JPH0995950A - 土木用軽量骨材および土圧軽減を図った埋戻し地盤並びに造成工 - Google Patents

土木用軽量骨材および土圧軽減を図った埋戻し地盤並びに造成工

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JPH0995950A
JPH0995950A JP34432295A JP34432295A JPH0995950A JP H0995950 A JPH0995950 A JP H0995950A JP 34432295 A JP34432295 A JP 34432295A JP 34432295 A JP34432295 A JP 34432295A JP H0995950 A JPH0995950 A JP H0995950A
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layer
styrofoam
civil engineering
crushed
ground
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English (en)
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Osamu Hashizume
修 橋爪
Mitsuhiko Tanaka
光彦 田中
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HASHIZUME KK
Original Assignee
HASHIZUME KK
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 施工が容易で低コストな土木用軽量骨材と該
軽量骨材により土圧軽減を図った埋戻し地盤および造成
工を提供する。 【構成】 縦、横、厚さまたは対角線の最大寸法が5〜
350mmで、最小寸法が3〜250mmとされた発泡
スチロール破砕部体が90%以上である土木用軽量骨
材。埋戻しを必要とする部分に発泡スチロールの破砕部
体を所定厚さに装入すると共に介在層を形成し、該介在
層上に更に発泡スチロールの破砕部体を所定厚に装入し
介在層を形成した層構成を繰返し土圧軽減を図った埋戻
し地盤。埋戻し地盤上に土壌または砂の何れか一方また
は双方による植栽層を形成したことを特徴とする盛土造
成工。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は土木用軽量骨材およ
び土圧軽減を図った埋戻し地盤並びに造成工に係り、新
しい土木用軽量骨材および埋戻し地盤における土圧を軽
減して安定な地盤並びに造成工を提供し、また施工が容
易で低コストな土木用軽量骨材およびその施工を得よう
とするものである。
【0002】
【従来の技術】傾斜地などを利用して建造物を構築する
に当って埋戻し、盛り土による地盤を形成することが行
われているが、このような埋戻し、盛り土として従来利
用されている手法は砕石や土砂類を投入し、その上に土
壌を被覆することが一般的である。しかし近時において
建造物が高層化した条件下では埋戻し深さが10m以上
のように大きいものとなり、その埋戻し土砂類などによ
る側圧が大きくかかるため擁護壁として充分な強度のも
のを特別に設けて崩壊を防止することが実質的な要件と
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
によるものは砕石や土砂類の何れにしても相当の重量物
であって、またその採取や運搬のための工数、工費が嵩
むこととならざるを得ない。即ち土砂や砕石の何れもが
仮りに材料費としては無償で入手し得るものであるとし
ても採取や運搬および搬入のための機器の使用料ないし
運転操作費や作業者の労賃は相当の金額に達し、標準的
な作業条件として、例えば300m3 の土砂を搬入する
ものとしてそれらのコストは300〜400万円に達す
る。
【0004】しかも高さが10mを超えるような条件で
は前記したように側圧が相当に大きいことは前記の如く
であって、そうした側圧に対処するため上述したような
擁護壁を構築することが不可欠であり、そのための工事
費、材料費も更に大きいものとならざるを得ない。
【0005】なお発泡スチロール成型体は緩衝材として
各種物品の梱包、荷役上不可欠的な資材となっており、
生鮮食料品や各種機器ないし器具を収容し変質ないし損
傷を保護する上において広く利用されているが、一般的
に1度使用されて目的地に達すると、そのまま廃棄され
