JPH0824072B2 - 薄膜エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents
薄膜エレクトロルミネセンス素子Info
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- JPH0824072B2 JPH0824072B2 JP62067579A JP6757987A JPH0824072B2 JP H0824072 B2 JPH0824072 B2 JP H0824072B2 JP 62067579 A JP62067579 A JP 62067579A JP 6757987 A JP6757987 A JP 6757987A JP H0824072 B2 JPH0824072 B2 JP H0824072B2
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- Electroluminescent Light Sources (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の産業上利用分野〕 本発明は、薄膜エレクトロルミネセンス素子、さらに
詳細には、高輝度、高効率な薄膜エレクトロルミネセン
ス素子(以下、薄膜EL素子と記述する)に関するもので
ある。
詳細には、高輝度、高効率な薄膜エレクトロルミネセン
ス素子(以下、薄膜EL素子と記述する)に関するもので
ある。
II−VI族化合物半導体、例えば硫化亜鉛(ZnS)を母
体とし、これに発光中心を形成するマンガン(Mn)、あ
るいは希土類化合物等を添加した薄膜を発光層とし、こ
の両側に酸化物、あるいは窒化物等の絶縁層(誘電体
層)薄膜をサンドイッチ状に設け、さらにこの薄膜構造
体を、その一方が透明な一対の対向電極で挟持した薄膜
EL素子は周知である。このような薄膜EL素子は、対向電
極間に交流電圧を印加することによって、高輝度に発光
し、しかも長寿命であることが知られている。
体とし、これに発光中心を形成するマンガン(Mn)、あ
るいは希土類化合物等を添加した薄膜を発光層とし、こ
の両側に酸化物、あるいは窒化物等の絶縁層(誘電体
層)薄膜をサンドイッチ状に設け、さらにこの薄膜構造
体を、その一方が透明な一対の対向電極で挟持した薄膜
EL素子は周知である。このような薄膜EL素子は、対向電
極間に交流電圧を印加することによって、高輝度に発光
し、しかも長寿命であることが知られている。
第1図は従来の薄膜EL素子の断面構造図を示すもので
あり、図において1はガラス基板、2はIn2O3:Sn等から
なる透明電極膜、3はTa2O5、Sm2O3、Y2O3、Al2O3、Si3
N4、SiO2、等の1種類、あるいは2種類以上の膜からな
る第1絶縁層膜、4はMnあるいは希土類化合物を添加し
たZnSあるいはSrS等のII−VI族化合物半導体発光層膜、
5は3と同様な第2絶縁層膜、6はAl等よりなる背面金
属電極膜である。
あり、図において1はガラス基板、2はIn2O3:Sn等から
なる透明電極膜、3はTa2O5、Sm2O3、Y2O3、Al2O3、Si3
N4、SiO2、等の1種類、あるいは2種類以上の膜からな
る第1絶縁層膜、4はMnあるいは希土類化合物を添加し
たZnSあるいはSrS等のII−VI族化合物半導体発光層膜、
5は3と同様な第2絶縁層膜、6はAl等よりなる背面金
属電極膜である。
このような構造の薄膜EL素子に交流電圧を印加し発光
層内部の電界強度が約106V/cm程度になると、絶縁層と
発光層の界面等から生成され電界で加速された電子が発
光中心物質を衝突励起することによって、EL発光が得ら
れる。
層内部の電界強度が約106V/cm程度になると、絶縁層と
発光層の界面等から生成され電界で加速された電子が発
光中心物質を衝突励起することによって、EL発光が得ら
れる。
第1図に示したような発光層膜を絶縁層膜でサンドイ
ッチ状に挟んだ、通常2重絶縁構造と呼ばれている構成
