JPH0998594A - 電気モ−タの通電制御方法 - Google Patents

電気モ−タの通電制御方法

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JPH0998594A
JPH0998594A JP7253240A JP25324095A JPH0998594A JP H0998594 A JPH0998594 A JP H0998594A JP 7253240 A JP7253240 A JP 7253240A JP 25324095 A JP25324095 A JP 25324095A JP H0998594 A JPH0998594 A JP H0998594A
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energization
rotation speed
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current
angle
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Application number
JP7253240A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Okawa
川 明 美 大
Chiaki Umemura
村 千 明 梅
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/08Reluctance motors
    • H02P25/092Converters specially adapted for controlling reluctance motors
    • H02P25/0925Converters specially adapted for controlling reluctance motors wherein the converter comprises only one switch per phase
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P6/00Arrangements for controlling synchronous motors or other dynamo-electric motors using electronic commutation dependent on the rotor position; Electronic commutators therefor
    • H02P6/14Electronic commutators
    • H02P6/15Controlling commutation time

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Electric Motors In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 SRモ−タの振動によって生じる騒音を効果
的に低減する。所望の回転速度で必要な駆動トルクを得
る。超低速時にトルクリップルの発生を抑制する。 【解決手段】 回転速度とトルクに応じて通電オフ角度
を修正し、しきい値の1000rpm付近では通電期間
を最も短くし、しきい値に比べて回転速度が上がる場合
も下がる場合も通電期間を長くする。また、必要トルク
が増大するにつれて、通電期間を長くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気モ−タの通電
制御に関し、特にスイッチドリラクタンスモ−タを駆動
する用途に適する通電制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチドリラクタンスモ−タ(以下、
SRモ−タと言う)は、例えば図18に示すように、非
常に単純な構造になっている。SRモ−タの回転子R
は、単に鉄板を積層して構成した鉄心であり、その外周
面上には、その外周を囲む固定子Sに向かって突出する
ように形成された複数の歯(Ra,Rb,Rc,Rd)
を有している。また固定子は、鉄板を積層して構成した
環状鉄心の内周面に沿って形成された複数の歯(Sa,
Sb,Sc,・・・)に、それぞれ電気コイルCを集中
巻して構成される。この種のSRモ−タにおいては、各
電気コイルの通電により、固定子の各歯の部分に電磁石
が形成され、回転子の各歯を固定子の磁力で吸引するこ
とによって回転子が回転する。従って、回転子の各歯の
回転位置に応じて、固定子の各歯に巻回されたコイルの
通電状態を順次に切換えることによって、回転子を希望
する方向に回転させることができる。
【0003】この種のSRモ−タに関する従来技術は、
例えば、特開平1−298940号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】SRモ−タは、構造が
簡単で、機械的に頑丈であり、高温下での動作も可能で
ある等々の長所を有しているが、ほとんど実用的に利用
されていないのが実情である。その原因の1つは、回転
時に発生する騒音が大きいことである。
【0005】SRモ−タの制御においては、一般に回転
子の各極が特定の回転位置にある時に、固定子各極に対
する通電のオン/オフを切換えるので、その切換時に、
回転子に加わる磁気吸引力の大きさが急激に変化する。
そのため、回転子及び固定子には、比較的大きな機械振
動が発生する。この振動によって騒音が生じる。
【0006】本発明は、SRモ−タのような電気モ−タ
の制御において、回転速度及び必要トルクの様々な変化
に適応して円滑にモ−タを駆動するとともに、騒音の発
生を抑制することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1では、電気モ−タの回転方向に関する固定
子と回転子との相対位置を検出し、検出した前記相対位
置が第1の状態にある時に前記電気モ−タを駆動する電
気コイルの通電を開始し、前記相対位置が第2の状態に
ある時に前記電気コイルの通電を終了する、電気モ−タ
の通電制御方法において:前記電気モ−タの回転速度を
入力して、該回転速度に応じて前記第2の状態を修正
し、前記回転速度が所定のしきい値を越える場合には、
前記回転速度が小さくなるに従って、前記第2の状態の
修正量を増加し、前記回転速度が前記しきい値以下の場
合には、前記回転速度が大きくなるに従って、前記第2
の状態の修正量を増加し、前記修正量の増大に伴なって
前記電気コイルの実際の通電時間を短くする。
【0008】
【発明の実施の形態】また請求項2では、電気モ−タの
回転方向に関する固定子と回転子との相対位置を検出
し、検出した前記相対位置が第1の状態にある時に前記
電気モ−タを駆動する電気コイルの通電を開始し、前記
相対位置が第2の状態にある時に前記電気コイルの通電
を終了する、電気モ−タの通電制御方法において:前記
電気モ−タの回転速度と必要トルクとを入力して、それ
らに応じて前記第2の状態を修正し、前記回転速度が所
定のしきい値を越える場合には、前記回転速度が小さく
なるに従って、および/又は前記必要トルクが小さくな
るに従って、前記第2の状態の修正量を増加し、前記回
転速度が前記しきい値以下の場合には、前記回転速度が
大きくなるに従って、および/又は前記必要トルクが小
さくなるに従って、前記第2の状態の修正量を増加し、
前記修正量の増大に伴なって前記電気コイルの実際の通
電時間を短くする。
【0009】また、請求項3では、前記第2の状態の修
正量の増加に伴なって、前記電気モ−タの駆動トルクの
不足が予想される場合には、前記第2の状態の修正量の
増加に伴なって、前記電気コイルに流す電流を増やすよ
うに制御する。
【0010】また請求項4では、複数の回転速度および
複数の必要トルクのそれぞれに対応付けられた修正後の
複数の第2の状態が予め保持されたメモリの内容を、入
力した前記電気モ−タの回転速度と必要トルクに応じて
選択的に読み込み、読み込んだ修正後の第2の状態に応
じて、前記電気コイルの通電を終了する、ように制御す
る。
【0011】図18に示すSRモ−タを制御する場合を
例にして説明する。回転子Rは8個の歯(Ra〜Rh)
を有しているので、それが45度回転する毎に、固定子
Sの歯と回転子Rの歯との位置関係は回転前と同じにな
る。従って、回転子Rを45度回転する動作が制御の1
周期(即ち、電気角度の360度)になり、その制御の
繰り返しによって、回転子Rを連続的に回転させること
ができる。実際には、固定子Sの歯Sa,Sd,Sg,
Sjに巻回された4個の電気コイルCを第1相(PH
1)、固定子Sの歯Sb,Se,Sh,Skに巻回され
た4個の電気コイルCを第2相(PH2)、固定子Sの
歯Sc,Sf,Si,Slに巻回された4個の電気コイ
ルCを第3相(PH3)にそれぞれ区分し、固定子Sと
回転子Rの各歯の相対位置に応じて、前記3相の電気コ
イルに3相の直流電源から順次に電流を供給すると、回
転子Rを回転させることができる。
【0012】例えば、固定子Sと回転子Rの各歯の相対
位置が、第18図の状態である場合に、第3相の電気コ
イルに通電し、第1相及び第2相の電気コイルを非通電
にすれば、歯Sc,Sf,Si及びSlのみが電磁石に
なり、これらの歯はそれぞれ回転子の歯Rh,Rf,R
d及びRbを吸引するので、回転子Rが時計回りに回転
する。実際には、回転子(ロ−タ)Rの回転角度に応じ
て、図17に示すように各相の電気コイルに通電すれば
よい。なお図17では、図18に示す状態を電気角度お
よび回転角度の0度に定めた。
【0013】SRモ−タを駆動する場合の各電気コイル
の通電タイミングを決定する場合には、基本的に、次の
点が重視される。回転子の吸引しようとする歯の位置
が、電磁石となる固定子の歯と対向しはじめる位置に達
した時に充分な電流を流すことのできる時に通電を開始
する。そして、目的とする駆動方向に対して逆方向のト
ルクが働き始める前に通電を終了する。また実際には、
通電を開始してから電流値が所定値に達するまでの立上
り所要時間や、通電を終了してから電流値が充分に減衰
するまでの立下り所要時間も考慮される。一般的には、
