JPH0994813A - ハニカム構造体成形用ダイス及びハニカム構造体 - Google Patents
ハニカム構造体成形用ダイス及びハニカム構造体Info
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Abstract
することができ,かつ,製品の収縮率の変動に対して迅
速に対応可能なハニカム構造体成形用ダイス,及びセル
格子の曲がりがなく強度が高いハニカム構造体を提供す
ること。 【解決手段】 導入穴15を設けた導入穴部14と,ス
リット12を有するスリット部11とからなる金型1
と,金型1の一部とクリアランス部22を介して対向す
る当接面25を有するガイドリング2とからなる。スリ
ット部11は,外周スリット部130と本体スリット部
160とよりなり,本体端面16と外周端面13との間
には押し出し方向に突出した突出面17を形成してい
る。突出面17とガイドリング2との最短直線距離d
は,クリアランス部22のクリアランス距離cよりも大
である。
Description
の成形用ダイスの構造,及びハニカム構造体に関する。
ガス浄化用触媒担体等に用いられるハニカム構造体8
は,ハニカム構造を形成するセル格子81と,その外周
を覆うスキン層82とよりなる。かかるハニカム構造体
8は,通常,押出し成形方法により作製される。従来,
上記押出成形に用いる成形用ダイスとしては,図29に
示すごとく,成形材料を押出す金型91と,ハニカム構
造体の外径を規制するガイドリング92とよりなる成形
用ダイス90がある。
形材料を導入する導入穴15を有する導入穴部14と,
導入穴15に連通するスリット12を設けたスリット部
11とを一体的に有する。一方,ガイドリング92は,
スリット部11の外周縁部の外周スリット部130から
押出される材料を当接させる当接面25を有すると共
に,この当接面25を金型91の外周スリット部130
の外周端面13と対面させ,クリアランス部22を介し
て配設されている。
造体を押出成形する際には,図29に示すごとく,導入
穴15より導入した成形材料をスリット12から格子状
に押出してセル格子81を形成すると共に,スリット部
11の外周スリット部130から押出した成形材料をガ
イドリング92の当接面25に当接させる。当接した成
形材料は,クリアランス部22においてスキン層82の
厚みに規定されると共に内周側に押出され,更にガイド
リング92の内側ガイド部23に沿ってハニカム構造体
の軸方向に方向転換され,スキン層81を形成する。
を用いてハニカム構造体8を成形した場合には,ガイド
リング92の内側ガイド部23の位置によってハニカム
構造体8の外径を決定することができる。即ち,ガイド
リング92の内側ガイド部23の位置を変更することに
よって,ハニカム構造体8の外径を自由に設定すること
ができる。また,上記クリアランス部22のクリアラン
ス距離によって,スキン層の厚みを規定することもでき
る。
ニカム構造体成形用ダイス90においては,次の問題が
ある。即ち,ハニカム構造体のスキン層82の厚みを厚
くした場合には,スキン層82が上記クリアランス部2
2から内側ガイド部23に沿ってハニカム構造体8の軸
方向に方向転換する際に,その内方のセル格子81に曲
がりが発生するという問題がある。
ニカム構造体8の内周方向に押出されてくるスキン層8
2を,スリット12から押し出されるセル格子81の押
出し力により方向転換させる。そのため,スキン層82
の厚みが厚い場合には,スキン層82からセル格子にか
かる径方向の分力が大きくなり,セル格子81が内方に
曲がってしまう。そして,セル格子に曲がりが発生した
場合には,ハニカム構造体の圧縮破壊強度が低下してし
まう。
スキン層82の厚みがセル格子81の厚みに比べて比較
的薄い場合には,十分有効に利用できるが,セル格子8
1の厚みに対してスキン層82の厚みが比較的厚い構成
のハニカム構造体の成形に適用させることは困難であ
