Y加振群、Z加振群に対し、相互に無相関なランダ
ム波を同時に与え、供試体90を同時に加振するよう構
成したが(ステップS20)、X加振群、Y加振群、Z
加振群に対し、順番にランダム波を与え、供試体90を
加振群ごとに順次個別に加振するよう構成することもで
きる。この場合には、各加振群に与えるランダム波は、
必ずしも相互に無相関である必要はない。
【0082】−初期値設定、起動− 試加振処理が終了すると、つぎに振動制御システムの各
種初期値の設定を行なったのち、システムを起動する
(図6、ステップS4)。初期値の設定およびシステム
の起動は、オペレーターがパーソナルコンピュータ76
のキーボード86を介して、DSP63に指示を与える
ことにより行なう。
【0083】初期値設定、起動処理の詳細なフローチャ
ート2を図8に示す。初期値設定およびシステム起動処
理の指示を受けたDSP63は、まず、前ステップで算
出した被制御系2の伝達関数マトリックス[H]に基づ
いて、システムのイコライゼーションマトリックス
[G]を算出する(ステップS30)。イコライゼーシ
ョンマトリックス[G]の算出方法については後述す
る。
【0084】つぎにDSP63は、原目標PSDベクト
ル{RefPSD(f)}および監視PSDベクトル{P
PSD(f)}を設定する(ステップS32)。原目標P
SDベクトル{RefPSD(f)}の一例を図15に示
す。原目標PSDベクトル{RefPSD(f)}は、X
加振群の原目標PSD(RefPSD(f)X)、Y加振群
の原目標PSD(RefPSD(f)Y)、Z加振群の原目
標PSD(RefPSD(f)Z)を要素とするベクトルで
ある。監視PSDベクトル{PPSD(f)}の一例を図
29に示す。なお、図29の例では、X加振群の監視P
SD(PPSD(f)X)のみが定義され、Y加振群の監視
PSD(PPSD(f)Y)およびZ加振群の監視PSD
(PPSD(f)Z)は定義されていない。
【0085】つぎにDSP63は、後述するランダム波
(制御目標信号)生成のための乱数初期値の設定を行な
うとともに(ステップS34)、制御目標PSDの初期
値{RctrlPSD(f)0)}及びランダム波生成PS
Dの初期値{RDRPSD(f)0}の設定を行なう(ステ
ップS36)。
【0086】後述するように、ランダム波生成PSDベ
クトル{RDRPSD(f)}は、ランダム波生成処理に
より時間軸上の制御目標信号ベクトル{Rctrl
(t)}(ランダム波ベクトル)に変換されたのち、フ
ーリエ変換されて周波数軸上の制御目標スペクトルベク
トル{Rctrl(f)}となる。すなわち、 {RDRPSD(f)}={|Rctrl(f)|2/△f} ・・・(1) また、ドライブスペクトルベクトル{D(f)}は次式
で与えられる、 {D(f)}=[G]{Rctrl(f)} ・・・(2) したがって式(1)、(2)より、 {RDRPSD(f)}={|[G]-1{D(f)}|2/△f} ・・・(3) この実施形態においては、被制御系2に与えるドライブ
スペクトルベクトル{D(f)}の初期値が、ホワイト
ノイズ{D(f)w}になるよう設定している。したが
って、ランダム波生成PSDベクトルの初期値{RDR
PSD(f)0}は、式(3)より、 {RDRPSD(f)0}={|[G]-1{D(f)w}|2/△f} ・・・(4) であたえられる。
【0087】また、制御目標PSDベクトルの初期値
{RctrlPSD(f)0}も、これと同値とする。
【0088】−ランダム波の生成− 初期値設定、起動処理が終了すると、DSP63は、つ
ぎにランダム波(制御目標信号)生成処理を行なう(図
6、ステップS6)。すなわち、DSP63は、与えら
れたパワースペクトル密度を要素とするランダム波生成
PSDベクトル{RDRPSD(f)}に基づいて、時間
軸上のランダム波(制御目標信号)を要素とする制御目
標信号ベクトル{Rctrl(t)}を生成する。な
お、特公平6−7081号公報には、ランダム波生成処
理の詳細が記載されている。
【0089】この実施形態においては、ドライブスペク
トルベクトル{D(f)}の初期値が、ホワイトノイズ
{D(f)w}になるよう、制御目標PSDベクトルの
初期値{RctrlPSD(f)0}及びランダム波生成P
SDベクトルの初期値{RDRPSD(f)0}を設定する
とともに、制御目標PSDベクトル{Rctrl
PSD(f)}が、徐々に原目標PSDベクトル{Ref
PSD(f)}に近づくよう、制御目標PSDベクトル
{RctrlPSD(f)}及びランダム波生成PSDベ
クトル{RDRPSD(f)}自体を順次更新する(後
述、ステップS16参照)。
【0090】図16に、このような処理がある程度繰り
返された後における制御目標PSDベクトル{Rctr
PSD(f)}の一例を示す。また、図17に、この制
御目標PSDベクトル{RctrlPSD(f)}から求
まるランダム波生成PSDベクトル{RDR
PSD(f)}に基き、当該ステップ(ランダム波生成処
理)において生成された制御目標信号ベクトル{Rct
rl(t)}を示す。
【0091】−ドライブ信号の算出、出力− ランダム波生成処理が終了すると、DSP63はつぎ
に、制御目標信号ベクトル{Rctrl(t)}に基づ
いて、ドライブ信号ベクトル{D(t)}を算出し、こ
れを出力する(図6、ステップS8)。
【0092】ドライブ信号ベクトル算出、出力処理の一
例の詳細なフローチャートを図9に示す。DSP63
は、まず、ランダム波生成処理において生成された時間
軸上の信号を要素とする制御目標信号ベクトル{Rct
rl(t)}をフーリエ変換することにより、複素フー
リエスペクトルを要素とする制御目標スペクトルベクト
ル{Rctrl(f)}を得る(ステップS42)。
【0093】図18にこのステップにおいて得られた制
御目標スペクトルベクトル{Rctrl(f)}を示
す。図18において、ベクトルの各要素すなわちX加振
群の制御目標スペクトル(Rctrl(f)X)、Y加
振群の制御目標スペクトル(Rctrl(f)Y)、Z
加振群の制御目標スペクトル(Rctrl(f)Z
は、それぞれ、振幅成分と位相成分とを有する複素スペ
クトルである。
【0094】DSP63は、つぎに、前に求めておいた
システムのイコライゼーションマトリックス[G]と前
ステップにおいて得られた制御目標スペクトルベクトル