ることが普通であって回収再利用されることは殆んどな
く、その廃棄量は頗る大である。また上記のような発泡
スチロール緩衝成型材は型による製作時にそれぞれ不合
格品が発生し、即ち若干の寸法的誤差のある不合格品は
目的の緩衝や変質ないし損壊を的確に防止することがで
きず、しかもそれを修正することも事実上不可能でその
まま製造時の廃材となる。加うるにこれらのものは合成
樹脂であることから焼却するとしても煙の発生量が大で
あって公害原因となることから焼却についても考慮が必
要であり、従って特別な処理コストを必要とすることが
多い。更にこの発泡スチロールは大型物体を容易に形成
し得る材料として各種イベント会場などからも大型のも
のが一応の使用後に大量に発生し、同様の処理上の課題
を有している。
【0006】なお一部に上記のような廃材をmm以下の
ような微粉ないし微粒化して壁材などに混入することも
行われており、廃棄に苦心を必要としたものに対する好
ましい利用方法とされている。然しこの場合には微粒な
いし微粉化のための工数が大であって、必然的にコスト
高であり、当然に天然産出またはこれに適当な処理を施
した程度の壁用材料より相当に高価とならざるを得な
い。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解消することについて検討を重
ね、上記したような発泡スチロール廃材を特定の状態の
軽量骨材となし、埋戻し工法その他の土木用に採用する
ことによって平易で且つ低コストな施工を行わしめ、し
かも埋戻し工や造成工における側圧を充分に低減して2
0mを超えるような埋戻し地盤においても特別な擁護壁
を構築することなしに安定な各種施工を得しめることに
成功したものであって、以下の如くである。
【0008】(1) 縦、横、長さ、厚さまたは対角線
の最大寸法が5〜350mmで、最小寸法が3〜250
mmとされた発泡スチロール破砕部体が90%以上であ
ることを特徴とした土木建築用軽量骨材。
【0009】(2) 縦、横、長さ、厚さまたは対角線
の最大寸法が8〜300mmで、最小寸法が7〜230
mmとされた発泡スチロール破砕部体が90%以上であ
ることを特徴とした土木建築用軽量骨材。
【0010】(3) 縦、横、長さ、厚さまたは対角線
の最大寸法が10〜200mmで、最小寸法が7〜18
0mmとされた発泡スチロール破砕部体が90%以上で
あることを特徴とした土木建築用軽量骨材。
【0011】(4) 前記(1)〜(3)項の何れか1
つに記載した発泡スチロール破砕部体を内容積20〜2
00リットルの可曲性袋内に収容したことを特徴とした
土木建築用軽量骨材。
【0012】(5) 前記(1)〜(3)項の何れか1
つに記載した発泡スチロール破砕部体を内容積が20〜
200リットルで、幅よりも長さが大きい樹脂質網状材
による可曲性袋内に収容したことを特徴とした土木建築
用軽量骨材。
【0013】(6) 埋戻しを必要とする部分に発泡ス
チロールの破砕部体を所定厚さに装入すると共に介在層
を形成し、該介在層上に更に発泡スチロールの破砕部体
を所定厚に装入し介在層を形成した層構成を繰返したこ
とを特徴とする土圧軽減を図った埋戻し地盤。
【0014】(7) 介在層が発泡スチロールの破砕部
体層にセメント質などの水硬性物質混練物を散布し浸透
凝結せしめた水硬性物質凝結層であることを特徴とする
前記(6)項に記載の土圧軽減を図った埋戻し地盤。
【0015】(8) 介在層がメッシュ組織材またはシ
ート材であることを特徴とした前記(6)項に記載の土
圧軽減を図った埋戻し地盤。
【0016】(9) 発泡スチロールの破砕部体が厚さ
5〜50mm、幅10〜100mm、長さ30〜300
mmとされた部体を主材としたことを特徴とする前記
(6)〜(8)項の何れか1つに記載の土圧軽減を図っ
た埋戻し地盤。
【0017】(10) 発泡スチロールの破砕部体によ
る装入層における空隙率が35〜60%であることを特
徴とした前記(6)〜(9)項の何れか1つに記載の土
圧軽減を図った埋戻し地盤。
【0018】(11) 前記(6)〜(10)項の何れ
か1つに記載した埋戻し地盤上に土壌または砂の何れか
一方または双方による植栽層を形成したことを特徴とす
る盛土造成工。
【0019】(12) 前記(1)〜(3)項の何れか
1つに記載した土木建築用軽量骨材を建築物基礎部の周
囲に形成された溝内に装入し、該装入層上に装入形成さ
れたコンクリート層を支持面としたことを特徴とした造
成工。
【0020】(13) 前記(4)項または(5)項の