る。例えば,近頃のハニカム構造体の軽量化の要請に応
えるためには,セル格子の厚みを積極的に薄くして軽量
化を図る一方,スキン層の厚みをできる限り厚くして全
体の強度を向上させることが必要であるが,この場合に
は,従来の成形用ダイス90を適用させることは困難で
ある。
公報,特開平4−305077号公報には,それぞれセ
ル格子の曲がりを防止することを目的とした成形用ダイ
スが記載されている。そして,この成形用ダイスにおい
ては,上記内側ガイド部23と対向する位置に対向壁面
を設けている。そして,内側ガイド部23と対向壁面と
の間においてスキン層の厚みを形成している。
は,セル格子の曲がり等の形状向上に対しては有効であ
るが,上記内側ガイド部23と対向壁面によってスキン
層の厚みを規制すると共に両者によって成形しようとす
るハニカム構造体の外径も規制してしまう。そのため,
外径寸法の設定替えが極めて困難であるという問題があ
る。即ち,例えば材料ロット毎に製品の乾燥後の収縮率
が変動する場合があるが,この場合に製品寸法精度を維
持するためには,金型とガイドリングの両方をその収縮
率に適したものに交換しなければならない。
されたもので,比較的厚いスキン層を有するハニカム構
造体においてもセル格子の曲がりを発生させることなく
成形することができ,かつ,製品の収縮率の変動に対し
て迅速に対応可能なハニカム構造体成形用ダイス,及び
セル格子の曲がりがなく強度が高いハニカム構造体を提
供しようとするものである。
穴を設けた導入穴部と,上記導入穴に連通しハニカム構
造体を押出し成形するスリットを有するスリット部とか
らなる金型と,該金型の外周縁部において上記スリット
部の一部とクリアランス部を介して対向する当接面を有
するとともに外側部が上記金型に固定され,内側部が開
放されたガイドリングとからなる成形用ダイスであっ
て,上記金型の上記スリット部は,上記ガイドリングと
対向する外周スリット部と該外周スリット部よりも内側
に位置する本体スリット部とよりなり,上記本体スリッ
ト部の本体端面と上記外周スリット部の外周端面との間
には上記成形材料の押し出し方向に突出した突出面を形
成しており,上記突出面と上記ガイドリングとの最短直
線距離dは,上記スリット部の外周端面と上記ガイドリ
ングの上記当接面とによって形成される上記クリアラン
ス部のクリアランス距離cよりも大であることを特徴と
するハニカム構造体成形用ダイスにある。
記金型と上記ガイドリングとの間には上記クリアランス
部を設けてあり,また上記ガイドリングは上記内側ガイ
ド部を有し,一方上記金型は上記外周端面よりも押出し
方向へ突出した上記本体スリット部を有し,かつ上記最
短直線距離dは上記クリアランス距離cよりも大きいこ
とである。
離cよりも小さい場合には,スキン層がスムーズに形成
されず,ササクレ不良が発生するという問題がある。ま
た,上記金型における上記導入穴は,上記スリットの間
隔と同一間隔に設けることもできるし,スリット間隔の
2倍以上の間隔に設けることもできる。導入穴の配設間
隔により,押出し速度等の条件を変更することができ
る。また,導入穴の形状は,金型作製作業の容易性から
丸穴形状が好ましいが,四角穴等でも問題ない。
上記外周スリット部,突出面,本体スリット部に連なっ
て連続的に設けてある。また,スリットの形状として
は,得ようとするハニカム構造体のセル形状に対応し
て,四角形状,六角形状等,種々の形状が選択される。
る。本発明のハニカム構造体成型用ダイスにおいては,
上記金型とガイドリングとの間に上記クリアランス部を
設けてある。そのため,金型から押出された成形材料
は,クリアランス部において,そのクリアランス距離に
より規定される厚みを有するスキン層を形成し内周方向
に押し出される。
れている。そのため,内周方向に押し出されたスキン層
は上記ガイドリングよりも内側から押し出されてくるセ
ル格子の押し出し力によって,上記ガイドリングの内側
