JP3009832B2 - 合成樹脂製断熱容器及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器及びその製造方法

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JP3009832B2 JP7082930A JP8293095A JP3009832B2 JP 3009832 B2 JP3009832 B2 JP 3009832B2 JP 7082930 A JP7082930 A JP 7082930A JP 8293095 A JP8293095 A JP 8293095A JP 3009832 B2 JP3009832 B2 JP 3009832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、魔法瓶や保温弁当箱
などとして使用される合成樹脂製断熱容器にとその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、魔法瓶や保温弁当箱などの断熱容
器において、内容器と外容器とを合成樹脂材料で形成
し、内容器とそれよりも寸法の大きい外容器とを空隙を
もたせて組み合わせ、これら内外容器をそれぞれの口元
で一体に接合して二重壁構造とし、これら内外容器の空
隙に、例えば硬質ウレタンフォームや発泡ポリスチレン
等の充填材を充填して断熱層を形成してなる合成樹脂製
断熱容器が知られている。このような従来の合成樹脂製
断熱容器は、内外容器間の断熱層のガスバリア性を高め
るために、内容器の外面全体および外容器の内面全体、
即ち内外容器の接合面も含めてメッキによる金属皮膜が
形成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の合
成樹脂製断熱容器は、内外容器間の空間部のガスバリア
性を高めるために、内外容器の接合面を含む内容器の外
面および外容器の内面に金属皮膜が形成されているの
で、内容器と外容器とを口元で接合する場合には、はん
だを用いて一体化したり、接合強度を向上させるため
に、補強材を設けたり、はんだ付けと超音波溶着法等を
併用した方法などの複雑な接合方法を用いて内容器と外
容器とを接合、一体化しなければならなかった。上記の
ような合成樹脂製断熱容器は、口元部まで金属皮膜が形
成され、そしてさらに内容器と外容器の口元接合をはん
だ付けによる方法で行っていたために、口元接合部分で
の熱損失が大きくなって、断熱容器の断熱性能を低下さ
せる問題があった。
【0004】また、断熱層に硬質ウレタンフォームや発
泡ポリスチレン等の充填材を充填した合成樹脂製断熱容
器は、充填材の熱伝導率が大きいために、ある程度の断
熱性能を確保するためには内容器と外容器間の距離、即
ち断熱層の厚みをある程度以上大きくする必要があるの
で、この種の従来の断熱容器は容積効率が悪く、携帯用
として十分に満足できるものではなかった。
【0005】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、製造コストが小さく、かつ優れた断熱性能を有す
るとともに、容積効率に優れた合成樹脂製の断熱容器を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の合成樹脂製断熱
容器は、合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容器内に
空隙を保って配し、これら内容器と外容器とのそれぞれ
の口元を接合して一体化するとともに、内容器と外容器
との間に断熱層を形成してなる二重壁構造の合成樹脂製
断熱容器において、前記内容器と外容器との接触部を除
く、内容器外面と外容器内面とに2〜15μmのメッキ
層厚みを有する金属メッキ層を設け、かつ内容器の口元
と外容器の口元とのそれぞれの合成樹脂どうしを溶着接
合してなるものである。
【0007】本発明の合成樹脂製断熱容器において、内
容器と外容器との間に、キセノン、クリプトン、アルゴ
ンのうちから選択される少なくとも1種からなる低熱伝
導率ガスを封入してなる断熱層を備えた構成として良
い。また、本発明の合成樹脂製断熱容器において、内容
