JPH10100U

JPH10100U - ガス発生剤物体、ガスバッグ膨張器及び窒素含有ガス発生装置

Info

Publication number: JPH10100U
Application number: JP001538U
Authority: JP
Inventors: ダブリュ．スミスブラッドリー; シー．ミトソンスコット
Original assignee: モートンインターナショナル，インコーポレイティド
Priority date: 1992-08-24
Filing date: 1997-02-24
Publication date: 1998-04-24
Anticipated expiration: 2008-06-01
Also published as: JPH06107109A; MX9304628A; EP0586060A3; KR960009676B1; CA2094888A1; AU3821793A; EP0586060A2; AU650388B2; JP2601760Y2; US5682013A; EP0586060B1; DE69314578D1; DE69314578T2; KR940003896A

Abstract

(57)【要約】【課題】火工技術のガス発生剤の粒子又は物体は、こ
の上に一体化され、或いはプレスされた微粒の不活性の
燃焼抑制剤を有する。【解決手段】抑制剤は金属酸化物、金属硫化物、シリ
カ、シリケート化合物及びこれらの混合物でよい。金属
酸化物は好ましくは酸化鉄である。硫化物は好ましくは
二硫化モリブデンである。好ましい抑制剤はシリケート
化合物で、最も好ましくはベントナイトである。最も好
ましい抑制剤はガス発生剤物体の一方の表面及び側面の
みを覆うが、両面及び片面或いは両面の全領域より少な
い領域覆ってもよい。発生剤は窒素を含むガス、好まし
くはアジド及び最も好ましくはアジ化ナトリウムであ
る。発生体物体は種々の形状でよく好ましくはワッシャ
ー状の円盤でよい。自動車用ガスバッグ膨張剤は多数の
複合体、抑制された発生剤物体好ましく複合体のような
積層又は集合体、抑制されたウェーハを含んでよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はガス発生剤物体、ガスバッグ膨張器、集合体及び窒素含有ガス発生装置に係り、特に慣用のガス発生剤又は発射薬の配合、好ましくはアジ化物を基剤とする複合物、から成り、且つ粒状の着火又は燃焼抑制剤層をその上に圧接されて有する火工粒子又は物体に関する。この抑制されたガス発生剤物体又は複合体は、燃焼によってガスを発生するガス発生剤又は膨張剤の燃焼容器に使用するために特に立案され、上記ガスは凝縮相生成物を濾過したのち、衝突の際に乗物乗員を拘束するクッションとして役立つガスバッグを膨張するために好ましく用いられる。さらに具体的には本考案は、金属酸化物（好ましくは酸化鉄）、金属硫化物（二硫化モリブデン）、シリカ、シリケート化合物（好ましくはベントナイト）又はこれらの混合物のような不活性素材を含む加圧成形一体化した粉末抑制剤層を、その物体の上に有するガス発生剤物体に関する。

【０００２】本考案のガス発生剤物体は上記のように受動的に拘束する乗物用衝突バッグを膨張させるためのガス発生用に特に考案され且つ適合するものであるが、航空機用スライダー、膨張式ボート及び膨張式人命救助用ブイ装置のようなその他の過酷さの低い膨張剤の用途にも有用であろうし、さらに一般的には、低温で無毒性ガスを必要とする、種々の与圧及びパージ用への応用、例えば、ロケットモーターの燃料及び酸化剤タンクのような色々の所で有効性を見出されるであろう。

【０００３】

【従来の技術】

自動車ガスバッグシステムは、衝突事故において、乗物乗員と乗物内部との間のクッション又はバッグを急激に膨張するによって、乗物乗員を保護するために発達してきている。この膨張したガスバッグは、乗員のエネルギーを吸収して、徐々に制御して減速をさせ、及び人体の負荷を分散し、且つ自動車内部の固い表面部への衝撃から乗客を守るクッションを与える。