部の表面に沿ってハニカム構造体の軸方向に方向転換す
る。
ン層の外径寸法は上記ガイドリングの内側部の内径寸法
により決定される。したがって,ハニカム構造体の乾燥
による収縮率の変化に対しては,このガイドリングの内
側部の内径寸法を変更するのみで容易に対応することが
できる。そのため,金型を含めて成型用ダイス全体を異
なる寸法のものに交換する必要がない。
内側に,上記突出面を介して押出し方向に突出した上記
本体スリット部を有すると共に,これらにはセル格子を
形成するための上記スリットが連続して設けられてい
る。そのため,上記クリアランス部から内周側に押し出
されてくるスキン層をハニカム構造体の軸方向に方向転
換する際に,その近傍のセル格子が曲がって変形すると
いうことがない。
れたスキン層は,ハニカム構造体の径方向から軸方向に
方向転換する際に,金型から押し出されてくるセル格子
に対して径方向に分力を与える。そして,この分力が形
成されたばかりのセル格子の剛性よりも大きい場合に
は,セル格子が曲がってしまう。しかし,本発明におい
ては,上記本体スリット部が上記外周端面よりも押出し
方向に突出している。
格子は,上記本体スリット部のスリット内に存在する押
し出し直前のセル格子に連なっており,従来よりも剛性
が高い。それ故,スキン層から押圧力を受けるセル格子
は,スキン層を方向転換させる際に曲がることがない。
ランス距離cよりも大きい。そのため,クリアランス部
のクリアランス距離cにより規定された厚みを有するス
キン層は,方向転換時に無理な抵抗を受けない。それ
故,スキン層は,ササクレ不良等を発生させることもな
く,ハニカム構造体の外周部にスムーズに移動する。
してその軸方向に平行にスライド可能に配設してあるこ
とが好ましい。これにより,上記クリアランス部のクリ
アランス距離cを容易に変更することができ,ハニカム
構造体のスキン層の厚みを容易に変更することができ
る。
金型との間には,クリアランス距離調整用のスペーサを
配置することが好ましい。これにより,クリアランス部
のクリアランス距離cをさらに容易に変更することがで
きる。
リット部の高さbとの関係は,a≦0.5bであること
が好ましい。これにより,スキン層が波打って形成され
るヨレ不良を確実に防止することができる。一方,a>
0.5bの場合には,外周端面におけるスリットを成形
材料が通過する抵抗が,本体スリット部のスリットを通
過する抵抗に比べて低くなりすぎるため,外周端面から
押し出される成形材料が必要以上に多くなる。そのた
め,スキン層の形成速度がセル格子形成速度よりも速く
なり,その分スキン層が波打ってしまうおそれがある。
面の高さaとの関係は,c≦aであることが好ましい。
これにより,押出されてくるスキン層の分力を受けるセ
ル格子の剛性を高めることができ,セル格子の曲がり発
生を確実に防止することができる。
直線距離dとの関係は,c<d<3cであることが好ま
しい。これにより,ササクレ不良の発生を防止すること
ができるだけでなく,セル格子の曲がりをさらに確実に
防止することができる。一方,d≧3cの場合には,セ
ル格子の剛性向上効果が少ないために,スキン層の厚み
を厚くした場合にセル格子の曲がりが発生するおそれが
ある。
おいて成形するセル格子の曲がりがなく,圧縮破壊強度
が高いハニカム構造体としては,以下のものがある。即
ち,ハニカム本体を構成するセル格子と,該セル格子の
軸方向の外周部を被うスキン層とを一体成形してなるハ
ニカム構造体において,上記セル格子の厚さkと,上記
スキン層の厚さsとの関係が,s≧2kであることを特
徴とするハニカム構造体がある。
の厚さsがセル格子の厚さkの2倍以上である。さら
に,上記ハニカム構造体成形用ダイスによって成形する
ためセル格子に曲がりが生じない。そのため,セル格子
の厚みを十分に薄くして軽量化を図った際においても,
その2倍以上の厚みを有するスキン層において全体の強
度を維持することができる。