器と外容器の間に形成された低熱伝導率ガスを封入して
なる断熱層の厚みを3〜10mmとして良い。また、本
発明の合成樹脂製断熱容器において、金属メッキ層が電
気銅メッキ層であり、そのメッキ層の厚さが2〜15μ
mであることが望ましい。
【0008】また、本発明の合成樹脂製断熱容器の製造
方法は、開口端部にフランジが形成された合成樹脂製の
内容器と、開口端部に該内容器のフランジが挿入可能な
拡径された段部が形成され、該内容器より大型の合成樹
脂製の外容器とを作製し、該内容器を外容器内に挿入し
て組み立てたときに内容器外面と外容器内面とが接する
接触部以外の内容器外面と外容器内面とに金属メッキ層
を形成し、次いでこれら内容器と外容器とを組み合わ
せ、前記接触部を加熱して溶着せしめて内容器と外容器
とを接合一体化し、外容器に設けた排気孔を通して内容
器と外容器との間の空隙にキセノン、クリプトン、アル
ゴンのうちから選択される少なくとも1種からなる低熱
伝導率ガスを充填し、その後該排気孔を封止することを
特徴としている。
【0009】本発明の合成樹脂製断熱容器の製造方法に
おいて、内容器のフランジ下面に突起を設け、該突起を
加熱溶融せしめて外容器の段部上面に溶着するようにし
て良い。また、内容器のフランジ下面に突起を設け、外
容器の段部上面に溝を設け、かつ該溝内に金属材を挿入
配置し、該金属材を高周波誘導加熱によって加熱し、前
記突起を加熱溶融せしめて外容器の段部上面に溶着する
ようにしても良い。さらに、内容器外面と外容器内面と
が接する接触部をマスキング材で覆って該接触部以外の
内容器外面と外容器内面とに金属メッキ層を形成しても
良い。また、内容器と外容器がABS樹脂あるいはAB
S樹脂と同等かそれ以上の電気メッキ形成容易性を有す
る合成樹脂材料よりなり、これら内容器外面と外容器内
面とが接触する接触部をマスキング材で覆って該接触部
以外の内容器外面と外容器内面とに金属メッキ層を形成
しても良い。さらにまた、内容器と外容器がABS樹脂
よりも電気メッキ形成容易性の劣る合成樹脂材料よりな
り、これら内容器外面と外容器内面とが接触する接触部
以外の内容器外面と外容器内面とに、ABS樹脂あるい
はABS樹脂と同等かそれ以上の電気メッキ形成容易性
を有する合成樹脂材料よりなる電気メッキ形成塗層を形
成し、該塗層形成部のみに金属メッキ層を形成しても良
い。
【0010】
【作用】本発明の合成樹脂製断熱容器は、内容器と外容
器との接触部を除く、内容器外面と外容器内面とに金属
メッキ層を設け、かつ内容器の口元と外容器の口元との
それぞれの合成樹脂どうしを溶着接合して構成したの
で、内容器と外容器の口部を接合して一体化するのに、
超音波溶着法や高周波加熱溶着法などの加熱溶着法のみ
で可能となり、簡単な操作で内容器と外容器の口部とを
確実に接合することができるようになる。
【0011】また、内容器と外容器との間に、キセノ
ン、クリプトン、アルゴンのうちから選択される少なく
とも1種からなる低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層
を備えた構成としたので、断熱層に硬質ウレタンフォー
ムや発泡ポリスチレン等の充填材を充填したものと比
べ、同じ断熱性能を得るのに必要な断熱層の厚さを薄く
形成することができる。また、内容器と外容器の間に形
成された低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層の厚みを
3〜10mmとしたことにより、断熱層内のガスに対流
を生じさせることを防止でき、十分な断熱性能が得られ
る。また、金属メッキ層が電気銅メッキ層とし、そのメ
ッキ層の厚さを2〜15μmとすれば、確実なガスバリ
ア性が得られるとともに、この金属メッキ層を介しての
熱伝導による熱損失が小さいので断熱性能を損なうこと
がない。
【0012】本発明の合成樹脂製断熱容器の製造方法
は、内容器を外容器内に挿入して組み立てたときに内容
器外面と外容器内面とが接する接触部以外の内容器外面
と外容器内面とに金属メッキ層を形成し、次いでこれら
内容器と外容器とを組み合わせ、前記接触部を加熱して
溶着せしめて内容器と外容器とを接合一体化するので、
この接触部において接触した樹脂どうしを超音波溶着法