【０００４】衝突状態において乗物乗員にクッションを与えるこのような防御用ガス膨張バッグの使用は現在広く知られ且つ充分に実証されている。自動車ガスバッグ装置の用途に対して適切なガス発生剤の必要条件は非常に厳しい。このガス発生剤はガスバッグを速やかに（概ね３０〜１００ｍｓ以内）膨張させるような燃焼速度でなければならない。この燃焼速度は長期間の保管（径年）の間に又は通常の使役中のショック及び振動によって変化してはならない。また、燃焼速度は湿気及び温度の変化に対して比較的鈍感でなければならない。ペレット、ウェーハ、円筒、円盤及びその種々の形状に圧縮する場合、この物体の硬さと機械的強度は、これらの物体が露出された表面領域の破砕及び変化なしに、少なくとも１０年間の予想される膨張剤システムの寿命の間に渡って晒されるであろう、機械的環境に耐えるに十分でなければならない。この物体の過度の破壊はシステム破壊をもたらし、例えば、望ましくない高圧力条件がこのガス発生剤装置内に作りだされて、結果として圧力ハウジングの破壊につながるかもしれない。

【０００５】このガス発生剤は、液体及び固体の燃焼副生成物を取り除くため容易に濾過でき、例えば、膨張式バッグ又は自動車の乗員への損傷を防止する比較的冷たく、無毒性で、非腐食性のガスを効果的に生産できねばならない。上記で論じた必要条件は、自動車エアーバッグガス発生剤に使用するため、その他別の点から適切な組成、形状及び構成の適応性を制限する。

【０００６】膨張式乗員束縛装置を拡張するため窒素含有又は富窒素ガスを発生するアジ化物及び非アジ化物ガス発生剤配合が良く知られている。アジ化物基ガス発生剤は、例えば、基材燃料成分としてアルカリ又はアルカリ土類金属のアジ化物を少なくとも一つ含有する。参照、例えば、米国特許第３，７４１，５８５号、同第３，８９５，０９８号、同第３，９３１，０４０号、同第４，０６２，７０８号及び同第４，２０３，７８７号、及び本出願人を譲受人とする米国特許出願第０７／７４９，０３２号（１９９１年８月２３日出願）。代表的な非アジ化物ガス発生剤は、本出願人を譲受人とする米国特許第４，９３１，１１２号及び同第５，０１５，３０９号、本出願人の米国特許出願第０７／７４４，７５５号（１９９１年１０月９日出願）及び同第０７／７８７，５００号（１９９１年１１月４日出願）、及びこれらで引用されている文献に開示されている。このようなガス発生剤組成物の微粒状成分は、適切な結合剤及び他の付加的成分を含むか又は含まずに、混合され慣用の如く、タブレット、ウェーハ等にプレス成形して成形される。ガス発生剤物体が着火され且つ燃焼する時、濾過されたのちにガスバッグを膨張させるために用いる、窒素を含むガスを生成する。

【０００７】米国特許第３，９０１，５３０号及び同第４，１３１，３００号に、円盤状の膨張用火工可燃性材料の間に不活性分離手段を挟んで重ねることにより、迅速で均一な燃焼を促進すると共に膨張の開始を送らせることが提案されている。本出願人を譲受人とする米国特許第４，００５，８７６号及び及び同第４，５４７，３４２号に示されるような膨張剤は、プレスされたペレット又はタブレット（アスピリン（登録商標）タブレッットの形状と同じ）の形状のガス発生剤を含有して膨張剤燃焼容器にバラバらに詰められる。さらに最近、多数のワッシャー状ガス発生剤ウェーハ又は円盤と、それと同じような形をし、メッシュ化した不活性クッション部材とを、交互に集合させて膨張剤粒子を製造し、これを抑制剤燃焼容器内に圧縮して保持して性能を改良することを、本出願人を譲受人とする米国特許第４，８９０，８６０号及び同第４，９９８，７５１号に提案されている。そのような構成はある目的には十分であるが、このガス発生剤物体は燃焼に対して大きな初期表面領域が概して存在する、したがって、望ましい穏やかな膨張開始を与えることができない。

【０００８】ガスバッグ膨張剤ウェーハ又は粒子に燃焼推進又は増進剤塗膜を設けることがまた提案されている。参照、例えば、米国特許第４，２００，６１５号、同第４，２４４，７５８号、同第４，２４６，０５１号、同第４、６９６，７０５号、同第４，６９８，１０７号、同第４，８０６，１８０号、同第４，８１７，８２８号、同第５，０３４，０７０号及び同第５，０５１，１４３号。これらの燃焼推進及び増進剤塗膜の主な目的は、ガス発生剤の燃焼開始を加速することであり抑制又は遅延でない。さらにその上、これらの多くの増進剤は、例えば、フロロエラスロマーである長鎖有機化合物を含有し、これは着火した時に発射剤ガスにおける望ましくない成分である一酸化炭素を生成する。