{Rctrl(f)}とに基づいて、前述の式(2)に
従って、ドライブスペクトルベクトル{D(f)}を算
出する(ステップS44)。
【0095】図19にこのステップにおいて得られたド
ライブスペクトルベクトル{D(f)}を示す。なお、
図25に、イコライゼーションマトリックス[G]を示
す。イコライゼーションマトリックス[G]については
後述する。
【0096】DSP63は、つぎに、前ステップにおい
て得られた複素フーリエスペクトルを要素とするドライ
ブスペクトルベクトル{D(f)}を逆フーリエ変換す
ることにより、時間軸上の信号を要素とするドライブ信
号ベクトル{D(t)}を得る(ステップS46)。図
20にこのステップにおいて得られたドライブ信号ベク
トル{D(t)}を示す。
【0097】DSP63は、前ステップにおいて得られ
たドライブ信号ベクトル{D(t)}を、出力ボード6
6およびアンプ68を介して出力する(ステップS4
9)。すなわち、デジタル信号として与えられたドライ
ブ信号ベクトル{D(t)}の各要素D(t)X、D
(t)Y、D(t)Zは、それぞれ出力ボード66のD/
A変換器44によりアナログ信号に変換され、アンプ6
8により増幅された後、振動発生器92を構成するX加
振器92x、Y加振器92y、Z加振器92zをそれぞ
れ駆動する。このようにしてドライブ信号ベクトル算
出、出力処理を行なう。
【0098】ドライブ信号ベクトル算出、出力処理の他
の例を、図10にフローチャートで示す。図10の処理
におけるステップS52〜S56、ステップS59は、
図9の処理におけるステップS42〜S46、ステップ
S49と同様である。すなわち図10の処理において
は、制御目標信号ベクトル{Rctrl(t)}を1フ
レームごとに取り込み、窓操作を行った後(ステップS
50)、フーリエ変換等(ステップS52〜S56)を
行なう。この結果得られた信号を重ね合わせることによ
りドライブ信号ベクトル{D(t)}を得(ステップS
58)、これを出力する(ステップS59)。窓操作処
理と重ね合わせ処理とを組合せて行なうよう構成するこ
とにより、前述のように、イコライゼーションマトリッ
クス[G]が急激に変化した場合であってもドライブ信
号ベクトル{D(t)}が不連続になることはない。
【0099】−応答の採取、フーリエ変換、PSD算出
等− DSP63は、ドライブ信号ベクトル算出、出力処理で
得たドライブ信号ベクトル{D(t)}に基づいて振動
発生器92を駆動し、供試体90を加振する。DSP6
3は、このドライブ信号ベクトル{D(t)}に対応す
る制御系2の各応答信号を要素とする応答信号ベクトル
{Resp(t)}を、入力ボード70を介して取込む
(図6、ステップS10)。
【0100】図21に、このステップにおいて得られた
応答信号ベクトル{Resp(t)}を示す。応答信号
ベクトル{Resp(t)}は、加速度センサ94を構
成するX加速度センサ94x、Y加速度センサ94y、
Z加速度センサ94zによりそれぞれ検出された、X加
振群の応答信号(Resp(t)X)、Y加振群の応答
信号(Resp(t)Y)、Z加振群の応答信号(Re
sp(t)Z)を要素とする。
【0101】図5に示す振動制御システムにおいては、
応答信号ベクトル{Resp(t)}は、制御応答信号
ベクトル{RespC(t)}であり、かつ、主制御応
答信号ベクトル{RespP(t)}でもある。また、
X加振群の応答信号(Resp(t)X)のみは、X加
振群のリミット応答信号(Lmt(t)X)でもある。
なお、図5に示す振動制御システムにおいては、モニタ
応答信号は設定されていない。
【0102】つぎにDSP63は、前ステップで取込ん
だ、時間軸上の信号を要素とする応答信号ベクトル{R
esp(t)}をフーリエ変換し、複素フーリエスペク
トルを要素とする応答スペクトルベクトル{Resp
(f)}を得るとともに、各応答信号のパワースペクト
ル密度を要素とする応答PSDベクトル{RespPSD
(f)}を算出する。この実施形態においては、得られ
た応答スペクトルベクトル{Resp(f)}が主制御
応答スペクトルベクトル{RespP(f)}に対応
し、算出された応答PSDベクトル{Resp
PSD(f)}が制御応答PSDベクトル{RespCPSD
(f)}に対応する。また、X加振軸群の制御応答PS
D(RespCPSD(f)X)は、リミット応答PSD
(LmtPSD(f)X)でもある。さらに、制御応答PS
Dベクトル{RespCPSD(f)}に基づいて平均化
制御応答PSDベクトル{RespMPSD(f)}を算
出する。この実施形態においては、制御応答PSDベク
トル{RespCPSD(f)}が、平均化制御応答PS
Dベクトル{RespMPSD(f)}でもある(ステッ
プS12)。
【0103】図22に、このステップにおいて得られた
主制御応答スペクトルベクトル{RespP(f)}を
示す。また、図23に、このステップにおいて得られた
平均化制御応答PSDベクトル{RespM
PSD(f)}を示す。
【0104】−イコライゼーションマトリックス[G]
の更新− つぎにDSP63は、前ステップで得られた主制御応答
スペクトルベクトル{RespP(f)}と、図9のス
テップS44(または図10のステップS54)におい
て求めたドライブスペクトルベクトル{D(f)}とに
基づいて、イコライゼーションマトリックス[G]の更
新処理を行なう(ステップS14)。
【0105】イコライゼーションマトリックス[G]の
更新処理の一例の詳細なフローチャートを図11に示
す。また図13に、図11等に示す各ステップの処理の
内容を表わすブロック図を示す。まずDSP63は、上
述の主制御応答スペクトルベクトル{RespP
(f)}とドライブスペクトルベクトル{D(f)}と
に基づいて、被制御系2の仮の伝達関数マトリックス
[Htemp]を算出する(ステップS60)。
【0106】仮の伝達関数マトリックス[Htemp]
は、次式により算出される、 [Htemp]=[[SD・D-1[SD・RespP]]T ・・・(5) ただし、 [SD・D]={D(f)}BAR{D(f)}T ・・・(6) [SD・RespP]={D(f)}BAR{RespP(f)}T・・・(7) である。なお、この明細書において、[A]-1は行列
[A]の逆行列、[A]T({A}T)は行列[A](ベ