の素子では、発光開始時の発光層内部電界強度(Eth)
や誘電的破壊を起こしクランプした後の発光層内部電界
強度(Ecl)の値は、発光層と隣接する絶縁層との組合
せを変えることによって変化する。これは、一次電子の
供給源となるトラップの深さや密度が変化するためであ
る。従って、発光層と隣接する絶縁層との組合せは、輝
度、効率等の発光特性に大きく影響することから、極め
て重要な意味を持つパラメータであるといえる。しかし
ながら、これまでは発光層と絶縁層との組合せと発光特
性との関係が明確にはされておらず、そのため、優れた
発光特性を得るためにはどの絶縁層と発光層との組合せ
を用いればよいのか、また同じ絶縁層材料であれば絶縁
性が高くても低くてもよいのかが明らかではなかった。
ッチ状に挟んだ、通常2重絶縁構造と呼ばれている構成
の素子では、発光開始時の発光層内部電界強度(Eth)
や誘電的破壊を起こしクランプした後の発光層内部電界
強度(Ecl)の値は、発光層と隣接する絶縁層との組合
せを変えることによって変化する。これは、一次電子の
供給源となるトラップの深さや密度が変化するためであ
る。従って、発光層と隣接する絶縁層との組合せは、輝
度、効率等の発光特性に大きく影響することから、極め
て重要な意味を持つパラメータであるといえる。しかし
ながら、これまでは発光層と絶縁層との組合せと発光特
性との関係が明確にはされておらず、そのため、優れた
発光特性を得るためにはどの絶縁層と発光層との組合せ
を用いればよいのか、また同じ絶縁層材料であれば絶縁
性が高くても低くてもよいのかが明らかではなかった。
本発明は、上述の点にかんがみなされたものであり、
薄膜ELの素子構造の内の発光層に隣接する絶縁層膜を最
適化することによって、高輝度で高効率な薄膜エレクト
ロルミネセンス素子を提供することを目的とするもので
ある。
薄膜ELの素子構造の内の発光層に隣接する絶縁層膜を最
適化することによって、高輝度で高効率な薄膜エレクト
ロルミネセンス素子を提供することを目的とするもので
ある。
上記の目的を達成するため、本発明は発光層の少なく
とも片側に二種類以上の絶縁膜を積層した薄膜構造体を
透明電極と背面電極とでなる一対の電極膜で挟持せしめ
た薄膜エレクトロルミネセンス素子において、前記発光
層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1%以上の低絶縁
性膜とし、その外側を誘電損失が1%未満の高絶縁性膜
としたことを特徴としている。
とも片側に二種類以上の絶縁膜を積層した薄膜構造体を
透明電極と背面電極とでなる一対の電極膜で挟持せしめ
た薄膜エレクトロルミネセンス素子において、前記発光
層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1%以上の低絶縁
性膜とし、その外側を誘電損失が1%未満の高絶縁性膜
としたことを特徴としている。
また、本発明による第二の薄膜エレクトロルミネセン
ス素子は、発光層の少なくとも片側に二種類以上の絶縁
膜を積層した薄膜構造体を透明電極と背面電極とでなる
一対の電極膜で挟持し、交流電圧を当該電極間に印加し
て発光せしめる薄膜エレクトロルミネセンス素子におい
て、前記発光層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1%
以上の低絶縁性膜とし、その外側を誘電損失が1%未満
の高絶縁性膜とするとともに、前記背面電極と隣接する
絶縁層として自己回復形破壊モードを示す絶縁膜を用い
た構造とすることを特徴とするものである。
ス素子は、発光層の少なくとも片側に二種類以上の絶縁
膜を積層した薄膜構造体を透明電極と背面電極とでなる
一対の電極膜で挟持し、交流電圧を当該電極間に印加し
て発光せしめる薄膜エレクトロルミネセンス素子におい
て、前記発光層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1%
