JP2837004B2 - Elディスプレイ素子 - Google Patents

Elディスプレイ素子

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JP2837004B2
JP2837004B2 JP3280648A JP28064891A JP2837004B2 JP 2837004 B2 JP2837004 B2 JP 2837004B2 JP 3280648 A JP3280648 A JP 3280648A JP 28064891 A JP28064891 A JP 28064891A JP 2837004 B2 JP2837004 B2 JP 2837004B2
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正幸 鈴木
信衛 伊藤
服部  正
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Denso Corp
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Denso Corp
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/14Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of the electroluminescent material, or by the simultaneous addition of the electroluminescent material in or onto the light source
    • H05B33/145Arrangements of the electroluminescent material
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B33/00Electroluminescent light sources
    • H05B33/12Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces
    • H05B33/22Light sources with substantially two-dimensional radiating surfaces characterised by the chemical or physical composition or the arrangement of auxiliary dielectric or reflective layers

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種情報端末機器のデ
ィスプレイ等に使用されるEL(Electroluminescence)
ディスプレイ素子に関し、特に、発光効率が高く、寿命
特性等の劣化の少ない安定なELディスプレイ素子構造
に関する。
【0002】
【従来技術】従来、薄膜ELディスプレイ素子は、硫化
亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)及びアルカリ土類
硫化物(CaS,SrS,BaS等)等を発光母体とする蛍光
体に電界をかけた時に発光する現象を利用したものであ
り自発光型の平面ディスプレイ素子として注目されてい
る。図3は、その典型的な断面構造を示したものであ
り、従来より発光層の部分が空気中の水分や水洗工程等
で劣化することが知られている。特に、上記アルカリ土
類硫化物は空気中では二酸化炭素と水分との作用で分解
等を起こす。このため、発光母体にアルカリ土類硫化物
を用いた薄膜ELディスプレイ素子は寿命特性等に問題
がある。通常、約2000Åの膜厚のノンドープの硫化亜鉛
(ZnS)で保護する方法が知られている。又、発光層に
隣接する絶縁層の一部或いは全部を熱力学的安定性の高
い硫化物、即ち、 IIIb族及び希土類の硫化物で保護す
る構成のものやSe 化合物又はTe 化合物で保護する構
成のものが知られている。一方、硫化亜鉛(ZnS)を発
光母体とする薄膜ELディスプレイ素子では、アルカリ
土類硫化物ほど不安定ではないもののやはり水分に対し
て弱く、特に、発光層上に反応性スパッタ法等で絶縁膜
としての酸化膜を生成した薄膜ELディスプレイ素子で
は、発光効率や寿命特性等が劣化することが知られてい