クトル{A})の転置行列(ベクトル)、[A]BA
R({A}BAR)は行列[A](ベクトル{A})の複素
共役行列(ベクトル)である。
【0107】つぎにDSP63は、前ステップで算出し
た仮の伝達関数マトリックス[Htemp]と、現在の
伝達関数マトリックス[H]とを比較し、所定の基準に
基づいて、伝達関数マトリックス[H]を更新するか否
かを、周波数成分ごとに判断する(ステップS62)。
【0108】伝達関数マトリックス[H]を更新すべき
であると判断した場合、DSP63は、仮の伝達関数マ
トリックス[Htemp]を用い、伝達関数マトリック
ス[H]を更新する(ステップS64)。
【0109】図24に、更新された新たな伝達関数マト
リックス[H]を示す。伝達関数マトリックス[H]
は、3行3列の正方行列である。伝達関数マトリックス
[H]の1行目の要素である伝達関数HXX、HXY、HXZ
は、それぞれ、図19のドライブスペクトルベクトル
{D(f)}の各要素すなわちX加振群のドライブスペ
クトル(D(f)X)、Y加振群のドライブスペクトル
(D(f)Y)、Z加振群のドライブスペクトル(D
(f)Z)と、図22の主制御応答スペクトルベクトル
{RespP(f)}の要素の一つであるX加振群の主
制御応答スペクトル(RespP(f)X)との間の伝
達関数である。同様に、図24に示す伝達関数マトリッ
クス[H]の2行目の要素である伝達関数HYX、HYY
YZは、それぞれ、ドライブスペクトルベクトル{D
(f)}の各要素とY加振群の主制御応答スペクトル
(RespP(f)Y)との間の伝達関数であり、3行
目の要素である伝達関数HZX、HZY、HZZは、それぞ
れ、ドライブスペクトルベクトル{D(f)}の各要素
とZ加振群の主制御応答スペクトル(RespP(f)
Z)との間の伝達関数である。
【0110】つぎにDSP63は、更新された伝達関数
マトリックス[H]に基づいて、イコライゼーションマ
トリックス[G]を更新する(ステップS66)。イコ
ライゼーションマトリックス[G]は、伝達関数マトリ
ックス[H]の逆行列として次式により算出される、 [G]=[H]-1 ・・・(8) 図25に、更新された新たなイコライゼーションマトリ
ックス[G]を示す。
【0111】なお、ステップS62において、伝達関数
マトリックス[H]の更新が妥当でないと判断した場合
は、DSP63は、伝達関数マトリックス[H]および
イコライゼーションマトリックス[G]の更新を行なわ
ずに、制御をステップS16(図6参照)に移す。
【0112】−制御目標PSD及びランダム波生成PS
Dの更新− このようにして、イコライゼーションマトリックス
[G]を更新処理を終えると、DSP63は制御目標P
SDベクトル{RctrlPSD(f)}及びランダム波
生成PSD{RDRPSD(f)}の更新を行なう(図
6、ステップS16)。
【0113】制御目標PSDベクトル{RctrlPSD
(f)}及びランダム波生成PSD{RDR
PSD(f)}の更新処理の一例の詳細なフローチャート
を図12に示す。また図14に、図12等に示す各ステ
ップの処理の内容を表わすブロック図を示す。この実施
形態においては、制御目標PSDベクトル{Rctrl
PSD(f)}及びランダム波生成PSD{RDR
PSD(f)}の更新を行なう際、X加振群においてはリ
ミット制御をも行なうよう構成し、Y加振群およびZ加
振群においてはリミット制御を行なわないよう構成して
いる。X加振群を例に、制御目標PSD(Rctrl
PSD(f)X)及びランダム波生成PSD(RDR
PSD(f)x)の更新処理(リミット制御処理を含む)を
説明する。以下、説明の便宜のため必要に応じ、添字<
m>、<m+1>を用いる。添字<m>は現在の制御状
態を表わし、添字<m+1>は次回の制御状態を表わす
ものとする。
【0114】リミット制御処理は、被制御系2の応答の
うち次回のリミット応答PSD(LmtPSD(f)
X<m+1>)が、与えられた監視PSD(PPSD(f)X)を
越えないように、次回の制御目標PSD(Rctrl
PSD(f)X<m+1>)を設定する処理である。
【0115】図26、図27はリミット処理の概念を説
明するための模式図である。同図に基づいて、リミット
処理の概念を説明する。図26に示すように、現在、リ
ミット応答PSD(LmtPSD(f)X<m>)は監視PS
D(PPSD(f)X)を越えておらず、平均化制御応答P
SD(RespMPSD(f)X<m>)も原目標PSD(R
efPSD(f)X)に達していないとする。この場合、次
回の予測平均化制御応答PSD(RespMPSD(f)
X<m+1>)が原目標PSD(RefPSD(f)X)に近づく
よう、次回の制御目標PSD(RctrlPSD(f)
X<m+1>)(図示せず)を設定すると、次回の予測リミッ
ト応答PSD(LmtPSD(f)X<m+1>)が、突出部に
おいて監視PSD(PPSD(f)X)を越えてしまうとす
る。そこで、次回の制御目標PSD(Rctrl
PSD(f)X<m+1>)を設定するに際し、次回の制御目標
PSD(RctrlPSD(f)X<m+1>)の当該突出部に
対応する部分の値のみを小さく設定することで、次回の
予測リミット応答PSD(LmtPSD(f)X<m+1>
が、監視PSD(PPSD(f)X)を越えないようにする
ことができる。これがリミット処理である。
【0116】図12、図14に示すように、DSP63
は、まず伝達率(Trans《f》X<m>)を算出する
(ステップS70)。伝達率(Trans《f》X<m>
は、ステップS12(図6参照)で求めた平均化制御応
答PSD(RespMPSD(f)X<m>)と、リミット応
答PSD(LmtPSD(f)X<m>)とに基づいて、次式
に従って算出する、 Trans《f》X<m> =LmtPSD(f)X<m>/RespMPSD(f)X<m> ・・・(9)。
【0117】伝達率(Trans《f》X<m>)は、
周波数軸上の実スペクトルとして表わされる無次元量で
ある。したがって、次回の平均化制御応答PSD(Re
spMPSD(f)X<m+1>)が与えられれば、現在の伝達
率(Trans《f》X<m>)を用いて、次回のリミット
応答PSD(LmtPSD(f)X<m+1>)を推定すること
ができる。この明細書において、”B《f》”は、Bが
周波数軸上の実スペクトルとして表わされる無次元量で
あることを示す。