【０００９】抑制剤又はレストリクターは、比較的遅れて燃焼しる塗膜であり、米国特許第１，０７４，８０９号、同第１，３０８，３４３号、同第３，１９４，８５１号及び同第３，３９６，６６１号に説明されているように（１）武器又は火器型の基本発射薬、及び米国特許第３，４９３，４４６号、及び同第５，０００，８８５号に説明されているように（２）固体ロケットモータ発射薬粒子に適用されている。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、この基本ガス発生剤の一部分の燃焼を拘束又は遅延して抑制することができる形態を有し、ガスバッグ膨張器に使用するガス発生剤物体を提供することにある。本考案に関する次の目的は、初期燃焼が遅い速度のガス出力に続いて速い速度のガス出力である二つのガス出力速度を有するガス発生剤物体を提供することにある。

【００１１】本考案に関するさらに次の目的は、バッグの開始における燃焼時の遅れがガスバッグの構成物への負荷の改善と同様に、展開中に居住者の”位置外”を減少することが、特に自動車の乗客側において、見いだされる配列をするガス発生剤物体を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段及び考案の効果】

さらに詳細に以下に示すように、本考案の上記目的は、抑制剤粒子を成す各々の発射剤又はガス発生剤物体を金属酸化物、金属硫化物、シリカ、シリケート化合物及びこれらの混合物から成る群から選択された比較的不活性な、燃焼抑制剤又は制止物を含んで成り、プレスされた微粒子（粉末）の層を有するように構成することによって達成される。好ましい金属酸化物は酸化鉄であり、好ましくは酸化第二鉄である。好ましい金属硫化物は二硫化モリブデンである。好ましいシリケート化合物はベントナイトである。ベントナイトはまた最も好ましい抑制剤である。

【００１３】本考案に従う抑制剤層はガス発生剤物体の表面または側面の一つ又は両方を実質的に覆ってもよいが（ウェーハ表面の一面を完全に覆った抑制剤が最も好ましい）、ガス発生剤の広がり部又は表面の全部より少ない、例えば、円盤状ウェーハの外側、中間又は内側円周上に連続環状層で覆ってもよい。固められた燃焼抑制剤が結合されたこのガス発生剤は、通常のアジ化物又は非アジ化物を基本とした発生剤組成で良く、好ましくはアジ化物、最も好ましくはアジ化ナトリウムである。

【００１４】複合された抑制ガス発生剤物体の全体は前記通常のペレット、タブレット、ウェーハ等いずれの形状であっても良く、最も好ましくはワッシャー状の円盤である。もう一つの重要な特徴は、本考案に従う多数の複合ガス発生剤物体の積層体又は重ねた集合体に関する。

【００１５】もう一つの重要な特徴は、本考案に従う複合ガス発生剤物体を着火することによって窒素含有又は富窒素ガスを発生させる装置に関する。その他の重要な特徴は、通常のガス発生剤、例えば、本考案に従う複合ガス発生剤物体を多数含む、好ましくはこのガス発生剤物体の積層体又は重ねた集合体である、自動車用ガスバッグガス発生剤に関する。

【００１６】本考案の前記及びその他の目的、利点及び特徴は、以下に添付されている図面に関して説明される好ましい実施態様の詳細な記載で明らかにする。

【００１７】

【考案の実施の形態及び実施例】ある膨張式ガスバッグの抑制装置の用途においては、２つのガス発生速度の速度効果を示す膨張装置及び手順を有することが望ましい、つまり、最初の約５〜２５ｍｓの間は低速度のガス出力で開始され、加圧期間の残りに対しては高速度のガス出力で続けられることである。それによれば、ガスバッグの装置要素の負荷を減らし、また、″間違った位置″（即ち、展開中のガスバッグの進路に適切に配置されていないこと）占有者（例えば、小さな子供）に及ぼす有害な影響の可能性をできるだけ少なくする。

