JP3564582B2 - スイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置 - Google Patents

スイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置 Download PDF

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    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/02Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the kind of motor
    • H02P25/08Reluctance motors

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スイッチドレラクタンスモ−タを駆動する通電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スイッチドレラクタンスモ−タ(以下、SRモ−タと言う)は、一般に極部が外側に突出する形で構成された回転子と、極部が内側に突出する形で構成された固定子とを備えており、回転子は単に鉄板を積層して構成した鉄心であり、固定子は極毎に集中巻されたコイルを備えている(図18参照)。このSRモ−タは、固定子の各極が電磁石として動作し、回転子の各極部を固定子の磁力で吸引することによって回転子が回転する。従って、回転子の各極の回転位置に応じて、固定子の各極に巻回されたコイルの通電状態を順次に切換えることによって、回転子を希望する方向に回転させることができる。この種のSRモ−タに関する従来技術は、例えば、特開平1−298940号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
SRモ−タは、構造が簡単で、機械的に頑丈であり、高温下での動作も可能である等々の長所を有しているが、ほとんど実用的に利用されていないのが実情である。その原因の1つは、回転時に発生する騒音が大きいことである。SRモ−タにおいては、回転子の各極が特定の回転位置にある時に、固定子各極に対する通電のオン/オフを切換えるので、その切換時に、回転子に加わる磁気吸引力の大きさが急激に変化する。そのため、回転子及び固定子には、比較的大きな機械振動が発生する。この振動によって騒音が生じる。
【0004】
このような振動を抑制するためには、モ−タの通電制御によって、できる限り滑らかにモ−タを駆動する必要がある。一般的に用いられる単純なパルス状の通電のオン/オフだけを実施する場合には、モ−タを滑らかに駆動することは不可能である。従って、モ−タの回転角度毎に、微妙な電流値の調整を実施しなければならない。
【0005】
例えば、回転角度にそれぞれ対応付けた多数の電流値(電流波形)をメモリに保持しておき、モ−タが微小回転する毎に、その時の角度に対応付けられた電流値をメモリから読み出して、電流の制御目標値を逐次変更するように制御すれば、モ−タの回転角度に応じた電流値の微妙な調整を実施しうる。しかしながら、この種の制御において、電流の目標値は、モ−タの回転角度だけに依存するのではなく、モ−タの回転速度や必要な駆動トルクに対応して変更する必要がある。そして、モ−タの多数の回転角度,多数の回転速度,多数の駆動トルクの全ての変化に対応した電流値を全てメモリに保持するには、膨大なメモリ容量を必要とする。更に、時々刻々と変化するトルクの変動や速度の変化に対応できる電流値をメモリに保持することは非常に困難である。
【0006】
そこで、電流値を保持するのに必要なメモリの容量を低減するために、メモリに保持するデ−タを、1種類の回転速度、および1種類の駆動トルクに対応する1組の各回転位置の電流値だけに限定し、モ−タの回転速度や駆動トルクが変化する度に、計算処理を実施して、メモリの内容を書き換えるように制御することがある。しかしながら、このような制御を実施する場合には、計算処理及びメモリの内容の更新に時間がかかるため、制御系の応答が非常に遅くなる。例えば、コイル1相の1波形あたり128ステップ角度の電流値が必要な場合には、モ−タの回転速度や駆動トルクが変化する度に、相数×128個のデ−タ全てについて、計算処理とメモリ内容の更新を実施する必要があるので、非常に時間がかかる。
【0007】
従って、例えば回転速度のフィ−ドバック制御を実施する場合においても、目標回転速度と実回転速度との誤差が検出されてから、その誤差を補償するために実際にメモリの内容が更新されて補償量が制御に反映されるまでに時間がかかるので、加速/減速時の追従性や外乱に対する安定性が悪い。
【0008】
ところで、特にSRモ−タのようなモ−タは振動し易いので、それを滑らかに回転させるのは非常に難しい。モ−タを滑らかに駆動するための方法としては、従来より、PID制御,現代制御理論に基づく制御,ベクトル制御等々が知られている。しかしながら、いずれの方法を用いる場合であっても、時間のかかるチュ−ニングの作業を必要とし、しかもいずれも制御のために複雑な計算をせざるを得ないため、簡単な制御手段を用いるだけでモ−タを滑らかに駆動することはできなかった。
【0009】
従って本発明は、比較的簡単な手段を用いて、スイッチドレラクタンスモ−タの滑らかな回転を実現すること、及び制御系の応答性を改善することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)スイッチドレラクタンスモ−タの回転子の回転位置毎の付勢量目標値を保持する通電マップ手段(49);
記モ−タの回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段(1d);
記モ−タの実際の付勢量を検出する付勢量検出手段(2,3,4);
少なくとも前記モ−タの回転速度の変化に対応して、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、第1の制御手段(11,66,67,69,6A);
前記モ−タの回転子の回転中の微小振動による回転方向の変化を含む実回転方向を検出する方向検出手段(1d,5);
記モ−タの目標駆動方向と、前記方向検出手段が検出した実回転方向とが一致する場合と、それらが一致しない場合とで、互いに異なる振動補償量を生成する、第2の制御手段(74,75,76,78,7B);
前記回転位置検出手段が検出した回転位置に宛てた、前記通電マップ手段に保持された付勢量目標値に、前記振動補償量を加算する補償量加算手段(16a);および、
該補償量加算手段による加算値と前記付勢量検出手段が検出した付勢量とに応じた付勢制御を実施するモ−タ付勢手段(15,6,7,17,18,19,1A);
を備えるスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0011】
(2)前記第2の制御手段は、記モ−タの目標回転速度と実回転速度との差に応じた速度補償量を生成して前記補償量加算手段(16a)に出力し;前記補償量加算手段(16a)は、前記付勢量目標値に、前記振動補償量および速度補償量を加算する;上記(1)に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0012】
(3)前記方向検出手段は、回転位置検出手段(1d)が検出した回転子の実回転位置の微小変化から、実回転方向の変化を検出する、上記(1)又は(2)に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0013】
(4)スイッチドレラクタンスモ−タ(1)の回転子の回転位置毎の付勢量目標値を保持する通電マップ手段(49);