3相の電源で連続的な駆動力を均等に発生する必要があ
るので、電気角度の120度に相当する期間に各相の電
気コイルに所定の電流を流す必要がある。
【0014】従って基本的には、図17の上側に示すよ
うなタイミングで、各相の電気コイルに通電することに
なる。例えば図18に示す状態(電気角度:0度)を基
準にして、時計回りに回転子を回転させる場合、図20
に示すように電気角度の約230度回転した時に、固定
子の歯Saに回転子の歯Rbが近づくので、その時に歯
Saに巻回した電気コイルに(第1相の)電流を流す必
要があり、電流の立上り時間を考慮すれば、電気角度の
200度程度のタイミングで通電を開始するのが一般的
である。また、電気角度の360度(回転角度:45
度)回転して、図18と相似な状態に戻ると、それ以降
は、回転に伴って固定子の歯Saから回転子の図18に
示す歯Raの位置にある歯が離れるので、両者の間の吸
引力は回転に対して制動をかける方向に働く。従って、
電気角度の360度で電流値を充分に小さくするため
に、立下り所要時間を考慮して、電気角度の320度程
度のタイミングで通電を終了するのが一般的である。第
2相及び第3相についても同様にして決定できる。
【0015】しかしながら、例えばある種のSRモ−タ
においては、一般的な制御を実施した場合には、100
0[rpm]程度の回転速度において非常に大きな騒音
が発生することが確かめられている。この騒音を抑制す
るのは重要な課題である。また、比較的高い回転速度に
おいては、騒音は小さくなる。
【0016】本発明者の様々な実験の結果、通電終了の
タイミングを調整すれば、騒音を効果的に抑制しうるこ
とが見い出された。例えば、図17に示す上側の例で
は、第1相の通電終了を電気角度の320度に定めてあ
るが、このタイミングを早めて例えば図17の下側に示
すように電気角度の280度で通電を終了するように変
更すると、騒音が小さくなる。しかしながら、通電開始
タイミングを固定して、通電終了タイミングを早くする
と、実際の通電期間が短くなるので、得られる駆動トル
クが小さくなり、モ−タを高速で回転させたい場合や大
きなトルクを必要とする場合には問題が生じる。また、
各相の通電期間を短くすると、各相の通電期間の間に非
通電の期間が生じることになるため、発生するトルクが
間欠的になり、例えば500[rpm]程度の極低速で
駆動する場合には、トルクリップルの発生が大きな問題
になる。
【0017】本発明の請求項1においては、電気モ−タ
の回転速度を入力して、該回転速度に応じて通電を終了
するタイミングを決定する第2の状態を修正する。そし
て、前記回転速度が所定のしきい値(例えば1000r
pm)を越える場合には、前記回転速度が小さくなるに
従って、前記第2の状態の修正量(早め角度)を増加
し、前記回転速度が前記しきい値以下の場合には、前記
回転速度が大きくなるに従って、前記第2の状態の修正
量を増加し、前記修正量の増大に伴なって前記電気コイ
ルの実際の通電時間を短くする。
【0018】これによれば、しきい値近傍の回転速度に
おいては、基準状態(例えば図17の上側のタイミン
グ)に比べて通電終了のタイミングを大幅に早めること
ができるので、騒音の発生を抑制することができる。し
きい値以下の回転速度では、回転速度が小さくなるに従
って修正量を小さくするので、非通電の期間が短くな
り、顕著なトルクリップルが生じるのを防止しうる。ま
た、しきい値を越える回転速度では、回転速度が大きく
なるに従って修正量を小さくするので、実際の通電期間
が充分長くなり、高速回転する場合でも、それに必要な
駆動トルクを得ることができる。
【0019】また本発明の請求項2においては、電気モ
−タの回転速度と必要トルクとを入力して、それらに応
じて通電を終了する第2の状態を修正し、前記回転速度
が所定のしきい値(例えば1000rpm)を越える場
合には、前記回転速度が小さくなるに従って、および/
又は前記必要トルクが小さくなるに従って、前記第2の
状態の修正量を増加し、前記回転速度が前記しきい値以
下の場合には、前記回転速度が大きくなるに従って、お
よび/又は前記必要トルクが小さくなるに従って、前記
第2の状態の修正量を増加し、前記修正量の増大に伴な
って前記電気コイルの実際の通電時間を短くする。
【0020】これによれば、しきい値近傍の回転速度に
おいては、基準状態(例えば図17の上側のタイミン
グ)に比べて通電終了のタイミングを大幅に早めること
ができるので、騒音の発生を抑制することができる。し
きい値以下の回転速度では、回転速度が小さくなるに従
って修正量を小さくするので、非通電の期間が短くな
り、顕著なトルクリップルが生じるのを防止しうる。ま
た、しきい値を越える回転速度では、回転速度が大きく
なるに従って修正量を小さくするので、実際の通電期間
が充分長くなり、高速回転する場合でも、それに必要な
駆動トルクを得ることができる。更に、必要トルクが増
大するに従って、修正量を小さくするので、それによっ
て実際の通電期間が充分長くなり、必要な駆動トルクを
得ることができる。
【0021】請求項3においては、前記第2の状態の修
正量の増加に伴なって、前記電気モ−タの駆動トルクの
不足が予想される場合には、前記第2の状態の修正量の
増加に伴なって、前記電気コイルに流す電流を増やす。
第2の状態の修正量を増加すると、それに伴なって実際
の通電期間が短くなるので、発生する駆動トルクは減少
する。しかし、電流値を増やせば、駆動トルクの減少分
を補償することができる。例えば、回転速度が前記しき
い値よりも低い領域では、回転速度の増大に伴なって修
正量を増やすので通電時間が短くなるが、それと同時に
電流を増やせば、駆動トルクの不足を補うことができ
る。
【0022】請求項4においては、様々な回転速度およ
び様々な必要トルクのそれぞれに対応付けられた修正後
の複数の第2の状態を予めメモリに保持しておき、入力
した前記電気モ−タの回転速度と必要トルクに応じて、
前記メモリの内容を、選択的に読み込み、読み込んだ修
正後の第2の状態に応じて、前記電気コイルの通電を終
了するように制御する。これによれば、複雑な計算が不
要であり、簡単な処理だけで最適な通電終了タイミング
を決定することができる。
【0023】
【実施例】実施例の装置の構成を図1に示す。図1に示
す装置は、電気自動車の駆動ユニットの主要部分を構成
している。この例では、駆動源として1個のSRモ−タ
1が備わっており、このSRモ−タ1はコントロ−ラE
CUによって制御される。コントロ−ラECUは、シフ
トレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,及び
アクセル開度センサから入力される情報に基づいて、S
Rモ−タ1の駆動を制御する。電源はバッテリ−から供
給される。
【0024】SRモ−タ1の基本的な構成を図18に示
す。図18に示すSRモ−タ1は、固定子Sとその内空
間に回動自在に支持された回転子Rとで構成されてい
る。回転子Rは、多数枚の薄い鉄板を積層して構成して
あり、外周の互いに45度ずつずれた位置に、外側に向
かって突出した8つの極部Ra〜Rhが形成されてい
る。固定子Sも多数枚の薄い鉄板を積層して構成してあ
り、内周の互いに30度ずつずれた位置に、内側に向か
って突出した12個の極部Sa〜Slが形成されてい
る。固定子Sの極部Sa〜Slには、電気コイルCがそ
れぞれ巻回されている。極部Sa,Sd,Sg,Sjに
巻回された電気コイルCが図1に示す1相コイル1a、
極部Sb,Se,Sh,Skに巻回された電気コイルC
が図1に示す2相コイル1b、極部Sc,Sf,Si,
Slに巻回された電気コイルCが図1に示す3相コイル
1cにそれぞれ相当する。
【0025】回転子Rの極の位置に応じて、図17に示
すPH1電流波形,PH2電流波形,及びPH3電流波
形のような電流を1相コイル1a,2相コイル1b,及
び3相コイル1cにそれぞれ流すことによって、図17
における時計回りに、連続的に回転子Rを回転駆動する
ことができる。即ち、固定子Sの通電した極部が電磁石
を構成するので、その電磁石に近い位置にある回転子R
の極部が電磁石に吸引されて回転移動する。回転を継続
するためには、回転子Rの回転移動に伴なってコイルの
通電を切換える必要がある。実際には、このSRモ−タ
1の場合、一般的には回転子Rが15度回転する毎に、
通電するコイルを第1相−第2相−第3相と切換えれば
よい。
【0026】再び図1を参照して説明を続ける。SRモ
−タ1には、それを駆動するための3相のコイル1a,
1b,1cと、回転子Rの回転位置(角度)を検出する
角度センサ1dが備わっている。3相のコイル1a,1
b及び1cは、それぞれ、コントロ−ラECU内部のド
ライバ18,19及び1Aと接続されており、コイル1
aとドライバ18とを接続する信号線,コイル1bとド
ライバ19とを接続する信号線,及びコイル1cとドラ
イバ1Aとを接続する信号線には、それぞれ、電流セン
サ2,3及び4が設置されている。これらの電流センサ
2,3及び4は、それぞれ、コイル1a,1b及び1c
に実際に流れる電流に比例する電圧を電流信号S6とし
て出力する。この実施例においては、角度センサ1dと
して、多摩川精機製のTS2028N94E21を使用
している。この角度センサ1dは、図7に示すように、
0〜360度の角度の絶対値を示す11ビットの2値信
号を出力する。検出角度の最小分解能は0.35度であ
る。
【0027】コントロ−ラECUの内部には、CPU
(マイクロコンピュ−タ)11,入力インタ−フェ−ス
12,電流マップメモリ13a,PWMマップメモリ1
3b,波形マップメモリ13c,電源回路14,電流波
形生成回路15,加算回路16,方向検出回路5,D/
A変換器6,比較回路7,出力判定回路17,ドライバ
18,19及び1Aが備わっている。このコントロ−ラ
ECUは、シフトレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセル
スイッチ,及びアクセル開度センサから入力される情報
に基づいて、SRモ−タ1の駆動速度及び必要トルクを
逐次計算し、その計算の結果に基づいて、SRモ−タ1
のコイル1a,1b及び1cの各々に流す電流を制御す
る。
【0028】図1の回路の一部分の具体的な構成を図2
