JPH10102629A - 区画貫通部の防耐火施工用充填材、および区画貫通部の防耐火構造 - Google Patents

区画貫通部の防耐火施工用充填材、および区画貫通部の防耐火構造

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JPH10102629A
JPH10102629A JP25813896A JP25813896A JPH10102629A JP H10102629 A JPH10102629 A JP H10102629A JP 25813896 A JP25813896 A JP 25813896A JP 25813896 A JP25813896 A JP 25813896A JP H10102629 A JPH10102629 A JP H10102629A
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健二 酒匂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 充填作業が容易であるとともに、高温ガスの
透過による火災発生室から他の室への熱の伝達を確実に
防止することができ、施工の信頼性を向上させることの
できる区画貫通部の防耐火施工用充填材、およびそれを
用いた防耐火構造を提供する。 【解決手段】 建築物の仕切り部に形成された区画貫通
部の、貫通部材が配設された後に残された隙間に、防耐
火用に充填される充填材において、(1)少なくとも一
方向に熱膨張性の弾性材料からなり、その最大膨張方向
に平行な面(伸長面)の少なくとも一つが略平坦になる
とともに、所定の厚さを有するように成形された熱膨張
部材1と、(2)ゴム成分を含有し、前記熱膨張部材の
前記略平坦な伸長面のほぼ全面に、少なくとも熱膨張材
が熱膨張するまでの間は、火災により発生する高温ガス
を実質的に透過させることのないように密着して形成さ
れたシール層2と、を有してなることを特徴とする防耐
火施工用充填材10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、区画貫通部の防耐
火施工用充填材、および区画貫通部の防耐火構造に関す
る。さらに詳しくは、熱膨張部材とシール層とを有し、
区画貫通部の防耐火施工の信頼性を向上することができ
る区画貫通部の防耐火施工用充填材、およびこの充填材
を用いた現場施工の作業性を改善することが可能な防耐
火構造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、建築物の床、壁、間仕切り等の仕
切り部には、後述の貫通部材が配設される貫通孔、すな
わち、区画貫通部が形成される。この区画貫通部の、貫
通部材が配設された後に残された隙間には、防耐火のた
めに充填材を充填し閉塞する防火措置工法が施される。
このような充填材による閉塞は、仕切り部で仕切られた
一方の室で発生した火災による火災、煙などが、他方の
室へ到達することを防止し、または遅らせるように作用
する。なお、ここでいう「貫通部材」には、通信ケー
ブル,被覆電線等のケーブル、ケーブルを支えるケー
ブルラック、樹脂管,被覆付銅管等のパイプ、空調
ダクト,バスダクト等のダクト、などが含まれる。
【0003】充填材には、モルタル等の液状のものを隙
間に充填した後、固化(硬化を含む)させるタイプと、
固体状の詰め物タイプとがある。現在最も有用なものと
して知られている詰め物タイプの充填材には、熱膨張性
基材と、セラミックファイバー等の耐熱性繊維と、結合
材とを含んでなる、熱膨張性の弾性充填材がある。たと
えば、米国3M社製熱膨張性材料「インタラム(Int
eram:商標)」を、その一例として挙げることがで
きる。この充填材は、圧縮可能な弾性を有するので、隙
間の充填作業が容易となる。
【0004】ここで、熱膨張性の弾性充填材を用いた、
従来のケーブル貫通部防耐火構造(防火措置工法)につ
いて、本発明の防耐火構造を示す図2を用いて説明す
る。図2に示す防耐火構造の区画貫通部の構造は、弾性