記モ−タの回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段(1d);
記モ−タの実際の付勢量を検出する付勢量検出手段(2,3,4);
少なくとも前記モ−タの回転速度の変化に対応して、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、第1の制御手段(66,67,69,6A);
少なくとも前記モ−タの目標回転速度と実回転速度との差に応じた速度補償量を生成する、第2の制御手段(7C);
前記回転位置検出手段が検出した回転位置に宛てた、前記通電マップ手段に保持された付勢量目標値に、前記速度補償量を加算する、補償量加算手段(16b);および、
前記補償量加算手段(16b)による加算値と前記付勢量検出手段(2,3,4)が検出した付勢量とに応じた付勢制御を実施するモ−タ付勢手段(15,6,7,17,18,19,1A);
を備えるスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0014】
(5)前記補償量加算手段(16b)は、前記第1の制御手段(66,67,69,6A)から独立した経路にある、上記(1),(2),(3)又は(4)に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0015】
(6)回転速度と必要トルクの両者をパラメ−タとして変化する少なくとも電流値の情報を、回転速度と必要トルクに対応付けて予め保持する電流マップ手段(13a)を含み、前記第1の制御手段は、前記モ−タの回転速度と必要トルクの変化に対応して、前記電流マップ手段の内容を入力し、その内容に基づいて、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、上記(1),(2),(3),(4)又は(5)に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置
【0016】
なお上記括弧内に示した記号は、後述する実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したものであるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要素のみに限定されるものではない。
【0017】
【作用】
上記(1)態様においては、通電マップ手段(49)はスイッチドレラクタンスモ−タの回転子の回転位置毎の付勢量目標値を保持し、回転位置検出手段(1d)は前記スイッチドレラクタンスの回転子の回転位置を検出し、付勢量検出手段(2,3,4)は前記モ−タの実際の付勢量を検出し、補償量加算手段(16a)およびモ−タ付勢手段(15,6,7,17,18,19,1A)は、前記回転位置検出手段が検出した回転位置に宛てた、前記通電マップ手段に保持された付勢量目標値に、振動補償量を加算し、該加算値と前記付勢量検出手段が検出した付勢量とに応じた付勢制御を実施する。更に、第1の制御手段(11,66,67,69,6A)は、前記モ−タの回転速度の変化に対応して、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する。モ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。
【0018】
しかも、方向検出手段(1d,5)が、スイッチドレラクタンスモ−タ(1)の回転子の回転中の微小振動による回転方向の変化を含む実回転方向を検出する。また、振動抑制制御手段(11,74,75,76,78,7B)は、前記モ−タの目標駆動方向と、前記方向検出手段が検出した実回転方向とが一致する場合と、それらが一致しない場合とで、互いに異なる振動補償量を生成する。そして、モ−タ付勢手段(16a,6,7,17,18,19,1A)は前記振動補償量に応じて前記モ−タを付勢する。
【0019】
本発明者の実験によれば、例えばSRモ−タを駆動する場合には、回転子の駆動中に回転方向に微小振動を生じ、一時的に、回転方向が駆動方向に対して逆転することが確かめられている。この回転方向の逆転を抑制すれば、モ−タの回転が円滑になり、騒音を抑制しうる。上記(1)の態様では、モ−タの回転方向と駆動方向との一致/不一致に応じて、振動補償量を調整することにより、回転方向の逆転を抑制し、振動の抑制を可能にしている。例えば、振動によって実回転方向が、駆動方向に対して逆転している時に、正転の時に比べてモ−タの駆動トルクを大きくすれば、逆転の期間が短縮され、振動が抑制される。
【0020】
上記(2)によれば、モ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。また、速度補償量により、目標回転速度と実回転速度との誤差を低減でき、振動補償量によりモ−タの回転方向の振動を抑制しうる。
【0021】
上記(3)においては、回転位置検出手段(1d)が検出した回転子の実回転位置の微小変化から、実回転方向の変化を検出している。
【0022】
上記(4)によれば、モ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。
【0023】
また、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値の更新(計算等の処理)には時間がかかるが、上記(5)では、第1の制御手段から独立した経路で、前記速度補償量及び前記振動補償量を前記モ−タ付勢手段の入力に加算するので、制御の応答が速く、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。
【0024】
上記(6)では、回転速度と必要トルクの両者をパラメ−タとして変化する少なくとも電流値の情報を、回転速度と必要トルクに対応付けて予め保持する電流マップ手段(13a)を備えており、前記第1の制御手段は、前記モ−タの回転速度と必要トルクの変化に対応して、前記電流マップ手段の内容を入力し、その内容に基づいて、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する。
【0025】
【実施例】
実施例の装置の構成を図1に示す。図1に示す装置は、電気自動車の駆動ユニットの主要部分を構成している。この例では、駆動源として1個のSRモ−タ1が備わっており、このSRモ−タ1はコントロ−ラECUによって制御される。コントロ−ラECUは、シフトレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,及びアクセル開度センサから入力される情報に基づいて、SRモ−タ1の駆動を制御する。電源はバッテリ−から供給される。
【0026】
SRモ−タ1の基本的な構成とその駆動原理を図18に示す。図18に示すSRモ−タ1は、固定子Sとその内空間に回動自在に支持された回転子Rとで構成されている。回転子Rは、多数枚の薄い鉄板を積層して構成してあり、外周の互いに90度ずつずれた位置に、外側に向かって突出した4つの極部Ra,Rb,Rc及びRdが形成されている。固定子Sも多数枚の薄い鉄板を積層して構成してあり、内周の互いに60度ずつずれた位置に、内側に向かって突出した6つの極部Sa,Sb,Sc,Sd,Se及びSfが形成されている。図18では一部分だけが示されているが、固定子Sの極部Sa,Sb,Sc,Sd,Se及びSfには、電気コイルCLがそれぞれ巻回されている。
【0027】
