JPH0998891A - 合成樹脂製断熱二重壁容器およびその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製断熱二重壁容器およびその製造方法

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JPH0998891A
JPH0998891A JP7260550A JP26055095A JPH0998891A JP H0998891 A JPH0998891 A JP H0998891A JP 7260550 A JP7260550 A JP 7260550A JP 26055095 A JP26055095 A JP 26055095A JP H0998891 A JPH0998891 A JP H0998891A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶剤、漂白剤、洗剤、内容物等によるク
ラックの発生を防止でき、安価で耐久性に優れる合成樹
脂製断熱二重壁容器とその製造方法の提供。 【解決手段】 合成樹脂製の内容器3と外容器2とをそれ
ぞれの口部で連結して二重壁容器となし、内容器と外容
器とで形成した空間部4を断熱層5としてなる断熱二重壁
容器1において、前記内容器と外容器が耐薬品性の樹脂
で形成されてなり、かつ空間部に面する表面のうち少な
くとも内容器の表面に金属からなる輻射防止材11を設け
てなり、また、外容器の底部壁の中央に開孔部8を設け
てなるとともに、空間部にキセノン、クリプトン、アル
ゴンのうち少なくとも1種の低熱伝導率ガスを封入して
なり、前記開孔部を耐薬品性の樹脂からなる封止板9で
封じてなることを特徴とする合成樹脂製断熱二重壁容
器、およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クーラーボック
ス、魔法瓶、保温弁当箱、保温食器などとして使用され
る合成樹脂製断熱二重壁容器およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から提案されている合成樹脂製断熱
二重壁容器の1つに、合成樹脂製の内容器と外容器で構
成された二重壁容器の空間層に空気より熱伝導率の小さ
いガスを封入したものがある。この合成樹脂製断熱二重
壁容器は、二重壁の空間層側の面にガスバリア性を高め
る目的で、メッキ膜による金属被膜が形成されている。
内外容器には、耐熱水性の樹脂として一般にポリカーボ
ネート樹脂が用いられているが、ポリカーボネート樹脂
で成形された内容器の外面や外容器の内面には直接メッ
キ膜を付着させることができないため、メッキ可能な樹
脂を含む塗料を塗布してメッキ膜を施していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリカ
ーボネート樹脂は有機溶剤、漂白剤、洗剤等に対する耐
薬品性が劣るためにメッキ膜を形成したい面に塗料を塗
布しても、塗料の溶剤によって成形品にクラック(ソル
ベントクラック)が発生する恐れがあり、クラックが発
生した場合は合成樹脂製断熱二重壁容器のガスバリア性
が損なわれる不都合が生じる。また、二重壁容器の空間
部に低熱伝導率ガスを封入する後工程においても、接着
剤を用いて封止板で封止をする際、接着剤に含まれる溶
剤によって封止部の近傍や封止板にクラックを発生する
恐れがある。さらに、実際の使用上においても、内容物
の食品や飲料水、漂白剤、各種洗剤等によってクラック
が発生することが十分考えられる。また、ポリカーボネ
ート樹脂は、樹脂自体のガスバリア性が良くないので、
ガスバリア性を付与するために高精度のメッキ膜を施す
必要があり、それに伴い製造コストが増加する不都合が
ある。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、製造時に使用する溶剤や内容物等によるクラックの
発生を防止することができ、安価で耐久性に優れる合成
樹脂製断熱二重壁容器およびその製造方法を提供するも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
