JP3454894B2 - 光ファイバカプラの補強構造 - Google Patents

光ファイバカプラの補強構造

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、融着延伸型光ファイバ
カプラもしくは融着延伸型光合分波器の補強構造に関す
るものである。 【0002】 【従来の技術】近年、光通信システム、光伝送技術の進
展に伴い、作製方法が容易であり、信頼性の高い融着延
伸型光ファイバカプラあるいは融着延伸型光合分波器等
がさまざまな光通信システム、光計測システム等で利用
されている。ここで、光ファイバカプラとは単一波長も
しくは複数波長の光を分岐あるいは結合するものであ
り、また光合分波器とは複数波長の光を合波あるいは分
波させるものであるが、以下本発明では両者を総称して
光ファイバカプラという。 【0003】従来の融着延伸型光ファイバカプラ(融着
延伸型光合分波器も含む)の例を図1に示す。このよう
なカプラを作製するには、まず、光ファイバ10、20
の被覆を除去し、クラッド部1、2をアルコール等で洗
浄する。次に、クラッド部1、2を整列し、その中央部
を酸素−プロパン等のバーナで加熱しながら、光ファイ
バ10、20を左右方向に延伸し、クラッド部1、2の
中央部に結合部3を形成する。 【0004】この様に作製された光ファイバ10、20
および結合部3からなるカプラ本体4を石英ガラス等の
基板5に載置し、紫外線や可視光線等のエネルギ−線に
て硬化する接着剤6で接着固定する。なお、接着個所
は、基板5の両端部Aが一般的であるが、さらに図1の
ように結合部3の両側部Bでクラッド部1、2と基板5
を接着することも行われている。また、図示していない
が、この基板5をさらに金属、セラミック、ガラス等の
筒状体で覆うことにより、光ファイバカプラの補強構造
が完成する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上記光ファ
イバカプラの補強構造において、従来の接着剤6はアク
リル系、エポキシ系等の樹脂成分が100%の物が使用
されていた。この接着剤6は、硬化時に約5〜10%の
率で収縮するため、カプラ本体4が接着剤6の方向に引
っ張られ、カプラ本体4内部に応力が残留するという問
題点があった。また、この収縮時に接着剤6自体にも残
留応力が残るため、経時的にカプラ本体4に亀裂、たる
み等を生じさせてしまう。 【0006】これらの理由により、従来の光ファイバカ
プラは、経時的に損失が大きくなったり、分岐比の変動
等が生じるなどの不都合があった。 【0007】特に、図1に示す様にカプラ本体4の構造
上最も弱い、結合部5の両側部Bにも接着剤6を塗布す
ると、さらに接着剤6の残留応力の影響を多く受ける事
になり、光ファイバカプラの特性劣下が一段と進みやす
かった。 【0008】本発明の目的は、上記問題点を解決する為
に、接着剤6によるカプラ本体4への悪影響を極力小さ
くし、光ファイバカプラの経時的損失変動、分岐比変動
をなくし、信頼性の高い光ファイバカプラの補強構造を
提供する事である。 【0009】 【課題を解決するための手段】そこで本発明は、複数本
の光ファイバを加熱融着、延伸して形成される光ファイ
バカプラを、接着剤にて石英ガラス等の基板に固定する
に際し、上記接着剤中に応力緩衝材としてSiO系フ
ィラーを接着剤全体の50〜80重量%、および弾性球
状樹脂を接着剤全体の1〜10重量%含有させたことを
特徴とする。 【0010】なお、上記SiO系フィラーとは、酸化
珪素(SiO)を主成分とする微小な粉体であり、光
ファイバのクラッド部を成す石英ガラスと同一または類
似の成分であるため、接着剤の硬化時にカプラ本体にス
トレスを与えにくい。またSiO系フィラーを添加す
ることにより接着剤の収縮率を小さくする効果もある。 【0011】一方、弾性球状樹脂とは、アクリル樹脂等
からなる球状または楕円球状の微小粉体であり、接着剤
の硬化収縮時に残留応力を吸収することができる。 【0012】 【0013】 【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。 【0014】本発明の光ファイバカプラの構造を図1に