ここで、固定子Sの極部Sa,Sdに巻回したコイルCLを第1相、固定子Sの極部Sb,Seに巻回したコイルCLを第2相、固定子Sの極部Sc,Sfに巻回したコイルを第3相と定義すると、回転子Rの極の位置に応じて、図18に示すように、第1相−第2相−第3相のコイルCLに順次に通電することにより、時計回りに連続的に回転子Rを回転駆動することができる。即ち、固定子Sの通電した極部が電磁石を構成するので、その電磁石に近い位置にある回転子Rの極部が電磁石に吸引されて回転移動する。回転を継続するためには、回転子Rの回転移動に伴なってコイルの通電を切換える必要がある。実際には、このSRモ−タ1の場合、回転子Rが30度回転する毎に、通電するコイルを第1相−第2相−第3相と切換えればよい。
【0028】
再び図1を参照して説明を続ける。SRモ−タ1には、それを駆動するための3相のコイル1a,1b,1cと、回転子Rの回転位置(角度)を検出する角度センサ1dが備わっている。3相のコイル1a,1b及び1cは、それぞれ、コントロ−ラECU内部のドライバ18,19及び1Aと接続されており、コイル1aとドライバ18とを接続する信号線,コイル1bとドライバ19とを接続する信号線,及びコイル1cとドライバ1Aとを接続する信号線には、それぞれ、電流センサ2,3及び4が設置されている。これらの電流センサ2,3及び4は、それぞれ、コイル1a,1b及び1cに実際に流れる電流に比例する電圧を電流信号S6として出力する。この実施例においては、角度センサ1dとして、多摩川精機製のTS2028N94E21を使用している。この角度センサ1dは、図7に示すように、0〜360度の角度の絶対値を示す11ビットの2値信号を出力する。検出角度の最小分解能は0.35度である。
【0029】
コントロ−ラECUの内部には、CPU(マイクロコンピュ−タ)11,入力インタ−フェ−ス12,電流マップメモリ13a,PWMマップメモリ13b,波形マップメモリ13c,電源回路14,電流波形生成回路15,加算回路16,方向検出回路5,D/A変換器6,比較回路7,出力判定回路17,ドライバ18,19及び1Aが備わっている。このコントロ−ラECUは、シフトレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,及びアクセル開度センサから入力される情報に基づいて、SRモ−タ1の駆動速度及び駆動トルクを逐次計算し、その計算の結果に基づいて、SRモ−タ1のコイル1a,1b及び1cの各々に流す電流を制御する。
【0030】
図1の回路の一部分の具体的な構成を図2に示す。図2は、SRモ−タ1のコイル1aの通電を制御する回路のみを示しており、実際には他のコイル1b及び1cの通電を制御する同様の回路がそれぞれ含まれている。
【0031】
図2を参照すると、コイル1aの一端は、スイッチングトランジスタ(IGBT)18aを介して電源の高電位ライン18eと接続され、コイル1aの他端は、スイッチングトランジスタ(IGBT)18bを介して電源の低電位ライン18fと接続されている。また、トランジスタ18aのエミッタと低電位ライン18fとの間にはダイオ−ド18cが接続され、トランジスタ18dのエミッタと高電位ライン18eとの間にはダイオ−ド18dが接続されている。従って、トランジスタ18a及び18bの両方をオン(導通状態)にすれば、電源ライン18e,18fとコイル1aとの間に電流が流れ、いずれか一方、又は両方をオフ(非導通状態)にすれば、コイル1aの通電を停止することができる。
【0032】
出力判定回路17には、2つのアンドゲ−ト17a,17bとタイミング制御回路17cが備わっている。アンドゲ−ト17aの出力端子はトランジスタ18bのゲ−ト端子と接続されており、アンドゲ−ト17bの出力端子は、タイミング制御回路17cの入力に接続されている。タイミング制御回路17cの出力が、トランジスタ18aのゲ−ト端子と接続されている。アンドゲ−ト17aの入力端子には信号S10とS5が入力され、アンドゲ−ト17bの入力端子には、信号S71及びS5が入力される。信号S71は、比較回路7のアナログ比較器7aが出力する2値信号である。また信号S5は、電流波形生成回路15が出力する2値信号(オン/オフ信号)である。
【0033】
アナログ比較器7aの一方の入力端子には、電流波形生成回路15が出力する基準電流値S4に振動補償値及び速度補償値を加算回路16で加算した結果を、D/A変換器6で変換したアナログ電圧Vr2が印加され、他方の入力端子には、電流センサ2が検出した電流に対応する信号S6の電圧(Vs6)が印加される。アナログ比較器7aは、電圧Vr2とVs6とを比較した結果を2値信号S71として出力する。
【0034】
信号S5が高レベルH(通電オン)の時には、アナログ比較器7aが出力する2値信号S71に基づいて、トランジスタ18aのオン/オフが制御される。但し、2値信号S71のオン/オフとトランジスタ18aのオン/オフとの関係は1対1ではなく、タイミング制御回路17cによってタイミングが調整される。これについては後で詳細に説明する。また信号S5が高レベルH(通電オン)の時には、ドライバ18のトランジスタ18bは、アンドゲ−ト17aに入力される2値信号S10に応じてオン/オフする。この2値信号S10は、CPU11の内部で生成される信号であり、信号の周期は一定(15KHz)、デュ−ティは可変になっている。また、信号S10のデュ−ティは、CPU11の処理によって必要に応じて変更される。実際には、CPU11は、その時のモ−タの回転数(rpm)と必要な駆動トルクに基づいて、オンデュ−ティ値をそれに接続されたPWMマップメモリ13bに保持されたテ−ブル(図13参照)の参照により得て、この値のデュ−ティを有する信号S10を出力する。
【0035】
つまりこの実施例では、トランジスタ18a及び18bが、それぞれ互いに独立した制御信号S81及びS82によって、独立にオン/オフ制御されるので、ドライバ18の通電制御状態としては、トランジスタ18a,18bが共にオンする状態と、共にオフする状態と、一方がオンして他方がオフする状態との3状態が存在する。
【0036】
例えば通電を開始する時に、トランジスタ18bがオンであると仮定すると、電流の基準レベルVr2を0からIrefに切換えると、Vr2>Vs6になるため、まずトランジスタ18aがオン状態になり、負荷に流れる電流は、0から駆動回路及び負荷の特性(時定数)によって定まる傾きで徐々に上昇する。そして、負荷に流れる電流がIrefに達した後、トランジスタ18aがオフ→オン→オフ→オン→・・・を繰り返し、電流の最大値がIrefとほぼ等しくなるように制御される。また、通電を終了する時に、基準電流値をIrefから0に切換えると、Vr2<Vs6になるため、トランジスタ18aがオフ状態になり、負荷に流れる電流は、駆動回路及び負荷の特性(時定数)によって定まる傾きで徐々に下降して0になる。
【0037】
しかし実際には、トランジスタ18bに印加される制御信号S82はパルス信号であるため、通電開始時の立上り期間中でも、トランジスタ18bがオフ状態の期間が存在し、これの影響を受けて、負荷電流の立上りカ−ブは変化する。即ち、トランジスタ18bに印加される制御信号S82のデュ−ティに応じて、図12に示すように、負荷電流の立上りカ−ブが変化する。また、通電終了時の立下り期間中でも、トランジスタ18bがオフ状態の期間とトランジスタ18bがオン状態の期間とが存在し、それらの比率に応じて、負荷電流の立下りカ−ブが変化する。
【0038】
図16及び図17を参照して説明する。図16に示すように、スイッチング手段18a,18bを共にオンして負荷1aに電流が流れている状態から、両方のスイッチング手段18a,18bをオフに切換えると、負荷1aに蓄えられたエネルギ−によって流れる電流は、ダイオ−ドD1,D2を通って、電源の低電位ラインから高電位ラインに向かって流れる。この時には、負荷1aの端子間の電位差が大きいため、エネルギ−の放出が速く、電流の減衰速度が速い。つまり、過渡電流カ−ブの立下りの傾きが大きい。
【0039】