【0118】なお、図5に示すシステムにおいては、前
述のように、リミット応答PSD(LmtPSD(f)X
は平均化制御応答PSD(RespMPSD(f)X)と同
一である。したがって、この場合、式(9)より、Tr
ans《f》X<m>=1となる。
【0119】つぎにDSP63は、次回の抑制係数(L
im《f》X<m+1>)を算出する(ステップS72)。抑
制係数(Lim《f》X<m+1>)を算出する手順を説明す
る。
【0120】まず、次回の予測リミット応答PSD(L
mtPSD(f)X<m+1>)を算出する。次回の予測リミッ
ト応答PSD(LmtPSD(f)X<m+1>)は、前ステッ
プで求めた伝達率(Trans《f》X<m>)、原目標P
SD(RefPSD(f)X)、次回の目標レベル(Lvl
X<m+1>)を用いて、次式に従って算出する、 LmtPSD(f)X<m+1> =RefPSD(f)X × LvlX<m+1> × Trans《f》X<m> ・・・(10) 上式において、次回の目標レベル(LvlX<m+1>)は、
次回の平均化制御応答PSD(RespMPSD(f)
X<m+1>)を原目標PSD(RefPSD(f)X)にどの程
度近づけるかを指定するためのスカラー量(0<Lvl
X<m+1>≦1)であり、プログラムにより自動的に決定さ
れるか、または、キーボード86を介して手動で入力さ
れる。
【0121】つぎに、次回の抑制係数(Lim《f》
X<m+1>)を算出する。次回の抑制係数(Lim《f》
X<m+1>)は、次回の予測リミット応答PSD(Lmt
PSD(f)X<m+1>)、監視PSD(PPSD(f)X)に基
づいて、次式に従って算出する、 Lim《f》X<m+1>=1 (if PPSD(f)X/LmtPSD(f)X<m+1>≧1) Lim《f》X<m+1>=PPSD(f)X/LmtPSD(f)X<m+1> (if PPSD(f)X/LmtPSD(f)X<m+1><1) ・・・(11) 図27Aは、図26の場合における抑制係数(Lim
《f》X<m+1>)を示す模式図である。
【0122】このようにして抑制係数(Lim《f》
X<m+1>)を算出した後、DSP63は、次回の仮の制御
目標PSD(RtempPSD(f)X<m+1>)を算出する
(ステップS74)。次回の仮の制御目標PSD(Rt
empPSD(f)X<m+1>)は、前ステップで算出した抑
制係数(Lim《f》X<m+1>)、前述の原目標PSD
(RefPSD(f)X)、次回の目標レベル(Lvl
X<m+1>)を用いて、次式に従って算出する、 RtempPSD(f)X<m+1> =RefPSD(f)X × LvlX<m+1> × Lim《f》X<m+1> ・・・(12) 図27Bに、図26の場合における仮の制御目標PSD
(RtempPSD(f)X<m+1>)を示す。ステップS7
0〜ステップS74が、リミット制御処理である。
【0123】つぎにDSP63は、次回の補正係数k
《f》X<m+1>を算出する(ステップS76)。補正係数
k《f》X<m+1>は、現在の制御目標PSD(Rctrl
PSD(f)X<m>)と、これに対応する平均化制御応答P
SD(RespMPSD(f)X<m>)とに基づいて、次式
に従って算出する、 k《f》X<m+1> =(RctrlPSD(f)X<m>/RespMPSD(f)X<m>1/Q ・・・(13) 式(13)において、Qはシステムの制御の収束性を調
整するための係数であり、たとえば、Q=4とする。
【0124】つぎにDSP63は、次回の制御目標PS
D(RctrlPSD(f)X<m+1>)を算出する(ステッ
プS78)。制御目標PSD(RctrlPSD(f)
X<m+1>)は、前ステップで算出した補正係数k《f》
X<m+1>と、ステップS74で算出した仮の制御目標PS
D(RtempPSD(f)X<m+1>)とに基づいて、次式
に従って算出する、 RctrlPSD(f)X<m+1> =RtempPSD(f)X<m+1>×k《f》X<m+1> ・・・(14)。
【0125】また、現在の平均化制御応答PSD(Re
spMPSD(f)X<m>)とこれに対応するランダム波生
成処理の元になるランダム波生成PSD(RDR
PSD(f)X<m>)との制御応答伝達率(r
《f》X<m+1>)を次式によって算出しておく、 r《f》X<m+1>=RespMPSD(f)X<m>/RDRPSD
(f)X<m>
【0126】そして、次回のランダム波生成PSD(R
DRPSD(f)X<m+1>)を算出する。
【0127】ランダム波生成PSD(RDRPSD(f)
X<m+1>)は、先に算出した制御目標PSD(Rctrl
PSD(f)X<m+1>)と制御応答伝達率(r
《f》X<m+1>)から次式に従って算出する、 RDRPSD(f)X<m+1>=RctrlPSD(f)X<m+1>
r《f》X<m+1>
【0128】このようにしてX加振群について制御目標
PSD(RctrlPSD(f)X)及びランダム波生成P
SD(RDRPSD(f)x)の更新処理を行なう。Y加振
群およびZ加振群についても同様の処理を行なう。ただ
し、前述のように、図5に例示するシステムにおいて
は、Y加振群およびZ加振群についてはリミット制御を
行なわないよう構成している。すなわち、Y加振群およ
びZ加振群については、ステップS72の式(11)に
替えて、次式を用いる、 Lim《f》Y<m+1>=1 ・・・(15) Lim《f》Z<m+1>=1 ・・・(16) 図28に、図5に示すシステムにおける抑制係数ベクト
ル{Lim《f》<m+1>}を示す。
【0129】DSP63は、このようにして制御目標P
SDベクトル{RctrlPSD(f)}及びランダム波
生成PSD{RDRPSD(f)}を更新した後、図6に
示すように、制御をステップS6に戻し、同様の動作
(ステップS6〜ステップS16)を繰り返す。
【0130】図29に、X加振群についてリミット制御
を行なった場合の平均化制御応答PSDベクトル{Re
spMPSD(f)}を示す。図29に示すように、平均
化制御応答PSDベクトル{RespMPSD(f)}の
うち、リミット制御を行なっていないY加振群の平均化
制御応答PSD(RespMPSD(f)Y)は、図15の
原目標PSD(RefPSD(f)Y)に現在の目標レベル
(LvlY)を乗じたもの(「目標レベルの原目標PS