る。更に、特公昭53−42398号公報「ZnS 薄膜
発光素子とその製造方法」にて開示されたように、発光
層上の第2絶縁膜を窒化物(例えば、Si34等)で構成
することやシリコンオイル等で薄膜ELディスプレイ素
子全体を封止する方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ように、アルカリ土類硫化物等を発光母体とする薄膜E
Lディスプレイ素子を硫化亜鉛や IIIb族及び希土類の
硫化物にて保護することは、本質的な対策とはならなか
った。つまり、依然として硫化亜鉛や IIIb族及び希土
類の硫化物の元来有する特質に基づく問題が解決されて
いなかった。従って、このような薄膜ELディスプレイ
素子は程度の差こそあれ未だ水分に対し弱く不安定なも
のであった。又、窒化物であるSi34 等を発光層上で
隣接する第2絶縁膜に用いたものでは、確かに水分に対
する安定性は増すもののSi34 等の誘電率が小さいた
め、発光層に印加される電圧(分圧)が低くなる。この
ため、薄膜ELディスプレイ素子全体の駆動電圧が高く
なるというデメリットから脱却しきれていないのが現状
である。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的とするところは、発光効率
に優れ、より安定で優れた寿命特性を示すELディスプ
レイ素子を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の発明の構成は、絶縁性基板上に両電極間に挟持され、
母体材料が硫化物又はセレン化物から成る発光層を配置
し、前記両電極の内、前記基板とは反対側に位置する電
極と前記発光層との間に絶縁膜を配置したELディスプ
レイ素子であって、前記絶縁膜の、前記発光層側の少な
くとも一部を硫酸塩又はセレン酸塩を形成しない硫化物
又はセレン化物から成る薄膜で構成し、前記絶縁膜の前
記薄膜面を前記発光層と隣接、配置したことを特徴とす
る。
【0006】
【作用及び効果】ELディスプレイ素子は絶縁性基板上
両電極間に挟持され、母体材料が硫化物又はセレン化
物から成る発光層を配置し、前記両電極の内、前記基板
とは反対側に位置する電極と前記発光層との間に絶縁膜
を配置している。そして、上記絶縁膜の、上記発光層側
の少なくとも一部を硫酸塩又はセレン酸塩を形成しない
硫化物又はセレン化物から成る薄膜で構成し、上記絶縁
膜の前記薄膜面を前記発光層と隣接、配置している。
【0007】ELディスプレイ素子を上述のような構成
とする理由は、硫化物又はセレン化物である例えば、硫
化亜鉛、セレン化亜鉛及びアルカリ土類硫化物等を母体
材料とする発光層を用いたELディスプレイ素子が水分
の影響で劣化する原因を明らかにしたことに基づいてい
る。即ち、硫化亜鉛、セレン化亜鉛及びアルカリ土類硫
化物等の発光母体が絶縁膜としての酸化膜、特に、スパ
ッタ等の酸素プラズマ共存下で成膜される酸化膜と隣接
している場合に、発光層表面近傍の非常に薄い領域に極
めて水溶性が高く不安定な硫酸亜鉛( Zn SO4)又は発
光母体によってセレン酸亜鉛( Zn Se O4)が形成され
るという事実を見出した。
【0008】従来は、硫化亜鉛等を酸化すると直接に単
純酸化物(例えば、ZnO)が形成されると思われてい
た。しかし、硫化亜鉛等の硫化物の酸化は、直接に硫黄
と酸素とが置換されるのではなく、一旦、硫酸亜鉛のよ
うな複合酸化物が形成された後、それが加熱又は水分共
存下で亜硫酸ガス(SO2)や硫酸(H2SO4)として抜け
出した後、酸化亜鉛が生成されるのである。従って、発
光層と隣接する絶縁膜としては、酸素を含まない材料、
例えば、窒化物、硫化物又はセレン化物等が好ましいこ
とになる。
【0009】ところが、窒化物(例えば、Si3N4)で
は、発光層材料(硫化物、セレン化物等)と共通する元
素や結合をつくる因子がないので、強固な密着力が得ら
れない。このような、ELディスプレイ素子に駆動のた
めの繰り返しパルスを印加すると、徐々に注入できる電
荷量が減少し発光輝度が低下することになる。又、Si3
N4 では絶縁破壊電界強度Eb は高いものの比誘電率
ε′が約 8.0と小さい。このため、発光層に印加される
電圧(分圧)が低くなり、同じ発光輝度を得るためには
高い駆動電圧を印加することが必要となる。
【0010】一方、硫化物又はセレン化物は硫黄又はセ
レンといった発光層母材と同種の元素を含んでいる。こ
のため、硫化物又はセレン化物は発光層と強固に密着す