以上の低絶縁性膜とし、その外側を誘電損失が1%未満
の高絶縁性膜とするとともに、前記背面電極と隣接する
絶縁層として自己回復形破壊モードを示す絶縁膜を用い
た構造とすることを特徴とするものである。
次に本発明の実施例を添付図面に従って説明する。な
お、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で、種類の変更あるいは改良を行いうること
は言うまでもない。
お、実施例は一つの例示であって、本発明の精神を逸脱
しない範囲で、種類の変更あるいは改良を行いうること
は言うまでもない。
第2図は本発明の薄膜EL素子の断面構成図の一例を示
すものであって、図において7はガラス基板、8は透明
電極膜、9は絶縁層膜、10は発光層膜、11は誘電損失が
1%以上の低絶縁性絶縁層膜、12は高絶縁性絶縁層膜、
13は背面金属電極膜である。
すものであって、図において7はガラス基板、8は透明
電極膜、9は絶縁層膜、10は発光層膜、11は誘電損失が
1%以上の低絶縁性絶縁層膜、12は高絶縁性絶縁層膜、
13は背面金属電極膜である。
次に本発明およびその効果を実施例により具体的に説
明する。
明する。
〔実施例1〕 第2図の薄膜EL素子を作製するにあたり、ガラス基板
7としてホヤ製のNA40を用いた。このガラス基板上にIn
2O3:Sn透明電極膜8を200nm、スパッタ法で形成した。
次に、絶縁層膜9としてTa2O5を高周波マグネトロン・
スパッタ法により300nm、発光層膜10としてZnS:Mnを電
子ビーム蒸着法により500nm、低絶縁性絶縁層膜11とし
て誘電損失が5%以上のSiO2を高周波マグネトロン・ス
パッタ法により130nm、高絶縁性絶縁層膜12として9と
同様にTa2O5を300nm、順次、積層形成した。そして、最
後に背面金属電極膜13としてA1を電子ビーム蒸着法によ
り100nm形成して薄膜EL素子を作製した。また、比較の
ために上記構成から低絶縁性絶縁層膜11を除いた従来の
構造の素子を同時に作製した。以下、絶縁層膜11を含む
素子を素子A、含まない素子を素子Bと呼ぶこととす
る。
7としてホヤ製のNA40を用いた。このガラス基板上にIn
2O3:Sn透明電極膜8を200nm、スパッタ法で形成した。
次に、絶縁層膜9としてTa2O5を高周波マグネトロン・
スパッタ法により300nm、発光層膜10としてZnS:Mnを電
子ビーム蒸着法により500nm、低絶縁性絶縁層膜11とし
て誘電損失が5%以上のSiO2を高周波マグネトロン・ス
パッタ法により130nm、高絶縁性絶縁層膜12として9と
同様にTa2O5を300nm、順次、積層形成した。そして、最
後に背面金属電極膜13としてA1を電子ビーム蒸着法によ
り100nm形成して薄膜EL素子を作製した。また、比較の
ために上記構成から低絶縁性絶縁層膜11を除いた従来の
構造の素子を同時に作製した。以下、絶縁層膜11を含む
素子を素子A、含まない素子を素子Bと呼ぶこととす
る。
第3図に、周波数1KHzの正弦波電圧で素子AおよびB
を駆動したときの輝度−電荷(B−Q)特性を示す。素
子Aでは素子Bに比べて、閾電荷密度が低く、同じ電荷
密度で駆動した時に得られる輝度が高い。第4図に、発
光効率−電荷(η−Q)特性を示す。素子Aの発光効率
は素子Bの1.4〜1.8倍となった。
を駆動したときの輝度−電荷(B−Q)特性を示す。素
子Aでは素子Bに比べて、閾電荷密度が低く、同じ電荷
密度で駆動した時に得られる輝度が高い。第4図に、発
光効率−電荷(η−Q)特性を示す。素子Aの発光効率
は素子Bの1.4〜1.8倍となった。
以上の結果から、ZnS:Mn発光層とTa2O5絶縁層との間
に低絶縁性のSiO2層を挿入することが発光効率、並びに
発光輝度の改善に極めて有効であることがわかった。
に低絶縁性のSiO2層を挿入することが発光効率、並びに
発光輝度の改善に極めて有効であることがわかった。
〔実施例2〕 上記実施例1は、低絶縁性絶縁膜11のSiO2の膜厚が13