一方、図17に示すように、スイッチング手段18a,18bを共にオンして負荷1aに電流が流れている状態から、一方のスイッチング手段18aだけをオフに切換えると、他方のスイッチング手段18bがオンのままであるため、負荷1aに蓄えられたエネルギ−によって流れる電流は、ダイオ−ドD1,負荷1a,スイッチング手段18bの閉ル−プを通る。そしてこの時には、負荷1aの端子間の電位差が小さくなるため、エネルギ−の放出は緩やかであり、電流の減衰速度も遅い。つまり、過渡電流カ−ブの立下りの傾きが小さい。
【0040】
即ち、トランジスタ18bに印加される制御信号S82のデュ−ティの調整によって、負荷電流の立上り時の波形、ならびに立下り時の波形を制御することができる。
【0041】
また、比較器7aの出力する2値信号S71によりチョッピング制御を実施する場合、負荷電流の立下り速度が比較的速いと、図16に示すように電流の変動幅(振幅)が大きく、電流の立下り速度が比較的遅いと、図17に示すように電流の変動幅が小さくなる。電流の変動幅を小さくすることにより、SRモ−タの場合、回転時に生じる振動及び騒音を大幅に低減しうる。
【0042】
しかしながら、電流の立下り速度が遅いと、チョッピング制御における目標値(基準レベル)を変化させた場合に、目標値に対する電流の追従遅れが生じ易い。モ−タに流す電流のレベルは、駆動トルクの変更などに伴なって変える必要がある。特にSRモ−タを駆動する場合には、回転子の極の位置に応じて、各コイルの通電/非通電を切換える必要があり、目標値に対する電流の追従遅れが生じると、特に高速回転の場合に回転トルクの低下が著しくなる。
【0043】
この実施例においては、モ−タの回転数(rpm)と必要な駆動トルクに基づいて、信号S10のデュ−ティを自動的に調整するので、回転数が高い、あるいは大きな駆動トルクを必要とする時には、通電の立上りが速くなり、目標値の変化に対する電流の追従遅れが防止される。また、回転数が低い、あるいは大きな駆動トルクを必要としない時には、負荷電流の立上り,立下り等の変化速度が遅いため、振動及び騒音の発生が抑制される。電流の基準レベル(Vr2)の波形を短い期間で細かく調整するのは困難であるが、信号S10のデュ−ティの調整は容易である。
【0044】
ところで、比較器7aの比較結果に従って、トランジスタ18aは通常、短い周期でオン/オフを繰り返すが、仮に比較器7aが出力する信号S71をそのままトランジスタ18aに印加すると、トランジスタ18aのオン/オフ周期は、その通電回路の特性,モ−タのコイルのインピ−ダンスなどによって定まり、温度,湿度等の環境変化の影響も受ける。その場合、トランジスタ18aのオン/オフ周波数が異常に高くなる場合もある。しかし、通電をオン/オフする周波数が高くなると、それに伴なって、トランジスタ18aにおける損失が増大し、発熱量も増大する。また逆に、通電をオン/オフする周波数が人間の可聴周波数の上限よりも低い場合、電流のスイッチングによって生じる機械振動が、ノイズとして人間に聞こえることになる。従って、トランジスタ18aのオン/オフ周波数を、一般的な人間の可聴周波数の上限より僅かに高い周波数(例えば15KHz)になるように制御するのが望ましい。
【0045】
トランジスタ18aのオン/オフ周波数を制御するために、この実施例の装置を試作する前に、図11に(a)として示す制御を実施した。この制御について説明する。即ち、周期が一定の同期信号を用いて、その周期毎に生じるタイミングt1,t2,t3,・・・を生成し、トランジスタ18aに印加する信号S81xを、Vr2<Vs6になる毎にオフレベルに切換え、タイミングt1,t2,t3,・・・の各々において、Vr2>Vs6であれば、その時に信号S81xをオンレベルに切換えるが、Vr2≦Vs6なら信号S81xをオフレベルに維持する。
【0046】
ところが、この制御(図11の(a))では、同期信号のタイミング(t4)の直前でVr2<Vs6になると、その直後の同期信号のタイミング(t4)で、Vr2<Vs6であるため、信号S81xはオフレベルに維持される。その結果、信号S81xのオン/オフが切換らない期間が長くなり、トランジスタ18aのオン/オフ周波数が人間の可聴周波数の上限より低くなる時があった。
【0047】
そこでこの実施例では、更に改良されたタイミング制御回路17cを用いて、図11に(b)として示すように制御している。この制御を図11に(b)を参照して説明する。周期が一定の同期信号を用いて、その周期毎に生じるタイミングt1,t2,t3,・・・を生成する。信号FEは、Vs6>Vr2になった時に高レベルH(オン不可)に切換え、同期信号の各タイミングt1,t2,t3,・・・でそれぞれ低レベルL(オン可)に切換える。そして、信号S81をオフに切換える条件は、Vs6>Vr2になった時であり、信号S81をオンに切換える条件は、信号FEがオン可で、かつVs6≦Vr2になった時である。この制御によれば、同期信号のタイミング(t4)の直前でVr2<Vs6になり、その直後の同期信号のタイミング(t4)で、Vr2<Vs6であっても、信号FEがオン可に切換わった後でVs6>Vr2になれば、その時に信号S81がオンに切換るため、信号S81のオン/オフ周期は、同期信号の周期(基準チョッピング周期)とほぼ同一になり、周波数の変化はあまり生じない。このため、同期信号の周波数を人間の可聴周波数の上限より僅かに高く設定することにより、可聴周波数のノイズの発生を防止し、しかも大きな発熱の発生も防止しうる。
【0048】
実際のタイミング制御回路17cの構成を図3に示し、回路中の各部の信号波形の例を図10に示す。この実施例では、同期信号CLK15Kとして、周波数が15KHzのパルス信号を用いている。図3に示す回路は、ゲ−ト回路171,174,177,178及び179と、D型のフリップフロップ172,173,176及び17Aと、インバ−タ175を備えている。図10に示すように、信号FEは、入力信号S71がVs6>Vr2の条件になると、「オン不可」に切換り、15KHzの同期信号CLK15Kの立上りのタイミングで「オン可」に切換る。そして信号S81は、入力信号S71がVs6>Vr2の条件になると、オフに切換り、信号FEの「オン不可」が解除された後で、入力信号S71がVs6<Vr2になると、オンに切換る。従って、タイミング制御回路17cを用いることにより、図11に(b)として示す制御が実現する。
【0049】
ところで、例えばモ−タ1の回転速度を目標速度に正確に追従させるために、速度のフィ−ドバック制御を実施するのが望ましい。この実施例においては、比較器7aに入力する電流の基準レベルVr2を制御することにより、モ−タ1の電流値を制御しているが、電流の微妙な波形の制御をも可能にするために、モ−タ1の微小回転角度(0.7度)毎に、独立した電流値が基準レベルVr2に割り当てられる。このため、例えば回転数(rpm)や必要トルクの変更に伴なって、モ−タ1の付勢量を調整する場合には、各相のコイルの全角度の電流値をそれぞれ計算して、それらの値をメモリに更新登録しなければならない。即ち、制御量の更新に非常に時間がかかるため、制御系の応答が非常に遅い。このような多数の電流値を調整する制御系(電流波形生成回路15)に、速度フィ−ドバック制御を含めると、速度変化に対する速い応答は期待できない。
【0050】
そこでこの実施例においては、電流波形の生成とは別の独立した制御系として、速度フィ−ドバック制御を実施している。即ち、図2に示すように、速度フィ−ドバック制御によって生成される速度補償値は、加算回路16によって、電流波形生成回路15の出力信号S4に加算される。従って、この速度フィ−ドバック制御系には、格別に時間のかかる処理が含まれないため、速度制御系の応答速度は速い。
【0051】
