JP2011236067A - 高漸増燃焼性ガス発生剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】漸増燃焼性を増大させたガス発生剤の提供。
【解決手段】不活性な被覆部と燃焼活性部の両者を表面に有するガス発生剤であって、該燃焼活性部は、線状及び/又は点状であり、且つ、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001〜0.70であることを特徴とするガス発生剤。好ましくは、ガス発生剤は、板状又は円盤状であり、前記線状の燃焼活性部が、前記ガス発生剤の同一面上に、2箇所存在する場合、該線状の燃焼活性部は互いに平行に配置され、3箇所以上存在する場合、平行且つほぼ等間隔で配置され、前記点状の燃焼活性化部が、前記ガス発生剤の同一面上に、3箇所以上存在する場合、該点状の燃焼活性部は互いにほぼ等間隔の距離に配置される。
【選択図】なし

Description

本発明は、高い漸増燃焼性を有するガス発生剤に関する。
燃焼ガスを発生させることで多目的に利用できるガス発生剤がある。係るガス発生剤として、発射薬、推進薬、エアバッグ用ガス発生剤等が挙げられる。発射薬は、砲内で燃焼ガスを発生させ、発生したガスの圧力で、弾丸が射出される。
発射薬の設計においては、砲身から射出される弾丸の速度(初速)を高く保持したまま、砲内で発生する圧力を低く抑えることで砲の損耗を抑える技術が求められる。この解決手法として、発射薬が燃焼する際、単位時間当たりのガス発生量を徐々に増加させる漸増燃焼の技術が用いられている。
漸増燃焼では、一般的に、有孔管状発射薬が好ましく、単孔管状薬、7孔管状薬、19孔管状薬、37孔管状発射薬と孔数が増加するほど、漸増性は増す。さらにエネルギー効率を高めるために、スライバー(漸増に寄与しない領域)を減らした6角7孔発射薬、6角19孔発射薬、6角37孔発射薬、ロゼッタ7孔発射薬、ロゼッタ19孔発射薬、ロゼッタ37孔発射薬等があり、同様に孔数が増加するほど、漸増性は増す。
しかしながら、孔の漸増効果のみ頼って発射薬の漸増性を設計することは、限界に達しており、より高い漸増性を持った発射薬の設計方法を検討することが重要である。また、孔の漸増効果のみでなく、有孔管状発射薬の表面に被覆剤を塗布する方法も検討されているが、高い漸増性を増すには十分ではない。さらに、粒状発射薬において、粒と粒との間の空隙が少ないガス発生剤の充填方法も求められている。
以下の特許文献1には、非常に高い装薬密度及び高い漸増性を持つ有孔形状の発射薬が開示されてるが、漸増性に対する有孔形状の寄与の検討に留まっている。
以下の特許文献2には、非常に高い漸増性を持つ切れ込みの入った棒状管状発射薬が開示されているが、、漸増性に対する有孔形状の寄与の検討に留まっている。
以下の特許文献3には、ディスク状のガス発生剤に複数の壁上突起を設け、着火燃焼性を改善したガス発生剤が開示されているが、漸増性を高める工夫については触れられていない。
以下の特許文献4には、非常に高い7つ以上の孔を持つ発射薬が開示されているが、漸増性に対する有孔形状の寄与の検討に留まっている。
以下の非特許文献1には、発射薬の形状(管状、薄片状、不定形状、板状、円盤状、円盤単孔状、球状、円筒状)や組成について記載されていれてるが、漸増性を高めるための表膠技術については触れられていない。
特表2007−514125号公報 特許第2807816号公報 特開2006−199512号公報 特開2007−85632号公報
弾道学研究会編「火器弾薬技術ハンドブック」財団法人防衛技術協会 2003年5月14日 P347〜363、430、431