や高周波誘導加熱法によって加熱溶着するだけで接触部
を容易かつ確実に接合することができる。
【0013】この方法において、内容器のフランジ下面
に突起を設け、該突起を加熱溶融せしめて外容器の段部
上面に溶着することにより、内容器と外容器自体を熱変
形させることなく確実な溶着接合が可能となる。また、
内容器のフランジ下面に突起を設け、外容器の段部上面
に溝を設け、かつ該溝内に金属材を挿入配置し、該金属
材を高周波誘導加熱によって加熱し、前記突起を加熱溶
融せしめて外容器の段部上面に溶着することによって
も、これら溝と突起との部分のみを加熱溶融して内容器
と外容器自体を熱変形させることなく確実な溶着接合が
可能となる。さらに、内容器外面と外容器内面とが接す
る接触部をマスキング材で覆って該接触部以外の内容器
外面と外容器内面とに金属メッキ層を形成することによ
り、接触部、特に内容器と外容器との接合部に余分な金
属メッキ層が挟まれることを確実に防止できる。また、
内容器と外容器がABS樹脂あるいはABS樹脂と同等
かそれ以上の電気メッキ形成容易性を有する合成樹脂材
料よりなり、これら内容器外面と外容器内面とが接触す
る接触部をマスキング材で覆って該接触部以外の内容器
外面と外容器内面とに金属メッキ層を形成する方法、及
び、内容器と外容器がABS樹脂よりも電気メッキ形成
容易性の劣る合成樹脂材料よりなり、これら内容器外面
と外容器内面とが接触する接触部以外の内容器外面と外
容器内面とに、ABS樹脂あるいはABS樹脂と同等か
それ以上の電気メッキ形成容易性を有する合成樹脂材料
よりなる電気メッキ形成塗層を形成し、該塗層形成部の
みに金属メッキ層を形成する方法を採用することによ
り、内容器外面と外容器内面とが接する接触部に金属メ
ッキ層を形成することなく、該接触部以外の内容器外面
と外容器内面とに金属メッキ層を形成することが容易と
なる。
【0014】
【実施例】図1は本発明の合成樹脂製断熱容器の一実施
例を示すものである。本実施例による断熱容器1は、容
器本体2と蓋3とからなり、容器本体2は、内容器4と
外容器5とからなり、内容器4の外方にそれよりも寸法
の大きな外容器5を被せてそれぞれの口元を一体に接合
した二重壁構造になっている。内容器4と外容器5の間
の空隙には、低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層6が
形成されている。
【0015】内容器4と外容器5とは、耐熱性のABS
樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアセタ
ール、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフ
タレートなどの合成樹脂材料からなっている。外容器5
は有底円筒形をなし、その開口側の上端部は拡径して段
部8が形成されている。この外容器5の底部中央には排
気孔10が形成され、該排気孔10は封止板11によっ
て閉塞されている。内容器4は有底円筒形をなしてお
り、その上部は外容器5の内周に接するように拡径部9
が形成され、さらに拡径部9の上端にはフランジ12が
形成されている。この内容器4のフランジ12は外容器
5の段部8内に挿入可能な径寸法とされている。この内
容器4のフランジ12は外容器5の段部8内に挿入さ
れ、該フランジ12下面と段部8上面は、超音波溶着
法、高周波誘導加熱溶着法などの加熱溶着法によって溶
着接合された接合部15が形成されている。
【0016】内容器4の外周面のうち、外容器5内周面
と接する接触部16を除く胴部と底部外面、および外容
器5の内面のうち、上記接触部16を除く胴部と底部の
内面には、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロムな
どの金属からなるメッキ層14が形成されている。これ
らメッキ層14の厚さは2〜15μm程度とされ、好ま
しくは10μm程度とされる。このメッキ層14の厚さ
が2μmより小さいと、このメッキ層14によるガスバ
リア性向上の効果が十分に得られなくなり、断熱層6内
の低熱伝導率のガスが失われて長期間にわたって優れた
断熱性能を維持し得なくなる。一方、メッキ層14の厚
さが15μmより大きいと、このメッキ層14を介して
