JPH0997677A - El素子 - Google Patents

El素子

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JPH0997677A
JPH0997677A JP7333558A JP33355895A JPH0997677A JP H0997677 A JPH0997677 A JP H0997677A JP 7333558 A JP7333558 A JP 7333558A JP 33355895 A JP33355895 A JP 33355895A JP H0997677 A JPH0997677 A JP H0997677A
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片山  雅之
Nobue Ito
信衛 伊藤
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    • Y10T428/24942Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.] including components having same physical characteristic in differing degree

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光層を積層構成した場合に輝度を向上させ
るとともに発光開始電圧を低下させる。 【解決手段】 ガラス基板1上に、第1電極2、第1絶
縁層3、第1発光層4、第2発光層5、第2絶縁層6、
第2電極7、保護膜8、赤色フィルタ9が形成されてい
る。ここで、第1発光層4はMnが添加されたZnSか
ら成り、第2発光層5はTbが添加されたZnSから成
り、第2発光層5のクランプ電界強度は第1発光層4よ
り高く、かつ第1発光層4の誘電率とクランプ電界強度
の積が第2発光層5の誘電率とクランプ電界強度の積よ
り大きくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、EL(エレクトロ
ルミネッセンス)素子に関し、特に、多色発光が可能な
EL素子に関する。
【0002】
【従来の技術】EL素子の発光色は、ZnS(硫化亜
鉛)を母体材料とし、発光中心としてMn(マンガン)
を添加した場合には黄橙色となり、Tb(テルビウム)
を添加した場合には緑色となる。特開平2ー11219
5号公報には、ZnSを母体材料とし発光中心としてM
nを添加したZnS:Mn発光層と、ZnSを母体材料
とし発光中心としてTbを添加したZnS:Tb発光層
とを積層し、その上に赤色と緑色のフィルタを設けて多
色発光を行うものが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなEL素子に
おいては、2つの発光層を積層するため、単純に単層E
Lと同じ膜厚の発光層を積層したのでは、駆動電圧(発
光開始電圧)が高くなってしまうということになる。従
って、発光開始電圧を低下させるためには、各々の膜厚
を減少させる必要があるが、その場合には発光輝度も低
下してしまうという問題がある。
【0004】また、色分離するためにフィルタを必要と
するので、フィルタによる透過損失により、更に発光輝
度が低下してしまう。本発明は上記問題に鑑みたもの
で、発光層自体での輝度向上を図ることを目的とする。
また、発光開始電圧を低下させることを他の目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ZnS:
Mn発光層とZnS:Tb発光層とを積層したEL素子
について、鋭意研究を行った。その結果、ある製造条件
の下で実験を行ったところ、ZnS:Mn発光層を上層
にしても下層にしても、ZnS:Mn発光層が単層の場
合に比べ単位膜厚当たりの輝度が向上する現象が生じる
場合があることが判明した。
【0006】発光層を積層した場合には、上層の発光層
の方が輝度が向上することが、特公昭60ー15115
号公報に記載されている。これは、上層の発光層の結晶
性が向上するからである。しかしながら、上記の実験結
果では、ZnS:Mn発光層を下層にした場合でも輝度
が向上している。本発明者等は、このような現象が生じ
た場合の実験データを基に、それぞれの層でのクランプ
電界強度が関係しているのではないかとの結論を得た。
【0007】これは、図25のバンド図に示すように、
クランプ電界強度の高い方の発光層(図では第2発光
層)から電荷(ホットエレクトロン)が加速され、高い
加速エネルギーを持ってクランプ電界強度の低い方(図
では第1発光層)に注入されるためであると考えられ
る。従って、上記したようにZnS:Mn発光層が高い
輝度を示すことになる。
【0008】このような考察からすれば、積層構造にし
て輝度を高める場合に、2つの発光層を積層する必要は
ない。すなわち、輝度を高めるための発光層と、この発
光層よりも高いクランプ電界強度を有する化合物半導体
層を積層すればよい。この場合、発光層と化合物半導体
層を同じ母体材料から構成すれば、その間の膜界面に連
続性を持たせることができるため、クランプ電界強度の
高い化合物半導体層から電荷を注入しやすくなり、輝度
を向上させることができる。
【0009】また、化合物半導体層を、発光層の基板に
近い側に隣接して配設するようにすれば、発光層の結晶
性を良好にして発光層の輝度を一層高めることができ
る。さらに、化合物半導体層を、可視光域でのEL発光
を生起しないものとすれば、発光層のみの単色光でかつ
輝度の高いものを得ることができる。例えば、化合物半
導体層の母体材料をZnSとした場合に、Cd(カドミ
ウム)、またはCdSを添加剤として含ませることがで
きる。この場合、CdS半導体はエネルギーギャップが
小さいので可視光域での光を吸収する。従って、Cdの
多量の添加は黒化するので、その添加量は数at%以下
にして、ZnSの母体特性(透明性等)を活かす必要が
ある。
【0010】また、化合物半導体層を、発光層と同様の
EL発光を生起するものとすることもできる。例えば、
発光層として青色発光を示すCaGa2 4 :Ceに、
化合物半導体層としてTm(ツリウム)を添加剤として
含むZnS:TmF3 を積層すれば、極めてピュアな青
色発光を得ることができる。また、第1絶縁層、発光
層、第2絶縁層は、図26に示す等価回路で表すことが
できる。ここで、第1絶縁層の比誘電率をεi1、膜厚を
11、発光層の比誘電率をεa 、膜厚をda 、第2絶縁
層の比誘電率をεi2、膜厚をd12 とすると、膜界面に
誘起される表面電荷は等しいので、数式1が成り立つ。
【0011】
【数1】εO ・εi1・S・(Vi1/d11)=εO ・εa
・S・(Va /da )=εO ・εi2・S・(Vi2
12) なお、εO は真空の誘電率、Sは素子面積、Vi1は第1
絶縁層の分圧、Va は発光層の分圧、Vi2は第2絶縁層
の分圧である。
【0012】クランプ電圧時には、Va /da はクラン
プ電界強度Ec であるので、数式1から数式2、3が成
立する。
【0013】
【数2】Vi1=(d11/εi1)・εa ・Ec
【0014】
【数3】Vi2=(d12/εi2)・εa ・Ec ここで、発光層は光始めるまでは誘電体となっているた
め、発光層を第1、第2の発光層にて積層構成した場
合、いずれかの発光層が光始める時には、他方の発光層
は誘電体である。この場合、発光開始電圧はVc は、光
始める発光層の分圧と、誘電体となっている発光層、第
1、第2の絶縁層のそれぞれにかかる分圧との和として
表される。誘電体となっている発光層および第1、第2
の絶縁層のそれぞれにかかる分圧は、数式2、3から、
光始める発光層の誘電率とクランプ電界強度の積で決ま
ることになる。
【0015】このことから、第1、第2の発光層の比誘
電率をεa1、εa2、クランプ電界強度をEc1、Ec2とす
ると、先に発光する発光層は、第1発光層における誘電
率とクランプ電界強度の積εa1×Ec1と、第2発光層に
おける誘電率とクランプ電界強度の積εa2×Ec2の大小
関係により、決定される。通常は、クランプ電界強度の
低い方の発光層から光始めるのであるが、例えば第1発
光層よりも第2発光層のクランプ電界強度の方が高いと
しても、εa1×E c1>εa2×Ec2の関係になると、クラ
ンプ電界強度の高い第2発光層から光始めることにな
る。
【0016】このような点に着目し、本発明者等がさら
に検討を進めていった結果、第1発光層と第2発光層が
同時に発光し、しかもその発光開始電圧が低下する現象
が生じることが判明した。これは、図27のバンド図に
示すように、高いクランプ電界強度を有する第2発光層
が光始めた時、クランプ電圧に達していない第1発光層
に、高い加速エネルギーを持った電荷がトンネリングす
るなどして強制的に飛び込み、これにより第1発光層を
光らせたものと考えられる。
【0017】また、後述する第1実施形態に示すように
ZnS:Mn発光層をパターン形成した後に、ZnS:
Tb発光層を積層し、積層部と単層部とを形成するよう
にした場合、ZnS:Tb発光層を5000ÅでZn
S:Mn発光層を1000Åから3500Åに変化させ
た時、積層部と単層部とがほぼ同時に発光する現象が生
じた。
【0018】通常、積層にすると膜厚が大きくなるため
積層部の発光開始電圧が高くなる。しかしながら、積層
部と単層部とがほぼ同時に発光するということは、積層