充填剤を除き従来のものと同じである。開口部(床)1
1に設けられた開口部12に、直立部17を有するL字
状の耐火仕切板15が固定され、ケーブル13およびケ
ーブルラック14からなる貫通部材が耐火仕切板15の
長方形の貫通孔16内に配設されている。貫通孔内に残
された隙間には、熱膨張性弾性充填材が圧縮して詰め込
まれている。この弾性充填材は、ケーブル13と耐火仕
切板15の直立部17との間に、その膨張方向がケーブ
ルと直交するように配置される。このようにすることに
より、火災発生時には弾性充填材が熱膨張し、ケーブル
3と耐火仕切板15の直立部17とを圧縮するため充填
箇所のガス遮断性を向上させることができる。また、ケ
ーブル13の絶縁被覆が焼失した場合に、新たに生ずる
隙間を補完することもできる。しかしながら、上記弾性
充填材は繊維を含むことから、実質的にはガスを完全に
遮断することはできず、複数のマット状の弾性充填材同
士の間を通って、ガスが火災発生室とは反対側の室まで
透過する傾向があった。
【0005】そこで、弾性充填材を詰め込んだ後、上記
伸長面の少なくとも一面にコーキング材(パテ状の耐熱
性組成物)を塗布し、シール層を形成することも行われ
ている。シール層は、弾性充填材10のガス遮断性を高
めることができる。このようなコーキング材は、特開昭
53−139400号公報等に開示されているように、
通常、ゴム成分と、熱膨張性基材等の無機材料とを約5
0〜90重量%の割合で含有する、比較的高固形分の組
成物である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような組
成物の固化する前の粘度は通常10,000ポアズを超
え、比較的広い面積の(たとえば、40〜500cm2
塗膜を、ヘラ等の塗布具による塗布操作により、弾性充
填材の表面に密着性良く形成することは容易ではなかっ
た。また、複数のマット状充填材を、施工現場で詰め込
むに際し、それぞれ弾性充填材の伸長面が略同一平面内
に存在するように揃え、伸長面全面を略平坦にすること
は困難であった。この場合、弾性充填材全体の伸長面は
比較的大きな凹凸を有し、このような表面に、密着性良
くパテ状組成物を塗布することは困難であった。
【0007】また、床上側から充填作業を行う場合、床
下側に配置される充填材に、塗布操作により、十分な密
着性を有するシール層を設けることは困難であった。さ
らに、仕切られた二つの室の両側から二つの弾性充填材
をそれぞれ隙間に詰め込んだ場合、その二つの弾性充填
材の対向する内側の伸長面のそれぞれにシール層を配設
することは、その伸長面が密封されてしまうため実質的
に不可能であった。このようなシール層と伸長面との間
の密着不良は、シール機能の信頼性(すなわち、施工の
信頼性)を損なう原因となる。特に、火災発生の初期段
階における、高温ガスの透過による火災発生室から他の
室への熱の伝達を、確実に防ぐことが困難になる。
【0008】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
で、充填作業が容易であるとともに、高温ガスの透過に
よる火災発生室から他の室への熱の伝達を確実に防止す
ることができ、施工の信頼性を向上させることのできる
区画貫通部の防耐火施工用充填材、およびそれを用いた
防耐火構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、建築物の仕切り部に形成された区
画貫通部の、貫通部材が配設された後に残された隙間
に、防耐火用に充填される充填材において、(1)少な
くとも一方向に熱膨張性の弾性材料からなり、その最大
膨張方向に平行な面(伸長面)の少なくとも一つが略平
坦になるとともに、所定の厚さを有するように成形され
た熱膨張部材と、(2)ゴム成分を含有し、前記熱膨張
部材の前記略平坦な伸長面のほぼ全面に、少なくとも熱
膨張部材が熱膨張するまでの間は、火災により発生する
高温ガスを実質的に透過させることのないように密着し
て形成されたシール層と、を有してなることを特徴とす
る区画貫通部の防耐火施工用充填材が提供される。
