JP2013174484A - 流体の流量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルが不要とし、コストダウンを図った水道メータを提供する。
【解決手段】水道メータは、羽根車21、回転減速部22、第1の円板23、第2の円板24、回転検出部40、演算装置50を含んで構成される。回転検出部40は、は、スイッチング回路により、第1乃至第3の結合キャパシタを形成する。そして回転検出部40は、第1の円板23の回転に伴う、第1乃至第3の結合キャパシタの容量値の変化を検出する。演算装置50は、これらの容量値の変化に基づいて第1の円板23の回転角θを電気的に検出するように構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体や気体の流量を電子的に測定することができる流体の流量測定装置に関する。
従来、磁気センサや、LC共振回路を用いた電子式の水道メータが知られている。磁気センサを用いた水道メータについては特許文献1に記載されている。LC共振回路を用いた水道メータは、近年ヨーロッパで使用されている。以下、このLC共振回路を用いた水道メータについて説明する。
図14は、LC共振回路を用いた水道メータの構成を示す模式図である。この水道メータは、羽根車1、回転減速部2、円板3、回転検出部6、演算装置7から構成されている。回転検出部6は、第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のキャパシタ5a、第2のキャパシタ5bを有している。
羽根車1は、水道管の中に設置され、水道水の流量(単位時間当たり水道管の中を流れる水道水の量)に比例した回転速度(単位時間当たりの回転数)で回転する。羽根車1の回転速度は回転減速部2により減速されて、円板3の中心を通る回転シャフトに伝達される。回転減速部2は、歯数が少ない小歯車2aと、この小歯車2aと噛み合わされ歯数が多い大歯車2bを含んで構成され、その減速率は小歯車2aと大歯車2bの歯数比により決定される。歯車の個数、各歯車の歯数は必要とされる減速率に応じて増減できる。これにより、円板3は羽根車1より相当小さい回転速度(例えば、1秒間に一回転)で回転するようになっている。
図15に示すように、円板3は、主表面に配置された半円の金属部3a(例えば、銅からなる)と、この金属部3aを除いた残りの主表面に配置された半円の絶縁体部3b(例えば、樹脂からなる)から構成される。
第1のコイル4aと、第2のコイル4bは円板3の上方に配置される。第1のコイル4aと第1のキャパシタ5aは第1のLC共振回路を形成し、第2のコイル4bと第2のキャパシタ5bは第2のLC共振回路を形成する。
例えば、第1のLC共振回路を起動パルスの印加により起動すると発振信号が発生する。この発振信号の減衰特性は第1のコイル4aが金属部3a上にあるか、絶縁体部3b上にあるかによって異なる。すなわち、第1のコイル4aが金属部3a上にある場合は、第1のコイル4aによる電磁誘導により金属部3aに渦電流が生じることにより、第1のコイル4aのエネルギー損失が多くなる。これにより、第1のLC共振回路の発振信号の減衰は比較的速く起こる。
これに対し、第1のコイル4aが絶縁体部3b上にある場合は、渦電流は生じないので、第1のLC共振回路の発振信号の減衰は比較的遅くなる。したがって、発振信号の減衰特性の差を周期的にサンプリングすることで、各サンプリング時刻において第1のコイル4aの円板3上の位置情報(つまり、金属部3a上にあるか、絶縁体部3b上にあるかの情報)を知ることができる。
演算装置7は、第1のコイル4aの位置情報の時間変化から円板3の回転速度を求める。また、演算装置7は、円板3の回転速度と、回転減速部2の減速率から羽根車1の回転速度を算出する。さらに、演算装置7は、予め知られている羽根車1の回転速度と水道水の流量の関係から、水道水の流量を算出することができる。演算装置7は例えばマイクロコンピュータである。
このような測定原理から、円板3の回転速度を求めるのであれば、第1のLC共振回路だけで足りることが分かるが、第1及び第2のLC共振回路の両方を用いることにより、円板3の回転速度だけでなく回転方向も同時に検出することができる。この場合、第1及び第2のLC共振回路による位置検出の最小サンプリングレートは、次の数式1で表わすことができる。
最小サンプリングレート=2×360°/α×RVmax ・・・(1)
数式1において、αは第1のコイル4aと第2のコイル4bが成す角度、つまり第1のコイル4aと円板3の中心Oとを結ぶ線と、第2のコイル4bと円板3の中心Oとを結ぶ線との成す角度である。RVmaxは円板3の最大回転速度である。
例えば、α=90°である場合、最小サンプリングレートは、8×RVmaxである。円板3の最大回転速度が1回/秒(1秒間に1回転)であるとすると、最小サンプリングレートは、8回/秒となる。
次に、回転検出部6の具体的な構成を図16に基づいて説明する。第1及び第2のLC共振回路は同じ構成を有しているので、ここでは、第1のLC共振回路を含む部分のみを説明する。