に示す。図2は、SRモ−タ1のコイル1aの通電を制
御する回路のみを示しており、実際には他のコイル1b
及び1cの通電を制御する同様の回路がそれぞれ含まれ
ている。
【0029】図2を参照すると、コイル1aの一端は、
スイッチングトランジスタ(IGBT)18aを介して
電源の高電位ライン18eと接続され、コイル1aの他
端は、スイッチングトランジスタ(IGBT)18bを
介して電源の低電位ライン18fと接続されている。ま
た、トランジスタ18aのエミッタと低電位ライン18
fとの間にはダイオ−ド18cが接続され、トランジス
タ18dのエミッタと高電位ライン18eとの間にはダ
イオ−ド18dが接続されている。従って、トランジス
タ18a及び18bの両方をオン(導通状態)にすれ
ば、電源ライン18e,18fとコイル1aとの間に電
流が流れ、いずれか一方、又は両方をオフ(非導通状
態)にすれば、コイル1aの通電を停止することができ
る。
【0030】出力判定回路17には、2つのアンドゲ−
ト17a,17bとタイミング制御回路17cが備わっ
ている。アンドゲ−ト17aの出力端子はトランジスタ
18bのゲ−ト端子と接続されており、アンドゲ−ト1
7bの出力端子は、タイミング制御回路17cの入力に
接続されている。タイミング制御回路17cの出力が、
トランジスタ18aのゲ−ト端子と接続されている。ア
ンドゲ−ト17aの入力端子には信号S10とS5が入
力され、アンドゲ−ト17bの入力端子には、信号S7
1及びS5が入力される。信号S71は、比較回路7の
アナログ比較器7aが出力する2値信号である。また信
号S5は、電流波形生成回路15が出力する2値信号
(オン/オフ信号)である。
【0031】アナログ比較器7aの一方の入力端子に
は、電流波形生成回路15が出力する基準電流値S4に
振動補償値及び加速度補償値を加算回路16で加算した
結果を、D/A変換器6で変換したアナログ電圧Vr2
が印加され、他方の入力端子には、電流センサ2が検出
した電流に対応する信号S6の電圧(Vs6)が印加さ
れる。アナログ比較器7aは、電圧Vr2とVs6とを
比較した結果を2値信号S71として出力する。
【0032】信号S5が高レベルH(通電オン)の時に
は、アナログ比較器7aが出力する2値信号S71に基
づいて、トランジスタ18aのオン/オフが制御され
る。但し、2値信号S71のオン/オフとトランジスタ
18aのオン/オフとの関係は1対1ではなく、タイミ
ング制御回路17cによってタイミングが調整される。
これについては後で詳細に説明する。また信号S5が高
レベルH(通電オン)の時には、ドライバ18のトラン
ジスタ18bは、アンドゲ−ト17aに入力される2値
信号S10に応じてオン/オフする。この2値信号S1
0は、CPU11の内部で生成される信号であり、信号
の周期は一定(15KHz)、デュ−ティは可変になっ
ている。また、信号S10のデュ−ティは、CPU11
の処理によって必要に応じて変更される。実際には、C
PU11は、その時のモ−タの回転数(rpm)と必要
な駆動トルクに基づいて、オンデュ−ティ値をそれに接
続されたPWMマップメモリ13bに保持されたテ−ブ
ル(図13参照)の参照により得て、この値のデュ−テ
ィを有する信号S10を出力する。
【0033】つまりこの実施例では、トランジスタ18
a及び18bが、それぞれ互いに独立した制御信号S8
1及びS82によって、独立にオン/オフ制御されるの
で、ドライバ18の通電制御状態としては、トランジス
タ18a,18bが共にオンする状態と、共にオフする
状態と、一方がオンして他方がオフする状態との3状態
が存在する。
【0034】例えば通電を開始する時に、トランジスタ
18bがオンであると仮定すると、電流の基準レベルV
r2を0からIrefに切換えると、Vr2>Vs6に
なるため、まずトランジスタ18aがオン状態になり、
負荷に流れる電流は、0から駆動回路及び負荷の特性
(時定数)によって定まる傾きで徐々に上昇する。そし
て、負荷に流れる電流がIrefに達した後、トランジ
スタ18aがオフ→オン→オフ→オン→・・・を繰り返
し、電流の最大値がIrefとほぼ等しくなるように制
御される。また、通電を終了する時に、基準電流値をI
refから0に切換えると、Vr2<Vs6になるた
め、トランジスタ18aがオフ状態になり、負荷に流れ
る電流は、駆動回路及び負荷の特性(時定数)によって
定まる傾きで徐々に下降して0になる。
【0035】しかし実際には、トランジスタ18bに印
加される制御信号S82はパルス信号であるため、通電
開始時の立上り期間中でも、トランジスタ18bがオフ
状態の期間が存在し、これの影響を受けて、負荷電流の
立上りカ−ブは変化する。即ち、トランジスタ18bに
印加される制御信号S82のデュ−ティに応じて、図1
2に示すように、負荷電流の立上りカ−ブが変化する。
また、通電終了時の立下り期間中でも、トランジスタ1
8bがオフ状態の期間とトランジスタ18bがオン状態
の期間とが存在し、それらの比率に応じて、負荷電流の
立下りカ−ブが変化する。
【0036】図23及び図24を参照して説明する。図
23に示すように、スイッチング手段18a,18bを
共にオンして負荷1aに電流が流れている状態から、両
方のスイッチング手段18a,18bをオフに切換える
と、負荷1aに蓄えられたエネルギ−によって流れる電
流は、ダイオ−ドD1,D2を通って、電源の低電位ラ
インから高電位ラインに向かって流れる。この時には、
負荷1aの端子間の電位差が大きいため、エネルギ−の
放出が速く、電流の減衰速度が速い。つまり、過渡電流
カ−ブの立下りの傾きが大きい。
【0037】一方、図24に示すように、スイッチング
手段18a,18bを共にオンして負荷1aに電流が流
れている状態から、一方のスイッチング手段18aだけ
をオフに切換えると、他方のスイッチング手段18bが
オンのままであるため、負荷1aに蓄えられたエネルギ
−によって流れる電流は、ダイオ−ドD1,負荷1a,
スイッチング手段18bの閉ル−プを通る。そしてこの
時には、負荷1aの端子間の電位差が小さくなるため、
エネルギ−の放出は緩やかであり、電流の減衰速度も遅
い。つまり、過渡電流カ−ブの立下りの傾きが小さい。
【0038】即ち、トランジスタ18bに印加される制
御信号S82のデュ−ティの調整によって、負荷電流の
立上り時の波形、ならびに立下り時の波形を制御するこ
とができる。
【0039】また、比較器7aの出力する2値信号S7
1によりチョッピング制御を実施する場合、負荷電流の
立下り速度が比較的速いと、図23に示すように電流の
変動幅(振幅)が大きく、電流の立下り速度が比較的遅
いと、図24に示すように電流の変動幅が小さくなる。
電流の変動幅を小さくすることにより、SRモ−タの場
合、回転時に生じる振動及び騒音を大幅に低減しうる。
【0040】しかしながら、電流の立下り速度が遅い
と、チョッピング制御における目標値(基準レベル)を
変化させた場合に、目標値に対する電流の追従遅れが生
じ易い。モ−タに流す電流のレベルは、駆動トルクの変
更などに伴なって変える必要がある。特にSRモ−タを
駆動する場合には、回転子の極の位置に応じて、各コイ
ルの通電/非通電を切換える必要があり、目標値に対す
る電流の追従遅れが生じると、特に高速回転の場合に回
転トルクの低下が著しくなる。
【0041】この実施例においては、モ−タの回転数
(rpm)と必要な駆動トルクに基づいて、信号S10
のデュ−ティを自動的に調整するので、回転数が高い、
あるいは大きな駆動トルクを必要とする時には、通電の
立上りが速くなり、目標値の変化に対する電流の追従遅
れが防止される。また、回転数が低い、あるいは大きな
駆動トルクを必要としない時には、負荷電流の立上り,
立下り等の変化速度が遅いため、振動及び騒音の発生が
抑制される。電流の基準レベル(Vr2)の波形を短い
期間で細かく調整するのは困難であるが、信号S10の
デュ−ティの調整は容易である。
【0042】ところで、比較器7aの比較結果に従っ
て、トランジスタ18aは通常、短い周期でオン/オフ
を繰り返すが、仮に比較器7aが出力する信号S71を
そのままトランジスタ18aに印加すると、トランジス
タ18aのオン/オフ周期は、その通電回路の特性,モ
−タのコイルのインピ−ダンスなどによって定まり、温
度,湿度等の環境変化の影響も受ける。その場合、トラ
ンジスタ18aのオン/オフ周波数が異常に高くなる場
合もある。しかし、通電をオン/オフする周波数が高く
なると、それに伴なって、トランジスタ18aにおける
損失が増大し、発熱量も増大する。また逆に、通電をオ
ン/オフする周波数が人間の可聴周波数の上限よりも低
い場合、電流のスイッチングによって生じる機械振動
が、ノイズとして人間に聞こえることになる。従って、
トランジスタ18aのオン/オフ周波数を、一般的な人
間の可聴周波数の上限より僅かに高い周波数(例えば1
5KHz)になるように制御するのが望ましい。
【0043】トランジスタ18aのオン/オフ周波数を
制御するために、この実施例の装置を試作する前に、図
11に(a)として示す制御を実施した。この制御につ
いて説明する。即ち、周期が一定の同期信号を用いて、
その周期毎に生じるタイミングt1,t2,t3,・・
・を生成し、トランジスタ18aに印加する信号S81
xを、Vr2<Vs6になる毎にオフレベルに切換え、
タイミングt1,t2,t3,・・・の各々において、
Vr2>Vs6であれば、その時に信号S81xをオン
レベルに切換えるが、Vr2≦Vs6なら信号S81x
をオフレベルに維持する。
【0044】ところが、この制御(図11の(a))で
は、同期信号のタイミング(t4)の直前でVr2<V
s6になると、その直後の同期信号のタイミング(t
4)で、Vr2<Vs6であるため、信号S81xはオ
フレベルに維持される。その結果、信号S81xのオン
/オフが切換らない期間が長くなり、トランジスタ18
aのオン/オフ周波数が人間の可聴周波数の上限より低
くなる時があった。
【0045】そこでこの実施例では、更に改良されたタ
イミング制御回路17cを用いて、図11に(b)とし
て示すように制御している。この制御を図11の(b)
を参照して説明する。周期が一定の同期信号を用いて、
その周期毎に生じるタイミングt1,t2,t3,・・