0nmと厚いため、両素子の駆動電圧には50V以上の差があ
った。そこで、第2絶縁層をTa2O5(300nm)/SiO2(50n
m)とした構成で検討した結果、同様の効果が得られ
た。すなわち第5図に示した輝度−電圧(B−V)特性
から明らかなように駆動電圧を殆ど変えることなく輝
度、発光効率を高めることができた。また、第2絶縁層
を低絶縁性SiO2(150nm)のみとした素子では、第6図
に示したB−Q特性からわかるように発光閾電荷密度は
低くなるものの輝度、効率の改善効果はなく、エージン
グ時の輝度低下も著しいものであった。これらのことか
ら、発光層とTa2O5絶縁層との間に低絶縁性SiO2層を挿
入した場合の発光特性の改善効果は、SiO2/ZnS:Mn界面
の効果だけではなく複合絶縁層としての効果であると結
論できる。
0nmと厚いため、両素子の駆動電圧には50V以上の差があ
った。そこで、第2絶縁層をTa2O5(300nm)/SiO2(50n
m)とした構成で検討した結果、同様の効果が得られ
た。すなわち第5図に示した輝度−電圧(B−V)特性
から明らかなように駆動電圧を殆ど変えることなく輝
度、発光効率を高めることができた。また、第2絶縁層
を低絶縁性SiO2(150nm)のみとした素子では、第6図
に示したB−Q特性からわかるように発光閾電荷密度は
低くなるものの輝度、効率の改善効果はなく、エージン
グ時の輝度低下も著しいものであった。これらのことか
ら、発光層とTa2O5絶縁層との間に低絶縁性SiO2層を挿
入した場合の発光特性の改善効果は、SiO2/ZnS:Mn界面
の効果だけではなく複合絶縁層としての効果であると結
論できる。
〔実施例3〕 第2図に示した構成の薄膜EL素子の構造において、さ
らに絶縁層12と背面金属電極膜13との間にもう一層の自
己回復形破壊モードを示す絶縁層14を挿入した構造の素
子を作製した。素子構造断面概略図を第7図に示す。第
2図の構造に加えて追加した絶縁層14には高周波マグネ
トロン・スパッタ法で作製した膜厚50nmのSiO2を用い
た。その他の層の作製法は実施例1ないし2と同様であ
る。
らに絶縁層12と背面金属電極膜13との間にもう一層の自
己回復形破壊モードを示す絶縁層14を挿入した構造の素
子を作製した。素子構造断面概略図を第7図に示す。第
2図の構造に加えて追加した絶縁層14には高周波マグネ
トロン・スパッタ法で作製した膜厚50nmのSiO2を用い
た。その他の層の作製法は実施例1ないし2と同様であ
る。
絶縁層14を追加したところ、背面金属電極とTa2O5と
が直接接している構造の素子に比べて、素子の破壊時の
最大蓄積電荷密度(Qmax)が高く、かつQmaxの再現性が
良かった。
が直接接している構造の素子に比べて、素子の破壊時の
最大蓄積電荷密度(Qmax)が高く、かつQmaxの再現性が
良かった。
なお、発光層膜10とTa2O5膜12との間に設けた低絶縁
性SiO2膜11の効果により、従来構造の素子に比べて輝度
が高く、高効率であることは上記と同様であり、それに
加えて素子の動作安定性が一段と向上することを確認し
た。
性SiO2膜11の効果により、従来構造の素子に比べて輝度
が高く、高効率であることは上記と同様であり、それに
加えて素子の動作安定性が一段と向上することを確認し
た。
さらに、以上の実施例においては、全て発光層の片側
にのみ、本発明の骨子である誘電損失が1%以上の絶縁
膜を配置した構造について述べたが、発光層の両側に隣
接して誘電損失1%以上の絶縁膜を配置した場合には、
輝度、発光効率の改善効果がさらに顕著であり、両方の
特性が従来素子に比べて2倍以上向上することを確認し
た。
にのみ、本発明の骨子である誘電損失が1%以上の絶縁
膜を配置した構造について述べたが、発光層の両側に隣
接して誘電損失1%以上の絶縁膜を配置した場合には、
輝度、発光効率の改善効果がさらに顕著であり、両方の
特性が従来素子に比べて2倍以上向上することを確認し
た。
次に、本発明の要素技術となる絶縁膜の誘電損失の制