発明は、合成樹脂製の内容器と外容器とをそれぞれの口
部で連結して内容器を外容器内に空間を隔てて収容して
二重壁容器となし、前記内容器と外容器とで形成した空
間部を断熱層としてなる合成樹脂製の断熱二重壁容器に
おいて、前記内容器と外容器が耐薬品性の樹脂で形成さ
れてなり、かつ前記空間部に面する表面のうち少なくと
も内容器の表面に金属からなる輻射防止材を設けてな
り、また、前記外容器の底部壁の中央に開孔部を設けて
なるとともに、前記空間部にキセノン、クリプトン、ア
ルゴンのうち少なくとも1種の低熱伝導率ガスを封入し
てなり、前記開孔を耐薬品性の樹脂からなる封止板で封
じてなることを特徴とする合成樹脂製断熱二重壁容器で
ある。請求項2に係る発明は、前記耐薬品性の樹脂がポ
リカーボネートとポリエステルとの混合樹脂であること
を特徴とする請求項1記載の合成樹脂製断熱二重壁容器
である。請求項3に係る発明は、金属からなる輻射防止
材が金属箔であることを特徴とする請求項1または2記
載の合成樹脂製断熱二重壁容器である。請求項4に係る
発明は、金属からなる輻射防止材がメッキ膜であること
を特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂製断熱二
重壁容器である。請求項5に係る発明は、前記空間部の
輻射防止材のメッキ膜を、該メッキ膜を形成すべき表面
にのみABS樹脂系塗料を塗布し、メッキ膜が形成され
てなることを特徴とする請求項4記載の合成樹脂製断熱
二重壁容器である。請求項6に係る発明は、合成樹脂製
の内容器と外容器とをそれぞれの口部で連結して内容器
を外容器内に空間を隔てて収容して二重壁容器となし、
前記内容器と外容器とで形成した空間部を断熱層として
なる合成樹脂製の断熱二重壁容器の製造方法において、
内容器と外容器を耐薬品性の樹脂を用いて形成し、内容
器と外容器の空間部に面する表面のうち、少なくとも内
容器の表面に金属からなる輻射防止材を形成した後、内
外容器を空間部を有せしめて接合し、該空間部にキセノ
ン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも1種の低熱
伝導率ガスを封入することを特徴とする合成樹脂製断熱
二重壁容器の製造方法である。請求項7に係る発明は、
前記耐薬品性の樹脂がポリカーボネートとポリエステル
との混合樹脂であることを特徴とする請求項6記載の合
成樹脂製断熱二重壁容器の製造方法である。請求項8に
係る発明は、金属からなる輻射防止材が金属箔であるこ
とを特徴とする請求項6または7記載の合成樹脂製断熱
二重壁容器の製造方法である。請求項9に係る発明は、
金属からなる輻射防止材がメッキ膜であることを特徴と
する請求項6または7記載の合成樹脂製断熱二重壁容器
である。請求項10に係る発明は、前記空間部の輻射防
止材のメッキ膜を、該メッキ膜を形成すべき表面にのみ
ABS樹脂系塗料を塗布した後、当該塗布面にのみメッ
キ膜を形成することを特徴とする請求項9記載の合成樹
脂製断熱二重壁容器の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の合成樹脂製断熱二
重壁容器の一例を示すものであり、この合成樹脂製断熱
二重壁容器は、容器1と、その上部開口に被せられた蓋
21とからなっている。
【0007】この容器1は、外容器2と内容器3とから
なり、これら内外容器間の空間部4を低熱伝導率ガスを
封入した断熱層5とする二重壁構造の丼状または椀状を
なしている。これらの内外容器2,3は、耐薬品性かつ
耐熱水性の合成樹脂からなり、樹脂材料を射出成形もし
くはブロー成形により成形されている。使用される樹脂
は耐薬品性であるので、容器1を形成後、内容物を入れ
たり、容器を洗剤等で洗っても、容器1にクラックが生
じる心配がなく、容器1の強度を維持することができ
る。上記耐薬品性とは、有機溶剤、漂白剤、洗剤などの
薬品が接しても変化を生じることのない性質を言う。
【0008】外容器2の底部中央には、断熱層5側に向
けて凹む凹部10が形成され、この凹部10の中央部に
は開孔部8が穿設され、かつ凹部10内には封止板9が