部におけるZnS:Mn発光層の発光開始電圧がZn
S:Tb発光層の発光開始電圧まで低下したことにな
る。なお、ZnS:Mn発光層を3500Åより大きく
していった場合には、積層部での発光開始電圧が徐々に
高くなっていった。これは、ZnS:Mn発光層自体の
発光開始電圧の影響が徐々に現れだしたためと思われる
が、その場合でも、ZnS:Mn発光層単層の場合に比
べて発光開始電圧が十分低いものであった。
【0019】上記のような現象からすれば、発光層の発
光開始電圧を低下させるためには、2つの発光層を積層
する必要はなく、発光層と化合物半導体層を積層し、化
合物半導体層のクランプ電界強度を発光層のクランプ電
界強度より高くし、かつ発光層の誘電率とクランプ電界
強度の積が化合物半導体層の誘電率とクランプ電界強度
の積より大きい関係を有するようにすればよい。
【0020】この場合、発光層と化合物半導体層とは、
発光輝度の向上に関して先に説明したのと同様なものを
適用することができる。次に、上記したクランプ電界強
度について説明する。クランプ電界強度とは、発光層に
電圧を印加した時に電流が流れ始める時(クランプ時)
の印加電界強度をいう。具体的には、クランプ電界強度
C は、クランプ時に発光層にかかる分圧Vczを発光層
膜厚dz で割った値として定義され、数式4にて表され
る。
【0021】
【数4】EC =Vcz/dz クランプ時に発光層にかかる分圧Vczは、Sawyer-Tower
回路を用いてEL素子のQ−V特性を測定し、そのヒス
テリシス特性から求める。本実験においては、図28に
示す測定装置を用いた。ここで、Q−V特性を測定する
場合のQは、センスキャパシタCS にかかる電圧VS
測定して数式5から求められる。
【0022】
【数5】Q=CS ・VS 図28に示す測定装置においては、Q−V特性の折れ曲
がり点が比較的顕著に現れるピークホールド法を用いて
おり、ピークホールド回路を介しディジタルマルチメー
タ(DMM)で、電圧VS を測定するようにしている。
【0023】図29に、Q−V特性の測定結果を示す。
ここで、VC は発光層のクランプ電圧、VCZはクランプ
時に発光層にかかる分圧である。従って、Q−V特性か
ら外挿直線を引いてVCZを求め、数式4からクランプ電
界強度EC を求める。なお、EL素子に交流電圧を印加
する場合、最初のパルスと定常状態(数秒後)での測定
でVczの値が異なる場合があるが、定常状態で求められ
るVczの値はEL素子の平均的なクランプ電圧とみなせ
るので、クランプ電界強度は、その平均的なクランプ電
圧から求められる。
【0024】また、発光層の比誘電率εa は、発光層の
みを電極でサンドウィッチしてLCRメータで測定した
容量より算出してもよいが、EL素子のQ−V特性から
も算出できる。Q−V特性の0Vから折れ曲がり点まで
の直線の傾きは、Q=C・Vの関係より、EL素子のト
ータル容量Ct を意味し、折れ曲がり点からの直線の傾
きは、絶縁層の容量Ci を意味する。また、クランプ前
のEL素子では、発光層は誘電体として作用するので、
絶縁層と発光層はコンデンサの直列接続とみなせる。従
って、発光層の容量Cz は数式6で表される。
【0025】
【数6】Cz =Ct ・Ci /(Ct −Ci ) また、発光層の容量Cz と比誘電率εa の関係は、数式
7で表される。
【0026】
【数7】Cz =εO ・εa ・S/dz 従って、発光層の比誘電率εa を数式7を用いて求める
ことができる。上記したクランプ電界強度は、発光層の
製造条件等により変化させることができる。クランプ電
界強度は発光層の結晶性と関係しており、結晶性を良く
するとクランプ電界強度が低下する。
【0027】例えば、熱処理を加えるとクランプ電界強
度が下がり、発光中心のドーパント濃度が高くなるとク
ランプ電界強度が上がる。また、第1発光層および第2
発光層の母体材料を、ZnS等のII-VIb族もしくはII-I
IIb-VIb 族化合物半導体とした場合、II族元素がイオン
半径の大きいものと置換すると、クランプ電界強度が上
がる。例えば、MnよりTbの方がイオン半径が大きい
ので、母体材料をZnSとした場合、発光中心としてT
bを用いたものの方がMnを用いたものよりクランプ電
界強度が高くなる。図30〜32に熱処理(アニール)
温度、発光中心のドーパント濃度、イオン半径の相違に
より、クランプ電界強度が変化する状態を示す。
【0028】また、発光層の結晶性とは別に、発光層界
面の種類によってもクランプ電界強度が異なる。例え
ば、同一発光層でもSiN系絶縁層(又は誘電体層)と
の界面でのクランプ電界強度は、Ta2 5 系やSrT
iO3 系の高誘電体層との界面でのクランプ電界強度に
比べて低い。なお、誘電率は発光中心等の添加剤の濃度
等によって変化する。
【0029】上記したEL素子として、第1発光層を蒸
着法で形成したZnS:Mn発光層とし、第2発光層を
スパッタ法で形成したZnS:Tb発光層とすることが
できる(後述する第1実施形態参照)。また、第1発光
層をスパッタ法で形成したZnS:Tb発光層とし、第
2発光層を蒸着法で形成したZnS:Mn発光層とする
こともできる(後述する第2実施形態参照)。
【0030】図33に、ZnS:Mn単層、下部にZn
S:Mn、上部にZnS:Tbを5000Å積層したも
の、および下部にZnS:Tbを5000Å、上部にZ
nS:Mnを積層したものについて、ZnS:Mnの膜
厚を変化させた時の発光輝度特性を示す。ZnS:Tb
とZnS:Mnを積層すると、ZnS:Mn単層の時と
比べて、発光輝度の増加率が高くなる。言い換えると、
ZnS:Mnの単位膜厚当たりの発光輝度が高くなる。
そして、その単位膜厚当たりの発光輝度は、ZnS:T
bの下部にZnS:Mnを積層した時よりも上部にZn
S:Mnを積層した時の方が高くなる。この理由は、ス
パッタで形成された第1発光層(ZnS:Tb)上に、
蒸着法で第2発光層(ZnS:Mn)を形成すると、第
2発光層のデッドレイヤー(dead layer)が減少し結晶
性が向上したためである。
【0031】本発明は上記した種々の検討を基になされ
たものであり、請求項1乃至8に記載の発明において
は、発光層と化合物半導体層を積層関係に配置し、化合
物半導体層が発光層より高いクランプ電界強度を有する
ことを特徴としている。このことにより、クランプ電界
強度の高い化合物半導体層から高い加速エネルギーを持
った電荷が発光層に注入され、発光層の輝度を高めるこ
とができる。
【0032】また、発光層と化合物半導体層を同じ母体
材料から構成すれば、発光層と化合物半導体層の膜界面
に連続性を持たせることができ、電荷の注入を行いやす
くして、輝度を向上させることができる。この場合、化
合物半導体層を、発光層の基板に近い側に隣接して配設
すれば、発光層の結晶性を良好にして発光層の輝度を一
層高めることができる。
【0033】化合物半導体層としては、II-VIb族、及び
II-IIIb-VIb 族化合物半導体から選ばれた少なくとも一
種を主成分とすることができる。その場合、化合物半導
体層が、添加剤として化合物半導体のII族元素と置換し
得る元素を含むようにすることができる。また、発光層
の発光中心がII族元素と置換し得る第1の元素を含み、
化合物半導体層が添加剤としてII族元素と置換し得る第
2の元素を含み、第2の元素のイオン半径が第1の元素
のイオン半径よりも大きいものとすることにより、化合
物半導体層のクランプ電界強度を大きくすることができ
る。
【0034】さらに、化合物半導体層を、可視光域での
EL発光を生起しないものとすれば、発光層のみの単色
光でかつ輝度の高いものを得ることができる。さらに、
化合物半導体層を、前記発光層と同様のEL発光を生起
するものとすれば、色純度を良好にすることができる。
請求項9乃至13に記載の発明においては、発光層と化
合物半導体層を積層関係に配置し、化合物半導体層は発
光層のクランプ電界強度より高いクランプ電界強度を有
し、発光層の誘電率とクランプ電界強度の積が化合物半
導体層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい関係
を有していることを特徴としている。
【0035】このことにより、上述したように発光層の
発光開始電圧を低下させることができる。また、第1、
第2の発光層を積層構造とし、第2発光層が第1発光層
のクランプ電界強度より高いクランプ電界強度を有し、
第1発光層の誘電率とクランプ電界強度の積が第2発光
層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい関係を有
するようにすれば、第1、第2の発光層のうち所望の発
光層の輝度を向上し、かつ、同時発光させることで積層
部の発光開始電圧を低下させることができる。
【0036】第1発光層の発光中心を母体材料のII族元
素と置換し得る第1の元素を含み、第2発光層の発光中
心を母体材料のII族元素と置換し得る第2の元素を含
み、第2の元素のイオン半径が第1の元素のイオン半径
よりも大きいものとすることにより、第2の発光層のク
ランプ電界強度を第1の発光層のクランプ電界強度より
大きくすることができる。
【0037】具体的には、第1発光層をMnを含むZn
Sとし、第2発光層をTbを含むZnSとした場合、第
1発光層は、クランプ電界強度が1.4MV/cm〜
1.7MV/cmの範囲で、その比誘電率が10〜12
の範囲にあり、第2発光層は、クランプ電界強度が1.