図示のように、回転検出部6は、Pチャネル型MOSトランジスタからなる起動トランジスタ10、電流制限用の抵抗R1、第1のコイル4a、第1のキャパシタ5a、コンパレータ11、ラッチ回路12、電源ライン13、平滑用キャパシタ14を含んで構成される。第1のLC共振回路は第1のコイル4aと、第1のキャパシタ5aを並列接続して形成される。
図17に示すように、起動トランジスタ10にLレベル(0V)の起動パルスGPが印加されると、起動トランジスタ10が起動パルスGPのパルス幅twに応じた期間だけオンする。起動パルスGPはサンプリングレートに応じて周期的に発生される。これにより、起動トランジスタ10がオンすると、電源ライン13から起動トランジスタ10を介して第1のLC共振回路に電流が供給されることで第1のLC共振回路が起動され、ノードNに第1の発振信号が発生する。この発振信号の発振周波数foscは数式2で表わされる。
fosc=1/2π×√1/L×C ・・・(2)
Lは第1のコイル4aのインダクタンス、Cは第1のキャパシタ5aの容量である。
コンパレータ11は、この第1の発振信号と基準電圧Vrefを比較する。第1の発振信号の中心電圧は0.5VDDに設定されており、基準電圧Vrefは0.5VDDとVDDの間に設定される。すると、コンパレータ11の出力は、第1の発振信号>Vrefの場合はHレベル、第1の発振信号<Vrefの場合はLレベルになる。コンパレータ11の出力はパルス列になる。
ラッチ回路12は、ラッチパルスRPに応じてコンパレータ11から出力されるパルスをラッチする。この場合、ラッチ回路12は、起動パルスGPの発生から所定の遅延時間t1の後の測定期間t2の間に発生するラッチパルスRPに応じてコンパレータ11から出力されるパルスをラッチするように構成される。
図17に示した第1の発振信号は、第1のコイル4aが絶縁体部3b上にある場合であり、第1の発振信号の減衰は比較的遅くなっている。そのため、測定期間t2においても、第1の発振信号は基準電圧Vrefより高い期間があり、その期間ではコンパレータ11はパルスを出力するため、ラッチ回路12は当該パルスをラッチし、データ「1」(Hレベル)を保持する。
これに対し、第1のコイル4aが金属部3a上にある場合には発振信号の減衰は比較的速くなる。そのため、測定期間t2においては、発振信号は基準電圧Vrefより低く減衰しており、コンパレータ11はパルスを出力しないため、ラッチ回路12はデータ「0」(Lレベル)を保持する。
したがって、第1及び第2のLC共振回路を含む回転検出部6は、図18、図19に示すように、4つの回転状態(a)〜(d)を識別することができる。
回転状態(a)において、第1のコイル4aは金属部3a上にあり、第2のコイル4bは絶縁体部3b上にある。この時、第1のLC共振回路の第1の発振信号は、第2のLC共振回路の第2の発振信号より速く減衰する。そのため、第1及び第2のLC共振回路のラッチ回路12が保持するデータは(0,1)である。
回転状態(b)において、第1のコイル4aと第2のコイル4bの両方が、金属部3a上にある。この時、第1の発振信号と第2の発振信号の両方が速く減衰する。そのため、第1及び第2のLC共振回路のラッチ回路12が保持するデータは(0,0)である。
回転状態(c)において、第1のコイル4aは絶縁体部3b上にあり、第2のコイル4bは金属部3a上にある。この時、第2の発振信号は第1の発振信号より速く減衰する。そのため、第1及び第2のLC共振回路のラッチ回路12が保持するデータは(1,0)である。
回転状態(d)において、第1のコイル4aと第2のコイル4bの両方が、絶縁体部3b上にある。この時、第1の発振信号と第2の発振信号の両方が遅く減衰する。
そのため、第1及び第2のLC共振回路のラッチ回路12が保持するデータは(1,1)である。
したがって、上記の2つのラッチ回路12に保持されるデータの時間変化に基づいて、円板3の回転周期Tを求めることができる。円板3の回転速度は、回転周期Tの逆数の1/Tとなる。この場合、1回のサンプリングで、回転状態(a)〜(d)のいずれかを示すデータが得られるので、サンプリングレートを増加することにより、円板2の回転速度の測定精度を高めることができる。
また、回転状態(a)〜(d)が現れる順番により、円板3の回転方向も決定することができる。すなわち、図19に示すように、回転状態が(a)→(b)→(c)→(d)の順に変化する場合は反時計回りであり、回転状態が逆に(d)→(c)→(b)→(a)の順に変化する場合は時計回りであることが分かる。
特開2008−224320号公報
しかしながら、上述した従来の水道メータでは、高価なコイルを用いているのでコストが高いという問題があった。また、コイルに永久磁石を近づけるとLC共振回路が異常動作するという問題があった。
