JP4832607B1 - 充填装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】個体識別情報が付与された缶容器2に複数のフィラーバルブ22aで飲料を充填するフィラー22と、缶容器2を入味検査する入味検査装置23と、を備える充填装置21とする。そして、フィラー22で個体識別情報を読み取る個体管理部210と、個体管理部210が読み取った個体識別情報にフィラーバルブ22aの充填口特定情報を関連付ける充填制御装置220と、入味検査装置23で個体識別情報を読み取る個体管理部230を備え、充填制御装置220は、個体管理部230が読み取った個体識別情報が付与された缶容器2を入味検査装置23が検査した検査結果を、当該個体識別情報に関連付けられた充填口特定情報で特定されるフィラーバルブ22aの検査結果として管理する。
【選択図】図3
Description
このような充填装置は、中間製品を容器に入れるために複数の充填口が備わり、1つの充填口から1つの容器に中間製品が入れられるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載される容器生産ラインでは、中間製品が入れられて充填部から搬出された後でも容器が充填口の番号順(配置順)に並んでいる。そして、充填部の先にある検査装置(X線液量検査装置)で、容器の並び順に液量を検査することによって、検査した容器に液体を入れた充填口の番号を特定し、当該容器の検査結果に充填口の番号をリンクして管理できる。つまり、容器の検査結果に充填口を対応させて管理できる。
図1に示すように、本実施形態に係る充填装置21が備わる生産管理システム1は、空缶搬送工程10、充填工程20、滅菌工程30、検査工程40、梱包・出荷工程50および倉入工程60からなり、図示しない他の工程で生産される飲料(中間製品)を缶容器2に充填封入して缶入飲料(最終製品)を生産する工程である。以下、空缶搬送工程10の側を上流、倉入工程60の側を下流とする。
このようなステルスインクとして、例えば、紫外線が照射されたときにルミネッセンス現象で可視光を発光して可視化し、可視光下では消費者等が視認することができない性質のインクがある。
識別情報記号2dを缶容器2の側面に印字した場合は、下記の理由によって識別情報記号2dを読み取ることが容易ではなくなる。
缶容器2は略円筒形であり、生産管理システム1(図1参照)で缶容器2はコンベア装置1a(図1参照)で搬送されるときに正立した状態で回転する場合がある。例えば、識別情報記号2dを読み取る読取装置が缶容器2の側面と対面するように配置される場合、缶容器2が識別情報記号2dの読取装置の位置にあるとき、缶容器2の側面の任意の位置が読取装置に対面する。したがって、識別情報記号2dが缶容器2の側面に印字されている場合、識別情報記号2dの読取装置に識別情報記号2dを対面させる必要があり、そのための装置が必要になる。
または、識別情報記号2dの読取装置が、缶容器2の側面から識別情報記号2dを抽出する機能を備える必要がある。いずれにしても、生産管理システム1で識別情報記号2dを読み取るための読取装置の構成が複雑になる。
これに対し、図2の(a)に示すように缶容器2の缶底の略中心部に識別情報記号2dが印字されていると、缶容器2ごとに識別情報記号2dの印字位置が異なることがなく、識別情報記号2dを読み取る読取装置は、常に缶底の中心部から識別情報記号2dを読み取ることができ、識別情報記号2dの印字位置を判定するための処理を省くことができる。このことによって、読取装置が実行する画像処理を単純化することができる。
以上の理由によって識別情報記号2dは、図2の(a)に示すように、所定の印字面を缶容器2の缶底とし、缶底の略中心部に印字されることが好ましい。
また、例えば紫外線の照射で発光するステルスインクとすると、可視光を遮光した環境で紫外線を照射することで識別情報記号2dのみ発光させることができ、読取装置が識別情報記号2dを容易に識別することが可能で、読み取りのエラー発生率を低く抑えることができる。
以上の理由によって、識別情報記号2dはステルスインクで印字されることが好ましい。
充填装置21には、例えば複数のフィラーバルブ22aが備わり、中間製品である飲料がフィラーバルブ22aから缶容器2に充填される。このように、複数のフィラーバルブ22aを備えることによって、複数の缶容器2に同時に飲料を充填できる。なお、図1には図の簡略化のため1つのフィラーバルブ22aのみを図示している。
検査工程40では、生産検査装置41による内圧検査、入味検査(製品入味検査)、外観検査が終了したのち、缶容器2の例えば缶底など所定の印字面に必要な情報が印字される。
中間製品管理情報2cは、生産単位(例えば、製造ロット)ごとに統一されて中間製品である飲料に付与される情報であり、生産管理システム1の管理運用者や消費者等が直接視認できることが好ましい情報である。したがって、中間製品管理情報2cの印字には、熱硬化インク、紫外線硬化インクなど、可視光で視認可能なインク(可視インク)が使用される。