・を生成する。信号FEは、Vs6>Vr2になった時
に高レベルH(オン不可)に切換え、同期信号の各タイ
ミングt1,t2,t3,・・・でそれぞれ低レベルL
(オン可)に切換える。そして、信号S81をオフに切
換える条件は、Vs6>Vr2になった時であり、信号
S81をオンに切換える条件は、信号FEがオン可で、
かつVs6≦Vr2になった時である。この制御によれ
ば、同期信号のタイミング(t4)の直前でVr2<V
s6になり、その直後の同期信号のタイミング(t4)
で、Vr2<Vs6であっても、信号FEがオン可に切
換わった後でVs6>Vr2になれば、その時に信号S
81がオンに切換るため、信号S81のオン/オフ周期
は、同期信号の周期(基準チョッピング周期)とほぼ同
一になり、周波数の変化はあまり生じない。このため、
同期信号の周波数を人間の可聴周波数の上限より僅かに
高く設定することにより、可聴周波数のノイズの発生を
防止し、しかも大きな発熱の発生も防止しうる。
【0046】実際のタイミング制御回路17cの構成を
図3に示し、回路中の各部の信号波形の例を図10に示
す。この実施例では、同期信号CLK15Kとして、周
波数が15KHzのパルス信号を用いている。図3に示
す回路は、ゲ−ト回路171,174,177,178
及び179と、D型のフリップフロップ172,17
3,176及び17Aと、インバ−タ175を備えてい
る。図10に示すように、信号FEは、入力信号S71
がVs6>Vr2の条件になると、「オン不可」に切換
り、15KHzの同期信号CLK15Kの立上りのタイ
ミングで「オン可」に切換る。そして信号S81は、入
力信号S71がVs6>Vr2の条件になると、オフに
切換り、信号FEの「オン不可」が解除された後で、入
力信号S71がVs6<Vr2になると、オンに切換
る。従って、タイミング制御回路17cを用いることに
より、図11に(b)として示す制御が実現する。
【0047】ところで、例えばモ−タ1の回転加速度を
目標加速度に正確に追従させるために、加速度のフィ−
ドバック制御を実施するのが望ましい。この実施例にお
いては、比較器7aに入力する電流の基準レベルVr2
を制御することにより、モ−タ1の電流値を制御してい
るが、電流の微妙な波形の制御をも可能にするために、
モ−タ1の微小回転角度(0.7度)毎に、独立した電
流値が基準レベルVr2に割り当てられる。このため、
例えば回転数(rpm)や必要トルクの変更に伴なっ
て、モ−タ1の付勢量を調整する場合には、各相のコイ
ルの全角度の電流値をそれぞれ計算して、それらの値を
メモリに更新登録しなければならない。即ち、制御量の
更新に非常に時間がかかるため、制御系の応答が非常に
遅い。このような多数の電流値を調整する制御系(電流
波形生成回路15)に、加速度フィ−ドバック制御を含
めると、加速度変化に対する速い応答は期待できない。
【0048】そこでこの実施例においては、電流波形の
生成とは別の独立した制御系として、加速度フィ−ドバ
ック制御を実施している。即ち、図2に示すように、加
速度フィ−ドバック制御によって生成される加速度補償
値は、加算回路16によって、電流波形生成回路15の
出力信号S4に加算される。従って、この加速度フィ−
ドバック制御系には、格別に時間のかかる処理が含まれ
ないため、加速度制御系の応答速度は速い。
【0049】加算回路16においては、加速度補償値の
他に、振動補償値が加算される。この振動補償値は、モ
−タ1の回転方向の微小振動を抑制するための補償値で
ある。本発明者の実験によれば、SRモ−タ1を一定の
方向に回転駆動している間に、その回転子は、一時的に
駆動方向とは逆の方向に回転(振動)する場合があるこ
とが確かめられている。このような逆転による振動を抑
制すれば、SRモ−タ1がより滑らかに駆動され、騒音
も確実に低減される。
【0050】そこでこの実施例においては、駆動中の回
転方向の逆転を検出し、その逆転を抑制するような振動
補償値を生成し、それを加算回路16に入力して電流値
を補償している。この振動補償制御系においても、電流
波形の生成とは別の独立した制御系であるため、速い変
化(振動)に対して充分に追従しうる。
【0051】実際には、図7に示す方向検出回路5を用
いて、角度センサ1dが出力する信号の下位2ビットに
基づいて、SRモ−タ1の回転子の回転方向CW/CC
W(前進方向/後退方向)を検出している。図7を参照
すると、方向検出回路5は、D型のフリップフロップ5
1,52及び58とゲ−ト回路53,54,55,56
及び57で構成されている。この方向検出回路5の各部
の信号波形の例を図8に示すので参照されたい。角度セ
ンサ1dと方向検出回路5を用いることにより、微妙な
逆転をも検出することができる。
【0052】図1に示すCPU11の動作の概略を図1
4に示す。図14を参照してCPU11の動作を説明す
る。電源がオンすると、ステップ61で初期化を実行す
る。即ち、CPU11の内部メモリの初期化および内部
タイマ,割込等のモ−ドセットを実施した後、システム
の診断を実施し、異常がなければ次の処理に進む。
【0053】ステップ62では、シフトレバ−,ブレ−
キスイッチ,アクセルスイッチ,アクセル開度センサの
それぞれが出力する信号の状態を読取る。ステップ62
で検出した状態に何らかの変化があった場合には、ステ
ップ63からステップ64に進む。変化がない時には、
ステップ63からステップ65に進む。
【0054】ステップ64では、ステップ62で検出し
た各種状態に基づいて、SRモ−タ1の駆動トルクの目
標値ならびに加速度の目標値を決定する。例えば、アク
セル開度センサによって検出されたアクセル開度が増大
した時には、駆動トルク及び加速度の目標値も増大す
る。また、ここで目標トルクの変化を示すトルク変更フ
ラグをセットする。
【0055】ステップ65では、検出された現在のSR
モ−タ1の回転速度を入力する。なお回転速度は、後述
する割込処理によって検出される。そして、SRモ−タ
1の回転速度に変化がある時には、ステップ66からス
テップ68に進み、回転速度に変化がなければステップ
67に進む。ステップ67では、トルク変更フラグの状
態を調べ、フラグがセットされている時、即ち目標トル
クの変化がある時には、ステップ68に進み、トルクに
変化がない時にはステップ62に戻る。
【0056】ステップ68では、PWMマップメモリ1
3bを参照してデ−タを入力し、CPU11が出力して
いるパルス信号(PWM信号)S10のデュ−ティを変
更する。このパルス信号S10は、モ−タ1の駆動中は
常時出力されており、その周期は15KHzに固定され
ているが、デュ−ティはその時の状態に応じて変更され
る。
【0057】即ち、PWMマップメモリ13bは、予め
様々なデ−タを登録した読み出し専用メモリ(ROM)
で構成してあり、図13に示すように、様々なトルクと
様々な回転数(モ−タの回転速度)のそれぞれに対応付
けられた多数のデ−タPnm(n:トルクに対応する列
の数値,m:回転数に対応する行の数値)が保持されて
いる。例えば、デ−タP34には、オンデュ−ティの9
5%を示す数値が保持されているので、例えば、必要ト
ルクが20[N・m]で回転数が500[rpm]の時
には、CPU11は、デ−タP34の内容を参照して、
信号S10のオン時間が95%になるようにそのデュ−
ティを更新する。
【0058】次のステップ69では、電流マップメモリ
13a及び波形マップメモリ13cから、それぞれデ−
タを入力する。この実施例では、電流マップメモリ13
a及び波形マップメモリ13cは、予め様々なデ−タを
登録した読み出し専用メモリ(ROM)で構成してあ
り、電流マップメモリ13aには図22に示すようなデ
−タが保持され、波形マップメモリ13cには図21に
示すようなデ−タが保持されている。
【0059】電流マップメモリ13aには、様々な目標
トルクと様々な回転数(モ−タの回転速度)のそれぞれ
に対応付けられた多数のデ−タCnm(n:トルクに対
応する列の数値,m:回転数に対応する行の数値)が保
持されており、デ−タCnmの1組には、通電オン角
度,通電オフ角度,電流上限値及び波形パタ−ン番号が
含まれている。例えば、トルクが20[N・m]で回転
数が500[rpm]の時のデ−タC34の内容は、2
5度,35度,200[A]及び波形パタ−ン番号1で
ある。このデ−タC34は、0〜45度の回転位置の範
囲内における通電情報を示しており、25〜35度の範
囲においては、電流の上限値が200Aの予め定めた3
番の波形パタ−ンの電流を流し、0〜25度の範囲及び
35〜45度の範囲では電流を遮断することを意味して
いる。ステップ69では、その時のトルクと回転数に応
じて選択した、Cmnの1組のデ−タを入力する。
【0060】従って、トルク毎に、及び回転数毎に、予
め独立した通電オン角度,通電オフ角度,電流上限値及
び波形パタ−ンを与えることができる。しかしこの実施
例では、実際の通電オン角度はトルク及び回転数とは無
関係に一定の値であり、通電オフ角度及び電流上限値は
トルクと回転数に応じて修正される。トルクと回転数に
応じた通電オフ角度の修正量(早め角度:電気角度)の
変化を図19に示す。図19に示す修正量は、基準状態
の通電オフ角度に対する変化分である。基準状態の通電
オフ角度は固定値であり、それに図19に示す各修正量
を加えた通電オフ角度が、それぞれ予め計算により求め
られ、電流マップメモリ13a上に各デ−タCmnとし
て登録されている。
【0061】実際には、通電オン角度及び通電オフ角度
は、予め次のようにして決定される。図18に示すSR
モ−タを制御する場合を例にして説明する。回転子Rは
8個の歯(Ra〜Rh)を有しているので、それが45
度回転する毎に、固定子Sの歯と回転子Rの歯との位置
関係は回転前と同じになる。従って、回転子Rを45度
回転する動作が制御の1周期(即ち、電気角度の360
度)になり、その制御の繰り返しによって、回転子Rを
連続的に回転させることができる。実際には、固定子S
の歯Sa,Sd,Sg,Sjに巻回された4個の電気コ
イルCを第1相(PH1)、固定子Sの歯Sb,Se,
Sh,Skに巻回された4個の電気コイルCを第2相
(PH2)、固定子Sの歯Sc,Sf,Si,Slに巻
回された4個の電気コイルCを第3相(PH3)にそれ