0.15mmにすることができる。これにより,ハニカ
ム構造体全体の重量を従来のものよりも大幅に軽量化す
ることができる。
スにつき,図1〜図13を用いて説明する。本例のハニ
カム構造体成形用ダイス10は,図1〜図3に示すごと
く,成形材料を導入する導入穴15を設けた導入穴部1
4と,導入穴15に連通しハニカム構造体を押出し成形
するスリット12を設けたスリット部11とを一体的に
有する金型1と,金型1の外周縁部において,スリット
部11の一部と対面すると共に金型1との間にクリアラ
ンス部22を介して配設したガイドリング2とよりな
る。
部を形成する本体スリット部160と,主にハニカム構
造体のスキン層を形成する外周スリット部130とより
なる。クリアランス部22においては,図1,図2に示
すごとく,外周スリット部130はハニカム構造体の押
出し方向と直角な外周端面13を有し,一方ガイドリン
グ2は外周スリット部130より押出された成形材料が
当接する当接面25が外周端面13と平行に形成されて
いる。そして,外周端面13と当接面25とによってド
ーナツ状で,かつスキン層の厚みを規定するクリアラン
ス部22を形成している(図9)。
ング2は,外側部が金型1に固定され,内側部が開放さ
れている。そしてその内側部には,スキン層の外周をハ
ニカム構造体の軸方向に案内する内側ガイド部23を有
している。一方,図1〜図3,図5に示すごとく,金型
1においては,ガイドリング2の内周よりも内側に位置
する部分に,外周端面13よりも押出し方向へ突出した
本体部成形用の本体スリット部160を有し,また本体
スリット部160の本体端面16と外周端面13との間
には,突出面17を有してなる。
ける導入穴部14の導入穴15は,断面円形状に設けて
あり(図6),その上端部において格子状のスリット1
2と連通し(図7),さらにその上方はスリット12だ
けで構成されるスリット部11(図8)となる。そし
て,さらに上方においては,金型1の外周縁部に,図
9,図10に示すごとく,ドーナツ状のクリアランス部
22が設けられている。
側ガイド部23との間の最短直線距離,即ち,突出面1
7とガイドリング2との最短直線距離dは,クリアラン
ス部22のクリアランス距離cよりも大きく形成してあ
る。さらにクリアランス距離cと上記最短直線距離dと
の関係は,c<d<3cにしてある。
その軸方向に平行にスライド可能に配設してある。即
ち,金型1とガイドリング2とは,図3〜図5,図11
に示すごとく,それぞれ軸方向に平行なピン穴19,2
9に対してピン3を嵌合することによって固定してあ
る。したがって,ガイドリング2は,金型1に対してそ
の軸方向にスライドさせることができる。尚,この固定
方法は,図12に示すごとく単なる嵌め込み方法,図1
3に示すごとくボルト39によるボルト締め方法等,種
々の固定方法を用いることができる。
さaと,上記外周スリット部130の高さbとの関係
は,a≦0.5bにしてある。また,上記クリアランス
距離cと上記突出面の高さaとの関係は,c≦aにして
ある。
る。本例のハニカム構造体成型用ダイス10において
は,金型1とガイドリング2との間にクリアランス部2
2を設けてある。そのため,クリアランス部22に押出
された成形材料は,そのクリアランス距離cによって規
定される厚さ(実施形態例2参照)を有するスキン層を
形成する。即ち,クリアランス距離cの寸法によって,
スキン層の厚みを規定することができる。
その軸方向に平行にスライド可能に配設してある。その
ため,クリアランス距離cを容易に変更することがで
き,スキン層の厚みを容易に調整することができる。
れており,内側ガイド部23を有する。そのため,クリ
アランス部22において形成されたスキン層は,内周方
向に押し出されると共に,セル格子の押し出し力によっ
て,内側ガイド部23に沿ってハニカム構造体の軸方向
に方向転換する。
キン層の外径寸法はガイドリング2の内側ガイド部23