そして、不良品と判定された梱包箱2bに梱包された缶容器2を特定するため、梱包箱識別符号2e1と缶容器2の個体識別情報が関連付けられて管理される構成であってもよい。
なお、一例として、梱包装置51では、梱包箱識別符号2e1をバーコードで梱包箱2bに印字し、倉入装置61にバーコードリーダを備える構成にすれば、パレット管理情報を作成する倉入装置61を簡単な構成にすることができる。
そして、缶容器2はフィラー出口22OUTからコンベア装置1aによってシーマ24を経由して入味検査装置23まで搬送される。
そして、缶容器2がフィラー入口22INに到達するたびにフィラーバルブ22aへの装着と移動が繰り返され、缶容器2が装着されたフィラーバルブ22aがフィラー出口22OUTに到達すると、缶容器2はフィラーバルブ22aから外され、コンベア装置1aによってシーマ24まで搬送される。
シーマ24では、缶容器2に蓋部2aが巻き締められて飲料が缶容器2に封入される。
このように、フィラー22では、1つのフィラーバルブ22aに缶容器2を1つづつ対応させて、飲料を缶容器2に順次充填する。
個体管理部210は、フィラー入口22INに配置されて缶容器2に付与される個体識別情報を読み取る第1読取装置であって、缶容器2の缶底に向かって紫外線を照射する紫外線照射手段(照明装置210a)と、照明装置210aから照射される紫外線で発光する二次元コードを読み取るバーコードリーダ(高速BCR210b)と、を含んで構成され、ステルス印字読取部210cによって制御される。
また、個体管理部230は、シーマ24と入味検査装置23の間に配置されて缶容器2に付与される個体識別情報を読み取る第2読取装置であって、その構成は、固体管理部210と同等である。
なお、個体識別情報は必ずしもステルスインクで印字される必要はなく、可視インクで印字される構成であってもよい。この場合、個体管理部210(第1読取装置)や個体管理部230(第2読取装置)は照明装置210aを備える必要がなく、高速BCR210bが備わっていればよい。このことによって、個体管理部210(第1読取装置)や個体管理部230(第2読取装置)の構成を簡素にすることができる。
なお、照明装置210aが紫外線を照射する環境は、可視光線が充分(視認可能なインクで缶容器2に印字される中間製品管理情報2cが高速BCR210bに認識されない程度)に遮光される環境であれば、可視光が完全に遮光された暗室でなくてもよい。
この構成によって、充填制御装置220は固体管理部210に到達した缶容器2の個体識別情報を取得できる。つまり、缶容器2の個体を識別できる。
充填制御装置220は、ステルス印字読取部210cから通知された缶容器2の個体識別情報に、バルブ位置検出センサ22bから取得したフィラーバルブ22aの充填口特定情報をリンクして、例えば図4の(a)に示す「缶容器管理データ」を作成する。このようにして、充填制御装置220は、缶容器2の個体識別情報にフィラーバルブ22aの充填口特定情報を関連付ける。
なお、図4の(a)は、「1」〜「8」の番号(充填口特定情報)のフィラーバルブ22aを有するフィラー22で、「A」〜「H」の個体識別情報を有する8つの缶容器2が飲料を充填された場合の缶容器管理データを例示している。また、この段階で検査実績データは登録されない。
さらにX線検査部23aは、予め設定される基準充填量に対する缶容器2の飲料の充填量の誤差を計測し、その計測結果を検査データとして取得する構成であってもよい。この場合、X線検査部23aは、飲料の充填量が基準充填量より少ない缶容器2(すなわち、マイナス誤差の缶容器2)を不良品と判定する。
そしてX線検査部23aは、個体管理部230から通知された缶容器2の個体識別情報と、当該缶容器2の判定結果(GOODまたはNG)と、検査データ(基準充填量に対する誤差値)を検査実績データとして充填制御装置220に通知する。
検査データは基準充填量を「0」とし、基準充填量より多い充填量を「+」、基準充填量より少ない充填量を「−」としている。また、数値は、例えば基準充填量のときの缶容器2における液面高さとの差である。
このとき、充填制御装置220は、X線検査部23aから検査実績データとともに通知される缶容器2の個体識別情報が登録された、缶容器管理データの検査実績データの欄に、通知された検査実績データを登録する。例えば、X線検査部23aから個体識別情報として「F」が通知され、さらに、検査実績データとして「判定結果:GOOD」、「検査データ:+3」が通知された場合、充填制御装置220は図4の(b)に示すように、個体識別情報として「F」が登録されているバルブの充填口特定情報が「5」の検査実績データの欄(斜線の欄)に、通知された判定結果「GOOD」と検査データ「+3」を登録する。
1つのフィラーバルブ22aは複数の缶容器2に繰り返し飲料を充填する。したがって、缶容器管理データには、1つのフィラーバルブ22aで飲料を充填した缶容器2の充填量(検査データ)を複数登録できる。例えば図5の(a)に示すように、充填口特定情報が「1」のフィラーバルブ22aに関し、複数の缶容器2(個体識別情報がA1〜A6など)に飲料を充填したときの検査実績データ(検査データ)を時系列に登録できる。