ぞれ区分し、固定子Sと回転子Rの各歯の相対位置に応
じて、前記3相の電気コイルに3相の直流電源から順次
に電流を供給すると、回転子Rを回転させることができ
る。
【0062】例えば、固定子Sと回転子Rの各歯の相対
位置が、第18図の状態である場合に、第3相の電気コ
イルに通電し、第1相及び第2相の電気コイルを非通電
にすれば、歯Sc,Sf,Si及びSlのみが電磁石に
なり、これらの歯はそれぞれ回転子の歯Rh,Rf,R
d及びRbを吸引するので、回転子Rが時計回りに回転
する。実際には、回転子(ロ−タ)Rの回転角度に応じ
て、図17に示すように各相の電気コイルに通電すれば
よい。なお図17では、図18に示す状態を電気角度お
よび回転角度の0度に定めた。
【0063】SRモ−タを駆動する場合の各電気コイル
の通電タイミングを決定する場合には、基本的に、次の
点が重視される。回転子の吸引しようとする歯の位置
が、電磁石となる固定子の歯と対向しはじめる位置に達
した時に充分な電流を流すことのできるようにそれより
前に通電を開始する。そして、目的とする駆動方向に対
して逆方向のトルクが働き始める前に通電を終了する。
実際には、通電を開始してから電流値が所定値に達する
までの立上り所要時間や、通電を終了してから電流値が
充分に減衰するまでの立下り所要時間も考慮される。ま
た一般的に、3相の電源で連続的な駆動力を均等に発生
する必要があるので、電気角度の120度に相当する期
間に各相の電気コイルに所定の電流を流す必要がある。
【0064】従って基本的には、図17の上側に示すよ
うなタイミングで、各相の電気コイルに通電することに
なる。例えば図18に示す状態(電気角度:0度)を基
準にして、時計回りに回転子を回転させる場合、図20
に示すように電気角度の約230度回転した時に、固定
子の歯Saに回転子の歯Rbが近づくので、その時に歯
Saに巻回した電気コイルに(第1相の)電流を流す必
要があり、電流の立上り時間を考慮すれば、電気角度の
200度程度のタイミングで通電を開始するのが一般的
である。また、電気角度の360度(回転角度:45
度)回転して、図18と相似な状態に戻ると、それ以降
は、回転に伴って固定子の歯Saから回転子の図18に
示す歯Raの位置にある歯が離れるので、両者の間の吸
引力は回転に対して制動をかける方向に働く。従って、
電気角度の360度で電流値を充分に小さくするため
に、立下り所要時間を考慮して、電気角度の320度程
度のタイミングで通電を終了するのが一般的である。第
2相及び第3相についても同様にして決定できる。即ち
この例では、基準状態の通電オン角度が200度、基準
状態の通電オフ角度が320度になる。
【0065】しかしながら、例えばある種のSRモ−タ
においては、一般的な制御を実施した場合には、100
0[rpm]程度の回転速度において非常に大きな騒音
が発生することが確かめられている。この騒音を抑制す
るのは重要な課題である。また、比較的高い回転速度に
おいては、騒音は小さくなる。
【0066】本発明者の様々な実験の結果、通電終了の
タイミングを基準状態に比べて早めるように調整する
と、騒音が低減されることが分かった。例えば、図17
に示す上側の例では、第1相の通電終了を電気角度の3
20度に定めてあるが、このタイミングを早めて例えば
図17の下側に示すように電気角度の280度で通電を
終了するように変更すると、騒音は小さくなる。しかし
ながら、通電開始タイミングを固定して、通電終了タイ
ミングを早くすると、実際の通電期間が短くなるので、
得られる駆動トルクが小さくなり、モ−タを高速で回転
させたい場合や大きなトルクを必要とする場合には問題
が生じる。また、各相の通電期間を短くすると、各相の
通電期間の間に非通電の期間が生じることになるため、
発生するトルクが間欠的になり、例えば500[rp
m]程度の極低速で駆動する場合には、トルクリップル
の発生が大きな問題になる。
【0067】そこでこの実施例においては、次のように
して、通電オフ角度の修正量(早め角度:電気角度)を
決定している。まず、トルクリップルの増加を防ぐ為
に、修正量を調整したい回転数範囲をきめ、その最大値
をしきい回転数としておく。しきい回転数より高回転の
領域では、トルクと回転数に応じて、角度修正量を与え
る。基準となる修正量として、次の3点A〜Cの修正量
を算出する。これら3点A〜Cを図28に示す: ・しきい回転数(Rbase)の最底出力時の最大可能修正
量(A), ・最高回転時(Rmax)の最底出力時の最大可能修正量
(B)、および、 ・最大出力時(Rt,Tmax)の最大可能修正量(C)。
【0068】これらの値を基に各ポイントでの修正量を
補間する。回転数に関して、比例係数を、 Kr=(A−C)/(Rmax−Rbase) とする。これを基にしきい回転数最大トルク時の修正量
B’を算出すると、 B’=B+Kr(Rt−Rbase) となる。このB’とAからトルクに関する比例係数は、 Kt=(A−B’)/Tmax と算定できる。これらを基に、 修正量=A−〔ABS(回転数−Rbase)×Kr〕−(ト
ルク+Kt) と各ポイントの修正量を算定する。さらに、しきい回転
数以下の範囲においては、0rpmでの修正量を0とし、
しきい回転数との間を線形に補間するものとする。
【0069】図19は、この実施例で用いる修正量を示
す。このモ−タの場合、各デ−タは、次の通りである: A=96(電気角) B=20(電気角) C=16(電気角) Rbase,Rt=2600(rpm) Rmax=9000(rpm) Tmax=165(N・m)。
【0070】したがって、修正量(早め角度)は、10
00[rpm]を越える領域では、回転数が上がるに従
って小さくなり、またトルクが増大するにつれて小さく
なる。また修正量(早め角度)は、1000[rpm]
以下の領域では、回転数が下がるに従って小さくなり、
またトルクが増大するにつれて小さくなる。従って、回
転数が1000[rpm]程度の領域では早め角度が増
大し、図17の下側に示す電流波形のように、より早い
タイミングで通電を終了するので、目的とする駆動方向
と逆方向のトルクが発生するのを確実に防止して、騒音
の発生を抑制しうる。回転数が1000[rpm]より
も大きい領域では、回転数及びトルクの増大に伴って、
修正量(早め角度)が小さくなり、それによって実質上
の通電期間が長くなり、駆動トルクが増大する。回転数
が1000[rpm]より小さい領域では、回転数の低
下に伴って、修正量(早め角度)を小さくするので、ト
ルクリップルの発生が顕著になるのを防止しうる。
【0071】回転数が1000[rpm]以下の領域で
は、回転数が上がるに従って修正量(早め角度)が大き
くなり、それに伴って通電期間が短くなるので駆動トル
クがより小さくなる。しかし実際には、回転数が上がる
に従ってより大きなトルクを必要とする。そこで、駆動
トルクが不足しないように、電流値を補償している。例
えば、必要なトルクが一定で、回転数が300[rp
m]から600[rpm]に増大すると、通電オフ角度
の修正量の増大によって通電期間が短くなり、駆動トル
クが低下するので、その低下を補うために電流値を上げ
る。例えば、図22に示す電流マップメモリにおいて、
回転数が300[rpm]のデ−タC32の電流上限値
に比べて、回転数が600[rpm]のデ−タC35の
電流上限値は大きい値になっている。従って、電流マッ
プメモリに基づいて電流値を制御することによって、ト
ルク不足の発生を防止しうる。
【0072】再び図14を参照して説明を続ける。ステ
ップ69では、更に、入力したCmnのデ−タに含まれ
る波形パタ−ン番号に対応する1組の波形デ−タを、波
形マップメモリ13cから読み込む。例えば、波形パタ
−ン番号が3の場合には、図21に示す0,12,2
6,40,・・・・の一連の波形デ−タを入力する。こ
の波形デ−タによって、実際にコイルに流す電流の基準
値の波形が決定される。即ち、モ−タの回転子の角度ス
テップ毎に、電流の基準値は細かく調整される。次のス
テップ6Aでは、ステップ69で入力したデ−タCnm
及び波形デ−タに基づいて、通電マップのデ−タを生成
する。即ち、モ−タの回転子の各々の角度ステップに対
応付けられた多数の電流基準値とそれに付随するデ−タ
(詳細は後述する)を生成する。そして、この通電マッ
プのデ−タを、電流波形生成回路15の内部にあるメモ
リ(双方向性メモリ)に書込む。後述するように、電流
波形生成回路15は、基準となる1相のデ−タに基づい
て3相全てのデ−タを自動的に生成するので、ステップ
6Aでは、特定の1相分の通電マップだけを作成し、そ
れを電流波形生成回路15のメモリに書込む。
【0073】CPU11は、上述のステップ62〜6A
の処理を繰り返し実行する。そして、検出したSRモ−
タの回転速度及びトルクが一定の場合には、ステップ6
6−67−62を通るが、回転速度が変化した場合、又
はトルクが変化した場合には、ステップ68−69−6
A−6Bを実行するので、電流波形生成回路15の通電
マップが更新される。
【0074】また、ステップ61の初期化を終了した
後、4msec 毎にCPU11にタイマ割込みが発生す
る。このタイマ割込みが発生すると、CPU11は図1
5に示す処理を実行する。図15を参照して説明する。
【0075】ステップ71では、カウンタTM24の値
を参照して、24msec 周期で生じる所定のタイミング
か否かを識別する。即ち、24msec に1回の割合い
で、ステップ71から図16のステップ81に進み、そ
れ以外の時にはステップ71からステップ72に進む。
【0076】ステップ72では、カウンタTM8の値を
参照して、8msec 周期で生じる所定のタイミングか否
かを識別する。即ち、8msec に1回の割合いで、ステ
ップ72からステップ7Cに進み、それ以外の時にはス
テップ72からステップ73に進む。
【0077】ステップ73においては、SRモ−タ1を
駆動中か否かを識別し、駆動中であれば次にステップ7
4に進み、そうでなければステップ7Aに進む。ステッ
プ74では、現在のSRモ−タの駆動方向(駆動しよう
としている方向)が正転/逆転のいずれであるかを識別
する。そして次のステップ75では、現在のSRモ−タ
の実際の回転方向が正転/逆転のいずれであるかを識別