本発明が解決しようとする課題は、高い漸増燃焼性を有するガス発生剤を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決するために、ガス発生剤の形状設計、被覆技術に関して鋭意研究し、実験を重ねた結果、不活性な被覆部と燃焼活性部の両者を表面に有するガス発生剤であって、該燃焼活性部は、線状及び/又は点状であり、且つ、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001〜0.70であるガス発生剤が、前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は以下のとおりのものである。
[1]不活性な被覆部と燃焼活性部の両者を表面に有するガス発生剤であって、該燃焼活性部は、線状及び/又は点状であり、且つ、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001〜0.70であることを特徴とするガス発生剤。
[2]前記ガス発生剤が、板状又は円盤状である、前記[1]に記載のガス発生剤。
[3]前記線状の燃焼活性部が、前記ガス発生剤の同一面上に、2箇所存在する場合、該線状の燃焼活性部は互いに平行に配置され、3箇所以上存在する場合、平行且つほぼ等間隔で配置され、前記点状の燃焼活性化部が、前記ガス発生剤の同一面上に、3箇所以上存在する場合、該点状の燃焼活性部は互いにほぼ等間隔の距離に配置される、前記[1]又は[2]に記載のガス発生剤。
[4]前記不活性な被覆部と前記燃焼活性部が、前記ガス発生剤の両面に配置される、前記[2]又は[3]に記載のガス発生剤。
[5]前記両面に配置される燃焼活性部が、前記ガス発生剤を挟んで対称である、前記[4]に記載のガス発生剤。
[6]前記両面に配置される燃焼活性部が、前記ガス発生剤を挟んで互い違いに配置される、前記[4]に記載のガス発生剤。
[7]前記ガス発生剤の厚みが、燃焼活性部からガス発生剤の端までの最も長い距離の3倍未満である、前記[2]〜[6]のいずれかに記載のガス発生剤。
[8]前記ガス発生剤の厚みが、燃焼活性部間の距離の1.5倍未満である、前記[2]〜[6]のいずれかに記載のガス発生剤。
本発明により、高い漸増燃焼性を有するガス発生剤が提供される。
線状燃焼活性部が1つ配置された板状ガス発生剤の平面図。 図1の板状ガス発生剤のA−A’断面図。 線状燃焼活性部が2つ配置された板状ガス発生剤の平面図。 図3の板状ガス発生剤のA−A’断面図。 線状燃焼活性部が3つ配置された板状ガス発生剤の平面図。 図5の板状ガス発生剤のA−A’断面図。 点状燃焼活性部が配置された板状ガス発生剤の平面図(その1)。 図7の詳細配置図。 点状燃焼活性部が配置された板状ガス発生剤の平面図(その2)。 図9の詳細配置図。 ガス発生剤を挟んで線状燃焼活性部が対称に配置された板状ガス発生剤の断面図。 ガス発生剤を挟んで線状燃焼活性部が互い違いに配置された板状ガス発生剤の断面図。 円盤状ガス発生剤の平面図。 図13の円盤状ガス発生剤のA−A’断面図。 貫通孔を有する円盤状ガス発生剤の平面図。 本発明に係るガス発生剤の漸増燃焼性を示すグラフ。
以下、本発明を、好ましい形態を中心に詳細に説明する。
本発明の高漸増燃焼性ガス発生剤は、発生ガスの漸増性が要求されるいかなる用途にも使用可能であり、例えば、りゅう弾砲、戦車砲、機関砲等の火砲や、ライフル銃、小銃等の小火器などの弾丸を飛翔させるための発射薬として使用しうる。また、ロケットを飛翔させる推進薬、エアバック、シートベルトテンショナー等にも使用できる。本発明に係るガスは発生剤は、薄い板状又は円盤状の形状であることができるので、薄い隙間に入れて燃焼させる用途などに応用しうる。また、板状又は円盤状ガス発生剤を複数個重ねて装填することで、高い装填密度を要求される弾薬にも使用しうる。
