JPH10104292A - 静電容量検出回路および静電容量型センサ装置 - Google Patents

静電容量検出回路および静電容量型センサ装置

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JPH10104292A
JPH10104292A JP27684696A JP27684696A JPH10104292A JP H10104292 A JPH10104292 A JP H10104292A JP 27684696 A JP27684696 A JP 27684696A JP 27684696 A JP27684696 A JP 27684696A JP H10104292 A JPH10104292 A JP H10104292A
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秀信 梅田
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克幸 石井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線性にすぐれた静電容量検出回路および静
電容量型センサ装置を提供する。 【構成】 静電容量検出回路はRC発振回路であり,3
段に縦属接続されたインバータ回路11A ,11B および11
C ,センサとしての可変コンデンサ10,ならびに帰還抵
抗12および13から構成され,帰還抵抗13に並列に接続さ
れた直線性補正用コンデンサ14が接続されている。外圧
が加えられることにより可変コンデンサ10の静電容量が
変化し,この静電容量は静電容量検出回路の発振周波数
として表わされる。被測定外力と出力発振周波数との関
係は,直線性補正用コンデンサ14によって直線性をもつ
ように補正されるので,被測定外力の正確な値を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】この発明は静電容量型センサ装置およびこ
のセンサ装置の一部を構成する静電容量検出回路に関す
る。静電容量型センサ装置には静電容量型圧力センサ装
置や静電容量型加速度センサ装置等が含まれる。
【0002】
【背景技術とその問題点】図18は静電容量型圧力センサ
の断面図である。(A) は圧力が加えられる前の状態を,
(B) は圧力が加えられている状態をそれぞれ示してい
る。これらの図において,作図の便宜上,および分かり
やすくするために肉厚が強調して描かれている。このこ
とは,後に説明する他の図についても同様である。
【0003】静電容量型圧力センサ100 は上基板101 と
下基板102 とから構成され,これらが相互に接合されて
いる。下基板102 は周囲のフレーム部102aとこのフレー
ム部102aに支持された薄いダイヤフラム部102bとから構
成される。ダイヤフラム部102bには凹部が形成され,こ
の凹部の底面に可動電極104 が形成されている。
【0004】上基板101 にはダイヤフラム部102bに対向
する面に固定電極103 が設けられている。固定電極103
と可動電極104 との間には微小な間隙があり,これらの
電極103 と104 とによってセンサ部(コンデンサ)が構
成される。固定電極103 および可動電極104 は配線パタ
ーンおよび接続孔(いずれも図示略)を通して上基板10
1 の上面に形成された外部接続電極(図示略)にそれぞ
れ電気的に接続され,さらに外部接続電極にボンディン
グされたワイヤを通して静電容量(圧力)検出回路(図
示略)に接続される。
【0005】ダイヤフラム部102bの凹部内,すなわち固
定電極103 と可動電極104 との間の空間には基板101 ま
たは102 に形成された導通孔(図示略)から大気が導入
される。ダイヤフラム部102bに外部から加えられる圧力
と大気圧との差圧が検出される。固定電極103 と可動電
極104 との間の空間を真空に保つようにしてもよい。こ
の場合には,加えられる圧力の絶対圧が検出される。
【0006】上基板101 をガラス基板により,下基板10
2 を半導体(シリコン)基板によりそれぞれ形成するこ
とができる。この場合には,ガラス基板101 と半導体基
板102 とは陽極接合される。また,半導体基板102 は不
純物の存在により導電性をもつ。ダイヤフラム部102bが
可動電極として働くので,可動電極104 を設けなくても
よい。両基板101 と102 とをともに半導体基板により実
現することもできる。
【0007】静電容量型圧力センサ100 の下基板102 の
ダイヤフラム102bに圧力が加えられると,これに応じ
て,弾性を有するダイヤフラム102bが変位し,固定電極
103 と可動電極104 との間の静電容量Cが変化する。こ
の静電容量Cの変化または静電容量Cの逆数1/Cの変
化(一般的には逆数1/Cがセンサ出力として用いられ
る)に基づいて圧力が検出される。
【0008】図19は片持ち梁型の静電容量型加速度セン
サを示す。(A) は加速度が加えられる前の状態を,(B)
は加速度が加えられている状態をそれぞれ示している。
【0009】静電容量型加速度センサ110 もまた,上基
板111 と下基板112 とから構成されている。上基板111
はフレーム部(または支持部)111aと,梁部111bと,梁
部111bに片持ち状に支持された逆角錐台状の重り部111c
とから構成されている。フレーム部111aにおいて上基板
111 と下基板112 とが互いに接合されている。上基板11
1 を半導体基板により形成することができる。下基板11
2 は半導体基板またはガラス基板により形成される。
【0010】梁部111bはかなり薄く形成されている。重
り部111cもフレーム部111aよりも少し薄くつくられ,重
り部111cの下面と下基板112 との間には間隙が設けられ
ている。重り部111cの下面には可動電極114 が形成され
ている。他方,下基板112 の可動電極114 に対向する箇
所には,固定電極113 が形成されている。固定電極113
と可動電極114 とは間隙をもって互いに対向し,センサ
