JPH10100294A - 非熱可塑性ポリイミドハニカムコアおよびその製造方法 - Google Patents

非熱可塑性ポリイミドハニカムコアおよびその製造方法

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JPH10100294A
JPH10100294A JP27399996A JP27399996A JPH10100294A JP H10100294 A JPH10100294 A JP H10100294A JP 27399996 A JP27399996 A JP 27399996A JP 27399996 A JP27399996 A JP 27399996A JP H10100294 A JPH10100294 A JP H10100294A
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JP
Japan
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polyimide
polyimide precursor
paper
fibrids
thermoplastic polyimide
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JP27399996A
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English (en)
Inventor
Nagayasu Kaneshiro
永泰 金城
Hisashirou Eguchi
寿史朗 江口
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐熱性を有するとともに、高強度のポ
リイミドニカムコアを提供する。 【解決手段】 非熱可塑性ポリイミドフィブリドからな
る複数枚のポリイミド紙または非熱可塑性ポリイミド前
駆体フィブリドからなる複数枚のポリイミド前駆体紙に
接着剤を間隔をおいて塗布し、隣接するポリイミド紙の
塗布個所同士が合致しないようにずらして複数枚のポリ
イミド紙を積層して接着する。これを積層方向に展張
し、ポリイミド前駆体溶液に浸漬、乾燥し、ポリイミド
前駆体を閉環する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非熱可塑性ポリイミド
ハニカムコアおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミドは耐熱性、電気的特性、耐侯
性などに優れており、フィルム、成形体料として有用で
あることが知られている。例えば、4,4′−ジアミノ
ジフェニルエ−テルとピロメリット酸二無水物から製造
されるポリイミドからは優れた耐熱性を有するフィル
ム、成形体が得られ、これらは電気絶縁用途などに広く
利用されている。
【0003】また、宇宙、航空分野では、機体の構造材
料として、金属板、繊維強化プラスチック、ハニカムコ
アなどを張り合わせた積層板が広く使われている。従
来、こういった積層板には高い強度を有するアルミニウ
ム箔製のハニカムコアが使用されていたが、より軽量、
高強度かつ安価なハニカムコアの開発が望まれ、現在で
は、芳香族ポリアミド合成紙からなるハニカムコアが主
流となっている。
【0004】しかし、航空機技術の高度化等に伴い、よ
り高い耐熱性を有するものが要求されるようになり、ポ
リイミドからなるハニカムコアが検討されるようになっ
た。特開平1−168442号公報、特開平3−182
332号公報などにポリイミド製ハニカムコアを得る方
法について開示されているが、これらに用いられている
ポリイミドはすべて熱可塑性であり、高い耐熱性を得る
には至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明は、優れた耐熱性を有するとともに、高強度
のポリイミドハニカムコアおよびその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するものであって、非熱可塑性ポリイミドフィブリ
ドからなるポリイミド紙に非熱可塑性ポリイミド樹脂が
浸透している耐熱性加工紙でハニカムコアが形成されて
いることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