ることができ、この界面から発光層に確実に電荷を注入
することができる。しかしながら、これらの硫化物又は
セレン化物自身が酸化によって硫酸塩やセレン酸塩を形
成するものであってはならない。何故なら、背面電極を
ITO〔酸化インジウム(InO2)と酸化錫(SnO2
から成る〕や酸化亜鉛(ZnO)から成る酸化物系の透明
導電膜で構成する場合、更に、高誘電率の絶縁膜として
の酸化膜(例えば、Ta25,TiO2,BaTa26,PbTi
3 及びPZT系の高誘電体等)を挿入しようとする場
合において、前述と同様な作用により劣化を招くからで
ある。又、背面電極をAl 等の金属で形成し、上記酸化
膜を挿入しなかったとしても空気中の酸素及び二酸化炭
素と水分により徐々に劣化が進行することになる。この
現象は、ケミカルな反応の進行であって、例えそれ自身
が熱力学的安定性の高いものであっても防止することは
不可能である。例えば、 IIIb族及び希土類の硫化物は
全て硫酸塩又はセレン酸塩を形成する。このように、殆
ど全ての金属元素は、硫化物又はセレン化物を形成し得
るが、硫酸塩やセレン酸塩を形成しないものは稀であ
る。又、シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)の硫化物
又はセレン化物は硫酸塩やセレン酸塩を形成しないが、
それ自体が不安定で水によく溶ける。
【0011】本発明における硫酸塩又はセレン酸塩を形
成しない硫化物又はセレン化物の好ましい一例は、モリ
ブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、タンタル(Ta)、
タングステン(W)、レニウム(Re)又はオスミウム
(Os)の硫化物又はセレン化物である。これらは、反応
性の高い酸素プラズマ等に曝されても硫酸塩やセレン酸
塩を形成することはなく、直接に亜硫酸ガス(SO2)を
放出して分解する。しかも、通常の空気中で極めて安定
であり水に不溶である。特に、TaSx(x=1/6 〜3)
やWSx(x=1.5 〜3)は空気中 300℃まで加熱しても
安定であり、水中で煮沸しても変化しない。これらの硫
化物やセレン化物を硫化亜鉛やセレン化亜鉛及びアルカ
リ土類硫化物等を発光母体とする発光層と隣接するよう
に配置することにより発光層の酸化による硫酸塩やセレ
ン酸塩の形成を防止できると共に硫黄やセレンを介して
強固に密着結合することができる。又、それ自身が酸化
により硫酸塩やセレン酸塩を形成しないので、酸化物系
の透明導電膜を直接に接触して成膜することができる。
更に、駆動電圧の低減を図るための酸化膜の挿入を可能
にする。この酸化膜との接合界面では、金属元素を介し
て酸素と結合できるので、ここでも強固な密着力が得ら
れる。
【0012】このベストマッチの一例としては、硫化亜
鉛( Zn S)の発光母体にMn(アンバー色のELディス
プレイ素子を形成)又はTb OF( グリーン色のEL
ィスプレイ素子を形成)をドープした発光層と隣接する
部分にタンタル(Ta)の硫化物(例えば、Ta S2 )を
用い、絶縁膜としての酸化膜であるTa2O5 系の酸化膜
を用いた場合があげられる。タンタルの硫化物は、比誘
電率が約130 〜240 の値であり、Si3N4 の比誘電率約
8.0と比べると桁違いに高く、性能指数もSi3N4 の約
4〜6μc/cm2 と比べて約1.5 〜2.0 倍と高い。しか
し、タンタル硫化物は元来黒色であるため膜厚を厚くす
ると光の透過率が低減してしまうことになる。従って、
片面発光取り出しの場合には、背景色となりコントラス
トの向上に寄与するが、透過型のELディスプレイ素子
を得ようとすると、膜厚を薄くする必要がある。そし
て、膜厚が薄すぎる場合には、発光層のクランプ電界以
降において、耐圧余裕度が不足するため他の絶縁膜でこ
れを補う必要が生じる。このような透過型のELディス
プレイ素子を得る場合には、高誘電率の酸化膜が有効に
作用する。例えば、Ta2O5 (性能指数:約4〜6μc/
cm2)は比誘電率が20〜25であり、例えば、硫化亜鉛を発
光母体とする発光層の比誘電率( 約6.5 〜15)に比べ高
い値を有し、ELディスプレイ素子の駆動電圧を低減で
きると共に耐圧余裕度を増加する作用を有する。勿論、
挿入する酸化膜の誘電率は高ければ高い程、ELディス
プレイ素子の駆動電圧を低減できるが、同時に、透明で
あって性能指数が高いものでなければならないことは言
うまでもない。透過型のELディスプレイ素子を得るた