の内容器4側から外容器5側への熱伝導が増加し、断熱
性能を悪化させることになる。
【0017】断熱層6内に封入されるガスとしては、熱
伝導率κが空気(2.41×102W・m-1;0℃)よ
りも小さく、しかも不活性なガスである、キセノン(κ
=0.52×102W・m-1;0℃)、クリプトン(κ
=0.87×102W・m-1;0℃)、アルゴン(κ=
1.63×102W・m-1;0℃)の各ガスやそれらの
混合ガスが用いられる。これらキセノンガス、クリプト
ンガス及びアルゴンガスは、熱伝導率が小さく、しかも
その使用により環境保全上の問題もなく、特に好適であ
る。
【0018】この低熱伝導率ガスを封入した断熱層6の
厚み7は3〜10mm程度とされる。断熱層6の厚み7
が10mmを越えると、ガスの熱伝導による伝熱ロスは
小さくなるが、対流伝熱ロスが生じるようになる。断熱
層6の厚み7を3〜10mmとすることにより、ガスの
対流を防止することができ、断熱性能が向上する。
【0019】容器本体2に取り付けられた蓋3は、容器
本体2の開口端にヒンジ結合されて開閉可能とされ、か
つ良好な断熱性能を有するものであることが望ましい。
蓋3の断熱構造は特に限定されることなく、例えば合成
樹脂製の中空体内に発泡ポリスチレンやパーライトなど
の断熱材を充填したものや、容器本体2と同じく低熱伝
導率ガスを封入してなる断熱構造として良い。
【0020】外容器5の底部に設けられた排気孔10は
円形とされ、排気孔10の外周には突条17が形成され
ている。この突条17にはその内側に挿入可能な大きさ
の円板状の封止板11が挿入され、接着剤による接合、
或いは超音波加熱溶着法、高周波誘導加熱溶着法などの
溶着法によって外容器5底部外面に密着接合されてい
る。この封止板11は金属や合成樹脂で作製して良く、
好ましくは外容器5と同一材質の合成樹脂で作製され
る。
【0021】この断熱容器1の製造方法について説明す
ると、まず、射出成形法などの適宜な方法によって、内
容器4と外容器5とを生産する。その内容器4には、図
2に示すようにフランジ部12下面に、断面V字状の突
起20を全周にわたって設けておく。この突起20の形
状はこれに限定されることなく、断面が角形や半円形と
しても良い。
【0022】次いで、内容器4と外容器5との接触部1
6となる内容器4のフランジ12と拡径部9の外周面、
および外容器5の段部8とそれに連なる上部内面を、固
定部材を密着させて覆い、或いは剥離容易な接着剤や粘
着テープを用いて覆うことによりマスキングし、それ以
外の内容器4の外面と外容器5の内面の露出部分につい
て、真空蒸着法、化学メッキ法、電解メッキ法などの薄
膜形成方法のうちから選択される少なくとも1種の方法
を用いて銅からなる厚さ2〜15μmの金属メッキ層1
4を形成する。これによって、金属メッキ層14が不要
な内容器4と外容器5との接触部16に金属メッキを付
着させることなく、金属メッキ層14が必要な内容器4
外面と外容器5内面とに均一な金属メッキ層14を形成
することができる。
【0023】次に、金属メッキ層14を形成した内容器
4と外容器5とを図2に示すように組み立てる。外容器
5内に内容器4を挿入すると、内容器4のフランジ12
が外容器5の段部8の上面に載って位置決めされ、内容
器4は段部8の上面に突起20の先端を当接した状態で
外容器5に支持される。
【0024】次に、内容器4のフランジ部12下面と外
容器5の段部8上面との接触部、好ましくはフランジ1
2の突起20とその先端に接する段部8上面の一部のみ
を加熱し、主として突起20を加熱溶融せしめ、必要に
応じて内容器4を押圧して溶融した突起20を押し広
げ、内容器4のフランジ部12下面と外容器5の段部8
上面とを溶着し、内容器4と外容器5とを一体に接合す
る。このような溶着を行うには超音波溶着法などが好適
である。このように、フランジ12下面に設けた突起2
0とそれに当接した段部8上面の一部との間の溶着によ
って、内容器4と外容器5とを一体に接合することによ
り、内容器4と外容器5自体を熱変形させることなく、
しかも確実な溶着接合が可能となる。
【0025】内容器4と外容器5との口元を接合して一
体化して作製された二重壁容器は、次に、外容器5の排