ア、および非熱可塑性ポリイミドフィブリドからなる複
数枚のポリイミド紙または非熱可塑性ポリイミド前駆体
フィブリドからなる複数枚のポリイミド前駆体紙に接着
剤を間隔をおいて塗布し、隣接する前記紙の塗布個所同
士が合致しないようにずらして複数枚の前記紙を積層し
て接着した後、これを積層方向に展張し、ポリイミド前
駆体溶液に浸漬、乾燥し、ポリイミド前駆体を閉環する
ことを特徴とする非熱可塑性ポリイミドハニカムコアの
製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0008】本発明の非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
アは、非熱可塑性ポリイミドフィブリドからなるポリイ
ミド紙に非熱可塑性ポリイミド樹脂が浸透している耐熱
性加工紙でハニカムコアが形成されているものである。
【0009】本発明の非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
アを構成する耐熱加工紙は、熱可塑性ポリイミドフィブ
リドからなるポリイミド紙に非熱可塑性ポリイミド樹脂
が浸透しているものである。ここで、ポリイミド紙と
は、非熱可塑性ポリイミドフィブリドからなるものであ
って、非熱可塑性ポリイミドフィブリドの他に短繊維、
非熱可塑性ポリイミドフィブリド以外のポリイミドフィ
ブリドその他を含んでいてもよい。ポリイミド紙に短繊
維を含むことにより、強度などの機械的特性が向上する
などの利点がある。
【0010】さらに、ポリイミド紙を構成する非熱可塑
性ポリイミドフィブリドとは、非熱可塑性ポリイミドの
繊維状又はフィルム状の粒子をいい、そのサイズはそれ
らの三次元方向のうちで2つの方向がミクロン程度の寸
法のものである。前記非熱可塑性ポリイミドフィブリド
の少なくとも一部が溶着していることが望ましい。
【0011】前記耐熱加工紙を構成する非熱可塑性ポリ
イミド樹脂は、ポリイミド紙の表面の全部または一部を
被覆するとともに、内部に浸透してポリイミド紙の内部
の気孔の少なくとも一部をも埋める非熱可塑性ポリイミ
ド樹脂である。
【0012】ハニカムコアの形状としては、非熱可塑性
ポリイミドフィブリドからなる複数枚のポリイミド紙に
非熱可塑性ポリイミド樹脂が浸透している耐熱性加工紙
が略平行に配置されており、隣接する耐熱性加工紙同士
は間隔をおいて部分的に接着剤で結合されている個所と
結合されないで離隔している個所とを有するものが望ま
しい。
【0013】本発明の非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
アは、外表面が非熱可塑性ポリイミド樹脂で被覆されて
いるとともに内部に浸透しているので、高い耐熱性を有
するとともに、高強度を有するものである。さらに、非
熱可塑性ポリイミドフィブリドの少なくとも一部が溶着
している場合には、一層、高い耐熱性を有するととも
に、高強度を示すものである。
【0014】本発明の非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
アの製造方法について、以下順次、説明することとす
る。
【0015】本発明において使用するポリイミド前駆体
紙は、非熱可塑性ポリイミド前駆体フィブリドからなる
ものであって、ポリイミド前駆体フィブリドを抄紙して
得られものであり、ポリイミド紙は、非熱可塑性ポリイ
ミドフィブリドからなるものであって、ポリイミド前駆
体紙を構成するポリイミド前駆体フィブリドを加熱によ
り閉環反応を終結させて得られるものである。
【0016】このポリイミド前駆体フィブリドは、ポリ
イミド前駆体の繊維状又はフィルム状の粒子をいい、そ
のサイズはそれらの三次元方向のうちで2つの方向がミ
クロン程度の寸法のものである。ここで、ポリイミド前
駆体とは、閉環して非熱可塑性のポリイミドとなるもの
であって、好ましいものとしては全芳香族系のポリイミ
ド前駆体が挙げられ、下記の一般式(1)で表される繰
り返し単位を有するポリアミド酸のホモポリマ−又はコ
ポリマ−が特に好ましい。
【0017】
【化1】
【0018】ここで、Rは少なくとも一つの炭素6員環
を含む4価の芳香族残基を示す。4価のうち2価ずつ
は、その6員環内の隣接する炭素原子に結合している。