8MV/cm〜2.1MV/cmの範囲で、その比誘電
率が8〜10の範囲にあるようにすることができる。
【0038】また、第1発光層をTbを含むZnSと
し、第2発光層をMnを含むZnSとした場合、第1発
光層は、クランプ電界強度が1.8MV/cm〜2.1
MV/cmの範囲で、その比誘電率が8〜10の範囲に
あり、第2発光層は、クランプ電界強度が1.4MV/
cm〜1.7MV/cmの範囲で、その比誘電率が10
〜12の範囲にあるようにすることができる。
【0039】請求項14乃至22に記載の発明において
は、第1発光層と前記第2発光層とによる発光層部を、
第1発光層と第2発光層とが積層された積層部と第2発
光層のみからなる単層部とから構成し、さらに、第2発
光層と第1発光層が互いに異なるクランプ電界強度を有
し、クランプ強度の低い方の発光層の誘電率とクランプ
電界強度の積が、クランプ強度の高い方の発光層の誘電
率とクランプ電界強度の積より大きい関係を有している
ことを特徴としている。
【0040】このような2つの発光層の積層構造とした
場合、所望の発光層の輝度を向上し、かつ、同時発光さ
せることで積層部の発光開始電圧を低下させることがで
きる。このことにより、積層部での発光開始電圧と単層
部での発光開始電圧をほぼ等しくさせることが可能にな
る。具体的には、第1発光層をMnを含むZnSとし、
第2発光層をTbを含むZnSとすることができる。
【0041】この場合、第2発光層の膜厚を積層部と単
層部で等しくし、第1発光層の膜厚を1とした時、前記
第1発光層上に存在する前記第2発光層の膜厚が1.5
以上5.0以下とすることにより、積層部と単層部での
発光開始電圧をほぼ等しくすることができる。その場
合、第1発光層の膜厚をしては、1000Å以上350
0Å以下とすることが望ましい。
【0042】また、積層部での第2発光層の膜厚を減少
させることにより、積層部での第1発光層の発光開始電
圧をさらに低下させることができるため、積層部での第
1発光層の膜厚を厚くすることができ、第1発光層の発
光輝度を一層向上させることができる。また、第1発光
層が形成されている領域に対応して第2電極上に赤色フ
ィルタを形成することにより、積層部からの発光を赤色
とすることができる。
【0043】また、第1電極と第2電極のいずれか一方
をカラム電極、他方をロー電極として、相互に直交する
多数のストライプで構成することにより、ドットマトリ
クス表示を行うことができる。この場合、第1発光層の
ストライプ幅W、カラム電極のストライプ幅W1 、カラ
ム電極のストライプ間隔W2 に関して、W1 ≦W<W 1
+2×W2 が成立するようにすれば、赤色と緑色との分
離が可能となり、発光色の色純度を良好にすることがで
きる。
【0044】また、カラム電極のストライプ幅とそのス
トライプに隣接するカラム電極のストライプ幅とを、赤
色フィルタの透過後の輝度と第2発光層の輝度との比が
ほぼ1:2となるようにすれば、自然光での赤緑の輝度
比を得ることができる。請求項23乃至29に記載の発
明においては、第1発光層と前記第2発光層とによる発
光層部を、第1発光層と第2発光層とが積層された積層
部と第1発光層のみからなる単層部とから構成し、さら
に、第2発光層と第1発光層が互いに異なるクランプ電
界強度を有し、クランプ強度の低い方の発光層の誘電率
とクランプ電界強度の積が、クランプ強度の高い方の発
光層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい関係を
有していることを特徴としている。
【0045】このような2つの発光層の積層構造とした
場合、請求項14に記載の発明と同様に、所望の発光層
の輝度を向上し、かつ、同時発光させることで積層部の
発光開始電圧を低下させ、積層部での発光開始電圧と単
層部での発光開始電圧をほぼ等しくさせることが可能に
なる。この場合、第1発光層をスパッタ法で形成し、第
2発光層を第1発光層上に蒸着法で形成されたものとす
ることにより、第2発光層でのデッドレイヤーが減少し
て結晶性が向上し、発光効率が良くなるため、第2発光
層の発光輝度を向上させることができる。
【0046】上記した第1発光層としてはTbを含むZ
nSとし、第2発光層としてMnを含むZnSとするこ
とができる。この場合、第1発光層の膜厚を積層部と単
層部で等しくし、第2発光層の膜厚を1000Å以上3
500Å以下とすることにより、請求項16と同様、積
層部と単層部での発光開始電圧をほぼ等しくすることが
できる。
【0047】また、積層部での第1発光層の膜厚を減少
させることにより、積層部での第1発光層の発光開始電
圧をさらに低下させることができるため、積層部での第
2発光層の膜厚を厚くすることができ、第2発光層の発
光輝度を一層向上させることができる。また、第2発光
層が形成されている領域に対応して第2電極上に赤色フ
ィルタを形成することにより、積層部からの発光を赤色
とすることができる。
【0048】この場合、カラム電極を、積層部に対応し
た電極と単層部に対応した電極とに分離し、赤色フィル
タのエッジが、単層部に対応した電極の端部に位置する
ように形成すれば、赤色フィルタとカラム電極間のすき
まから光が漏れて色純度が低下するのを防止することが
できる。上記した赤色フィルタとしては、請求項30に
記載の発明のように、590nm以上の波長の光を透過
し、590nm未満の波長の光を遮断するロングパスフ
ィルタを用いることができる。このようなフィルタを用
いることにより、第1発光層の光のスペクトルにおいて
580nmのピーク波長を遮断でき、赤色の純度を向上
させることができる。
【0049】この場合、請求項31に記載の発明のよう
に、第1電極を金属反射膜から成るようにすれば、発光
輝度を向上させることができる。また、請求項32に記
載の発明のように、第1電極の背面側に黒色層を形成す
れば、前面の赤色フィルタの存在感を無くすことがで
き、表示が認識しやすくなる。また、請求項33に記載
の発明のように、上記した赤色と緑色発光のEL素子を
背面素子とし、青色系のEL素子を前面素子として構成
すれば、マルチカラーの表示を行うことができる。同様
に、請求項34に記載の発明においては、フルカラーの
表示を行うことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態に係わ
るEL素子の縦断面を示した模式図、図2はその平面図
である。
【0051】EL素子100は、絶縁性基板であるガラ
ス基板1上に順次、以下の薄膜が積層形成されている。
ガラス基板1上には、Ta(タンタル)の金属反射膜か
らなる厚さ2000Åの第1電極(ロー電極、すなわち
マトリクス駆動における操作側電極)2が形成されてい
る。図2に示すように、第1電極2は、x軸方向に伸び
たストライプがy軸方向に沿って多数本設けられたもの
である。
【0052】第1電極2が形成されたガラス基板1上に
は、第1絶縁層3が一様に形成されている。この第1絶
縁層3は、光学的に透明なSiOx y (酸窒化珪素)
から成る厚さ500〜1000Åの第1絶縁下層31
と、Ta2 5 (酸化タンタル)とAl2 3 (酸化ア
ルミニウム)の複合膜Ta2 5 :Al2 3 から成る
厚さ2000〜3000Åの第1絶縁上層32との2層
で形成されている。
【0053】第1絶縁上層32の上には、厚さ2000
Åの第1発光層4が形成されている。第1発光層4は、
図2に示すように、y軸方向に伸びたストライプがx軸
方向に沿って所定間隔毎に多数本設けられたものであ
る。第1発光層4はMnが添加されたZnSで形成され
ている。その第1発光層4及び第1絶縁上層32の上に
は、それらの表面全体を覆うように厚さ5000Åの第
2発光層5が形成されている。第2発光層5は、TbO
F(酸化フッ化テルビウム)が添加されたZnSで形成
されている。
【0054】第2発光層5の上には、第2絶縁層6が一
様に形成されている。この第2絶縁層6は、光学的に透
明なSi3 4 (窒化珪素)から成る厚さ1000Åの
第2絶縁下層61、Ta2 5 :Al2 3 の複合膜か
ら成る厚さ2000Åの第2絶縁中層62、SiOx
y から成る厚さ1000Åの第2絶縁上層63との3層
で形成されている。
【0055】そして、第2絶縁上層63の上には、光学
的に透明なZnO(酸化亜鉛)とGa2 3 (酸化ガリ
ウム)から成る厚さ4500Åの第2電極(カラム電
極、すなわち信号電極)7が形成されている。図2に示
すように、第2電極7は、y軸方向に伸びたストライプ
がx軸方向に沿って多数本設けられたものである。第2
電極7の上には、厚さ0.8〜1.5μmの樹脂から成
る保護膜8が形成されている。そして、その保護膜8の
上で、下部に第1発光層4が存在する領域に厚さ1.5
〜2.0μmの樹脂から成る赤色フィルタ9が形成され
ている。この赤色フィルタ9は、図2に示すように、第
2電極7の上部に第2電極7を覆う形で形成されたy軸
