JPH10102814A - 箱形構造物とその構築方法 - Google Patents

箱形構造物とその構築方法

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JPH10102814A
JPH10102814A JP27395796A JP27395796A JPH10102814A JP H10102814 A JPH10102814 A JP H10102814A JP 27395796 A JP27395796 A JP 27395796A JP 27395796 A JP27395796 A JP 27395796A JP H10102814 A JPH10102814 A JP H10102814A
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京治 竹本
Kunizou Chiwata
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 側壁の建込み作業を容易かつ円滑化できる箱
形構造物を提供する。 【解決手段】 床版上に、たてPC鋼材とよこPC鋼材
とにより、たて締めとよこ締めが施された側壁が建込さ
れており、側壁で囲まれる内部が収容空間とされた角型
又は非角型横断面形状の箱形構造物において、前記側壁
は上下に複数分割されたたて分割側壁板21,21a,
21b,…を床版22に順次多段に建込んで構成され、
前記床版22には、前記各分割側壁板を床版22に対し
てたて締めするための長さを異にする複数のたてPC鋼
材23,23a,…が植設されており、各側壁板を上下
に貫通している。各段の分割側壁板21は、前記複数の
たてPC鋼材のうち、当該分割側壁板21を貫通してそ
の上面に突出する位置に定着具取付け部が設けられてい
る当該たてPC鋼材23の定着具取付け部に定着具27
を取付けることで前記床版22に固着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PC版を用いて構
築される貯水槽その他各種用途に用いられる箱形構造物
とその構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、PC壁板を用いた貯水槽等の箱
形構造物では、図23に示すように所定の高さ寸法hを
有するたて分割された、たて分割壁板1が床版2上に立
設され、かつ床版2から起立するたてPC鋼棒3を前記
たて分割壁板1を貫通してその上面に突出させ、この突
出上端部に定着具(図示せず)を取付けてたて締めを行
ない、隣合うたて分割壁板1の間に後施工で目地4を施
工し、その後よこPC鋼線5をたて分割壁板1に横に貫
通させてその側端面から突出させ、その突出両端部に定
着具(図示せず)を取付けてよこ締めを行ない、それに
よりたて分割壁板1の相互間の一体化と、これらと床版
2との一体化がなされて内側に収容空間が形成された側
壁6を構築して箱形構造物7が構成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の箱形構造物7で
は、床版2上に工場で製作されたたて分割壁板1を建込
み、このたて分割壁板1に上下方向にたてPC鋼棒3を
貫通させてたて締めを行なうのであり、このように分割
壁板はたてに分割された、たて分割壁板1であって、そ
の高さhは箱形構造7の上部の高さを構成するものであ
るから、自ずから背丈が高く、例えば高さが9m以上あ
り、重量も重い一枚の壁板である。このため、たてPC
鋼棒3を用いてたて締めを行なうときに、たて分割壁板
1を1枚ずつ非転倒的に自立させ、この状態を保持しな
がら前記たてPC鋼棒3の上端に定着具を取付けてたて
締めを行なうものであるから、このたて締め作業に大層
手間どり、かつ多数の作業者とクレーン等大型の機械設
備等が必要となる。さらに、たて締めをした複数のたて
分割壁板1に目地4を施工した後、よこPC鋼線5を貫
通させて各たて分割壁板1をよこ締めする作業は、結果
的に、長方形の床版2の隣合う2辺に配設される側壁板
全体を同時によこ締め施工する作業であり、このような
よこ締めの同時施工作業は大層時間と手間がかかるとい
う問題があった。
【0004】さらに、図24に示されるように従来の箱