Rの具体例としては次のようなものが挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】特に、Rとしては次のものが好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】また、一般式(1)においてR′は1〜4
個の炭素6員環を持つ2価の芳香族残基を示す。R′の
具体例としては次のものが好ましい。
【0023】
【化4】
【0024】
【化5】
【0025】また、特にR′としては、次のものが好ま
しい。
【0026】
【化6】
【0027】上記組み合わせよりなるポリアミド酸のう
ち、酸無水物成分がピロメリット酸二無水物、ジアミン
成分がジアミノジフェニルエ−テルに由来するポリアミ
ド酸に由来するものが、特に好ましい。ピロメリット酸
二無水物とジアミノジフェニルエ−テルに由来するポリ
アミド酸を閉環して得られるポリイミドはポリ(4,
4′−オキシジフェニレンピロメリットイミド)であ
る。
【0028】ポリイミド前駆体は、固有粘度[η]が
0.1以上、特に0.5以上であるものが好ましい。固
有粘度[η]が0.1未満では強度の高いものが得られ
ない傾向にある。固有粘度[η]は、例えば、ゲル透過
クロマトグラフィ−(GPC)などにより測定される重
合体の分子量と直接関係する値であり、N,N−ジメチ
ルアセトアミド溶媒中でポリイミド前駆体濃度0.5重
量%の重合体溶液が30℃で標準粘度計の一定容積の毛
細管を流れる時間と溶媒のみが流れる時間とを測定する
ことにより、次式を使用して計算することができる。こ
こで、cはポリイミド前駆体濃度である。
【0029】
【数1】
【0030】本発明で用いることができるポリイミド前
駆体フィブリドは、上記の条件を満足していれば、いか
なるものを用いることができるが、高い強度を有するポ
リイミド紙を得るためには次のようにして製造したポリ
イミド前駆体フィブリドを用いることが好ましい。
【0031】すなわち、好ましいポリイミド前駆体フィ
ブリドを得るには、ポリイミド前駆体の溶液を得、この
ポリイミド前駆体溶液を凝固液に剪断作用下で注入して
沈殿させ製造する。そのための装置としては、ミキサ
−、ワ−リング混合機、ロ−タ−とステ−タ−を組み合
わせた流路攪拌装置等を用いる。
【0032】ここで使用する凝固液としては、ポリイミ
ド前駆体の貧溶媒であれば、いかなる溶媒を用いてもよ
いが、通常は典型的なポリイミド前駆体の貧溶媒である
水、もしくは水を70重量%以上含有する混合溶媒が利
用される。この混合溶媒中の水以外の溶媒としては、水
溶性を有するものならどのような溶媒を用いてもよい
が、水溶性エ−テル、水溶性アルコ−ル、水溶性ケトン
が好ましく用いられる。ポリイミド前駆体溶液に対する
凝固液の体積比は、1:5〜100が好ましい。
【0033】ポリイミド前駆体フィブリドを製造するた
めのポリイミド前駆体溶液としては、種々のものを使用
することができるが、ポリイミド前駆体と強く溶媒和し
ない溶媒中でテトラカルボン酸二無水物とジアミンを重
合反応させて得られるものが好ましい。ポリイミド前駆
体と強く溶媒和しない溶媒中でポリイミド前駆体溶液を
得るための重合温度は−30〜60℃が好ましく、−2
0〜40℃がより好ましい。重合反応は1〜200分が
好ましく、5〜100分がより好ましい。また、ポリイ
ミド前駆体溶液は、他の方法で製造したポリイミド前駆
体をこれらの溶媒に溶解して製造してもよい。ポリイミ
ド前駆体溶液におけるポリイミド前駆体の濃度は、0.
1〜60重量%が好ましく、1〜25重量%がより好ま
しい。
【0034】ポリイミド前駆体と強く溶媒和しない溶媒
における混合溶媒としては、水溶性エ−テル系化合物、
水溶性アルコ−ル系化合物、水溶性ケトン系化合物及び
水から選ばれる混合溶媒が好ましく用いられ、ポリイミ
ド前駆体と強く溶媒和しない溶媒における単独溶媒とし
ては、同一分子中にエ−テル基とアルコ−ル性水酸基を
有する水溶性化合物が好ましく用いられる。
【0035】前記水溶性エーテル系化合物としては、例
えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ト
リオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル等が挙げられ、特に好ましくはTHFであ
る。
【0036】また、前記水溶性アルコール系化合物とし
ては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノ
ール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコー
ル、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオ
ール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、グリセ
リン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等が
挙げられる。特に好ましくは、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコールである。
【0037】また、前記水溶性ケトン系化合物として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げら
れ、特に好ましくはアセトンである。
【0038】前記溶媒の混合溶媒における溶媒の組み合
わせとしては、水溶性エ−テル系化合物と水、水溶性エ
−テル系化合物と水溶性アルコ−ル系化合物、水溶性ケ
トン系化合物との組み合わせが特に好ましい。
【0039】前記混合溶媒における溶媒の混合比率とし
ては、重量比で、水溶性エーテル系化合物と水の場合は
96:4〜79:21、水溶性エ−テル系化合物と水溶
性アルコ−ル系化合物の場合は90:10〜56:4
4、水溶性ケトン系化合物と水の場合は90:10〜6
5:35が好ましい。
【0040】また、前記単独溶媒の場合には、前述のよ
うに同一分子内にエーテル基とアルコール性水酸基を有
する水溶性化合物が用いられるが、このような溶媒とし
ては2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノー
ル、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2
−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノー
ル、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレング
リコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコー
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テト
ラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレング
リコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ
る。特に好ましくは、2−メトキシエタノール、ジエチ
レングリコ−ルモノメチルエ−テル、テトラヒドロフル
フリルアルコールである。また、同一分子中にエ−テル
基とアルコ−ル性水酸基を有する水溶性化合物と貧溶媒
とを組み合わせて用いることもできる。
【0041】本発明において使用するポリイミド前駆体
紙は、前述のようにポリイミド前駆体フィブリドを抄紙
することにより得られるが、さらに詳細に述べることと
する。すなわち、ポリイミド前駆体フィブリドを水など
の水性媒体に攪拌等の方法により均一に分散させ、従来
公知の天然パルプの抄紙の場合と同様に長網式あるいは
円網式の抄紙装置を用いて抄紙し、次いで、常温で1〜
100kg/cm2 の圧力下で圧搾脱水してポリイミド前
駆体紙を得ることができる。
【0042】得られたポリイミド前駆体紙を150〜3
00℃の温度で0.5〜5時間加熱してポリイミド前駆
体を閉環させて、ポリイミド紙を得ることができる。
【0043】前記ポリイミド前駆体フィブリドの抄紙の
さいに、ポリイミド前駆体フィブリドのほかに短繊維、
場合によっては、さらにポリイミド前駆体フィブリド以
外のフィブリドその他を加えることも可能であり、この
場合には、同様にしてポリイミド複合紙を得ることがで
きる。
【0044】ここで使用する短繊維としては、ガラス繊
維、炭素繊維、有機系繊維、セラミック系繊維などが挙
げられ、水性媒体中での分散性の良好な短繊維がポリイ
ミド紙の製造に用いられる。この中で、パラフェニレン
ジアミンとテレフタル酸クロリドから製造されるパラ系
アラミド短繊維が好ましい。短繊維の繊維長は1〜20
mm、繊維径は5〜20μmが好ましい。
【0045】ポリイミド前駆体フィブリド以外のフィブ
