JPH10100174A - 繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法

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JPH10100174A JP8254333A JP25433396A JPH10100174A JP H10100174 A JPH10100174 A JP H10100174A JP 8254333 A JP8254333 A JP 8254333A JP 25433396 A JP25433396 A JP 25433396A JP H10100174 A JPH10100174 A JP H10100174A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】予備加熱により軟化された繊維強化熱可塑性樹
脂シートをプレス成形して繊維強化熱可塑性樹脂成形体
を製造する方法において、目的とする成形体が起伏が複
雑に組み合わさったような形状や、部分的に深い凹部や
高い凸部が存在するような形状の場合であっても、成形
体の当該部分に皺が生じることもなく、表面外観の良好
な繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造する。 【解決手段】開放状態にある雌雄両金型の、雌雄いずれ
か一方の金型のキャビティ面に、樹脂の溶融温度以上に
予熱して軟化状態にある繊維強化熱可塑性樹脂シートを
配置し、次いで両金型を閉じて型締を行い、その後冷却
して繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造する方法におい
て、予熱して軟化状態にある繊維強化熱可塑性樹脂シー
トとして、該シートの金型成形面の凹凸部に対応する位
置に切れ目を設けたシートを使用し、該シートを押し広
げながら、金型キャビティ内に充満するように型締して
繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化熱可塑性
樹脂成形体の改良された製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、マトリックスである熱可塑性
樹脂の溶融温度以上に予備加熱して軟化状態にある繊維
強化熱可塑性樹脂シートをシート形状を保ちながら雌雄
一対からなる金型間に供給し、次いでプレス成形して所
望の形状の繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造すること
はよく知られている。
【0003】しかし、この方法により、起伏が複雑に組
み合わさった形状や、部分的に深い凹部や高い凸部が存
在する形状のような成形体を製造する場合には、繊維強
化熱可塑性樹脂シートの当該部分がプレス過程で金型形
状に円滑に追随せず、得られた成形体の当該部分に皺が
生じたりして外観に劣るという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは、予備加熱により軟化された繊維強化熱可
塑性樹脂シートをプレス成形して繊維強化熱可塑性樹脂
成形体を製造する方法において、目的とする成形体が起
伏が複雑に組み合わさったような形状や、部分的に深い
凹部や高い凸部が存在するような形状の場合であって
も、成形体の当該部分に皺が生じることもなく、表面外
観の良好な繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造する方法
について検討の結果、本発明に至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、開放状態にあ
る雌雄両金型の、雌雄いずれか一方の金型のキャビティ
面に、樹脂の溶融温度以上に予熱して軟化状態にある繊
維強化熱可塑性樹脂シートを配置し、次いで両金型を閉
じて型締を行い、その後冷却して繊維強化熱可塑性樹脂
成形体を製造する方法であって、予熱して軟化状態にあ
る繊維強化熱可塑性樹脂シートとして、該シートの金型
成形面の凹凸部に対応する位置に切れ目を設けたシート
を使用し、該シートを押し広げながら金型キャビティ内
に充満させて、予熱シートの厚み以下に型締することを