部(コンデンサ)を構成している。上基板111 が半導体
基板によって形成されている場合には,可動電極114 を
形成する必要はない。
【0011】静電容量型加速度センサ110 に加速度が加
えられると,これに応じて梁部111bが変形し,固定電極
113 と可動電極114 との間の静電容量Cが変化し,これ
に基づいて加えられる加速度が検出される。
【0012】このような構造をもつ静電容量型センサに
おいては,静電容量の逆数(1/C)の特性の非直線性
が大きいという問題がある。その理由の一つとして,可
動電極(ダイヤフラム部,重り部)が平行移動しないこ
とが挙げられる。
【0013】具体的に説明すると,図18に示す静電容量
型圧力センサ100 においては,ダイヤフラム部102bの両
端がフレーム部102aに固定されているため,ダイヤフラ
ム部102bは圧力を受けるとたわむ。このたわみはダイヤ
フラム部102bの中央部分において最大となり,両端部分
において最小となる。このため固定電極103 と可動電極
104 との間の距離は場所によって異なるものとなる。図
19に示す静電容量型加速度センサ110 においては,重り
部111cの一端が梁部111bに支持されている。このため加
速度が加えられると,固定電極113 と可動電極114 との
間の距離はこれらの電極の先端部において最も近くな
る。
【0014】固定電極と可動電極とが平行状態にあると
き,静電容量型センサの静電容量Cs (以下,センサ容
量という)は次式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】ここで,εは可動電極と固定電極との間の
空間の誘電率,dは両電極間の距離,kは比例定数,S
は電極面積である。
【0017】図20は静電容量型圧力センサに加えられた
被測定圧力Pとセンサ容量Cs の逆数1/Cs との関係
を示すグラフである。破線のグラフはセンサ容量の逆数
1/Cs が被測定圧力Pの変化に対してリニアに変化す
る理想形を示している。実線のグラフは被測定圧力Pと
センサ容量の逆数1/Cs との実際の関係を示してい
る。
【0018】ダイヤフラム部が平行移動しないので,実
線で示すように,被測定外力Pとセンサ容量の逆数1/
Cs とは線形関係を示さなくなる。
【0019】このような問題を解決するために,ダイヤ
フラム部に硬い材料を用いることによりそのたわみを小
さくする方法や,差圧検出型とする方法が採られてい
る。差圧検出型の静電容量型圧力センサは,上述したよ
うに,ダイヤフラム部の表裏面に被測定圧力と基準圧力
(たとえば大気圧)をそれぞれ導入し,その圧力差によ
りダイヤフラム部を変形させるものである。絶対圧力を
検出する場合に比べて,一般に,基準圧力と被測定圧力
との差は小さいから,ダイヤフラム部のたわみが小さく
なる。
【0020】ところが,ダイヤフラム部に硬い材料を用
いる方法では,たわみが生じにくくなりセンサ感度が悪
くなる。また,差圧検出型とする方法は,大気圧を導入
するための構造をセンサ装置に設ける必要があるため,
装置全体の製造コストが上がってしまうという問題があ
る。以上のことは,静電容量型加速度センサにもいえ
る。
【0021】図21は従来の静電容量検出回路の一例を示
している。この検出回路は静電容量を周波数に変換する
ものである。
【0022】この静電容量検出回路は帰還型RC発振回
路を含み,3段に縦属接続されたインバータ回路121A,
121Bおよび121C,抵抗値がそれぞれRμおよびRである
帰還抵抗122 および123 ,ならびにインバータ回路121B
と121Cとの接続点と,抵抗122 と123 との接続点との間
に接続された可変コンデンサ120 (静電容量をCs とす
る)によって構成されるものである。可変コンデンサ12
0 は静電容量型センサのセンサ部(固定電極と可動電
極)によって構成されるものである。この検出回路の出
力発振周波数f1 は次式によって表される。
【0023】
【数2】
【0024】ここで,インバータ回路121A,121Bおよび
121Cのスレッショルド電圧VTHを1/2VDD(VDDは電
源電圧)としている。αはインバータ回路121A,121Bお
よび121Cの遅延時間によって定まる定数であり,たとえ
ばα=2.2である。
【0025】式2から分かるように発振周波数f1 は静
電容量の逆数1/Cs に比例するので,この発振回路の
出力周波数f1 も図20に実線で示す非線形性をそのまま
引き継いでいる。
【0026】半導体型の静電容量型センサにおいては寄
生容量によってもその特性の直線性が悪化する。寄生容
量はセンサの電極を外部接続電極に接続する配線パター
ンの存在等によって生じる。静電容量型センサに寄生容
量が存在する場合の静電容量検出回路の等価回路が図22
に示されている。寄生容量Cp は可変コンデンサ120に
並行に接続されたコンデンサ124 として表されている。
この静電容量検出回路の出力発振周波数f2 は次式で表
される。
【0027】
【数3】
【0028】図23は,被測定圧力Pと静電容量検出回路
の出力(発振周波数)の直線性誤差との関係を示すグラ
フである。寄生容量が存在する場合が実線で,寄生容量
が存在していない場合が破線で,それぞれ示されてい
る。直線性誤差とは,測定可能な圧力範囲(フルレン
ジ)において,検出回路の現実の出力を表す特性曲線
(被測定圧力と検出回路の出力との関係を表す)の理想
的な特性直線からのずれを言う。寄生容量が存在するこ
とによって直線性誤差が大きくなる。
【0029】このように静電容量型センサでは,出力特
性の非直線性がセンサの構造的な要因(たわみ,傾き
等)だけでなく,センサの電気的な要因(寄生容量の発
生)によっても生じる。
【0030】
【発明の開示】この発明は,静電容量検出回路の出力特
性をできるだけ直線性に近づけるように補正しようとす
るものである。
【0031】この発明は,静電容量成分と抵抗成分とを
含み,これらの値によって発振周波数が定まるRC発振
回路を備え,上記静電容量成分として静電容量型センサ
