JPH0625810U - 光ファイバ融着カプラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 温度変化の影響の少ない光ファイバ融着カプ
ラを提供する。 ［構成］ 光ファイバ１，２から形成される融着カプラ
本体のカップリング部を、割入りのガラスパイプ３に接
着剤４で固定し、ショア−Ｄ硬度が３０以下のコンパウ
ンド５を充填する。これを金属パイプ６に挿入し、コン
パウンド７を充填して、ゴムクランプ６で固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光通信システムに用いられ、光パワーを分岐、合成するための光フ ァイバ融着カプラに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

複数本の光ファイバを融着延伸してカプラを作成することはよく知られている 。このような、光ファイバ融着カプラは、その取扱いを容易にするため、また、 特性を維持するために、作成された裸カプラをステンレスパイプの保護管内に収 めることが行なわれている。

【０００３】 しかしながら、このような従来の製品化されている光ファイバ融着カプラは、 耐環境信頼性、特に、カプラ本体を構成するガラスと、保護管のステンレスとの 熱膨張係数の相違によって、温度変化に対する性能の安定性を良好に保つことが 困難であり、温度変化に対して特性の変動が生じるという欠点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上述した問題点を解決するためになされたもので、温度変化の影響 の少ない光ファイバ融着カプラを提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、光ファイバ融着カプラにおいて、光ファイバを融着延伸して作成し た光ファイバ融着カプラ本体と、該光ファイバ融着カプラ本体のカップリング部 を囲むよう配設された割入りのガラスパイプと、該ガラスパイプ内で前記カップ リング部を保持するためのショア−Ｄ硬度が３０以下のコンパウンドと、前記ガ ラスパイプの両端近傍において前記光ファイバ融着カプラ本体を前記ガラスパイ プに固定するための接着剤と、前記ガラスパイプの周囲に配設された金属パイプ と、該金属パイプと前記ガラスパイプ間に充填されたコンパウンドからなること を特徴とするものである。

【０００６】 ガラスパイプとして、石英パイプを用いることができる。接着剤には、紫外線 硬化型樹脂を用いることができる。ガラスパイプ内に充填するコンパウンドとし ては、ショア−Ｄ硬度が１０〜１５のものを用いることができる。

【０００７】

【作用】

本考案では、光ファイバを融着延伸して作成した光ファイバ融着カプラ本体の カップリング部がガラスパイプ内に接着剤により固定されている。したがって、 カップリング部とガラスパイプとの熱膨張係数がほぼ等しいので、温度変化によ る特性変動を抑えることができる。また、ガラスパイプは、割入りであるから、 作成された光ファイバ融着カプラのカップリング部を容易にガラスパイプ内に挿 入できる。ガラスパイプ内には、ショア−Ｄ硬度が３０以下のコンパウンド剤が 充填されているから、外部からの衝撃を緩和し、また、湿度等の影響も受けるこ とがない。また、このコンパウンド剤として、非常に軟らかい材料を用いたため 、温度変化時でも特性に大きな変動が生じることはない。

【０００８】 さらに、光ファイバ融着カプラ本体を内挿したガラスパイプを、金属パイプに 内挿し、金属パイプとガラスパイプ間にコンパウンド剤を充填したことにより、 ガラスパイプを保護し、より衝撃に強い光ファイバ融着カプラを構成することが できる。ガラスパイプとして石英パイプを用いることにより、光ファイバカプラ 本体とガラスパイプの熱膨張係数を、より等しいものとすることができ、カップ リング部の特性変動を抑えることができる。

【０００９】

【実施例】

図は、本考案の光ファイバ融着カプラの一実施例を製造工程に基づいて説明す るためのものである。図中、１，２は光ファイバ、３はガラスパイプ、４は接着 剤、５はコンパウンド、６は金属パイプ、７はコンパウンド、８はゴムクランプ である。

【００１０】 図示しない光ファイバカプラ製造装置により、被覆の一部が除去された２本の 光ファイバ１，２が加熱状態で、融着、延伸されされてカップリング部が形成さ れる。このカップリング部が形成された状態のまま、割り入りを設けたガラスパ イプ３の切り割り部を通して、カップリング部をガラスパイプ３の中に収容する （図１）。ガラスパイプ３としては、石英ガラスのパイプを用いた。

【００１１】 ついで、ガラスパイプ３の両端部近傍において、ガラスパイプ３とファイバカ プラ本体とをカップリング部が撓むことのないようにして接着剤４を用いて固定 する。接着剤４には、紫外線硬化型接着剤を用いた（図２）。

【００１２】 その後、ガラスパイプ３内に、非常に軟らかいコンパウンド５を充填する。コ ンパウンド５は、ショア−Ｄ硬度が３０以下、より望ましくは、のコンパウンド 剤を用いる。この実施例では、硬化剤を含む流動性のシリコーン樹脂を充填した 。その後、この樹脂はジェリー状に硬化した（図３）。

【００１３】 このようにして、光ファイバ融着カプラ本体を挿入固定したガラスパイプ３を 、金属パイプ６、例えば、ステンレスパイプに挿入し、シリコーン樹脂のコンパ ウンド７を充填し、両端をゴムクランプ８で塞いだ。シリコーン樹脂のコンパウ ンド７は、ガラスパイプ３内に充填したコンパウンド５よりは、硬度が高いもの を用いた（図４）。

【００１４】 このようにして、光ファイバ融着カプラを製造することができるが、上述した 材料は一例であって、本願の考案が、これに限られるものでないことは勿論であ る。

【００１５】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、耐環境性に優れたカプラが 得られるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の光ファイバ融着カプラの一実施例の製
造工程における斜視図である。

【図２】本考案の光ファイバ融着カプラの一実施例の製
造工程における斜視図である。

【図３】本考案の光ファイバ融着カプラの一実施例の製
造工程における斜視図である。

【図４】本考案の光ファイバ融着カプラの一実施例の製
造工程における断面図である。

【符号の説明】

１，２ 光ファイバ ３ ガラスパイプ ４ 接着剤 ５ コンパウンド ６ 金属パイプ ７ コンパウンド ８ ゴムクランプ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバを融着延伸して作成した光フ
   ァイバ融着カプラ本体と、該光ファイバ融着カプラのカ
   ップリング部を囲むよう配設された割入りのガラスパイ
   プと、該ガラスパイプ内で前記カップリング部を保持す
   るためのショア−Ｄ硬度が３０以下のコンパウンドと、
   前記ガラスパイプの両端近傍において前記光ファイバ融
   着カプラ本体を前記ガラスパイプに固定するための接着
   剤と、前記ガラスパイプの周囲に配設された金属パイプ
   と、該金属パイプと前記ガラスパイプ間に充填されたコ
   ンパウンドからなることを特徴とする光ファイバ融着カ
   プラ。