ベースとなるガス発生剤としては、いかなるガス発生剤でもよいが、例えば、発射薬としては、シングルベース発射薬、ダブルベース発射薬、トリプルベース発射薬、マルチベース発射薬等が挙げられる。また、グリシジルアジドポリマー(GAP)や、3,3−ビス(アジドメチル)オキセタン(BAMO)と3−ニトラトメチル−3−メチルオキセタン(NMMO)の共重合体のようなアジド基及びニトラト基含有ポリマー等を主剤とするバインダを用いたガス発生剤、その他のエネルギー高分子化合物を用いたガス発生剤、ダブルベース推進薬、コンポジット推進薬であってもよい。
本発明に係るガス発生剤は、不活性な被覆部と燃焼活性部の両者を表面に有するガス発生剤であって、該燃焼活性部は、線状及び/又は点状であり、且つ、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001〜0.70であることを特徴とする。不活性な被覆部は、不活性であればどのような被覆剤材料からなるものでもよいが、ガス発生剤の燃焼を制御しなければならないため、ベースとなるガス発生剤の燃焼よりも燃焼速度の遅い素材であることが好ましい。
不活性な被覆部に用いる被覆剤は、ガス発生剤の表面を不活性に被覆できればどのようなものでもよく、例えば、有機物質、無機物質、例えば、不活性なポリマー、不活性なポリマーに不活性な可塑剤を含有させたもの、不活性なポリマーに無機物質を含有させたもの、不活性なポリマーに不活性な可塑剤及び無機物質を含有させたもの、化学的に膜を形成するコーティング剤等が挙げられる。
被覆剤中の不活性な可塑剤及び/又は無機物質の含有量は、70重量%以下にすることが好ましく、より好ましくは、30重量%以下である。不活性なポリマーの例としては、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレンブタジエン共重合体ラテックス、天然高分子、汎用熱可塑性樹脂が挙げられる。セルロース誘導体の例としては、好ましくは、アセチル化ニトロセルロース、セルロースアセテート(CA)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートブチレート(CAB)、エチルセルロースが挙げられる。また、不活性な可塑剤の例としては、好ましくは、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)などのフタル酸エステル類、アセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、クエン酸トリブチル(TBC)などのオキシ酸エステル類、リン酸トリブチルなどのリン酸エステル、トリアセチン(TA)、ジオクチルアジペート(DOA)、イソデシルペラルゴネート(IDP)、ジオクチルマレエート(DOM)などが挙げられる。また、無機物質の例としては、好ましくは、硝酸カリウム、硫酸カリウム、氷晶石、酸化チタンなどが挙げられる。化学的に膜を形成するコーティング剤としては、イソシアネート等を用いた硬化反応を用いた膜などが挙げられる。
以下、燃焼活性部について記述する。
燃焼活性部は2種類ある。1つ目は不活性な被覆を施さず、ベースとなるガス発生剤が露出している部分である。2つ目は、ベースとなるガス発生剤よりも燃焼速度の速い被覆剤でコーティングした部分である。前者は、被覆を施さないため簡便に製造できるメリットがあり、後者は、ガス発生剤の着火性を高めるメリットがある。また、被覆を施さない燃焼活性部は、平面であってもよく、窪みであってもよく、円弧状のもの、溝状のもの、切れ込み状のものであってもよい。
本発明に係るガス発生剤においては、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値は0.001〜0.70である。燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001を下回ると着火性が低下し、一方、0.70を超えると漸増性が高くならない。
不活性な被覆を施すベースとなるガス発生剤の形状としては、不活性な被覆部を施せるものであれば、どのようなものでもよいが、板状又は円盤状であれば、簡便に被覆できるため好ましい。