に沿ったストライプであり、第1発光層4と第2発光層
5とが重なった部分から発光した光を透過するものであ
る。
【0056】次に、上述のEL素子100の製造方法を
以下に述べる。図3、図4はその製造方法を示した平面
図である。ガラス基板1上にTa金属を一様にDCスパ
ッタリングした後、図3(a)に示すように、ストライ
プ形状にエッチングして金属反射膜の第1電極2を形成
する。
【0057】次に、SiOx y から成る第1絶縁下層
31、6wt%のAl2 3 を含むTa2 5 から成る第
1絶縁上層32をスパッタ法により形成する。具体的に
は、ガラス基板1の温度を 300℃に保持し、スパッタ
装置内にAr(アルゴン)とN2 (窒素)と少量のO2
(酸素)の混合ガスを導入し、ガス圧を0.5Paに保
持し、3KWの高周波電力でシリコンをターゲットとし
てSiOx y 膜を成膜し、次いで、Ta2 5 :Al
2 3 複合膜をArとO2 をスパッタガスとしてガス圧
0.6Paに保持し、Ta2 5 に6wt%のAl2 3
を含ませた混合焼結ターゲットを用いて4KWの高周波
電力の条件で成膜する。
【0058】次に、第1絶縁上層32上に、ZnSを母
体材料とし、発光中心としてMnを添加したZnS:M
nから成る層を一様に蒸着により形成する。具体的には
ガラス基板1の温度を一定に保持し、蒸着装置内を5×
10-4Pa以下に維持し、堆積速度0.1〜0.3nm
/secの条件で電子ビーム蒸着を行う。次に、この層
を図3(b)に示す形状にエッチングして第1発光層4
を得る。
【0059】次に、図3(c)に示すように、第1発光
層4と第1絶縁層3の露出部に、ZnSを母体材料と
し、発光中心としてTbOFを添加したZnS:TbO
Fから成る第2発光層5を一様に形成する。具体的に
は、ガラス基板1の温度を250℃に保持し、Ar及び
He(ヘリウム)をスパッタガスとして、ガス圧3.0
Pa、2.2KWの高周波電力の条件でスパッタ成膜す
る。その後、真空中400〜600℃で発光層4、5の
熱処理を行う。
【0060】次に、図3(d)に示すように、第1発光
層4と第2発光層5の上に、Si34 から成る第2絶
縁下層61、6wt%のAl2 3 を含むTa2 5 から
成る第2絶縁中層62、SiOx y から成る第2絶縁
上層63を、それぞれ、第1絶縁層3の形成と同様に形
成する。但し、Si3 4 膜はSiOx y 膜と異なり
スパッタガスとしてO2 は導入せずに成膜する。
【0061】次に、第2絶縁上層63上にZnO:Ga
2 3 から成る層を一様に形成する。蒸着材料として、
ZnO粉末にGa2 3 を加えて混合し、ペレット状に
形成したものを用い、成膜装置としてはイオンプレーテ
ィング装置を用いた。具体的にはガラス基板1の温度を
一定に保持したままイオンプレーティング装置内を真空
に排気した後、Arガスを導入して圧力を一定に保ち、
成膜速度が6〜18nm/minの範囲となるようなビ
ーム電力及び高周波電力を調整し成膜する。次に、この
膜を図4(a)に示すパターンにエッチングして第2電
極7を得る。
【0062】次に、図4(b)に示すように、第1電極
2と第2電極7の電極取り出し部を除いて第2電極7と
第2絶縁層6の露出部を完全に覆うように樹脂を塗布し
て保護膜8を形成する。この保護膜6の上に、有機染料
分散型の赤色フィルタ9を形成する。具体的には、赤色
有機染料を含むフォトレジストを所定分量だけ保護膜8
の上に滴下し、スピンナーにより数秒間レジストコート
を行う。その後、図4(c)に示すように、第1発光層
4と同様なパターンを用いて露光、現像した後、ポスト
ベークし、赤色フィルタ9を形成する。赤色フィルタ9
の幅は第1発光層4の幅と同一に構成されている。
【0063】このようにして形成されたEL素子100
のガラス基板1は、図5に示すように、周囲において前
面ガラス基板20と枠体21で接合され、内部に吸湿防
止のため、シリコンオイル22が真空注入されている。
上記構成において、第1発光層4は黄橙色を発光し、第
2発光層5は緑色を発光する。第1発光層4と第2発光
層5からの光が赤色フィルタ9を透過し、赤色フィルタ
9により色純度の高い赤色発光が得られる。ここで、例
えば590nm以上を通過する赤色フィルターを用いた
場合、実質的にこれを透過する光は第1発光層4から放
射される光のみとなる。
【0064】EL素子のQ−V特性(電荷vs電圧)か
ら測定した本実施形態におけるZnS:Mnよりなる第
1発光層4は、クランプ電界強度が1.4MV/cm〜
1.7MV/cmの範囲にあり、その比誘電率εa は1
0〜12の範囲にある。また、ZnS:TbOFよりな
る第2発光層5は、クランプ電界強度が1.8MV/c
m〜2.1MV/cmの範囲にあり、その比誘電率εa
は8〜10の範囲にある。そして、第2発光層5のクラ
ンプ電界強度は第1発光層4より高く、かつ第1発光層
4の誘電率とクランプ電界強度の積が第2発光層5の誘
電率とクランプ電界強度の積より大きくなっている。こ
のことにより、第1発光層4の発光輝度を高め、かつ発
光開始電圧を低下させることができる。
【0065】この時、第2発光層5の膜厚を第1発光層
4の膜厚の1.5倍以上とすることで、第1発光層4と
第2発光層5の積層部と第2発光層5の単層部の発光開
始電圧をほぼ等しくすることができ、第2発光層5の膜
厚を第1発光層4の膜厚の5.0倍以下とすることで、
緑色と赤色の輝度バランスが保てる。さらに、第1発光
層4の膜厚を1000Å以上とすることで、赤色発光の
必要輝度を得ることができ、また、その膜厚を3500
Å以下とすることで、EL素子の発光開始電圧を所定の
範囲内に収めることができ、駆動用ドライバIC等、周
辺部品の耐圧限度内の駆動電圧でEL素子の動作が可能
となる。
【0066】また、緑色発光は第2電極7と第2発光層
5の単層部分とが重なりあっている部分から得られる。
この緑色発光はフィルタを通さないので、輝度が高く、
また、緑色の色純度を損ねることもない。なお、第1発
光層4のストライプ幅W、第1発光層4の上部に形成さ
れる第2電極7のストライプ幅W1 、第2電極7のスト
ライプ間隔W2 に関して、図6に示すように、W=W1
+W2 の関係が成立するように形成されている。この関
係により、第1発光層4の幅は赤色発光のための第2電
極7aの幅よりも広く、緑色発光のための第2電極7b
の下には第1発光層4は存在しない。即ち、第1発光層
4の境界線が第2電極7aと第2電極7bとの間に存在
することになり、赤色発光と緑色発光の混合が防止され
る。発光の混色を防止するためには、第1発光層4の境
界線が第2電極7aと第2電極7bとの間に存在すれば
良いので、その条件は、W1 ≦W<W1 +2×W2 が成
立することである。本実施形態では、W=W1 +W2
幅として素子を作製した。
【0067】また、上記の実施形態において、第1電極
3は水平の走査電極、第2電極7は垂直の信号電極とさ
れている。第1電極3はTa金属で形成されているの
で、第2電極7よりも抵抗率が小さい。よって、第1電
極3の長さ方向の電位を均一にすることができるので、
発光ムラが防止できる。なお、本実施形態では第1電極
2をTa金属で形成したが、Al(アルミニウム)、A
g(銀)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)等
の金属で形成してもかまわない。また、必要に応じてよ
り低抵抗にするための補助金属電極を付加してもかまわ
ない。
【0068】なお、第2電極7のパターンは以下のよう
にすることもできる。この第2電極7の第1のパターン
例を図7に示す。この例においては、ガラス基板1のY
軸方向の中央線Aを境にして第2電極7を2分割して、
上第2電極71と下第2電極72としている。そして、
上第2電極71はガラス基板1の上部11で電極取出部
Rが形成され、下第2電極72はガラス基板1の下部1
2で電極取出部Rが形成されている。この構成により、
画面の上半分と下半分とを同時に走査することが可能と
なり、1画面の表示周期を1/2に短縮することができ
るので、駆動周波数を2倍にでき、輝度を向上させるこ
とができる。
【0069】図8に第2電極7の第2のパターン例を示
す。この例においては、同一画素において、第1発光層
4の上部に存在する赤色発光用の第2電極7aと第2発
光層5が単層である部分の上部に存在する緑色用の第2
電極7bとを1組とする時、各組毎に交互にそれらの電
極取出部Rがガラス基板1の上部11と下部12とによ
り形成されている。この構成により、同一発光画素まで
の赤と緑の配線抵抗を等しくできるので、赤緑を同時発
光させて混色表示を行う際の色ムラを防止できる。ま
た、これにより、電極取出部Rの間隔を広くとれ、外部
回路との接続が容易となる。 (第2実施形態)図9は、第2実施形態に係わるEL素
子の縦断面を示した模式図、図10はその平面図であ
る。