さらに、LC共振回路の起動時に起動パルスGPの印加により、起動トランジスタ10を瞬間的にオンさせるので、電源ライン13にスパイク電流が流れる。このスパイク電流による電源ライン13の電圧変動が生じ回路の誤動作が生じるおそれがあった。そこで、この電圧変動を抑制するために、大容量の平滑用キャパシタ14を設ける必要があった。
さらにまた、LC共振回路を起動させるためには、起動パルスGPのパルス幅twを高精度に管理する必要があるが、そのためには高周波の基準クロックが必要であった。起動パルスGPのパルス幅twは0.8μ秒程度であるので、10MHz程度の基準クロックが必要であった。また、上述の遅延時間t1を高精度に管理するためにも、同様の高周波の基準クロックが必要であった。
そこで、本発明の目的は、コイルを不要とし、外付け部品点数を削減してコストダウンを図ることである。また、本発明の他の目的は、スパイク電流を抑制することにより大容量の平滑用キャパシタ14を必要とせず、しかも高周波の基準クロックを必要としない水道メータ、また、これを一般化して流体の流量測定装置を提供することである。
本発明の流体の流量測定装置は、主表面に扇形状の共通容量電極と、この共通容量電極を除いた残りの主表面に配置された絶縁体部とを備える第1の円板と、前記第1の円板を流体の流量に比例した回転速度で回転させる回転手段と、前記第1の円板の主表面上に一定距離を隔てて重なるように配置され、主表面にその中心点に対して点対称に配置された扇形状の第1乃至第3の共通容量電極を備える第2の円板と、前記第1乃至第3の容量電極と前記共通容量電極との間にそれぞれ形成される第1乃至第3のキャパシタの容量値を検出する回転検出部と、前記回転検出部によって検出された前記第1乃至第3のキャパシタの容量値に基づいて前記第1の円板の回転速度を算出し、この回転速度に基づいて流体の流量を算出する演算装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の流体の流量測定装置によれば、コイルが不要なので、コストダウンを図ることができると共に、永久磁石を近づけても異常動作することがない。
また、本発明の流体の流量測定装置によれば、起動時にスパイク電流が流れないので、大容量の平滑用キャパシタを設ける必要が無くなる。また、高周波の基準クロックを必要としないので、回路構成を簡略化できる。本発明の流体の流量測定装置は、水道メータに好適であるが、水道水以外の液体、気体の流量の測定装置に適用することができる。
本発明の第1の実施形態における水道メータの構成を示す図である。 第1及び第2の円板の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における回転検出部の回路図である。 本発明の第1の実施形態における結合キャパシタを示す図である。 RC発振回路の回路図である。 RC発振回路の動作波形図である。 回転検出部の動作波形図である。 本発明の第1の実施形態における第1の円板の回転角と結合キャパシタの容量値の関係を示す第1の図である。 本発明の第1の実施形態における第1の円板の回転角と結合キャパシタの容量値の関係を示す第2の図である。 本発明の第1の実施形態における第1の円板の回転角と結合キャパシタの容量値の関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態における回転検出部の回路図である。 本発明の第2の実施形態における結合キャパシタを示す図である。 本発明の第2の実施形態における第1の円板の回転角と結合キャパシタの容量値の関係を示す図である。 従来の水道メータの構成を示す図である。 円板の構成を示す平面図である。 従来の水道メータの回転検出部の回路図である。 従来の水道メータの回転検出部の動作波形図である。 従来の水道メータの回転状態と、発振信号との関係を示す図である。 従来の水道メータの回転状態と、回転検出部のラッチ回路の保持データとの関係を示す図である。
[第1の実施形態]
<水道メータの全体構成>
図1は、本実施形態の水道メータの構成を示す模式図である。図2は、第1の円板23、第2の円板24の平面図である。この水道メータは、羽根車21、回転減速部22、第1の円板23、第2の円板24、回転検出部40、演算装置50を含んで構成されている。
羽根車21は、水道管の中に設置され、水道水の流量(単位時間当たり水道管の中を流れる水道水の量)に比例した回転速度(単位時間当たりの回転数)で回転する。羽根車21の回転速度は回転減速部22により減速されて、第1の円板23の中心O1を通る回転シャフトに伝達される。回転減速部22は、歯数が少ない小歯車22aと、この小歯車22aと噛み合わされ歯数が多い大歯車22bを含んで構成され、その減速率は小歯車22aと大歯車22bの歯数比により決定される。歯車の個数、各歯車の歯数は必要とされる減速率に応じて増減できる。これにより、第1の円板23は羽根車21より相当小さい回転速度(例えば、1秒間に一回転)で回転するようになっている。第2の円板24は、第1の円板23に対して一定距離を隔てて重なるように固定して配置される。第1の円板23と第2の円板24との間には空気のような気体層が存在する。つまり、第1の円板23は回転可能であるが、第2の円板24は回転しないようになっている。