挿入固定され、開孔部8が封止されている。この封止板
9も、前記内外容器2,3と同じく、耐薬品性かつ耐熱
水性の合成樹脂からなり、この封止板9は接着剤により
凹部10内に気密に固着されている。この封止板9を耐
薬品性の合成樹脂で形成したことにより、この開孔部8
から空間部4に低熱伝導率ガスを封入した後、開孔部8
を封止板9で接着剤を用いて封止しても、接着剤に含ま
れる溶剤によりこの封止板9にクラックが生じる心配が
ない。また、洗剤等によっても封止板9にクラックが生
じることがない。
【0009】封止板9による封止に用いる接着剤として
は、シアノアクリレート系の接着剤が用いられる。この
接着剤は固化後の気密性が高く、かつ瞬間的に強力な接
着力が得られるので、容器1の空間部4に充填された低
熱伝導率ガスの封止が可能となる。
【0010】容器1の空間部4に封入される低熱伝導率
ガスとしては、キセノン、クリプトン、アルゴンのうち
少なくとも1種のガスが用いられる。これらのガスの熱
伝導度はキセノン(κ=0.52×10-2W・m-1・K
-1;0℃)、クリプトン(κ=0.87×10-2W・m
-1・K-1;0℃)、アルゴン(κ=1.63×10-2
・m-1・K-1;0℃)であり、空気(κ=2.41×1
-2W・m-1・K-1;0℃)よりも小さく、これらのガ
スは単独で、あるいは2種以上の混合ガスとして大気圧
程度の封入圧力で封入される。これらの低熱伝導率ガス
を用いることにより、容器1の断熱性能を高めることが
できる。また、これらの低熱伝導率ガスは不活性であ
り、その使用において環境上好適である。
【0011】外容器端部6と内容器端部7は振動溶着ま
たはスピン溶着で接合され、この接合により空間部4が
形成される。振動溶着またはスピン溶着によれば、内外
容器2,3の接合部を容易かつ確実に密閉構造にするこ
とができるとともに、その接合強度も大きくなる。
【0012】外容器2と内容器3の射出成形に当たり、
耐薬品性の樹脂としてポリカーボネートとポリエステル
との混合樹脂が用いられる。この混合樹脂は、好ましく
はポリカーボネートとポリエステルの混合重量比が7:
3程度でブレンドしたものである。この混合樹脂は、有
機溶剤、漂白剤、洗剤等の薬品に接しても変化を受ける
ことがない耐薬品性を有しているので、メッキ膜形成の
ために内容器3の外面や外容器2の内面に、メッキ形成
用のABS樹脂系の塗料を塗布しても、塗料の溶剤によ
るクラック(ソルベントクラック)が生じることがな
い。また容器1を形成後、内容物を入れたり、洗剤等で
洗っても内容器3の内面や外容器3の外面にクラックが
生じる心配がない。また、この混合樹脂は耐熱水性であ
り、ガスバリア性もポリカーボネートより数段優れる。
したがって、空間部4に充填された上記低熱伝導率ガス
が器壁を透過して容器外へ逃散する率は極めて小さい。
このため商品寿命が短くて済む場合は、ガスバリア性を
高めるために内外容器2,3間の空間部4に面する表面
にメッキ膜を形成することが不要となる。なお、ポリエ
ステルにはポリエチレンテレフタレートやポリブチレン
テレフタレートが含まれる。
【0013】外容器2と内容器3の間に形成された空間
部4に面する表面のうち少なくとも内容器3の表面に、
金属箔からなる輻射防止材11が形成されている。金属
箔としてはアルミ箔、銅箔、銀箔等が用いられる。これ
らの箔は接着剤や両面テープで取り付けられ、空間部4
を経る輻射伝熱を抑えることができる。
【0014】上記金属箔に代えてメッキ膜による輻射防
止材11を形成しても良い。メッキとしては銅メッキ、
銀メッキ等が用いられ、化学メッキの上に電気メッキに
よりメッキ膜が付けられる。これにより、容器1の輻射
伝熱を抑えることができるとともに、内外容器のガスバ
リア性を高めることができる。上述したようにポリカー
ボネートとポリエステルとの混合樹脂はガスバリア性に
優れるため、従来メッキ不良とされていた部分的なメッ
キ膜の不着が、ある程度許容できるようになり、メッキ
の不良率を下げることができる。したがって、製造コス
トを下げることが可能となる。
【0015】内外容器2,3の空間部4に面する器壁に