【0070】本実施形態におけるEL素子100は、第
1実施形態に示すものに対し、第1、第2発光層の構成
が異なっている。即ち、本実施形態においては、第1絶
縁上層32の上に、TbOFが添加されたZnSから成
る厚さ5000Åの第1発光層14と、Mnが添加され
たZnSから成る厚さ2000Åの第2発光層15が形
成されている。第2発光層15は、図10に示すよう
に、y軸方向に伸びたストライプがx軸方向に沿って所
定間隔毎に多数本設けられるようにパターン形成されて
いる。
【0071】そして、第1発光層14と第2発光層15
の上には、第2絶縁層6が一様に形成されている。ま
た、本実施形態では、第1実施形態で用いた保護膜8を
なくし第2電極7上で下部に第2発光層15が存在する
領域に赤色フィルタ9を形成している。この赤色フィル
タ9は、図10に示すように、第2電極7の上部に第2
電極7を覆う形で形成されたy軸に沿ったストライプで
あり、第1発光層14と第2発光層15とが重なった部
分から発光した光を透過する。
【0072】次に、上述のEL素子100の製造方法を
以下に述べる。図11はその製造方法を示した平面図で
ある。第1実施形態と同様に、ガラス基板1上に、第1
電極2、第1絶縁層3(第1絶縁下層31、第1絶縁上
層32)を形成する。この状態を図11(a)に示す。
【0073】そして、図11(b)に示すように、第1
絶縁上層32上に、ZnSを母体材料とし、発光中心と
してTbOFを添加したZnS:TbOFから成る第1
発光層14を一様に形成する。具体的には、ガラス基板
1の温度を250℃に保持し、Ar及びHe(ヘリウ
ム)をスパッタガスとして、ガス圧3.0Pa、2.2
KWの高周波電力の条件でスパッタ成膜する。
【0074】ガラス基板1は、その後スパッタ装置から
取り出され、次に蒸着装置にセットされるため、ガラス
基板1は一旦大気にさらされた状態となっている。次
に、第1発光層14上に、ZnSを母体材料とし、発光
中心としてMnを添加したZnS:Mnから成る層を一
様に蒸着法により形成する。具体的にはガラス基板1の
温度を一定に保持し、蒸着装置内を5×10-4Pa以下
に維持し、堆積速度0.1〜0.3nm/secの条件
で電子ビーム蒸着を行う。
【0075】次に、この層を図11(c)に示す形状に
エッチングして第2発光層15を得る。具体的には、ガ
ラス基板1の温度を70℃に保持し、RIE装置内にA
rとCH4 (メタン)の混合ガスを導入し、圧力を7P
aに保持し、1kWの高周波電力でドライエッチングを
行う。ここで、エッチングガスとしてCH4 とAr(不
活性ガス)の混合ガスを用いることにより、ZnSを発
光母材とする第2発光層15の表面を沸点の低いZn
(CH3 2 (ジメチルジンク)に変化させ気化させる
とともに、Arにより物理的エッチングを行う。従っ
て、常にリフレッシュされた表面がCH4 による化学的
エッチングを進行させるため、従来にないエッチングレ
ートを確保し、第1発光層14にダメージを与えること
なく第2発光層15をエッチングすることができる。
【0076】このエッチングを行った後、真空中400
〜600℃で発光層4、5の熱処理を行う。この後は、
第1実施形態と同様に、第2絶縁層61〜63を形成
し、第2絶縁上層63上に、第2電極7を形成する。そ
して、下部に第2発光層15が存在する領域の第2電極
7の上に赤色フィルタ9を形成し、図10に示す平面構
成のものを得る。
【0077】上記構成において、第1発光層14は緑色
を発光し、第2発光層15は黄橙色を発光する。第1発
光層14と第2発光層15との積層部からの光が赤色フ
ィルタ9を透過し、赤色フィルタ9により色純度の高い
赤色発光が得られる。本実施形態においては、EL素子
のQ−V特性(電荷vs電圧)から測定したZnS:T
bOFよりなる第1発光層14は、クランプ電界強度が
1.8MV/cm〜2.1MV/cmの範囲にあり、そ
の比誘電率εa は8〜10の範囲にある。また、Zn
S:Mnよりなる第2発光層15は、クランプ電界強度
が1.4MV/cm〜1.7MV/cmの範囲にあり、
その比誘電率εa は10〜12の範囲にある。そして、
第1発光層14のクランプ電界強度は第2発光層15よ
り高く、かつ第2発光層15の誘電率とクランプ電界強
度の積が第1発光層14の誘電率とクランプ電界強度の
積より大きくなっている。このことにより、第2発光層
15の発光輝度を高め、かつ発光開始電圧を低下させる
ことができる。
【0078】この時、第2発光層5の膜厚を1000Å
以上とすることで、赤色発光の必要輝度を得ることがで
き、また、その膜厚を3500Å以下とすることで、E
L素子の発光開始電圧を所定の範囲内に収めることがで
き、駆動用ドライバIC等、周辺部品の耐圧限度内の駆
動電圧でEL素子の動作が可能となる。なお、第1実施
形態に示すものでは、下側に黄橙色を発光する第1発光
層4を設け、その上に緑色発光の第2発光層5を設けて
いるため、第1、第2発光層4、5の発光時に第2発光
層5からの緑色が赤色フィルタ19の横から漏れ、色純
度を悪くする可能性があるが、上記のように上側に黄橙
色を発光する第2発光層15を設けることにより、第
1、第2発光層14、15の発光時に緑色成分の漏れを
少なくし、色純度を上げることができる。
【0079】また、本実施形態においては、赤色フィル
タ9を第1発光層14上の電極7bの端部に接して形成
している。このことにより、赤色フィルタ9と電極7b
間からの光の漏れによる色純度の低下を防止することが
できる。図12(a)、(b)に、第2電極7a、7b
と赤色フィルタ9の幅との関係を示す。図12(a)
は、赤色フィルタ9の幅を第2電極7bの端部に接する
ようにしたもので、図12(b)は、赤色フィルタ9の
幅を第2電極7aと7bの間の中央にしたものである。
【0080】また、図13に、図12(a)、(b)の
幅の赤色フィルタを用いたときの画素 (pixel)の色純
度(赤色フィルタ直上の色純度)とパネルの色純度(赤
色フィルタ部のみ発光させ、赤色発光部、緑色発光部両
方を含む範囲で測定した色純度)の関係を示す。なお、
図13のx,yは、CIE色度座標値である。図12
(b)のようにすると、画素の色純度に比べてパネルの
色純度が悪化していることが分かる。これは、赤色フィ
ルタ9下の発光が第2電極7bとの隙間から漏れてしま
ったために赤色フィルタ9を透過した赤色成分と隙間か
ら漏れた黄色成分(ZnS:MnとZnS:Tbの混合
成分)が混じってしまい、結果として色純度が悪化した
ためと思われる。
【0081】従って、図12(a)に示す本実施形態の
ように、第2電極7bとの間の隙間を赤色フィルタ9で
ふさいでしまうことにより、上記した隙間からの漏れに
よる色純度の低下を防止することができる。 (第1、第2実施形態の変形例)上記した第2実施形態
に対し、図14に示すように、第2発光層15の下の第
1発光層14をエッチングしてその膜厚を減少させ、第
2発光層の膜厚を増加させた構成としてもよい。
【0082】具体的には、第1発光層14を5000Å
成膜後、第2発光層15を形成する部分の第1発光層1
4を1000Åだけエッチングする。このエッチング
は、第2発光層15のエッチングと同様の方法を用いた
ドライエッチングにて行う。その後、第2発光層15を
4000Å成膜し、第2発光層15をエッチングして図
14に示す構造を得る。
【0083】その結果、第1発光層14単層部の膜厚は
5000Å、第1発光層14と第2発光層15との積層
部での第1発光層14の膜厚は4000Å、第2発光層
15の膜厚は4000Åとなる。このように、第1発光
層14の膜厚を減少させることによって、発光開始電圧
を低下させることができ、第2発光層15の膜厚を増加
させることによって、赤色の発光輝度を増加させること
ができる。
【0084】なお、第1発光層14の膜厚を2000Å
以下にすると、積層する第2発光層15のデッドレイヤ
ーは減少しない。これは、第1発光層14が2000Å
以下では粒成長が進行しておらず第1発光層14の表面
状態が悪いためと思われる。また、第1発光層14の膜
厚と、第1発光層14と第2発光層15との積層部の膜
厚の差を1000Å以上3500Å以下とするのが好ま
しい。このような膜厚の差とすることにより、積層部と
第1発光層14単層部の発光開始電圧を同一とすること
ができ、第1発光層14と第2発光層15との積層部に
おける第2発光層15の発光輝度を高くすることができ
る。
【0085】また、上記した第1実施形態に対しても同
様に、積層部における第2発光層5の膜厚を減少させ、
第1発光層4の膜厚を増加させて、赤色の発光輝度を増
加させるようにしてもよい。この場合の具体的な構成を
図15に示す。なお、この図15においては保護膜8を
なくして構成している。 (第3実施形態)この第3実施形態は、フルカラーのE
L素子に関するものである。図16に示すように、第
1、第2実施形態で示したEL素子100と青色発光の