何れか1つに記載した可撓性袋内に収容された土木建築
用軽量骨材を袋詰状態のままで積層堆積することを特徴
とした造成工。
【0021】(14) 前記(4)項または(5)項の
何れか1つに記載した可撓性袋内に収容された土木建築
用軽量骨材を袋詰状態のままで地表面またはそれに準じ
た基礎面上に積層堆積し、該堆積物の周面および上面を
土砂類またはコンクリートで被覆し基礎面上の堆積部と
したことを特徴とした造成工。
【0022】
【発明の実施の形態】上記したような本発明について更
に具体的に説明すると、本発明者等は埋戻し地盤を形成
する素材として発泡スチロール廃材を用いることについ
て検討を重ね、縦(L)、横(幅:W)および高さ
(H)を夫々500mm以下とした多様な破砕部材を準
備しその調整および荷役ないし現場における取扱い操作
および傾斜地や擁壁間あるいは地下駐車場上の盛土、建
造物基礎中などに対する埋戻し利用を検討した。
【0023】これらの検討結果として、少くとも上記し
たL、WおよびHの何れかが500mmを超えるような
ものは、施工現場における充填操作上あるいは取扱い上
難点が多いものであり、例えば掘削溝中に投入しても隙
間の大きい充填層となり不安定とならざるを得ず、好ま
しい利用をなし難いものとせざるを得ない。従って少く
ともL、W、Hの何れかが500mmを超えることのな
いように破砕すべきものと判断された。
【0024】一方本発明における如き土木用骨材として
5mm以下のような細粒は成程充填操作が容易であると
しても充填状態が不安定であって、軽度の荷重で容易に
崩れ易いこととなり、混練物調整に準じた用法として特
別にコンクリートまたはモルタルを相当大量に混入しな
ければ好ましい地盤などを形成し難い。しかも前記発泡
スチロールは成程破砕し易いものであるとしてもそれな
りの弾性を有することからこれを細砕するための工数が
嵩み、例えば破砕物の寸法を2分の1とするためには立
方体であることから3乗(8倍)の破砕工数が必要であ
り、しかも細化するに従いその破砕、切断が加速度的に
困難化することは実験的に明かであって、この点からし
ても決定的な不利が強いられることとなる。
【0025】具体的な好ましい本発明による土木用軽量
骨材について、その代表例を要約して示すと次の表1の
如くであるが、提供された原材料の形態ないし寸法関係
と施工条件によって適当なものを選んで実施することが
できる。
【0026】
【表1】
【0027】上記のような検討結果からして本発明にお
いては一般的に縦、横、厚さ(高さ)または対角線の何
れかにおける最大寸法が5〜350mmで、最小寸法は
3〜250mmとされた発泡スチロール破砕部体を主体
として採用することとして、多くの試料に関し、種々の
検討を繰返した。
【0028】これらの検討について、その代表的な例に
ついて説明すると、包装梱包材として利用された後の産
業廃棄物としての発泡スチロールを基準寸法が次の
(A)〜(E)の5種の寸法にカットした材料6をそれ
ぞれ準備した。 (A) 45mm×45mm×60mm (B) 25mm×30mm×45mm (C) 10mm×20mm×45mm (D) 30mm×30mm×60mm (E) 45mm×50mm×70mm これらの材料についての具体的な基準的態様は図1に示
す如くであるが、この態様は特に梱包廃材を原料とする
ような場合においてその平面、側面あるいは端面が適宜
に傾斜し、あるいは彎曲または屈曲した構成のものでよ
い。
【0029】上記したような発泡スチロールの破砕部体
は前記した表1のように適宜の形態、寸法のものを採用
してよいことは当然であるが、産業廃棄物としての発泡
スチロール材をニクロム線のような発熱線材張設部材に
対して順次に押入することにより静穏な作業条件で適宜
の所定寸法で且つ略整然とした破砕物に分割破砕するこ
とができ、しかも破砕面を平滑状として得ることができ
るし、殊更に破砕屑を発生することもない。然し本発明
によるものはこのような手法による破砕に限定されるも
のでなく、一般的な打撃その他の手法で破砕したもので
もよい。このような打撃などで破砕したものにおては破
砕物の寸法が一定しないことになるが少なくとも80%
以上の主材が一定の寸法範囲であることにより本発明の
目的を略適切に達成することができる。
【0030】上述したような発泡スチロールの破砕部体
が厚さ5〜50mm前後、幅10〜100mm前後、長
さ30〜300mm前後とされた部体を主材とすること
により一般的な産業廃棄物として得られる発泡スチロー
ル材からの調整が比較的容易で、袋詰めして現場に搬入