加算回路16においては、速度補償値の他に、振動補償値が加算される。この振動補償値は、モ−タ1の回転方向の微小振動を抑制するための補償値である。本発明者の実験によれば、SRモ−タ1を一定の方向に回転駆動している間に、その回転子は、一時的に駆動方向とは逆の方向に回転(振動)する場合があることが確かめられている。このような逆転による振動を抑制すれば、SRモ−タ1がより滑らかに駆動され、騒音も確実に低減される。
【0052】
そこでこの実施例においては、駆動中の回転方向の逆転を検出し、その逆転を抑制するような振動補償値を生成し、それを加算回路16に入力して電流値を補償している。この振動補償制御系においても、電流波形の生成とは別の独立した制御系であるため、速い変化(振動)に対して充分に追従しうる。
【0053】
実際には、図7に示す方向検出回路5を用いて、角度センサ1dが出力する信号の下位2ビットに基づいて、SRモ−タ1の回転子の回転方向CW/CCW(前進方向/後退方向)を検出している。図7を参照すると、方向検出回路5は、D型のフリップフロップ51,52及び58とゲ−ト回路53,54,55,56及び57で構成されている。この方向検出回路5の各部の信号波形の例を図8に示すので参照されたい。角度センサ1dと方向検出回路5を用いることにより、微妙な逆転をも検出することができる。
【0054】
図1に示すCPU11の動作の概略を図14に示す。図14を参照してCPU11の動作を説明する。電源がオンすると、ステップ61で初期化を実行する。即ち、CPU11の内部メモリの初期化および内部タイマ,割込等のモ−ドセットを実施した後、システムの診断を実施し、異常がなければ次の処理に進む。
【0055】
ステップ62では、シフトレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,アクセル開度センサのそれぞれが出力する信号の状態を読取る。ステップ62で検出した状態に何らかの変化があった場合には、ステップ63からステップ64に進む。変化がない時には、ステップ63からステップ65に進む。
【0056】
ステップ64では、ステップ62で検出した各種状態に基づいて、SRモ−タ1の駆動トルクの目標値を決定する。例えば、アクセル開度センサによって検出されたアクセル開度が増大した時には、駆動トルクの目標値も増大する。また、ここで目標トルクの変化を示すトルク変更フラグをセットする。
【0057】
ステップ65では、検出された現在のSRモ−タ1の回転速度を入力する。なお回転速度は、後述する割込処理によって検出される。そして、SRモ−タ1の回転速度に変化がある時には、ステップ66からステップ68に進み、回転速度に変化がなければステップ67に進む。ステップ67では、トルク変更フラグの状態を調べ、フラグがセットされている時、即ち目標トルクの変化がある時には、ステップ68に進み、トルクに変化がない時にはステップ62に戻る。
【0058】
ステップ68では、PWMマップメモリ13bを参照してデ−タを入力し、CPU11が出力しているパルス信号(PWM信号)S10のデュ−ティを変更する。このパルス信号S10は、モ−タ1の駆動中は常時出力されており、その周期は15KHzに固定されているが、デュ−ティはその時の状態に応じて変更される。
【0059】
即ち、PWMマップメモリ13bは、予め様々なデ−タを登録した読み出し専用メモリ(ROM)で構成してあり、図13に示すように、様々な目標トルクと様々な回転数(モ−タの回転速度)のそれぞれに対応付けられた多数のデ−タPnm(n:トルクに対応する列の数値,m:回転数に対応する行の数値)が保持されている。例えば、デ−タP34には、オンデュ−ティの95%を示す数値が保持されているので、例えば、トルクが20[N・m]で回転数が500[rpm]の時には、CPU11は、デ−タP34の内容を参照して、信号S10のオン時間が95%になるようにそのデュ−ティを更新する。
【0060】
次のステップ69では、電流マップメモリ13a及び波形マップメモリ13cから、それぞれデ−タを入力する。この実施例では、電流マップメモリ13a及び波形マップメモリ13cは、予め様々なデ−タを登録した読み出し専用メモリ(ROM)で構成してあり、電流マップメモリ13aには図19に示すようなデ−タが保持され、波形マップメモリ13cには図21に示すようなデ−タが保持されている。
【0061】
即ち、電流マップメモリ13aには、様々な目標トルクと様々な回転数(モ−タの回転速度)のそれぞれに対応付けられた多数のデ−タCnm(n:トルクに対応する列の数値,m:回転数に対応する行の数値)が保持されており、デ−タCnmの1組には、通電オン角度,通電オフ角度,電流上限値及び波形パタ−ン番号が含まれている。例えば、トルクが20[N・m]で回転数が500[rpm]の時のデ−タC34の内容は、52.5度,82.5度,200[A]及び波形パタ−ン番号3である。このデ−タC34は、0〜90度の回転位置の範囲内における通電情報を示しており、52.5〜82.5度の範囲においては、電流の上限値が200Aの予め定めた3番の波形パタ−ンの電流を流し、0〜52.5度の範囲及び82.5〜90度の範囲では電流を遮断することを意味している。ステップ69では、その時のトルクと回転数に応じて選択した、Cmnの1組のデ−タを入力する。
【0062】
更に、入力したCmnのデ−タに含まれる波形パタ−ン番号に対応する1組の波形デ−タを、波形マップメモリ13cから読み込む。例えば、波形パタ−ン番号が3の場合には、図21に示す0,12,26,40,・・・・の一連の波形デ−タを入力する。この波形デ−タによって、実際にコイルに流す電流の基準値の波形が決定される。即ち、モ−タの回転子の角度ステップ毎に、電流の基準値は細かく調整される。
【0063】
次のステップ6Aでは、ステップ69で入力したデ−タCnm及び波形デ−タに基づいて、通電マップのデ−タを生成する。即ち、モ−タの回転子の各々の角度ステップに対応付けられた多数の電流基準値とそれに付随するデ−タ(詳細は後述する)を生成する。そして、この通電マップのデ−タを、電流波形生成回路15の内部にあるメモリ(双方向性メモリ)に書込む。後述するように、電流波形生成回路15は、基準となる1相のデ−タに基づいて3相全てのデ−タを自動的に生成するので、ステップ6Aでは、特定の1相分の通電マップだけを作成し、それを電流波形生成回路15のメモリに書込む。
【0064】
CPU11は、上述のステップ62〜6Aの処理を繰り返し実行する。そして、検出したSRモ−タの回転速度及びトルクが一定の場合には、ステップ66−67−62を通るが、回転速度が変化した場合、又はトルクが変化した場合には、ステップ68−69−6A−6Bを実行するので、電流波形生成回路15の通電マップが更新される。
【0065】
また、ステップ61の初期化を終了した後、4msec 毎にCPU11にタイマ割込みが発生する。このタイマ割込みが発生すると、CPU11は図15に示す処理を実行する。図15を参照して説明する。
【0066】
ステップ71では、カウンタTM24の値を参照して、24msec 周期で生じる所定のタイミングか否かを識別する。即ち、24msec に1回の割合いで、ステップ71からステップ7Cに進み、それ以外の時にはステップ71からステップ72に進む。
【0067】
ステップ72では、カウンタTM8の値を参照して、8msec 周期で生じる所定のタイミングか否かを識別する。即ち、8msec に1回の割合いで、ステップ72からステップ7Dに進み、それ以外の時にはステップ72からステップ73に進む。
【0068】
24msec に1回の割合いで実行されるステップ7Cにおいては、まず、速度補償値を生成する。即ち、モ−タ1の目標駆動速度と、検出したモ−タ回転速度とに基づいて、所定のPID(比例・積分・微分)演算を実行し、その結果を速度補償値とする。そして、この速度補償値を、出力して加算回路16に入力する。また、カウンタTM24をクリアする。