直接メッキ膜を形成することができない上記混合樹脂に
は、メッキ膜を形成する面にのみABS樹脂系塗料を塗
布して、塗布面にのみメッキ膜を形成する。ABS樹脂
系塗料の塗布面のメッキ膜の付着性は良好となるので、
内容器端部7や外容器端部6の接合部や開孔部8を除い
た面にのみ塗料を塗布して緻密なメッキ膜を形成するこ
とができる。
【0016】このように形成された容器1の開口内には
蓋21が着脱容易に係合される。蓋21は下面壁22と
上面壁23からなり、上下面壁で形成される空間には発
泡スチロール、ウレタン等で形成された断熱材24が配
設され、下面壁22と上面壁23の端部を接合して形成
されている。上面壁23にはツマミ25となる凸部が形
成される。このような蓋21を容器1に被せることによ
り、容器1の保温効果を高めることができる。なお、こ
の蓋21の断熱材24に代えて、上述した容器1におけ
る低熱伝導率ガスを封入した断熱層5と同様の断熱構造
を採用することも可能である。
【0017】次に、本発明の合成樹脂製断熱二重壁容器
の製造方法を説明する。容器1の製造に際し、まず内容
器3と外容器2を、耐薬品性の樹脂を用いて成形する。
耐薬品性の樹脂としては、ポリカーボネートとポリエス
テルとの混合樹脂が好適に用いられる。内外容器2,3
を耐薬品性の樹脂で形成することにより、容器1に内容
物を入れたり、洗剤で洗ったりしても内外容器にクラッ
クを生じることがなく、内外容器の強度を維持すること
ができる。また、内外容器2,3の成形に用いた樹脂が
メッキ膜を形成し難い樹脂である場合、この樹脂にメッ
キ膜による輻射防止材を形成するためにABS樹脂系塗
料を塗布する場合にも、塗料の溶剤により塗布面にクラ
ックが発生することがない。
【0018】その後、内容器3と外容器2の空間部4に
面する表面のうち、少なくとも内容器3の表面に金属か
らなる輻射防止材11を形成する。これらの表面に輻射
防止材11を形成するには、アルミ箔、銅箔、銀箔など
の金属箔を接着剤や両面テープで接着固定する方法、化
学メッキや電気メッキによって銅、銀をメッキする方法
が用いられる。電気メッキによって金属メッキを形成す
る場合、メッキを形成すべき表面部分にABS樹脂系塗
料を塗布し、その塗布部分にメッキを形成することによ
って、容易かつ確実にメッキ層を形成することができ
る。
【0019】次に、内容器3と外容器2を組合せ、内容
器端部7と外容器端部6とを振動溶着またはスピン溶着
により接合して一体化し、内外容器2,3間に空間部4
を有する二重壁容器とする。次に、この二重壁容器を倒
置し、外容器2の開孔部8から空間部4内の空気を排気
し、その後開孔部8を通して空間部4内に、キセノン、
クリプトン、アルゴンのうちの少なくとも1種からなる
低熱伝導率ガスを封入し、直ちに開孔部8と凹部10に
接着剤を塗布して凹部10に封止板9を挿入し、封止板
9を接着固定して開孔部8を完全に封止する。これによ
り断熱性能の高い二重壁構造の容器1が作製される。
【0020】蓋21は、適宜な合成樹脂材料を用いて上
部材23とツマミ25を有する下部材22を作製し、そ
れらの間の空間に発泡ポリスチレンやウレタンなどの断
熱材24を充填して上部材23と下部材22のそれぞれ
の端部を接合して製造される。なお、蓋21の製造にお
いて、上述した容器1の製造方法を適用し、内部の断熱
材24に代えて低熱伝導率ガスを封入しても良い。
【0021】
【実施例】図1に示す容器1を作製し、その断熱性能を
確認した。外容器2と無い容器3をそれぞれポリカーボ
ネートとポリエチレンテレフタレートとの重量比7:3
の混合樹脂を用いて射出成形により作製した。 その
後、外容器2の内面と内容器3の外面に内外容器の接合
部と開孔部8を除いてABS塗料を塗布して、メッキ工
程に流して化学銅メッキを施した後、電気銅メッキを施
してメッキ膜を形成した。続いて、外容器2と内容器3
をそれぞれの端部6,7にて振動溶着で接合して二重壁
容器を作製した。次いでこの二重壁容器を倒置し、真空
ポンプに連通した排気管路とクリプトンガス供給管路と
が切換え可能に接続された接続管路の先端にパッキンを
備えたガス置換封入封止装置を用い、該接続管路の先端