御法について述べる。上記実施例中の絶縁層9、12に用
いたTa2O5は誘電損失が0.2〜0.5%程度と低い高絶縁性
膜であり、一方、低絶縁性絶縁層11に用いたSiO2は誘電
損失が5〜20%程度と高い低絶縁性膜であった。同じ材
料でも成膜法により絶縁性は変化し、SiO2を例にとる
と、本発明の方法、すなわちSiO2の酸化物ターゲットを
用いてマグネトロン・スパッタ法により膜形成を行う場
合には、成膜時のガス雰囲気により形成した膜の絶縁性
が変化する。膜形成時の雰囲気を酸素を含まない不活性
ガスとするとできた膜は上記実施例に示したような低絶
縁性膜となり、成膜時の雰囲気の酸素濃度を増すに従っ
て高絶縁性の膜とすることができる。すなわち、成膜時
のガス雰囲気を調整することにより、誘電損失を0.2〜2
0%まで任意に制御したSiO2膜を得ることができる。
御法について述べる。上記実施例中の絶縁層9、12に用
いたTa2O5は誘電損失が0.2〜0.5%程度と低い高絶縁性
膜であり、一方、低絶縁性絶縁層11に用いたSiO2は誘電
損失が5〜20%程度と高い低絶縁性膜であった。同じ材
料でも成膜法により絶縁性は変化し、SiO2を例にとる
と、本発明の方法、すなわちSiO2の酸化物ターゲットを
用いてマグネトロン・スパッタ法により膜形成を行う場
合には、成膜時のガス雰囲気により形成した膜の絶縁性
が変化する。膜形成時の雰囲気を酸素を含まない不活性
ガスとするとできた膜は上記実施例に示したような低絶
縁性膜となり、成膜時の雰囲気の酸素濃度を増すに従っ
て高絶縁性の膜とすることができる。すなわち、成膜時
のガス雰囲気を調整することにより、誘電損失を0.2〜2
0%まで任意に制御したSiO2膜を得ることができる。
以上の実施例においては低絶縁性絶縁層11には誘電損
失5%以上のSiO2膜を用いたが、誘電損失の値の範囲と
しては、1%以上が適当である。誘電損失が1%未満に
なると、高絶縁性絶縁層9、12と性質が類似となり、輝
度、効率の改善効果が低減する。反対に、高絶縁性絶縁
層9、12に用いる材料については誘電損失が1%未満で
あることが必要なことは言うに及ばない。また、低絶縁
性絶縁層の膜厚は、駆動電圧の増加を最小限に抑えると
いう観点から、10〜100nmが適当である。
失5%以上のSiO2膜を用いたが、誘電損失の値の範囲と
しては、1%以上が適当である。誘電損失が1%未満に
なると、高絶縁性絶縁層9、12と性質が類似となり、輝
度、効率の改善効果が低減する。反対に、高絶縁性絶縁
層9、12に用いる材料については誘電損失が1%未満で
あることが必要なことは言うに及ばない。また、低絶縁
性絶縁層の膜厚は、駆動電圧の増加を最小限に抑えると
いう観点から、10〜100nmが適当である。
本発明、およびその効果は上記実施例中に記述した材
料になんら限定されるものではなく、例えばガラス基板
としては、コーニング7059などを用いても同様の効果が
得られる。その他、発光層としてはTb、Sm、Ca等の希土
類化合物を添加したZnS、SrS、CaS等のII−VI族化合物
半導体薄膜、第2図の絶縁層9、12に用いる絶縁層とし
てはSrTiO3、BaTiO3、PbTiO3、BaTaO3、Ta2O5、Sm2O3、
Y2O3、Al2O3、Si3N4、SiO2薄膜等、あるいはこれらを2
種類以上組合せた複合層を用いても同様の効果が期待で
きる。さらに、第2図の低絶縁性絶縁層膜11に用いる絶
縁層としては、SiO2の他に誘電損失が1%以上になるよ
う成膜条件を制御して作製したTa2O5、Sm2O3、Y2O3、Al
2O3、Si3N4、薄膜等を用いても同様な効果が期待でき
る。
料になんら限定されるものではなく、例えばガラス基板
としては、コーニング7059などを用いても同様の効果が
得られる。その他、発光層としてはTb、Sm、Ca等の希土
類化合物を添加したZnS、SrS、CaS等のII−VI族化合物
半導体薄膜、第2図の絶縁層9、12に用いる絶縁層とし
てはSrTiO3、BaTiO3、PbTiO3、BaTaO3、Ta2O5、Sm2O3、