する。SRモ−タの実際の回転方向は、方向検出回路5
によって検出されるので、CPU11は、方向検出回路
5が出力する2値信号CW/CCWを参照して、SRモ
−タ1の実際の回転方向を識別する。
【0078】ステップ76では、ステップ74で識別し
た現在のSRモ−タの駆動方向と、ステップ75で識別
した現在のSRモ−タの実際の回転方向とが一致するか
否かを識別する。一致する場合には、ステップ7Bに進
み、振動補償値に0をセットする。また、駆動方向と実
際の回転方向とが一致しない場合、即ち振動により、駆
動方向に対して回転子が逆転方向に回転している時に
は、ステップ78に進み、予め定めた定数を振動補償値
にセットする。この実施例においては、ステップ78で
振動補償値にセットする定数(電流値)を+30[A]
に定めてある。次のステップ79では、ステップ78又
は7Bで決定した振動補償値を出力し、それを加算回路
16に印加する。なお、この振動補償値は、3相の制御
系で共通に利用される。
【0079】ステップ7Aでは、カウンタTM24の値
およびTM8の値をそれぞれ更新(+1)する。またス
テップ7Hでは、次回の割込みを発生させるために、割
込用のタイマを再セットする。
【0080】一方、8msec に1回の割合いで生じる所
定のタイミングにおいては、まず、ステップ7Cでシフ
トレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,アク
セル開度センサ等の状態を、入力インタ−フェ−ス12
を介して読取り、その結果を内部メモリに保持する。
【0081】次のステップ7Eでは、モ−タの回転速度
を計算する。この実施例では、SRモ−タ1の駆動軸に
連結された角度センサ1dが、駆動軸の回転速度に応じ
て周期が変化するパルス信号を出力するので、CPU1
1は、角度センサ1dが出力する信号のパルス周期を測
定し、この周期に基づいてSRモ−タ1の回転速度を検
出する。検出した回転速度のデ−タは内部メモリに保存
する。
【0082】次のステップ7Fでは、互いに異なるタイ
ミングにおいて、ステップ7Eで検出された複数の回転
速度のデ−タに基づいて、実加速度を計算する。例え
ば、最新の回転速度と1周期(8msec )前に検出され
た回転速度との差分を計算することにより、8msec あ
たりの速度変化、即ち加速度を得ることができる。加速
度を得るために利用する回転速度のデ−タ数や計算式
は、必要に応じて変更される。次のステップ7Gでは、
カウンタTM8をクリアする。
【0083】次に、24msec に1回の割合いで生じる
所定のタイミングにおける動作を、図16を参照して説
明する。ステップ81においては、ステップ7Eで検出
された最新のモ−タ回転速度を第1のしきい値である5
00[rpm]と比較する。そして、回転速度≧500
ならステップ84に進み、そうでなければステップ82
に進む。ステップ84では高速フラグを1にセットし、
次にステップ85に進む。
【0084】また、ステップ82では、ステップ7Eで
検出された最新のモ−タ回転速度を第2のしきい値であ
る300[rpm]と比較する。そして、回転速度≦3
00ならステップ86に進み、そうでなければステップ
83に進む。ステップ86では高速フラグをクリアし
て、次にステップ87に進む。またステップ83では、
高速フラグをチェックして、それが1にセットされてい
る場合には、次にステップ85に進み、高速フラグがク
リアされている場合には、次にステップ87に進む。
【0085】ステップ85では、加速度補償値をクリア
して、次にステップ8Aに進む。
【0086】ステップ87では、前記ステップ64で決
定した加速度の目標値と、前記ステップ7Fで求められ
る実加速度(検出値)とを比較する。そして、目標値≧
検出値なら次にステップ88に進み、そうでなければ次
にステップ89に進む。つまり、図26に示す「第1の
状態」であればステップ88を実行し、「第2の状態」
であればステップ89を実行する。
【0087】ステップ88及び89では、いずれもPI
D(比例・積分・微分)演算を実行して、加速度補償値
を生成する。但し、ステップ88の演算とステップ89
の演算とは内容が異なっている。
【0088】ステップ88では、前記ステップ64で決
定した加速度の目標値Aref と、前記ステップ7Fで求
められる実加速度(検出値)Adとの偏差(差分)Ea
を求めた後、加速度偏差Eaの単位時間あたりの変化、
即ち時間微分値dEと、加速度偏差Eaの積分値IEと
をそれぞれ計算し、次の第(1)式に基づいて、加速度補
償値CP2を生成する。またステップ89では、次の第
(2)式に基づいて、加速度補償値CP2を生成する。
【0089】 CP2=Kp1・Ea+Kd1・dE+Ki1・IE (1) Kp1,Kd1,Ki1:定数 CP2=Kp2・Ea+Kd2・dE+Ki2・IE (2) Kp2,Kd2,Ki2:定数 Kp1>Kp2,Kd1>Kd2,Ki1>Ki2 従って、仮に目標値Aref と実加速度Adとの偏差Ea
が等しい場合でも、第(1)式によって求められる加速度
補償値CP2の絶対値は、第(2)式によって求められる
加速度補償値CP2の絶対値よりも大きくなる。このよ
うにして決定される加速度補償値CP2がフィ−ドバッ
ク制御系の帰還量になるので、図26に示すように、
「第1の状態」における帰還量は、「第2の状態」の帰
還量に比べて大きくなる。
【0090】即ち、「目標加速度>実加速度」(第1の
状態)の場合には、加速度の不足を補うための電流補償
量が比較的大きいので、加速度の不足を充分に補って実
加速度を目標加速度に近づけることができる。また、
「目標加速度<実加速度」(第2の状態)の場合には、
過大な加速度を抑えるための電流補償量が比較的小さい
ので、実加速度を目標加速度に充分に追従させることは
できないが、モ−タの電流値が目標値よりも大きいの
で、加速性能は改善される。モ−タの回転方向の振動に
よって生じる騒音の大きさは、目標加速度と実加速度と
の偏差の大きさで定まるが、前記偏差は、第1の状態で
は非常に小さく、第2の状態でも抑制されるので、偏差
の平均的な振幅は充分に小さくなり、従って騒音が抑制
される。
【0091】図16のステップ8Aでは、加速度補償値
を出力して加算回路16に入力する。また次のステップ
8Bでは、カウンタTM24をクリアする。
【0092】図16に示す処理においては、モ−タの回
転速度が500[rpm]以上の場合、又はモ−タの回転速
度が300[rpm]を越えかつ高速フラグがセットされて
いる場合には、ステップ85に進むので、加速度補償値
がクリアされる。つまりその場合には、加速度を補償す
るためのフィ−ドバック制御は実行されない。このフィ
−ドバック制御が実施されるのは、モ−タの回転速度が
300[rpm]以下の場合、及びモ−タの回転速度が50
0[rpm]未満でかつ高速フラグがクリアされている場合
である。
【0093】前述のように、フィ−ドバック制御に用い
る加速度補償値を得るためには、ステップ88又は89
において、微分,積分,掛算等を含む比較的時間のかか
る計算処理(前記第(1)式又は第(2)式)を実行しなけれ
ばならない。また、SRモ−タを駆動するためには、回
転子の回転位置が所定角度変化する毎に、電流を制御し
なければならない。特にこの実施例では、電流波形の切
換え,通電オン/オフ角度の計算等の処理を、回転子の
回転位置の変化に対応して実施しなければならない。と
ころが、SRモ−タの回転速度が速くなるに従って、回
転位置が所定角度変化するのに要する時間が短くなるの
で、電流波形の切換え,通電オン/オフ角度の計算等の
処理に許される時間が短くなり、SRモ−タの回転速度
を所定以上に上げると、許される時間内に処理が終了で
きなくなる。
【0094】前述の加速度補償のためのフィ−ドバック
制御は、主として、振動の発生を抑制するために実施さ
れる。しかし実際には、振動が発生するのは回転速度が
比較的低速の場合のみである。従って、モ−タの回転速
度が速い場合には、加速度補償のためのフィ−ドバック
制御を省略しても問題は生じない。フィ−ドバック制御
を省略すると、ステップ88,89のPID演算の実行
も省略できるので、それを省略した分だけ、電流波形の
切換え,通電オン/オフ角度の計算等の処理に許される
時間が長くなる。即ち、SRモ−タの回転速度が速い場
合でも、許された時間内に電流波形の切換え,通電オン
/オフ角度の計算等の処理を確実に終了することができ
る。
【0095】図16に示す処理においては、高速フラグ
がクリアされている場合に、加速度補償のためのフィ−
ドバック制御を実行し、高速フラグがセットされている
場合には前記フィ−ドバック制御を省略する。また、高
速フラグの切換えのために参照するしきい値として、5
00[rpm]と300[rpm]の2つを用いており、高速フラ
グの切換えにヒステリシスを持たせてある。
【0096】図1の電流波形生成回路15が出力する電
流指示値S4と、補正後の電流指示値S4Bの波形例を
図9に示す。図9において、CP1が振動補償値であ
り、CP2が加速度補償値である。振動補償値CP1と
加速度補償値CP2は、それぞれ3相で共通に利用され
る。また、電流指示値S4が0の時には、補正後の電流
指示値S4Bも0にする。振動補償値CP1を電流指示
値S4に加算することによって、SRモ−タ1の振動が
抑制されるため騒音が低減され、また加速度補償値CP
2を電流指示値S4に加算することによって、SRモ−
タ1の加速度制御の応答性が改善される。
【0097】さて、この実施例では3相のSRモ−タ1
を駆動するので、各相のコイルに流す電流の指示値を3
相分生成する必要がある。この実施例では、電流指示値
を回転子の位置(微小角度ステップ)毎にそれぞれ調整
して通電波形を最適化しようとしているので、電流指示
値S4の生成は非常に難しい。しかも、回転子が微小回
転する毎に電流指示値を変える必要があるので、電流指
示値S4の更新は瞬時に実行できなければならない。こ
のような信号を発生するためには、メモリに多数の電流
指示値(通電マップ)を予め登録して、メモリのアドレ
スを回転子の位置(角度ステップ)に対応付け、回転子
の位置が変わる毎に、その位置情報をメモリのアドレス
に印加して、その位置の電流指示値をメモリから読み出