めの本発明の硫化物又はセレン化物の好ましい膜厚は 3
00Å以下である。
【0013】本発明は、上述したように、母体材料が硫
化物又はセレン化物から成る発光層と隣接する部分、特
に、発光層上部の絶縁膜、即ち絶縁性基板と反対側に位
置する絶縁膜の内、発光層と接する部分にELディスプ
レイ素子の劣化原因となる硫酸塩やセレン酸塩を形成し
ない硫化物又はセレン化物からなる薄膜を形成する。こ
のため、それら硫化物又はセレン化物自身は勿論、発光
層表面においても酸化による有害な硫酸塩やセレン酸塩
の生成が防止でき、極めて信頼性の高い安定なELディ
スプレイ素子となる。加えて、上記硫化物又はセレン化
物、具体的には、Mo,Tc,Ta,W, Re 又はOs のうち
何れかの硫化物又はセレン化物は、発光層の母体材料と
共通する元素、即ち、硫黄やセレンを介して強固に結合
される。従って、これら硫化物又はセレン化物の界面に
蓄えられた電荷を発光層に有効に注入することができ、
発光効率の向上を図ることができる。しかも、これら硫
化物又はセレン化物の比誘電率が発光層に対して非常に
高いので発光層に印加される分圧を高くできる。従っ
て、ELディスプレイ素子の駆動電圧を低減することが
できるという効果を有する。更に、上記硫化物又はセレ
ン化物の中で黒色を呈するもの、例えば、Ta の硫化物
等の場合には、膜厚を3000Å以上とすることで背景色の
黒化膜として兼用でき、ELディスプレイ素子のコント
ラストを向上することができる。
【0014】又、逆に、上記硫化物又はセレン化物の膜
厚を薄くすることで、透過型のELディスプレイ素子を
構成することができる。この場合には、更に、低電圧駆
動を実現できると共に耐圧余裕度を補償する意味で他の
絶縁膜、特に、発光層と直接接触すると有害な硫酸塩や
セレン酸塩を形成する酸化膜でさえ挿入することが可能
となる。例えば、反応性スパッタによる酸化膜を本発明
の硫化物又はセレン化物の上に成膜する時には、それら
硫化物又はセレン化物の表面では、例え酸化を引き起こ
したとしても亜硫酸ガスとなって放出されるためそれら
表面は常にリフレッシュされ有害な硫酸塩やセレン酸塩
を形成しない。しかも、本発明の硫化物又はセレン化物
である、例えば、Ta の硫化物Ta Sx ではxが 1/6か
ら3まで多様な固容体〔Ta6S, Ta2S,2S- Ta1+x
S2(x=0.2 〜0.35),6S- Ta1+xS2(x=0.2), 3S- T
a1+xS2(x=0.15) ,1S- Ta S2,α- Ta S2,2S-
Ta S2,β- Ta S2,3S- Ta S2,6S- Ta S2,δ
- Ta S2,Ta S3 及びその中間物〕を形成し得るの
で、例え表面の数10Å程度が亜硫酸ガスとなって多少の
S抜けが起きたとしても、大きな問題とはならない。し
かも、本発明の硫化物又はセレン化物を構成する金属元
素は酸素と結合できるので、逆に酸素を介して酸化膜と
強固に密着できる。
【0015】又、このように、本発明の硫化物又はセレ
ン化物と隣接した、絶縁性基板に近い側の電極の取り出
し部を除いて全体を覆うことで、発光層表面に有害な硫
酸塩やセレン酸塩が生成されることを防止できる。更
に、好ましくは、図2に示したように、絶縁性基板に近
い側の電極と発光層との間にも、本発明の硫化物又はセ
レン化物を挿入することが良い。この場合には、発光層
と一方の電極との間、発光層と他方の電極との間の絶縁
構造を発光層を挟んで対称にすると、交流駆動パルス
の対称性が保たれてより一層寿命特性を向上することが
できる。ここで、電気特性等の対称性が保たれるなら
ば、構造上の対称性を必ずしも保つ必要はない。そし
て、本発明の硫化物又はセレン化物のうち黒色を呈する
ものを用いる場合には、光取り出し側の膜厚、即ち、透
過率に留意せねばならないことは当然である。以上述べ
たように、多様なバリエーションと利点を有する硫酸塩
又はセレン酸塩を形成しない硫化物又はセレン化物を発
光層と隣接する部分に配設することにより、発光効率に
優れ、より安定で優れた寿命特性を有するELディスプ
レイ素子が提供できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。図1は本発明に係る薄膜ELディスプレイ素子
100の縦断面を示した模式図である。薄膜ELディス
プレイ素子100は、絶縁性基板であるガラス基板1
(厚さ 1.1mm,HOYA製NA40:ノンアルカリガラス)上に