する取扱いないし埋戻し域に対する装入充填操作および
水硬性物質混練物などの投入による介在層の形成などが
円滑に実施され、好ましい埋戻し地盤を形成することが
できる。なおその形態については必ずしも方形たること
を必要とせず、適当に異形化したものでよい。より好ま
しい発泡スチロール破砕部体の寸法範囲は厚さが10〜
30mm程度、幅が30〜60mm程度、長さが50〜
150mm程度である。
【0031】具体的に前記したように準備された(A)
〜(E)のカット材料は(A)〜(C)を等量宛混合し
た材料により高さ2mの図2に示すような埋戻し域に対
し厚さ1mに亘って装填してからセメント砂比が1:3
で水セメント比が50%とされたモルタルを0.1m3
/m2 の割合で散布し浸透固化させてから再び厚さ1m
に亘って(A)〜(C)の等量混合による材料を装填
し、同様に前記C/SおよびW/Cによるモルタルを
0.1m3 /m2 散布して浸透固化せしめた。
【0032】即ちこのような埋戻し工法の1例は図2の
ように厚さ70cm程度の発泡スチロールカット材層1
とこのカット材層1に厚さ30cm程度に亘ってモルタ
ルを滲透させたモルタル滲透層2が交互に形成されたも
ので、斯うして形成された厚さ2mの発泡スチロールカ
ット材充填層上に厚さ50cmの土砂層3を敷き込み展
圧したものであるが、この図1に示すような厚さ2.5
mの埋戻し層に対し載荷加重が1000kg/m2 の荷
重を加え、経日による歪量を測定した結果は以下の如く
であって比重が0.01程度である発泡スチロールによ
って上記荷重でのこの程度の歪量で安定化することは工
業的有意性を充分に確認させる。 3日後 98mm 7日後 131mm 2週後 140mm 4週後 145mm
【0033】これに対し、前記(D)(E)を等量配合
した発泡スチロールカット材層1を厚さ70cmに装填
してから前記同様にモルタルを厚さ20cmの範囲に添
加含浸固化させた層を3段に亘って形成した厚さ2m1
0cmの埋戻し層に対し載荷加重が1500kg/m2
の荷重を加え、同様に経日による歪量を測定した結果は
以下の如くであった。 3日後 81mm 7日後 102mm 2週後 115mm 4週後 119mm
【0034】即ち、上記したような載荷条件とそれによ
る経日歪量の関係は上記のように軽量な発泡スチロール
が埋戻し層として充分に実用し得ることを確認できたの
で、更に実地検討を進め、図3に示すように傾斜地山1
0の裾部に高層建築物20を構築するに当って、地山1
0と建築物20の間に本発明による埋め戻し地盤を形成
した。
【0035】つまりこの図3のものは建築物20の2階
までに相当した高さ範囲に上述したような発泡スチロー
ルカット材6による充填層1を装填してから厚さ50c
m程度のポルトランドセメントと砂および水による混練
物を添加滲透させたモルタル滲透層2を形成する埋戻し
を2段に亘って実施し、その上段モルタル滲透層2上に
植栽土3を敷いて植栽4を行ったものであるが、安定な
埋戻し層と植栽層を有効に形成することができ、埋戻し
土層の大半が比重的に土砂類の100分の1以下である
軽量な発泡スチロールカット材層1であることから建築
物20に対する側圧が大幅に低減されることは明かであ
る。なおモルタル滲透層を形成するセメント系混練物と
しては骨材として5mm以下の砂のみならず、10mm
以下のような粗骨材を用いた混練物を採用してよい。
【0036】また図4には地下駐車場5上に本発明によ
る発泡スチロールカット材充填層1を形成すると共に埋
め戻し土層3を装入して植栽4を行った場合を示すが、
前記のように軽量な発泡スチロールカット材充填層1を
形成することにより駐車場5の構築構成を簡易軽量化す
ることができる。
【0037】更に図5には家屋や倉庫のような建築物2
0の基礎部21下方に本発明による発泡スチロールカッ
ト材充填層1を形成した場合を示すが、建築物20の基
礎部ないしその下方が発泡スチロールカット材充填層1
となることにより断熱性、軽量性、更に排水性などの有
利性を有効に得しめる。
【0038】少なくとも数m、一般的に10m以上の高
さ範囲に亘って形成された発泡スチロール破砕部体6層
中に形成される介在層がセメント質などの水硬性物質混
練物を散布し浸透凝結せしめた水硬性物質凝結層である
ことによって破砕物たる発泡スチロールの集合体が部分
的に凝結されて埋戻し層を安定化する。
【0039】介在層がメッシュ組織材またはシート材で
あることによっても発泡スチロール破砕部体6の部分的
一体化を図り、特に上部における積層物による荷重を有