【0010】また、前記シール層が、10〜15,00
0ポアズの粘度の液状シール材料からなる塗布層の略平
坦な表面に、前記熱膨張部材の伸長面のほぼ全面を圧接
して形成されたものであることを特徴とする防耐火施工
用充填材が提供される。
【0011】さらに、建築物の仕切り部に形成された区
画貫通部の、貫通部材が配設された後に残された隙間
に、充填材を充填してなる防耐火構造において、前記充
填材が、(1)少なくとも一方向に熱膨張性の弾性材料
からなり、その最大膨張方向に平行な面(伸長面)の少
なくとも一つが略平坦になるとともに、所定の厚さを有
するように成形された熱膨張部材と、(2)ゴム成分を
含有し、前記熱膨張部材の前記略平坦な伸長面のほぼ全
面に、少なくとも熱膨張部材が熱膨張するまでの間は、
火災により発生する高温ガスを実質的に透過させること
のないように密着して形成されたシール層と、を有して
なるものであり、かつ、その充填材の熱膨張部材が、前
記貫通部材および前記区画貫通部の内周面に向かって膨
張するように配設されてなるとともに、その充填材のシ
ール層が、少なくとも、火炎により最初に加熱されると
想定される熱膨張性部材の伸長面とは反対側の伸長面に
配設されてなることを特徴とする区画貫通部の防耐火構
造が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ具体的に説明する。 I.区画貫通部の防耐火施工用充填材 本発明の区画貫通部の防耐火施工用充填材は、建築物の
仕切り部に形成された区画貫通部の、貫通部材が配設さ
れた後に残された隙間に、防耐火用に充填される充填材
であって、図1に示すように、所定の熱膨張部材1とシ
ール層2とを有してなるものである。
【0013】1.熱膨張部材 本発明に用いられる熱膨張部材1は、少なくとも一方向
に熱膨張性の弾性材料からなり、その最大膨張方向に平
行な平面であって最も伸長しやすい平面、すなわち伸長
面3の少なくとも一つが略平坦になるとともに所定の厚
さを有するように成形されている。熱膨張部材1は、直
方体状に成形することが好ましい。これにより、充填作
業が容易になる。また、直方体の三次元方向の内のただ
一つの方向に最も大きく膨張するように成形することが
好ましい。膨張方向がただ一つである場合、膨張率を大
きく設計することができる。最大膨張方向の厚さは、充
填する隙間に合わせて決定されるが、10mm以上が好
ましく、30mm以上がさらに好ましい。図1に示す例
では、シート状の弾性材料が複数積層された状態を示
し、また、各弾性材料は図の矢印方向に最大膨張方向を
有し、その方向に熱膨張する場合を示している。熱膨張
部材1も全体として、同方向に熱膨張する。
【0014】(1)熱膨張性の弾性材料 熱膨張性の弾性材料は、熱膨張性基材と弾性化素材とを
含んでなる。熱膨張性基材としては特に制限はないが、
たとえば膨張黒鉛、バーミキュライト(蛭石)などの異
方性膨張基材、または、アルカリ金属ケイ酸塩(米国3
M社製、商標名:エクスパントロール等)などの等方性
膨張基材を挙げることができる。弾性化素材としては、
たとえばセラミックファイバー等の繊維、ゴム弾性を有
する有機バインダーなどを挙げることができる。繊維
は、繊維どうしの間に空隙を保つように弾性材料中に含
まれるので、弾性材料全体の弾性化が可能である。
【0015】(2)弾性材料の成形 上記弾性材料は、たとえば、熱膨張性基材、セラミック
ファイバー、有機または無機バインダーを含む材料から
成形する。この時、異方性膨張基材を用い、基材が主と
して一方向に配向するようにして成形すると、ただ一つ
の方向に膨張可能な(最大膨張方向を有する)弾性材料
になる。弾性材料は、通常シート状またはマット状(直
方体状)に成形され、直方体の三次元平面のうちの少な
くとも一つが伸長面3を形成するように成形される。こ
れにより伸長面3が、略平坦になり、後述のシール層の
密着度の均一性を高めることができる。シート状または
マット状に成形された弾性材料の最大膨張方向の厚さ
は、5〜20mmの範囲が好ましい。このような弾性材
料の具体例として、米国3M社製の「インタラムマット