特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法を提
供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明方法の原料である繊維強化
熱可塑性樹脂シートとは、強化繊維で補強された繊維強
化熱可塑性樹脂シートであれば特に制限されず、たとえ
ば (1)複数本のストランド状強化繊維に針を突き刺し、
互いに繊維を絡まり合わせたマット状ストランド強化繊
維に熱可塑性樹脂を積層し、これを加熱、加圧して得ら
れるシート。(ラミネート法) (2)強化繊維束に溶融熱可塑性樹脂を付着させ、加圧
して得られるシート。 (3)強化繊維に粉末状熱可塑性樹脂を分散させ、これ
を加熱、加圧して得られるシート。 (4)強化繊維と熱可塑性樹脂粉末を水中に均一に分
散、混合した懸濁液から抄造して得られる不織材料を加
熱、加圧して得られるシート。(抄造法)などの従来よ
り公知の種々のシートが挙げられるが、熱可塑性樹脂と
強化繊維の分散性および混合割合の自由性のほか予熱に
よる厚み方向への膨張倍率が高く、最終製品厚みの調整
が容易であったり、成形体がリブやボスなどの突起形状
を有している場合にはそのような突起形状にも均一に強
化繊維が充填可能であるなどの多くの利点を有する抄造
法による繊維強化熱可塑性樹脂シートが好ましく使用さ
れる。
【0007】このような繊維強化熱可塑性樹脂シートに
用いられる強化繊維としてはステンレス繊維などの金属
繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機質繊維、アラミ
ド繊維などの有機質繊維、あるいはこれらの混合繊維が
例示され、必要とする特性に応じて適宜選択されるが、
特にガラス繊維は低コストで、高い補強効果が得られる
ため、最も好ましく使用される。抄造法により繊維強化
熱可塑性樹脂シートを製造する場合、強化繊維として
は、繊維径が1〜50μm、特に3〜30μm、繊維長
が3〜50mm、特に5mm以上の繊維が好適に使用さ
れる。また、繊維強化熱可塑性樹脂シート中の強化繊維
含量はそれぞれの目的に応じて適宜選択されるが、一般
的には強化繊維含量が少なくなるにつれて膨張倍率が小
さく、含量が大きくなると膨張倍率が大きくなるが、含
量が多くなると機械的強度が低下したり、それ自体の形
状保持性が低下するため、通常は10〜70重量%の範
囲である。このような強化繊維は、繊維強化熱可塑性樹
脂シートの製造時におけるマトリックス樹脂と密着性を
向上させるために、繊維表面にサイジング処理が施され
ていてもよい。
【0008】繊維強化熱可塑性樹脂シートのマトリック
ス樹脂としては押出成形、射出成形、プレス成形等で通
常使用されている熱可塑性樹脂であればいずれも適用可
能であり、、例えばポリエチレンやポリプロピレンなど
のポリオレフィン樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリ
ル・スチレン・ブタジエン共重合体、ポリ塩化ビニル、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレン
エーテル、スチレン・アクリロニトリル共重合体などの
一般的な熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、これら
の混合物あるいはこれらの熱可塑性樹脂を使用したポリ
マーアロイおよびこれらの変性物を挙げることができ、
本発明において熱可塑性樹脂とはこれらを全て包含する
ものである。このような熱可塑性樹脂中には安定剤、顔
料、充填剤などの通常配合される各種の配合剤が任意に
含まれていてもよい。
【0009】以下、このような繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートを原料として繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造す
る本発明の方法について述べる。本発明において使用さ
れる金型は、図4に示されるように、プレス装置(図示
せず)に取り付けられた雌雄一対(1、2)から構成さ
れ、通常その一方、場合によってはその両方が金型の開
閉方向に移動可能(図では、雄金型は固定され、雌金型
が移動可能となっている)となっている。これらの金型
は製品形状に応じたキャビティ面を有しており、図4で