気孔10を通して内容器4と外容器5との空隙6a内の
空気を排除した後に、キセノン、クリプトン、アルゴン
の内の少なくとも1種からなる低熱伝導率ガスを充填
し、その後突条17内に封止板11を挿入し、排気孔1
0の周囲の外容器5底部外面に、接着剤による接着、超
音波溶着法による溶着などの方法で接合して排気孔10
を封止する。低熱伝導率ガスの圧力は20℃において大
気圧程度とされる。
【0026】排気孔10を封止板11で塞ぎ、内容器4
と外容器5の空隙6aに低熱伝導率ガスを封入して断熱
層6を形成し、容器本体2が作製される。この容器本体
2はその開口部に蓋3が開閉自在に取り付けられる他、
必要に応じて把手を有する肩部材やクッション材からな
る底部材を取り付け、断熱容器1とする。
【0027】図3は本発明の別な実施例を示すものであ
る。この実施例による断熱容器は、先の実施例による断
熱容器1とほぼ同一の構成要素を備え、本実施例では、
内容器4のフランジ12下面に、断面角形の突起21を
周方向に沿って形成し、外容器5の段部8の上面に、該
突起21を挿入可能な溝22を周方向に沿って形成し、
かつ該溝22内に、高周波誘導加熱によって発熱する金
属材23、例えばステンレス鋼製のワイヤーリングなど
を挿入し、この金属材23を発熱させることによって、
溝22周壁と突起21とを加熱して溶融せしめ、突起2
1を溝22内に押し入れた状態で溶着接合するように構
成されている。
【0028】この実施例の断熱容器の製造方法は、先の
実施例とほぼ同様であって、合成樹脂製の内容器4と外
容器5とを作製し、接触部16となる部分をマスキング
して内容器4外面と外容器5内面とに金属メッキ層14
を形成し、外容器5の段部8上面に形成した溝22内に
金属材23を挿入してこれら内容器4と外容器5とを組
み合わせる。この時、溝22内に突起21が軽く挿入さ
れた状態となって、容易に位置決めができる利点があ
る。次いで、金属材23が加熱されるように高周波加熱
装置をセットし、高周波誘導加熱を行って金属材23を
加熱させることにより、溝22周壁と突起21とが加熱
溶融され、突起21が溝22内に押し入れられた状態で
溶着接合される。この後、先の実施例と同じく、外容器
5の排気孔10を通して真空排気と低熱伝導率ガスの充
填を行い、その後封止板11で排気孔10を封止して容
器本体2を作製する。
【0029】上述した各実施例において、内容器4と外
容器5がABS樹脂あるいはABS樹脂と同等かそれ以
上の電気メッキ形成容易性を有する合成樹脂材料よりな
り、金属メッキ層14を電気銅メッキにより形成される
銅メッキ層とする場合、これらの内容器4と外容器5に
表面は、電気銅メッキが形成され易く(即ち、電気メッ
キ形成容易性が高い)、形成された銅メッキ層は各容器
表面との密着性が良好であり機械的強度も十分なものと
なる。そして、ABS樹脂等よりなる内容器4外面と外
容器5内面の上記接触部16以外の部分に上記メッキ層
14を形成する場合には、これらの内容器4外面と外容
器5内面とが接触する接触部16をマスキング材で完全
に覆い、接触部16以外の内容器4外面と外容器5内面
とに電気銅メッキ層を形成する。
【0030】一方、内容器4と外容器5がABS樹脂よ
りも電気メッキ形成容易性の劣るポリプロピレンなどの
合成樹脂材料よりなり、これら内容器4外面と外容器5
内面とに電気銅メッキにより形成される銅メッキ層14
を形成する場合には、内容器4外面と外容器5内面とが
接触する接触部16以外の内容器4外面と外容器5内面
とに、ABS樹脂あるいはABS樹脂と同等かそれ以上
の電気メッキ形成容易性を有する合成樹脂材料よりなる
電気メッキ形成塗層を形成し、塗層形成部のみに電気銅
メッキにより銅メッキ層14を形成する。内容器4外面
と外容器5内面の所定部分に上記電気メッキ形成塗層を
形成する方法としては、ABS樹脂あるいはABS樹脂
と同等かそれ以上の電気メッキ形成容易性を有する合成
樹脂材料を適当な溶剤に溶かした塗料を塗布することに
より容易に形成が可能である。
【0031】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の合成樹脂製
断熱容器は、内容器と外容器との接触部を除く、内容器