して電流制御系に与えるように制御すればよい。また、
このような回路を3組設置すれば、3相の電流指示値を
生成することが可能である。
【0098】しかしながら、3相のそれぞれに対応し
て、独立した電流波形生成回路を3組設けると、必要な
メモリの容量が大きくなり、回路構成も複雑化するのは
避けられない。また、CPU11は、モ−タの回転数や
必要トルクが変化する度に、メモリの内容(通電マッ
プ)を書き替えなければならないが、メモリの容量が大
きいと、その内容を全て更新するのに長い時間が必要に
なるため、制御系の応答性が悪くなる。
【0099】一方、図9及び図27に示すように、3相
の電流指示値の波形は、互いに相似形であり、互いに波
形の位相(相対角度)だけが異なっている。従って、1
相の電流指示値の波形に基づいて、その位相をずらした
信号を生成すれば、3相の電流指示値を生成することが
可能である。
【0100】例えば、図5に示すように、第1相の0〜
90度の範囲内の各角度ステップに対応付けた多数の波
形デ−タ(ハッチングを施した部分)を、それぞれの角
度ステップに対応付けたメモリアドレスに保持しておく
場合には、メモリアドレスに対する指示角度に+120
度(電気角度)の補正を加えることにより、第2相の波
形デ−タを得ることができ、また、メモリアドレスに対
する指示角度に+240度の補正を加えることにより、
第3相の波形デ−タを得ることができる。
【0101】即ち、基準となる1相の波形だけをメモリ
に登録しておき、それに基づいて3相の信号波形を生成
することができる。このようにすれば、メモリの容量が
低減され、回路構成が簡略化され、メモリの内容を更新
する処理の所要時間が短縮される。
【0102】実際の電流波形生成回路15の構成を図4
に示し、各部の信号のタイミングを図6に示す。CPU
11が生成する通電マップは、電流波形生成回路15内
の双方向RAM(読み書きメモリ)49に書込まれる。
この実施例においては、双方向RAM49は、2つのメ
モリバンクを有しており、これら2つのメモリバンクの
うち、一方から波形デ−タの読み出しが実行され、他方
に対してCPU11のデ−タ書込みが実行される。従っ
て、波形デ−タの読み出しとCPU11のデ−タ書込み
とが同時に実行できる。
【0103】双方向RAM49のメモリバンク1はD8
00H〜D886H(H:16進数表記を示す、以下同
様)のメモリアドレスに割当ててあり、メモリバンク2
はDC00H〜DC86Hのメモリアドレスに割当ててあ
る。メモリバンク1の領域内は次のように割当ててあ
る。
【0104】D800H〜D87FH(128バイト):
回転角度の0.35度毎の各電流値(45度:128ス
テップ) D880H :第1相の角度1(通電開始又は終了角度) D881H :第1相の角度2(通電終了又は開始角度) D882H :第2相の角度1(通電開始又は終了角度) D883H :第2相の角度2(通電終了又は開始角度) D884H :第3相の角度1(通電開始又は終了角度) D885H :第3相の角度2(通電終了又は開始角度) D886H :波形の凸/凹(角度1で通電開始→角度2
で通電終了,角度1で通電終了→角度2で通電開始、の
区分) メモリバンク2のメモリ割当ては、アドレスが400H
ずれる他は、メモリバンク1と同一である。メモリバン
ク1とメモリバンク2の切換えは、双方向RAM49の
アドレスのビット10(A10)の制御により実施され
る。
【0105】図4及び図6を参照して、電流波形生成回
路15を説明する。角度センサ1dが出力する10ビッ
トの角度信号RZ0〜RZ9は、ラッチ41によりラッ
チされ、加算器47の一方の入力に印加される。また、
角度信号RZ0は、タイミングパルス発生回路42に印
加される。タイミングパルス発生回路42は、その内部
で生成する8MHzのクロックパルスCLK8Mと角度
信号RZ0に基づいて、クロックパルスCLK1A,C
LK1B,CLK2A,CLK2B及びラッチ制御信号
LATZを生成する。
【0106】4ビットカウンタ44は、タイミングパル
ス発生回路42が出力するクロックパルスCLK2Bを
計数して、0〜15の範囲の数値を順番に計数値CNT
として繰り返し出力する。電流波形生成回路15の各回
路の動作は、4ビットカウンタ44が出力する計数値C
NTの値に応じて決定される。計数値CNTは、ラッチ
制御回路45,角度補正出力回路46,アドレス制御回
路48,及び駆動信号生成回路4Cに入力される。
【0107】角度補正出力回路46は、エンコ−ダであ
り、入力される計数値CNTの値に応じて、次のような
補正値CPSをそれぞれ出力する。
【0108】 CNT:0〜3, CPS:0 (0度) CNT:4〜7, CPS:84(30度) CNT:8〜11, CPS:42(15度) CNT:12〜15,CPS:42(15度:ダミ−) 従って、加算器47の出力には、計数値CNTが0〜3
の時には、その時の回転子の回転位置(角度:RZ0−
RZ9)がそのまま現われるが、計数値CNTが4〜7
の時には、30度分が加算(シフト)され、計数値CN
Tが8〜11の時には、15度分が加算(シフト)され
る。なお、計数値CNTが12〜15の時の加算器47
の出力は利用されない。
【0109】アドレス制御回路48は、入力される計数
値CNTの値に応じて、次のような8ビット値MA07
をそれぞれ出力する。
【0110】 CNT:0,1,4,5,8,9, MA07:加算器47の出力 CNT:2 MA07:0 CNT:3 MA07:1 CNT:6 MA07:2 CNT:7 MA07:3 CNT:10 MA07:4 CNT:11 MA07:5 CNT:12〜15 MA07:6 また、ラッチ制御回路45は、入力される計数値CNT
の値に応じて、次のように2ビット値MA89をそれぞ
れ出力する。またメモリ読出し信号MRDは、計数値C
NTが0〜12の間、有効になる。
【0111】 CNT:0,1,4,5,8,9 MA89:00H CNT:2,3,6,7,10〜15 MA89:01H アドレス制御回路48が出力する8ビット値MA07
は、双方向RAMのアドレスの下位8ビットに印加さ
れ、ラッチ制御回路45が出力する2ビット値MA89
は、双方向RAMのアドレスの第8ビット及び第9ビッ
トに印加される。従って、双方向RAM49の下位10
ビットの指定アドレスは、入力される計数値CNTの値
に応じて次のようになる。
【0112】 CNT:0,1,4,5,8,9, MA07:加算器47の出力 CNT:2 MA07:0100H CNT:3 MA07:0101H CNT:6 MA07:0102H CNT:7 MA07:0103H CNT:10 MA07:0104H CNT:11 MA07:0105H CNT:12〜15 MA07:0106H つまり、入力される計数値CNTの値に応じて、それぞ
れ次のような情報が、双方向RAM49から読み出され
る。
【0113】 CNT:0,1 DATA:現在の角度の電流値 (第1相の電流値) CNT:2 DATA:第1相の角度1 CNT:3 DATA:第1相の角度2 CNT:4,5 DATA:現在の角度+30度の電流値 (第2相の電流値) CNT:6 DATA:第2相の角度1 CNT:7 DATA:第2相の角度2 CNT:8,9 DATA:現在の角度+15度の電流値 (第3相の電流値) CNT:10 DATA:第3相の角度1 CNT:11 DATA:第3相の角度2 CNT:12〜15 DATA:波形の凸/凹区分 計数値CNTが0,1の時に双方向RAM49から出力
される第1相の電流値(DATA:8ビット)は、ラッ
チ制御回路45が出力する信号PH1Cに同期して、ラ
ッチ4Eにラッチされる。同様に、計数値CNTが4,
5の時に双方向RAM49から出力される第2相の電流
値は、ラッチ制御信号PH2Cに同期して、ラッチ4E
にラッチされ、計数値CNTが8,9の時に双方向RA
M49から出力される第3相の電流値は、ラッチ制御信
号PH3Cに同期して、ラッチ4Eにラッチされる。ラ
ッチ4Eから出力される3組(3相)の信号S4が、図
1に示す加算回路16に印加される。
【0114】一方、コンパレ−タ4Bは、加算器47の
出力と、双方向RAM49の出力とを比較する。ここ
で、実際に利用されるのは、双方向RAM49の出力の
うち、第1相の角度1,第1相の角度2,第2相の角度
1,第2相の角度2,第3相の角度1,第3相の角度2
および波形の凸/凹区分である。即ち、コンパレ−タ4
Bは、現在の回転子の角度(+シフト量)と各相の角度
1,角度2との大小関係を識別する。
【0115】コンパレ−タ4Bの出力は、ラッチ制御回
路45が出力する制御信号LTCH1によって、計数値
CNTが2,3,6,7,10,11,12及び13の
時に、それぞれ駆動信号生成回路4Cの内部でラッチさ
れ利用される。即ち、計数値CNTが2及び3の時のコ
ンパレ−タ4Bの出力を利用して、第1相についての通
電のオン/オフの切換りを示す2値信号を生成し、計数
値CNTが6及び7の時のコンパレ−タ4Bの出力を利
用して、第2相についての通電のオン/オフの切換りを
示す2値信号を生成し、計数値CNTが10及び11の
時のコンパレ−タ4Bの出力を利用して、第3相につい
ての通電のオン/オフの切換りを示す2値信号を生成す
る。また、計数値CNTが12及び13の時のコンパレ
−タ4Bの出力を利用して、波形の凸/凹を識別し、通
電のオン/オフを示す2値信号(S5)を生成する。
【0116】ところで、加算器47が出力する8ビット
デ−タは、0〜127の範囲にあり、最上位ビットは常
に0である。また、双方向RAM49に保持された第1
相の角度1,第1相の角度2,第2相の角度1,第2相
の角度2,第3相の角度1及び第3相の角度2も0〜1
27の範囲にあり、最上位ビットは常に0である。一
方、双方向RAM49に保持された波形の凸/凹区分
は、凹波形に255が割当てられ、凸波形に0が割り当
てられている。そのため、コンパレ−タ4Bが波形の凸
/凹区分と加算器47の出力とを比較する時には、加算
器47の出力とは無関係に、波形の凸/凹区分のみに従
ってコンパレ−タ4Bの出力が定まる。従って駆動信号
生成回路4Cは、計数値CNTが12及び13の時に
は、「波形の凸/凹区分」情報に応じて、出力する3相
の2値信号の波形の凸/凹を決定する。即ち、波形の凸