のセンサ容量が用いられる静電容量検出回路において,
上記抵抗成分に並列に直線性補正用コンデンサが接続さ
れていることを特徴とする。
【0032】RC発振回路はインバータ回路,シュミッ
ト・トリガ・インバータ回路,コンパレータ回路,タイ
マ回路等のICを用いて多様な構成とすることができる。
【0033】この発明によると,静電容量検出回路のR
C発振回路の抵抗成分に直線性補正用コンデンサを接続
するだけで静電容量検出回路の出力特性の直線性を向上
させることができる。
【0034】この発明による直線性の補正は,従来の静
電容量検出回路の抵抗成分に用いられていたパルス発振
回路の帰還抵抗に新たな静電容量素子を並列に付加する
だけの比較的簡易な構成によって行われる。コンデンサ
を接続するだけで達成できるので,コストが非常に安
い。静電容量型センサの直線性誤差に合わせてコンデン
サの値を選べばよいので,どんな直線性誤差をもつ静電
容量型センサにも対応できる。静電容量型センサの設計
時に直線性を考慮しなくてよいので,設計の自由度が高
くなる(直線性のために感度を下げたりしなくてもよ
い)。差動型としなくてもよいので,センサのコストも
安くなる。
【0035】この発明による静電容量型センサ装置は,
静電容量型センサのセンサ容量と第1の抵抗成分とを含
み,これらの値によって発振周波数が定まる第1のRC
発振回路,参照用静電容量と第2の抵抗成分とを含み,
これらの値によって発振周波数が定まる第2のRC発振
回路,および第1のRC発振回路の発振周波数と上記第
2のRC発振回路の発振周波数とを比較する手段を備え
ているものである。
【0036】第1のRC発振回路の第1の抵抗成分にの
み直線性補正用コンデンサを並列に接続してもよいし,
第1のRC発振回路の第1の抵抗成分および上記第2の
RC発振回路の第2の抵抗成分にそれぞれ直線性補正用
コンデンサを並列に接続してもよい。
【0037】比較手段は種々の構成で実現できる。たと
えば,比較手段を,第1のRC発振回路の出力パルス信
号を所定時間にわたって計数する第1のカウンタと,第
2のRC発振回路の出力パルス信号を所定時間にわたっ
て計数する第2のカウンタと,第1のカウンタの計数値
と上記第2のカウンタの計数値との差をとる減算器とか
ら構成することができる。
【0038】また,比較手段を,第1のRC発振回路の
出力パルス信号の所定時間にわたる計数値と第2のRC
発振回路の出力パルス信号の所定時間にわたる計数値と
の差を計数するアップ・ダウン・カウンタによって実現
できる。
【0039】さらに上記比較手段を,第1のRC発振回
路の発振周波数を電圧に変換する第1のf/V変換回路
と,上記第2のRC発振回路の発振周波数を電圧に変換
する第2のf/V変換回路と,上記第1および第2のf
/V変換回路の出力電圧の差をとる差動回路とから構成
することができる。
【0040】この発明によると,参照用静電容量をもつ
第2のRC発振回路を設け,この第2のRC発振回路の
出力を基準として,静電容量型センサのセンサ容量をも
つ第1のRC発振回路の出力を補正している。したがっ
て,第1のRC発振回路のオフセット調整が可能であ
り,外部環境の変化(たとえば温度変化,電流電圧変
動)にかかわらず常に正確な測定が可能となる。
【0041】RC発振回路に直線性補正用コンデンサを
設けることにより,直線性の補正も可能である。
【0042】直線性の補正は比較手段を次のように構成
することによっても実現できる。
【0043】すなわち,比較手段は,第1のRC発振回
路の出力パルス信号によってトリガされる第1の単安定
マルチバイブレータと,第1の単安定マルチバイブレー
タの出力信号を整流する第1の整流回路と,第2のRC
発振回路の出力パルス信号によってトリガされる第2の
単安定マルチバイブレータと,第2の単安定マルチバイ
ブレータの出力信号を整流する第2の整流回路と,第1
の整流回路の出力信号と上記第2の整流回路の出力信号
との差をとる差動回路と,差動回路の出力を上記第1お
よび第2の単安定マルチバイブレータ回路の充放電回路
にそれぞれフィードバックする帰還回路とから構成され
る。
【0044】上記の静電容量検出回路および静電容量型
センサ装置は外力測定装置に応用できる。直線補正機能
を有するので血圧測定装置,ガスメータ等の圧力や加速
度を測定する装置に使用した場合に,直線性のよい正確
な測定値を得ることができる。
【0045】
【実施例】図1はこの発明の実施例を示すもので,静電
容量型センサのセンサ容量を周波数に変換する静電容量
検出回路を示している。
【0046】図1に示す静電容量検出回路は帰還型RC
パルス発振回路である。3段に縦属接続されたインバー
タ回路11A ,11B および11C (たとえば74HC04),抵抗
値がそれぞれRμおよびRである帰還抵抗12および13,
インバータ11B と11C との接続点と,抵抗12と13との接
続点との間に接続された可変コンデンサ10(静電容量を
Cs とする),ならびに帰還抵抗13に並列に接続された
直線性補正用コンデンサ14(静電容量をCz とする)に
よって構成されている。可変コンデンサ10は静電容量型
センサのセンサ部であり,これは可動電極と固定電極
(図18に示す可動電極104 と固定電極103 ,または図19
に示す可動電極114 と固定電極113 )によって構成され
ている。図21に示す従来の静電容量検出回路と比較する
と,帰還抵抗13に並列に接続された直線性補正用コンデ
ンサ14が追加されている。
【0047】静電容量型圧力センサに圧力が加えられる
と,これに応じて可変コンデンサ10の静電容量Cs が変
化する。検出回路の出力発振周波数Fは次式によって表
される。
【0048】
【数4】
【0049】ここで,インバータ回路11A ,11B および
11C のスレッショルド電圧VTHを1/2VDD(VDDは電
源電圧)としている。αはインバータ回路11A ,11B お
よび11C の遅延時間によって定まる定数であり,たとえ
ばα=2.2 である。帰還抵抗12と13の抵抗値はRμ<
Rの関係にある。
【0050】図2は静電容量型圧力センサに加えられた