効に利用することとなり、上述同様に埋戻し層を安定化
せしめ、しかもその施工が簡易且つ迅速化される。
【0040】発泡スチロールの破砕部体による装入層に
おける空隙率が35〜60%であることによって、上述
のように軽量な発泡スチロール破砕部体による装入充填
層が更に軽量化されて側圧の如きを有効に縮減し、好ま
しい埋戻し地盤や盛土造成を得しめる。
【0041】前記したように発泡スチロールの破砕部体
による埋戻し装入層11上に図4に示すように土壌また
は砂の何れか一方または双方による植栽層3を形成した
ことにより樹木4や草花などの一般的な植栽目的に広く
利用される植栽層を軽量且つ容易な施工によって有効に
形成せしめる。
【0042】図6には建築物の基礎付近に支保工などを
安定にセットするための本発明による1つの工法が示さ
れている。即ち建築物基礎21の周辺は作業を進めるた
めに掘削面16が斜めとなっており、しかもその深さは
多様に変化しているから支保工などを安定に設けること
が困難であるが、本発明による軽量骨材充填層1を装入
して略一定のレベルとした後コンクリート17を打設す
ることにより梁18側の高さが一定となり型枠などの加
工が簡易となる。また支保工を用いても安定した設定を
なすことができ、梁底の型枠がなくなるし、何れにして
も作業の安全性を大幅に改善することができる。
【0043】本発明による軽量骨材は上述したように地
表などから凹入した部分に埋戻すような場合において
は、上記軽量骨材を単に装入するだけで好ましい安定な
施工をなすことができるが、地表から隆起突出した土木
構造物を施工するような場合、特に30°以上の急角度
で突出した土木構築物を形成する如き場合においては前
記軽量骨材がそのままでは好ましい安定な施工をなし得
ない。そこで斯うした場合にも有効な施工をなし得るよ
うに本発明においては図7以下に示すような手法を提供
する。
【0044】即ち、上記したような本発明の軽量骨材を
図7に示すように袋体12内に収容するものであって、
このような袋体12としては内容積が15〜200リッ
トル、好ましくは25〜50リットル程度で、可曲性素
材、特に合成樹脂質などの耐食性素材によるものが好ま
しいが、一旦施工された堆積状態の土質構造物はその重
量による経年によってその構成が安定化する傾向があ
り、このように安定化することによって崩壊を無視し得
るような比較的緩やかな斜面による構造物を得る場合に
は植物質のような腐食性素材によるものを採用すること
ができる。
【0045】なお前記袋12としては通気性を確保する
ように樹脂質のメッシュ材などの網状編組材を用いるこ
とが好ましく、それによって充填された軽量骨材自体が
その間に空気(酸素)を保有し、しかもその袋体12の
組織を介して外部の図8に示すような被覆土層14や外
部空中との間に通気循環、交流を図ることができ植栽園
芸などに適した土木構造物15を地表上に形成すること
ができ、勿論透水ないし排水も適度に図られて好ましい
施工をなすことができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
軽量で側圧などを発生することの著しく少ない埋戻し地
盤を簡易且つ低コストに形成することができ、また安定
な埋戻し工を特別な擁護壁などを必要としないで適切に
構成し得るものであり、特に近時において高層化した建
築物に伴う埋戻し施工を著しく有利に実施し得るもので
あり、しかも適宜に地上に突出隆起したような土木構造
物であっても安定且つ的確に形成せしめ植栽園芸などに
も適した好ましい施工をも可能ならしめ、加うるに前記
軽量骨材が梱包または荷役上の緩衝材として広くワンウ
エー方式によって採用されていて梱包廃材として、また
その生産時における生産廃材として大量に発生する材料
から平易に得られ、特に軽量で取扱いが容易であって特
別な機器なども不要であることから頗る低コストに施工
し得るなどの効果を有しており、工業的にその効果の大
きい発明である。
【図面の簡単て説明】
【図1】本発明による土木用軽量骨材の代表例を若干示
した斜面図である。
【図2】本発明における発泡スチロールカット材層とモ
ルタル滲透層の形成関係を示した部分的な説明図であ
る。
【図3】本発明による埋戻し工形成状態の1例を示した
断面的説明図である。
【図4】本発明によるもう1つの施工例を示した断面的
説明図である。
【図5】本発明による更に別の施工例を示した断面的説
明図である。
【図6】本発明を建築物基礎周辺の傾斜掘削面に施した
状態を示した部分的断面図である。
【図7】本発明による袋詰めとされた軽量骨材の斜面図