の外周面と外容器の外周面とに金属メッキ層を設け、か
つ内容器の口元と外容器の口元とのそれぞれの合成樹脂
どうしを溶着接合して構成したので、内容器と外容器の
口部を接合して一体化するのに超音波溶着法や高周波加
熱溶着法などの加熱溶着法のみで可能となり、簡単な操
作で内容器と外容器の口部とを確実に接合することがで
き、製造コストが低減できることから安価な合成樹脂製
断熱容器を提供できる。
【0032】また、内容器と外容器との間に、キセノ
ン、クリプトン、アルゴンのうちから選択される少なく
とも1種からなる低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層
を備えた構成としたので、断熱層に硬質ウレタンフォー
ムや発泡ポリスチレン等の充填材を充填したものと比
べ、同じ断熱性能を得るのに必要な断熱層の厚さを薄く
形成することで容積効率を高めることができ、軽量で容
積効率に優れしかも優れた断熱性能を有し、携帯に便利
な合成樹脂製断熱容器を提供することができる。
【0033】また、内外容器の接触部を除く内容器外面
と内容器内面に厚さ2〜15μmの金属メッキ層を設け
たことにより、確実なガスバリア性が得られるととも
に、この金属メッキ層を介しての熱伝導による熱損失が
小さいので断熱性能を損なうことがない。従って、長期
にわたり優れた断熱性能が維持される。
【0034】本発明の合成樹脂製断熱容器の製造方法
は、内容器を外容器内に挿入して組み立てたときに内容
器外面と外容器内面とが接する接触部以外の内容器外面
と外容器内面とに金属メッキ層を形成し、次いでこれら
内容器と外容器とを組み合わせ、前記接触部を加熱して
溶着せしめて内容器と外容器とを接合一体化するので、
この接触部において接触した樹脂どうしを超音波溶着法
や高周波誘導加熱法によって加熱溶着するだけで接触部
を容易かつ確実に接合することができるので、製造効率
を高めることができ、接合不良の発生が大幅に低減する
ことで歩留りも向上する。
【0035】また、本発明方法において、内容器のフラ
ンジ下面に突起を設け、該突起を加熱溶融せしめて外容
器の段部上面に溶着する方法、或いは、内容器のフラン
ジ下面に突起を設け、外容器の段部上面に溝を設け、か
つ該溝内に金属材を挿入配置し、該金属材を高周波誘導
加熱によって加熱し、前記突起を加熱溶融せしめて外容
器の段部上面に溶着する方法を採用することにより、こ
れら溝と突起との部分のみを加熱溶融して内容器と外容
器自体を熱変形させることなく確実な溶着接合が可能と
なる。
【0036】さらに、内容器外面と外容器内面とが接す
る接触部をマスキング材で覆って該接触部以外の内容器
外面と外容器内面とに金属メッキ層を形成することによ
り、接触部、特に内容器と外容器との接合部に余分な金
属メッキ層が挟まれることを確実に防止でき、接合不良
やガス漏出による断熱性能の劣化の発生を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の合成樹脂製断熱容器の一実施例
を示す断面図である。
【図2】図2は同合成樹脂製断熱容器の製造方法を説明
するための接合前の状態を示す断面図である。
【図3】図3は本発明の他の実施例を示す合成樹脂製断
熱容器の要部断面図である。
【符号の説明】
1……断熱容器、2……容器本体、4……内容器、5…
…外容器、6……断熱層、14……メッキ層、15……
接合部、16……接触部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 精一 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本 酸素株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−30564(JP,A) 実開 昭57−68998(JP,U) 実開 平3−95834(JP,U) 実開 平7−39729(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/38 A47J 41/00 302

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容