被測定圧力P[kPa] と静電容量検出回路の発振周波数[H
z]との関係を示すグラフである。実線のグラフは直線性
補正用コンデンサ14が設けられた検出回路(図1)の特
性を示している。破線のグラフは直線性補正用コンデン
サ14が設けられていない検出回路(図21)の特性を示し
ている。
【0051】図2のグラフから,直線性補正用コンデン
サ14を設けることによって静電容量検出回路の出力(発
振周波数)の直線性が向上することがわかる。特に被測
定圧力が小さい状態において,直線性補正の効果が大き
い。また,センサ容量Cs の小さい静電容量型センサ装
置ほど,直線性補正用コンデンサによる補正効果が高
い。
【0052】直線性補正用コンデンサを備えた静電容量
検出回路は特に半導体静電容量型センサに適用するとそ
の効果が大きい。半導体静電容量型センサは,センサを
構成する部材に半導体材料を用いたものであり,たとえ
ば図18に示す静電容量型圧力センサの少なくとも下基板
102 をシリコン半導体基板で構成したものである。半導
体静電容量型センサは一般に,そのセンサ部(可動電極
と固定電極)のゼロ点容量(圧力が加えられていない状
態の静電容量)やスパン容量(静電容量の変化範囲)が
小さいという特徴がある。半導体静電容量型センサでは
また,その直線性は,上述したように寄生容量によって
も悪化する。式3から分るように,寄生容量Cp の影響
は静電容量型センサCs が小さいほど大きい。直線性補
正用コンデンサによる直線性の補正は,センサ容量Cs
が小さいほど高い効果をあげることができるので,半導
体静電容量型センサにおいて特に有効である。
【0053】図3は被測定圧力P [kPa]と図1に示す静
電容量検出回路の出力(発振周波数)の直線性誤差[%]
との関係を示すグラフである。静電容量検出回路におい
て,帰還抵抗13の抵抗値Rは100 [kΩ],可変コンデン
サ10のゼロ点容量は10[pF],そのスパン容量は5[pF]で
ある。グラフには,直線性補正用コンデンサ14の静電容
量Cz が0,1,2,3および4[pF]の場合がそれぞれ
示されている。
【0054】図3に示すグラフから,2[pF]の静電容量
Cz をもつ直線性補正用コンデンサ14を用いた場合に,
直線性誤差を最も小さくすることができることが分か
る。静電容量検出回路の特性に応じて直線性補正効果の
最も大きい静電容量Cz をもつ直線性補正用コンデンサ
を選択して,検出回路に接続すればよい。
【0055】このようにして,直線性補正用コンデンサ
をもつ静電容量検出回路は次の効果をもつ。 (1) 直線性補正用コンデンサを付加するだけでよいので
コストが非常に安い。 (2) 静電容量型センサの直線性誤差に合わせて直線性補
正用コンデンサの容量Cz の値を選定すればよいのでど
んな直線性誤差の静電容量型センサにも対応できる。し
たがって,静電容量型センサの設計時に直線性を必ずし
も考慮しなくてもよく,設計の自由度が高くなる(直線
性のために感度を下げたりしなくてもよい)。 (3) 差動型とする必要は必ずしもないので,センサのコ
ストも安くなる。
【0056】式4の導出について説明する。図4は図1
に示す静電容量検出回路の出力電圧波形を示している。
図5はインバータ回路11C がt=0において反転する前
後の図1における鎖線内の回路の等価回路であり,(A)
は反転直前の状態を,(B)は反転直後の状態をそれぞれ
示している。
【0057】t=−0(反転直前)の回路状態(図5
(A)) t=−0において,インバータ回路11C は入力電圧が0
[V](Low),出力電圧がVDD[V](Hi) である。可変コ
ンデンサ10および直線性補正用コンデンサ14に蓄えられ
る電荷QS1,QZ1は次式によって表される。
【0058】
【数5】
【0059】ここで,インバータ回路11C が反転する直
前の可変コンデンサ10の電圧VCR(t=−0)がインバ
ータ回路のスレッショルド電圧に等しい(VCR(-0)=V
TH=1/2VDD)と考えると,式5は次のようになる。
【0060】
【数6】
【0061】t=+0(反転直後)の回路状態(図5
(B)) t=0を境に,インバータ回路11A ,11B および11C は
反転する。インバータ回路11C の入力電圧はVDD[V]
に,出力電圧は0[V]となる。可変コンデンサ10および
直線性補正用コンデンサ14の電荷をそれぞれQS2および
Z2とすると,インバータ回路が反転した直後における
直線性補正用コンデンサ14の電圧VCR(+0)は次式によっ
て表される。
【0062】
【数7】
【0063】通常,可変コンデンサ10の静電容量Cs は
直線性補正用コンデンサ14の静電容量Cz よりも大きい
(Cs はCz の2倍程度)。この点を考慮すると,反転
直前の可変コンデンサ10および直線性補正用コンデンサ
14の電荷QS1およびQZ1,反転直後の可変コンデンサ10
および直線性補正用コンデンサ14の電荷QS2およびQZ2
は,次の関係をもつ。
【0064】
【数8】 式7は,式6および式8を用いて次式のように表すこと
ができる。
【数9】 電圧VCR(t) はt>+0において次式によって表され
る。
【数10】
【0065】VCRが再びスレッショルド電圧VTHに達す
る時間をxとする。発振周波数Fは次式によって表わさ
れる。
【数11】 式10からxを導くと次式のようになる。
【数12】 式12を式11に代入することによって,図1に示す静電容
量検出回路の発振周波数F(式4)が導き出される。
【0066】式4において,Cz としてCs /4および
Cs /2を代入すると次式が得られる。
【0067】
【数13】
【0068】
【数14】
【0069】式13および式14からセンサ容量Cs に対す
る静電容量Cz の割合が大きいほど発振周波数Fが高く
なることが分る。圧力センサにおいては圧力が高くなけ
ればセンサ容量Cs は大きくなる。上述したように(図
2),センサ容量Cs がより小さい範囲で直線性補正用
コンデンサの効果は大きい。
【0070】図6は静電容量検出回路の他の例を示して
いる。この検出回路は,2つの直線性補正用コンデンサ