は製品形状に対応して、雄金型のキャビティ面には凹部
(3)が、雌金型のキャビティ面には凸部(4)がそれ
ぞれ局部的に設けられている。
【0010】このような金型を開放状態とし、雄金型
(2)のキャビティ面上に、予熱により軟化した繊維強
化熱可塑性樹脂シート(5)を載置する。(図4)予熱
により軟化状態にある繊維強化熱可塑性樹脂シート
(5)には、雄金型(2)の凹部(3)に対応する位置
に、凹部の形状に対応した切れ目(6)が設けられてい
る。この切れ目(6)は、その後の型締過程において凹
部(3)にシートが引き込まれる際に、シートを凹部に
引き込まれ易くして、凹部周辺のシート材に皺が発生す
るのを防止することが目的であり、切れ目の深さは金型
成形面の凹部の形状や凹部の深さなどによって適宜選択
されるが、好ましくはシート厚みの2分の1以上となる
ように、すなわちシート厚みの半分以上の深さとなるよ
うに設けられ、シートの表面から裏面まで完全に到達し
ていてもよい。
【0011】切れ目(6)の形状は金型成形面の凹部の
形状に対応して、成形過程において皺の発生を防止する
ように適宜決定され、特に限定されない。例えば図1に
その上面図を、図2に図1で示す成形体(7)をA──
A’で切断したときの切断面を示すような、その一部に
長方形の凹部形状(8)を有するような成形体(7)を
製造する場合、それを成形する金型の一方の金型の成形
面にはこれに対応する断面が四角形の凹部(3)が設け
られているが、切れ目(6)はこの凹部(3)の四角形
に対応して対角線状に×字型に設けたり〔図4A〕、コ
の字型に設けたり〔図4B〕、切れ目の始点と終点が同
一になるように、すなわち、ロの字型のようにして凹部
とその周辺部を完全に分離するように設けたり〔図4
C〕、あるいはH字型に設けたり〔図4D〕してもよ
く、その形状は任意である。
【0012】かかる切れ目(6)は、繊維強化熱可塑性
樹脂シートを予熱する前、すなわち該シートが固化して
いる原反の状態で形成させてもよいし、予熱により軟化
状態になったシートに形成させてもよい。切れ目を入れ
る方法としては、カッターなどの鋭い切刃で切れ目を入
れてもよいし、加熱した熱刃によって切れ目をいれても
よく、その方法は任意であるが、予熱により軟化状態に
ある繊維強化熱可塑性樹脂シートに切れ目の形状に作ら
れた熱刃を用いて切れ目を形成する方法が作業性、安定
性、切れ目の仕上がりおよび切刃の耐久性などの点で好
適である。尚、かかる方法により繊維強化熱可塑性樹脂
シートに切れ目を入れた場合、切れ目部分においては強
化繊維同士は切断されるが、該シートの予熱状態におい
ては樹脂同士は軽い融着状態にあるため、たとえ切れ目
の始点と終点が同一になるように、かつ切れ目の深さが
シートの厚みの全部であるような場合であっても、切れ
目に囲まれた部分がシートから脱落することはない。も
っとも、シートが固化している原反の状態で切れ目の始
点と終点が同一になるように、かつ切れ目の深さがシー
トの厚みの全部となるような切れ目を入れる場合には、
切れ目幅が広くなって切れ目で囲まれた部分が脱落しな
いように注意する必要がある。
【0013】繊維強化熱可塑性樹脂シートの予熱は、マ
トリックスとなる熱可塑性樹脂が劣化を引き起こさず、
しかも十分な流動性をもつ温度になるまで行われ、その
方法としてはオーブン等で加熱する方法や赤外線加熱に
よる方法などの通常の方法で行われる。ここで、適切な
予熱温度は強化繊維やマトリックスである熱可塑性樹脂
の種類の相違など対象とする繊維強化熱可塑性樹脂シー
トにより異なるが、例えば、強化繊維としてガラス繊維
を、マトリックス樹脂としてポリプロピレン系樹脂を用
いた繊維強化熱可塑性樹脂シートの場合には180〜2
50℃の範囲に予熱することが好ましい。この例の場合
に、この範囲以下の温度ではマトリックス樹脂の十分な
流動性が得られず、また、これ以上の温度では繊維強化
熱可塑性樹脂シートに熱劣化が生じるのみならず、ハン
ドリングが困難となる。
【0014】尚、表皮材を貼合する場合に、成形品の片
面に表皮材を貼合する場合には表皮材側となる雌雄いず
れか一方の金型のキャビティ面と繊維強化熱可塑性樹脂
シートの間に表皮材を、また、成形品の両面に表皮材を
貼合する場合には、雌雄両方の金型の成形面と繊維強化
熱可塑性樹脂シートの間にそれぞれ表皮材を配置してお
けばよいが、通常は成形品の片側面に表皮材が貼合され