【0069】
8msec に1回の割合いで実行されるステップ7Dにおいては、まず、シフトレバ−,ブレ−キスイッチ,アクセルスイッチ,アクセル開度センサ等の状態を、入力インタ−フェ−ス12を介して読取り、その結果を内部メモリに保持する。また、モ−タの回転速度を計算する。この実施例では、SRモ−タ1の駆動軸に連結された角度センサ1dが、駆動軸の回転速度に応じて周期が変化するパルス信号を出力するので、CPU11は、角度センサ1dが出力する信号のパルス周期を測定し、この周期に基づいてSRモ−タ1の回転速度を検出する。検出した回転速度のデ−タは内部メモリに保存する。ステップ7Dでは、更に、カウンタTM8をクリアする。
【0070】
ステップ73においては、SRモ−タ1を駆動中か否かを識別し、駆動中であれば次にステップ74に進み、そうでなければステップ7Aに進む。ステップ74では、現在のSRモ−タの駆動方向(駆動しようとしている方向)が正転/逆転のいずれであるかを識別する。そして次のステップ75では、現在のSRモ−タの実際の回転方向が正転/逆転のいずれであるかを識別する。SRモ−タの実際の回転方向は、方向検出回路5によって検出されるので、CPU11は、方向検出回路5が出力する2値信号CW/CCWを参照して、SRモ−タ1の実際の回転方向を識別する。
【0071】
ステップ76では、ステップ74で識別した現在のSRモ−タの駆動方向と、ステップ75で識別した現在のSRモ−タの実際の回転方向とが一致するか否かを識別する。一致する場合には、ステップ7Bに進み、振動補償値に0をセットする。また、駆動方向と実際の回転方向とが一致しない場合、即ち振動により、駆動方向に対して回転子が逆転方向に回転している時には、ステップ78に進み、予め定めた定数を振動補償値にセットする。この実施例においては、ステップ78で振動補償値にセットする定数(電流値)を+30[A]に定めてある。次のステップ79では、ステップ78又は7Bで決定した振動補償値を出力し、それを加算回路16に印加する。なお、この振動補償値は、3相の制御系で共通に利用される。
【0072】
ステップ7Aでは、カウンタTM24の値およびTM8の値をそれぞれ更新(+1)する。またステップ7Eでは、次回の割込みを発生させるために、割込用のタイマを再セットする。
【0073】
電流波形生成回路15が出力する電流指示値S4と、補正後の電流指示値S4Bの波形例を図9に示す。図9において、CP1が振動補償値であり、CP2が速度補償値である。振動補償値CP1と速度補償値CP2は、それぞれ3相で共通に利用される。また、電流指示値S4が0の時には、補正後の電流指示値S4Bも0にする。振動補償値CP1を電流指示値S4に加算することによって、SRモ−タ1の振動が抑制されるため騒音が低減され、また速度補償値CP2を電流指示値S4に加算することによって、SRモ−タ1の速度制御の応答性が改善される。
【0074】
さて、この実施例では3相のSRモ−タ1を駆動するので、各相のコイルに流す電流の指示値を3相分生成する必要がある。この実施例では、電流指示値を回転子の位置(微小角度ステップ)毎にそれぞれ調整して通電波形を最適化しようとしているので、電流指示値S4の生成は非常に難しい。しかも、回転子が微小回転する毎に電流指示値を変える必要があるので、電流指示値S4の更新は瞬時に実行できなければならない。このような信号を発生するためには、メモリに多数の電流指示値(通電マップ)を予め登録して、メモリのアドレスを回転子の位置(角度ステップ)に対応付け、回転子の位置が変わる毎に、その位置情報をメモリのアドレスに印加して、その位置の電流指示値をメモリから読み出して電流制御系に与えるように制御すればよい。また、このような回路を3組設置すれば、3相の電流指示値を生成することが可能である。
【0075】
しかしながら、3相のそれぞれに対応して、独立した電流波形生成回路を3組設けると、必要なメモリの容量が大きくなり、回路構成も複雑化するのは避けられない。また、CPU11は、モ−タの回転数や必要トルクが変化する度に、メモリの内容(通電マップ)を書き替えなければならないが、メモリの容量が大きいと、その内容を全て更新するのに長い時間が必要になるため、制御系の応答性が悪くなる。
【0076】
一方、図9及び図20に示すように、3相の電流指示値の波形は、互いに相似形であり、互いに波形の位相(相対角度)だけが異なっている。従って、1相の電流指示値の波形に基づいて、その位相をずらした信号を生成すれば、3相の電流指示値を生成することが可能である。
【0077】
例えば、図5に示すように、第1相の0〜90度の範囲内の各角度ステップに対応付けた多数の波形デ−タ(ハッチングを施した部分)を、それぞれの角度ステップに対応付けたメモリアドレスに保持しておく場合には、メモリアドレスに対する指示角度に+30度の補正を加えることにより、第2相の波形デ−タを得ることができ、また、メモリアドレスに対する指示角度に+60度の補正を加えることにより、第3相の波形デ−タを得ることができる。また、第1相の0〜90度の範囲の波形の繰り返しによって、0〜360度の範囲の波形デ−タを得ることができる。
【0078】
即ち、基準となる1相の波形だけをメモリに登録しておき、それに基づいて3相の信号波形を生成することができる。このようにすれば、メモリの容量が低減され、回路構成が簡略化され、メモリの内容を更新する処理の所要時間が短縮される。
【0079】
実際の電流波形生成回路15の構成を図4に示し、各部の信号のタイミングを図6に示す。CPU11が生成する通電マップは、電流波形生成回路15内の双方向RAM(読み書きメモリ)49に書込まれる。この実施例においては、双方向RAM49は、2つのメモリバンクを有しており、これら2つのメモリバンクのうち、一方から波形デ−タの読み出しが実行され、他方に対してCPU11のデ−タ書込みが実行される。従って、波形デ−タの読み出しとCPU11のデ−タ書込みとが同時に実行できる。
【0080】
双方向RAM49のメモリバンク1はD800H〜D886H(H:16進数表記を示す、以下同様)のメモリアドレスに割当ててあり、メモリバンク2はDC00H〜DC86Hのメモリアドレスに割当ててある。メモリバンク1の領域内は次のように割当ててある。
【0081】
D800H〜D87FH(128バイト):
回転角度の0.7度毎の各電流値(90度:128ステップ)
D880H :第1相の角度1(通電開始又は終了角度)
D881H :第1相の角度2(通電終了又は開始角度)
D882H :第2相の角度1(通電開始又は終了角度)
D883H :第2相の角度2(通電終了又は開始角度)
D884H :第3相の角度1(通電開始又は終了角度)
D885H :第3相の角度2(通電終了又は開始角度)
D886H :波形の凸/凹(角度1で通電開始→角度2で通電終了,
角度1で通電終了→角度2で通電開始、の区分)
メモリバンク2のメモリ割当ては、アドレスが400H ずれる他は、メモリバンク1と同一である。メモリバンク1とメモリバンク2の切換えは、双方向RAM49のアドレスのビット10(A10)の制御により実施される。
【0082】
図4及び図6を参照して、電流波形生成回路15を説明する。角度センサ1dが出力する10ビットの角度信号RZ0〜RZ9は、ラッチ41によりラッチされ、加算器47の一方の入力に印加される。また、角度信号RZ0は、タイミングパルス発生回路42に印加される。タイミングパルス発生回路42は、その内部で生成する8MHzのクロックパルスCLK8Mと角度信号RZ0に基づいて、クロックパルスCLK1A,CLK1B,CLK2A,CLK2B及びラッチ制御信号LATZを生成する。
【0083】