Y2O3、Al2O3、Si3N4、SiO2薄膜等、あるいはこれらを2
種類以上組合せた複合層を用いても同様の効果が期待で
きる。さらに、第2図の低絶縁性絶縁層膜11に用いる絶
縁層としては、SiO2の他に誘電損失が1%以上になるよ
う成膜条件を制御して作製したTa2O5、Sm2O3、Y2O3、Al
2O3、Si3N4、薄膜等を用いても同様な効果が期待でき
る。
実際に、低絶縁性絶縁膜としてマグネトロン・スパッ
タ法で形成したAl2O3をSiO2の代わりに用いて行ったと
ころ、同様の効果が得られた。
タ法で形成したAl2O3をSiO2の代わりに用いて行ったと
ころ、同様の効果が得られた。
以上説明したように、本発明の素子は発光特性が優れ
ていることから、本発明の素子を用いれば高輝度で高効
率の薄膜EL素子を製造できるという利点がある。
ていることから、本発明の素子を用いれば高輝度で高効
率の薄膜EL素子を製造できるという利点がある。
第1図は従来の薄膜EL素子の断面構成図、第2図は本発
明の薄膜EL素子の断面構成図、第3図は本発明の素子、
および従来素子の輝度−電荷特性を示すグラフ、第4図
は本発明の素子、および従来素子の発光効率−電荷特性
を示すグラフ、第5図は本発明の素子、および従来素子
の輝度−電圧特性を示すグラフ、第6図は本発明の素
子、および第2絶縁層を低絶縁性SiO2(150nm)のみと
した素子の輝度−電荷特性を示すグラフ、第7図は他の
本発明の実施例を示す薄膜EL素子の断面構成図である。 1,7……ガラス基板、2,8……透明電極膜、3,5……絶縁
層膜、4,10……発光層膜、6,13……背面金属電極膜、9,
12……Ta2O5絶縁層膜、11……SiO2絶縁層膜、a……本
発明による薄膜EL素子の輝度−電荷特性、b……従来素
子の輝度−電荷特性、a′……本発明による薄膜EL素子
の効率−電荷特性、b′……従来素子の効率−電荷特
性、c……本発明による薄膜EL素子の輝度−電圧特性、
d……従来素子の輝度−電圧特性、c′……本発明によ
る薄膜EL素子の輝度−電荷特性、e……第2絶縁層をSi
O2(150nm)のみとした素子の輝度−電荷特性、14……
自己回復形絶縁層膜。
明の薄膜EL素子の断面構成図、第3図は本発明の素子、
および従来素子の輝度−電荷特性を示すグラフ、第4図
は本発明の素子、および従来素子の発光効率−電荷特性
を示すグラフ、第5図は本発明の素子、および従来素子
の輝度−電圧特性を示すグラフ、第6図は本発明の素
子、および第2絶縁層を低絶縁性SiO2(150nm)のみと
した素子の輝度−電荷特性を示すグラフ、第7図は他の
本発明の実施例を示す薄膜EL素子の断面構成図である。 1,7……ガラス基板、2,8……透明電極膜、3,5……絶縁
層膜、4,10……発光層膜、6,13……背面金属電極膜、9,
12……Ta2O5絶縁層膜、11……SiO2絶縁層膜、a……本
発明による薄膜EL素子の輝度−電荷特性、b……従来素
子の輝度−電荷特性、a′……本発明による薄膜EL素子
の効率−電荷特性、b′……従来素子の効率−電荷特
性、c……本発明による薄膜EL素子の輝度−電圧特性、
d……従来素子の輝度−電圧特性、c′……本発明によ
る薄膜EL素子の輝度−電荷特性、e……第2絶縁層をSi
O2(150nm)のみとした素子の輝度−電荷特性、14……
自己回復形絶縁層膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−2496(JP,A) 特開 昭58−212119(JP,A) 特開 昭63−26994(JP,A) 特開 昭63−26995(JP,A)
Claims (4)
- 【請求項1】発光層の少なくとも片側に二種類以上の絶
縁膜を積層した薄膜構造体を透明電極と背面電極とでな
る一対の電極膜で挟持し、交流電圧を当該電極間に印加
して発光せしめる薄膜エレクトロルミネセンス素子にお
いて、発光層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1%以