リドとしては、水性媒体中で良好な分散性を示すもので
あればいかなるものでも用いることができる。この中
で、パラフェニレンジアミンとテレフタル酸クロリドか
ら製造されるパラ系アラミドフィブリドが好ましい。
【0046】前記ポリイミド前駆体紙のフィブリドを溶
着させて高強度のものを得る場合には、ポリイミド前駆
体を閉環させる前に次の処理を行うことができる。ポリ
イミド前駆体紙を湿潤状態で、または乾燥させた後、必
要に応じて100〜300℃、1〜200kg/cm2
加熱プレスをした後、ポリイミド前駆体の良溶媒もしく
は良溶媒を含む混合溶媒を含浸させ、そのまま、あるい
は常温下、0〜100kg/cm2 で圧搾した後、乾燥
し、高強度ポリイミド紙を得ることのできるポリイミド
前駆体紙を得ることもできる。このとき、ポリイミド前
駆体フィブリドの表面の少なくとも一部が溶媒で溶解
し、フィブリド同士が互いに溶着することとなる。
【0047】ポリイミド前駆体紙に含浸させる溶媒とし
ては、ポリイミド前駆体の良溶媒を含むものであれば単
独及び混合溶媒のいかなるものでもよいが、特に好まし
くは、2、メトキシエタノ−ル、N−メチル−2−ピロ
リドン等を含むものである。
【0048】本発明の非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
アは、次のようにして得られる。まず、上述のようにし
て得られた複数枚の非熱可塑性ポリイミド紙または非熱
可塑性ポリイミド前駆体紙の片面に接着剤を間隔をおい
て条線状に塗布し、隣接するポリイミド紙の塗布個所同
士が合致しないようにずらして複数枚のポリイミド紙を
積層して接着する。なお、紙の積層のさいには、半ピッ
チずつずらすことが望ましい。
【0049】ここで使用する接着剤としては、エポキシ
樹脂系、フェノ−ル樹脂系、ポリイミド樹脂系、ポリア
ミドイミド樹脂系などの各種の接着剤を挙げられるが、
非熱可塑性ポリイミドを用いるのが好ましい。この場
合、非熱可塑性ポリイミド前駆体溶液を用いて接着させ
た後、加熱閉環させて非熱可塑性ポリイミド接着層を形
成させるのが好ましい。
【0050】このようにして得られた間隔をおいて接着
された積層紙を積層方向に展張して、隣接する紙同士が
間隔をおいて部分的に接着剤で結合されている個所と結
合されないで離隔している個所とを有するハニカム状物
を形成する。なお、ポリイミド前駆体紙を用いた場合に
は、ハニカム状物の形成後またはそれ以前に150〜3
00℃の温度で0.5〜5時間加熱してポリイミド前駆
体を閉環する。
【0051】次いで、前記ポリイミドハニカム状物をポ
リイミド前駆体溶液に浸漬、乾燥する。ここで使用する
マトリックス樹脂を与えるポリイミド前駆体溶液として
は非熱可塑性ポリイミド前駆体の溶液であれば、いかな
るものを用いてもよいが、ポリイミド前駆体フィブリド
を製造するためのポリイミド前駆体溶液で説明したもの
が望ましく、さらに溶液の回転粘度が10ポイズ以下、
溶媒の沸点が150℃以下であるものが好ましい。
【0052】次に、150〜300℃の温度で0.5〜
5時間加熱してポリイミド前駆体を閉環することによ
り、本発明の耐熱性ポリイミドハニカムが得られる。
【0053】前記ハニカムコアは、あらかじめポリイミ
ド紙またはポリイミド前駆体紙を波状シ−トに加工し、
積層し、接着するコルゲ−ト方式でも得ることができ
る。
【0054】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。なお、本発明において各特性値は次のようにして
求めた。 紙密度:JIS P8118に基づいて測定した。 紙強度:JIS P8113に基づいて測定した。 ハニカムコア密度、圧縮強度:JIS A6931に基
づいて測定した。
【0055】参考例1 ジアミノジフェニルエ−テル4.00gをTHF59.
6gとメタノ−ル15.9gの混合溶媒に溶解し、3.
8℃に保った。この溶液にピロメリット酸二無水物4.
40gを一度に加えて1時間攪拌を続けたところ、ポリ
アミド酸の[η]が1.0であるポリアミド酸溶液が得
られた。
【0056】参考例2 参考例1で得られたポリアミド酸溶液を固形分濃度が
7.5%になるようにTHF/メタノ−ル(重量比4/
1)で希釈した。次いで、原液供給口、凝固液供給口及
びフィブリドスラリ−排出口を備えた連続式ホモミキサ
−(容量500ml、タ−ビン回転数9000r.p.