である。
【図8】図7に示したような袋詰め軽量骨材による施工
例を示した斜面図である。
【符号の説明】
1 発泡スチロールカット材充填層 2 モルタル滲透層 3 植栽土 4 植栽 5 地下駐車場 6 発泡スチロール破砕体 10 傾斜地山 12 袋体 14 被覆土層 15 土木構造物 16 掘削面 17 コンクリート 18 梁 20 建築物 21 基礎部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 縦、横、厚さまたは対角線の最大寸法が
    5〜350mmで、最小寸法が3〜250mmとされた
    発泡スチロール破砕部体が90%以上であることを特徴
    とした土木用軽量骨材。
  2. 【請求項2】 縦、横、厚さまたは対角線の最大寸法が
    8〜300mmで、最小寸法が7〜230mmとされた
    発泡スチロール破砕部体が90%以上であることを特徴
    とした土木用軽量骨材。
  3. 【請求項3】 縦、横、厚さまたは対角線の最大寸法が
    10〜200mmで、最小寸法が7〜180mmとされ
    た発泡スチロール破砕部体が90%以上であることを特
    徴とした土木用軽量骨材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1つに記載した発
    泡スチロール破砕部体を内容積20〜200リットルの
    可曲性袋内に収容したことを特徴とした土木用軽量骨
    材。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れか1つに記載した発
    泡スチロール破砕部体を内容積が20〜200リットル
    で、幅よりも長さが大きい樹脂質網状材による可曲性袋
    内に収容したことを特徴とした土木用軽量骨材。
  6. 【請求項6】 埋戻しを必要とする部分に発泡スチロー
    ルの破砕部体を所定厚さに装入すると共に介在層を形成
    し、該介在層上に更に発泡スチロールの破砕部体を所定
    厚に装入し介在層を形成した層構成を繰返したことを特
    徴とする土圧軽減を図った埋戻し地盤。
  7. 【請求項7】 介在層が発泡スチロールの破砕部体層に
    セメント質などの水硬性物質混練物を散布し浸透凝結せ
    しめた水硬性物質凝結層であることを特徴とする請求項
    6に記載の土圧軽減を図った埋戻し地盤。
  8. 【請求項8】 介在層がメッシュ組織材またはシート材
    であることを特徴とした請求項6に記載の土圧軽減を図
    った埋戻し地盤。
  9. 【請求項9】 発泡スチロールの破砕部体が厚さ5〜5
    0mm、幅10〜100mm、長さ30〜300mmと
    された部体を主材としたことを特徴とする請求項6〜8
    の何れか1つに記載の土圧軽減を図った埋戻し地盤。
  10. 【請求項10】 発泡スチロールの破砕部体による装入
    層における空隙率が35〜60%であることを特徴とし
    た請求項6〜9の何れか1つに記載の土圧軽減を図った
    埋戻し地盤。
  11. 【請求項11】 請求項6〜10の何れか1つに記載し
    た埋戻し地盤上に土壌または砂の何れか一方または双方
    による植栽層を形成したことを特徴とする盛土造成工。
  12. 【請求項12】 請求項1〜3の何れか1つに記載した
    土木用軽量骨材を建築物基礎部の周囲に形成された溝内
    に装入し、該装入層上に装入形成されたコンクリート層
    を支持面としたことを特徴とした造成工。
  13. 【請求項13】 請求項4または5の何れか1つに記載
    した可撓性袋内に収容された土木用軽量骨材を袋詰状態
    のままで積層堆積することを特徴とした造成工。
  14. 【請求項14】 請求項4または5の何れか1つに記載
    した可撓性袋内に収容された土木用軽量骨材を袋詰状態
    のまま地表面またはそれに準じた基礎面上に積層堆積
    し、該堆積物の周面および上面を土砂類またはコンクリ
    ートで被覆し基礎面上の堆積部としたことを特徴とした
    造成工。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001070987A (ja) * 1999-09-03 2001-03-21 Katayama Chem Works Co Ltd 水処理方法

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