上の低絶縁性膜とし、その外側を誘電損失が1%未満の
高絶縁性膜としたことを特徴とする薄膜エレクトロルミ
ネセンス素子。 - 【請求項2】前記発光層膜に隣接する誘電損失が1%以
上の低絶縁性膜をSiO2とし、その外側の誘電損失が1%
未満の高絶縁性膜をTa2O5とたことを特徴とする特許請
求の範囲第1項記載の薄膜エレクトロルミネセンス素
子。 - 【請求項3】発光層の少なくとも片側に二種類以上の絶
縁膜を積層した薄膜構造体を透明電極と背面電極とでな
る一対の電極膜で挟持し、交流電圧を当該電極間に印加
して発光せしめる薄膜エレクトロルミネセンス素子にお
いて、前記発光層膜に隣接する絶縁層膜を誘電損失が1
%以上の低絶縁性膜とし、その外側を誘電損失が1%未
満の高絶縁性膜とするとともに、前記背面電極と隣接す
る絶縁層として自己回復形破壊モードを示す絶縁膜を用
いた構造とすることを特徴とする薄膜エレクトロルミネ
センス素子。 - 【請求項4】前記発光層膜に隣接する誘電損失が1%以
上の低絶縁性膜をSiO2とし、その外側の誘電損失が1%
未満の高絶縁性膜をTa2O5とし、さらにその高絶縁性膜
と背面金属電極との間に挟む自己回復形破壊モードを示
す絶縁膜をSiO2としたことを特徴とする特許請求の範囲
第3項記載の薄膜エレクトロルミネセンス素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62067579A JPH0824072B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 薄膜エレクトロルミネセンス素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62067579A JPH0824072B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 薄膜エレクトロルミネセンス素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63232296A JPS63232296A (ja) | 1988-09-28 |
JPH0824072B2 true JPH0824072B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=13348979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62067579A Expired - Lifetime JPH0824072B2 (ja) | 1987-03-20 | 1987-03-20 | 薄膜エレクトロルミネセンス素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0824072B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2686170B2 (ja) * | 1990-07-16 | 1997-12-08 | シャープ株式会社 | 薄膜el素子 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58212119A (ja) * | 1982-06-03 | 1983-12-09 | 松下電器産業株式会社 | 複合誘電体 |
JPS622496A (ja) * | 1985-06-26 | 1987-01-08 | ホ−ヤ株式会社 | 薄膜el素子 |
-
1987
- 1987-03-20 JP JP62067579A patent/JPH0824072B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63232296A (ja) | 1988-09-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |