JPH1010360A - 光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバカプラおよびその製造方法

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JPH1010360A
JPH1010360A JP16643396A JP16643396A JPH1010360A JP H1010360 A JPH1010360 A JP H1010360A JP 16643396 A JP16643396 A JP 16643396A JP 16643396 A JP16643396 A JP 16643396A JP H1010360 A JPH1010360 A JP H1010360A
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JP
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optical fiber
adhesive
fiber coupler
bare
fused
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JP16643396A
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English (en)
Inventor
Hideyori Sasaoka
英資 笹岡
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤の塗布、固定の工程を簡素化し生産性
を高めるとともに、激しい振動、急激な温度変化等の環
境下においても特性が変動しにくい光ファイバカプラを
提供する。 【解決手段】 この光ファイバカプラは、固定部材とし
て溝2aを有するケース2を用い、接着剤4として、実
質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が光ファイ
バカプラの使用温度の下限より低いものを用い、この接
着剤4で被覆ファイバ部1aと融着、延伸されていない
裸ファイバ部1bとを一括してケース2に固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数本の光ファイ
バの被覆が除去された裸ファイバ部を加熱することによ
り融着、延伸して光結合部を形成する、いわゆる融着延
伸法による光ファイバカプラおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】融着延伸法による光ファイバカプラの第
1の従来技術として、特開平3−48803号公報に記
載されるように、光ファイバカプラを固定部材に固定す
るための接着剤として、柔らかい下部接着剤と硬い上部
接着剤を併用使用するものが知られている。柔らかい下
部接着剤のみを用いた場合には、高温時にこの接着剤が
熱膨張することにより、光結合部が動いて光ファイバカ
プラの挿入損失、分岐比が変動し、逆に、硬い接着剤の
みを用いた場合には、低温時にこの接着剤により光ファ
イバが締め付けられて、光ファイバカプラの偏波特性が
変動することを防止するのが目的である。柔らかい下部
接着剤は硬い上部接着剤による光ファイバの締め付けを
抑制し、硬い上部接着剤は柔らかい下部接着剤が熱膨張
することにより光結合部が動くことを抑制するというも
のである。
【0003】また、第2の従来技術として、特開平5−
19137号公報に記載されるように、融着、延伸され
ていない裸ファイバ部は柔らかい接着剤で、被覆部は硬
い接着剤で固定するものが知られている。硬い接着剤で
光ファイバカプラを固定する際に問題となる、裸ファイ
バ部への不均一な応力による光ファイバカプラの偏波特
性、クロストークの劣化、および柔らかい接着剤で固定
する際に問題となる、振動等による光ファイバカプラの
特性変動を防止するのが目的である。
【0004】しかし、いずれの従来技術も、接着剤の塗
布、固定の工程が煩雑であり生産性が低いという問題が
ある。すなわち、2種類の接着剤を使用するため、1種
類の接着剤の使用時と比較して接着剤の塗布回数が2倍
になる。接着剤の塗布手段としてもそれぞれの接着剤用
に最低2系統必要となる。また、第1の従来技術として
は、上部と下部、第2の従来技術では、裸ファイバ部と
被覆部というように接着剤の塗布位置が規定されている
ため接着剤塗布位置の管理も必要となる。さらに、2種
類の接着剤の硬化方法、硬化条件が異なる場合は個別に
硬化させる必要があり、接着剤による固定作業に要する
時間が長くなるという問題がある。