14a および14b が帰還抵抗13に並列に設けられている点
でのみ図1に示す検出回路と異なっている。帰還抵抗13
に並列に接続する直線性補正用コンデンサの数を加減す
ることによって,直線性の補正効果が最も高くなるよう
に静電容量Cz を調整することができる。2つまたはそ
れ以上の直線性補正用コンデンサを互いに直列に接続し
てもよい。検出回路の製作の自由度を高めることができ
る。
【0071】図7から図9はさらに他の静電容量検出回
路を示す。図7から図9に示す静電容量検出回路はいず
れもRC発振回路を含む。
【0072】図7において,静電容量検出回路はシュミ
ット・トリガ・インバータ回路21(たとえば74HC14)を
含み,その帰還抵抗23および静電容量型センサのセンサ
容量である可変コンデンサ20によってRC回路が構成さ
れている。帰還抵抗23に並列に直線性補正用コンデンサ
24が接続されている。
【0073】図8に示す静電容量検出回路は演算増幅器
31を含む。演算増幅器31の反転および非反転入力端子に
帰還抵抗33および35がそれぞれ接続され,さらに帰還抵
抗33に可変コンデンサ30(静電容量型センサのコンデン
サ)が,帰還抵抗35に抵抗36が接続されたコンパレータ
型のものである。帰還抵抗33に直線性補正用コンデンサ
34が並列に接続されている。
【0074】図9において静電容量検出回路は2つのタ
イマ回路41(たとえば74HC123A)を含んでいる。これら
のタイマ回路41においてCk (k=1,2 )は外付容量端
子,Ak ,Bk は制御端子,Qk は出力端子,Rk はリ
セット端子,R/Cは外付抵抗容量端子を表している。
端子C1 とR/Cとの間に静電容量型センサの可変コン
デンサ40が接続され,この端子R/Cに抵抗43が接続さ
れ,RC回路を構成している。直線性補正用コンデンサ
44は抵抗43に並列に接続されている。
【0075】このような様々な構成のRC発振回路を含
む静電容量検出回路においても,その発振回路の抵抗R
成分に並列に直線性補正用コンデンサを接続することに
よって,容量Cを構成する静電容量型センサの可変コン
デンサに加えられる被測定圧力と発振周波数とがほぼ直
線性をもつように補正することができる。
【0076】図10は静電容量型センサ装置の電気的構成
を示すブロック図である。この静電容量型センサ装置は
2系統のブロックを含む。一方のブロックは圧力測定用
であり,パルス発振回路52とカウンタ54A とから構成さ
れる。他方のブロックは参照用であり,パルス発振回路
53とカウンタ54B とから構成される。ブロックの出力側
が減算器55に接続されている。
【0077】パルス発振回路52および53は上述したRC
発振回路を含む静電容量検出回路であり,同じ特性をも
つ。これらのパルス発振回路には直線性補正用コンデン
サも接続されている。
【0078】パルス発振回路52の可変コンデンサ50とし
て静電容量型圧力センサのセンサ部(固定電極と可動電
極)が用いられている。静電容量型圧力センサに圧力が
加えられると,これに応じて可変コンデンサ50の静電容
量Cs が変化する。パルス発振回路52の出力パルスはカ
ウンタ54A に与えられる。カウンタ54A はパルス発振回
路52の出力パルスのパルス数を一定時間計算する。パル
ス発振回路52の計数出力は減算器55に与えられる。
【0079】他方,パルス発振回路53には参照用コンデ
ンサ51が設けられている。参照用コンデンサ51も可変コ
ンデンサ50と同じ構成(可動電極および固定電極から構
成される)であることが好ましい。この参照用コンデン
サ51には圧力は加えられない。
【0080】参照用コンデンサ51(静電容量をCr とす
る)は,オフセット値の(ゼロ点容量)の調整および外
部環境の変化(温度,電線電圧等の変化)を補償するも
のであり,可変コンデンサ50と同一構成で,圧力の印加
が無いことを除いて設置条件も可変コンデンサ50と同じ
になるように設定または配置される。
【0081】外部環境の変化に応じて参照用コンデンサ
51の静電容量Cr が変化する。パルス発振回路53の出力
パルスはカウンタ54B に与えられ,そこで一定時間計算
される。その計数値は減算器55に与えられる。
【0082】減算器55においてカウンタ54A の計数値か
らカウンタ54B の計数値が減算され,その結果が測定圧
力を表わす信号として外部に出力される。この減算によ
ってオフセット値が調整され,かつ外部環境の変化によ
る影響が取り除かれた被測定圧力の検出値が生成され
る。カウンタ54A と54B とは同期して駆動させることが
好ましい。
【0083】パルス発振回路52に設けられた直線性補正
用コンデンサによってセンサ装置(パルス発振回路)の
出力特性の直線性が向上する。パルス発振回路53にも直
線性補正用コンデンサが設けられているので,参照用コ
ンデンサ51の静電容量Cr の変化も良向な直線性をもっ
て計測される。さらに参照用コンデンサ51を含むパルス
発振回路53およびカウンタ54B により構成されるブロッ
クの存在によって,オフセット調整および外部環境の変
化の補償が行なわれるので,より正確な圧力測定結果を
得ることができる。
【0084】図11は,静電容量型センサ装置の他の電気
的構成を示すブロック図である。図10に示すものと同じ
ものには同一符号を付し,重複説明を避ける。
【0085】この静電容量型センサ装置は,可変コンデ
ンサ50を備えたパルス発振回路52,参照用コンデンサ51
を備えたパルス発振回路32およびアップ・ダウン・カウ
ンタ56から構成される。
【0086】アップ・ダウン・カウンタ56は,入力パル
スを加算する加算カウント・モードと入力パルスを減算
する減算カウント・モードとを備えている。加算カウン
ト・モードと減算カウント・モードとは,アップ・ダウ
ン・カウンタ56に加えられる制御信号によって切り替え
られる。
【0087】アップ・ダウン・カウンタ56はまず加算カ
ウント・モードに設定される。圧力測定用可変コンデン
サ50を備えたパルス発振回路52の出力パルスはアップ・