本発明に係るガス発生剤は、ベースとなるガス発生剤の表面に不活性な被覆部と燃焼活性部とを有する。このとき、燃焼活性部からガス発生剤端までの距離をL1とおくと、一定時間経過後には、燃焼活性部から等距離燃焼しているため、L1の距離まで漸増燃焼する。そこで、ガス発生剤の厚み(t)もL1程度するとが好ましい(図1、図2参照)。
次に、ベースとなるガス発生剤に施す燃焼活性部の配置を示す。
燃焼活性部は、線状及び/又は点状に配置することができ、燃焼活性部以外の部分は、不活性な被覆を施す。ガス発生剤の同一面上に線状の燃焼活性部を2箇所以上配置する場合(図3)、平行に配置すると、燃焼の進行の度合いが均一になるため好ましい。また、燃焼活性部の位置については、図4に示すL1とL2の関係が、L2がL1の2倍程度になることが好ましく、一定時間経過後には、燃焼活性部から等距離燃焼しているため、L1の距離までは漸増燃焼する。また、ガス発生剤の厚み(t)は、L2の半分程度にすると好ましい。
また、同一面上に3箇所以上の線状の燃焼活性部がある場合、平行且つほぼ等間隔であることで、燃焼が均一に進行するため好ましい(図5)。この場合にも、図6に示すL1とL2の関係として、L2がL1の2倍程度になり、厚み(t)がL2の半分程度にすることが好ましい。
次に、点状燃焼活性部について説明する。
ガス発生剤の同一面上に点状の燃焼活性部を3箇所以上配置する場合、近接する点との距離をほぼ等間隔にすると好ましい。配置例として、図7に三角形状に点を配置し、等間隔とした例を示す。位置関係を明確にした詳細配置図を図8に示す。また、別の配置例として、図9に四角形状に点を配置し、等間隔にした例を示す。位置関係を明確にした詳細配置図を図10に示す。なお、点状活性部は、点から等距離燃焼するため、半球状に燃焼が進行し漸増燃焼する。
次に、ベースとなるガス発生剤の両面に燃焼活性部を配置する方法について説明する。
両面とすることで着火性能を増すことができるため好ましい。燃焼活性部は、ベースとなるガス発生剤を挟んで対称に配置(図11)するか又は互い違いに配置(図12)することができる。対称に配置するよりも、互い違いに配置するほうが漸増性を維持できるため好ましい。
ベースとなるガス発生剤を挟んで対称に燃焼活性部を配置(図11)する寸法の設計としては、燃焼活性部からガス発生剤端までの距離をL1とし、燃焼活性部間の距離をL2とするとき、L2がL1の2倍程度になることが好ましい。なお、ガス発生剤の厚み(t)は、L2と同等程度にすることが好ましい。
ベースとなるガス発生剤を挟んで互い違いに燃焼活性部を配置(図12)する寸法の設計としては、燃焼活性部からガス発生剤端までの距離をL1とし、燃焼活性部間の距離をL2とするとき、L2がL1の2倍程度になることが好ましい。なお、厚み(t)は、1/2×√3×L2程度にすることが好ましい。
図12のように板状のガス発生剤において燃焼活性部を互い違いに配置する場合、ガス発生剤の端面を傾けたほうが、漸増性が維持されるため好ましいが、ベースとなるガス発生剤を簡便に製造するために端面を傾けない板状であってもよい。
また、点状燃焼活性部をガス発生剤を挟んで互い違いに配置する場合は、例えば、図8の場合は、三角形の中心に裏面の燃焼活性部を配置することが好ましく、図10の場合は、四角形の中心に裏面の燃焼活性部を配置することが好ましい。
図13に、円盤状ガス発生剤に線状活性部を施した例を示す。
図14に、燃焼活性部をベースとなるガス発生剤を挟んで対称に配置した図13の場合の断面図を示す。円盤状ガス発生剤の燃焼活性部の設計としては、両面に配置する場合は、板状と同様にベースとなるガス発生剤を挟んで対称に配置する場合と互い違いに配置する場合がある。
ベースとなるガス発生剤の厚み(t)は、燃焼活性部からガス発生剤の端までの最も距離の3倍未満、又は、燃焼活性部間の距離の1.5倍未満であることが好ましい。これは、例えば、円盤状ガス発生剤(図13)の場合、燃焼活性部からガス発生剤の端まで距離が変わるため、その内で最も長い距離を設定しなければならないからである。厚みがこの距離の3倍を超えると漸増燃焼性が低下するため、厚みは、該距離の3倍未満とすると好ましい。両面に燃焼活性部を有するガス発生剤の場合には、厚みが該距離の2倍程度であることが、燃焼距離に適合するため好ましく、片面の場合には、該距離の1倍程度が燃焼距離に適合するため好ましい。また、厚みが燃焼活性部間の距離の1.5倍を超えると、漸増燃焼性が低下するため1.5倍未満とすることが好ましく、両面に燃焼活性部を有するガス発生剤の場合には、該距離の1倍程度が燃焼距離に適合するため好ましく、片面の場合には、該距離の0.5倍程度が燃焼距離に適合するため好ましい。
図15に、貫通孔を設けた円盤状ガス発生剤の平面図を示す。
貫通孔を設けることで、火炎の伝火を促進できるため好ましい。また薬室内部に入り込んだ火管等の突起物を避けて、ガス発生剤を配置することができるため好ましい。
次に、被覆方法について説明する。
被覆方法は、本発明に係るガス発生剤を製造することができるものであるならば、いかなる方法であってもよいが、以下、代表的な被覆方法を説明する。
板状又は円盤状のガス発生剤を製造した後、アセトン、酢酸エチル等の溶剤に不活性な被覆剤を混合した塗布液を、ガス発生剤の表面に、燃焼活性部を塗りつぶさないように塗布する。また、燃焼活性部に相当する部位を保護的にカバーし、不活性な被覆剤を含有する塗布液を塗布した後に、該保護的なカバーを除去してもよい。また、ガス発生剤の全面に不活性な被覆行った後、燃焼活性部に相当する箇所に、鋭利な物を用いて切れ込みを入れて、製造してもよい。
燃焼活性部に、ガス発生剤よりも燃焼速度の速い素材を塗布する場合には、不活性な被覆部を塗り潰さないように、塗布を行う。また燃焼活性部の塗布を行った後、不活性な被覆剤を含有する塗布液を塗布してもよい。さらに、不活性な被覆と燃焼活性部とを同時に被覆できる場合は、そのような手法を用いてもよい。
次に、ガス発生剤の側面について記述する。側面については、占有している表面積が少ないため、漸増性に与える影響は小さい。そのため如何なる加工を行ってもよい。側面は、被覆を施しても、施さなくともよく、燃焼活性部と不活性な被覆部を有してもよい。
本実施例は、本発明の具体的な例示であり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
(実施例1)
ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47重量%、エチルセントラリット1.5重量%、及び硫酸カリウム1.0%から成るガス発生剤を製造した。これらの原材料を溶剤とともに捏和機に仕込み、均質になるまで混合、捏和し、それ以降は公知の溶剤圧伸方法を用いて板状に圧伸し、乾燥させ、以下の表1に示す寸法をもつ板状のガス発生剤を得た。次に、この板状ガス発生剤に、燃焼活性部に相当する部位をカバーし、アセトン10gにCABを1.0g溶解させた被覆液を塗布し、その後、燃焼活性部のカバーを外し、50℃にて2日乾燥させ、以下の表2に示す燃焼活性部が配置された本発明に係るガス発生剤を得た。
(実施例2)
ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47重量%、エチルセントラリット1.5重量%、及び硫酸カリウム1.0%から成るガス発生剤を製造した。これらの原材料を溶剤とともに捏和機に仕込み、均質になるまで混合、捏和し、それ以降は公知の溶剤圧伸方法を用いて板状に圧伸し、乾燥させ、以下の表1に示す寸法をもつ板状のガス発生剤を得た。次に、この板状ガス発生剤に、燃焼活性部に相当する部位をカバーし、アセトン10gにCABを1.0g溶解させた被覆液を塗布し、その後、燃焼活性部のカバーを外し、50℃にて2日乾燥させ、以下の表2に示す燃焼活性部が配置された本発明に係るガス発生剤を得た。