(商標)」を挙げることができる。
【0016】(3)積層体 上述のように、本発明に用いられる熱膨張部材は、単層
のものであっても積層体であってもよい。積層体は、た
とえばマット状弾性材料を、その伸長面3が略平坦にな
るように複数重ねて後述のシール層で接着し、形成する
ことができる。積層枚数は、通常3〜10枚である。
【0017】(4)圧縮率 充填材は、通常、2〜20%の範囲の圧縮率(図1に示
す充填前の厚さ[d]に対する、充填後に圧縮された分
の厚み[Δd]の割合の百分率、すなわち、[Δd×1
00/d]にて、圧縮しつつ充填することが好ましい。
【0018】2.シール層 本発明に用いられるシール層2は、ゴム成分を含有し、
前記熱膨張部材1の少なくとも一つの伸長面3の略全面
に密着して形成される。 (1)シール材料 シール層2は、ゴム成分を含有するシール材料からな
る。このシール材料は、少なくとも熱膨張部材1が熱膨
張するまでの間は、火災により発生する高温ガスを、実
質的に透過させないようにガス遮断性を維持することが
必要である。このように、シール面全体において均一に
ガス遮断性を維持することは、高温ガスの透過を防ぎ、
火災発生室から他の室への熱の伝達を確実に防止するこ
とができる。ゴム成分としては、たとえば、ポリクロロ
プレンゴム、シリコーンゴムなどの合成ゴムを挙げるこ
とができる。具体的には、熱膨張部材1に対し、良好な
接着性を有する材料、例えば米国3M社製 耐火コーキ
ング剤 商品名 CP-25 等、同社製 吸熱性コーキング
剤 Fire damTM等、耐熱シリコーン系コーキング剤、合
成ゴム系およびレジン系接着剤等を挙げることができ
る。
【0019】(2)厚さおよび圧縮弾性率 シール層の厚さは、0.5〜5mmが好ましい。0.5mm
未満であるとガス遮断性およびシール層の強度が低下す
るおそれがある。5mmを超えると、その形成が、比較的
困難な上に、経済的ではなく、また、シール層の伸長性
が低下し、熱膨張部材の膨張が開始した後の一定の時
間、シール層のガス遮断性を維持する効果が期待できな
いおそれがある。
【0020】シール層の圧縮弾性率は、104 〜107d
yne/cm2 が好ましい。104dyne/cm2 未満であると、シ
ール層の強度が低下するおそれがあり、107dyne/cm2
を超えると、シール層の伸長性が低下し、熱膨張部材の
膨張が開始した後の、シール層のガス遮断性を維持する
効果が期待できないおそれがある。
【0021】(3)シール層の形成方法 前記シール材料を熱膨張部材1の伸長面3に形成する方
法としては、たとえば、直接塗布または転写法を挙げる
ことができる。好適例として、10〜15,000ポア
ズ、好ましくは50〜10,000ポアズの粘度を有す
る液状シール材料を用いてナイフコータ、バーコータ、
ダイコータ等を用いて略平坦な表面を有する塗布層を形
成し、その表面に、前記熱膨張部材1の伸長面3の略全
面を均一な圧力で圧接して固化する方法を挙げることが
できる。このようにすることにより、熱膨張部材の伸長
面とシール層との密着度の均一性およびガス遮断性をよ
りいっそう高めることができる。粘度が10ポアズ未満
であると、シール層の厚さが不十分になりガス遮断性が
低下するおそれがあり、15,000ポアズを超える
と、シール層の密着度が不均一になるおそれがある。
【0022】具体的には、略平坦な物体表面(作業台な
ど)上に、剥離フィルムの上に塗布して液状シール材料
の層を形成したものを載置し、そのシール材料の層の表
面に熱膨張部材の伸長面を重ねて押圧し、押圧をつづけ
るか、または、押圧を解除して熱膨張部材の自重のみを
かけ、シール材料の層に対して熱膨張部材を圧接しなが
ら固化させてシール層を形成するのが好ましい。この方
法は、シール材料の固化に伴う体積収縮による密着不良
の発生を効果的に防止し、シール層の厚さを比較的薄く
かつ均一にし、密着性を高めることができる。この場合
の圧接する圧力は、通常0.02〜5kg/cm2である。
【0023】また、シール層としては、次のような粘着
シートによっても形成できる。例えば、ポリエチレンフ