ダウン・カウンタ56に与えられ,一定時間の間計数され
る。
【0088】上記の一定時間が経過した後,アップ・ダ
ウン・カウンタ56は減算カウント・モードに切り替えら
れる。減算カウント・モードにおいて,アップ・ダウン
・カウンタ56は参照用コンデンサ51を備えたパルス発振
回路53の出力パルスを,加算カウント・モードで計数し
た計数値から減算していく。加算カウント・モードにお
ける動作時間と同じ一定時間の減算が終了すると,アッ
プ・ダウン・カウンタ56は最終的な計数値を圧力を表わ
す信号として出力する。
【0089】図12はさらに他の静電容量型センサ装置の
電気的構成を示すブロック図を示す。図12においても図
10に示すものと同一物には同一符号を付して重複説明を
避ける。
【0090】この静電容量型センサ装置もまた2系統の
ブロックを含む。一方のブロックは,圧力測定用可変コ
ンデンサ50を備えたパルス発振回路52とPWM(Pulse
Width Modulation)回路57A と整流回路58A とから構成
される。他方のブロックは,参照用コンデンサ51を備え
たパルス発振回路53とPWM回路57B と整流回路58Bと
から構成される。これらのブロックの出力側が差動増幅
回路59に接続されている。PMW回路57A ,57B はたと
えば単安定マルチバイブレータにより構成される。この
静電容量型センサ装置は被測定圧力を出力アナログ電圧
で表わす。
【0091】静電容量型圧力センサに圧力が加えられる
と,これに応じて可変コンデンサ50の静電容量Cs が変
化する。パルス発振回路52には直線性補正用コンデンサ
が設けられているので,パルス発振回路52の出力は直線
性をもつように補正される。発振回路52の出力はPWM
回路57A に与えられる。
【0092】PWM回路57A はパルス発振回路31の出力
発振周波数をパルス幅に変換する。PWM回路57A の出
力は整流回路58A に与えられ,整流される。整流回路58
A から出力される直流信号は差動増幅回路59に与えられ
る。この直流信号の電圧レベルは可変コンデンサ50の容
量の逆数1/Cs を表わす。
【0093】一方,参照用コンデンサ51が設けられたパ
ルス発振回路53の出力はPWM回路57B および整流回路
58B を通って直流信号に変換された後,差動増幅回路59
に与えられる。整流回路58B から差動増幅回路59に与え
られる直流信号は外部環境の変化や可変コンデンサ50の
ゼロ点容量を表わす。
【0094】差動増幅回路59において,整流回路58A の
出力電圧から整流回路58B の出力電圧が減算が増幅され
る。この減算によって可変コンデンサ50のゼロ点容量が
除去され,外部環境の変化が補償される。
【0095】図13はさらに他の構成の静電容量型センサ
装置の電気的構成を示すブロック図を示している。図14
は図13に示すブロックの出力波形図である。図15は図13
に示すブロック図を具体的に表わす回路図である。この
図において,PWM回路57A,57B の単安定マルチバイ
ブレータはたとえばREXT/CEXTである。
【0096】図13に示す静電容量型センサ装置は図12に
示す回路と次の点で異なっている。その1は,パルス発
振回路54および55として,図21に示す直線性補正用コン
デンサの設けられていない従来の静電容量検出回路が用
いられている点である。その2は,差動増幅回路59の出
力がPWM回路57A および57B に帰還抵抗60A ,60Bを
介してフィードバックされている点である。
【0097】パルス発振回路54および55には直線性補正
用コンデンサが設けられていないので,被測定圧力と出
力(発振周波数)との間の直線性は悪い。しかしなが
ら,差動増幅回路59の出力をPWM回路57A および57B
に帰還抵抗60A および60B を用いて帰還させることによ
ってセンサ装置の出力の直線性を向上させることができ
る。
【0098】先に式2を用いて説明したように,パルス
発振回路54,55の発振周期は次式で表わされる。
【0099】
【数15】
【0100】
【数16】
【0101】ここでTS ,fS は発振回路54の発振周
期,発振周波数,Rは帰還抵抗,Csは可変コンデンサ5
0の静電容量である。また,TR ,fR は発振回路55の
発振周期,発振周波数,Rは帰還抵抗,Cr は参照用コ
ンデンサ51の静電容量である。αは変数である。
【0102】PWM回路57A ,57B はそれぞれ,発振回
路54,55の出力パルスの立下りをトリガとして一定パル
ス幅(これをa,bとする)のパルスを出力する。この
パルス幅a,bは発振周期TS ,TR が変わっても変化
しない。パルスの高さは電流電圧VDDに等しい 。
【0103】PWM回路57A ,57B の出力は整流回路58
A ,58B でそれぞれ整流される。整流回路58A ,58B の
出力電圧はそれぞれ次式で与えられる。
【0104】
【数17】
【0105】
【数18】
【0106】これらの電圧VS とVR が差動増幅回路59
において増幅度Aで差動増幅されるので,出力電圧Vou
t は次式で与えられる。
【0107】
【数19】
【0108】式19から分かるように,差動増幅回路59の
出力電圧Vout は,PWM回路57A,57B の出力するパ
ルス電圧のパルス幅a,bの値によって変化する。パル
ス幅a,bはPMW回路57A ,57B の単安定マルチバイ
ブレータが不安定状態にある時間を表わすから,不安定
状態が長い場合にはパルス幅a,bは大きくなり,不安
定状態が短い場合にはパルス幅a,bは小さくなる。
【0109】単安定マルチバイブレータの不安定状態
は,上述のように,パルス発振回路54,55の出力パルス
の立ち下がりの時点から開始され,単安定マルチバイブ
レータの時定数によって定まる時間継続する。この時定
数は単安定マルチバイブレータ57A ,57B に設けられた
コンデンサの充電時間によって規定される(図15におい
てC1,C2で示す)。すなわちコンデンサC1,C2の充
電時間を変化させることによって時定数を調節し,単安
定マルチバイブレータの出力パルスのパルス幅a,bを