順次、以下の薄膜が形成され構成されている。ガラス基
板1上には、ITO(Indium Thin Oxide:酸化インジウ
ム、錫)透明導電膜から成る下部電極2、五酸化タンタ
ル(Ta25)薄膜から成る第1絶縁膜31、母体材料と
して硫化物である硫化亜鉛(ZnS)から成る発光層4、
硫酸塩を形成しないTa の硫化物(以下、TaSxとい
う)から成る薄膜6、五酸化タンタル(Ta25)薄膜か
ら成る第2絶縁膜32及びAl 薄膜から成る背面電極5
が形成されている。
【0017】次に、上述の薄膜ELディスプレイ素子1
00の製造方法を以下に述べる。ガラス基板1上にIT
Oをアルゴン(Ar)及び酸素(O)の混合ガス雰囲気中
で高周波スパッタして2000Åの厚さに成膜し、ウェット
エッチングにより図面の左右方向であるX方向にストラ
イプ状の透明な下部電極2を形成した。次に、五酸化タ
ンタルをターゲットとし、アルゴン及び酸素の混合ガス
雰囲気中で高周波スパッタして下部電極2上に第1絶縁
膜31を形成した。この膜厚は4000Åとした。第1絶縁
膜31上には、TbOFを 3.6重量%の割合で含有する
硫化亜鉛(ZnS)をターゲットとして、アルゴン60%及
びヘリウム(He)40%の混合ガス雰囲気中で高周波スパ
ッタして7000Åの厚さに成膜し発光層4を形成した。こ
の発光層4上に、粒径 325メッシュアンダー、純度99.9
%の添川理化学(株)製の二硫化タンタル(TaS2)黒色
粉末を石英シャーレに充填しターゲットとし、アルゴン
55%、硫化水素5%及びヘリウム40%の混合ガス雰囲気
中で高周波スパッタして1000Åの厚さに成膜しTaSx
膜6を形成した。次に、第1絶縁膜31と同様の方法で
膜厚4000Åの五酸化タンタルから成る第2絶縁膜32を
形成した。更に、その上面にはアルミニウムを電子ビー
ム蒸着法で5000Åの厚さに成膜し、フォトエッチング法
により図面に垂直な方向であるY方向にストライプ状の
背面電極5を形成した。従って、この薄膜ELディスプ
レイ素子100は上面から見て下部電極2と背面電極5
との交差する部分の発光層4をドット的に発光させるこ
とができる。
【0018】尚、比較のため、TaSx薄膜6に替えてシ
リコンをターゲットとし、アルゴン及び窒素の混合ガス
雰囲気中で高周波スパッタして1000Åの膜厚の窒化珪素
薄膜を挿入した公知の構造の薄膜ELディスプレイ素子
を作成した。更に、比較のため、TaSx薄膜6も窒化珪
素薄膜も挿入しない、図3に示したような、薄膜ELデ
ィスプレイ素子を作成するため、アルミニウムから成る
上部電極5をフォトエッチングしようとしたところ、発
光層4と第2絶縁膜の五酸化タンタル薄膜の界面より剥
離が生じてしまって素子が得られなかった。
【0019】図4には、TaSx薄膜6を挿入した本発明
の薄膜ELディスプレイ素子100と上述の比較のため
窒化珪素薄膜を挿入した従来の薄膜ELディスプレイ素
子との輝度−駆動電圧の測定結果を示した。尚、測定条
件としては、日本学術振興会の光電相互変換第125委
員会推奨の印加電圧波形、即ち、1KHzの両極性パルス
波形とし、パルスの半値幅(τ)を40μs 、パルスの立
ち上がり時間(tr)、立ち下がり時間(tr)を共に8μ
s とし、駆動電圧はピーク値で表した。図から分かるよ
うに、本発明品は従来品に比べ、発光開始電圧(発光輝
度が1cd/m2 の値の電圧)を約37V低くすることがで
き、且つ、耐圧余裕度(素子破壊電圧から発光開始電圧
を引いた電圧差)を約57V向上することができた。しか
も、同じ発光層(ZnS:TbOF)であっても、移動電
荷量を多くとれるため発光効率が高く、最高到達輝度も
従来品より約15%高い輝度が得られた。尚、硫化タンタ
ルの代わりに硫化タングステン(WS2,WS3)、硫化モ
リブデン(MoS2)、硫化レニウム(ReS2,Re27
についても実施し、硫化タンタルと同等の効果が得られ
た。以上の説明では、発光層材料として緑色発光の(Z
nS:TbOF)を用いたが、アンバー色発光の(Zn
S:Mn)及び赤色発光の(ZnS:SmF3)等でも同様
の効果が認められた。
【0020】図5には、TaSx薄膜6を挿入した本発明
の薄膜ELディスプレイ素子100と上述の比較のため
窒化珪素薄膜を挿入した従来の薄膜ELディスプレイ素
子とについて、1KHzの両極性パルス波形にて1000時間
駆動し輝度の経時変化の測定結果を示した。発光開始電
圧(Vth)に差があるので、各々の駆動電圧は発光開始