形構造物7では、床版2上に建込まれるたて分割壁板1
には、その内部の収容空間8に収容された水10等の水
圧がかかる。この水圧は、図示の水圧曲線イで示すよう
に、たて分割壁板1の下端部にいくにしたがって大きく
なり、したがって、たて分割壁板1には、図示の概略モ
ーメント曲線ロで示す力が内側から作用する。
【0005】ところが、図23で説明したように、従来
のたて分割壁板1は、その内部を上下に貫通するたてP
C鋼棒3で、たて分割壁板1の上部と下部が均等の強度
を有する構造とされているため、より大きな曲げモーメ
ントが内側から作用するたて分割壁板1の下部外側に
は、図24に示す側面形状の垂直ハンチ(補強部材)1
2を設けて補強する必要があり、それだけ箱形構造物7
の下部構造が大型化するという問題があった。なお、図
24、図25においては、たて分割壁板1の上部に天板
13が架設されており、かつ内部収容空間8は複数の中
間仕切り壁14で仕切られ、各仕切り壁14で仕切られ
た区画室15の間は、仕切り壁14に開設された開孔部
15で連通した構造が図示されている。
【0006】本発明は、前記の課題を解決した箱形構造
物とその構築方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明は、床版上に、たてPC鋼材とよこPC鋼材
とにより、たて締めとよこ締めが施された側壁が建込ま
れて、側壁で囲まれる内部が収容空間とされた角形又は
非角形横断面形状の箱形構造物において、前記側壁は上
下に複数分割された、分割側壁板を複数段建込んで構成
され、前記床版には前記上下に建込まれる各分割側壁板
を床版に対してたて締めするための長さを異にする複数
のたてPC鋼材が植設されており、各段の分割側壁板
は、前記複数のたてPC鋼材のうち、当該分割側壁板を
貫通してその上面に突出する位置に定着具取付け部が設
けられている前記たてPC鋼材の上端部に定着具を取付
けることで前記床版に固着された構成を特徴とする。
【0008】また、本発明は、床版上に側壁を建込み、
この側壁にたてPC鋼材とよこPC鋼材とを貫通させる
ことにより、内部に収容空間を形成する前記側壁を前記
床版と一体化させるようにした箱形構造物の構築方法に
おいて、床版上に所定の配置で高さを異にする複数のた
てPC鋼材を植設し、前記側壁を構成する上下複数段の
分割側壁板のうちの最下段の分割側壁板を、前記各たて
PC鋼材を上下方向に貫通させることで床版上に建込
み、この最下段の分割側壁板を、その上面から突出して
いる最短の前記PC鋼材の上端部に定着具を取付けてた
て締めを行ない、次に最短PC鋼材を除く他のPC鋼材
を上下方向に貫通させた第2段目の分割側壁板を前記最
下段の分割側壁板の上に建込み、この第2段目の分割側
壁板を、その上面から突出する位置に定着具取付け部が
設けられている前記PC鋼材の上端部に定着具を取付け
ることを特徴とする。
【0009】また本発明は、前記第2段目の分割側壁板
の上面から突出している第3番目に長いPC鋼材よりも
長いPC鋼材を上下方向に貫通させた第3段目の前記第
2段目の分割側壁板の上に建込み、この第3段目の分割
側壁板の上面から突出する位置で上端が終っているPC
鋼材の上端部に定着具を取付けてたて締めを行なうこと
を特徴とする。
【0010】また本発明は、第3段目の分割側壁板の上
にさらに1段又は複数段の分割側壁板を順次建込み、そ
れぞれの壁板を上下に貫いて上方に突出させ、各段の分
割側壁板の上面に突出した位置に定着具取付け部が設け
られている各たてPC鋼材に定着具を取付けることによ
り各段の分割側壁板のたて締めを行なう。
【0011】本発明によると、箱形構造物の側壁は、よ
こ分割側壁板を多段に順次建込んで構築され、かつ長短
複数のたてPC鋼材により上下段のよこ分割側壁板を床
版に対してたて締め固定するものであるから、側壁の構
築作業を上下方向に分割された分割側壁板の建込み作業
により段階的に小きざみに行なうことができて、比較的
小人数で作業でき、かつ、大型の機械設備を必要とせ
ず、作業の流れを均一化でき全体としてスムーズに作業
を行なうことができる。しかも下段側のよこ分割側壁板
を上段側の壁板よりも多数本のたてPC鋼材が貫通する
ので、この下側の側壁板がより強く補強され、内側から
最も大きなモーメントが作用する最下段のよこ分割側壁
板には、従来のような外部補強を設けることが必要でな
い。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図を参照
して説明する。図1,図2,…図16,図17は、本発
明に係る箱形構造物(完成状態を図17に示す)を構築
する工程を順に図示するものである。
【0013】図を追って説明すると、図2,図4に示す
ように地面に打設された平面からみて略長方形の床版2
2上の4側縁部に沿って、各々長さの異なる第1たてP
C鋼棒23と、第2たてPC鋼棒23aと、第3たてP
C鋼棒23b(このたてPC鋼棒23bは図示では、最
長であるが、後述するように、第1たてPC鋼棒23を
除く、第2,第3のたてPC鋼棒23bは継手管を介し
て長尺のたてPC鋼棒とされる)がそれぞれ複数本立設
されており、各たてPC鋼棒の下端は、図3,図6に示
すようにアンカー部材16を介して床版22に埋設され
ている。
【0014】床版22に第1,第2,第3のたてPC鋼
棒23,23a,23bを植設した後、図3,図4に示
すように上下に建込まれるよこ分割側壁板のうち、最下
段(第1段)のよこ分割側壁板21が床版22上にその
四辺に沿って平面長方形に載置される。このとき、第
1,第2,第3の各たてPC鋼棒23,23a,23b
は、第1段のよこ分割側壁板21に埋設のシース24で
形成されたたて貫通孔25を貫通して、側壁板の上端面
から図示のように突出している。
【0015】図3において、1枚のよこ分割側壁板21
の長さ寸法Lは例えば3.9m、高さ寸法h1 は例えば
約2mであり、この大きさのよこ分割側壁板21が床版
22の長手方向と幅方向に複数枚配設される。そして、
第1たてPC鋼棒23の長さ寸法は、この鋼棒上端が第
1段目のよこ分割側壁板21のたて貫通孔25を貫通
し、側壁板の上面、具体的にはこの上面に前記貫通孔2
5と連通して形成された凹部26の内部に突出する長さ
であり、この凹部26内において、第1たてPC鋼棒2
3の上端ねじ部にナットなどの定着具27を取付けるこ
とで、第1段目の各よこ分割側壁板21が床版22に対
してたて締め手段で強固に固定される。
【0016】図4,図5に示すように各よこ分割側壁板
21の両端には外側が隣の側壁板端面に傾斜したテーパ
面28が形成してある。したがって、図に示すようによ
こに接続した分割側壁板21の間に形成される目地30
は、壁板の内側に十分な量の目地材31を充填できる溝
空間を有し、しかも壁板の外側接合部32は壁板の端縁
同士が接続して閉じており、側壁を外側から見たとき
は、前記の目地30が殆ど目だたない構成とされてい
る。さらに、この構成では、目地空間が先細状であるか
ら、内側からの水圧で目地材31は先細の目地空間に押
されるので、止水性の点でも優れた構造である。
【0017】前述のようにして、床版22上に4角形に
組まれて、第1,第2,第3のたてPC鋼棒23,23
a,23bが壁板上下方向に貫通しており、第1たてP
C鋼棒23でたて締めされた第1段目の複数のよこ分割
側壁板21に、シース33を横方向に埋設させて形成さ
れたよこ貫通孔34によこPC鋼棒35が通される。そ
して図に示されるように床版22の長手方向に配設され
るよこ分割側壁板21の両側端から突出したよこPC鋼
棒35の両端部を、床版22の幅方向に配設するよこ分
割側壁板21の厚み方向に貫通させ、このよこ分割側壁
板21の外側面に形成した凹部26内に突出させ、この
突出先端のねじ部にナットなどの定着具27を取付ける
ことで、第1段目の平面長方形配置の複数のよこ分割側
壁板21が一体によこ締めされる。なお、図4,図5に
示すように、よこPC鋼棒35が、目地30を横断する
位置においては、このよこPC鋼棒35が短尺のシース
33aを挿通するように設けられている。また、各PC
鋼棒とシース間にはモルタルを充填してもよい。平面長
方形の床版1の長手方向と幅方向に設置されるよこ分割
側壁板21のたて締め連結構造とよこ締め連結構造は略
同一であるので、発明の実施形態では、長手方向の側壁
板を説明し、幅方向の側壁板については図示のみとし、
詳細な説明は省略する。
【0018】図4には、床版22上に第1段目のよこ分
割側壁板21が長方形に組まれた状態における平面図が
示されている。同図には、この段階で、4角形に組まれ
た、よこ分割側壁板21の内側に形成される収容空間3
6において、複数の仕切り壁37の下段部が床版22上
に設置されて区画室38が形成されており、各区画室3
8の間は、仕切り壁37に設けられた連通孔40を介し
て、各区画室38が連通している。つまり、この仕切り
壁37は順次コンクリート板を積み重ねて構成され、図
4は積み重ね初期(つまり下段部)が示されており、連
通孔40はこの下段部位置に設けられる。なお、仕切り
壁37は側壁を構築する際のどの段階で構築してもよ
い。
【0019】図5には、図4における左端部の横断平面
構造が拡大して図示され、図6には、図5におけるA−
A線位置での縦断面図が示されている。各図から分ると
おり、第1段目のよこ分割側壁板21においては、第
1,第2,第3のたてPC鋼棒23,23a,23bが
上下方向に貫通しており、この第1段目のよこ分割側壁
板21を床版22にたて締め固定する第1のたてPC鋼
棒23は、第2,第3のPC鋼棒23a,23bよりも
側壁板の内側寄りにずれた位置に配設されている。そし
て、水圧により第1段目のよこ分割側壁板21の内側に
働くモーメントに対しては、第1,第2,第3のすべて
のたてPC鋼棒23,23a,23bが抵抗して機能
し、それ故、後述するように第1PC鋼棒23が存在し
ない2段目から上位のよこ分割側壁板21a,21b…
よりもより強く補強され、この第1段目のよこ分割側壁
板21は、その外部へ補強用出張りがないにも拘わら
ず、内側からの水圧等による耐曲げ強度が向上する。
【0020】図7,図8には、第1段目のよこ分割側壁
板21の上に第2段目のよこ分割側壁板21aを積み重
ねて施工した状態が示されている。このとき、第2,第
3のたてPC鋼棒23a,23bは、よこ分割側壁板2
1aの各たて貫通孔25を貫通して、側壁板の上端面か
ら突出している。このとき、図示のように、第2たてP
C鋼棒23aの上端が、第2段目のよこ分割側壁板21
aのたて貫通孔25を貫通して、壁板の上面、具体的に
は、この上面に前記たて貫通孔25と連通して形成され
た凹部26内の内側に突出する長さであり、この凹部2
6内において、第2たてPC鋼棒23aの上端ねじ部に
ナットなどの定着具27を取付けることで、第2段目の
よこ分割側壁板21aが床版22に対してたて締め手段
で強固に固定される。
【0021】このとき、図示のように第3のたてPC鋼
棒23bは上方に立上っている。また、複数の第2たて
PC鋼棒23aのうち、その上端部に前記定着具27が
取付けられるPC鋼棒の上端には、図9に示すようにこ
の定着具27を介してターンバックルを用いた継手金具
41によりその上部に第2たてPC鋼棒23aが連結さ
れている。つまり、ナットである定着具27で第2段目
のよこ分割側壁板21aの上面を締めたうえ、その上側
に突出するねじ部に、前記継手金具41の下端部が螺合
され、この継手金具41の上部に、上側に連結する第4
PC鋼棒23cの下端ねじ部が螺合される。
【0022】また、定着具27が上端に設けられない第
2PC鋼棒23a−1の上端ねじ部には、図10に示す
ように単に前述と同じ構造のターンバックルからなる継
手金具41の下端が螺合され、この継手金具10の上部
に、上側に連結する第5PC鋼棒23dの下端ねじ部が
螺合されている。さらに、図7,図8に示されるように
平面長方形に組まれ、たて締めされた第2段目の複数の
よこ分割側壁板21aに、シース33を横方向に埋設さ
せたよこ貫通孔34によこPC鋼棒35が通され、第1
段目の場合と同様によこ分割側壁板21aの両側端から
突出した、よこPC鋼棒35の両端部を床版22の幅方
向に配設するよこ分割側壁板21aの厚み方向に貫通さ
せて、その外側面に形成した凹部26内に突出させ、こ
の突出部ねじ部にナットなどの定着具27を取付けるこ
とで、第2段目の複数のよこ分割側壁板21aが一体に
よこ締めされる。また、目地30には目地材31が充填
される。また、上下のよこ分割側壁板21,21aの間
にも目地材が充填されている。
【0023】図11には、第2段目の上に第3段目のよ
こ分割側壁板21bが積み重ねられた状態における長手