ィルム等の基材の少なくとも片面に粘着剤が均一に塗布
されたものが使用できる。このような粘着シートは、シ
ート状の基材または粘着剤層の少なくとも一方がガス遮
断性を有する。シール層が、その表面に積層された伸長
性かつ非多孔性のプラスチックフィルムをさらに含んで
なる形態の場合、そのプラスチックフィルムの破断伸度
は、50〜1,000%の範囲が好ましい。プラスチッ
クフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリ塩
化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン等を挙げることが
できる。
【0024】II.区画貫通部の防耐火構造 本発明の区画貫通部の防耐火構造は、図2に示すように
建築物の仕切り部(床)11に形成された区画貫通部
(開口部)12の貫通部材(ケーブル)13が配設され
た隙間に、前記熱膨張部材1およびシール層2を有する
弾性充填材10が充填されている。図2に示す実施の形
態では、貫通部材であるケーブル13は、ケーブルラッ
ク14上に載置されて、床11の開口部12に固定され
たL字状の耐火仕切板15の直立部17間に形成された
貫通孔16に挿入され、その隙間に弾性充填材10が充
填されている。
【0025】ここで耐火仕切板15としては、たとえば
0.2mm厚以上の鋼板と前記「インタラムマット(商
標)」とを貼り合せたもの、25mm以上のケイ酸カル
シウム板等の板材を用い、平板のまま、または図2に示
すように直立部17を備えるように加工して用いること
ができる。
【0026】また、本発明の区画貫通部の防耐火構造に
おいては弾性充填材10の熱膨張部材1が貫通部材であ
るケ−ブル13および区画貫通部である開口部12の床
11側、この実施形態では耐火仕切板15の直立部17
の方向に膨張するように配設されているとともに、弾性
充填材10のシ−ル層2が、少なくとも火炎により最初
に加熱されると想定される熱膨張性部材1の伸長面3に
配設されている。このように構成することによって、区
画貫通部である開口部12内に貫通部材であるケ−ブル
13が配設された後に残される隙間を、高温ガスが透過
することによる、火災発生室から他の室への熱およびガ
スの伝達をより確実に防止することができる。すなわ
ち、熱膨張部材1が破損しない限り、シール層2は火炎
と直に接することがなく破損しにくいので、火災発生の
初期段階における区画貫通部のガス遮断性を確実に保持
することができる。
【0027】また、仕切り部が壁や間仕切りであり、内
側に空洞を有するように形成された区画貫通部を有する
場合、火炎による加熱側とは反対側にシール層が配設さ
れるように、すなわちシール層部分を空洞内側に向け
て、充填材を、仕切られた二つの室から詰め込む施工方
法を用いれば、どちらの室から火災が発生しても、熱膨
張部材が破損しない限り、シール層は火炎と直に接する
ことがないので、火災発生の初期段階における区画貫通
部のガス遮断性を確実に保持することができる。
【0028】熱膨張部材を、複数の熱膨張性の弾性材料
を用い、それぞれの伸長面が略同一平面内に存在するよ
うに揃えて積層した積層体から形成する場合、熱膨張部
材全体の圧縮性が良好になり、充填操作の向上を図るこ
とができる。この場合、各弾性材料間に、圧縮性を良好
にするのに十分な空気層が形成され、圧縮時には空気が
外へ逃げ得るように、各弾性材料同士が接触する面は接
着されていないのが好ましい。すなわち、シール層のみ
で、各弾性材料が結合されているのが好ましい。また、
この場合の弾性材料の厚さは、通常5〜20mmの範
囲、積層数は、通常3〜10の範囲が好ましい。
【0029】図3に、本発明の他の実施の形態を示す。
この形態では、図3に示すように、壁21の開口部22
に厚さ1.6mmの鉄板ダクト23が配設され、吊りボ
ルト24で懸架がされている。開口部22の隙間には充
填材10が詰め込まれている。この場合は、火炎の発生
を左側から生ずるものと想定しているためシ−ル層は2
弾性膨張部材1の右端の伸長面に配設されている。
