JPH10101312A - 窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムの製造方法

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JPH10101312A
JPH10101312A JP8256598A JP25659896A JPH10101312A JP H10101312 A JPH10101312 A JP H10101312A JP 8256598 A JP8256598 A JP 8256598A JP 25659896 A JP25659896 A JP 25659896A JP H10101312 A JPH10101312 A JP H10101312A
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JP
Japan
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aluminum nitride
urea
aluminum
thermal decomposition
temperature
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Application number
JP8256598A
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English (en)
Inventor
Kyota Ueda
恭太 上田
Tadashi Endo
忠 遠藤
Sukeyuki Takahashi
祐之 高橋
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来法に比べてより低温において高純度の窒
化アルミニウムを容易に製造する。 【解決手段】 融解した尿素またはその誘導体にアルミ
ニウム化合物を反応させ、次いで不活性ガス雰囲気下に
熱分解させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、窒化アルミニウ
ムの製造方法に関するものである。さらに詳しくは、こ
の発明は、電気絶縁材料や高熱伝導性基板材料として有
用な窒化アルミニウムの低温合成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】半導体素子の高集積化や大電
力化に伴い、放熱性に優れた電気絶縁材料の要求が高ま
り、特に窒化アルミニウムは、熱伝導性、熱膨張性、電
気絶縁性等の点に優れていることから注目され、すでに
高熱伝導性基板や電気絶縁性基板等としてその実用化が
進められてきてもいる。
【0003】従来、この窒化アルミニウムは、アルミニ
ウム粉末を用いての製造によって得られているが、十分
な特性を有する窒化アルミニウムが得られなかったり、
高価である等の問題があった。従来より知られている窒
化アルミニウムの合成方法としては、アルミニウムに窒
素ガスやアンモニアを反応させる直接窒化法や、酸化ア
ルミニウムと炭素を混合して還元雰囲気で窒化させる炭
素還元法等がある。
【0004】しかしながら、直接窒化法においては、高
純度で粒径の小さな窒化アルミニウムを得ることは困難
であり、一方、炭素還元法においては、その反応に高温
を要し、さらに原料価格が高い等の問題がある。さら
に、これら従来の方法では、製造工程が複雑であり、材
料やエネルギーのコストが高くつく一方で低収率である
ため、結果的に製造される窒化アルミニウムが高価なも
のになるという問題点があった。
【0005】そこで、簡便に、かつ安価に窒化アルミニ
ウムを合成する方法として、塩基性塩化アルミニウムと
炭素源となる過剰グルコースもしくは尿素との混合水溶
液の水分を除去して約1300℃以上、3時間加熱する
方法が提案されている。だが、この方法においては、窒
化アルミニウムが得られる最終過程において、1300
℃以上の窒化雰囲気下においてはじめて、γ−Al2
3 と熱分解されている尿素から窒化アルミニウムが合成
されることになる。つまり、この方法においては、窒素
雰囲気かつ高温下での炭素源(尿素)による還元条件が
必要不可欠となる。このため、合成温度を1300℃以
下にすることは困難である等の問題点があった。
【0006】さらに、より高純度な窒化アルミニウムを
安価で容易に製造する方法として、水溶性化合物である
アルミニウム含有化合物と尿素を均一に混合させた後、
水分を除くことにより得られる混合物からなる所定形状
の成形体を、窒素を含む非酸化性雰囲気下で焼成する方
法も提案されている。この方法では、アルミニウム含有
化合物と尿素を水溶液状態で均一に混合させた後、水分
を除くようにして製造しており、アルミニウム含有化合
物と尿素が十分に混じり合うことから、より高純度で均
質な窒化アルミニウム焼結体が得られる。
【0007】しかしながら、この方法でも、焼結温度は
1200℃以上、好ましくは1400〜2000℃程度
であることが要求されるため、低温での合成が不可能で
あるという問題は依然として解消されていない。この発
明は、以上通りの事情を鑑みてなされたものであり、従
来技術の問題を解決し、低温において高純度の窒化アル
ミニウムを容易に製造することができる、新しい窒化ア
ルミニウムの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、融解した尿素またはその誘導体
にアルミニウム化合物を反応させ、次いで不活性ガス雰
囲気下で熱分解反応させることを特徴とする窒化アルミ
ニウムの製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明においては、上記のとお
りの方法によって、従来に比べてより低温度での熱分解
反応で窒化アルミニウムの製造を可能とする。原料とし
ては、尿素または尿素誘導体とアルミニウム化合物を用
いることになる。尿素誘導体としては、尿素窒化原子へ
の各種の有機基の置換体としての尿素化合物、あるいは