D」という。)とほとんど同じになっている。Z加振群
の平均化制御応答PSD(RespMPSD(f)Z)も同
様である。一方、リミット制御を行なったX加振群の平
均化制御応答PSD(RespMPSD(f)X)は、必ず
しもX加振群における目標レベルの原目標PSDと一致
してしないことがわかる。なお、図29の平均化制御応
答PSDベクトル{RespMPSD(f)}は、各加振
軸の目標レベル(LvlX)、(LvlY)、(Lv
Z)がいずれも0dB(=1)の場合のデータであ
る。
【0131】DSP63は、所定時間にわたり上述の動
作(ステップS6〜ステップS16)を繰り返すことに
より、供試体90に対する振動試験を行なう。ただし、
上述の動作のうち、イコライゼーションマトリックス
[G]の更新処理または制御目標PSD及びランダム波
生成PSDの更新処理に関する動作(ステップS10〜
ステップS16)については、毎ループごとに実行して
もよいが、数ループに一回だけ実行するよう構成するこ
とができる。
【0132】[他の実施形態]なお、図5に示す実施形
態においては、モニタ応答を設定しなかったが、モニタ
応答を設定することもできる。この場合、リミット応答
として、モニタ応答を指定することもできる。
【0133】また、X加振群にのみリミット応答を設定
したが、Y加振群、Z加振群にもリミット応答を設定す
ることができる。
【0134】また、一つの加振群に2以上のリミット応
答を設定することもできる。この場合、当該加振群のい
ずれのリミット応答も対応する監視PSDを越えること
のないよう、当該加振群の制御目標を調整することもで
きる。
【0135】また、リミット応答として、制御応答同
様、応答点の加速度を用いたが、リミット応答として、
制御応答と異なる量、たとえば、応答点の速度、変位、
応力等を用いることもできる。
【0136】またリミット制御の限界値として監視PS
Dを用いたが、リミット制御の限界値としてPSD以外
のスペクトル値(周波数の関数として与えられる値)を
用いることができる。また、リミット制御の限界値とし
ては、スペクトル値以外に、たとえばrms値(自乗平
均値)等を用いることもできる。さらに、これらを組合
せて使用することもできる。
【0137】なお、リミット制御を行なわないよう構成
することもできる。
【0138】また、図5に示す実施形態においては、各
加振群における制御応答と主制御応答とが一致するよう
構成したが、一つの加振群において制御応答を複数設
け、当該制御応答のうち適当なものを主制御応答として
用いることもできる。
【0139】一つの加振群において制御応答を複数設け
た場合、第2の制御手段への入力として、当該複数の制
御応答の最大値、平均値、またはこれらの組合せを用い
ることができる。複数の制御応答の平均値を求める際、
各制御応答に重みを付けることもできる。
【0140】また、各加振群において主制御応答をそれ
ぞれ一つ設定したが、一つの加振群に2以上の主制御応
答を設定することもできる。この場合、各主制御応答に
重みを付けることもできる。
【0141】また、図5に示す実施形態においては、各
加振群においてドライブ信号(加振器)をそれぞれ一つ
設定したが、一つの加振群に2以上のドライブ信号を設
定することもできる。
【0142】また、図5に示す実施形態においては、ド
ライブ信号の数と主制御応答の数とが一致するよう設定
したが、ドライブ信号の数と主制御応答の数とが異なっ
ていてもよい。この場合、ドライブ信号の数と主制御応
答の数とが異なる場合にも適用することができるよう、
イコライゼーションマトリックス[G]を求める前述の
式(8)に代え、次式を用いればよい、 [G]=[H]+ ・・・(17) 式(17)において、[H]+は、伝達関数マトリック
ス[H]の”Moore-Penrose”一般逆行列である。な
お、”Moore-Penrose”一般逆行列の詳細については、
「射影行列 一般逆行列 特異値分解」(柳井晴夫/竹
内啓 著:東京大学出版会)に記載されている。
【0143】なお、上述の実施形態においては、各加振
群に属する制御目標PSDを、対応する加振群に属する
応答(制御応答、リミット応答)に基づいて生成するよ
う構成したが、各加振群に属する制御目標PSDを、対
応する加振群以外の加振群に属するリミット応答をも参
照して生成するよう構成してもよい。
【0144】また、上述の実施形態においては、ドライ
ブ信号演算手段は、時間軸上の信号である制御目標信号
ベクトルをいったん周波数軸上の信号に変換し、所定の
行列積演算を行なった後、その演算結果を再び時間軸上
の信号に変換することでドライブ信号ベクトルを得るよ
う構成したが、制御目標信号ベクトルを周波数軸上の信
号に変換することなく、そのままコンボリュージョン演
算を行なうことによりドライブ信号ベクトルを得るよう
構成することもできる。なお、特開平2−213908
号公報には、コンボリュージョン演算の詳細が記載され
ている。
【0145】また、上述の実施形態においては、DSP
63は、ハードディスク82に記憶されメモリ64にダ
ウンロードされたプログラムにしたがい、各部を制御す
る。このプログラムは、FDD84を介して、プログラ
ムが記憶されたフレキシブルディスクから読み出されて
ハードディスク82にインストールされたものである。
なお、フレキシブルディスク以外に、CD−ROM、I
Cカード等のプログラムを記憶したコンピュータ可読の
記憶媒体から、ハードディスク82にインストールさせ
るようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウン
ロードするようにしてもよい。
【0146】上述の実施形態においては、プログラムを
フレキシブルディスクからハードディスク82にインス
トールさせ、さらにメモリ64にダウンロードさせるこ
とにより、フレキシブルディスクに記憶させたプログラ
ムを間接的にDSP63に実行させるようにしている。
しかし、これに限定されることなく、フレキシブルディ
スクに記憶させたプログラムをFDD84から直接的に
実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによっ
て、実行可能なプログラムとしては、そのままのインス
トールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦
他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮さ
れているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュ
ール部分と組合わせて実行可能なものも含む。
【0147】また、上述の実施形態においては、DSP
を用いて、図1に示す振動制御システムの各機能を実現
した場合を例に説明したが、図1に示す振動制御システ
ムの各機能をDSP以外のコンピュータシステムを用い
て実現することもできる。また、当該各機能の一部また
は全部を、ハードウェアロジックにより実現するよう構
成することもできる。
【0148】また、上述の実施形態においては、この発
明を、振動制御システムに適用した場合を例に説明した
が、この発明はこのようなシステムに限定されるもので
はなく、例えば、被制御系が、位置決め用アクチュエー
タおよび位置検出センサ(又は速度センサ)から構成さ
れる場合や、被制御系が、スピーカ、空間、マイクロホ
ンによって構成される場合や、被制御系が、容器、容器
の一部を出入するピストンをもったアクチュエータ、容
器を満たす流体(気体、液体等)、圧力センサによって
構成される場合にも適用することができる。すなわち、
本発明は、信号制御システム一般に適用することができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による信号制御システム
である振動制御システムの全体ブロック図である。
【図2】図1の多次元波形制御器8の一例を表わす詳細
なブロック図である。
【図3】図2のドライブ信号演算手段40の一例を表わ
す詳細なブロック図である。
【図4】図2のドライブ信号演算手段40の他の例を表
わす詳細なブロック図である。
【図5】図1に示す振動制御システムの各機能をDSP
(Digital Signal Processor)を用いて実現した場合の
ハードウェア構成および被制御系2の一例を示す図面で
ある。
【図6】図5に示す振動制御システムにおける動作のフ
ローチャートを表わす図面である。
【図7】試加振処理の詳細なフローチャートを示す図面
である。
【図8】初期値設定、起動処理の詳細なフローチャート
を示す図面である。
【図9】ドライブ信号算出、出力処理の一例の詳細なフ
ローチャートを示す図面である。
【図10】ドライブ信号算出、出力処理の他の例の詳細
なフローチャートを示す図面である。
【図11】イコライゼーションマトリックス[G]の更
新処理の一例の詳細なフローチャートを示す図面であ
る。
【図12】制御目標PSD及びランダム波生成PSDの
更新処理の一例の詳細なフローチャートを示す図面であ
る。
【図13】図11等に示す各ステップの処理の内容を表
わすブロック図である。
【図14】図12等に示す各ステップの処理の内容を表
わすブロック図である。
【図15】原目標PSDベクトル{RefPSD(f)}
の一例を示す図面である。
【図16】繰り返し処理がある程度進行した状態におけ
る制御目標PSDベクトル{RctrlPSD(f)}の
一例を示す図面である。
【図17】ランダム波生成処理において生成された制御
目標信号ベクトル{Rctrl(t)}を示す図面であ
る。
【図18】制御目標スペクトルベクトル{Rctrl
(f)}を示す図面である。
【図19】ドライブスペクトルベクトル{D(f)}を
示す図面である。
【図20】ドライブ信号ベクトル{D(t)}を示す図
面である。
【図21】応答信号ベクトル{Resp(t)}を示す
図面である。
【図22】主制御応答スペクトルベクトル{RespP
(f)}を示す図面である。
【図23】平均化制御応答PSDベクトル{RespM
PSD(f)}を示す図面である。
【図24】被制御系2の伝達関数マトリックス[H]を
示す図面である。
【図25】システムのイコライゼーションマトリックス
[G]を示す図面である。
【図26】リミット処理の概念を説明するための模式図
である。
【図27】リミット処理の概念を説明するための模式図
である。
【図28】抑制係数ベクトル{Lim《f》}を示す図
面である。
【図29】X加振群についてリミット制御を行なった場
合の平均化制御応答PSDベクトル{RespM
PSD(f)}、およびX加振群の監視PSD(P
PSD(f)X)を示す図面である。
【図30】従来の多次元の振動試験を説明するための図
面である。
【図31】従来のいわゆる多点加振システムを示す図面
である。
【符号の説明】
2・・・・・・被制御系 8・・・・・・多次元波形制御器 10・・・・・制御群 12・・・・・PSD制御器 14・・・・・ランダム波発生器 20・・・・・制御群 30・・・・・仮制御目標生成手段 32・・・・・制御目標生成手段

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のドライブ信号を用いて駆動される被
    制御系の応答が複数のドライブ信号の影響を受け得るこ
    とを考慮して、応答が制御目標と実質的にほぼ等しくな
    るよう閉ループ制御を行ないつつドライブ信号を生成し
    て被制御系に与える第1の制御手段、 応答と与えられた原目標とに基づいて制御目標を生成す
    る第2の制御手段、 を備えたことを特徴とする信号制御システム。
  2. 【請求項2】請求項1の信号制御システムにおいて、 前記第2の制御手段は、応答に基づいて得られた量が原
    目標と実質的にほぼ等しくなるよう制御目標を生成する
    ことを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項1の信号制御システムにおいて、 前記第2の制御手段は、応答に基づいて得られた量が与
    えられた限界値を越えないよう制御目標を生成すること
    を特徴とするもの。
  4. 【請求項4】請求項1の信号制御システムにおいて、 前記第2の制御手段は、 応答に基づいて得られた量が与えられた限界値を越えな
    いよう、当該応答と原目標とに基づいて仮の制御目標を
    生成する仮制御目標生成手段、 応答に基づいて得られた量が仮の制御目標と実質的にほ
    ぼ等しくなるよう、当該応答と仮の制御目標とに基づい
    て制御目標を生成する制御目標生成手段、 を備えたことを特徴とするもの。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかの信号