ることが多い。前者の場合、一般には予熱により軟化し
た繊維強化熱可塑性樹脂シートの上に表皮材を載置する
か、予熱により軟化した繊維強化熱可塑性樹脂シートを
載置した金型面とは反対の金型の成形面の所定の位置に
表皮材が固定されるが、熱による表皮材のダメージを防
止するために、型締時まで予熱により軟化した繊維強化
熱可塑性樹脂シートと表皮材が直接に接触することのな
い後者の方法が望ましい。表皮材は、成形品の表面加
飾、クッション性の付与、断熱効果の付与などそれぞれ
の目的に応じて適宜選択されるが、予熱により軟化状態
にある繊維強化熱可塑性樹脂シートの熱によって溶融し
たり破れたりしないような耐熱性を有することが必要で
ある。このような表皮材としては、例えば紙、織布、不
織布、熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性エラストマーのシ
ートもしくはフィルム、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラス
トマーのシート状発泡体などの単独あるいはこれらの組
み合わせからなる積層体が使用され、これら表皮材の表
面にはその目的に応じてシボ等の凹凸模様や印刷などが
施されていてもよい。
【0015】このような予熱された繊維強化熱可塑性樹
脂シートは、通常、シートが載置されている金型キャビ
ティ面の投影面積と同等ないしはそれよりも小さくなる
ように金型キャビティ面に載置される。ここで、金型キ
ャビティ面の投影面積とは、金型の開閉方向からみた2
次元での平面積であって、キャビティ面に凹凸が形成さ
れている場合には、当然その展開面積よりは小さい。
【0016】雄金型(2)のキャビティ面上に切れ目
(6)を有する予熱により軟化した繊維強化熱可塑性樹
脂シート(5)を載置したのち、型締を開始する。(図
5)予熱により軟化した繊維強化熱可塑性樹脂シート
は、型締により金型キャビティ内に押し広げられ、流動
してキャビティ内に完全に充満される。(図6)型締完
了後、この状態を保ちつつ冷却し、雌雄両金型を開放し
て成形体を取り出すことにより、金型キャビティ面に設
けられた成形体のリブやボス等の突起物に対応する凹凸
部に繊維強化熱可塑性樹脂樹脂が完全に充填され、しか
もその部分に皺などが生じることもなく、樹脂と強化繊
維が完全に密着した成形体を製造することができる。
尚、成形体の形状によっては、載置する予熱した繊維強
化熱可塑性樹脂シートの大きさや型締圧を調整すること
により、樹脂と強化繊維間に一部空隙が生じるような多
孔質の成形体を製造することもできる。
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、金型成形面に深
い凹部や高い凸部があっても、繊維強化熱可塑性樹脂シ
ートはその形状に対応した形状の切れ目によって、成形
過程においてこれらの凹凸部にスムーズに追随するた
め、起伏が複雑に組合わさった形状や、局部的に深い凹
部や高い凸部を有するような製品形状であっても、当該
部分において皺が発生することもなく、表面外観に優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造することができ、
同時に多孔性の成形体とすることもできるため、得られ
た成形体は軽量かつ高強度の成形体として各種の構造部
材、表皮貼合もしくは非貼合の内装部材として各種用途
に幅広く使用される。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明がこれによって限定されるものでないことはいうま
でもない。
【0019】実施例1 図4〜図6に示される工程に従って、以下の方法より繊
維強化熱可塑性樹脂成形体を製造した。抄造法により製
造された、10〜50mmの繊維長のガラス繊維を40
重量%含むガラス繊維強化ポリプロピレンシート(ケー
プラシート株式会社製、目付け4300g/m2 、厚さ
4mm)を、雄金型(2)のキャビティ面の投影面積
よりもやや小さい大きさになるように切断し、その後、
215℃になるまでオーブン中で350秒間加熱し、厚
さ約6mmにまで厚み方向に膨張した予熱シート(6)
を得た。この予熱シート(6)の、該シートを金型キャ
ビティ面に載置したときの金型キャビティ面に設けた凹