【００１８】図１及び図２は本考案に従う複合物体１に関する好ましい２つの実施態様を示す。各複合物体１は、ガス発生剤或いは噴射剤の物体の本体２及びその上の燃焼抑制剤或いは制限剤層３を有し、これによって、前記目的を実現することができる。複合物体１の本体２の組成は重要でなく、従って、公知の発生剤、例えば、アジ化物或いは非アジ化物基燃料配合を使用することができ、特に、燃焼速度、非毒性及び火炎温度等のような良く知られている必要条件を満し、自動車用ガスバッグ膨張剤として用いられているものである。この発生剤は、窒素を含有する或いは窒素リッチなガスを発生する好ましくはアジ化物基燃料であり、さらに好ましくはアルカリ金属アジ化物、及び最も好ましくはアジ化ナトリウムである。好ましいアジ化物基発生剤の組成は前記米国特許に開示されおり、好ましくは、前記米国特許第４，２０３，７８７号に従うアジ化ナトリウム、酸化鉄、二硫化モリブデン及び任意に硫化物を含有する配合、前記本出願人を譲渡人とする米国特許出願第０７／７４９，０３２号（１９９１年８月２３日出願）に従うアジ化ナトリウム、酸化鉄、硝酸ナトリウム、シリカ、アルミナ及び任意にベントナイトを含有する組成、或いは最も好ましくは、前記米国特許第３，７４１，５８５号に従うアジ化ナトリウム、二硫化モリブデン、及び硫化物を含有する配合とする。好まし非アジ化物基配合は、前記米国特許出願第０７／７４４，７５５号及び同第０７／７８７，５００号及びこれらで引用されている文献と同様前記米国特許第４，９３１，１１２号及び同第５，０１５，３０９号に開示されている。

【００１９】複合物体１の部位３は、金属酸化物、金属硫化物、シリカ、シリケート化合物或いはそれらの混合物のような比較的に不活性な燃焼抑制剤或いは制止剤物質で作られた粒子或いは粉末を圧粉（一体化、ｃｏｎｎｓｏｌｉｄａｔｅｄ）したものである。アルミナ、チタニアのような他の金属酸化物が使用されるが、鉄の酸化物が好ましい金属酸化物抑制剤であり、最も好ましくは、酸化第二鉄が金属酸化物抑制剤である。他の天然、精製或いは合成シリカ及びシリケート化合物が用いられるが、ベントナイトが最も好ましい。シリカは発煙するかしないかのどちらかである。モンモリロン石、アタパルジャイト（ａｔａｐｕｌｇｉｔｅ）、カオリナイト、イライト、ハロイサイト、パイロフェライト及びタルクはその他のシリケート化合物の例である。ベントナイトも総合的に最も好ましい抑制剤である。ベントナイトは、概ね次式を有する高シリカ含有水和アルミニウムシリケート化合物である粘土或いは鉱物を含有するモンモリロン石である、（Ａｌ、Ｆｅ_1.67Ｍｇ_0.33）Ｓｉ₄ Ｏ₁₀（ＯＨ）₂ （Ｎａ、Ｃａ_0.33）本考案の最重要点は、抑制剤の層がガス発生剤物体の基線に適用及び結合する形態と方法によりガス発生剤に与えられる特性及び性質と共に、上記のように燃焼抑制剤の組成に集約される。燃焼の進行中に、抑制剤層が燃焼し、及び／又は消耗して、下のガス発生剤の基線の新しい表面が次第に露出する。表面を燃焼して新しく露出するガス発生剤が、ガス出力速度と比例して増加させて望みの二重速度の効果を作りだす。この速度変化のタイミングは、抑制剤の消失或いは侵食速度の関数である。各ウェーハのガス発生剤基線の厚さ（及び結果としてそこでの重量）を変化することによっても、より険しく或いはよりなだらかな圧力勾配、及びより長く或いはより短い燃焼終了時間が得られる。

【００２０】二重速度の効果が図３に示す典型的な曲線によって図解されている。この図には、タンク圧力（ｐｓｉ）対時間（ｍｓ）の資料が２組の試験資料について示されている。この試験は、１００リットル密閉タンクの中で抑制されたウェーハが有る場合と無い場合に付いて膨張剤を用いて行った。この膨張剤は、各々８．０グラムウェーハを３６個用いた長さ２５３ｍｍの乗客用膨張剤であった。Ｓ曲線１は、本考案に従う燃焼を抑制したガス発生剤ウェーハ（図１のウェーハと類似した）１つに対する一連のデータ点を示す。この抑制された各ウェーハは、一面に圧接したベントナイトを０．４グラム有していた。比較のＳ曲線２は、抑制制御をしないか、或いは標準のウェーハの１つに対する一連のデータ点を示す。試験された両方のタイプのウェーハに用いられたベースライン発生剤は、約６８％のＮａＮ₃ 、３０％のＭｏＳ₂ 及び２％のＳ（全て重量％）であった。