    制御システムにおいて、 一つ以上の制御群を設定し、各制御群に属する原目標、
    第2の制御手段、制御目標、ドライブ信号および応答を
    定義するとともに、各制御群に属する応答のうち一つ以
    上の所定の応答を当該制御群の主応答と定義し、 前記第1の制御手段は、各制御群に属する主応答が、対
    応する制御群以外の制御群に属するドライブ信号の影響
    をも受け得ることを考慮して、各制御群に属する主応答
    が、対応する制御群に属する制御目標と実質的にほぼ等
    しくなるよう制御し、 各制御群に属する前記第2の制御手段は、対応する制御
    群に属する応答と原目標とに基づいて対応する制御群に
    属する制御目標を生成することを特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項5の信号制御システムにおいて、 前記各制御群に属する第2の制御手段は、対応する制御
    群以外の制御群に属する応答をも参照して、対応する制
    御群に属する制御目標を生成することを特徴とするも
    の。
  7. 【請求項7】請求項5ないし請求項6のいずれかの信号
    制御システムにおいて、 前記応答のうち主応答を含む少なくとも一部の応答およ
    びドライブ信号は、実質的に時間軸上の信号として表わ
    され、 前記原目標および制御目標は、周波数軸上の振幅スペク
    トルに対応する量として表わされ、 時間軸上の信号に変換して第1の制御手段に与える第1
    の変換手段、 時間軸上の信号として表わされた応答を周波数特性に対
    応する量に変換して第2の制御手段に与える第2の変換
    手段、 を備えたことを特徴とするもの。
  8. 【請求項8】請求項7の信号制御システムにおいて、 前記第1の制御手段は、 制御特性を記憶する制御特性記憶手段、 第1の変換手段により時間軸上の信号に変換された制御
    目標と、制御特性記憶手段に記憶されている制御特性と
    に基づき、ドライブ信号をリアルタイム性の保証のため
    に必要とされる時間内に演算し、被制御系に与えるドラ
    イブ信号演算手段、 ドライブ信号演算手段から出力されたドライブ信号と、
    このドライブ信号に対する被制御系からの主応答とに基
    づき、制御特性記憶手段に記憶されている制御特性を更
    新する制御特性更新手段、 を備えたことを特徴とするもの。
  9. 【請求項9】請求項8の信号制御システムにおいて、 前記制御特性は、ドライブ信号と主応答との関係を表わ
    す被制御系の複数の伝達関数を要素とする被制御系の伝
    達関数マトリックスの所定の逆マトリックスで表現され
    ることを特徴とするもの。
  10. 【請求項10】請求項9の信号制御システムにおいて、 ドライブ信号演算手段は、 時間軸上の信号に変換された制御目標を要素とする制御
    目標信号ベクトルをフーリエ変換して、複素フーリエス
    ペクトルを要素とする制御目標スペクトルベクトルを求
    めるフーリエ変換手段、 前記伝達関数マトリックスの所定の逆マトリックスと制
    御目標スペクトルベクトルとの積である、ドライブスペ
    クトルベクトルを求める乗算手段、 ドライブスペクトルベクトルを逆フーリエ変換して、ド
    ライブ信号を要素とするドライブ信号ベクトルを出力す
    る逆フーリエ変換手段、 を備えたことを特徴とするもの。
  11. 【請求項11】請求項1ないし請求項10のいずれかの
    信号制御システムにおいて、 被制御系が、 供試体、 ドライブ信号を受けて複数の加振器により供試体に振動
    を与える振動発生器、 供試体の振動を一つ以上の応答点において検出する振動
    検出器、 を有する場合に、 供試体に対し、原目標に対し所定の関係を有する振動を
    与えることを目的とするもの。
  12. 【請求項12】複数のドライブ信号を用いて駆動される
    被制御系の応答が複数のドライブ信号の影響を受け得る
    ことを考慮して、応答が制御目標と実質的にほぼ等しく
    なるよう閉ループ制御を行ないつつドライブ信号を生成
    して被制御系に与え、 応答と与えられた原目標とに基づいて制御目標を生成す
    ることを特徴とする信号制御方法。
  13. 【請求項13】請求項12の信号制御方法において、 応答に基づいて得られた量が与えられた限界値を越えな
    いよう、当該応答と原目標とに基づいて仮の制御目標を
    生成し、 応答に基づいて得られた量が仮の制御目標と実質的にほ
    ぼ等しくなるよう、当該応答と仮の制御目標とに基づい
    て制御目標を生成することを特徴とするもの。
  14. 【請求項14】請求項12ないし請求項13のいずれか
    の信号制御方法において、 一つ以上の制御群を設定し、各制御群に属する原目標、
    制御目標、ドライブ信号および応答を定義するととも
    に、各制御群に属する応答のうち一つ以上の所定の応答
    を当該制御群の主応答と定義し、 各制御群に属する主応答が、対応する制御群以外の制御
    群に属するドライブ信号の影響をも受け得ることを考慮
    して、各制御群に属する主応答が、対応する制御群に属
    する制御目標と実質的にほぼ等しくなるよう制御し、 対応する制御群に属する応答と原目標とに基づいて対応
    する制御群に属する制御目標を生成することを特徴とす
    るもの。
  15. 【請求項15】コンピュータが実行可能なプログラムを
    記憶したコンピュータ可読の記憶媒体であって、 前記プログラムは、請求項1ないし請求項14のいずれ
    かのシステムまたは方法を実現するものであることを特
    徴とする記憶媒体。
JP18608797A 1996-07-31 1997-07-11 信号制御システムおよび信号制御方法 Expired - Lifetime JP3220418B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18608797A JP3220418B2 (ja) 1996-07-31 1997-07-11 信号制御システムおよび信号制御方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20211296 1996-07-31