図2(a)に示すように、第1の円板23は、主表面に配置された扇形状の共通容量電極23a(例えば、銅からなる)と、この共通容量電極23aを除いた残りの主表面に配置された扇形状の絶縁体部23b(例えば、樹脂からなる)から構成される。共通容量電極23aの中心角αは240°であり、絶縁体部23bの中心角は120°である。
図2(b)に示すように、第2の円板24は、主表面にその中心点O2に対して点対称に配置された扇形状の第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cを備える。
第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cは互いに合同であり、中心角βは略120°である。第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cはスリット状の絶縁体部24dを介して互いに電気的に絶縁されている。また、第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cからはそれぞれ第1乃至第3の配線25a,25b,25cが引き出され、回転検出部40に接続される。
図2(c)は、第1の円板23と第2の円板24を重ねた状態を示している。第1の円板23と第2の円板24は同じ半径を有しており、それぞれの中心点O1,O2は平面図で見ると一致している。また、第2の円板24の第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cが形成された主表面は、第1の円板23の共通容量電極23aが形成された主表面に対向している。
第1乃至第3の容量電極24a,24b,24と共通容量電極23aの間には、それぞれ第1乃至第3のキャパシタ26a,26b,26cが形成される。図2(c)の場合には、第1の容量電極24a及び第2の容量電極24bは、共通容量電極23aによって完全に覆われており、第3の容量電極24は共通容量電極23aによって全く覆われていない。このため、第1及び第2のキャパシタ26a,26bの容量値Ca,Cbは最大値(例えば、「1」とする)となっており、第3のキャパシタ26cの容量値Ccは無視できる程度の最小値(例えば、「0」とする)になっている。図2(c)の状態の第1の円板23の回転角θを0°とする。
この状態から第1の円板23が回転すると、第1乃至第3のキャパシタ26a,26b,26cの容量値Ca,Cb,Ccは変化する。回転検出部40は、これらの容量値Ca,Cb,Ccの変化を検出する。
演算装置50は、これらの容量値Ca,Cb,Ccの変化に基づいて第1の円板23の回転角θを電気的に検出するように構成される。回転検出部40の検出を周期的に行うことにより、演算装置50は回転角θの時間変化を検出すること、つまり、第1の円板23の回転速度と回転方向を検出することができる。
さらに、演算装置50は第1の円板23の回転速度に基づいて、水道水の流量を算出する。すなわち、演算装置50は、回転減速部22の減速率から羽根車21の回転速度を算出することができる。そして、演算装置50は、予め知られている羽根車1の回転速度と水道水の流量の関係から、水道水の流量を算出することができる。演算装置50は例えばマイクロコンピュータである。
<回転検出部40の構成>
図3は回転検出部40の回路図である。回転検出部40は、Nチャネル型MOSトランジスタからなる第1乃至第3の接地トランジスタ27a,27b,27c、第1乃至第3のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGc、抵抗28、シュミット型インバータ29、AND回路30、カウンタ31、第1乃至第3のラッチ回路32a,32b,32c、第1乃至第3のインバータ33a,33b,33c、共通配線34を含んで構成される。
第1乃至第3の接地トランジスタ27a,27b,27cは、それぞれ第1乃至第3の配線25a,25b,25cと接地の間に接続される。第1乃第3のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGcは、それぞれ共通配線34と第1乃至第3の配線25a,25b,25cとの間に接続される。
第1乃第3のトランスミッションゲートTGa,TGb,TGc、第1乃至第3の接地トランジスタ27a,27b,27cという6個のスイッチング素子からなるスイッチング回路のスイッチングは、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcによって制御される。表1に示すように、このスイッチング回路は第1乃至第3のモードというスイッチング状態を有している。
Figure 2013174484