示す。このような光ファイバカプラの作製方法は、まず
被覆された光ファイバ10、20の被覆部を除去し、露
出されたクラッド部1、2をアルコール等で洗浄する。
その後、クラッド部1、2を整列治具等で並行に密着整
列し、酸素−プロパン等のバーナにより加熱しながら、
光ファイバ10、20を左右方向に延伸しテ−パ状の結
合部3を形成する。 【0015】このようにして得られたカプラ本体4を石
英ガラス等の基板5上に載置し、接着剤6で固着する。
この接着剤6としては、紫外線や可視光線等エネルギ−
線にて硬化するアクリル系、エポキシ系等の接着樹脂
に、応力緩衝材としてSiO系フィラーおよび弾性球
状樹脂を添加したものを用いる。 【0016】接着個所は、基板5の両端部A、および結
合部3の両側部Bの融着開始点付近の合計4個所とす
る。また、基板5の両端部Aから結合部3の両側部Bま
での間の範囲をすべて接着固定しても良い。以下に述べ
るように、本発明の接着剤6はカプラ本体4にストレス
を与えにくいことから、結合部3の両側部Bで接着して
も結合部3に悪影響を及ぼしにくい。 【0017】さらに、図示していないが、この基板5を
セラミックス、金属、ガラス等の筒状体で覆うことによ
り光ファイバカプラの補強構造が完成する。 【0018】このような本発明の光ファイバカプラの補
強構造によれば、接着剤6中に応力緩衝材としてSiO
系フィラーおよび微小弾性球状樹脂を含有することか
ら、以下に詳細を説明するようにカプラ本体4にストレ
スを与えにくく、経時的に安定した光ファイバカプラを
得る事ができる。 【0019】まず、SiO系フィラーであるが、これ
はSiOを主成分とし、数10Åの粒径でランダムな
形状をした粉体であり、カプラ本体4の石英ガラスと同
一もしくは非常に類似した成分である。そのため、カプ
ラ本体4と同一成分がストレスのまったくない状態で接
着剤6に添加され硬化されることから、硬化時の残留応
力が極めて少なくなる。また、SiO系フィラーを添
加する事により、硬化時の収縮率を樹脂成分100%の
接着剤に対して約半分程度に低下できる効果もある。 【0020】この場合のSiO系フィラーの含有量は
接着剤6全体の50〜80重量%が好ましいが、これは
80重量%よりも多いと接着剤6が硬化し難くなり、5
0重量%よりも少ないと硬化時の収縮率が大きくなって
しまうためである。また、SiO系フィラーの平均粒
径は、1〜100Åのものが好ましい。 【0021】次に弾性球状樹脂であるが、これはアクリ
ル等の樹脂からなり、平均粒径が数100Åの粉体であ
って、形状は球状あるいは楕円球状が好ましい。一般に
接着剤は硬化する際に全体として内側に向かって収縮す
るが、上記弾性球状樹脂はこの収縮力に反発し、硬化時
の応力に対する緩衝材の役割をする。この弾性球状樹脂
の含有量は接着剤6全体の1〜10重量%が好ましく、
またその平均粒径は10〜1000Åの範囲が好まし
い。 【0022】上記、SiO系フィラーと弾性球状樹脂
の2種類の成分を各々接着樹脂に添加、混合し、本発明
の接着剤を得ることができ、弾性球状樹脂とSiO
フィラーの2種類を共に添加したものが最適である。 【0023】また、接着硬化時の影響は、カプラ本体4
の結合部3の形状によっても異なってくる。例えば、強
い火炎で融着した場合の結合部3の断面を図2に示すよ
うに、2本のクラッド部1、2が完全に溶け合い一体化
した状態になっている。この様な構造の場合は強度的に
強いため、接着剤6のストレスにもあまり影響されない
が、初期の過剰損失が大きくなる確率が高くなる。ま
た、たとえば10年、20年と長期間カプラを使用する
場合、接着剤6の残留応力が影響してくる恐れがある。 【0024】一方、弱い火炎で融着した場合の結合部3
の断面を図3に示すように、2本のクラッド部1、2が
完全一体化とはなっておらず、凹部3aを持った8の字
形状となっている。この形状は必要最小限の火炎条件に
より融着せしめた場合であり、初期の過剰損失がかなり
小さく抑えられるが、凹部3aが接着剤6のストレスに
弱い。つまり接着剤6の引っ張り応力等が生じた場合、