EL素子200とが周辺部で枠体21により接合され、
内部空間にシリコンオイル22が充填されている。
【0086】青色発光のEL素子200は図17に示す
構成である。即ち、透明ガラス基板201上に光学的に
透明なITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウム、錫)
から成る厚さ2000Åの第1電極202が形成されて
いる。第1電極202は第1実施形態の第1電極2と同
様にx軸方向に伸びたストライプがy軸方向に沿って多
数本設けられたものである。
【0087】第1電極202の形成されたガラス基板2
01上には、一様に第1絶縁層203が形成されてい
る。その第1絶縁層203は、第1実施形態と同様に、
光学的に透明なSiOx y から成る厚さ500〜10
00Åの第1絶縁下層と、Ta 2 5 とAl2 3 の複
合膜Ta2 5 :Al2 3 から成る厚さ2000〜3
000Åの第1絶縁上層との2層で形成されている。
【0088】そして、第1絶縁層203の上に、順次、
ZnSから成る厚さ2000Åの保護膜208、厚さ1
0000Å(=1μm)の発光層204が一様に形成され
ている。発光層204は、Ceが添加されたSrSで形
成されている。発光層204の上には、保護膜208と
同一の保護膜209が形成され、保護膜209の上に、
一様に第2絶縁層206が形成されている。第2絶縁層
206は、第1実施形態と同様に、光学的に透明なSi
3 4 から成る厚さ1000Åの第2絶縁下層、Ta2
5 とAl2 3 の複合膜Ta2 5 :Al2 3 から
成る厚さ2000Åの第2絶縁中層、SiOx y から
成る厚さ1000Åの第2絶縁上層との3層で形成され
ている。
【0089】そして、第2絶縁層206の上に、光学的
に透明なZnO:Ga2 3 から成る厚さ4500Åの
第2電極207が形成されている。第2電極207は、
第1実施形態と同様に、y軸方向に伸びたストライプが
x軸方向に沿って多数本設けられたものである。上記の
青色発光のEL素子200は、基本的には青色発光層を
除いて第1実施形態と同様にして製造される。そこで、
ここでは青色発光層の具体的な製造方法についてのみ述
べる。
【0090】ノンドープZnSから成る保護膜208ま
で形成されたガラス基板201を500℃一定温度に保
持し、SrS:Ce焼結体をターゲットとして、Ar、
2S(硫化水素)及びHeガス雰囲気中、ガス圧4.
0Pa、2.4KW(パワー密度:2.47W/cm2)
の高周波電力の条件でスパッタ成膜した後、真空中50
0〜600℃で熱処理を行い、次いで、その上に保護膜
208と同一の保護膜209を成膜することで青色発光
層を形成した。
【0091】通常SrS:Ce発光層を用いたEL素子
の発光色は、青緑色を呈するが、本実施形態で得られた
EL素子は、500nm以下の発光スペクトルが増大
し、青に近い水色を呈する。そして、このようにして製
造された青色発光のEL素子200は、EL素子100
と図16に示すように接合される。図18はその重ね合
わせを平面から見た模式図であり、図19はEL素子1
00の重ね合わせ前の平面模式図、図20は青色EL素
子200の重ね合わせ前の平面の模式図を表したもので
ある。
【0092】以下、この重ね合わせの関係について図1
8〜図20を用いて説明する。なお、これらの図は電極
配線パターンとその取り出しを主に示すものであり、発
光層、フィルター等については記載していない。図19
に示すEL素子100は基本的には第1実施形態と同様
に形成されるが、この素子では、青色EL200Åとの
接合のため、青色ELの電極202、207との接続用
パッドP1、P2と接続端子部R11、R21がNi、
Au等の導電性の金属膜で形成されている。
【0093】本実施形態では水平方向の走査電極2が1
本おきに交互に左右に突き出るように形成してあり、接
続用パッドP1は、この走査電極の間の基板端部に形成
してある。また、接続用パッドP2は、垂直方向の信号
電極7上に形成してある。そして、接続用パッドP1、
P2上の所定の位置に、ハンダ(Pb−Sn合金)膜等
から成る接続端子部R11、R21が形成されている。
【0094】一方、図20に示す青色EL素子200の
電極端部には、EL素子100と同様ハンダ膜等から成
る接続端子部R12、R22が形成されている。そし
て、互いのEL素子を向かい合わせて重ねた時、R11
とR12、R21とR22がちょうど対応して重なり合
う位置にしてある。ここで、走査電極202は、EL素
子100の走査電極2と幅が等しく平行で光取り出し方
向に対して重なって配列されており、外部回路等への接
続部が基板の同じ端部側となるように走査電極202の
接続端子部R12は曲げてある。これらの重ね合わせ
は、互いのEL素子に形成されたアライメントマークM
1及びM2により正確に位置合わせすることができる。
【0095】EL素子100と青色EL素子200は枠
体21にて接合され、重なり合う接続端子部R1、R2
を光ビーム加熱装置等により、基板の外から加熱するこ
とによりハンダ膜等を溶着させ、青色EL素子200の
電極をEL素子100の基板1上に形成された接続用パ
ッド部に接続する。その後、予め基板1に形成された注
入口(穴)Hよりシリコーンオイル22が充填され、封
止される。
【0096】このように重ね合わせることで、1画素を
構成する、赤、緑、青までの配線長さをほぼ等しくし、
配線抵抗による輝度の傾向をそろえることができるの
で、混色時に色ムラのない多色表示が実現できる。ま
た、図21に示すように、青色EL素子200の第2電
極207とEL素子100の第2電極7とは平行であ
り、第2電極207の幅が1画素分の幅に対応し、この
幅の中に、赤色発光用の第2電極7aと緑色発光用の第
2電極7bとが配列してあり、この状態で、赤、緑、青
の発光輝度比が3:6:1となるように第2電極7aと
第2電極7bの面積比が調整され、青色発光のEL素子
200の発光層204の厚さが調整される。
【0097】このように赤、緑、青の発光輝度比を3:
6:1(赤と緑については1:2)にすることにより、
自然光に近い表示色を得ることができる。青色発光のE
L素子200の発光層204の母体材料は、MGa2
4 (M=Ca,Ba,Sr)で構成しても良い。また、
添加剤はCeの他、CeF3 を用いることができる。こ
れらの発光層は、ほぼ同じ製造方法であるので、その具
体的な製造方法はCaGa2 4 :Ce青色発光層を代
表して示す。また、発光層以外の膜は第1実施形態と同
様にして製造されるので、以下、発光層に関する製造方
法を示す。
【0098】ガラス基板201を200℃一定温度に保
持し、CaGa2 4 :Ce焼結体をターゲットとし
て、Ar及びH2 Sガス雰囲気中、ガス圧1.0Pa、
2.4KW(パワー密度:2.47W/cm2)の高周波電
力の条件で、厚さ6000Åにスパッタ成膜する。その
後、H2 Sガス雰囲気中、600℃以上(約630℃)
で熱処理を行うことで青色発光層を形成する。この青色
EL素子のEL発光スペクトルは460nm付近にメイ
ンピークを持ち、極めて純度の高い青色(CIE色度座
標でx=0.15,y=0.19)を示す。
【0099】また、青色発光層として、CaGa
2 4 :Ce発光層とTmを添加したZnS発光層を積
層して構成してもよい。この場合、Tmを添加したZn
S発光層は極めてピュアな青色発光を示すため、その発
光層の青色純度を向上させることができる。なお、Tm
はZnよりイオン半径が大きいため、ノンドープのZn
Sに比べてクランプ電界強度が大きくなる。従って、T
mを添加したZnS発光層のクランプ電界強度をCaG
2 4 :Ce発光層のクランプ電界強度より大きくし
て、CaGa2 4 :Ce発光層の発光輝度を高めるこ
とができる。なお、Tmは、TmF3 、TmCl3 等の
添加形態としてZnSに添加することができる。 (その他の実施形態)上記第1、第2実施形態では、第
1電極2をロー電極、第2電極7をカラム電極とした
が、第1電極をカラム電極、第2電極をロー電極として
もよい。具体的には、図22、図23(それぞれ図1、
図9に対応するもの)に示すように、第1電極2(2
a、2b)をカラム電極とし、第2電極7をロー電極と
する。
【0100】また、上記した全ての実施形態において、
赤色フィルタ9は赤色染料又は顔料を有機溶媒中に分散
させたレジストフィルタで構成できる。また、保護膜8
は耐熱性樹脂等の有機材料で構成できる。その保護膜8
の膜厚は厚いと位置ズレが生じ、視野角が狭くなるた
め、5μm以下が望ましい。又、保護膜8の膜厚が薄す
ぎると上部電極のパターンエッジ部のカバーリングが悪
くなり、水分の侵入等の原因によりEL素子が破壊し易
くなるので、8000Å(0.8μm)以上にすること
が好ましい。
【0101】第1発光層4の母体材料ZnSに含ませる
添加剤はMnの他、MnF2 、MnCl2 を用いること