    器内に空隙を保って配し、これら内容器と外容器とのそ
    れぞれの口元を接合して一体化するとともに、内容器と
    外容器との空隙に断熱層を形成してなる二重壁構造の合
    成樹脂製断熱容器において、前記内容器と外容器との接
    触部を除く、内容器外面と外容器内面とに2〜15μm
    のメッキ層厚みを有する金属メッキ層を設け、かつ内容
    器の口元と外容器の口元とのそれぞれの合成樹脂どうし
    を溶着接合してなることを特徴とする合成樹脂製断熱容
    器。
  2. 【請求項2】 内容器と外容器との空隙に、キセノン、
    クリプトン、アルゴンのうちから選択される少なくとも
    1種からなる低熱伝導率ガスを封入してなる断熱層を備
    えたことを特徴とする請求項1の合成樹脂製断熱容器。
  3. 【請求項3】 内容器と外容器の間に形成された低熱伝
    導率ガスを封入してなる断熱層の厚みを3〜10mmと
    したことを特徴とする請求項2の合成樹脂製断熱容器。
  4. 【請求項4】 金属メッキ層が電気銅メッキ層であるこ
    とを特徴とする請求項1から3のいずれかの合成樹脂製
    断熱容器。
  5. 【請求項5】 開口端部にフランジが形成された合成樹
    脂製の内容器と、開口端部に該内容器のフランジが挿入
    可能な拡径された段部が形成され、該内容器より大型の
    合成樹脂製の外容器とを作製し、該内容器を外容器内に
    挿入して組み立てたときに内容器外面と外容器内面とが
    接する接触部以外の内容器外面と外容器内面とに金属メ
    ッキ層を形成し、次いでこれら内容器と外容器とを組み
    合わせ、該接触部を加熱して溶着せしめて内容器と外容
    器とを接合一体化し、外容器に設けた排気孔を通して内
    容器と外容器との間の空隙にキセノン、クリプトン、ア
    ルゴンのうちから選択される少なくとも1種からなる低
    熱伝導率ガスを充填し、その後該排気孔を封止すること
    を特徴とする合成樹脂製断熱容器の製造方法。
  6. 【請求項6】 内容器のフランジ下面に突起を設け、該
    突起を加熱溶融せしめて外容器の段部上面に溶着するこ
    とを特徴とする請求項5の合成樹脂製断熱容器の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 内容器のフランジ下面に突起を設け、外
    容器の段部上面に該突起が挿入される溝を設け、かつ該
    溝内に金属材を挿入配置し、該金属材を高周波誘導加熱
    によって加熱し、前記突起を加熱溶融せしめて外容器の
    段部上面に溶着することを特徴とする請求項5の合成樹
    脂製断熱容器の製造方法。
  8. 【請求項8】 内容器外面と外容器内面とが接する接触
    部をマスキング材で覆って該接触部以外の内容器外面と
    外容器内面とに金属メッキ層を形成することを特徴とす
    る請求項5から7のいずれかの合成樹脂製断熱容器の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 内容器と外容器がABS樹脂あるいはA
    BS樹脂と同等かそれ以上の電気メッキ形成容易性を有
    する合成樹脂材料よりなり、これら内容器外面と外容器
    内面とが接触する接触部をマスキング材で覆って該接触
    部以外の内容器外面と外容器内面とに金属メッキ層を形
    成することを特徴とする請求項5から7のいずれかの合
    成樹脂製断熱容器の製造方法。
  10. 【請求項10】 内容器と外容器がABS樹脂よりも電
    気メッキ形成容易性の劣る合成樹脂材料よりなり、これ
    ら内容器外面と外容器内面とが接触する接触部以外の内
    容器外面と外容器内面とに、ABS樹脂あるいはABS
    樹脂と同等かそれ以上の電気メッキ形成容易性を有する
    合成樹脂材料よりなる電気メッキ形成塗層を形成し、該
    塗層形成部のみに金属メッキ層を形成することを特徴と
    する請求項5から7のいずれかの合成樹脂製断熱容器の
    製造方法。
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