(a)第1のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(H,L,L)であり、第1のトランスミッションゲートTGa、第2及び第3の接地トランジスタ27b,27cのみがオンする。「H」はHレベル(電源電圧VDD)であり、「L」はLレベル(接地電圧0V)である。
これにより、図4(a)に示すように第1の結合キャパシタ35A1が形成される。第1の結合キャパシタ35A1は、並列に接続された第2及び第3のキャパシタ26b,26cに第1のキャパシタ26aを、共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第1のキャパシタ26aの第1の容量電極24aが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第2及び第3の容量電極24b,24cは接地される。
第1の結合キャパシタ35A1の容量値CA1は数式3で表わされる。
CA1=Ca・(Cb+Cc)/Ca+Cb+Cc ・・・(3)
(b)第2のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(L,H,L)であり、第2のトランスミッションゲートTGb、第1及び第3の接地トランジスタ27a,27cのみがオンする。これにより、図4(b)に示すように第2の結合キャパシタ35B1が形成される。第2の結合キャパシタ35B1は、並列に接続された第1及び第3のキャパシタ26a,26cに第2のキャパシタ26bを、共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第2のキャパシタ26bの第2の容量電極24bが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第1及び第3の容量電極24a,24cは接地される。第2の結合キャパシタ35B1の容量値CB1は数式4で表わされる。
CB1=Cb・(Ca+Cc)/Ca+Cb+Cc ・・・(4)
(c)第3のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(L,L,H)であり、第3のトランスミッションゲートTGc、第1及び第2の接地トランジスタ27a,27bのみがオンする。これにより、図4(c)に示すように第3の結合キャパシタ35C1が形成される。第3の結合キャパシタ35C1は、並列に接続された第1及び第2のキャパシタ26a,26bに第3のキャパシタ26cを、共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第3のキャパシタ26cの第3の容量電極24cが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第1及び第2の容量電極24a,24bは接地される。第3の結合キャパシタ35C1の容量値CC1は数式5で表わされる。
CC1=Cc・(Ca+Cb)/Ca+Cb+Cc ・・・(5)
図5に示すように、RC発振回路36は、抵抗28、シュミット型インバータ29及び、第1乃至第3のモードに対応した第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35から構成される。RC発振回路36のキャパシタ部分は、第1のモードでは第1の結合キャパシタ35A1であり、第2のモードでは第2の結合キャパシタ35B1であり、第3のモードでは第3の結合キャパシタ35C1である。抵抗28はシュミットインバータ29の入力端子と出力端子の間に接続される。
シュミットインバータ29は、第1の閾値電圧VTLと、第2の閾値電圧VTHを有している。第1の閾値電圧VTH及び第2の閾値電圧VTHは、シュミットインバータ29の電源電圧VDDと接地電圧の間に設定されるが、第2の閾値電圧VTHは第1の閾値電圧VTLより大きい。
図6は、RC発振回路36の発振波形図である。シュミットインバータ29の入力端子の波形は第1の閾値電圧VTLと第2の閾値電圧VTHの間で変化する。シュミットインバータ29の出力端子から発振信号OSが得られる。
RC発振回路36の発振周波数FRCは数式6で表わされる。
FRC=1/R・C0・(VDD−VTL)・VTH ・・・(6)
ここで、C0は、第1のモードではCA1、第2のモードではCB1、第3のモードではCC1である。すなわち、RC発振回路36の発振周波数FRCは、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1に逆比例する。
なお、第1乃至第3の容量電極24a,24b,24cの間には、寄生容量CXが存在するが、これは、各モードにおける第1乃至第3の第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1に並列に接続されるが、数式6ではこの寄生容量CXを考慮していない。この寄生容量CXも考慮する場合は、数式6において、C0をC0+CXで置き換えれば良い。
RC発振回路36の発振信号OSは、AND回路30を介してカウンタ31に入力される。ゲート信号GSがHレベルの期間、発振信号OSに入力される。ゲート信号GSは、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,TcのいずれかがHレベルの時にHレベルとなる信号である。カウンタ31は、その期間に発振信号OSのパルス数をカウントする。つまり、AND回路30及びカウンタ31は、RC発振回路36の発振周波数をカウントする周波数カウンタとして機能する。
カウンタ31は、32KHz程度のクロックに基づいて動作する。また、カウンタ31は第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,TcがHレベルになる直前、つまりRC発振回路36が動作を開始する直前に発生するリセット信号RSに応じてリセットされるように構成されている。
第1のラッチ回路32aは、第1のトリガ信Taの立下りに同期して発生する第1のラッチパルスに応じてカウンタ31のカウント値をラッチする。第2のラッチ回路32bは、第2のトリガ信Tbの立下りに同期して発生する第2のラッチパルスに応じてカウンタ31のカウント値をラッチする。第3のラッチ回路32cは、第3のトリガ信Tcの立下りに同期して発生する第3のラッチパルスに応じてカウンタ31のカウント値をラッチする。
このように、回転検出部40は、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1を、RC発振回路36の発振周波数FRCに変換して検出している。
そして、演算装置50は、第1乃至第3のラッチ回路32a〜32cにラッチされたカウンタ31のカウント値から、第1乃至第3のモードにおけるRC発振回路36の発振周波数FRCを算出する。演算装置50は数式6に基づいて、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1を算出する。
また、演算装置50は、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1と、第1の円板23の回転角θとの関係(図10を参照)から、第1の円板23の回転角θを算出する。回転検出部40の動作を周期的に行うことにより、演算装置50は、回転角θの時間変化を検出すること、つまり、第1の円板23の回転速度と回転方向を検出することができる。
<回転検出部40の動作>
次に、回転検出部40の動作を図7に基づいて説明する。先ず、第1のトリガ信号TaがHレベルに立ち上がる。第1のトリガ信号TaがHレベルである期間において、第1のモードの第1の結合キャパシタ35A1が選択される。すると、RC発振回路36は、第1の結合キャパシタ35A1に基づいて発振動作を開始する。カウンタ31は、第1のトリガ信号TaがHレベルに立ち上がる直前にリセットされ、RC発振回路36の発振周波数をカウントする。カウンタ31の値は第1のラッチ回路32aにラッチされる。
次に、第1のトリガ信号TaはLレベルに立ち下がり、その後、第2のトリガ信号TbはHレベルに立ち上がる。第2のトリガ信号TbがHレベルである期間において、第2のモードの第2の結合キャパシタ35B1が選択される。すると、RC発振回路36は、第2の結合キャパシタ35B1に基づいて発振動作を開始する。カウンタ31は、第2のトリガ信号TbがHレベルに立ち上がる直前にリセットされ、RC発振回路36の発振周波数をカウントする。カウンタ31の値は第2のラッチ回路32bにラッチされる。
次に、第2のトリガ信号TbはLレベルに立ち下がり、その後、第3のトリガ信号TcはHレベルに立ち上がる。第3のトリガ信号TcがHレベルである期間において、第3のモードの第3の結合キャパシタ35c1が選択される。すると、RC発振回路36は、第3の結合キャパシタ35C1に基づいて発振動作を開始する。カウンタ31は、第3のトリガ信号TcがHレベルに立ち上がる直前にリセットされ、RC発振回路36の発振周波数をカウントする。カウンタ31の値は第3のラッチ回路32cにラッチされる。
<第1の円板23の回転角θについて>
次に、図8乃至図10、表2に基づき、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1と、第1の円板23の回転角θとの関係を説明する。
Figure 2013174484
図8及び図9は、第1の結合キャパシタ35A1の容量値CA1と、第1の円板23の回転角θとの関係を説明する図である。図8(a)に示すように、θ=0°の場合は、Ca=1、Cb=1、Cc=0である。Ca,Cb,Ccは、第1乃至第3のキャパシタ26a,26b,26cの容量値であって、最大値を「1」としている。この場合、数式3から、CA1=1である。但し、CA1の最大値を「1」に規格化している。
図8(b)に示すように、θ=60°の場合は、Ca=1、Cb=0.5、Cc=0.5である。この場合も、CA1=1である。図8(c)に示すように、θ=120°の場合は、Ca=1、Cb=0、Cc=1である。この場合も、CA1=1である。すなわち、θ=0°〜120°の場合は、CA1=1である。