部(3)に対応する位置に、凹部に対して対角線状にな
るように熱刃によって素早く裏面にまで達する切れ目を
入れた。切れ目を入れた予熱シート(6)を雄金型
(2)のキャビティ面上に載置したのち、直ちに20m
m/秒の速度で雌金型(1)を降下させ(図5)、予熱
シートをキャビティ内で押し広げてキャビティ内に充満
させつつ、キャビティクリアランスが3mmになるまで
型締を行った(図6)のち、この状態を維持するように
50秒間加圧、冷却し、その後両金型を開いて、図1、
図2に示す形状のガラス繊維強化ポリプロピレン成形体
を得た。得られた成形体の凹部周辺には皺の発生もな
く、表面外観は良好であった。
【0020】実施例2 表面にシボ加工を施し、裏面に厚さ0.2mmのウーリ
ーナイロンを裏打ちした厚さ0.8mmの塩化ビニル積
層シートを、雌金型のキャビティ面と同形状に予備賦形
し、これを予め雌金型のキャビティ面に両面テープで固
定する以外は実施例1と同様にしてガラス繊維強化ポリ
プロピレン成形体を得た。得られた成形体はその表面に
シボ面の美しい表皮材が貼合されており、凹部周辺には
皺の発生もなく、表面外観は良好であった。
【0021】比較例1 予熱シートに切れ目を設けないこと以外は実施例1と同
様にしてガラス繊維強化ポリプロピレン成形体を製造し
た。得られた成形体の凹部周辺には皺が発生し、表面外
観は良好とは言えなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】その一部に長方形の凹部形状を有する成形体の
上面図である。
【図2】図1に示される成形体をA──A’で切断した
ときの切断面を示す。
【図3】成形体の凹部形状が四角形である場合の切れ目
の形状の例を示すものである。
【図4】本発明の方法による製造工程を金型の概略断面
図で示したものである。
【図5】本発明の方法による製造工程を金型の概略断面
図で示したものである。
【図6】本発明の方法による製造工程を金型の概略断面
図で示したものである。
【符号の説明】
1:雌金型 2:雄金型 3:金型凹部 4:金型凸部 5:予熱繊維強化熱可塑性樹脂シート 6:切れ目 7:繊維強化熱可塑性樹脂成形体 8:成形体凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:08 B29L 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開放状態にある雌雄両金型の、雌雄いずれ
    か一方の金型のキャビティ面に、樹脂の溶融温度以上に
    予熱して軟化状態にある繊維強化熱可塑性樹脂シートを
    配置し、次いで両金型を閉じて型締を行い、その後冷却
    して繊維強化熱可塑性樹脂成形体を製造する方法であっ
    て、予熱して軟化状態にある繊維強化熱可塑性樹脂シー
    トとして、該シートの金型成形面の凹凸部に対応する位
    置に切れ目を設けたシートを使用し、該シートを押し広
    げながら金型キャビティ内に充満させて、予熱シートの
    厚み以下に型締することを特徴とする繊維強化熱可塑性
    樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】繊維強化熱可塑性樹脂シートの切れ目の深
    さが、シート厚みの2分の1以上である請求項1に記載
    の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】繊維強化熱可塑性樹脂シートの切れ目が、
    その始点および終点が同一である連続した切れ目である
    請求項1または2に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】雌雄いずれか一方または両方の金型のキャ
    ビティ面と繊維強化熱可塑性樹脂シートの間に表皮材を
    配置してなる請求項1に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成
    形体の製造方法。
  5. 【請求項5】予備賦形された表皮材を雌雄いずれか一方
    または両方の金型のキャビティ面に固定してなる請求項
    4に記載の繊維強化熱可塑性樹脂成形体の製造方法。
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