の内径寸法により決定される。それ故,ハニカム構造体
の乾燥による収縮率の変化に対しては,このガイドリン
グ2の内側ガイド部23の内径寸法を変更するのみで容
易に対応することができ,従来のように金型を含めて成
型用ダイス全体を異なる寸法のものに交換する必要がな
い。
に,突出面17を介して押出し方向に突出した本体スリ
ット部160を有する。そして,これらにはセル格子を
形成するためのスリット12が連続して設けてある。ま
た,クリアランス距離c,突出面高さa,上記最短直線
距離dの関係は,c<d<3c,c≦aの関係を満た
す。そのため,従来に比べて外周スリット部130から
押出されるセル格子は,従来の本体スリット部160及
び突出面17を有さない場合に比べて剛性が高くなる。
それ故,クリアランス部22から内周側に押し出されて
くるスキン層をハニカム構造体の軸方向に方向転換する
際に,その近傍のセル格子が曲がって変形することがな
い。
ランス距離cよりも大きい。そのため,スキン層が方向
転換時に無理な抵抗を受けずササクレ不良等が発生する
こともない。さらに,上記a≦0.5bであるため,ス
キン層の形成速度がセル格子形成速度に適合し,スキン
層のヨレ不良が発生することもない。
態例1のハニカム構造体成形用ダイス10を用いて,上
記クリアランス距離cとスキン層の厚さとの関係を測定
した。成形した製品は,図14に示すごとく,自動車の
排気ガス浄化用触媒担体等として用いられるコーディェ
ライト質セラミックよりなるハニカム構造体7である。
て,カオリン,タルク,アルミナ,水酸化アルミからな
るセラミック材料を選定し,該セラミック材料100重
量部に対して結合剤,潤滑剤の有機成分を7重量部,水
21重量部を加えて混練し,これを成形材料として作製
した。
inch2 ,セル格子厚さ0.10mmの寸法とした。
そして,金型とガイドリングとの間に形成される上記ク
リアランス部のクリアランス距離cを順次変更し,形成
されるスキン層72の厚さs(図15)を測定した。
にクリアランス距離c,縦軸にスキン層72の厚さsを
取った。図16より知られるごとく,スキン層72の厚
みsは,クリアランス距離cによってほぼ一義的に決定
され比例関係にある。したがって,スキン層72の厚さ
は,クリアランス距離cにより制御することができるこ
とがわかる。
ハニカム構造体成形用ダイス10を用い,ガイドリング
2の内径,即ち内側ガイド部23の内径とハニカム構造
体の乾燥品の外径との関係を測定した。
図14に示すごとく,コーディェライト質セラミックよ
りなるハニカム構造体7である。成形材料等も実施形態
例2と同様である。そして,ガイドリング2の内径寸法
(即ち内側ガイド部23における内径寸法)を順次変更
し,ハニカム構造体の成形乾燥後の外径寸法R(図1
4)を測定した。
にガイドリングの内径寸法,縦軸にハニカム構造体の成
形乾燥後の外径寸法Rを取った。図17より知られるご
とく,ハニカム構造体の外径寸法は,ガイドリングの内
径寸法とほぼ比例関係にある。したがって,ガイドリン
グの内径寸法によりハニカム構造体の外径を制御するこ
とが可能であることがわかる。
すると,クリアランス距離cによりスキン層72の厚み
sがほぼ決定されるため,上記内側ガイド部23と突出
面17との最短直線距離dとクリアランス距離cとの差
は,ガイドリング2の内径寸法を縮めるための自由度と
いうことができる。したがって,1種類の金型に対して
その自由度の範囲内の内径寸法差を有する複数種類のガ
イドリングを準備することにより,ハニカム構造体の外
径寸法変更に容易に対応することができる。
して,上記最短直線距離dがクリアランス距離cの3倍
以上になった場合には,スキン層72近傍のセル格子7
1の剛性が弱くなり,従来のようにセル格子71に曲が
りが発生するおそれがある。
ハニカム構造体成形用ダイス10を用いて作製したハニ
カム構造体の圧縮破壊強度を,種々のスキン層の厚みに