図9(a)に示すように、θ=180°の場合は、Ca=0.5、Cb=0.5、Cc=1であり、CA1=0.75である。すなわち、CA1は、θ=120°における「1」から「0.75」に減少する。そして、図9(b)に示すように、θ=240°の場合は、Ca=0、Cb=1、Cc=1であり、CA1=0である。また、図9(c)に示すように、θ=300°の場合は、Ca=0.5、Cb=1、Cc=0.5であり、CA1=0.75に戻る。
これから、図10(a)に示すように、CA1と第1の円板23の回転角θとの関係が得られる。同様にして、図10(b)、(c)に示すように、CB1、CC1と第1の円板23の回転角θとの関係が得られる。CB1は、CA1に対して120°位相がシフトされている。CC1は、CA1に対して240°位相がシフトされている。
したがって、演算装置50は、第1乃至第3の結合キャパシタ35A1,35B1,35C1の容量値CA1,CB1,CC1と、第1の円板23の回転角θとの関係から、第1の円板23の回転角θを検知することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態の回転検出部40Aは、第1の実施形態のスイッチング回路の構成を変更したものである。その他の構成は第1の実施形態と同じである。図11は、回転検出部40Aの回路図、図12は第1乃至第3の結合キャパシタ35A2,35B2,35C2の回路図である。表3に示すように、このスイッチング回路は第1乃至第3のモードというスイッチング状態を有している。
Figure 2013174484
(a)第1のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(H,L,L)であり、第1のトランスミッションゲートTGa、第2の接地トランジスタ27bのみがオンする。
これにより、図12(a)に示すように第1の結合キャパシタ35A2が形成される。第1の結合キャパシタ35A2は、第2のキャパシタ26bに第1のキャパシタ26aを、共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第1のキャパシタ26aの第1の容量電極24aが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第2の容量電極24bは接地されるが、第3の容量電極24cはフローティング状態であり、Cc=0である。
したがって、第1の結合キャパシタ35A2の容量値CA2は数式7で表わされる。
CA2=Ca・Cb/Ca+Cb ・・・(7)
(b)第2のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(L,H,L)であり、第2のトランスミッションゲートTGb、第3の接地トランジスタ27cのみがオンする。これにより、図12(b)に示すように第2の結合キャパシタ35B2が形成される。第2の結合キャパシタ35B2は、第3のキャパシタ26cに第2のキャパシタ26bを、共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第2のキャパシタ26bの第2の容量電極24bが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第3の容量電極24cは接地されるが、第1の容量電極24aはフローティング状態であり、Ca=0である。
第2の結合キャパシタ35B1の容量値CB1は数式8で表わされる。
CB2=Cb・Cc/Cb+Cc ・・・(8)
(c)第3のモードにおいて、第1乃至第3のトリガ信号Ta,Tb,Tcは(L,L,H)であり、第3のトランスミッションゲートTGc、第1及び第2の接地トランジスタ27a,27bのみがオンする。これにより、図12(c)に示すように第3の結合キャパシタ35C2が形成される。第3の結合キャパシタ35C2は、第1のキャパシタ26aに第3のキャパシタ26cを共通容量電極23aを介して直列に接続してなり、第3のキャパシタ26cの第3の容量電極24cが共通配線34を介してシュミット型インバータ29の入力端子に接続される。第1の容量電極24aは接地されるが、第2の容量電極24bはフローティング状態であり、Cb=0である。第3の結合キャパシタ35C2の容量値CC1は数式9で表わされる。
CC2=Cc・Ca/Ca+Cc ・・・(9)
<第1の円板23の回転角θについて>
表4、図13に第1乃至第3の結合キャパシタ35A2,35B2,35C2の容量値CA2,CB2,CC2と、第1の円板23の回転角θとの関係を示す。この関係は、第1の実施形態と同様の計算により得ることができる。
Figure 2013174484
そして、演算装置50は、第1の実施形態と同様に、第1乃至第3のラッチ回路32a〜32cにラッチされたカウンタ31のカウント値から、第1乃至第3のモードにおけるRC発振回路36の発振周波数FRCを算出する。演算装置50は数式6に基づいて、第1乃至第3の結合キャパシタ35A2,35B2,35C2の容量値CA2,CB2,CC2を算出する。