変化させることができる。
【0110】コンデンサC1,C2の充電時間が短くなる
とパルス幅a,bは狭くなる。コンデンサC1,C2の充
電時間が長くなるとパルス幅a,bは広くなる。
【0111】差動増幅回路59の出力電圧Vout は抵抗60
A および60B をそれぞれ介して単安定マルチバイブレー
タ57A,57B内のコンデンサC1,C2に帰還されている。
コンデンサC1 ,C2 の充電時間は帰還される電流量に
よって変化する。すなわち差動増幅回路59の出力電圧V
out が高くなると帰還抵抗60A ,60B を通してコンデン
サC1,C2に流れ込む電流は大きくなる。このためコン
デンサC1,C2の充電時間は短くなり,単安定マルチバ
イブレータ57A ,57B の出力パルスのパルス幅a,bは
狭くなる。他方,出力電圧Vout が低くなるとコンデン
サC1,C2に流れ込む電流量は少なくなり,単安定マル
チバイブレータの出力パルスのパルス幅a,bは広くな
る。
【0112】このようにして,差動増幅回路59の出力電
圧Vout の被測定圧力に対する直線性が向上する。
【0113】図16は,被測定圧力Pと上述した静電容量
型センサ装置の出力電圧の誤差[mV]との関係を示すグラ
フである。帰還抵抗60A ,60B による帰還回路を設けた
場合が実線で,設けない場合が破線で,それぞれ示され
ている。
【0114】差動増幅回路59の出力を単安定マルチバイ
ブレータに帰還させることによって,静電容量型センサ
装置の出力特性が補正され,直線性が向上することがわ
かる。
【0115】必要ならば,パルス発振回路54および55の
帰還抵抗にそれぞれ直線性補正用コンデンサを並列に接
続してもよい。これにより,センサ装置の出力の直線性
がさらに向上する。
【0116】図17は静電容量型センサ装置を利用した血
圧測定装置の構成の概要を示している。
【0117】カフ74と静電容量型圧力センサ装置73とは
ゴム管77で接続されている。圧力センサ装置73には直線
性補正用コンデンサを備えた静電容量検出回路が用いら
れている。ゴム管77にはまたポンプ75が接続され,この
ポンプ75によってカフ74内が加圧される。ゴム管77の途
中には排気弁76が設けられている。制御回路72にはセン
サ装置73入力装置70および出力装置71が接続されてい
る。
【0118】血圧を測定するにはまず,カフ74を被測定
者の上腕部に巻き付ける。キーボードなどの入力装置70
から,必要に応じて,被測定者の年齢や性別等を入力し
血圧測定のスタートを指令する。
【0119】制御回路72は入力装置70からのスタート信
号を受け取ると,排気弁76を閉じ,ポンプ75を起動す
る。これによってカフ74内が加圧されていく。カフ74に
加えられた圧力は圧力センサ装置73によって検知され
る。
【0120】検出された圧力が所定の圧力に達すると,
制御回路72はポンプ75の駆動を停止する。次いで制御回
路72は排気弁76を開き,カフ74内の空気を徐々に抜いて
減圧する。
【0121】求められた最高血圧,最低血圧,脈拍数は
出力装置71の表示装置に表示される。必要ならば,入力
された年齢等を参考にして,血圧値が異常であるかどう
かを判定し,結果表示することもできる。
【0122】直線性補正用コンデンサを備えた静電容量
検出回路を用いることによって,直線性のよい特性をも
つ出力を得ることができるため,より正確な血圧値を検
出することができる。もちろん,図13および図15に示す
構成の回路を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の静電容量検出回路の回路図
である。
【図2】図1に示す検出回路の可変コンデンサに加えら
れる圧力とその検出回路から出力される発振周波数との
関係,および図21に示す従来の検出回路の可変コンデン
サに加えられる圧力とその検出回路から出力される発振
周波数との関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す検出回路の可変コンデンサに加えら
れる圧力とその検出回路から出力される発振周波数の直
線性誤差との関係を,直線性補正用コンデンサの静電容
量Cz を変化させて示すグラフである。
【図4】図1に示す検出回路の出力電圧の波形を示して
いる。
【図5】図1に示す検出回路の鎖線内の等価回路図であ
り,(A) はインバータ回路が反転する直前の状態を,
(B) はインバータ回路が反転した直後の状態を示してい
る。
【図6】静電容量検出回路の他の例を示す回路図であ
る。
【図7】シュミット・トリガ・インバータ回路を用いた
静電容量検出回路の回路図である。
【図8】コンパレータ回路を備えた静電容量検出回路の
回路図である。
【図9】タイマ回路を用いた静電容量検出回路の回路図
である。
【図10】静電容量型センサ装置の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図11】他の静電容量型センサ装置の電気的構成を示
すブロック図である。
【図12】さらに他の静電容量型センサ装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図13】さらに他の静電容量型センサ装置の電気的構
成を示すブロック図である。
【図14】図13に示す静電容量型センサ装置の動作を示
す波形図である。
【図15】図13に示す静電容量型センサ装置のブロック
図を具体的に示す回路図である。
【図16】図13および図15に示す静電容量型センサ装置
の可変コンデンサに加えられる圧力とセンサ装置の出力
電圧誤差との関係を示すグラフであり,センサ装置の出
力を帰還させた場合と,帰還させない場合とを示す。
【図17】血圧測定装置の構成図である。
【図18】静電容量型圧力センサの断面図であり,(A)
は圧力を加える前の状態を,(B)は圧力を加えている状
態を示している。
【図19】片持ち梁型加速度センサの断面図であり,
(A) は加速度を加える前の状態を,(B) は加速度を加え
ている状態を示している。
【図20】静電容量型圧力センサにおける圧力と静電容