対して測定した。また,比較のために,図29に示すご
とく,本体スリット部及び突出面を有さない従来のハニ
カム構造体成形用ダイス90を用いて作製したハニカム
構造体についても同様の測定を行った。
と同様の成形材料を用いて,それぞれの成形用ダイス1
0,90により成型後,焼成したものであって,セル格
子厚みk(図15)を0.10mmとした。また,スキ
ン層の厚みs(図15)は,約0.2mm〜0.75m
mの範囲で変更した。
り測定した。その結果を図18に示す。図18は,横軸
にスキン層の厚さs,縦軸に圧縮破壊強度を取った。図
18より知られるごとく,本発明の成形用ダイス10を
用いて作製したハニカム構造体は,測定した全ての領域
において圧縮破壊強度が2MPaを超え非常に良好な性
能を示した。また,その強度は,スキン層の厚みの増加
に従い向上した。
製したハニカム構造体は,スキン層の厚みの増加にした
がって強度が向上するものの,測定した全ての領域にお
いて2MPaを下回る劣悪な結果となった。また,この
従来の場合には,特にセル格子の曲がり発生部におい
て,局部的に陥没するという形態の破壊モードが多かっ
た。
本発明の成形用ダイス10を用いて作製したハニカム構
造体は,セル格子に殆ど曲がりが発生しなかったのに対
して,従来の成形用ダイス90を用いて作製したハニカ
ム構造体は,セル格子に多くの曲がりが発生し,ここに
曲げ応力が集中したためと考えられる。したがって,セ
ル格子の厚みkが0.10mmと非常に薄く,その2倍
以上の厚みsのスキン層を形成する場合には,本発明の
成形用ダイスの構造が,従来のものに比べて非常に有利
であることがわかる。
態例1の成形用ダイス10における,金型1とガイドリ
ング2の外周部分との間に,クリアランス距離調整用の
スペーサ4を配置した。スペーサ4は,リング形状を呈
している。その他は,実施形態例1と同様である。
複数種類準備しておき,これを交換することにより,ク
リアランス距離c,即ちスキン層の厚みs(図15)を
容易に変更することができる(実施形態例2参照)。そ
の他,実施形態例1と同様の効果が得られる。
成形用ダイス10において,金型1の外周端面13に直
接ガイドリング2を当接させて,さらにその外周におい
てピン止めしてある(図11参照)。その他,実施形態
例1と同様である。
くしておくことができ,ハニカム構造体の外径寸法拡大
可能量を大きくすることができる。その他,実施形態例
1と同様の効果が得られる。
成形用ダイス10におけるガイドリング2の内側ガイド
部23の形状を,円弧状曲面から平面状にしてある。そ
の他は,実施形態例1と同様である。
易にすることができ,成形用ダイス10全体のコストを
低減することができる。その他,実施形態例1と同様の
効果が得られる。
成形用ダイス10におけるガイドリング2の内側ガイド
部23上方の上部壁231を鋭角状から垂直状に変更し
た。その他は,実施形態例1と同様である。この場合に
おいては,スキン層外面と上部壁231との接触により
僅かな面抵抗が発生するが,実際上は問題なく,実施形
態例1と同様の効果が得られる。
成形用ダイス10における金型1の突出面17の断面形
状を鈍角状から垂直状に変更した。その他は,実施形態
例1と同様である。この場合においても,実施形態例1
と同様の効果が得られる。
成形用ダイス10における金型1の突出面17の断面形
状を鈍角状から円弧状曲面に変更した。その他は,実施
形態例1と同様である。この場合においても,実施形態
例1と同様の効果が得られる。
成形用ダイス10における金型1の導入穴15を,スリ
ット12の間隔毎に設けた。その他は,実施形態例1と
同様である。この場合においては,ハニカム構造体の押
出し速度を向上させることができる。その他,実施形態
例1と同様の効果が得られる。
成形用ダイスにおけるガイドリング2の当接面25を,
外周端面13に対して若干押出し方向に傾斜させて,非
平行に形成してある。その他は,実施形態例1と同様で
ある。