電圧に40Vを加えた値(即ち、本発明品では 218V,従
来品では 255V)とし、ほぼ輝度が等しい値からスター
トさせた。尚、縦軸は相対輝度を表し、L40(発光開始
電圧Vth+40Vでの輝度を表す)の値を初期輝度 100と
した時の割合(%)を示す。窒化珪素薄膜を挿入した従
来品では約 200hrで輝度が半減してしまったが、本発明
品では1000hr耐久後も75%以上の輝度を維持しているこ
とが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体的な一実施例に係る薄膜ELディ
スプレイ素子の縦断面を示した模式図である。
【図2】本発明に係る薄膜ELディスプレイ素子の他の
実施例における縦断面を示した模式図である。
【図3】従来の薄膜ELディスプレイ素子の縦断面を示
した模式図である。
【図4】本発明の薄膜ELディスプレイ素子と従来品と
の輝度−駆動電圧の測定結果を示した図である。
【図5】本発明の薄膜ELディスプレイ素子と従来品と
の輝度の経時変化の測定結果を示した図である。
【符号の説明】
1−ガラス基板(絶縁性基板) 2−下部電極(IT
O透明導電膜) 31−第1絶縁膜(Ta25) 32−第2絶縁膜(Ta
25) 4−発光層(ZnS:TbOF) 5−上部電極(Al) 6−TaSx薄膜(硫酸塩又はセレン酸塩を形成しない硫
化物又はセレン化物から成る薄膜) 100−薄膜ELディスプレイ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信衛 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 服部 正 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/22 H05B 33/14

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性基板上に両電極間に挟持され、
    体材料が硫化物又はセレン化物から成る発光層を配置
    し、前記両電極の内、前記基板とは反対側に位置する電
    極と前記発光層との間に絶縁膜を配置したELディスプ
    レイ素子であって、前記絶縁膜の、前記発光層側の少なくとも一部を硫酸塩
    又はセレン酸塩を形成しない硫化物又はセレン化物から
    成る薄膜で構成し、前記絶縁膜の前記薄膜面を前記発光
    層と隣接、配置 したことを特徴とするELディスプレイ
    素子。
  2. 【請求項2】 前記基板に近い側の電極と前記発光層と
    の間に、前記薄膜と同じ材料からなる薄膜を有する絶縁
    膜を配置し、該薄膜面を前記発光層と隣接関係に配置し
    たことを特徴とする請求項1に記載のELディスプレイ
    素子。
  3. 【請求項3】 前記硫酸塩又はセレン酸塩を形成しない
    硫化物又はセレン化物は、Mo、Tc、Ta、W、R
    e、Osの群からら選択された一種であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のELディスプレイ素子。
  4. 【請求項4】 前記絶縁膜は前記発光層に隣接する第1
    の部分と、該発光層から離れる側に位置する第2の部分
    とから構成されており、前記第1の部分が硫酸塩又はセ
    レン酸塩を形成しない硫化物又はセレン化物から成る前
    記薄膜により構成されており、かつ前記第2の部分が前
    記発光層の誘電率よりも大きい誘電率を有する酸化膜に
    より構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何
    れか一つに記載のELディスプレイ素子。
  5. 【請求項5】 前記発光層は硫化亜鉛セレン化亜鉛、ア
    ルカリ土類硫化物から選択された一種を母材とすること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載のELデ
    ィスプレイ素子。
  6. 【請求項6】 前記絶縁膜の全部が前記硫酸塩又はセレ
    ン酸塩を形成しない硫化物又はセレン化物から構成され
    ていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一つに記
    載のELディスプレイ素子。
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