【0005】また、激しい振動、急激な温度変化等の過
酷な環境下においては、光ファイバカプラの特性が変動
するおそれもある。すなわち、第1および第2の従来技
術とも、裸ファイバ部は柔らかい接着剤で固定されてい
るため、激しい振動を与えたり、光ファイバ端末を強く
引っ張るような取り扱いをした場合には、光結合部が動
いて特性が変動するおそれがある。また、第2の従来技
術では、2種類の異なる接着剤が相互に接着されている
ため、急激な温度変化が発生する環境で使用した場合に
は、接着剤の熱膨張率差によって接着剤相互の接着力低
下、接着剤の剥離が発生するおそれがあり初期の光ファ
イバカプラの特性が維持できないおそれがある。
【0006】さらにまた、従来の光ファイバカプラで
は、普通、光ファイバカプラを強固に固定することに主
眼が置かれており、紫外線硬化樹脂の接着剤は、ガラス
転移点温度が使用温度範囲の上限程度、あるいは、上限
以上のものを使用していた。そのため、接着剤の物性値
が急激に変化し、裸ファイバ部に不均一な応力を与える
おそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、接着剤の塗布、固定の工程
を簡素化し生産性を高めるとともに、激しい振動、急激
な温度変化等の過酷な環境下においても光ファイバカプ
ラの特性が変動しにくい光ファイバカプラおよび光ファ
イバカプラの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、請求項1に記
載の発明においては、複数本の光ファイバの被覆の一部
を除去して、裸ファイバ部を相互に接触させた後、前記
裸ファイバ部を加熱して融着、延伸し、固定部材に接着
剤で固定する光ファイバカプラの製造方法において、前
記接着剤は、実質的に単一種類であって、ガラス転移点
温度が前記光ファイバカプラの使用温度の下限より低い
ものを用い、融着、延伸された裸ファイバ部の両側で、
融着、延伸されていない裸ファイバ部を固定することを
特徴とするものである。
【0009】請求項2に記載の発明においては、複数本
の光ファイバの被覆の一部を除去して、裸ファイバ部を
相互に接触させた後、前記裸ファイバ部を加熱して融
着、延伸し、固定部材に接着剤で固定する光ファイバカ
プラの製造方法において、前記接着剤は、実質的に単一
種類であって、ガラス転移点温度が前記光ファイバカプ
ラの使用温度の下限より低いものを用い、融着、延伸さ
れた裸ファイバ部の両側で、前記光ファイバの被覆部と
融着、延伸されていない裸ファイバ部とを一括して固定
することを特徴とするものである。
【0010】請求項3に記載の発明においては、複数本
の光ファイバの被覆が除去された裸ファイバ部を相互に
接触させた後、前記裸ファイバ部を加熱して融着、延伸
し、固定部材に接着剤で固定される光ファイバカプラに
おいて、前記接着剤は、実質的に単一種類であって、ガ
ラス転移点温度が前記光ファイバカプラの使用温度の下
限より低いものとし、融着、延伸された裸ファイバ部の
両側で、前記光ファイバの融着、延伸されていない裸フ
ァイバ部を固定するものであることを特徴とするもので
ある。
【0011】請求項4に記載の発明においては、複数本
の光ファイバの被覆が除去された裸ファイバ部を相互に
接触させた後、前記裸ファイバ部を加熱して融着、延伸
し、固定部材に接着剤で固定される光ファイバカプラに
おいて、前記接着剤は、実質的に単一種類であって、ガ
ラス転移点温度が前記光ファイバカプラの使用温度の下
限より低いものとし、融着、延伸された裸ファイバ部の
両側で、前記光ファイバの被覆部と融着、延伸されてい
ない裸ファイバ部とを一括して固定するものであること
を特徴とするものである。
【0012】請求項5に記載の発明においては、請求項
3または4に記載の光ファイバカプラにおいて、前記接
着剤は、室温25℃でヤング率が5kg/cm2 以上で
あることを特徴とするものである。
【0013】請求項6に記載の発明においては、請求項
3ないし5のいずれか1項に記載の光ファイバカプラに
おいて、前記接着剤は、線膨張係数が5×10-4以下で
あることを特徴とするものである。
【0014】請求項7に記載の発明においては、請求項
3ないし6のいずれか1項に記載の光ファイバカプラに
おいて、前記固定部材は、溝付きのケース状体であり、
前記溝に前記融着、延伸された裸ファイバ部を収納する
ことを特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載の発明においては、請求項
3ないし7のいずれか1項に記載の光ファイバカプラに
おいて、前記光ファイバは、偏波保持光ファイバである
ことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ファイバカプ
ラの第1の実施の形態の構成図である。図1(A)は平
面図、図1(B)は正面図、図1(C)は図1(A)の
A−A’における断面図、図1(D)は図1(A)のB
−B’における断面図である。ただし、図1(A)にお
いては、蓋部3を除去して、図1(B)においては、ケ
ース2の一部を除去して内部構造を示している。図中、
1は光ファイバ、1aは被覆ファイバ部、1bは裸ファ
イバ部、2はケース、3は蓋部、4は接着剤である。
【0017】この実施の形態の光ファイバカプラは、固
定部材として溝2aを有するケース2を用い、接着剤4
として、ガラス転移点温度が光ファイバカプラの使用温
度の下限より低い1種類のものを用い、この接着剤4で
被覆ファイバ部1aと融着、延伸されていない裸ファイ
バ部1bとを一括してケース2に固定するものである。
【0018】図1(A)に示すように、2本の光ファイ
バ1の被覆が除去された裸ファイバ部1bを相互に接触
させた後、裸ファイバ部1bを加熱融着した後加熱延伸
することにより光結合部が形成される。光ファイバカプ
ラの中央部が光結合部であり、融着、延伸されてその外
径が左右から中央に向けてテーパー状に細くなってい
る。ケース2には、光結合部を収納するための溝2aを
有する。
【0019】図1(C)のA−A’断面、図1(D)の
B−B’断面に示したように、接着剤4は被覆ファイバ
部1aから裸ファイバ部1bの融着、延伸されていない
部分にかけて塗布されて、溝2a内の2箇所において接
着固定される。なお、裸ファイバ部1bの融着、延伸さ
れていない部分のすべてを接着固定する必要はなく、一
部でもよい。また、図(D)のB−B’断面では、2本
の裸ファイバ部1bが接触していないが、断面の位置に
よっては、2本の裸ファイバ部1bが接触している場合
もある。光結合部は、接着剤4が塗布されず、ケース2
に接触しないようにして固定される。図1(B)に示す
ように、ケース2にはさらに蓋部3が接着される。
【0020】ケース2および蓋部3には、線膨張係数が
石英ガラスとほぼ同等な結晶化ガラスを使用するが、石
英、セラミック、熱膨張係数の小さな金属など他の材料
を用いてもよい。しかし、温度変化による膨張収縮の影
響を低減するため、なるべく光ファイバの熱膨張率に近
いものが望ましい。接着剤4としては、1種類のみを用
い、ガラス転移点温度が光ファイバカプラの使用温度、
例えば、−20〜+60℃、あるいは、−40〜70℃
の下限より低いものとすれば、低温でのカプラの偏波特
性劣化を防止することができる。接着剤4のヤング率
は、室温25℃で5kg/cm2 以上とすると、振動、
端末ファイバの引っ張り等に対して、カプラが動かず、
カプラ特性を安定化させることができて好適である。接
着剤4の線膨張係数は、5×10-4以下とすると、温度
変化による接着剤4の膨張、収縮で発生する応力による
光ファイバカプラの偏波特性の劣化を抑制することがで
きて好適である。
【0021】この第1の実施の形態の光ファイバカプラ
の製造方法を説明する。2本の光ファイバ1の中央部の
被覆を除去して裸ファイバ部1bを相互に接触させた状
態でバーナーによる加熱で融着、延伸することで光結合
部を形成する。2本の裸ファイバ部1bを、図1
(C),図1(D)の断面図においては左右に対向さ
せ、配列面が溝2aの底面と平行になるようにして光結
合部を溝2aに収納する。この後、ケース2の端の光フ
ァイバの被覆部1aからテーパ部を除く裸ファイバ部1
bの間に、紫外線硬化樹脂の接着剤4を塗布し、紫外線
を照射することにより接着剤4を硬化させて光結合部を
ケース2に固定する。あるいは、2本の裸ファイバ部1
bを、図1(C),図1(D)の断面図においては上下
に対向させ配列面が溝2aの壁面と平行になるようにし
て収納してもよい。
【0022】図2は、本発明の光ファイバカプラの第2
の実施の形態の構造図である。図2(A)は平面図、図
2(B)は正面図、図2(C)は図2(A)のB−B’
における断面図である。図中、図1と同様な部分には同
じ符号を付して説明を省略する。11は補強板である。
この実施の形態の光ファイバカプラは、固定部材として
平板面を有する補強板11を用い、接着剤4として、ガ
ラス転移点温度が光ファイバカプラの使用温度の下限よ
り低い1種類のものを用い、この接着剤4で融着、延伸
されていない裸ファイバ部1bを2箇所で固定するもの
である。
【0023】補強板2としては、線膨張係数が石英ガラ
スとほぼ同等な結晶化ガラスを用いると好適である。図
示の例では、光ファイバの被覆部1aには、接着剤4を
塗布していないが、図2(B)に示されるように、光結
合部は、補強板11に接触しない状態で固定される。上