方向の側面図が、図12には平面図が示されている。こ
の第3段目のよこ分割側壁板21bのたてPC鋼棒によ
るたて締め構造及び、よこPC鋼棒によるよこ締め構造
は、第2段目のよこ分割側壁板21aの場合と同じであ
る。つまり、第3段目のよこ分割側壁板21bでは、各
PC鋼棒が、たて貫通孔25を上下方向に貫通してお
り、第3たてPC鋼棒23bの上端部が、第3段目のよ
こ分割側壁板21bの上面の凹部26内に突出してお
り、この凹部26内において、第3たてPC鋼棒23b
の上端ねじ部にナット等の定着具27を取付けること
で、第3段目のよこ分割側壁板21bが床版22に対し
てたて締めされる。なお、定着具27のある前記第3の
たてPC鋼棒23bの上端には、図9に示す連結構造と
同様に、継手金具41を介して第6たてPC鋼棒23e
が連結される。
【0024】図14には、第4段目のよこ分割側壁板2
1cが第3段目の上に積み重ねられた状態における長手
方向の側面図が示され、図15には、第4段目の上に側
壁の最上段、つまり第5段目のよこ分割側壁板21dが
積み重ねられた状態における長手方向の側面図が示され
ている。図14において、第4段目のよこ分割側壁板2
1cの上面は、凹部26において第4たてPC鋼棒23
cの上端ねじ部に定着具27を固着することで床版22
に対したて締めされている。この第4PC鋼棒23cの
上端には、ターンバックルからなる第7たてPC鋼棒2
3fが連結されている。こうして、第4段目の上に積重
ねられる第5段目のよこ分割側壁板21dの配設高さ位
置には、図示のようにそれぞれ複数本の第5,第6,第
7のたてPC鋼棒23d,23e,23fが立上ってお
り、各PC鋼棒の上端の高さ位置が揃う長さに設けられ
ている。
【0025】そして、図15に示されるように、複数の
たて貫通孔25に前記第5,第6,第7のたてPC鋼棒
23d,23e,23fを貫通して第5段目のよこ分割
側壁板21dを、第4段目のよこ分割側壁板21cの上
に積み重ねたうえ、第5段目のよこ分割側面板21dの
上面から突出する前記第5,第6,第7のたてPC鋼棒
23d,23e,23fの上端ねじ部にナットなどの定
着具27を取付けることで、第5段目のよこ分割側壁板
21dが床版22に対してたて締めされる。とくに、側
壁上端まで立上る第5たてPC鋼棒23dでは、これと
床版22との間を接続する連続PC鋼棒の途中に定着具
27が存在しないので、前記の定着具27が途中に存在
する連続PC鋼棒系に比べて上端の定着具27のたて締
め力を床版22に直に伝達し易い。
【0026】なお、図14に示されるように、第5段目
を除き、第1段目と、第2段目と、第3段目と、第4段
目の各よこ分割側壁板21,21a,21b,21cに
おいて、それぞれ所定の間隔離れた側壁板上面の2箇所
が定着具27でたて締めされている。このように少なく
とも2箇所で分割側壁板をたて締めすることにより、よ
こ分割側壁板を垂直に立上がるPC鋼棒を中心に当該よ
こ分割側壁板に作用する回転力を確実に制止できる。し
かも、前記2箇所の定着具27の締結で上段と下段のよ
こ分割側壁板の間の目地部の圧接強度を増大して止水性
を向上できる。
【0027】図15に示すように、床版22上におい
て、最上段までよこ分割側壁板21,21a,21b,
21c,21dが積み重ねられて平面が長方形の側壁が
構築された後、図16,図17に示すように内部収容空
間36の上部が複数の蓋板42で閉じられ、その上にト
ッピングコンクリート43が打設される。つまり、内部
収容空間36において、床版22上には、その幅方向に
平行に立上る複数の仕切り壁37が側壁の構築と相前後
して、この側壁と同じ高さに設けられ、さらに図16に
示すように長手方向両端に位置する仕切り壁37と幅方
向側壁21−2との間には短尺仕切り壁37aが設けら
れている。なお、図17において、床版22は、地中5
1に打込まれた基礎杭18の上端に栗石19、捨てコン
クリート20を介して打設されている。
【0028】蓋板42は、図16〜図22に示すよう
に、側壁で囲まれる平面から見て長方形を相似形に複数
区間した平面形状であり、蓋板42の裏面には幅方向に
所定の間隔をおいて、かつ長手方向に伸びる所定高さの
脚部44が設けられ、脚部44の長手方向両端と蓋板4