図5の(a)において「t=0」は、最新のデータを示し、「t=−1」から「t=−5」に向かって古いデータを示す。つまり、入味検査装置23(図3参照)が缶容器2(図3参照)の入味検査をして検査実績データが充填制御装置220(図3参照)に通知されるたびに、缶容器2の個体識別情報と検査実績データが順送りに更新されて蓄積される。
なお、この欄には具体的な日時(例えば、入味検査装置23が入味検査をした日時)が登録される構成であってもよい。
また、図5の(a)において、缶容器管理データの缶容器2の個体識別情報はA1〜A6まで順に整列しているが、これは図を簡略化するための一例であって、個体識別情報が順に整列した状態でなくてもよいことはいうまでもない。
その結果として、例えば充填量のバラツキが大きなフィラーバルブ22a(例えば、図5の(b)に破線で示されるフィラーバルブ「2」)や、充填量がマイナス側に偏ったフィラーバルブ22a(例えば、図5の(b)に一点鎖線で示されるフィラーバルブ「3」)がある場合は、生産管理システム1(図1参照)の管理運用者に通知するような構成であってもよい。
そして、充填制御装置220は、フィラーバルブ22aの状態に異常がある場合に、例えば生産管理システム1(図1参照)の管理運用者に通知するように構成することによって、フィラーバルブ22aの異常を速やかに解消できる。
例えば、2台のX線液量検査装置で並行して容器の液量検査をする構成は、どの容器がどちらのX線液量検査装置で液量検査するかが確実でない場合があり、制御システムは容器に液体を充填したフィラーバルブの状態を判定不可能となる。
そして、1台あたりの処理能力の低い入味検査装置23を使用して充填装置21を構成することができる。処理能力の低い入味検査装置23を2台(またはそれ以上)備えることによって、処理能力の高い入味検査装置23を1台備えるよりも処理能力を高めることができる場合がある。
また、複数の入味検査装置23を備える場合、1台の入味検査装置23が故障しても他の入味検査装置23による縮退運転が可能となる。
また、図示はしないが、複数のフィラー22を並列に配置し、2台(または、それ以上)のフィラー22で並行して缶容器2に飲料を充填する構成も可能である。
そして、このような構成を実現する方法として、例えばRFID(Radio Frequency Identification)のシステムを利用することも可能である。
また、可視光下で不透明な可視インクによって、これらの容器に識別情報記号2d(図2の(a)参照)を印字することも可能である。
2 缶容器(容器)
21 充填装置
22 フィラー(充填部)
22a フィラーバルブ(充填口)
22b バルブ位置検出センサ(充填口特定手段)
22IN フィラー入口(充填部の入口)
23 入味検査装置(充填量検査部)
210 個体管理部(第1読取装置)
220 充填制御装置(制御装置)
230 個体管理部(第2読取装置)
Claims (4)
- 個体を識別する個体識別情報が付与された容器に中間製品を充填する複数の充填口が備わり、1つの前記充填口に前記容器を1つづつ対応させて前記中間製品を前記容器に順次充填する充填部と、
前記容器に充填された前記中間製品の充填量を検査する充填量検査部と、を備える充填装置であって、
前記充填部で前記中間製品が充填される前記容器に付与されている前記個体識別情報を読み取る第1読取装置と、
前記第1読取装置が読み取った前記個体識別情報に、当該個体識別情報が付与された前記容器に対応する前記充填口を特定する充填口特定情報を関連付ける制御装置と、
前記充填量検査部で検査する前記容器に付与されている前記個体識別情報を読み取る第2読取装置と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記第2読取装置が読み取った前記個体識別情報が付与された前記容器に対して前記充填量検査部が検査した検査結果を、当該個体識別情報に関連付けられた前記充填口特定情報で特定される前記充填口の検査結果として管理することを特徴とする充填装置。 - 前記充填部の入口に搬送された前記容器に対応する前記充填口に付与された前記充填口特定情報を前記制御装置に通知する充填口特定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の充填装置。
- 略円筒状の缶容器からなり、
前記個体識別情報を示す識別情報記号が、可視光に対して透明で紫外線または赤外線が照射されたときに前記第1読取装置および前記第2読取装置に読み取られる不可視インクで底部に印字されている前記容器に前記充填部で前記中間製品を充填し、前記充填量検査部で当該容器を検査することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の充填装置。 - 前記識別情報記号が、前記個体識別情報を二次元コードにコード化した記号であることを特徴とする請求項3に記載の充填装置。
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