JP8-202112 1996-07-31
JP18608797A JP3220418B2 (ja) 1996-07-31 1997-07-11 信号制御システムおよび信号制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10105252A true JPH10105252A (ja) 1998-04-24
JP3220418B2 JP3220418B2 (ja) 2001-10-22

Family

ID=26503524

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18608797A Expired - Lifetime JP3220418B2 (ja) 1996-07-31 1997-07-11 信号制御システムおよび信号制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3220418B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021096238A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 エミック株式会社 振動試験における加振能力予測評価装置、加振能力予測評価方法及び加振能力予測評価プログラム
JP2021096199A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 振動試験装置および振動試験装置の制御方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7485442B1 (ja) 2024-02-09 2024-05-16 株式会社ミヤワキ 診断装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021096238A (ja) * 2019-12-17 2021-06-24 エミック株式会社 振動試験における加振能力予測評価装置、加振能力予測評価方法及び加振能力予測評価プログラム
JP2021096199A (ja) * 2019-12-19 2021-06-24 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 振動試験装置および振動試験装置の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3220418B2 (ja) 2001-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6772074B2 (en) Adaptation performance improvements for active control of sound or vibration
US11703415B2 (en) High intensity vibration testing using an empirically modified reference specification and method thereof
JP6518631B2 (ja) 非ガウス性振動制御装置
JP2008102127A (ja) 振動試験装置
US10295434B2 (en) Direct field acoustic testing system, controls, and method
JP3220418B2 (ja) 信号制御システムおよび信号制御方法
JP3396425B2 (ja) 振動台制御装置
JP2021117855A (ja) 振動試験装置
JPH07133842A (ja) 能動型振動制御装置
JP3204448B2 (ja) 信号制御システムおよび相関情報付加システム
US5517426A (en) Apparatus and method for adaptive closed loop control of shock testing system
KR100381564B1 (ko) 진동 테이블의 파형 제어 장치와 그 방법, 및 그 파형 제어 장치를 구비한 진동 장치
JP3495595B2 (ja) 振動台制御装置
JPH09506444A (ja) 繰り返し事象を制御する適応制御システム
JP4569514B2 (ja) 適応ノッチフィルタ
JP3626858B2 (ja) 振動台波形歪制御装置
Kaminski Adaptive gradient-based Luenberger observer implemented for electric drive with elastic joint
JPH07334165A (ja) 車両の振動制御装置および振動制御方法
JP4092877B2 (ja) 適応制御装置および振動台
JP4092878B2 (ja) 振動台及びその制御装置並びに制御方法
JPH08339191A (ja) 振動騒音制御装置
JP2827603B2 (ja) 能動型騒音制御装置
JP2012141532A (ja) 能動騒音低減装置
JP3011418B2 (ja) 波形制御装置および方法
JP3697702B2 (ja) 車両の振動制御装置および振動制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090810

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090810

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100810

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110810

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120810

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130810

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term