2の裏面との間に係合段部45が形成されている。前記
の蓋板42は、各図に示されるように側壁で囲まれる側
壁上端の内側に敷詰められており、蓋板42の裏面長手
方向両端の係合端部45の各仕切り壁37の上端面と側
壁の上端面に係止されて保持される。
【0029】前述のように蓋板42が側壁の上端部に敷
詰められた後、この蓋板42の上側に前述のトッピング
コンクリート43が打設される。このとき、仕切り壁3
7の上端面において、長手方向に隣合う蓋板42の間に
間隙46が形成され、この間隙46にトッピングコンク
リート廻り込み部43aが充填されることで蓋板42と
トッピングコンクリート43と仕切り壁37との一体化
がより強固となり、トッピングコンクリート43の周縁
部と側壁の上端縁も一体化される。
【0030】前記のように、平面板状に敷詰めた多数の
蓋板42のうち、両端部に位置する任意の蓋板42とト
ッピングコンクリート43を貫いて換気孔47が開口さ
れており、この換気孔47を間隙を有して覆うように脚
部48を有した換気塔49が設けられている。また、こ
うして閉塞構造に設けられた箱形構造物17の内部空間
には、床版22を下方から立上って貫通する流入(出)
管50を介して水10が流入出できるように設けられて
いる。また、側壁の内側面には、内部防食層が施される
(但し、図示せず)。なお、本発明は、箱形構造物の横
断面形状が角形に限らず、非角形のものにも適用でき
る。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
箱形構造物の側壁は、よこ分割側壁板を多段に順次に建
込んで構成され、かつ複数のたてPC鋼材により上下段
のよこ分割側壁板を床版に対して、たて締め固定するも
のであるから、側壁の構築作業を上下方向に分割された
分割側壁板の順次の建込み作業により行なうことがで
き、それ故に、作業を段階的に小きざみに行なうことが
できて、比較的小人数で作業でき、かつ、大型クレーン
等の機械設備等を必要とせず、作業の流れを均一化でき
全体としてスムーズに作業を行なうことができるという
効果がある。さらに、下段側のよこ分割側壁板にはより
多数本のたてPC鋼材が貫通するので、より大きな内圧
が作用する下段側のよこ分割側壁板をより強く補強で
き、内側から最も大きなモーメントが作用する最下段の
よこ分割壁板には、従来のような外部補強材を設ける必
要がなく、したがって、箱形構造物の下部の設置スペー
スをより小さくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の箱形構造物の構築方法の第1の工程と
して、床版にたてPC鋼棒を植設した概略側面図であ
る。
【図2】図1の概略平面図で、仮想線で側壁を図示して
いる。
【図3】図1において第1段目のよこ分割側壁板を床版
に建込んで、たて締めした概略側面図である。
【図4】図3の概略平面図である。
【図5】図4の左端部の拡大断面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図3において、第2段目のよこ分割側壁板を第
1段目の上に建込んで、たて締めした概略側面図であ
る。
【図8】図7の右側省略B−B拡大断面図である。
【図9】図7におけるC部の拡大断面図である。
【図10】図7の目部の拡大断面図である。
【図11】図7において、第3段目のよこ分割側壁板を
第2段目の上に建込んで、たて締めした概略側面図であ
る。
【図12】図11の概略平面図である。
【図13】図11のE−E線に沿う断面図である。
【図14】図11において、第4段目のよこ分割側壁板
を第3段目の上に建て込んで、たて締めした概略側面図
である。
【図15】図14において、第5段目のよこ分割側壁板
を第4段目の上に建込んで、たて締めした概略側面図で
ある。
【図16】図15において、側壁の上部に複数の蓋板を
敷詰めた状態を示す一部省略の概略平面図である。
【図17】図16の縦断側面図である。
【図18】蓋板の正面図である。
【図19】蓋板の底面図である。
【図20】蓋板の側面図である。
【図21】図17のF−F線拡大断面図である。
【図22】図17のG−G線拡大断面図である。
【図23】従来の箱形構造物における側壁の構築状況を
示す概略側面図である。