ができる。又、第2発光層5の母体材料ZnSに含ませ
る添加剤はTbの他、TbOF、TbF3 、TbCl3
を用いることができる。また、図24に示すように、第
1電極2を透明電極で形成し、ガラス基板1の電極形成
側と反対側に黒色顔料を含む樹脂(黒色背景膜)、すな
わち黒色層10を形成するようにしても良い。この場合
には、赤色フィルタ9が視認し難くなり、赤色フィルタ
9による不自然さを減少させることができる。
【0102】さらに、EL素子としては、発光層の両側
に絶縁層を設けるものに限らず、他片側にのみ絶縁層を
設けるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるEL素子の構成
を示した模式的断面図である。
【図2】第1実施形態のEL素子の第1電極と第2電極
の配列を示した平面図である。
【図3】第1実施形態のEL素子の製造方法を示した平
面図である。
【図4】図3に続くEL素子の製造方法を示した平面図
である。
【図5】第1実施形態のEL素子の組付け構造を示した
断面図である。
【図6】第1実施形態のEL素子の第1発光層の幅と第
2電極の幅、電極間隔との関係を示した説明図である。
【図7】EL素子の第1電極と第2電極の他の配列例を
示す平面図である。
【図8】EL素子の第1電極と第2電極のさらに他の配
列例を示す平面図である。
【図9】本発明の第2実施形態にかかるEL素子の構成
を示した模式的断面図である。
【図10】第2実施形態のEL素子の第1電極と第2電
極の配列を示した平面図である。
【図11】第2実施形態のEL素子の製造方法を示した
平面図である。
【図12】第2実施形態における第2電極7a、7bと
赤色フィルタ8の幅との関係を示す図で、(a)は赤色
フィルタ8の幅を第2電極7bの端部に接するようにし
たもので、(b)は赤色フィルタ8の幅を第2電極7a
と7bの間の中央にしたものである。
【図13】図12(a)、(b)の構成における赤色フ
ィルタ8を用いたときの画素の色純度とパネルの色純度
との関係を示す図である。
【図14】第2実施形態の変形例にかかるEL素子の構
成を示した模式的断面図である。
【図15】第1実施形態の変形例にかかるEL素子の構
成を示した模式的断面図である。
【図16】本発明の第3実施形態のEL素子の組付け構
造を示した断面図である。
【図17】第3実施形態のEL素子のうち青色発光のE
L素子の構成を示した断面図である。
【図18】第3実施形態のEL素子の構成を示した平面
図である。
【図19】第3実施形態のEL素子を構成する赤/緑E
L素子の構成を示した平面図である。
【図20】第3実施形態のEL素子を構成する青EL素
子の構成を示した平面図である。
【図21】第3実施形態のEL素子の第2電極の幅の関
係を示した説明図である。
【図22】図1に示す構成に対し、第1電極2をカラム
電極とし、第2電極7をロー電極とした変形例を示す図
である。
【図23】図9に示す構成に対し、第1電極2をカラム
電極とし、第2電極7をロー電極とした変形例を示す図
である。
【図24】本発明のその他の実施形態にかかるEL素子
の構成を示した模式的断面図である。
【図25】クランプ電界強度の高い第2発光層から第1
発光層に電荷が注入されて輝度が向上することを示すた
めのバンド図である。
【図26】第1絶縁層、発光層、第2絶縁層の等価回路
図である。
【図27】クランプ電界強度の高い第2発光層から第1
発光層に電荷が注入されて、第2発光層の発光開始電圧
が低下することを示すためのバンド図である。
【図28】E−L素子のQ−V特性を測定する測定装置
を示す図である。
【図29】Q−V特性の測定結果を示す図である。
【図30】熱処理温度とクランプ電界強度の関係を示す
図である。
【図31】発光中心のドーパント濃度とクランプ電界強
度の関係を示す図である。
【図32】発光中心のイオン半径とクランプ電界強度の
関係を示す図である。
【図33】ZnS:Mn単層、下部にZnS:Mn、上
部にZnS:Tbを5000Å積層したもの、および下
部にZnS:Tbを5000Å、上部にZnS:Mnを
積層したものについて、ZnS:Mnの膜厚を変化させ
た時の発光輝度特性を示す特性図である。
【符号の簡単な説明】
100…EL素子、1…ガラス基板、2…第1電極、3
…第1絶縁層、4、14…第1発光層、5、15…第2
発光層、6…第2絶縁層、7…第2電極、8…保護膜、
9…赤フィルタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信衛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 服部 正 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明な一対の電極間
    に、絶縁層と、発光層と、この発光層と積層関係に配置
    された化合物半導体層を有し、これらを基板上に形成し
    てなるEL素子であって、 前記化合物半導体層が、前記発光層より高いクランプ電
    界強度を有することを特徴とするEL素子。
  2. 【請求項2】 前記発光層と前記化合物半導体層は、同
    じ母体材料から構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のEL素子。
  3. 【請求項3】 前記化合物半導体層を、前記発光層の基
    板に近い側に隣接して配設したことを特徴とする請求項
    1又は2に記載のEL素子。
  4. 【請求項4】 前記化合物半導体層は、II-VIb族、及び
    II-IIIb-VIb 族化合物半導体から選ばれた少なくとも一
    種を主成分とすることを特徴とする請求項1乃至3のい
    ずれか1つに記載のEL素子。
  5. 【請求項5】 前記化合物半導体層は、添加剤として前
    記化合物半導体のII族元素と置換し得る元素を含むこと
    を特徴とする請求項4に記載のEL素子。
  6. 【請求項6】 前記発光層の母体材料はII-VIb族、及び
    II-IIIb-VIb 族化合物半導体から選ばれた少なくとも一
    種を主成分とし、その発光中心が母体材料のII族元素と
    置換し得る第1の元素を含むものであって、前記化合物
    半導体層は添加剤として前記化合物半導体のII族元素と
    置換し得る第2の元素を含み、この第2の元素は前記第
    1の元素よりもイオン半径が大きいものであることを特
    徴とする請求項4に記載のEL素子。
  7. 【請求項7】 前記化合物半導体層は、可視光域でのE
    L発光を生起しないものであることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれか1つに記載のEL素子。
  8. 【請求項8】 前記化合物半導体層は、前記発光層と同
    様のEL発光を生起するものであることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか1つに記載のEL素子。
  9. 【請求項9】 少なくとも一方が透明な一対の電極間
    に、絶縁層と、発光層と、この発光層と積層関係に配置
    された化合物半導体層とを有し、これらを基板上に形成
    してなるEL素子であって、 前記化合物半導体層は前記発光層のクランプ電界強度よ
    り高いクランプ電界強度を有し、前記発光層の誘電率と
    クランプ電界強度の積が前記化合物半導体層の誘電率と
    クランプ電界強度の積より大きい関係を有していること
    を特徴とするEL素子。
  10. 【請求項10】 少なくとも一方が透明な一対の電極間
    に、絶縁層と、第1発光層と、この第1発光層と積層関
    係に配置された第2発光層とを有し、これらを基板上に
    形成してなるEL素子であって、 前記第2発光層と前記第1発光層は、互いに異なるクラ
    ンプ電界強度を有し、クランプ強度の低い方の発光層の
    誘電率とクランプ電界強度の積が、クランプ強度の高い
    方の発光層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい
    関係を有していることを特徴とするEL素子。
  11. 【請求項11】 前記第1発光層および前記第2発光層
    の母体材料は、II-VIb族、及びII-IIIb-VIb 族化合物半
    導体から選ばれた少なくとも一種を主成分とするもので
    あり、前記第1発光層の発光中心は母体材料のII族元素
    と置換し得る第1の元素を含み、前記第2発光層の発光
    中心は母体材料のII族元素と置換し得る第2の元素を含
    み、この第2の元素は前記第1の元素よりもイオン半径
    が大きいものであることを特徴とする請求項10に記載
    のEL素子。