【0030】従来は図4に示すように、充填材として、
モルタル33が、また被覆材として、ロックウールやグ
ラスウール等31,32が用いられていた。しかし、隙
間へのモルタルの充填は困難であり、また、養生に時間
がかかる上、養生後の体積収縮が生じるために充填、養
生作業を数回に分けて行なうことが普通であり、施工信
頼性と作業性を両立することが困難であった。
【0031】また、区画貫通部の断面が円形であり、貫
通部材の断面が、区画貫通部の断面積よりも小さい面積
の円形である場合、以下に述べるように施工することが
できる。このような場合、図5に示すように、通常、区
画貫通部の略中心位置に、パイプ等の貫通部材13,2
3を配設する。したがって、貫通部材13,23を配設
した後にできる隙間は、断面がリング状の空間になる。
このような断面リング状の隙間の形状に合わせ、熱膨張
性の弾性材料をリング状に成形し、その伸長面のほぼ全
面にシ−ル層を密着させた充填材を予め形成しておき、
施工現場ではその詰め込み作業を行なうだけで良いよう
にすることによって、施工を簡略化することができると
ともに、施工の信頼性を高めることができる。充填作業
の際には、リング状充填材の一か所に、リングを開くこ
とができるように切れ込み20を入れておくことによっ
て、切り込み部20で開いたリングを区画貫通部の外に
位置するパイプ13,23の周りに巻き付けた後、隙間
に容易に詰め込むことができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。なお、本実施例は、図2に示す構造の区画
貫通部に、図1に示すタイプの充填材を用いて防耐火施
工(防火措置)を行なった。 [実施例1]米国3M社製コーキング材「CP−25」
を水で稀釈し、500ポアズの粘度に調整した塗料をナ
イフコータで剥離フィルムの表面に、乾燥後に約1mm
厚になるように塗布して、液状シール材料の塗布層を形
成した。ここでコーキング材「CP−25」は、合成ラ
テックスを母体として、主に硼酸亜鉛、ケイ酸ナトリウ
ムを分散配合しパテ状組成物で、密度は約1.5、粘度
は約12,000ポアズ(約25℃)である。熱膨張部
材(5枚積層)を、全体として略平坦な面を形成するよ
うにそれぞれの伸長面を揃え、その伸長面をシール材料
層の表面に重ねて、伸長面全面に均一に圧力が加わるよ
うに手で押圧し、手を放して押圧を解除し、熱膨張部材
の自重による圧力(約300g/cm2 )にて、圧接した状
態でシール層を乾燥、固化させた。2時間の耐火試験後
の非加熱側の測定温度は充填材10の上で130℃、耐
火仕切板15の上で174℃であった。
【0033】[比較例1]熱膨張部材(5枚)を区画貫
通部に詰め込んだ後、前記コーキング材「CP−25」
を稀釈せずに、ヘラを用いて直接塗布し、シール層を形
成した。塗布操作は、ヘラの1回塗りで、固化後に約1
mmの層になるようにして行なった。2時間の耐火試験
後の非加熱側の測定温度は充填材10の上で188℃、
耐火仕切板15の上で219℃であった。なお、上記耐
火試験は、財団法人日本建築センター(JIS−A−1
304の加熱曲線による2時間耐火試験)の定める試験
方法に準拠して行なわれた。この結果、本発明による充
填材を用いた構造では、非加熱側の測定温度が合否判定
基準温度(260℃)をはるかに下回ると共に、火炎、
煙等の貫通、透過は観察されず、十分な防耐火性能を発
揮することが確認された。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、区画貫通部の隙間
に充填する、ガス遮断性および熱膨張性を兼ね備えた本
発明の充填材を使用することによって、ケーブル、樹脂
管や被服銅管等のパイプ、空調ダクトやバスダクト等の
ダクト;これらの区画貫通部に、ガス遮断性を持たせる
ように処理された面は、床の場合は上、壁の場合は壁面
に沿うように充填することにより、火災初期の煙等、有
毒ガスの透過を遮断する効果と、ケ−ブル、パイプ、ダ
クト等の変形、消失により生じる隙間、穴等を熱膨張に
より閉塞し、効率的に断熱効果を発揮する。また、本発