凹部3aにストレスが集中し、この部分から亀裂等の悪
影響が生じる場合がある。 【0025】さらに接着剤6の残留応力の影響は、カプ
ラの延伸長によっても異なってくる。例えば、単独波長
のみに使用するカプラである狭帯域型カプラ、または広
域波長で使用するカプラである広帯域型カプラ等は、合
分波器に比べ延伸長が短い為接着剤6の残留応力の影響
は比較的受けにくい。一方、合分波器の中でも特に増幅
器に使用される合分波器等は、延伸長がかなり長くなる
為、接着剤6のストレスがかなり影響してくる。 【0026】上記の様に光ファイバカプラの結合部3の
形状や延伸長により、接着剤6のストレスのかかり方が
変化するが、いずれの場合においても本発明のように、
SiO系フィラーおよび弾性球状樹脂を含有した接着
剤6を用いれば、カプラへの悪影響を防止することがで
きる。そのため、図3に示すように結合部3を弱い火炎
で融着して初期の過剰損失を小さくしたカプラであって
も、良好に使用することができる。 【0027】実験例 ここで、本発明実施例および比較例として、図1に示す
光ファイバカプラを試作し使用実験を行った。 【0028】本発明実施例では、接着剤6として接着樹
脂にSiO系フィラーを70重量%、弾性球状アクリ
ル樹脂を3重量%添加したものを用いた。一方比較例で
は、接着樹脂100%のものを用いた。いずれも、評価
サンプルは第1に1.31μmと1.55μmの波長で
使用されるWDM(合分波器)、第2に1.31μmと
1.55μmの波長で使用されるWIC(広帯域型カプ
ラ)を用い、それぞれ温度60℃、湿度90%の条件下
で21日間放置した。そして、実験前後での挿入損失の
変動量を測定したところ、結果は表1に示す通りであっ
た。 【0029】 【表1】 【0030】この結果より明らかに、WDMの場合、樹
脂成分100%の接着剤を使用した比較例では0.48
dBもの挿入損失変動があったが、本発明の接着剤を使
用すると0.06dBの挿入損失変動に収まった。ま
た、WICの場合においても同様な結果となり、比較例
では0.28dBの挿入損失変動が、本発明実施例では
0.09dBの挿入損失変動であった。 【0031】この挿入損失変動は小さい方がよく、ベル
コア規格では0.1dB以下が好ましいとされている
が、本発明実施例ではこの規格を満たしている。 【0032】なお、上記WDMの融着延伸長は約16m
m、WICの融着延伸長は約12mmであり、比較例で
は延伸長の長いWDMの方が損失変動が大きかったが、
本発明実施例ではいずれも充分小さくできる。なお、さ
らに各々のサンプル数を増やして同様の信頼性試験を行
ったが、やはり同様な傾向となった。 【0033】 【発明の効果】以上の様に本発明によれば、SiO
フィラーおよび弾性球状樹脂を含有する接着剤を用い
て、光ファイバカプラと基板を接着したことによって、
接着剤硬化後の残留応力を極めて少なくすることができ
るため、カプラ本体に与える応力等ストレスはほとんど
なくなり、カプラ完成体の経時的劣下を防止して、高信
頼の光ファイバカプラを提供する事が出来る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明実施例の光ファイバカプラの補強構造を
示す平面図である。 【図2】光ファイバカプラの結合部の断面図である。 【図3】光ファイバカプラの結合部の断面図である。 【符号の説明】 10、20:光ファイバ 1、2:クラッド部 3:結合部 4:カプラ本体 5:基板 6:接着剤

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】複数本の光ファイバを加熱融着、延伸して
    形成される光ファイバカプラを接着剤にて石英ガラス等
    の基板に固定する補強構造であって、上記接着剤中に応
    力緩衝材としてSiO 系フィラーを接着剤全体の50
    〜80重量%、および弾性球状樹脂を接着剤全体の1〜
    10重量%含有させたことを特徴とする光ファイバカプ
    ラの補強構造。
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