リング2との最短直線距離dがクリアランス部22の最
大のクリアランス距離cよりも大きいため,ササクレ不
良等の品質上の不具合を防止するとができる。その他,
実施形態例1と同様の効果が得られる。
厚いスキン層を有するハニカム構造体においてもセル格
子の曲がりを発生させることなく成形することができ,
かつ,製品の収縮率の変動に対して迅速に対応可能なハ
ニカム構造体成形用ダイス,及びセル格子の曲がりがな
く強度が高いハニカム構造体を提供することができる。
図。
説明図。
図,(B)本体スリット部の拡大平面図。
平面図,(B)J−J線矢視断面図。
(B)一部切欠き断面図,(C)正面図。
との別の固定方法を示す説明図。
との別の固定方法を示す説明図。
視図。
拡大平面図。
スキン層厚さとの関係を示す説明図。
とハニカム構造体成形乾燥後の外径寸法との関係を示す
説明図。
カム構造体の圧縮破壊強度との関係を示す説明図。
断面を示す説明図。
断面を示す説明図。
断面を示す説明図。
断面を示す説明図。
断面を示す説明図。
部断面を示す説明図。
部断面を示す説明図。
部断面を示す説明図。
示す説明図。
Claims (8)
- 【請求項1】 成形材料を導入する導入穴を設けた導入
穴部と,上記導入穴に連通しハニカム構造体を押出し成
形するスリットを有するスリット部とからなる金型と,
該金型の外周縁部において上記スリット部の一部とクリ
アランス部を介して対向する当接面を有するとともに外
側部が上記金型に固定され,内側部が開放されたガイド
リングとからなる成形用ダイスであって,上記金型の上
記スリット部は,上記ガイドリングと対向する外周スリ
ット部と該外周スリット部よりも内側に位置する本体ス
リット部とよりなり,上記本体スリット部の本体端面と
上記外周スリット部の外周端面との間には上記成形材料
の押し出し方向に突出した突出面を形成しており,上記
突出面と上記ガイドリングとの最短直線距離dは,上記
スリット部の外周端面と上記ガイドリングの上記当接面
とによって形成される上記クリアランス部のクリアラン
ス距離cよりも大であることを特徴とするハニカム構造
体成形用ダイス。 - 【請求項2】 請求項1において,上記ガイドリング
は,上記金型に対してその軸方向に平行にスライド可能
に配設してあることを特徴とするハニカム構造体成形用
ダイス。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記ガイドリ
ングの外周部分と上記金型との間には,クリアランス距
離調整用のスペーサを配置してなることを特徴とするハ
ニカム構造体成形用ダイス。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
上記突出面の高さaと,上記外周スリット部の高さbと
の関係が,a≦0.5bであることを特徴とするハニカ
ム構造体成形用ダイス。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
上記クリアランス距離cと上記突出面の高さaとの関係
がc≦aであることを特徴とするハニカム構造体成形用
ダイス。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項において,
上記クリアランス距離cと上記最短直線距離dとの関係
がc<d<3cであることを特徴とするハニカム構造体
成形用ダイス。 - 【請求項7】 ハニカム本体を構成するセル格子と,該
セル格子の軸方向の外周部を被うスキン層とを一体成形
してなるハニカム構造体において,上記セル格子の厚さ
kと,上記スキン層の厚さsとの関係が,s≧2kであ
ることを特徴とするハニカム構造体。 - 【請求項8】 請求項7において,上記セル格子の厚さ
kは0.04〜0.15mmであることを特徴とするハ
ニカム構造体。
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