述した第1の実施の形態の光ファイバカプラと同様に、
接着剤4は、融着、延伸されていない裸ファイバ部1b
から光ファイバの被覆部1aにまでまたがって、一括し
て塗布してもよい。
【0024】この第2の実施の形態の光ファイバカプラ
の製造方法は、上述した第1の実施の形態の光ファイバ
カプラの製造方法とほぼ同様である。2本の光ファイバ
1の中央部の被覆を除去し裸ファイバ部1bを相互に接
触させた状態で加熱し融着、延伸することで光結合部を
形成する。図2(B)に示すように、2本の裸ファイバ
部1bの配列面が補強板11に平行で補強板11よりも
わずかに上方になるようにして光結合部をセットする。
あるいは、2本の裸ファイバ部1bの配列面が補強板1
1に垂直で補強板11よりもわずかに上方になるように
して光結合部をセットする。この後、光結合部を間にし
てこの光結合部を除く裸ファイバ部1bの少なくとも一
部に紫外線硬化樹脂の接着剤4を塗布し、紫外線を照射
することにより接着剤4を硬化させて光結合部を補強板
11に固定する。さらにこの後、図示を省略するが、光
結合部を補強板11ごと金属製パイプ内に収納し、パイ
プの両端から出ている光ファイバの被覆部1aと補強板
11をパイプに固定するとともに、パイプの両端を常温
で硬化するシリコン系の接着剤で封止する。
【0025】上述した説明では、2本の光ファイバ1を
用いたが、n本の光ファイバを有するテープ状光ファイ
バ心線を用いることにより、一括してn組の光結合部を
有する光ファイバカプラを製造することもできる。な
お、ケース2、補強板11の構造は、図1,図2に示し
た構造に限られるものではなく、光ファイバカプラが接
着剤4を用いて固定される構造であればよく、また、蓋
部3を設けないものでもよい。
【0026】
【実施例】第1の実施例として、図1を参照して説明し
た第1の実施の形態の構造において、波長1.3μm用
で分岐比が50%の光ファイバカプラを製造した。ケー
ス2、蓋部3に線膨張係数が石英ガラスとほぼ同等な結
晶化ガラスを使用した。接着剤4としては、1種類のみ
を用い、ガラス転移点温度が約−40℃、室温でのヤン
グ率が約20kg/cm2 、線膨張係数が3×10-4
紫外線硬化樹脂を用いた。製造した光ファイバカプラ
を、温度−20〜+60℃のヒートサイクル試験を実施
した結果、光ファイバカプラの挿入損失変動は0.1d
B以下、分岐比変動は1%以下と安定した温度特性が確
認された。
【0027】第2の実施例として、図1を参照して説明
した第1の実施の形態の構造において、波長0.85μ
m用で分岐比が50%の偏波保持光ファイバカプラを製
造した。ケース2、蓋部3には熱膨張係数が石英ガラス
とほぼ同等な結晶化ガラスを使用した。接着剤4として
は、ガラス転移点温度が約−50℃、室温でのヤング率
が約40kg/cm2 、線膨張係数が約1.5×10-4
の紫外線硬化樹脂を用いた。
【0028】製造した光ファイバカプラを−40℃と+
70℃の間で温度を短時間に変化させるヒートショック
処理を実施した後、温度−40〜+70℃のヒートサイ
クル試験を実施した。この結果、光ファイバカプラの挿
入損失変動は0.3dB以下、分岐比変動は3%以下、
偏波保持特性を示すクロストークの変動は2dB以下と
安定した温度特性が確認された。さらに、ヒートサイク
ル試験後のカプラについて振動試験を実施したが、外観
上および特性上とも何ら変化のないことが確認された。
【0029】第3の実施例として、図2を参照して説明
した第2の実施の形態の光ファイバカプラの構造におい
て、波長0.85μm用で分岐比が50%の偏波保持光
ファイバカプラを製造した。補強板2には線膨張係数が
石英ガラスとほぼ同等な結晶化ガラスを用いた。接着剤
4としてはガラス転移点温度が約−50℃、室温でのヤ
ング率が約40kg/cm2 、線膨張係数が約15×1
-5の紫外線硬化樹脂を用いた。
【0030】製造した光ファイバカプラを−40℃と+
70℃の間で温度を短時間に変化させるヒートショック
処理を実施した後、温度−40〜+70℃のヒートサイ
クル試験を実施した。この結果、カプラの挿入損失変動
は0.3dB以下、分岐比変動は3%以下、偏波保持特
性を示すクロストークの変動は2dB以下と安定した温
度特性が確認された。さらに、ヒートサイクル試験後の
カプラについて振動試験を実施したが、外観上および特
性上とも何ら変化のないことが確認された。
【0031】なお、光ファイバカプラの種類としては、
上述した実施例のものに限られず、波長に応じて別々の
光ファイバに光を分岐、合流するWDMカプラ、広い波
長帯域でほぼ一定の分岐特性を有するWBCカプラへの
適用ももちろん可能である。
【0032】上述した説明では、接着剤は、単一種類の
ものを用いたが、実質的に単一種類であればよい。例え
ば、異なる複数種類の接着剤を用いるとしても、十分混
合して単一の接着剤として用いる場合には、実質的に単
一種類の接着剤であるということができる。あるいは、
材料物質は異なるが特性がほぼ同じか、1種類の接着剤
に比べて他の種類の接着剤が少量である場合等、接着剤
の熱膨張率差などに問題がない場合、光ファイバの特性
に悪影響を与えないから、このような場合にも、実質的
に単一種類の接着剤であるということができる。
【0033】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、請求項1に記載の発明によれば、接着剤が、
実質的に単一種類であって、融着、延伸された裸ファイ
バ部の両側で、融着、延伸されていない裸ファイバ部を
固定することから、2種類の異なる接着剤を用いる場合
のように、光ファイバカプラの特性が維持できなくなる
おそれが少ないという効果がある。接着剤を塗布する部
分に関しても、接着剤を少なくとも裸ファイバ部の一部
に塗布することと、融着、延伸された裸ファイバ部には
塗布しないことを守ればよく、従来技術のような厳しい
塗布位置の管理が不要となる効果がある。また、塗布回
数を1回で済ませ、塗布手段も1系統のみで済ませるこ
とが可能である。
【0034】さらに、接着剤は、ガラス転移点温度が光
ファイバカプラの使用温度の下限より低いものを用いる
ため、低温下での使用時においても、接着剤の物性値が
急激には変化しないので、裸ファイバ部に不均一な応力
が与えられることによる光ファイバカプラの偏波特性の
劣化を軽減することができるという効果がある。
【0035】請求項2に記載の発明によれば、接着剤
が、実質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が光
ファイバカプラの使用温度の下限より低いものを用い、
融着、延伸された裸ファイバ部の両側で、光ファイバの
被覆部と融着、延伸されていない裸ファイバ部とを一括
して固定することから、請求項1に記載の発明と同様な
効果を奏するとともに、接着剤を塗布する部分に関して
は、光ファイバの被覆部と融着、延伸されていない裸フ
ァイバ部の両方を一括して固定することができるという
効果がある。
【0036】請求項3に記載の発明によれば、接着剤が
実質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が光ファ
イバカプラの使用温度の下限より低いものとし、融着、
延伸された裸ファイバ部の両側で、光ファイバの融着、
延伸されていない裸ファイバ部を固定するものであるこ
とから、2種類の異なる接着剤を用いる場合のように、
光ファイバカプラの特性が維持できなくなるおそれが少
なく、さらに、低温下での使用時においても、接着剤の
物性値が急激には変化しないので、裸ファイバ部に不均
一な応力が与えられることによる光ファイバカプラの偏
波特性の劣化を軽減することができるという効果があ
る。
【0037】請求項4に記載の発明によれば、接着剤が
実質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が光ファ
イバカプラの使用温度の下限より低いものとし、融着、
延伸された裸ファイバ部の両側で、光ファイバの被覆部
と融着、延伸されていない裸ファイバ部とを一括して固
定するものであることから、請求項3に記載の発明と同
様な効果を奏する。
【0038】請求項5に記載の発明によれば、接着剤は
室温25℃でヤング率が5kg/cm2 以上であること
から、接着剤として一定値以上の硬さを有するものを使
用するため、従来技術に比べて光ファイバカプラがより
強固に固定されるため、振動やファイバ端末の引っ張り
に対して光結合部が動かず、光ファイバカプラの特性の
安定性が改善されるという効果がある。
【0039】請求項6に記載の発明によれば、接着剤は
線膨張係数が5×10-4以下であることから、接着剤と
して一定値以下の線膨張係数を有するものを使用するた
め、接着剤の膨張、収縮により発生する応力が抑制さ
れ、カプラの偏波特性がより安定になるという効果があ
る。
【0040】請求項7に記載の発明によれば、固定部材
が溝付きのケース状体であり、溝に融着、延伸された裸
ファイバ部を収納することから、溝にカプラを収納した
上で接着剤をわずかに流し込むことにより、固定用の接
着剤が横方向(ファイバ長手方向に直角な方向)に流れ
ることを防止することができるという効果がある。
【0041】請求項8に記載の発明においては、請求項
3ないし7のいずれか1項に記載の光ファイバカプラに