【図24】従来の箱形構造物における側壁に加わる内圧
の状況と、側壁の補強構造を示す縦断面図である。
【図25】図24の一部省略左側面図である。
【符号の説明】
1 たて分割側壁板 2 床版 3 たてPC鋼棒 4 目地 5 よこPC鋼線 6 側壁 7 箱形構造物 8 収容空間 10 水 12 垂直ハンチ 13 天板 14 中間仕切り壁 15 開口部 16 アンカー部材 17 箱形構造物 18 基礎杭 19 栗石 20 捨てコンクリート 21 第1段よこ分割側壁板 21a 第2段よこ分割側壁板 21b 第3段よこ分割側壁板 21c 第4段よこ分割側壁板 21d 第5段よこ分割側壁板 21−2 床版幅方向の側壁 22 床版 23 第1たてPC鋼棒 23a 第2たてPC鋼棒 23b 第3たてPC鋼棒 24 シース 25 たて貫通孔 26 凹部 27 定着具 28 テーパ面 30 目地 31 目地材 32 接合部 33 シース 34 よこ貫通孔 35 よこPC鋼棒 36 収容空間 37 仕切り壁 38 区画室 40 連通孔 41 継手金具 42 蓋板 43 トッピングコンクリート 44 脚部 45 係合段部 46 間隙 47 換気孔 48 脚部 49 換気塔 50 流入(出)管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床版上に、たてPC鋼材とよこPC鋼材
    とにより、たて締めとよこ締めが施された側壁が建込ま
    れて、この側壁で囲まれる内部が収容空間とされた角形
    又は非角形横断面形状の箱形構造物において、前記側壁
    は上下に複数分割された分割側壁板を複数段建込んで構
    成され、前記床版には前記上下に建込まれる各分割側壁
    板を床版に対してたて締めするための長さを異にする複
    数のたてPC鋼材が植設されており、各段の分割側壁板
    は、前記複数のたてPC鋼材のうち、当該分割側壁板を
    貫通してその上面に突出する位置に定着具取付け部が設
    けられている前記たてPC鋼材の上端部に定着具を取付
    けることで前記床版に固着されている構成を特徴とする
    箱形構造物。
  2. 【請求項2】 床版上に側壁を建込み、この側壁にたて
    PC鋼材とよこPC鋼材とを貫通させることにより、内
    部に収容空間を形成する前記側壁を前記床版と一体化さ
    せるようにした箱形構造物の構築方法において、床版上
    に所定の配置で高さを異にする複数のたてPC鋼材を植
    設し、前記側壁を構成する上下複数段の分割側壁板のう
    ちの最下段の分割側壁板を、前記各たてPC鋼材を壁板
    の上下方向に貫通させることで床版上に建込み、この最
    下段の分割側壁板を、その上面から突出している最短の
    前記PC鋼材の上端部に定着具を取付けてたて締めを行
    ない、次に最短PC鋼材を除く他のPC鋼材を上下方向
    に貫通させて第2段目の分割側壁板を前記最下段の分割
    側壁板の上に建込み、この第2段目の分割側壁板を、そ
    の上面から突出する位置に定着具取付け部が設けられて
    いる前記PC鋼材の上端部に定着具を取付けてたて締め
    を行なうことを特徴とする箱形構造物の構築方法。
  3. 【請求項3】 前記第2段目の分割側壁板の上面から突
    出しているPC鋼材を上下方向に貫通させて第3段目の
    分割側壁板を前記第2段目の分割側壁板の上に建込み、
    この第3段目の分割側壁板の上面から突出する位置に定
    着具取付け部が設けられている前記PC鋼材の上端部に
    定着具を取付けてたて締めを行なうことを特徴とする請
    求項2記載の箱形構造物の構築方法。
  4. 【請求項4】 第3段目の分割側壁板の上にさらに1段
    又は複数段の分割側壁板を順次建込み、それぞれの壁板
    を上下に貫いて上方に突出させ、各段の分割側壁板の上
    面に突出した位置に定着具取付け部が設けられている各
    たてPC鋼材に定着具を取付けることにより、各段の分
    割側壁板のたて締めを行なう請求項3記載の箱形構造物
    の構築方法。
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