のパッキンを二重壁容器の開孔部8周辺に押付けた状態
で、開孔部8から空間部4内の空気を真空排気し、その
後空間部4にクリプトンガスを大気圧程度の封入圧力と
なるように封入した。そしてガス封入完了直後に、パッ
キンを取り外して開孔部8にシアノアクリレート系の接
着剤を滴下して封止し、同接着剤を片面に塗布した封止
板9を開孔部8周囲の凹部10に挿入して接着固定し、
開孔部8を完全に封止するとともに開孔部8を保護し
た。以上のようにして作製した容器1は、製造コストが
安く、長期にわたって優れた断熱性能および耐久性を備
えていた。 (断熱性能の確認)得られた容器1に95℃の湯を入
れ、発泡ポリスチレンからなる断熱材を充填した蓋21
を被せて放置し、1時間後の湯温を測定した結果、75
℃であった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の合成樹脂
製断熱二重壁容器は、内容器と外容器が耐薬品性の樹脂
で形成されてなり、開孔を耐薬品性の樹脂からなる封止
板で封じてなるものなので、製造上及び実使用上に溶
剤、洗剤、漂白剤などの薬品、或いは内容物等で容器の
内外表面にクラックが発生することがない。したがって
本発明によれば、耐久性に優れた合成樹脂製断熱二重壁
容器が得られる。
【0023】また、二重壁容器の空間部に面する表面の
うち少なくとも内容器の表面に金属からなる輻射防止材
を設けてなり、空間部にキセノン、クリプトン、アルゴ
ンのうち少なくとも1種の低熱伝導率ガスを封入したも
のなので、空間部の低熱伝導率ガスによる断熱と輻射防
止材による輻射伝熱の低減とによって、断熱性能の高い
合成樹脂製断熱二重壁容器が得られる。
【0024】また、耐薬品性の樹脂としてポリカーボネ
ートとポリエステルとの混合樹脂が用いられ、この混合
樹脂は耐有機溶剤性でもあるので、内容器の外面や外容
器の内面にメッキ膜形成のためにABS樹脂系の塗料を
塗布する場合でも、塗料に含まれる溶剤によるクラック
が発生しない。また、この樹脂はガスバリア性に優れる
ため、金属による輻射防止材がメッキ膜の場合、メッキ
の不着がある程度許容され、メッキの不良率を下げるこ
とができる。さらにメッキ膜形成の場合はガスバリア性
を高めることができる。また、輻射防止材が金属箔であ
る場合は、簡易な取付操作で輻射伝熱の低減が可能とな
る。さらに金属箔の場合は、ABS樹脂系の塗料の塗布
および金属箔の取付のための装置等が不要であるので、
合成樹脂製断熱二重壁容器を安価にすることができる。
【0025】また、内外容器をメッキ膜の付き難い樹脂
で形成した場合は、内外容器のメッキ膜を形成すべき面
にABS樹脂系塗料を塗布して、当該塗布面にのみメッ
キ膜を形成することができるのでメッキの精度を上げる
ことができ、とりわけ内外容器の接合部や開孔部を除い
た部分にメッキ膜を形成することができる。
【0026】本発明の合成樹脂製断熱二重壁容器の製造
方法においては、内容器と外容器を耐薬品性の樹脂を用
いて成形するので、得られる容器は溶剤や洗剤、内容物
等でクラックを生じることがない。また、内外容器を接
合後、内容器と外容器の空間部に面する表面のうち、少
なくとも内容器の表面に金属からなる輻射防止材を形成
した後、内外容器を空間部を有せしめて接合し、該空間
部にキセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも
1種の低熱伝導率ガスを封入するので、断熱性能の高い
合成樹脂製断熱二重壁容器を作製することができる。
【0027】また、耐薬品性の樹脂がポリカーボネート
とポリエステルとの混合樹脂であるので、内外容器のメ
ッキ膜形成面にABS樹脂系の塗料を塗布しても、塗料
の溶剤によりクラックが生じることがなく、容器の耐久
性を高めることができる。また、この混合樹脂はガスバ
リア性も高いので、メッキ膜によらない金属箔による輻
射伝熱の低減が可能となり、製造工程を簡素化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製断熱二重壁容器の一
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1……容器、2……外容器、3……内容器、4……空間