量の逆数との関係,およびその理想の関係を示すグラフ
である。
【図21】従来の静電容量検出回路の回路図である。
【図22】図21に示す検出回路の可変コンデンサに発生
した寄生容量を等価的に表した静電容量検出回路の回路
図である。
【図23】図21に示す検出回路の可変コンデンサに加え
られる圧力とその検出回路から出力される発振周波数の
直線性誤差との関係,および図22に示す検出回路の可変
コンデンサに加えられる圧力とその検出回路から出力さ
れる発振周波数の直線性誤差との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
11A ,11B ,11C インバータ回路 10,20,30,40,50 可変コンデンサ 12,13,23,33,35,43 帰還抵抗 14 14a,14b,24,34,44 直線性補正用コンデンサ 23 シュミット・トリガ・インバータ回路 31 オペアンプ 41 タイマ回路 51 参照用コンデンサ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電容量成分と抵抗成分とを含み,これ
    らの値によって発振周波数が定まるRC発振回路を備
    え,上記静電容量成分として静電容量型センサのセンサ
    容量が用いられる静電容量検出回路において,上記抵抗
    成分に並列に直線性補正用コンデンサが接続されている
    ことを特徴とする静電容量検出回路。
  2. 【請求項2】 上記RC発振回路が上記静電容量成分と
    上記抵抗成分とインバータ回路とを含み,上記抵抗成分
    が上記インバータ回路の帰還回路に設けられている,請
    求項1に記載の静電容量検出回路。
  3. 【請求項3】 上記RC発振回路が上記静電容量成分と
    上記抵抗成分とシュミット・トリガ・インバータ回路と
    を含み,上記抵抗成分が上記シュミット・トリガ・イン
    バータ回路の帰還回路に設けられている,請求項1に記
    載の静電容量検出回路。
  4. 【請求項4】 上記RC発振回路が上記静電容量成分と
    上記抵抗成分とコンパレータ回路とを含み,上記抵抗成
    分が上記コンパレータ回路の帰還回路に設けられてい
    る,請求項1に記載の静電容量検出回路。
  5. 【請求項5】 上記RC発振回路が上記静電容量成分と
    上記抵抗成分とタイマ回路を含むものである,請求項1
    に記載の静電容量検出回路。
  6. 【請求項6】 上記静電容量型センサが半導体静電容量
    型センサである,請求項1から5のいずれか一項に記載
    の静電容量検出回路。
  7. 【請求項7】 静電容量型センサのセンサ容量と第1の
    抵抗成分とを含み,これらの値によって発振周波数が定
    まる第1のRC発振回路,参照用静電容量と第2の抵抗
    成分とを含み,これらの値によって発振周波数が定まる
    第2のRC発振回路,および上記第1のRC発振回路の
    発振周波数と上記第2のRC発振回路の発振周波数とを
    比較する手段,を備えた静電容量型センサ装置。
  8. 【請求項8】 上記第1のRC発振回路の第1の抵抗成
    分に直線性補正用コンデンサが並列に接続されている,
    請求項7に記載の静電容量型センサ装置。
  9. 【請求項9】 上記第1のRC発振回路の第1の抵抗成
    分および上記第2のRC発振回路の第2の抵抗成分にそ
    れぞれ直線性補正用コンデンサが並列に接続されてい
    る,請求項7に記載の静電容量型センサ装置。
  10. 【請求項10】 上記比較手段が,上記第1のRC発振
    回路の出力パルス信号を所定時間にわたって計数する第
    1のカウンタと,上記第2のRC発振回路の出力パルス
    信号を所定時間にわたって計数する第2のカウンタと,
    上記第1のカウンタの計数値と上記第2のカウンタの計
    数値との差をとる減算器とから構成されている,請求項
    7から9のいずれか一項に記載の静電容量型センサ装
    置。
  11. 【請求項11】 上記比較手段が,上記第1のRC発振
    回路の出力パルス信号の所定時間にわたる計数値と上記
    第2のRC発振回路の出力パルス信号の所定時間にわた
    る計数値との差を計数するアップ・ダウン・カウンタで
    ある,請求項7から9のいずれか一項に記載の静電容量
    型センサ装置。
  12. 【請求項12】 上記比較手段が,上記第1のRC発振
    回路の発振周波数を電圧に変換する第1のf/V変換回
    路と,上記第2のRC発振回路の発振周波数を電圧に変
    換する第2のf/V変換回路と,上記第1および第2の
    f/V変換回路の出力電圧の差をとる差動回路とから構
    成されている,請求項7から9のいずれか一項に記載の
    静電容量型センサ装置。
  13. 【請求項13】 上記比較手段が,上記第1のRC発振
    回路の出力パルス信号によってトリガされる第1の単安
    定マルチバイブレータと,上記第1の単安定マルチバイ
    ブレータの出力信号を整流する第1の整流回路と,上記
    第2のRC発振回路の出力パルス信号によってトリガさ
    れる第2の単安定マルチバイブレータと,上記第2の単
    安定マルチバイブレータの出力信号を整流する第2の整
    流回路と,上記第1の整流回路の出力信号と上記第2の
    整流回路の出力信号との差をとる差動回路と,上記差動
    回路の出力を上記第1および第2の単安定マルチバイブ
    レータ回路の充放電回路にそれぞれフィードバックする
    帰還回路とから構成されている,請求項7に記載の静電
    容量型センサ装置。
  14. 【請求項14】 請求項1から6のいずれか一項に記載
    の静電容量検出回路,または請求項7から13のいずれ
    か一項に記載の静電容量型センサ装置を備えた外力測定
    装置。
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