【００２１】図３に実証されるように、全部が燃え尽きるまで又は最高圧力に達するまでにほぼ同一時間（約８０〜９０ｍｓ）を維持しながら、初期の圧力勾配（始めの約５〜２５ｍｓの間）を抑え、その後の圧力勾配（次の約２５〜４５ｍｓ）を高めた全域に渡る目標が達成された。このことは、図３の点線で示されるように抑制されたウェーハの曲線１及び対照のウェーハの曲線２に対する５ｍｓ、２５ｍｓと４５ｍｓの圧力勾配目盛りを比較することによってチャートの下に数量で示されている。

【００２２】

【表１】

【００２３】従って、抑制されたガス発生剤ウェーハの燃焼は、抑制されない又は対照のウェーハに比較して、初期の約５〜２５ｍｓの間にほぼ５０％（０．８５−０．４２／０．８５）抑えられた。複合ガス発生剤物体１は好ましくはウェーハの形状を有し、さらに好ましくは円筒状又は円盤状、最も好ましくは図１に示すようにワッシャーの形をした円盤状を有する。特に図解して、図１に示したような円盤１の外径は約１．３７５から約１，５００インチまで変化してもよく、内径（開口部の直径）は約０．４００から約０．５６２インチまで変化してもよく、物体２の厚さは約０．１００から約０．２８０インチまで変化してもよく、及び抑制剤層３の厚さは約０．０１０から約０．０２５インチまで変化してもい。多少好ましくないが、発生剤物体の形状は図２に示されたペレット又はタブッレト（アスピリンタブレットの形状と類似の）である。特に図解して、図２に示したようなピレット又はタブレット１の外径はやく０．０７０から約０．２８０インチまで変化してもよく、及び抑制剤層３の厚さは約０．０１０から約０．０２５インチまで変化してもい。しかしながら、ガス発生剤物体１の全体の形状は限定されず、楕円形の、長方形の（好ましくは正方形）或いは類似の、実質的には種々の形状とすることができえる。図１に示す中央の穴又は開口部はウェーハ円盤状のデザインに好まれるが、このような開口部は特定の適応、例えば、技術上周知である中実多層ウェーハ粒子に対しては省略してもよい。このウェーハの開口部の形状は限定されず、楕円形の、三角形の、長方形の等の種々の形状を有することができるとしても、図１に示すような円形の開口部が好ましい。この開口部の形状は、ウェーハが好ましく配置されるこの点火剤の容器の形状によって典型的に制御される。図１に示されるように開口部を決定する内部壁と共に、ガス発生剤複合体１の周囲の壁は、燃焼、促進粒子集合体等として存在する発火剤表面領域を増加させるように、鋸歯又は鋸歯状に切り込んだデザインであってもよい。

【００２４】前述したように、このようなガス発生剤の潜在的な有効性は全く多様であるが、本考案にしたがう好ましい応用は、慣用の膨張器又はガス発生器におけるガス発生剤の部分を形成することであり、慣用の自動車用ガスバック衝突防止束縛システムの燃焼部分に利用される形式が最も好ましい。本考案の複合ガス発生剤物体（例えば、図２のピレット又はタブレット）は、（前述の米国特許第４，００５，８７６号及び同第４，５４７，３４２号に示したように）膨張剤燃焼容器にバラバらに詰め込んでもよい。好ましい形態及び構成は、（例えば、前述の米国特許第４，８９０，８６０号及び同第４，９９８，７５１号に図解するように）ガス発生剤の粒子又は配列を形成する。不活性な間仕切り又は円盤を交互に含む重なり（積層）型複合ウェーハ状物体（例えば、図１のワッシャー状の円盤）であり、（例えば、前述の米国特許第４，８９０，８６０号及び同第４，９９８，７５１号に図解するように）ガス発生剤の粒子又は配列を形成する。これらの文献は、このような典型的なガスバッグ抑制剤の公知の基本構成部分、すなわち、ガス流出口を持つ燃焼容器、燃焼容器内に配置されたガス発生剤の素材または粒子、ガス発生剤のための点火剤及び発生したガスをこの容器からガス流出口へ導くためのガス通路装置をも示している。上記の発生したガスは凝縮した燃焼生成物を取り除くため典型的に濾過される。これらのシステムにおいてこのガス発生剤が点火され且つ燃焼するとき、ガスバッグを膨張させるために窒素を含有するガスが生成される。