/凹区分が0の場合: (現在の角度)≦(第1相の角度1)の間はオフ (第1相の角度1)<(現在の角度)≦(第1相の角度
2)の間はオン (第1相の角度2)<(現在の角度)の間はオフ となる2値信号(S5)を生成し、波形の凸/凹区分が
255の場合: (現在の角度)≦(第1相の角度1)の間はオン (第1相の角度1)<(現在の角度)≦(第1相の角度
2)の間はオフ (第1相の角度2)<(現在の角度)の間はオン となる2値信号(S5)を生成する。第2相,第3相の
2値信号(S5)についても同様である。
【0117】駆動信号生成回路4Cが生成する第1相,
第2相および第3相の2値信号(S5)は、それぞれ駆
動信号生成回路4Cから出力されてラッチ4Dに入力さ
れる。そして、全ての2値信号の状態が確定するタイミ
ング(CNT:13)でラッチ制御回路45から出力さ
れるラッチ制御信号LTCH1に同期して現われる制御
信号LAT0によって、駆動信号生成回路4Cが出力す
る3つの2値信号はラッチ4Dにラッチされ、3相の2
値信号S5として、出力判定回路17に印加される。
【0118】以上に説明した実施例のトルク/回転数特
性を、従来例と比較して図28に示す。なお、ここで、
実施例のトルク/回転数特性は、図19に示す修正量に
基づいて通電時間を制御したものであり、従来例は、図
17の上側に示す通電タイミングのものである。
【0119】上記実施例においては、マイクロコンピュ
−タの処理を簡単にするために、回転数及びトルクに応
じた図19に示すような補償量が加えられた通電オフ角
度をそれぞれ予め計算して、それらの計算結果を電流マ
ップメモリ上に予め保持するように構成した。しかし、
計算を高速で実行できる特別なハ−ドウェアや高速処理
が可能なマイクロコンピュ−タを用いる場合には、補償
前の通電オフ角度だけをメモリに保持して、回転数及び
トルクが変化する度に、計算により補償量を求めて通電
オフ角度を更新するように構成を変えてもよい。
【0120】なお、通電オン角度は必要に応じて調整し
てもよいが、それを調整しても、本発明者の実験では格
別な効果は得られなかった。即ち、上記実施例のよう
に、通電オン角度よりも通電オフ角度を優先的に修正し
た方が、好ましい結果が得られる。
【0121】
【発明の効果】請求項1によれば、しきい値近傍の回転
速度においては、基準状態(例えば図17の上側のタイ
ミング)に比べて通電終了のタイミングを大幅に早める
ことができるので、騒音の発生を抑制することができ
る。しきい値以下の回転速度では、回転速度が小さくな
るに従って修正量を小さくするので、非通電の期間が短
くなり、顕著なトルクリップルが生じるのを防止しう
る。また、しきい値を越える回転速度では、回転速度が
大きくなるに従って修正量を小さくするので、実際の通
電期間が充分長くなり、高速回転する場合でも、それに
必要な駆動トルクを得ることができる。
【0122】請求項2では、請求項1と同様に、しきい
値近傍の回転速度においては、騒音の発生を抑制するこ
とができ、しきい値以下の回転速度では、顕著なトルク
リップルが生じるのを防止でき、しきい値を越える回転
速度では、高速回転する場合でも、それに必要な駆動ト
ルクを得ることができる。更に、必要トルクが増大する
に従って、修正量を小さくするので、それによって実際
の通電期間が充分長くなり、必要な駆動トルクを得るこ
とができる。
【0123】請求項3では、前記第2の状態の修正量の
増加に伴なって、前記電気コイルに流す電流を増やすこ
とにより、電気モ−タの駆動トルクの不足を補うことが
できる。
【0124】請求項4では、第2の状態を求めるために
複雑な計算をする必要がなく、簡単な処理だけで最適な
通電終了タイミングを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のモ−タ駆動装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図2】 図1の一部分の詳細な構成を示すブロック図
である。
【図3】 図2のタイミング制御回路17cを示すブロ
ック図である。
【図4】 図1の電流波形生成回路15の構成を示すブ
ロック図である。
【図5】 電流波形生成回路15のメモリの内容と生成
する波形との対応を示す模式図である。
【図6】 電流波形生成回路15の動作を示すタイムチ
ャ−トである。
【図7】 図1の方向検出回路5の構成を示すブロック
図である。
【図8】 方向検出回路5の動作を示すタイムチャ−ト
である。
【図9】 電流波形生成回路15の出力と補償後の信号
を示すタイムチャ−トである。
【図10】 図2のタイミング制御回路17cの動作を
示すタイムチャ−トである。
【図11】 図2のタイミング制御回路17cと改良前
の装置の動作を示すタイムチャ−トである。
【図12】 電流の基準レベルVr2と負荷に流れる電
流の波形を示すタイムチャ−トである。
【図13】 PWMマップメモリ13bの内容を示すマ
ップである。
【図14】 CPU11の処理を示すフロ−チャ−トで
ある。
【図15】 CPU11のタイマ割込処理の一部分を示
すフロ−チャ−トである。
【図16】 CPU11のタイマ割込処理の残りの部分
を示すフロ−チャ−トである。
【図17】 加速度及び速度の変化の一例を示すタイム
チャ−トである。
【図18】 実施例のSRモ−タの構造を示す縦断面図
である。
【図19】 通電オフ角度の補償量の分布を3次元座標
上に示すマップである。
【図20】 図18の状態から所定角度だけ回転した後
のSRモ−タ1を示す縦断面図である。
【図21】 波形マップメモリ13cの内容を示すマッ
プである。
【図22】 電流マップメモリ13aの内容を示すマッ
プである。
【図23】 通電回路に流れる電流の経路を示すブロッ
ク図である。
【図24】 通電回路に流れる電流の経路を示すブロッ
ク図である。
【図25】 加速度及び速度の変化例を示すタイムチャ
−トである。
【図26】 加速度,電流値及び帰還量の変化例を示す
タイムチャ−トである。
【図27】 電流指示値の変化例を示すタイムチャ−ト
である。
【図28】 実施例のトルク/回転数特性を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1:SRモ−タ 1a,1b,1c,
CL:コイル 2,3,4:電流センサ 5:方向検出回路 6:D/A変換器 7:比較回路 7a:アナログ比較器 11:CPU 12:入力インタ−
フェ−ス 13a:電流マップメモリ 13b:PWMマッ
プメモリ 13c:波形マップメモリ 14:電源回路 15:電流波形生成回路 16:加算回路 16a,16b:加
算器 17:出力判定回路 18,19,1A:
ドライバ 18a,18b:トランジスタ(IGBT) 18c,18d:ダイオ−ド 18e,18f:電
源ライン 41:ラッチ 42:タイミングパ
ルス発生回路 43:カウンタ制御回路 44:4ビットカウ
ンタ 45:ラッチ制御回路 46:角度補正出力
回路 47:加算器 48:アドレス制御
回路 49:双方向RAM 4A:バンク切換回
路 4B:コンパレ−タ 4C:駆動信号生成
回路 4D,4E:ラッチ R:回転子 S:固定子 Ra〜Rd,Sa〜
Sf:極部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気モ−タの回転方向に関する固定子と
    回転子との相対位置を検出し、検出した前記相対位置が
    第1の状態にある時に前記電気モ−タを駆動する電気コ
    イルの通電を開始し、前記相対位置が第2の状態にある
    時に前記電気コイルの通電を終了する、電気モ−タの通
    電制御方法において:前記電気モ−タの回転速度を入力
    して、該回転速度に応じて前記第2の状態を修正し、前
    記回転速度が所定のしきい値を越える場合には、前記回
    転速度が小さくなるに従って、前記第2の状態の修正量
    を増加し、前記回転速度が前記しきい値以下の場合に
    は、前記回転速度が大きくなるに従って、前記第2の状
    態の修正量を増加し、前記修正量の増大に伴なって前記
    電気コイルの実際の通電時間を短くする、ことを特徴と
    する電気モ−タの通電制御方法。
  2. 【請求項2】 電気モ−タの回転方向に関する固定子と
    回転子との相対位置を検出し、検出した前記相対位置が
    第1の状態にある時に前記電気モ−タを駆動する電気コ
    イルの通電を開始し、前記相対位置が第2の状態にある
    時に前記電気コイルの通電を終了する、電気モ−タの通
    電制御方法において:前記電気モ−タの回転速度と必要
    トルクとを入力して、それらに応じて前記第2の状態を
    修正し、前記回転速度が所定のしきい値を越える場合に
    は、前記回転速度が小さくなるに従って、および/又は
    前記必要トルクが小さくなるに従って、前記第2の状態
    の修正量を増加し、前記回転速度が前記しきい値以下の
    場合には、前記回転速度が大きくなるに従って、および
    /又は前記必要トルクが小さくなるに従って、前記第2
    の状態の修正量を増加し、前記修正量の増大に伴なって
    前記電気コイルの実際の通電時間を短くする、ことを特
    徴とする電気モ−タの通電制御方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の状態の修正量の増加に伴なっ
    て、前記電気モ−タの駆動トルクの不足が予想される場
    合には、前記第2の状態の修正量の増加に伴なって、前
    記電気コイルに流す電流を増やす、前記請求項1又は請
    求項2記載の電気モ−タの通電制御方法。
  4. 【請求項4】 複数の回転速度および複数の必要トルク
    のそれぞれに対応付けられた修正後の複数の第2の状態
    が予め保持されたメモリの内容を、入力した前記電気モ
    −タの回転速度と必要トルクに応じて選択的に読み込
    み、読み込んだ修正後の第2の状態に応じて、前記電気
    コイルの通電を終了する、前記請求項2記載の電気モ−
    タの通電制御方法。
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