部、5……断熱層、8……開孔部、9……封止板、11
……輻射防止材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 69/00 LPR C08L 69/00 LPR C23C 18/16 C23C 18/16 A 18/20 18/20 Z (72)発明者 田中 篤彦 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の内容器と外容器とをそれぞ
    れの口部で連結して内容器を外容器内に空間を隔てて収
    容して二重壁容器となし、前記内容器と外容器とで形成
    した空間部を断熱層としてなる合成樹脂製の断熱二重壁
    容器において、前記内容器と外容器が耐薬品性の樹脂で
    形成されてなり、かつ前記空間部に面する表面のうち少
    なくとも内容器の表面に金属からなる輻射防止材を設け
    てなり、また、前記外容器の底部壁の中央に開孔部を設
    けてなるとともに、前記空間部にキセノン、クリプト
    ン、アルゴンのうち少なくとも1種の低熱伝導率ガスを
    封入してなり、前記開孔部を耐薬品性の樹脂からなる封
    止板で封じてなることを特徴とする合成樹脂製断熱二重
    壁容器。
  2. 【請求項2】 前記耐薬品性の樹脂がポリカーボネート
    とポリエステルとの混合樹脂であることを特徴とする請
    求項1記載の合成樹脂製断熱二重壁容器。
  3. 【請求項3】 金属からなる輻射防止材が金属箔である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂製断
    熱二重壁容器。
  4. 【請求項4】 金属からなる輻射防止材がメッキ膜であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の合成樹脂製
    断熱二重壁容器。
  5. 【請求項5】 前記輻射防止材のメッキ膜を、該メッキ
    膜を形成すべき表面にのみABS樹脂系塗料を塗布し、
    メッキ膜が形成されてなることを特徴とする請求項4記
    載の合成樹脂製断熱二重壁容器。
  6. 【請求項6】 合成樹脂製の内容器と外容器とをそれぞ
    れの口部で連結して内容器を外容器内に空間を隔てて収
    容して二重壁容器となし、前記内容器と外容器とで形成
    した空間部を断熱層としてなる合成樹脂製の断熱二重壁
    容器の製造方法において、内容器と外容器を耐薬品性の
    樹脂を用いて形成し、内容器と外容器の空間部に面する
    表面のうち、少なくとも内容器の表面に金属からなる輻
    射防止材を形成した後、内外容器を空間部を有せしめて
    接合し、該空間部にキセノン、クリプトン、アルゴンの
    うち少なくとも1種の低熱伝導率ガスを封入することを
    特徴とする合成樹脂製断熱二重壁容器の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記耐薬品性の樹脂がポリカーボネート
    とポリエステルとの混合樹脂であることを特徴とする請
    求項6記載の合成樹脂製断熱二重壁容器の製造方法。
  8. 【請求項8】 金属からなる輻射防止材が金属箔である
    ことを特徴とする請求項6または7記載の合成樹脂製断
    熱二重壁容器の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属からなる輻射防止材がメッキ膜であ
    ることを特徴とする請求項6または7記載の合成樹脂製
    断熱二重壁容器。
  10. 【請求項10】 前記輻射防止材のメッキ膜を、該メッ
    キ膜を形成すべき表面にのみABS樹脂系塗料を塗布し
    た後、当該塗布面にのみメッキ膜を形成することを特徴
    とする請求項9記載の合成樹脂製断熱二重壁容器の製造
    方法。
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