4ビットカウンタ44は、タイミングパルス発生回路42が出力するクロックパルスCLK2Bを計数して、0〜15の範囲の数値を順番に計数値CNTとして繰り返し出力する。電流波形生成回路15の各回路の動作は、4ビットカウンタ44が出力する計数値CNTの値に応じて決定される。計数値CNTは、ラッチ制御回路45,角度補正出力回路46,アドレス制御回路48,及び駆動信号生成回路4Cに入力される。
【0084】
角度補正出力回路46は、エンコ−ダであり、入力される計数値CNTの値に応じて、次のような補正値CPSをそれぞれ出力する。
【0085】
CNT:0〜3, CPS:0 (0度)
CNT:4〜7, CPS:84(60度)
CNT:8〜11, CPS:42(30度)
CNT:12〜15,CPS:42(30度:ダミ−)
従って、加算器47の出力には、計数値CNTが0〜3の時には、その時の回転子の回転位置(角度:RZ0−RZ9)がそのまま現われるが、計数値CNTが4〜7の時には、60度分が加算(シフト)され、計数値CNTが8〜11の時には、30度分が加算(シフト)される。なお、計数値CNTが12〜15の時の加算器47の出力は利用されない。
【0086】
アドレス制御回路48は、入力される計数値CNTの値に応じて、次のような8ビット値MA07をそれぞれ出力する。
【0087】
CNT:0,1,4,5,8,9, MA07:加算器47の出力
CNT:2 MA07:0
CNT:3 MA07:1
CNT:6 MA07:2
CNT:7 MA07:3
CNT:10 MA07:4
CNT:11 MA07:5
CNT:12〜15 MA07:6
また、ラッチ制御回路45は、入力される計数値CNTの値に応じて、次のように2ビット値MA89をそれぞれ出力する。またメモリ読出し信号MRDは、計数値CNTが0〜12の間、有効になる。
【0088】
CNT:0,1,4,5,8,9 MA89:00H
CNT:2,3,6,7,10〜15 MA89:01H
アドレス制御回路48が出力する8ビット値MA07は、双方向RAMのアドレスの下位8ビットに印加され、ラッチ制御回路45が出力する2ビット値MA89は、双方向RAMのアドレスの第8ビット及び第9ビットに印加される。従って、双方向RAM49の下位10ビットの指定アドレスは、入力される計数値CNTの値に応じて次のようになる。
【0089】
CNT:0,1,4,5,8,9, MA07:加算器47の出力
CNT:2 MA07:0100H
CNT:3 MA07:0101H
CNT:6 MA07:0102H
CNT:7 MA07:0103H
CNT:10 MA07:0104H
CNT:11 MA07:0105H
CNT:12〜15 MA07:0106H
つまり、入力される計数値CNTの値に応じて、それぞれ次のような情報が、双方向RAM49から読み出される。
【0090】
Figure 0003564582
計数値CNTが0,1の時に双方向RAM49から出力される第1相の電流値(DATA:8ビット)は、ラッチ制御回路45が出力する信号PH1Cに同期して、ラッチ4Eにラッチされる。同様に、計数値CNTが4,5の時に双方向RAM49から出力される第2相の電流値は、ラッチ制御信号PH2Cに同期して、ラッチ4Eにラッチされ、計数値CNTが8,9の時に双方向RAM49から出力される第3相の電流値は、ラッチ制御信号PH3Cに同期して、ラッチ4Eにラッチされる。ラッチ4Eから出力される3組(3相)の信号S4が、図1に示す加算回路16に印加される。
【0091】
一方、コンパレ−タ4Bは、加算器47の出力と、双方向RAM49の出力とを比較する。ここで、実際に利用されるのは、双方向RAM49の出力のうち、第1相の角度1,第1相の角度2,第2相の角度1,第2相の角度2,第3相の角度1,第3相の角度2および波形の凸/凹区分である。即ち、コンパレ−タ4Bは、現在の回転子の角度(+シフト量)と各相の角度1,角度2との大小関係を識別する。
【0092】
コンパレ−タ4Bの出力は、ラッチ制御回路45が出力する制御信号LTCH1によって、計数値CNTが2,3,6,7,10,11,12及び13の時に、それぞれ駆動信号生成回路4Cの内部でラッチされ利用される。即ち、計数値CNTが2及び3の時のコンパレ−タ4Bの出力を利用して、第1相についての通電のオン/オフの切換りを示す2値信号を生成し、計数値CNTが6及び7の時のコンパレ−タ4Bの出力を利用して、第2相についての通電のオン/オフの切換りを示す2値信号を生成し、計数値CNTが10及び11の時のコンパレ−タ4Bの出力を利用して、第3相についての通電のオン/オフの切換りを示す2値信号を生成する。また、計数値CNTが12及び13の時のコンパレ−タ4Bの出力を利用して、波形の凸/凹を識別し、通電のオン/オフを示す2値信号(S5)を生成する。
【0093】
ところで、加算器47が出力する8ビットデ−タは、0〜127の範囲にあり、最上位ビットは常に0である。また、双方向RAM49に保持された第1相の角度1,第1相の角度2,第2相の角度1,第2相の角度2,第3相の角度1及び第3相の角度2も0〜127の範囲にあり、最上位ビットは常に0である。一方、双方向RAM49に保持された波形の凸/凹区分は、凹波形に255が割当てられ、凸波形に0が割り当てられている。そのため、コンパレ−タ4Bが波形の凸/凹区分と加算器47の出力とを比較する時には、加算器47の出力とは無関係に、波形の凸/凹区分のみに従ってコンパレ−タ4Bの出力が定まる。従って駆動信号生成回路4Cは、計数値CNTが12及び13の時には、「波形の凸/凹区分」情報に応じて、出力する3相の2値信号の波形の凸/凹を決定する。
【0094】
即ち、波形の凸/凹区分が0の場合:
(現在の角度)≦(第1相の角度1)の間はオフ
(第1相の角度1)<(現在の角度)≦(第1相の角度2)の間はオン
(第1相の角度2)<(現在の角度)の間はオフ
となる2値信号(S5)を生成し、
波形の凸/凹区分が255の場合:
(現在の角度)≦(第1相の角度1)の間はオン
(第1相の角度1)<(現在の角度)≦(第1相の角度2)の間はオフ
(第1相の角度2)<(現在の角度)の間はオン
となる2値信号(S5)を生成する。第2相,第3相の2値信号(S5)についても同様である。
【0095】
駆動信号生成回路4Cが生成する第1相,第2相および第3相の2値信号(S5)は、それぞれ駆動信号生成回路4Cから出力されてラッチ4Dに入力される。そして、全ての2値信号の状態が確定するタイミング(CNT:13)でラッチ制御回路45から出力されるラッチ制御信号LTCH1に同期して現われる制御信号LAT0によって、駆動信号生成回路4Cが出力する3つの2値信号はラッチ4Dにラッチされ、3相の2値信号S5として、出力判定回路17に印加される。
【0096】
【発明の効果】
以上のとおり、請求項1の発明によれば、スイッチドレラクタンスモ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。また、モ−タの回転方向と駆動方向との一致/不一致に応じて、振動補償量を調整するので、回転方向の逆転を抑制し、振動を抑制しうる。例えば、振動によって実回転方向が、駆動方向に対して逆転している時に、正転の時に比べてモ−タの駆動トルクを大きくすれば、逆転の期間が短縮され、振動が抑制される。
【0097】
請求項の発明によれば、モ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。また、速度補償量により、目標回転速度と実回転速度との誤差を低減でき、振動補償量により、モ−タの回転方向の振動を抑制しうる。
【0098】
また請求項3においては、回転位置検出手段(1d)が検出した回転子の実回転位置の微小変化から、実回転方向の変化を検出するため、振動による実回転方向の変化を高感度で検出しうる。