  12. 【請求項12】 前記第1発光層はMnを含むZnSで
    あり、前記第2発光層はTbを含むZnSであって、前
    記第1発光層は、クランプ電界強度が1.4MV/cm
    〜1.7MV/cmの範囲で、その比誘電率が10〜1
    2の範囲にあり、前記第2発光層は、クランプ電界強度
    が1.8MV/cm〜2.1MV/cmの範囲で、その
    比誘電率が8〜10の範囲にあることを特徴とする請求
    項10に記載のEL素子。
  13. 【請求項13】 前記第1発光層はTbを含むZnSで
    あり、前記第2発光層はMnを含むZnSであって、前
    記第1発光層は、クランプ電界強度が1.8MV/cm
    〜2.1MV/cmの範囲で、その比誘電率が8〜10
    の範囲にあり、前記第2発光層は、クランプ電界強度が
    1.4MV/cm〜1.7MV/cmの範囲で、その比
    誘電率が10〜12の範囲にあることを特徴とする請求
    項10に記載のEL素子。
  14. 【請求項14】 基板上に形成された第1電極と、 この第1電極上に形成された第1絶縁層と、 この第1絶縁層上に形成された第1発光層と、 この第1発光層上に形成された第2発光層と、 この第2発光層上に形成された第2絶縁層と、 この第2絶縁層上に形成された第2電極とを有し、 前記第1発光層は所定のパターンに形成されており、前
    記第1発光層と前記第2発光層とによる発光層部は、前
    記第1発光層と前記第2発光層とが積層された積層部と
    前記第2発光層のみからなる単層部とから構成されたも
    のであって、 前記第2発光層と前記第1発光層は、互いに異なるクラ
    ンプ電界強度を有し、クランプ強度の低い方の発光層の
    誘電率とクランプ電界強度の積が、クランプ強度の高い
    方の発光層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい
    関係を有していることを特徴とするEL素子。
  15. 【請求項15】 前記第1発光層はMnを含むZnSで
    あり、前記第2発光層はTbを含むZnSであることを
    特徴とする請求項14に記載のEL素子。
  16. 【請求項16】 前記第2発光層の膜厚は前記積層部と
    単層部で等しくなっており、前記第1発光層の膜厚を1
    とした時、前記第1発光層上に存在する前記第2発光層
    の膜厚が1.5以上5.0以下であることを特徴とする
    請求項15に記載のEL素子。
  17. 【請求項17】 前記第1発光層の膜厚が1000Å以
    上3500Å以下であることを特徴とする請求項16に
    記載のEL素子。
  18. 【請求項18】 前記積層部における前記第1発光層上
    の前記第2発光層の膜厚は、前記単層部における第2発
    光層の膜厚より小さくなっていることを特徴とする請求
    項15に記載のEL素子。
  19. 【請求項19】 前記第2電極が透明導電膜から成り、
    前記第1発光層が形成されている領域に対応して前記第
    2電極の上部に赤色フィルタが形成されていることを特
    徴とする請求項15乃至18のいずれか1つに記載のE
    L素子。
  20. 【請求項20】 前記第1電極と前記第2電極は相互に
    直交する多数のストライプで構成され、前記第1電極と
    前記第2電極の一方がカラム電極で他方がロー電極であ
    り、前記第1発光層と前記赤色フィルタは、前記カラム
    電極に平行に一列おきに形成され、前記ロー電極と前記
    カラム電極の重合部がドットマトリクスを構成している
    ことを特徴とする請求項19に記載のEL素子。
  21. 【請求項21】 前記第1発光層のストライプ幅W、前
    記カラム電極のストライプ幅W1 、前記カラム電極のス
    トライプ間隔W2 に関して、W1 ≦W<W1+2×W2
    が成立することを特徴とする請求項20に記載のEL素
    子。
  22. 【請求項22】 前記カラム電極のストライプ幅とその
    ストライプに隣接するカラム電極のストライプ幅とは、
    前記赤色フィルタの透過後の輝度と前記第2発光層の輝
    度との比がほぼ1:2となるように構成されていること
    を特徴とする請求項20又は21に記載のEL素子。
  23. 【請求項23】 基板上に形成された第1電極と、 この第1電極上に形成された第1絶縁層と、 この第1絶縁層上に形成された第1発光層と、 この第1発光層上に形成された第2発光層と、 この第2発光層上に形成された第2絶縁層と、 この第2絶縁層上に形成された第2電極とを有し、 前記第2発光層は前記第1発光層上で所定のパターンに
    形成されており、前記第1発光層と前記第2発光層とに
    よる発光層部は、前記第1発光層と前記第2発光層とが
    積層された積層部と前記第1発光層のみからなる単層部
    とから構成されたものであって、 前記第2発光層と前記第1発光層は、互いに異なるクラ
    ンプ電界強度を有し、クランプ強度の低い方の発光層の
    誘電率とクランプ電界強度の積が、クランプ強度の高い
    方の発光層の誘電率とクランプ電界強度の積より大きい
    関係を有していることを特徴とするEL素子。
  24. 【請求項24】 前記第1発光層はスパッタ法で形成さ
    れたものであり、前記第2発光層は前記第1発光層上に
    蒸着法で形成されたものであることを特徴とする請求項
    23に記載のEL素子。
  25. 【請求項25】 前記第1発光層はTbを含むZnSで
    あり、前記第2発光層はMnを含むZnSであることを
    特徴とする請求項23又は24に記載のEL素子。
  26. 【請求項26】 前記第1発光層の膜厚は前記積層部と
    単層部で等しくなっており、前記第2発光層の膜厚が1
    000Å以上3500Å以下であることを特徴とする請
    求項25に記載のEL素子。
  27. 【請求項27】 前記積層部における前記第2発光層下
    の前記第1発光層の膜厚は、前記単層部における第1発
    光層の膜厚より小さくなっていることを特徴とする請求
    項25に記載のEL素子。
  28. 【請求項28】 前記第2電極が透明導電膜から成り、
    前記第2発光層が形成されている領域に対応して前記第
    2電極の上部に赤色フィルタが形成されていることを特
    徴とする請求項25乃至27のいずれか1つに記載のE
    L素子。
  29. 【請求項29】 前記第1電極と前記第2電極は相互に
    直交する多数のストライプで構成され、前記第1電極と
    前記第2電極の一方がカラム電極で他方がロー電極であ
    り、前記カラム電極は、前記積層部に対応して設けられ
    た電極と、前記単層部に対応して設けられた電極とに分
    離してパターン形成されており、前記赤色フィルタのエ
    ッジが、前記単層部に対応して設けられた電極の端部に
    位置していることを特徴とする請求項28に記載のEL
    素子。
  30. 【請求項30】 前記赤色フィルタは590nm以上の
    波長の光を透過し、590nm未満の波長の光を遮断す
    るロングパスフィルタであることを特徴とする請求項1
    9乃至22、28、29のいずれか1つに記載のEL素
    子。
  31. 【請求項31】 前記第1電極が金属反射膜から成るこ
    とを特徴とする請求項19乃至22、28乃至30のい
    ずれか1つに記載のEL素子。
  32. 【請求項32】 前記第1電極が透明電極から成り、前
    記第1電極の背面側に黒色層を形成したことを特徴とす
    る請求項19乃至22、28乃至30のいずれか1つに
    記載のEL素子。
  33. 【請求項33】 請求項19乃至22、28乃至32の
    いずれか1つに記載のEL素子を背面素子とし、青色系
    のEL素子を前面素子として構成したことを特徴とする
    EL素子。
  34. 【請求項34】 請求項20乃至22、29乃至32の
    いずれか1つに記載のEL素子を背面素子とし、青色系
    のEL素子を前面素子として構成し、前記前面素子とし
    ての青色系のEL素子は、カラム電極とロー電極が相互
    に直交する多数のストライプで構成されたドットマトリ
    クス型の透明なものであり、前記前面素子と前記背面素
    子のそれぞれのロー電極は同一幅で平行に重なる位置に
    配設されており、前記前面素子のカラム電極は前記背面
    素子の1画素分の幅に等しい幅を有し、前記背面素子の
    1組のカラム電極と平行に重なる位置に配設されている
    ことを特徴とするEL素子。
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