明の充填材を充填するだけでガス遮断性、及び断熱性が
確保でき、特に開口部が壁、および床に隣接する場合に
おいても確実に施工が行えると共に、施工後の養生も不
要であるために非常に作業性が高い。また、充填材の充
填量、充填密度、気密性が均一に確保されるため、施工
品質、性能信頼性が高い。また、本発明の区画貫通部防
耐火構造は上記効果がある上に、その防耐火性能を定め
た(財)日本建築センターの防火性能基準を満たすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の区画貫通部の防耐火施工用充填材を模
式的に示す断面図である。
【図2】本発明の区画貫通部の防耐火構造の一実施形態
を模式的に示す説明図で、(A)は一部断面正面図、
(B)は一部断面平面図である。
【図3】本発明の区画貫通部の防耐火構造の他の一実施
形態を模式的に示す説明図である。
【図4】従来の区画貫通部の防耐火構造を模式的に示す
説明図である。
【図5】貫通部材の断面が区画貫通部の断面積より小さ
い面積の円形である場合の、本発明の区画貫通部の防耐
火施工用充填材を模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 熱膨張部材 2 シール層 3 伸長面 10 弾性充填材 11 間仕切り(床) 12 開口部 13 ケーブル 14 ケーブルラック 15 耐火仕切板 16 貫通孔 17 直立部 21 壁 22 開口部 23 鉄板ダクト(1.6t) 24 吊りボルト 31 被覆材 32 被覆材 33 モルタル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物の仕切り部に形成された区画貫通
    部の、貫通部材が配設された後に残された隙間に、防耐
    火用に充填される充填材において、(1)少なくとも一
    方向に膨張性の弾性材料からなり、その最大膨張方向に
    平行な面(伸長面)の少なくとも一つが略平坦になると
    ともに、所定の厚さを有するように成形された熱膨張部
    材と、(2)ゴム成分を含有し、前記熱膨張部材の前記
    略平坦な伸長面のほぼ全面に、少なくとも熱膨張部材が
    熱膨張するまでの間は、火災により発生する高温ガスを
    実質的に透過させることのないように密着して形成され
    たシール層と、を有してなることを特徴とする区画貫通
    部の防耐火施工用充填材。
  2. 【請求項2】 前記シール層が、10〜15,000ポ
    アズの粘度の液状シール材料からなる塗布層の略平坦な
    表面に、前記熱膨張部材の伸長面のほぼ全面を圧接して
    形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の
    区画貫通部の防耐火施工用充填材。
  3. 【請求項3】 建築物の仕切り部に形成された区画貫通
    部の、貫通部材が配設された後に残された隙間に、充填
    材を充填してなる防耐火構造において、 前記充填材が、(1)少なくとも一方向に熱膨張性の弾
    性材料からなり、その最大膨張方向に平行な面(伸長
    面)の少なくとも一つが略平坦になるとともに、所定の
    厚さを有するように成形された熱膨張部材と、(2)ゴ
    ム成分を含有し、前記熱膨張部材の前記略平坦な伸長面
    のほぼ全面に、少なくとも熱膨張部材が熱膨張するまで
    の間は、火災により発生する高温ガスを実質的に透過さ
    せることのないように密着して形成されたシール層と、
    を有してなるものであり、 かつ、その充填材の熱膨張部材が、前記貫通部材および
    前記区画貫通部の内周部に向って膨張するように配設さ
    れてなるとともに、その充填材のシール層が、少なくと
    も、火炎により最初に加熱されると想定される熱膨張性
    部材の伸長面とは反対側の伸長面に配設されてなること
    を特徴とする区画貫通部の防耐火構造。
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