【0099】
請求項4の発明によれば、モ−タの回転位置(角度)毎に付勢量(例えば電流値)を微妙に調整することができるので、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。
【0100】
また、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値の更新(計算等の処理)には時間がかかるが、請求項5では、前記第1の制御手段から独立した経路で、前記速度補償量及び前記振動補償量を前記モ−タ付勢手段の入力に加算するので、制御の応答が速く、モ−タの回転を円滑にするのに効果的である。
【0101】
また請求項6では、回転速度と必要トルクの両者をパラメ−タとして変化する少なくとも電流値の情報を、回転速度と必要トルクに対応付けて予め保持する電流マップ手段(13a)を備えているため、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する処理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のモ−タ駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の一部分の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図2のタイミング制御回路17cを示すブロック図である。
【図4】図1の電流波形生成回路15の構成を示すブロック図である。
【図5】電流波形生成回路15のメモリの内容と生成する波形との対応を示す模式図である。
【図6】電流波形生成回路15の動作を示すタイムチャ−トである。
【図7】図1の方向検出回路5の構成を示すブロック図である。
【図8】方向検出回路5の動作を示すタイムチャ−トである。
【図9】電流波形生成回路15の出力と補償後の信号を示すタイムチャ−トである。
【図10】図2のタイミング制御回路17cの動作を示すタイムチャ−トである。
【図11】図2のタイミング制御回路17cと改良前の装置の動作を示すタイムチャ−トである。
【図12】電流の基準レベルVr2と負荷に流れる電流の波形を示すタイムチャ−トである。
【図13】PWMマップメモリ13bの内容を示すマップである。
【図14】CPU11の処理を示すフロ−チャ−トである。
【図15】CPU11のタイマ割込処理を示すフロ−チャ−トである。
【図16】通電回路に流れる電流の経路を示すブロック図である。
【図17】通電回路に流れる電流の経路を示すブロック図である。
【図18】SRモ−タ内部の基本構造を示す正面図である。
【図19】電流マップメモリ13aの内容を示すマップである。
【図20】実施例のSRモ−タ1を駆動する場合の基本的な電流波形の例を示すタイムチャ−トである。
【図21】波形マップメモリ13cの内容を示すマップである。
【符号の説明】
1:SRモ−タ 1a,1b,1c,CL:コイル
2,3,4:電流センサ 5:方向検出回路
6:D/A変換器 7:比較回路
7a:アナログ比較器 11:CPU
12:入力インタ−フェ−ス
13a:電流マップメモリ 13b:PWMマップメモリ
13c:波形マップメモリ 14:電源回路
15:電流波形生成回路 16:加算回路
16a,16b:加算器 17:出力判定回路
18,19,1A:ドライバ
18a,18b:トランジスタ(IGBT)
18c,18d:ダイオ−ド
18e,18f:電源ライン
41:ラッチ
42:タイミングパルス発生回路
43:カウンタ制御回路 44:4ビットカウンタ
45:ラッチ制御回路 46:角度補正出力回路
47:加算器 48:アドレス制御回路
49:双方向RAM 4A:バンク切換回路
4B:コンパレ−タ 4C:駆動信号生成回路
4D,4E:ラッチ R:回転子
S:固定子 Ra〜Rd,Sa〜Sf:極部

Claims (6)

  1. スイッチドレラクタンスモ−タの回転子の回転位置毎の付勢量目標値を保持する通電マップ手段;
    記モ−タの回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段;
    記モ−タの実際の付勢量を検出する付勢量検出手段;
    少なくとも前記モ−タの回転速度の変化に対応して、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、第1の制御手段;
    前記モ−タの回転子の回転中の微小振動による回転方向の変化を含む実回転方向を検出する方向検出手段;
    記モ−タの目標駆動方向と、前記方向検出手段が検出した実回転方向とが一致する場合と、それらが一致しない場合とで、互いに異なる振動補償量を生成する、第2の制御手段;
    前記回転位置検出手段が検出した回転位置に宛てた、前記通電マップ手段に保持された付勢量目標値に、前記振動補償量を加算する補償量加算手段;および、
    該補償量加算手段による加算値と前記付勢量検出手段が検出した付勢量とに応じた付勢制御を実施するモ−タ付勢手段;
    を備えるスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
  2. 前記第2の制御手段は、記モ−タの目標回転速度と実回転速度との差に応じた速度補償量を生成して前記補償量加算手段に出力し;前記補償量加算手段は前記付勢量目標値に、前記振動補償量および速度補償量を加算する;請求項1に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
  3. 前記方向検出手段は、回転位置検出手段が検出した回転子の実回転位置の微小変化から、実回転方向の変化を検出する、前記請求項1又は請求項2記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
  4. スイッチドレラクタンスモ−タの回転子の回転位置毎の付勢量目標値を保持する通電マップ手段;
    記モ−タの回転子の回転位置を検出する回転位置検出手段;
    記モ−タの実際の付勢量を検出する付勢量検出手段;
    少なくとも前記モ−タの回転速度の変化に対応して、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、第1の制御手段;
    少なくとも前記モータの目標回転速度と実回転速度との差に応じた速度補償量を生成する、第2の制御手段;
    前記回転位置検出手段が検出した回転位置に宛てた、前記通電マップ手段に保持された付勢量目標値に、前記速度補償量を加算する補償量加算手段;および、
    該補償量加算手段による加算値と前記付勢量検出手段が検出した付勢量とに応じた付勢制御を実施するモ−タ付勢手段;
    を備えるスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
  5. 前記補償量加算手段は、前記第1の制御手段から独立した経路にある、請求項1,請求項2,請求項3又は請求項4に記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
  6. 回転速度と必要トルクの両者をパラメ−タとして変化する少なくとも電流値の情報を、回転速度と必要トルクに対応付けて予め保持する電流マップ手段を含み、前記第1の制御手段は、前記モ−タの回転速度と必要トルクの変化に対応して、前記電流マップ手段の内容を入力し、その内容に基づいて、前記通電マップ手段が保持する付勢量目標値を更新する、前記請求項1,請求項2,請求項3,請求項4又は請求項5記載のスイッチドレラクタンスモ−タの通電制御装置。
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