m)に前記希釈ポリアミド酸溶液を原液供給口より供給
速度24ml/minで、水を凝固液供給口より供給速
度960ml/minで連続的に供給し、凝固により得
られたフィブリドスラリ−をフィブリドスラリ−排出口
から連続的に取り出した。生成したフィブリドを濾別
し、水1リットルを加えて攪拌、濾別を3回繰り返し
た。
【0057】参考例3 参考例2で得たフィブリド0.8gを水500mlに分
散させ、15cm×15cmの大きさに抄紙した。これ
を30kg/cm2 の圧力で圧搾脱水した後、80℃で
乾燥した。これを170℃で1時間、300℃で1時間
加熱してイミド化した。得られたポリイミド紙は密度
0.57g/cm3 、強度2.89kg/mm2 であっ
た。
【0058】実施例1 参考例3で得られたポリイミド紙に、参考例1で得られ
たポリアミド酸溶液を7mmピッチで1mm幅に塗布し
た。これを半ピッチずらしながら50枚積層し接着し
た。この積層物を170℃で1時間、300℃で1時間
加熱してポリアミド酸をイミド化し、積層方向に展張し
てポリイミド紙がポリイミドで間欠的に接合したハニカ
ムコアを得た。
【0059】このハニカムコアを、固形分濃度が7%に
なるようにTHF/メタノ−ル(重量比4/1)で希釈
した参考例1のポリアミド酸溶液に5分間浸漬した。こ
れを2回繰り返したところ、質量が20%増加した。こ
のハニカムコアを80℃で5時間、300℃で5時間加
熱してイミド化した。嵩密度0.050g/cm3 、圧
縮強度は9.8kg/cm2 であった。
【0060】参考例4 参考例2で得たフィブリド0.27g、パラアラミドパ
ルプ0.09g、パラアラミド短繊維(1.5d、6m
m)0.54gを水3.5リットルに分散させ、15c
m×15cmの大きさに抄紙した。100kg/cm2
の圧力で圧搾脱水した後、80℃で乾燥した。これを1
70℃、50kg/cm2 で30秒間熱プレスした後、
水/N−メチル−2−ピロリドン(重量比4/6)混合
液に1分間浸漬し、80℃で乾燥してポリイミド前駆体
複合紙を得た。これを170℃で1時間、300℃で1
時間加熱してイミド化した。得られたポリイミド複合紙
は密度0.42g/cm3 、強度5.50kg/mm2
であった。
【0061】実施例2 参考例4で得られたポリイミド前駆体複合紙に、参考例
1で得られたポリアミド酸溶液を7mmピッチで1mm
幅に塗布した。これを半ピッチずらしながら50枚積層
し接着した。この積層物を積層方向に展張し、170℃
で1時間、300℃で1時間加熱してイミド化してポリ
イミド複合紙がポリイミドで間欠的に接合したハニカム
コアを得た。
【0062】このハニカムコアを、固形分濃度が7%に
なるようにTHF/メタノ−ル(重量比4/1)で希釈
した参考例1のポリアミド酸溶液に5分間浸漬した。こ
れを2回繰り返したところ質量が60%増加した。この
ハニカムコアを80℃で5時間、300℃で5時間加熱
してイミド化した。嵩密度0.067g/cm3 、圧縮
強度は14.4kg/cm2 であった。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ポリイミド紙にポリイミド樹脂を浸透した耐
熱加工紙を使用することにより、優れた耐熱性を有する
とともに、高強度のポリイミドハニカムコアを提供する
ことが可能となった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非熱可塑性ポリイミドフィブリドからな
    るポリイミド紙に非熱可塑性ポリイミド樹脂が浸透して
    いる耐熱性加工紙でハニカムコアが形成されていること
    を特徴とする非熱可塑性ポリイミドハニカムコア。
  2. 【請求項2】 非熱可塑性ポリイミドフィブリドからな
    る複数枚のポリイミド紙または非熱可塑性ポリイミド前
    駆体フィブリドからなる複数枚のポリイミド前駆体紙に
    接着剤を間隔をおいて塗布し、隣接する前記紙の塗布個
    所同士が合致しないようにずらして複数枚の前記紙を積
    層して接着した後、これを積層方向に展張し、ポリイミ
    ド前駆体溶液に浸漬、乾燥し、ポリイミド前駆体を閉環
    することを特徴とする非熱可塑性ポリイミドハニカムコ
    アの製造方法。
JP27399996A 1996-09-26 1996-09-26 非熱可塑性ポリイミドハニカムコアおよびその製造方法 Pending JPH10100294A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011513096A (ja) * 2008-02-26 2011-04-28 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 高剪断強度を有するコア及びそれから作製された物品
CN102926270A (zh) * 2012-10-09 2013-02-13 陕西科技大学 一种聚酰亚胺纤维纸的制备方法
WO2014190803A1 (zh) * 2013-05-31 2014-12-04 苏州芳磊蜂窝复合材料有限公司 一种聚酰亚胺纸蜂窝芯的制备方法
CN105666953A (zh) * 2016-03-10 2016-06-15 苏州芳磊蜂窝复合材料有限公司 一种聚芳噁二唑纤维纸蜂窝

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