JPH1010061A - 飲料缶詰自動品質検査システム - Google Patents

飲料缶詰自動品質検査システム

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JPH1010061A
JPH1010061A JP8178503A JP17850396A JPH1010061A JP H1010061 A JPH1010061 A JP H1010061A JP 8178503 A JP8178503 A JP 8178503A JP 17850396 A JP17850396 A JP 17850396A JP H1010061 A JPH1010061 A JP H1010061A
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泰彦 川澄
Yoshiyasu Fujita
義康 藤田
Kiyoshi Ogawa
小川  潔
Hisashi Suzuki
久志 鈴木
健 ▲吉▼岡
Takeshi Yoshioka
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多種類の缶詰に対応し、多項目の検査が自動
的に測定できる、飲料缶詰自動品質検査システムを提供
する。 【解決手段】 検査対象缶詰1を搬送する搬送手段3に
沿って、飲料缶詰自動分析装置8と、非破壊自動巻締検
査装置9とが配列され、飲料缶詰自動分析装置8には、
缶詰1内のガス採取および分析を行うガス分析部と、缶
詰1の内容液の採取および成分分析を行う液分析部と
が、互いに隣接して配置されている。ガス分析部と液分
析部との間および飲料缶詰自動分析装置8と搬送手段3
との間で、缶詰1を移送するハンドリング機構131が
設けられている。非破壊自動巻締検査装置9と前記搬送
機構3との間で、缶詰1を移送する他のハンドリング機
構132が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内容液充填およ
び巻締終了後の缶詰の品質管理を行う飲料缶詰検査シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】缶詰の品質を管理するための検査項目は
多々あり、従来、缶詰を人手によりラインから抜き取っ
て、手作業により缶詰の内容液の温度、ガスボリュー
ム、pH、ビタミンC含有量、ブリックス度、アミノ態
窒素含有量、酸度、クロールイオン、色調、缶詰内の真
空度、圧力、ヘッドスペースの酸素濃度等を測定してい
た。
【0003】しかし、これらの計測検査は手作業により
行っているために、検査に多くの人手を要するなど、効
率が悪く、コスト高になるとともに、人手による検査の
場合、同一条件で測定を行うことが困難であり、計測誤
差が生じ易い等の不都合が多々あった。
【0004】そこで、従来から、巻締終了後の缶詰の外
部寸法、内部寸法、ヘッドスペース酸素量および内容液
溶存酸素量の計測を自動化した装置が開発されており、
その一例として、特公平7−58244号公報に記載さ
れた飲料缶詰検査システムが知られている。この装置
は、缶詰の巻締外部寸法を測定する外寸ステーション、
巻締内部寸法を測定する内寸ステーション、ヘッドスペ
ース酸素量計測装置、内容液溶存酸素量計測装置がそれ
ぞれ備えられるとともに、前記ヘッドスペース酸素量測
定装置と前記内容液溶存酸素量計測装置とに缶詰の供給
排出を行うハンドリングロボットが配置され、缶詰を自
動的に測定検査することを特徴とするものである。そし
て、この装置によれば、缶詰の巻締外部寸法、巻締内部
寸法、ヘッドスペース酸素量および内容液溶存酸素量を
自動的に測定検査ができる。
【0005】したがって、この装置によれば、従来手作
業で行っていた缶詰のヘッドスペースおよび内容液に溶
存する酸素量や、巻締内外の寸法の計測を自動的に行う
ことができ、缶詰製造ラインにおけるサンプリング検査
に適用すれば、大幅に省力化できるとともに、確実に一
定周期で缶詰を採取して正確に検査できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特公平7−58244号公報に記載された飲料缶詰検
査システムでは、巻締検査装置内で行う缶詰の巻締状態
の計測すなわち巻締外周部寸法の測定と巻締内部の破壊
測定とが二つの別々のステーション行われるために装置
が大きく、設置スペースを大きく取らなければならない
不都合がある。また、この装置では、缶詰内の品質測定
項目が少ないために、通常飲料メーカーで実施されてい
る他の検査および分析作業、すなわち缶詰内の真空度、
圧力、内容液の温度、ガスボリューム、pH、ビタミン
C含有量、ブリックス度、アミノ態窒素含有量、酸度、
クロールイオン、色調などを測定することができなかっ
た。その結果、これらの測定および分析は、手作業によ
り行わなければならず、計測誤差が生じやすいなどの不
都合があった。
【0007】さらに、上述した特公平7−58244号
公報に記載された飲料缶詰検査システムでは、インライ
ンでの検査であるものの飲料缶内部の測定項目が酸素量
(溶存酸素量(DO)を含む)に限定され、飲料缶詰の
検査項目の全ては検査することができなかった。その結
果、缶詰の品質判定に必要なデータを得るためには、手
作業による測定・分析を避けることができず、作業効率
が悪いばかりか、測定あるいは分析の結果のばらつきが
大きくなるおそれが多分にあった。
【0008】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、多種類の飲料缶について、通常必要と
される内容物の分析および缶詰の測定を、人手を介さず
に行うことができる飲料缶詰自動品質検査システムを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するために、この発明は、飲料缶詰製造ライン
の缶詰搬送用コンベヤーから任意に設定された数量の缶
詰を定期的または不定期的に取り出した検査対象缶詰を
搬送する搬送手段に沿って、飲料缶詰自動分析装置と、
非破壊自動巻締検査装置とが配列され、飲料缶詰自動分
析装置には、前記缶詰内のガス採取および複数項目の分
析を行うガス分析部と、前記缶詰の内容液の採取および
複数種類の成分の分析を行う液分析部とが、互いに隣接
して配置され、また、これらのガス分析と液分析部との
間、および飲料缶詰自動分析装置と搬送手段との間で、
前記缶詰を移送するハンドリング機構が設けられ、さら
に、前記非破壊自動巻締検査装置には、前記缶詰の巻締
部の軟X線映像を画像分析して、断面寸法を測定する機
構が設けられるとともに、この非破壊自動巻締検査装置
と前記搬送機構との間で、缶詰を移送する他のハンドリ
ング機構が設けられていることを特徴とする飲料缶詰自
動品質検査システムである。
【0010】すなわち、この飲料缶詰自動検査システム
によれば、飲料缶詰自動分析装置および非破壊自動巻締
測定装置がユニット化され省スペースにセットされてい
るとともに、これらの装置に前記搬送手段から缶詰を把
持して供給するための缶詰ハンドリング機構が設けられ
ているから、搬送手段によって搬送されている缶詰をハ
ンドリング機構によってピックアップするとともに、飲
料缶詰自動分析装置に移載し、飲料缶詰自動分析装置内
の測定装置により、重量測定、ヘッドスペースガス分
析、内容液分析が行われる。また、巻締部の測定を行う
缶詰は、搬送手段によって、非破壊巻締測定装置が配置
されている位置まで搬送され、ハンドリング機構により
非破壊巻締測定装置に移載され、非破壊巻締測定装置内
で、缶詰の巻締外部寸法および巻締内部寸法が非破壊で
測定される。
【0011】したがって、この発明の飲料缶詰自動検査
システムによれば、従来手作業で行っていた多項目の検
査を自動的に行うことができるので、大幅に省力化でき
るとともに、検査あるいは分析の精度を向上させること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の一実施例を図面に基づ
いて説明する。図1は、この実施例の飲料缶詰自動品質
検査システムの全容を示しており、缶詰1を缶径に合わ
せて四系統に分けて搬送するサンプリングコンベヤー2
が設けられている。このサンプリングコンベヤー2の先
端側の部分にはゲートが設けられており、このゲートに
は四系統の缶詰1の列を一時的に停止させるストッパー
4が設けられている。なお、これらのストッパー4は、
エアーシリンダー5などのアクチュエターによって開閉
動作させられ、缶詰1を一個づつ送り出し、あるいはス
トックしてある一列の缶詰1の全量を送り出す。また、
サンプリングコンベヤー2の先端側には、検査ラインコ
ンベヤー3が連続して配置されている。
【0013】このサンプリングコンベヤー2は、一例と
して、環状のベルトを二つの回転支持軸に巻き掛けると
ともに、一つの回転支持軸に回転駆動手段を備えたコン
ベヤー装置であり、このコンベヤー装置を複数台用いて
少なくとも各コンベヤーの端部が隣接し、かつ平行に配
列されている。したがって、各コンベヤー装置の回転駆
動手段を設けた側の回転支持軸を回転させると、他方の
回転支持軸が回転するとともに、二つの回転支持軸に支
持された環状ベルトがこの回転に従って走行し、ベルト
上の物体を搬送するようになっている。
【0014】そのサンプリングコンベヤー2に続く検査
ラインコンベヤー3は、缶詰1を一列に並べて搬送する
よう構成されている。具体的には、缶詰1の外径とほぼ
等しい間隔、もしくはそれより若干広い間隔を開けて対
向配置した一対の側壁ガイドが、間欠駆動される検査ラ
インコンベヤー3の上面両側に配置されている。この検
査ラインコンベヤー3と前述した四系統のサンプリング
コンベヤー2との間には、サンプリングコンベヤー2か
ら送り出された缶詰1もしくは缶詰1列を検査ラインコ
ンベヤー3に導くガイド板が設けられている。このガイ
ド板は図1に示すように、検査ラインコンベヤー3側
で、缶詰1の外径とほぼ等しい間隔に接近するようテー
パー状に傾斜させた一対の側壁ガイド6によって構成さ
れている。
【0015】そして、検査ラインコンベヤー3に沿っ
て、この飲料缶詰自動検査システムの全体を制御する集
中制御装置7と、飲料缶詰自動分析装置8と、非破壊自
動巻締検査装置9とが配列されている。
【0016】検査ラインコンベヤー3と飲料缶詰自動分
析装置8との間で缶詰1を移載するハンドリングロボッ
ト131と、検査ラインコンベヤー3および非破壊自動
巻締検査装置9の間で缶詰1を移載するハンドリングロ
ボット132とが設けられている。
【0017】飲料缶詰自動分析装置8に対応させて設置
されたハンドリングロボット131は、自走型の多関節
ロボットであって、基台部が、飲料缶詰自動分析装置8
と平行な方向すなわち検査ラインコンベヤー3の搬送方
向と平行な方向に往復動作するよう構成され、また、そ
の基台上に複数の関節部を介してハンド部12が備えら
れている。そのハンド部12は、缶詰1を軸線方向の上
方から接近させて把持する把持形態と、缶胴の半径方向
外方から接近して缶胴をつかむ把持形態とのいずれでも
缶詰1を把持できるようになっている。そして、ハンド
部12の手首となる部分が、缶詰1を把持した状態で、
180°以上回転できるよう構成されている。
【0018】ハンドリングロボット131の前方の検査
ラインコンベヤー3上には、缶詰1の表面に表示された
バーコードを読み取って、集中制御装置7に信号を送る
バーコードリーダー17が備えられている。このバーコ
ードリーダー17は、缶胴外面に付されているバーコー
ドを読み取って信号を出力し、前記集中制御装置7に検
出信号を出力するよう構成されている。そのバーコード
は、缶詰1の品種や形状あるいは内容液等のデータを示
す記号であって、これを読み取ることにより集中制御装
置7が、その缶詰1に適合した動作をするように構成さ
れている。
【0019】また、ハンドリングロボット131の前方
の検査ラインコンベヤー3には、所定時間および所定缶
数ごとに開閉するストッパー18が備えられている。こ
のストッパー18は、エアーシリンダー19によって前
進後退動作させられて、前記検査ラインコンベヤー3上
の缶詰1を選択的に停止させるように構成されている。
また、ストッパー18よりも搬送方向での上流側および
下流側に、缶詰1に反応して信号を出力する近接スイッ
チなどからなるセンサー20が設けられている。
【0020】図2に示すように、飲料缶詰自動分析装置
8は、重量を測定する重量測定装置32および飲料缶詰
自動分析装置8内の動作の制御を行う制御装置22を備
えたNO.1ステーション23と、缶内圧が大気圧以上
の陽圧缶のヘッドスペースガスの分析を行うための陽圧
缶ヘッドスペースガス採取用ピアシング装置24を備え
たNO.2ステーション25と、缶内圧が大気圧より低
圧の陰圧缶のヘッドスペースガスの測定および分析を行
うための陰圧缶ヘッドスペースガス採取用ピアシング装
置26を備えたNO.3ステーション27と、缶詰内容
液の成分等の検査を行うための内容液サンプリング装置
28を備えたNO.4ステーション29との四つのステ
ーションを備えている。さらに、飲料缶詰自動分析装置
8内部には、採取したヘッドスペースガスおよび内容液
の分析を行う装置が備えられている。
【0021】なお、缶詰内容液の分析を行う装置は、特
には図示しないが、ポンプを主体とした吸排出経路と、
適宜の分析試薬を供給する機構と、電気化学的にデータ
をピックアップする機構とを主体として構成されてい
る。
【0022】NO.1ステーション23は、飲料缶詰自
動分析装置8の内部で図2における右側の端部に設けら
れており、矩形キャビネット30の内部に、NO.1〜
NO.4ステーション全体の作動を制御する制御装置2
2が備えられている。また、飲料内容物自体の分析シス
テムは別の制御装置(図示せず)で制御し、飲料缶詰自
動分析装置8の全体のシステムコントロールおよびヘッ
ドスペース酸素量の計算などは制御装置7で行う。さら
に、飲料缶詰自動分析装置8のアッパーテーブル31上
で制御装置22の前方には、重量測定装置32が備えら
れている。この重量測定装置32は、缶詰1の安定性保
持のため、凹形状に窪んだ載置台を備えており、ここに
載せた缶詰1の重量をロードセル(図示しない)などに
よって測定し、信号を出力するようになっている。
【0023】NO.1ステーションに隣接して配置した
NO.2ステーション25には、缶詰1を保持する缶詰
保持台33と、缶詰1の内容液と接触する部分の洗浄を
行う洗浄槽34と、陽圧缶のヘッドスペースガスを分析
する陽圧缶ヘッドスペースガス測定装置のためのピアシ
ング装置24とが設けられている。
【0024】缶詰保持台33は、一例として、缶底を上
側にして約50°の傾斜角度で缶詰1を保持するもので
あって、缶詰外形形状すなわち缶胴の形状に合わせてU
字型もしくはV字型の溝35が形成されるとともに、こ
の溝35を水平面に対して約50°の傾斜角度に設定し
て缶胴部分で缶詰1を保持する傾斜保持板36と、傾斜
保持板36の端部に垂直に取り付けられるとともに缶詰
1の蓋部分の縁部全周と接触して缶蓋部分を当接させる
端板37とからなり、側面視で、90°のV字型に形成
されている。すなわち、陽圧缶の場合、缶詰1を垂直に
立てた状態では、缶底が缶詰1の中心に向けて緩やかに
湾曲した凹形状(ドーム形状)となっているため、缶底
の中央では液面が接触しており、缶詰1の中央でヘッド
スペースガスを採取しようとすると、ヘッドスペースガ
スとともに内容液を採取してしまうから、陽圧缶のヘッ
ドスペースガスを採取する際には、ヘッドスペースガス
とともに内容液を採取しないように、缶詰1を傾斜させ
てヘッドスペースガスを缶底周縁部38に集めた状態
で、缶底周縁部38にピアシングし、ヘッドスペースガ
スを採取するようにしている(図3参照)。
【0025】なお、傾斜保持板36の傾斜角度は、各種
缶詰を傾斜させてヘッドスペースガスのサンプリングテ
ストを予め行い、その結果から、最も有効にヘッドスペ
ースガスの採取ができる角度とすればよい。
【0026】さらに、前記傾斜保持板36には、ハンド
リングロボット131の把持爪との干渉を回避するため
溝39が形成されている。また、缶高によってハンドリ
ングロボット131が缶詰1を把持する位置が異なるの
で、缶詰1のハンドリング位置に合わせて、前記溝39
が、二本形成されている。
【0027】洗浄槽34は、円筒形状の容器であって、
例えば、イオン交換水すなわち純水などの洗浄液を溜め
て、その中にサンプリング時に内容液と接触した部分を
挿入して洗浄するようになっている。なお、洗浄の都
度、缶詰1の内容液が洗浄液に、混入してしまうので、
検査毎に洗浄液を入れ替えるようになっている。なお、
この洗浄槽34の上端部には、後述する針部などの被洗
浄部材から洗浄液を吹き飛ばして除去するためのエアー
ノズル(図示せず)が設けられている。
【0028】陽圧缶ヘッドスペースガスの分析を行うた
めの陽圧缶ヘッドスペースガス採取用ピアシング装置2
4は、アッパーテーブル31上に設置台40を設け、そ
の上に平行に備えた二本のリニアーガイドの上部に設け
られており、前記缶詰保持台33の上方と前記洗浄槽3
4の上方との間を往復移動できるようになっている。こ
のピアシング装置24は、矩形キャビネット42の内部
に備えたヘッドスペースガスを分析するためのヘッドス
ペースアナライザー52と、そのキャビネット42の前
面に取り付けたピアシング機構43とを備えている。
【0029】ここで、ピアシング機構43について説明
すると、このピアシング機構43は、缶詰保持台33上
に斜めに設置した缶詰1から、ヘッドスペースガスを採
取するためのものであって、上下方向に向けて配置した
昇降機構45の下端部に、ヘッドスペース内のガスを吸
引するためのピアシングヘッド44が備えられており、
このピアシングヘッド44を昇降機構45によって、缶
詰1に対して上下動させるように構成されている。
【0030】そしてこの昇降機構45は、一本のエアー
シリンダー46を中心としてその左右両側にガイドとな
るガイドポスト47をエアーシリンダー46と平行に配
置し、ガイドスリーブ48をこのガイドポスト47に摺
動自在に嵌合させて構成されている。
【0031】なお、前記ピアシングヘッド44に接続さ
れた電線ケーブルや配線などは、キャタピラあるいはこ
れに類似する鎖条体50によってまとめられ、湾曲自在
に保持されている。また、ピアシング装置24を缶詰1
の種類に合わせてサンプリング位置に移動させるサーボ
機構(図示せず)が備えられている。
【0032】他方、ピアシングヘッド44の内部には、
缶詰1の缶底周縁部38に向けて突入・退出する中空の
針部114と、缶詰1の缶底周縁部38とピアシングヘ
ッド44との間で前記針部114の周囲の所定範囲を気
密状態に保持するシール部115とが備えられている。
【0033】また、前記針部114の中空部を介してヘ
ッドスペースガスをヘッドスペースアナライザー52内
に送るために、針部114の中空部から、ヘッドスペー
スアナライザー52の各装置に連通し、ヘッドスペース
ガス流路となる配管51が備えられている。
【0034】図3に示すように、ヘッドスペースアナラ
イザー52は、ガスクロマトグラフ55を主体とするも
のであって、このガスクロマトグラフ55の吸気通路側
には、水分除去装置56と水分検知装置57とが、それ
ぞれ直列に接続されている。また、ガスクロマトグラフ
55の排出通路側には、パージ用のHeガスを充填した
ガスボンベ58が接続されている。そして、前記針部1
14は、制御バルブ591および制御バルブ592を介
してガスボンベ58に接続されている一方、制御バルブ
591と他の制御バルブ593とを介して、前記水分検
知装置57の流入側に接続されている。そして、内容積
を変えることのできるシリンジ54が各制御バルブ59
1,592,593を介して、針部114およびガスボ
ンベ58ならびに水分検知装置57にそれぞれ接続され
ている。なお、針部114には、圧力測定装置53と減
圧バルブ60とがそれぞれ接続されるとともに、これら
圧力測定装置53および減圧バルブ60の接続箇所より
も先端側にフィルター116が介在されている。そし
て、その針部114を前記缶詰保持台33上の缶詰1に
突き刺して、ヘッドスペースガスをサンプリングするよ
うになっている。
【0035】なお、ガスクロマトグラフ55による分析
結果に基づいた酸素量や炭酸ガス量の演算は制御装置7
で行い、それに先立つキャリブレーションあるいは洗浄
は、制御装置22によるシーケンス制御によって自動的
に行うようになっている。
【0036】NO.3ステーション27は、前記NO.
2ステーション25に隣接して設けられており、缶詰1
を保持するアッパーテーブル31上の缶詰保持台62
と、内容液と接触する部分の洗浄を行う洗浄槽63と、
陰圧のヘッドスペースガスの分析のためのピアシング装
置26とを備えている。
【0037】缶詰保持台62は、缶蓋(好ましくは缶底
蓋すなわちイージーオープンエンドではない側の蓋)を
上にして直立させた状態で缶詰1を固定するものであ
り、缶詰1の底の形状に合わせて円形に窪んだ凹型の台
となっている。ピアシング装置26は、NO.2ステー
ション25におけるキャビネット42と同様な矩形キャ
ビネット66に、ヘッドスペースアナライザー68のピ
アシング機構67を備えた構造となっている。そして、
このキャビネット66が、前述したピアシング装置24
と同様に、設置台40上に設けたリニアーガイド65に
搭載され、内部に備えたモーターにより、前記缶詰保持
台62の上方と前記洗浄槽63の上方との間を往復移動
できるようになっている。
【0038】前記ヘッドスペースアナライザー68は、
前記缶詰保持台62に保持された陰圧缶の蓋の中央にピ
アシングして、陰圧缶のヘッドスペース内のガスのサン
プリングを行うものであり、ヘッドスペース内のガスを
吸引するためのピアシング機構67のピアシングヘッド
69が昇降機構70によって、アッパーテーブル31に
対して上下動可能に設けられている。
【0039】また、前記ピアシング機構67のピアシン
グヘッド69の内部には、缶詰1に突き刺される中空の
針部112と、缶詰1の蓋の中心部分とピアシングヘッ
ド69との間で、前記針部112の周囲の所定範囲を気
密状態に保持するシール部113とが備えられており
(図4参照)、その針部112によって、前記缶詰保持
台62上の陰圧缶の蓋の中心部分にピアシングして、ヘ
ッドスペースガスを吸引するようになっている。
【0040】また、該ピアシングヘッド69の針部11
2の中空部と、ヘッドスペースアナライザー68の内部
の各装置とを連結する配管71が備えられ、この配管7
1を介してヘッドスペースガスを給排するようになって
いる。
【0041】図4に示すように、ヘッドスペースアナラ
イザー68は、ガスクロマトグラフ75を主体とするも
のであって、このガスクロマトグラフ75の吸入側に
は、水分除去装置73と水分検知装置74とが、それぞ
れ直列に接続されている。また、ガスクロマトグラフ7
5の排出側には、標準ガスとしてHeガスを充填したガ
スボンベ76が接続されている。そして、前記針部11
2は、制御バルブ201および制御バルブ202を介し
て、ガスボンベ76に接続される一方、制御バルブ20
1および他の制御バルブ203を介して水分検知装置7
4の流入側に接続されている。そして、内容積を変える
ことのできるシリンジ78が各制御バルブ201,20
2,203を介して、針部112およびガスボンベ76
ならびに水分検知装置74にそれぞれ接続されている。
なお、針部112には、圧力測定装置77が接続される
とともに、この圧力測定装置77の接続箇所よりも先端
側にフィルター72が介在されている。そして、その針
部112を前記缶詰保持台62上の缶詰1に突き刺し
て、ヘッドスペースガスをサンプリングするようになっ
ている。
【0042】なお、ガスクロマトグラフ75による分析
結果に基づいた酸素量や炭酸ガス量の演算は制御装置7
で行い、それに先立つキャリブレーションあるいは洗浄
は、制御装置22によるシーケンス制御によって自動的
に行うようになっている。さらに、洗浄槽63は、前記
NO.2ステーション25のものと同様に、円筒形状の
容器であって、洗浄液には、一例としてイオン交換水す
なわち純水が使用されている。
【0043】最後のNO.4ステーション29には、缶
詰1を保持する缶詰保持台79と、内容液と接触する部
分の洗浄を行う二つの洗浄槽951,952と、内容液
自動分析装置の内容液サンプリング装置28とが設けら
れている。
【0044】その内容液サンプリング装置28は、他の
ステーションにおけるものと同様に矩形キャビネット8
2の前面に、サンプリング機構84と、缶詰1に内容液
吸引用の孔を開けるパンチング機構81とが備えられた
ものであり、前記設置台40上の二本のリニアーガイド
86の上部に設けられている。また、内容液サンプリン
グ装置28の内部には、モーターが備えられ、前記缶詰
保持台79と前記洗浄槽591,592との間かつ上方
で、往復移動可能となっている。
【0045】前記サンプリング機構84は、キャビネッ
ト82の前面に取り付けたロッドレスシリンダー87に
よって上下動される内容液サンプリングノズル88を有
している。この内容液サンプリングノズル88は、内容
液をサンプリングする缶詰1の長さよりも幾分長く形成
されている。
【0046】また、前記内容液サンプリングノズル88
の一端部には、ノズルから吸引した内容液を内容液自動
分析装置の内容液アナライザー内の液体試料分析装置
(図示せず)に輸送する配管が連結されており、該液体
試料分析装置によって、内容液の分析すなわちpH、酸
度、糖度、比重、色調、ビタミンC含有量、アミノ態窒
素含有量、クロールイオンなどの分析が行われるととも
に、特に、該液体試料分析装置は、缶詰1の分析できる
項目を変更して、自由に測定項目の変更ができるように
なっている。
【0047】また、前記配管には、内容液内の異物、繊
維質等の固形物および炭酸ガスの除去を行う内容液前処
理装置(図示せず)、さらには、前記内容液サンプリン
グノズル88から採取した分析に必要な缶詰1の内容液
を液体試料分析装置に輸送する内容液定量液送装置(図
示せず)が連結されている。
【0048】なお、内容液サンプリングノズル88の中
には、温度計(図示せず)がセットされており、内容液
の温度を測定することができるようになっている。ま
た、前記内容液サンプリング装置28に接続された電線
ケーブルや配線などは、キャタピラあるいは、これに類
似する鎖条体89によってまとめられ、湾曲した状態に
保持されている。
【0049】前記キャビネット82の前面には、前記サ
ンプリング機構84に隣接してパンチング機構81が設
けられている。このパンチング機構81は、内容液サン
プリングノズル88を挿入するための孔を穿孔するもの
であって、缶詰1に直接穿孔を行うパンチング部91
が、昇降機構90によって上下動されるよう構成されて
いる。
【0050】すなわち、昇降機構90は、二本のガイド
ポスト92に挟まれたエアーシリンダー93と、ガイド
ポスト92に摺動自在に嵌合したガイドスリーブ94と
によって構成されている。二本のガイドポスト92およ
びエアーシリンダー93の端部には、パンチング部91
すなわち缶詰1にパンチングして缶蓋または缶底の中央
部に孔を開けるパンチング部91を備えたパンチング板
が取り付けられ、エアーシリンダー93によって、パン
チング部91がアッパーテーブル31に対して上下駆動
可能になっている。なお、パンチング部91の上下動ス
トロークは対象とする缶詰毎に合わせられるようになっ
ている。
【0051】また、二つの洗浄槽951,952は、非
動作位置に待機しているパンチング機構81およびサン
プリング機構84の直下に配置され、一回一回の測定検
査の度に、パンチング部91と内容液サンプリングノズ
ル88とが洗浄槽951,952内に溜めた洗浄液中に
挿入されて、洗浄されるようになっている。さらに、洗
浄液も一回一回の測定検査の度に新しいものと交換され
るから、種類の異なる缶詰1を続けて検査しても、別の
品種の内容液と混ざることがないので、正確に缶詰1内
部の検査ができるようになっている。なお、内容液サン
プリングノズル88を洗浄する側の洗浄槽952には、
内容液サンプリングノズル88が全て修まり、充分に洗
浄されるように他の洗浄槽に比べて大きなものが用いら
れている。また、サンプリングノズル88およびパンチ
ング部91から洗浄液を除去するためにエアーを噴射す
るエアーノズル(図示せず)が洗浄槽951,952の
上端部に設けられている。
【0052】さらに缶詰保持台79は、前記キャビネッ
ト82の前方のアッパーテーブル31上に備えられてい
る。この缶詰保持台79は、その基礎となる平面盤9
6、ロッドレスシリンダー97、リニアーガイド98、
スライドテーブル99から構成されており、平面盤96
上にロッドレスシリンダー97とリニアーガイド98と
が平行に備えられ、そのリニアーガイド98上部に、リ
ニアーガイド98の長さ方向に移動可能に、スライドテ
ーブル99が備えられるとともに、そのスライドテーブ
ル99がロッドレスシリンダー97に接続されている。
すなわち、ロッドレスシリンダー97の動作とともに、
スライドテーブル99がリニアーガイド98に沿って移
動するように構成されている。さらに、各ステーション
の各種分析・測定装置は、それぞれに自動的にキャリブ
レーションを行うようになっている。
【0053】そして、飲料缶詰自動分析装置8の近傍に
は、検査の終了した缶詰1を入れる廃缶ボックス111
が設けられており、内容液検査終了後、ハンドリングロ
ボット131により廃缶されるようになっている。
【0054】次に検査ラインコンベヤー3上において、
非破壊自動巻締検査装置9に関連する構造を示すと、検
査ラインコンベヤー3上には、同一巻締機から排出され
た巻締検査用の複数個の缶詰1を、一時保持するストッ
パー100が備えられている。
【0055】そして、前記ストッパー100から、缶詰
1の搬送方向に向かって一缶分の間隔を開けて、ストッ
パー103が設けられている。このストッパー103
は、前記ストッパー100と交互に開閉して、確実に一
缶ずつ次のストッパー104に缶詰1を供給するように
なっている。すなわち一缶取り機構となっている。ま
た、これらのストッパー100,103,104には、
エアーシリンダーが取り付けられており、このエアーシ
リンダーにより開閉するようになっている。
【0056】さらに、ストッパー104で保持された缶
詰1を非破壊自動巻締検査装置9に供給するハンドリン
グロボット132が非破壊自動巻締検査装置9に対応し
て配置されている。このハンドリングロボット132
は、固定型の多関節ロボットであり、固定された基台部
上に、前記ハンドリングロボット131と同様な複数の
関節部を介してハンド部12が備えられている。そし
て、そのハンド部12は、缶胴の半径方向外方から接近
して缶胴をつかむ把持形態を取るよう構成されている。
そして、把持した缶詰1を、前記非破壊自動巻締装置9
へ供給するようになっている。
【0057】また、搬送方向におけるストッパー100
の手前およびストッパー104の後ろの側壁ガイド6の
上部には、近接スイッチなどのセンサー106が備えら
れており、検査ラインコンベヤー3によって搬送された
缶詰1を感知して信号を出力するようになっている。
【0058】非破壊自動巻締検査装置9は、缶胴と缶蓋
とを結合している巻締部の接線方向に軟X線を照射する
ことにより巻締部を撮像し、得られたX線透視画像から
前記巻締部における複数の測定部位の寸法を画像処理し
て計測するものであり、軟X線を照射するX線源とX線
透視画像を得るためのカメラとが互いに対向して配置さ
れ、X線源とカメラとの間に、計測対象である缶を載せ
るインデックステーブルが備えられている。また、X線
透視画像を処理した画素の間隔に基づいて前記巻締部の
厚さ等を求める演算手段を備えている。
【0059】なお、演算手段によってX線透視画像から
得られる数値に基づいて、1画素あたりの寸法を基準と
して予め算出しておくことができるようになっている。
さらに、この演算手段によって演算することにより、巻
締部の厚さを含む各部位の寸法を正確に計測することが
可能となっている。すなわち、缶詰1の寸法の測定すな
わち巻締ハイト、カウンターシンク、巻締幅、巻締厚を
測定するとともに、巻締内部の非破壊測定をX線を利用
して行い、ボディーフック、カバーフック、重合率など
を求めるようになっている。
【0060】さらに、検査ラインコンベヤー3上の図1
での左部分には、非破壊自動巻締検査装置9での巻締検
査結果によって、巻締部の良品と不良品とに分けて搬送
するために、不良品の缶詰1を搬送する巻締不良缶コン
ベヤー107と良品の缶詰1を搬送する巻締正常缶コン
ベヤー108とが備えられるとともに、検査の終了し返
還された缶詰1の搬送方向を巻締不良缶コンベヤー10
7と巻締正常缶コンベヤー108とに分けるディバイダ
ー109が設けられている。すなわち、このディバイダ
ー109は、前記非破壊自動巻締検査装置9の検査結果
によって、缶詰1が不良品であれば、巻締不良缶コンベ
ヤー107に搬送されるようガイドを作動させ、良品で
あれば、巻締正常缶コンベヤー108に搬送されるよう
にガイドを作動させる。つまり検査結果によって缶詰1
を振り分けることができるようになっている。なおそれ
ぞれのコンベヤーの端部には、全検査の終了した缶詰1
を検知する近接スイッチなどのセンサー110が備えら
れている。
【0061】以上説明した構成の各ステーションおよび
アナライザーならびにシステム等は、集中制御装置7に
よって、相互に関連づけて動作されるようになってい
る。
【0062】次にこの実施例の飲料缶詰自動検査システ
ムの作用について説明すると、缶詰1を四系統に分けて
搬送するサンプリングコンベヤー2から、缶高、外径、
内容液などの異なる多種類の缶詰1が、サンプリングコ
ンベヤー2の先端側の部分すなわちゲートに設けられた
ストッパー4によって一時停止された後、選択的に、検
査ラインコンベヤー3上に供給される。
【0063】なお、飲料缶詰自動分析装置8に供給され
る缶詰1の場合は、一系統の缶詰1が選ばれ、ストッパ
ー4によりその系統の一缶のみが排出され、検査ライン
コンベヤー3に供給される。また、非破壊自動巻締検査
装置9に供給される缶詰1の場合は、一系統の缶詰1が
選ばれ、ストッパー4によりその系統の所定数の缶詰1
が排出される。検査ラインコンベヤー3に供給された缶
詰1は、飲料缶詰自動分析装置8の前方に備えられたセ
ンサー20によって検知される。
【0064】前記ストッパー18は通常は開いた状態と
なっているが、センサー20が缶詰1を感知すると、そ
の出力信号によって閉じる。さらに、この出力信号によ
って、検査ラインコンベヤー3が停止する。
【0065】そして、ストッパー18で保持された缶詰
1は、ハンドリングロボット131により、その上方す
なわち軸方向から把持される。そして、ハンドリングロ
ボット131は、把持した缶詰1を検査ラインコンベヤ
ー3上に備えられたバーコードリーダー17まで移動さ
せ、缶胴の外周面をバーコードリーダー17に向けた状
態で、缶詰1を回転させ、缶詰1に表示されたバーコー
ドを読み込ませる。その出力信号が、前記集中制御装置
7に入力され、その出力信号に基づいて缶詰1の品種お
よび缶型が判別される。その後、ハンドリングロボット
131は、検査ラインコンベヤー3上に缶詰1を戻し、
缶詰1の外径方向から再接近して缶詰1を把持する。
【0066】そして、缶詰1の種類や形状に合わせて予
め設定した検査測定順に缶詰1を移載するように、ハン
ドリングロボット131に指示信号が出力され、ハンド
リングロボット131が飲料缶詰自動分析装置8の各ス
テーションに移動させ、必要な測定項目を自動的に測定
することになる。
【0067】すなわち、缶詰ハンドリングロボット13
1により把持された缶詰1は、まず、飲料缶詰自動分析
装置8のNO.1ステーション23の重量測定装置32
にセットされる。すると、重量測定装置32に備えたロ
ードセルが缶詰1の重量を歪みとして感知し、電気信号
に変換して重量を計測する。この重量の測定は、ヘッド
スペースの容量の検出と飲料缶詰の入味量測定とのため
であって、制御装置22は、予め記憶している空缶の重
量を用いて入味量を算出し、内容液の比重を利用してヘ
ッドスペース容量を演算する。
【0068】重量の計測後、ハンドリングロボット13
1は再度、缶詰1を把持し、陽圧缶のヘッドスペースガ
スの分析を行うNO.2ステーション25の缶詰保持台
33、または陰圧缶のヘッドスペースガスの分析を行う
NO.3ステーションの缶詰保持台62のどちらかに缶
詰1を移載する。その際、前記集中制御装置7で缶詰1
の品種が判定されハンドリングロボット131に作動の
指示が出されるので、それに従いどちらかのステーショ
ンに缶詰1を移載する。そして各ステーションで缶詰1
のヘッドスペースガスの分析が行われ、ヘッドスペース
の真空度および酸素量を測定する。
【0069】NO.2,3ステーション内での作用につ
いてステーションごとに具体的に説明すると、陽圧缶の
ヘッドスペースを分析するためのNO.2ステーション
25では、まず、ハンドリングロボット131によって
缶詰1が缶詰保持台33にセットされる。その場合、該
缶詰保持台33にはハンドリングロボット131用の溝
39が形成されているので、ハンドリングロボット13
1の把持爪が缶詰保持台33に引っ掛かったりせずに静
かに缶詰1を缶詰保持台33にセットすることができ
る。
【0070】また、缶詰保持台33に載せられた缶詰1
は、缶詰保持台33を構成する傾斜保持台36と端板3
7とにより、缶詰1の底を上にした状態でかつ、約50
°に傾斜した状態で保持されることになるので、缶詰1
内部のヘッドスペースガスは、缶詰保持台33に載せら
れた状態で最上部となる缶詰1の缶底周縁部38に集め
られる。
【0071】缶詰1が前記缶詰保持台33に置かれる
と、前記設置台40のリニアーガイド上の陽圧缶ヘッド
スペースガス測定装置のピアシング装置24は、リニア
ーガイドに沿って前進し、前記缶詰保持台33の上部に
ヘッドスペースアナライザー52のピアシング機構43
が缶詰1の缶底周縁部38のピアシング位置にセットさ
れる。
【0072】そして、昇降機構45が作動してピアシン
グヘッド44が缶詰1に向かって下降し、ピアシングヘ
ッド44が缶詰1の缶底周縁部38に接触すると、ピア
シングヘッド44内に備えられたシール部115が缶詰
1の缶底周縁部38に密着する。この状態で、中空の針
部114が前記シール部115の内部を通って缶詰1の
缶底周縁部38に突き刺さる。
【0073】ヘッドスペースアナライザー52の内部で
は、ピアシング前にアナライザー52内の配管51の途
中に取り付けてある全バルブが閉鎖されるとともに、シ
リンジ54を図3でのS2 の位置すなわちシリンジ54
の容量Vsが0となる位置にセットされ、配管51内の
ガス流動を制御する制御バルブ591と、制御バルブ5
92とを開放し、ガスボンベ58によりHeガスが配管
51内に放出されアナライザー52内がパージされる。
すなわち、配管51を含む全体がHeガスで満される。
【0074】Heガスが充満されると制御バルブ591
が閉鎖され、シリンジ54をS1 の位置として、シリン
ジ54内にHeガスを流入させる。その後、制御バルブ
592を閉鎖する。この状態で、前記のようにヘッドス
ペースアナライザー52を動作させて、缶詰1の缶底周
縁部38に針部114を突き刺すと、ヘッドスペースガ
スが針部114の中空部を通って、ヘッドスペースアナ
ライザー52内部に入り込む。
【0075】そして、ヘッドスペースガスに含まれる内
容液など分析に不都合なものがフィルター116によっ
て排除される。また同時に、圧力測定器53により、缶
詰1内のヘッドスペースの圧力(Phs)を測定する。
ついで、制御バルブ591を開放し、その状態で再度圧
力(Ps)を測定する。この場合、ヘッドスペース内に
封入されていたガスが、シリンジ54を含む大きい領域
に拡散するから、圧力測定器53に表れる圧力は、シリ
ンジ54と缶詰1とのヘッドスペースガスおよびその間
を連結する配管中の圧力のトータルの平衡圧となる。
【0076】なお、ガス分析を行うガスクロマトグラフ
55は圧力が高いと分析精度が低下するので、シリンジ
54を含む系の圧力(Ps)が1kg/cm2 以上の場
合には、減圧バルブ60を開放し、ガス圧(Ps)を1
kg/cm2 未満とした後、減圧バルブ60を閉鎖する
ようになっている。
【0077】そして、制御バルブ593を開放し、ガス
クロマトグラフ55でヘッドスペースガスの分析、すな
わちヘッドスペースの酸素量および炭酸ガス量(ガスボ
リューム)の測定が行われる。その場合、ガスクロマト
グラフ55に入るヘッドスペースガスは通常水分を多く
含んでいるが、温度が40度以下で水分含量が飽和水蒸
気以下の場合には、水分除去装置56により、ガスクロ
マトグラフ55の検知に差支えのない水分含量0.1%
以下まで、湿気を除去する。また、内容液を吸い込んだ
場合には水分除去装置56では除湿できないので、水分
検知装置57により内容液を検知するようになってお
り、内容液を検知した場合、または、40度以上の飽和
水蒸気を検知した場合には、ガスクロマトグラフ55に
内容液が入らないように配管を閉鎖する。
【0078】そして、ヘッドスペースガス分析終了後、
制御バルブ591、制御バルブ593を閉鎖して針部1
14を抜き測定を終了する。
【0079】つぎに陰圧缶の場合について説明すると、
陰圧缶1は、ハンドリングロボット131によりNO.
3ステーション27の缶詰保持台62に置かれる。な
お、缶詰1は、ハンドリングロボット131の腕部や手
首などにより缶底蓋(イージーオープンエンドではない
側の蓋)が上部となる状態でセットされる。
【0080】缶詰1が缶詰保持台62に供給されると、
NO.3ステーション27のリニアーガイド65上に設
置された陰圧缶ヘッドスペースガス測定装置のピアシン
グ装置26が、キャビネット66内部に備えたモーター
により、リニアーガイド65に沿って前進し、缶底蓋の
中心のピアシング所定位置すなわちピアシングヘッド6
9が缶詰1の真上にくる位置まで移動する。
【0081】へッドスペースアナライザー68では、缶
詰保持台62に缶詰1がセットされると同時に、制御バ
ルブが全部閉じられる。ついで、配管71内での流体の
流動およびヘッドスペースガスの流入を制御する制御バ
ルブ201が開くとともに、シリンジ78を図4のS2
の位置にする。すなわちシリンジ78の容量Vsを0に
する。そして、配管71内の流体の流動を制御する制御
バルブ202が開き、ボンベ76からHeガスを配管7
1内に放出し、配管71を含む全体をHeガスでパージ
する。さらに、制御バルブ201を閉じるとともに、シ
リンジ78をS1 の位置とし、シリンジ78内にHeガ
スを流入させた後、制御バルブ202を閉じる。
【0082】缶詰1のピアシング位置でピアシング装置
26が停止すると、へッドスペースアナライザー68の
ピアシング機構67が作動して、昇降機構70によっ
て、陰圧缶ピアシングヘッド69が下降させられ、ピア
シングヘッド69に備えたシール部113が缶詰1に密
着する。そして、このシール部113を通って缶底蓋の
中央部に針部112が突き刺さる。その場合、シール部
113によって充分に気密状態が保持されているので、
外気の侵入が防止される。
【0083】缶詰1に前記針部112が挿入されると、
まずフィルター72によって、ヘッドスペースガス中の
液滴等が濾過され、ガス分析に不都合な物質が排除され
る。その状態で、圧力(Phs)が測定される。
【0084】缶詰1のヘッドスペースの実質的な圧力
(Phs)が測定された後、制御バルブ201を開き、
シリンジ78を含む配管系をヘッドスペースに連通させ
る。そして、再度圧力(Ps)を測定する。その後、シ
リンジ78をS2 の位置として、針部112の中空部を
通して缶詰1内部のヘッドスペース部分にHeガスを流
入させる。さらに、該シリンジ78をS1 −S2 間で繰
り返し往復させて、缶詰1内部のヘッドスペースガスを
Heガス中に拡散させる。
【0085】そして、制御バルブ201を閉じた後、制
御バルブ203を開き、シリンジ78をS2 の位置まで
動作させて、ガスクロマトグラフ75にヘッドスペース
ガスとHeガスとの混合気を送り込む。その結果、ガス
クロマトグラフ75は、供給された混合気の酸素量を分
析・測定する。
【0086】ガスクロマトグラフ75で混合気体の分析
を終了すると、制御バルブ201および制御バルブ20
3が閉じ、昇降機構70が作動して、ピアシングヘッド
69が上昇し、針部112が缶詰1から抜かれて測定が
終了する。
【0087】すなわち標準ガスであるHeガスを缶詰1
のヘッドスペースに出し入れすることにより、陰圧缶の
ヘッドスペースガスをHeガス中に拡散させ、その混合
気の形態でヘッドスペースガスの分析を行う。したがっ
て、ガス量が不足することはなくなり、ヘッドスペース
ガスのサンプリングが容易にできる。
【0088】なお、陽圧缶ヘッドスペースガス検査装置
と同様に、ヘッドスペースアナライザー68内では、ガ
スクロマトグラフ75が水分の増大により測定精度にば
らつきが出るため、水分検知装置74により、40度以
上の飽和水蒸気の試料が侵入した場合、ヘッドスペース
ガスの吸引を停止する。また、水分除去装置73によ
り、40度以下の飽和水蒸気の水分を、0.1%以下ま
で除去している。
【0089】また、ヘッドスペースガスのサンプリング
検査終了後、ピアシング装置26がリニアーガイド65
に沿って洗浄槽63の上方に移動し、缶詰1の内容液に
接触したピアシング部が、洗浄槽63内に充填した洗浄
液の中に挿入され洗浄される。なお、他の洗浄槽と同様
に一回一回洗浄液は交換される。
【0090】さらに、陰圧缶および陽圧缶のヘッドスペ
ースガスの分析に使用されているヘッドスペースアナラ
イザー52,68は、その内部に備えたシステムによ
り、酸素量、炭酸ガス量、ヘッドスペースの圧力と容量
の計算、平衡容器の全酸素量、容器注入時の酸素のピッ
クアップを行っている。
【0091】なお、ヘッドスペースの容量の計測は、缶
詰1の全体重量の実測値および予め設定した空缶の重量
・内容量ならびに内容液の比重によって算出される。ま
た、より正確に算出するためには、圧力の測定結果に基
づいて下記の演算によって求めてもよい。
【0092】ヘッドスペースおよび配管系の容量と圧力
との関係は、下記の式となる。
【0093】 Phs(Vhs+Vp)+Pso×Vs=Ps(Vhs+Vp+Vs+Sv) この式を開くと Phs×Vhs+Phs×Vp+Pso×Vs =Ps×Vhs+Ps×Vp+Ps×Vs+Ps×Sv Vhs(Phs−Ps) =Vp(Ps−Phs)+Vs(Ps−Pso)+Ps×Sv Vhs={Vs(Ps−Phs)+Vs(Ps−Pso)+Ps×Sv} /(Phs−Ps)・・・・・式(A) 記号の現す意味は Vhs:ヘッドスペース容量(求めようとする容量)。
【0094】Vp :缶蓋から制御バルブ201,59
1までの配管内の容量。
【0095】Vs :制御バルブ201,591から制
御バルブ202,592および制御バルブ203,59
3までの配管内の容量(シリンジはS2 の位置で閉鎖さ
れている)。
【0096】Sv :シリンジ54,78の容量(S2
からS1 にした時の容量)。
【0097】Phs:ヘッドスペースの圧力測定値(制
御バルブ201,591を閉鎖している時の圧力)。
【0098】Pso:シリンジ54,78を閉鎖してい
る時(S2 の位置)の配管内の圧力測定値(Heガスの
圧力を示す)。
【0099】Ps :シリンジ54,78を開放した時
(S1 の位置)のヘッドスペースの圧力測定値(制御バ
ルブ201,591は開放されている)。
【0100】ここで分析システムに固有の既知の数値
(実際の数値)を示すと、 Vp :システムに固有 0.5(ml) Vs :システムに固有 2.0(ml) Sv :設定した固有の値 20.0(ml) Pso:Heガスの設定圧力 1.0(kg/cm2 ) この数値を、式(A)に代入すると、 Vhs={0.5(Ps−Phs)+2.0(Ps−1.0)+Ps×20} /(Phs−Ps) Vhs={22.5×Ps−0.5×Phs−2.0)/(Phs−Ps) ・・・・・式(B) したがって、式(B)からPhsとPs、すなわちヘッ
ドスペースの圧力と、シリンジ54,78を開放した時
のヘッドスペースの圧力とを測定することによって、飲
料缶詰の未知のヘッドスペース容量を算出することがで
きる。
【0101】なお、ヘッドスペース容量の測定法として
は、単純に制御バルブ間のパイプだけで容量を変えるの
ではなく、シリンジ54,78で容量変化を大きくし、
測定圧力に差を付けることによって、より正確にヘッド
スペース容量が測定できる。
【0102】この方法を用いることによって、飲料缶個
々に固有のヘッドスペース容量の測定が可能となり、よ
り正確なガスボリュームや、酸素濃度の測定を可能とし
た。
【0103】上記計算式において、シリンジ54,78
にリジット容器を用いた場合、ヘッドスペース容量に対
する測定温度の影響は、主として、内容液の膨張および
収縮率であるが、測定温度が約5〜30度の場合には、
内容液の膨張および収縮は、ほとんど生じないので、測
定温度への影響は無視してもよいと考えられる。
【0104】また、ヘッドスペース酸素量は、下記式で
求められている。
【0105】酸素量(ml)=ヘッドスペース容量×
{20度換算圧力(ゲージ圧−水蒸気圧)+大気圧}×
酸素濃度 ここに使用する測定温度はNO.4ステーション29で
内容液吸引時に測定する温度を用いる。
【0106】ヘッドスペースガス分析が終了した缶詰1
は、さらに、ハンドリングロボット131により、内容
液の分析を行うNO.4ステーション29の缶詰保持台
79に移載される。缶詰保持台79に缶詰1がセットさ
れると、該NO.4ステーション29が作動し、内容液
がサンプリングされる。この内容液により、温度、p
H、ビタミンC含有量、ブリックス度、アミノ態窒素含
有量、酸度、クロールイオン、色調を分析する。
【0107】NO.4ステーション29内での作用につ
いて具体的に説明すると、ヘッドスペースガスの測定が
終了した缶詰1は、ハンドリングロボット131により
NO.4ステーション29の缶詰保持台79のスライド
テーブル99に供給される。その場合、陽圧缶は缶底周
縁部38にピアシングしたので缶底を上にして供給し、
陰圧缶は缶底蓋の中心部をピアシングしたので缶底蓋を
上にして供給される。
【0108】缶詰1がスライドテーブル99に置かれ保
持されると、缶詰保持台79に備えたロッドレスシリン
ダー97により、スライドテーブル99上に保持された
缶詰1が、所定位置すなわち内容液サンプリング装置2
8のパンチング位置まで移動されるとともに、NO.4
ステーション29のキャビネット82すなわち内容液サ
ンプリング装置28が、その内部に備えたモーターによ
りリニアーガイド86に沿って移動する。
【0109】缶詰1を載せたスライドテーブル99と内
容液サンプリング装置28とが、缶詰1にパンチングす
る位置、すなわちスライドテーブル99上の缶詰1のパ
ンチング箇所の真上にパンチング部91が到達した時点
で停止する。
【0110】パンチングする位置が確定すると、キャビ
ネット82に備えた昇降機構90によってパンチング部
91が下降して、缶蓋または缶底に内容液サンプリング
ノズル88が挿入できる程度の孔を開ける。次にスライ
ドテーブル99がロッドレスシリンダー97により、リ
ニアーガイド98に沿って、内容液サンプリングノズル
88の真下の所定位置まで移動した後、サンプリング機
構84に備えたロッドレスシリンダー87が作動し、予
め設定された缶詰1のサイズに対応するストロークで、
内容液サンプリングノズル88が下降して缶詰1内に内
容液サンプリングノズル88を挿入し内容液を吸引す
る。
【0111】内容液サンプリングノズル88によって採
取した分析に必要な量の内容液は、内容液定量液送装置
により液体試料分析装置に輸送され、該液体試料分析装
置によって、内容液の分析すなわちpH、酸度、糖度、
比重、色調、ビタミンC含有量、アミノ態窒素含有量、
クロールイオンなどの分析が行われる。また、内容液サ
ンプリングノズル88中に備えた温度計により液体の温
度が測定される。
【0112】測定が終了すると、缶詰1内に挿入した内
容液サンプリングノズル88が、ロッドレスシリンダー
87によって上昇し、缶詰1内部から内容液サンプリン
グノズル88が出される。そして、内容液サンプリング
装置28のキャビネット82が、リニアーガイド86に
沿って移動する。
【0113】内容液と接触した内容液サンプリングノズ
ル88およびパンチング部91が、それぞれの洗浄槽9
51,952の真上に来た時点で、キャビネット82が
停止する。
【0114】内容液サンプリングノズル88は、ロッド
レスシリンダー87によって下降し、洗浄槽951の内
部に挿入され、パンチング部91は、昇降機構90によ
って下降し、洗浄槽952に挿入される。そして洗浄槽
951,952の内部の洗浄液により洗浄される。
【0115】洗浄終了後、洗浄槽951,952から、
内容液サンプリングノズル88およびパンチング部91
が引き出されて検査が終了する。なお、洗浄槽951,
952内の洗浄液は、洗浄の度に入れ替えられる。
【0116】検査のために内容液がサンプリングされて
検査の終了した缶詰1は、さらにハンドリングロボット
131によって把持され、飲料缶詰自動分析装置8から
排除されるとともに、廃缶ボックス111へ廃棄され
る。
【0117】但し、ヘッドスペース分析だけを行い、内
容液の分析は行わない缶詰1も、ガス分析のためにピア
シングされており、そのまま廃棄すると内容液が飛散す
るので、内容液は吸引廃棄する。このとき内容液温度の
測定を行う。
【0118】さらに、缶詰1内部の測定結果が集中制御
装置7により表示および印刷される。したがって、検査
状態および検査システム全体の作動状況が把握でき、装
置の管理が容易にできる。
【0119】他方、同一巻締機から排出された巻締検査
対象の複数の缶詰1は、検査ラインコンベヤー3により
搬送され、ストッパー18を通過して、交互に開閉する
ことで、1缶ずつ次の工程へ缶詰1を供給するストッパ
ー100,103に運ばれる。このストッパー100,
103により、ここでストップした缶詰1が1缶ずつ次
のストッパー104に供給される。その場合、センサー
106によって缶詰1を感知して、その検出信号によっ
て、検査ラインコンベヤー3が停止する。
【0120】ストッパー104に缶詰1が保持される
と、缶詰ハンドリングロボット132が作動し、缶径方
向から接近して缶詰1を把持し、非破壊自動巻締検査装
置9に缶詰1が供給される。
【0121】非破壊自動巻締検査装置9内に缶詰1が運
ばれると計測対象である缶詰1がインデックステーブル
に載せられ、X線源とカメラとの間に移動される。X線
源とカメラとの間に保持されると、X線源から、缶胴と
缶蓋とを結合している巻締部の接線方向に軟X線を照射
することにより撮像する。そして、得られたX線透視画
像から前記巻締部における複数の測定部位の寸法を計測
する。
【0122】非破壊自動巻締検査装置9内に備えた演算
手段によりX線透視画像での間隔に基づいて前記巻締部
の厚さ等が求められ、X線透視画像から得られる数値に
基づいて1画素あたりの寸法を基準として算出する。さ
らに、この演算手段によって演算することにより、巻締
部の厚さを含む各部位の寸法を正確に計測する。すなわ
ち、缶詰1の寸法の測定すなわち巻締ハイト、カウンタ
ーシンク、巻締幅、巻締厚を測定するとともに、巻締内
部のボディーフック、カバーフック、重合率などを求め
る。
【0123】そして、検査が終了すると、ハンドリング
ロボット132が作動し、缶詰1を非破壊自動巻締検査
装置9から検査ラインコンベヤー3上に返還される。
【0124】缶詰1が返還されると、検査ラインコンベ
ヤー3が作動し、搬送方向に缶詰1が搬送される。その
後、返還された缶詰1は、図1での左部分に設けられた
ディバイダー109により、缶詰1が良品であれば、巻
締正常缶コンベヤー108に送られ、不良品であれば、
巻締不良缶コンベヤー107に送られる。そして、それ
ぞれのコンベヤーの端部に備えたセンサー110によっ
て、缶詰1が検知され検査が終了する。
【0125】なお、この実施例において、ストッパーが
エアーシリンダーなどのアクチュエーターによって構成
されているが、これに限定されず、スウィングレバーな
どのエアー式ロータリーアクチュエーターなどを用いて
もよい。また、ストッパーの数や位置は、この実施例の
ものに限定されず、実施する作業に応じて場所を移動さ
せ、あるいは、数を増減させてもよい。
【0126】さらに、検査ラインコンベヤー3に、選択
的に供給される缶詰1の缶径に合わせて、前記側壁ガイ
ド6の対向幅が自動的に調整されるように構成すれば、
缶詰1の搬送安定性が向上する。またさらに、近接スイ
ッチなどのセンサーの配置に関しては、必要に応じて、
その設置位置を変更してもよい。そして、検査ラインコ
ンベヤー3を1列としたが、2列以上に設けるとともに
検査システムの数を増やせば、より作業時間の短縮化が
図れる。
【0127】
【発明の効果】この発明では、飲料缶詰の内容液および
ガスについて複数項目の自動分析を行う装置を、搬送手
段に沿わせて配置し、かつ、その分析装置と搬送手段と
の間に缶詰のハンドリング装置を設置したので、飲料缶
詰あるいは、その充填過程の良否の判定に必要なデータ
を、正確かつ自動的に得ることができる。したがって、
手作業を省いて高効率化を図ることができるとともに充
填工程の管理が容易かつ正確になるなどの効果を得るこ
とができる。
【0128】また、上記の分析装置と合わせて、巻締検
査装置を並列に配置してあるから、巻締工程の管理デー
タを正確かつ自動的に、さらには迅速に得ることができ
る。したがって、この発明によれば、総じて、飲料缶詰
の検査のみならず、製造工程の高効率化、商品の品質保
証システムの確立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の飲料缶詰品質自動検査シス
テムを示す全体概要図である。
【図2】この発明の実施例の飲料缶詰自動分析装置を示
す概要図である。
【図3】陽圧缶ヘッドスペースアナライザーの内部構成
を示す構成図である。
【図4】陰圧缶ヘッドスペースアナライザーの内部構成
を示す構成図である。
【符号の説明】
1…缶詰、 2…サンプリングコンベヤー、 3…検査
ラインコンベヤー、7…集中制御装置、 8…飲料缶自
動分析装置、 9…非破壊自動巻締検査装置、 13
1,132…ハンドリングロボット。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象缶詰を搬送する搬送手段に沿っ
    て、飲料缶詰自動分析装置と、非破壊自動巻締検査装置
    とが配列され、 飲料缶詰自動分析装置には、前記缶詰内のガス採取およ
    び複数項目の分析を行うガス分析部と、前記缶詰の内容
    液の採取および複数種類の成分の分析を行う液分析部と
    が、互いに隣接して配置され、 また、これらのガス分析と液分析部との間、および飲料
    缶詰自動分析装置と搬送手段との間で、前記缶詰を移送
    するハンドリング機構が設けられ、 さらに、前記非破壊自動巻締検査装置には、前記缶詰の
    巻締部の軟X線映像を画像分析して、巻締部の断面寸法
    を測定する機構が設けられるとともに、 この非破壊自動巻締検査装置と前記搬送手段との間で、
    缶詰を移送する他のハンドリング機構が設けられている
    ことを特徴とする飲料缶詰自動品質検査システム。
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