カーバメート化合物、尿素錯化合物、尿素付加体化合物
等の各種のものが考慮される。なかでも、入手し易さ
や、取扱いの容易さ等の点で、尿素が好適なものとして
用いられる。
【0010】一方、アルミニウム化合物としては、アル
ミニウムのハロゲン化物等のアルミニウムの無機塩や、
有機酸塩、さらにはアルミニウムアルコキシドやアルミ
ニウム錯化合物等が考慮される。なかでもアルミニウム
塩化物が好適なものとして用いられる。尿素またはその
誘導体とアルミニウム化合物との反応のための原料モル
比としては、アルミニウム化合物(A):尿素またはそ
の誘導体(B)=1:3以上、たとえば1:3〜20程
度とするのが好ましい。なおより高純度のAlNを生成
させるには、1:6〜1:13程度とするのが好まし
い。アルミニウム化合物の使用割合が大きい場合、つま
りA/B>1/3の場合には、加熱分解反応後にAlO
N等が残存する傾向にある。一方、尿素または尿素誘導
体の使用の上限については、AlN生成の経済性から適
宜にすればよい。
【0011】尿素またはその誘導体は、アルミニウム化
合物と反応させ、次いで熱分解反応させることになる。
この際の熱分解反応は、窒素(N2 )雰囲気下で行うこ
とになる。この場合の窒素ガス(N2 )等の不活性ガス
の雰囲気は大気圧であってよく、これらガスの流通雰囲
気とすることができる。もちろん必要に応じて加圧して
もよい。窒素以外には、アルゴン等の希ガスが考慮され
る。熱分解反応は、およそ850〜1150℃程度の温
度において実施される。800℃以下においてはAlN
の生成は難しく、1200℃以上の温度は必要ではな
い、このように、この発明の方法では、従来の合成反応
に比べてはるかに低い温度でAlNを製造することがで
きる。
【0012】そこで、以下、実施例を示し、さらに詳し
くこの発明の実施の形態について説明する。
【0013】
【実施例】132℃において融解した尿素に塩化アルミ
ニウム(AlCl3 ・6H2 O)を投入することによっ
て、アルミニウムと尿素との反応物を得た。塩化アルミ
ニウムに対して尿素は、モル比で1:8とした。反応
は、発生するHClをpH試験紙によって確認された。
反応は数分間で終了した。
【0014】この反応物は、アルミニウムと尿素との錯
体構造もしくはそれに類似の付加体であると考えられ
る。反応物は、室温で白色固体であった。次に、この反
応物をアルミナるつぼに入れて、N2 ガス150ml/
minの流通による窒素雰囲気下で900℃という、従
来の方法の場合よりもはるかに低い温度で熱分解させ
た。これにより高純度の窒化アルミニウムを得た。熱分
解の時間は1時間とした。
【0015】また、この発明においては、窒化アルミニ
ウムの合成プロセスで水を用いないため、γ−Al2
3 等の酸化物の生成が抑えられ、熱分解だけによる低温
合成が可能になった。添付した図面の図1は、市販され
ている窒化アルミニウム粉末(a)とこの発明の熱分解
反応(900℃)によって得られた窒化アルミニウム粉
末(b)のXXRDパターンを比較して示したものであ
る。
【0016】この図1のXRDパターンから、この発明
の方法によって合成された窒化アルミニウムは、市販さ
れている窒化アルミニウムと同等の高純度窒化アルミニ
ウムであることを確認された。添付した図面の図2は、
この発明の熱分解反応によって得られた窒化アルミニウ
ム粉末の倍率20000倍での電子顕微鏡写真である。
【0017】窒化アルミニウムの六角板状結晶が900
℃の温度ですでに形成されていることがわかる。
【0018】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、たとえば900℃という、従来の方法の場合より
もはるかに低い温度で、より簡便に、高純度の窒化アル
ミニウムを製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】市販されている窒化アルミニウム粉末(a)と
この発明の熱分解反応(900℃)によって得られた窒
化アルミニウム粉末(b)のXRDパターンを比較して
示した図である。
【図2】この発明の熱分解反応によって得られた窒化ア
ルミニウム粉末の倍率20000倍での図面に代わる電
子顕微鏡写真である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融解した尿素またはその誘導体にアルミ
    ニウム化合物を反応させ、次いで不活性ガス雰囲気下で
    熱分解反応させることを特徴とする窒化アルミニウムの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 約850〜1150℃の範囲の温度で熱
    分解反応させる請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 900℃近傍の温度で熱分解反応させる
    請求項2の製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム化合物(A)と尿素または
    その誘導体(B)とのモル比A:Bを1:3以上とする
    請求項1ないし3のいずれかの製造方法。
  5. 【請求項5】 不活性ガスが窒素ガスである請求項1な
    いし4のいずれかの製造方法。
JP8256598A 1996-09-27 1996-09-27 窒化アルミニウムの製造方法 Pending JPH10101312A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103320899A (zh) * 2013-07-01 2013-09-25 中国计量学院 一种纳米氮化铝纤维的制备方法
JP2020142975A (ja) * 2019-03-08 2020-09-10 日本軽金属株式会社 窒化アルミニウムの製造方法およびそれに用いる塩化アルミニウム−有機アミン錯体

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