また、演算装置50は、第1乃至第3の結合キャパシタ35A2,35B2,35C2の容量値CA2,CB2,CC2と、第1の円板23の回転角θとの関係(図13を参照)から、第1の円板23の回転角θを算出する。回転検出部40の動作を周期的に行うことにより、演算装置50は、回転角θの時間変化を検出すること、つまり、第1の円板23の回転速度と回転方向を検出することができる。
なお、第1及び第2の実施形態は水道メータに関するものである。しかしながら、本発明の思想は、基本的には流体の流量に比例した回転速度で円板を回転させ、この円板の回転速度を検出することで流体の流量を測定するものであるので、水道メータには限らず、水道水以外の液体の流量や、気体の流量の測定装置にも広く適用することができる。
21 羽根車 22 回転減速部 23 第1の円板
23a 共通容量電極 24 第2の円板
24a,24b,24c 第1乃至第3の容量電極
25a,25b,25c 第1乃至第3の配線
26a,26b,26c 第1乃至第3のキャパシタ
27a,27b,27c 第1乃至第3の接地トランジスタ
28 抵抗 29 シュミット型インバータ
30 AND回路 31 カウンタ
32a,32b,32c 第1乃至第3のラッチ回路
33a,33b,33c 第1乃至第3のインバータ
34 共通配線
TGa,TGb,TGc、第1乃至第3のトランスミッションゲート

Claims (5)

  1. 主表面に扇形状の共通容量電極と、この共通容量電極を除いた残りの主表面に配置された絶縁体部とを備える第1の円板と、
    前記第1の円板を流体の流量に比例した回転速度で回転させる回転手段と、
    前記第1の円板の主表面上に一定距離を隔てて重なるように配置され、主表面にその中心点に対して点対称に配置された扇形状の第1乃至第3の共通容量電極を備える第2の円板と、
    前記第1乃至第3の容量電極と前記共通容量電極との間にそれぞれ形成される第1乃至第3のキャパシタの容量値を検出する回転検出部と、
    前記回転検出部によって検出された前記第1乃至第3のキャパシタの容量値に基づいて前記第1の円板の回転速度を算出し、この回転速度に基づいて流体の流量を算出する演算装置と、を備えることを特徴とする流体の流量測定装置。
  2. 前記回転検出部は、前記第1乃至第3のキャパシタを結合して結合キャパシタを形成するスイッチング回路と、
    前記結合キャパシタを含んで構成され、この結合キャパシタの容量値に応じて発振周波数が変化する発振回路と、
    前記発振回路の発振周波数をカウントする周波数カウンタと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の流体の流量測定装置。
  3. 前記スイッチング回路は、第1のトリガ信号に応じて、前記第2及び第3の容量電極を接地し、前記第1の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第1の結合キャパシタを形成し、
    第2のトリガ信号に応じて、前記第1及び第3の容量電極を接地し、前記第2の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第2の結合キャパシタを形成し、
    第3のトリガ信号に応じて、前記第1及び第2の容量電極を接地し、前記第3の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第3の結合キャパシタを形成することを特徴とする請求項2に記載の流体の流量測定装置。
  4. 前記スイッチング回路は、第1のトリガ信号に応じて、前記第2の容量電極を接地し、前記第3の容量電極をフローティング状態とし、前記第1の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第1の結合キャパシタを形成し、
    第2のトリガ信号に応じて、前記第1の容量電極を接地し、前記第3の容量電極をフローティング状態とし、前記第2の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第2の結合キャパシタを形成し、
    第3のトリガ信号に応じて、前記第1の容量電極を接地し、前記第2の容量電極をフローティング状態とし、前記第3の容量電極を前記発振回路の入力端子に接続することにより、第3の結合キャパシタを形成することを特徴とする請求項2に記載の流体の流量測定装置。
  5. 前記発振回路は、ヒステリシス特性を有するシュミット型インバータ回路と、このシュミット型インバータ回路の入力端子と出力端子の間に接続された抵抗と、を備え、前記入力端子に前記結合キャパシタが接続されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の流体の流量測定装置。
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