おいて、光ファイバが偏波保持光ファイバである。請求
項3ないし7のいずれか1項に記載の光ファイバカプラ
は、不均一な応力が裸ファイバ部に加わりにくいため、
光ファイバに複屈折を生じさせにくく、カプラの偏波特
性が安定である。したがって、偏波保持光ファイバを用
いた光ファイバカプラでは、クロストークが環境変化に
対して安定であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバカプラの第1の実施の形態
の構成図である。
【図2】本発明の光ファイバカプラの第2の実施の形態
の構造図である。
【符号の説明】
1…光ファイバ、1a…被覆ファイバ部、1b…裸ファ
イバ部、2…ケース、3…蓋部、4…接着剤、11…補
強板。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数本の光ファイバの被覆の一部を除去
    して、裸ファイバ部を相互に接触させた後、前記裸ファ
    イバ部を加熱して融着、延伸し、固定部材に接着剤で固
    定する光ファイバカプラの製造方法において、前記接着
    剤は、実質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が
    前記光ファイバカプラの使用温度の下限より低いものを
    用い、融着、延伸された裸ファイバ部の両側で、融着、
    延伸されていない裸ファイバ部を固定することを特徴と
    する光ファイバカプラの製造方法。
  2. 【請求項2】 複数本の光ファイバの被覆の一部を除去
    して、裸ファイバ部を相互に接触させた後、前記裸ファ
    イバ部を加熱して融着、延伸し、固定部材に接着剤で固
    定する光ファイバカプラの製造方法において、前記接着
    剤は、実質的に単一種類であって、ガラス転移点温度が
    前記光ファイバカプラの使用温度の下限より低いものを
    用い、融着、延伸された裸ファイバ部の両側で、前記光
    ファイバの被覆部と融着、延伸されていない裸ファイバ
    部とを一括して固定することを特徴とする光ファイバカ
    プラの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数本の光ファイバの被覆が除去された
    裸ファイバ部を相互に接触させた後、前記裸ファイバ部
    を加熱して融着、延伸し、固定部材に接着剤で固定され
    る光ファイバカプラにおいて、前記接着剤は、実質的に
    単一種類であって、ガラス転移点温度が前記光ファイバ
    カプラの使用温度の下限より低いものとし、融着、延伸
    された裸ファイバ部の両側で、前記光ファイバの融着、
    延伸されていない裸ファイバ部を固定するものであるこ
    とを特徴とする光ファイバカプラ。
  4. 【請求項4】 複数本の光ファイバの被覆が除去された
    裸ファイバ部を相互に接触させた後、前記裸ファイバ部
    を加熱して融着、延伸し、固定部材に接着剤で固定され
    る光ファイバカプラにおいて、前記接着剤は、実質的に
    単一種類であって、ガラス転移点温度が前記光ファイバ
    カプラの使用温度の下限より低いものとし、融着、延伸
    された裸ファイバ部の両側で、前記光ファイバの被覆部
    と融着、延伸されていない裸ファイバ部とを一括して固
    定するものであることを特徴とする光ファイバカプラ。
  5. 【請求項5】 前記接着剤は、室温25℃でヤング率が
    5kg/cm2 以上であることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の光ファイバカプラ。
  6. 【請求項6】 前記接着剤は、線膨張係数が5×10-4
    以下であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれ
    か1項に記載の光ファイバカプラ。
  7. 【請求項7】 前記固定部材は、溝付きのケース状体で
    あり、前記溝に前記融着、延伸された裸ファイバ部を収
    納することを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1
    項に記載の光ファイバカプラ。
  8. 【請求項8】 前記光ファイバは、偏波保持光ファイバ
    であることを特徴とする請求項3ないし7のいずれか1
    項に記載の光ファイバカプラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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