(実施例3)
実施例1、実施例2で製造したガス発生剤に火炎を近づけると、燃焼活性部から燃焼が始まることを確認した。
(比較例1)
ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47重量%、エチルセントラリット1.5重量%、及び硫酸カリウム1.0%から成るガス発生剤を製造した。これらの原材料を溶剤とともに捏和機に仕込み、均質になるまで混合、捏和し、それ以降は公知の溶剤圧伸方法を用いて、19孔管状形状、直径1.5cm、長さ1.8cm、孔径0.05cmのガス発生剤を得た。
(比較例2)
ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47重量%、エチルセントラリット1.5重量%、及び硫酸カリウム1.0%から成るガス発生剤を製造した。これらの原材料を溶剤とともに捏和機に仕込み、均質になるまで混合、捏和し、それ以降は公知の溶剤圧伸方法を用いて、7孔管状形状、直径1.0cm、長さ2.2cm、孔径0.05cmのガス発生剤を得た。
(比較例3)
ニトロセルロース28重量%、ニトログリセリン22.5重量%、ニトログアニジン47重量%、エチルセントラリット1.5重量%、及び硫酸カリウム1.0%から成るガス発生剤を製造した。これらの原材料を溶剤とともに捏和機に仕込み、均質になるまで混合、捏和し、それ以降は公知の溶剤圧伸方法を用いて、単孔管状形状、直径0.5cm、長さ2.3cm、孔径0.05cmのガス発生剤を得た。
(実施例4)
図16に、実施例1、実施例2、比較例1、比較例2、及び比較例3のガス発生剤の漸増燃焼性の関係を表す。このグラフにおいては、縦軸の数字が高いほど漸増燃焼性が高いことを示す。図16から、本発明に係るガス発生剤(実施例1、実施例2)は、孔を有するガス発生剤(比較例1、2、3)よりも漸増燃焼性が高いことが分かる。
Figure 2011236067
Figure 2011236067
本発明に係るガス発生剤は、高い漸増燃焼性能が要求されるガス発生剤として好適に利用できる。
1 不活性な被覆部
2 燃焼活性部
3 ガス発生剤
4 貫通孔
t ガス発生剤の厚み
L1 燃焼活性部からガス発生剤の端までの距離
L2 燃焼活性部間の距離

Claims (8)

  1. 不活性な被覆部と燃焼活性部の両者を表面に有するガス発生剤であって、該燃焼活性部は、線状及び/又は点状であり、且つ、燃焼活性部面積/(燃焼活性部面積+不活性な被覆部面積)の値が、0.001〜0.70であることを特徴とするガス発生剤。
  2. 前記ガス発生剤が、板状又は円盤状である、請求項1に記載のガス発生剤。
  3. 前記線状の燃焼活性部が、前記ガス発生剤の同一面上に、2箇所存在する場合、該線状の燃焼活性部は互いに平行に配置され、3箇所以上存在する場合、平行且つほぼ等間隔で配置され、前記点状の燃焼活性化部が、前記ガス発生剤の同一面上に、3箇所以上存在する場合、該点状の燃焼活性部は互いにほぼ等間隔の距離に配置される、請求項1又は2に記載のガス発生剤。
  4. 前記不活性な被覆部と前記燃焼活性部が、前記ガス発生剤の両面に配置される、請求項2又は3に記載のガス発生剤。
  5. 前記両面に配置される燃焼活性部が、前記ガス発生剤を挟んで対称である、請求項4に記載のガス発生剤。
  6. 前記両面に配置される燃焼活性部が、前記ガス発生剤を挟んで互い違いに配置される、請求項4に記載のガス発生剤。
  7. 前記ガス発生剤の厚みが、燃焼活性部からガス発生剤の端までの最も長い距離の3倍未満である、請求項2〜6のいずれか1項に記載のガス発生剤。
  8. 前記ガス発生剤の厚みが、燃焼活性部間の距離の1.5倍未満である、請求項2〜6のいずれか1項に記載のガス発生剤。
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