【００２５】前記のように、ガス発生剤物体１は両面つまり表面に圧着または結合された粒状燃焼抑制剤を有するコア層であることができるが、図１および２に表わすような２層複合体が好ましく、すなわち、ガス発生剤の基部２はこの上の片面のみを実質的に覆う抑制剤層３を設ける。また、これほど好ましくはないが、むしろガス発生剤の基部層２の片面または両面の全表面上に加圧成形された抑制剤素材を設けるのでなく、たとえば、図１に示すようなウェーハ円盤の外側と内側の両方或いは中間部上に、抑制剤である環状のバンド又はパッドを設ける。さらに、ガス発生剤２の片面又は両面上の抑制剤層が、例えば、本出願人を譲渡人とする米国特許出願第０７／８４８，９０３号（１９９２年３月１０日出願）に開示されているような形態を有する、等間隔の盛り上がった一連の突起物又はパッドから構成されてもよい。

【００２６】このガス発生剤のタブレット、ウェーハ等は当業界において慣用のように、適切に設計されたダイスシステム（例えば、ステンレス鋼のポンチとダイス）で顆粒状の又は粒状のガス発生剤組成物の必要量を水圧又は機械的な一体化或いはプレスによって成形する。このようなプレス成形装置は本考案に従うガス発生剤物体１を抑制する多層または複合体を成形するために容易に改良できる。例えば、粒状のガス発生剤組成物の必要量をプレスした後（好ましくは単に部分的に一体化する）、顆粒状の抑制剤素材の必要量がプレスした（部分的に）ガス発生剤の表面部の上に添加され、２つの層を結合された複合体（ＤＩ−ＧＥＬ（登録商標）制酸剤タブレット、特に図２の複合体）にするために十分に一体化する第２のプレス操作を行う。また、圧縮成形される素材の添加順序は反対でもよく、すなわち、抑制剤がガス発生剤に先立ってもよい。又、本考案に従ってガス発生剤コアの両面つまり表面上に抑制剤を設けた３層複合体は、後者の装置を改良することで成形できる。２回目の分量の顆粒状の抑制剤が予め圧縮された２層に加えられ、この３層を十分に一体化する３番目の圧縮成形を行う。少なく好ましい技術は、前処理成形した発生剤物体に、上記のような同じプレス加圧装置と方法によって表面つまり両面上に加圧成形し且つ結合した顆粒状抑制剤を設けるのに利用できるであろう。前記の少なく好ましい複合体組成物の製造方式に利用する予備成形したガス発生剤物体は、好ましくは適切なガス発生剤組成の粉末加圧で、最も好ましくは部分的に加圧成形をしたもの（グリーン）で、十分に加圧成形した複合体の最適条件の密度より多少低い密度を有する物体自体が崩れ去らずに立っていられる物体である。さらに少なく好まし技術はガス発生剤の予備成形体を、例えば、押し出し操作によって作成することで、そのとき可塑化した粒状混合は、例えば、適切な結合剤（前記のような）を必要量含有するアジドベースのガス発生剤構成物、或いは特に前記の物質から選ばれた無アジドの構成物である。得られるガス発生剤押出体は種々の大きさと形状にすることができるが、好ましくは円柱またはチューブが好ましく、これらは、例えば、望みの厚さの予備成形したタブレット又はウェーハ円盤（図１と２に示すような）を形成するために軸に垂直に切断することによって分離し又分割し、そのタブレットまたは円盤は、次いで前記のような顆粒状の燃焼抑制剤が片面又は両面上に圧縮又は加圧成形できる予備成形体としてグリーン及び少し圧縮できる状態で好ましく使用できであろう。これに対して抑制剤層は、予備成形して顆粒状または上記の方法のいずれかに従う予備成形体としてのガス発生剤と複合化できるあろう。しかしながら、抑制剤層（複数の抑制剤層）の相対的な薄さ及び取扱中の割れと破壊が付随する問題のため、予備成形体として抑制剤を用いることはもっとも好ましさの低い選択肢である。圧縮した抑制剤層とガス発生剤層とを複合する具体的な装置は、必要とする最終のガス発生剤複合体が前記の好ましい自動車用ガスバッグ抑制剤の用途に含まれる過酷な使用に堪える十分な強度を有し、且つ必要な燃焼速度特性を実証できる限りにおいては、特に限定されない。

【００２７】必要であるならば、慣用の結合剤（例えば、ポリプロピレンカーボネート（ＰＰＣ）、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸カルシウム、二硫化モリブデン、ベントナイト又は同様の水和性の高シリカクレー又はこれらの混合物）を、個々の層及び複合体全体が必要とする結合強度を達成することを容易にするため、一体化され結合される粒状のガス発生剤組成物抑制剤素材のいずれか一方に或いは両方に添加することができる。例えば、少量のＭｏＳ₂ 及び／又はベントナイト（代表的には約１〜６％）が、結合剤及び成形助剤として、例えば、粒状の鉄酸化物又は他の金属酸化物抑制剤に、添加されてよい。このような場合、ＭｏＳ₂ 及び／又はベントナイトは結合剤及び抑制剤の２つの機能を持つであろう。

【００２８】詳細な本考案のこの記載を基にして、当業者は、本考案の精神から離れることなく種々の修正を本考案に加え、応用するであろう。したがって、考案の分野は図示し及び記載した特定の実施態様に限定したものではない。むしろ、本考案の分野は添付した請求の範囲及びこれらの同等物によって定義されるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】一面に焼成速度抑制剤層を有する座金形のガス
発生剤ウェーハ円盤の立体図である。

【図２】一面に焼成速度抑制剤層を有するペレット又は
タブレット形状のガス発生剤物体の立体図である。

【図３】抑制しないガス発生剤物体と比較して抑制され
た発生剤物体との、二重の速度効果を示すＳ曲線グラフ
である。

【符号の説明】

１…発生剤物体２…発生剤層３…抑制剤層

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【手続補正書】

【提出日】平成９年５月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】考案の名称

【補正方法】変更

【補正内容】

【考案の名称】ガス発生剤物体、ガスバッグ膨張器及
び窒素含有ガス発生装置

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】表面又は側面の少なくとも一つの上に圧
接された、金属酸化物、金属硫化物、シリカ、シリケー
ト化合物及びそれらの混合物から成る一群から選択され
る相対的に不活性な焼成抑制剤を含む粉末層を有するこ
とを特徴とするガス発生剤物体。
【請求項２】前記抑制剤が酸化鉄、二硫化モリブデ
ン、ベントナイト及びそれらの混合物から成る一群から
選択されることを特徴とする請求項１に記載のガス発生
剤物体。
【請求項３】前記抑制剤が、ベントナイトであること
を特徴とする請求項１記載のガス発生剤物体。
【請求項４】前記物体が、アジ化物を基地とする組成
から成ることを特徴とする請求項１記載のガス発生剤物
体。
【請求項５】前記ウェーハがワッシャーの形状の円盤
であることを特徴とする請求項１記載のガス発生剤物
体。
【請求項６】請求項５に記載のガス発生剤円盤を複数
個重ねた集合体。
【請求項７】前記抑制剤が、前記物体の１つの表面又
は側面だけを実質的に覆うことを特徴とする請求項１記
載のガス発生剤物体。
【請求項８】ガス流出口を有する燃焼容器、前記容器内に配置される金属酸化物、金属硫化物、シリ
カ、シリケート化合物及びこれらの混合物から成る群か
ら選択された相対的に不活性な燃焼抑制剤を含んで側面
又は表面の少なくとも１つに圧接された粉末層を有する
複数個のガス発生剤物体、前記物体に着火するための手段、及び前記容器から発生
したガスを前記流出口を通り方向付けるための手段から
成ることを特徴とするガスバッグ膨張器。
【請求項９】前記抑制剤が酸化鉄、二硫化モリブデ
ン、ベントナイト及びそれらの混合物から成る一群から
選択されることを特徴とする請求項８に記載のガスバッ
グ膨張器。
【請求項１０】前記抑制剤がベントナイトであること
を特徴とする請求項８に記載のガスバッグ膨張器。
【請求項１１】金属酸化物、金属硫化物、シリカ、シ
リケート化合物及びそれらの混合物から成る群から選択
された素材から成る相対的に不活性な、燃焼抑制剤粉末
層を、側面または表面の少なくとも１つに、圧接されて
設けられた、アジ化物基地発生体物体に着火することを
特徴とする窒素含有ガス発生装置。
【請求項１２】前記抑制剤が酸化鉄、二硫化モリブデ
ン、ベントナイト及びこれらの混合物から成る群から選
択されることを特徴とする請求項１１に記載の窒素含有
ガス発生装置。
【請求項１３】前記抑制剤がベントナイトであること
を特徴とする請求項１１に記載の窒素含有ガス発生装
置。