JP2002283326A - ハニカム構造体成形装置及び成形方法 - Google Patents

ハニカム構造体成形装置及び成形方法

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JP2002283326A JP2001093414A JP2001093414A JP2002283326A JP 2002283326 A JP2002283326 A JP 2002283326A JP 2001093414 A JP2001093414 A JP 2001093414A JP 2001093414 A JP2001093414 A JP 2001093414A JP 2002283326 A JP2002283326 A JP 2002283326A
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honeycomb structure
gap
forming apparatus
holding plate
base
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Yukinari Shibagaki
行成 柴垣
Takeshi Ishii
武之 石居
Yoshimasa Kondo
好正 近藤
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NGK Insulators Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハニカム構造体の外壁の成形速度を、微調整
可能であるか、若しくは、より一定に保つことを実現
し、外壁形成不良を防止することが可能なハニカム構造
体の成形装置、及び、その装置を用いた成形方法を提供
すること。 【解決手段】 成形原料を導入する裏孔部3と成形原料
を押し出すスリット部2とを備える口金4と、その口金
4を固定する押さえ板5とを有し、口金4は、内側部1
1と外周部12とからなり、内側部11が下流側に突出
し外周部12との間に段差部15が形成され、押さえ板
5は、口金4の内側部11に対向して開口されるととも
に、隙間部7を介して口金4の外周部12下流側を押さ
えてなり、隙間部7の隙間間隔を可変とする隙間調節手
段130を備えるハニカム構造体成形装置1の提供によ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、ハニカム構造体
成形装置、及び、その成形装置を用いたハニカム構造体
の成形方法に関する。より詳細には、例えば、自動車排
気ガス制御触媒用の触媒担体として有用なハニカム構造
体を作製する成形装置に関する発明であり、口金を固定
する押さえ板に諸機能を付加させることによって、ハニ
カム構造体の外壁形成不良発生を低減させることを可能
とするハニカム構造体の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 地球温暖化ガスの炭酸ガス等ととも
に,自動車排気ガスに含まれる窒素酸化物、硫黄酸化
物、塩化水素等が地球環境及び生態系に与える影響が、
改めて問題になっている。今後、ガソリン、軽油をエネ
ルギー源とする自動車は、生態系に影響の少ない、例え
ば電気、天然ガス、メタノールをエネルギーの源とする
自動車に、代わられていくといわれる。しかし、これら
の技術は実用化には乗り越えるべき壁があり、当面の対
策として挙げられるのが低燃費化と排気ガス清浄化であ
る。本発明に係るハニカム構造体は、そのような環境対
策を担う技術として、自動車の排ガス浄化装置等に使用
されている。
【0003】 例えば、自動車の排ガス浄化装置等の触
媒担体として、図6〜図8に示すような、セラミックス
材料や金属材料により作製されるハニカム構造体が用い
られる。図7はハニカム構造体61の斜視図であり、図
8はハニカム構造体61の正面図であり、図6はハニカ
ム構造体61の部分拡大図である。このハニカム構造体
61は、図7に示されるように、概ね円柱体状であっ
て、図6及び図8に示されるように、多数のセル63を
形成するハニカム構造を有する隔壁64と、その外周を
被覆する外壁62とから構成されている。
【0004】 このようなハニカム構造体61を製造す
る場合に、例えば、図5に示すようなハニカム構造体成
形装置が用いられる。図5は、ハニカム構造体成形装置
の垂直断面図を示し、成形原料を導入する裏孔部53
と、成形原料を押し出すスリット部52を有する口金5
4と、その口金54の下流側に設けた押さえ板55と、
を備えるハニカム構造体成形装置50である。この装置
を用いて連続的に押出成形し、ハニカム構造体61が製
造される。
【0005】 ハニカム構造体成形装置50において
は、口金54は内側部71と外周部72とからなり、内
側部71は下流側に突出して外周部72との間に段差部
75を形成している。前記押さえ板には、ハニカム構造
の外壁を成形する隙間部57が形成されている。尚、押
さえ治具58、裏押さえ板59は、口金54と押さえ板
55をセットするためのホルダーである。
【0006】 このハニカム構造体成形装置50による
押出成形においては、図5に示すように、成形原料が口
金54の上流側から押出機(図示しない)によって口金
54を通じて下流側に押し出される。そして、下流側が
開放された口金54の内側部71に備わるスリット73
から押し出された成形原料は、多数のセル63からなる
ハニカム構造を形成する。
【0007】 一方、口金54の外周部72に備わるス
リット74から押し出された成形原料は、図5に示すよ
うに、隙間部57の作用によって、ハニカム形状が潰さ
れるとともに、押し出し方向から段差部75方向へと進
行方向を変え、押さえ板55が開口されたところで、再
び押出方向へと進行方向を変え、セル63を取り囲む外
壁62を形成する。
【0008】 しかしながら、このような従来のハニカ
ム構造体成形装置、及び、成形方法においては、外壁形
成不良という問題を抱えていた。例えば、外壁形成不良
の一例として、図9及び図10に示す波壁不良が挙げら
れる。図9は波壁の生じたハニカム構造体の正面図を示
し、図10は波壁の生じたハニカム構造体の側面図を示
している。ハニカム構造体91の波壁部92は、成形原
料が他の部分に比べて多くなり、潰れて波をうち形成さ
れたと考えられ、このことは、外壁62部分の成形速度
がセル63部分の成形速度よりも速くなってしまったた
めに発生すると推定されている。この波壁が外壁のいた
るところで発生すると曲がり不良に発展する。円柱体状
をなすべきハニカム構造体がうねって形成され、見た目
もさることながら通気抵抗が増大して製品に適さない。
【0009】 他の外壁形成不良の例として、図11及
び図12に示すササクレ不良がある。図11はササクレ
の生じたハニカム構造体の正面図を示し、図12はササ
クレの生じたハニカム構造体の側面図を示している。ハ
ニカム構造体95のササクレ部96は、成形原料が他の
部分に比べて少なくなり、外壁が形成されずにこのよう
になったと考えられ、このことは、外壁62部分の成形
速度がセル63部分の成形速度よりも遅くなってしまっ
たために発生すると推定されている。
【0010】 外壁62部分の成形速度がセル63部分
の成形速度よりも速くなってしまったり、遅くなってし
まったりすることは、成形原料の流動性が、必ずしも一
定には保ち得ないことや、口金や押さえ板の加工精度の
バラツキが存在することから、止むを得ないこととして
考えられている。成形原料の流動性には、様々な要因が
影響し、例えば、セラミックスであれば、原料粒子の粒
径や形状のバラツキ、水分量、混練度合、気温、湿度の
微妙な変化等が関わってくる。そのため、例え1日の間
においても、成形原料の流動性は、時々刻々と変化し、
一定の状態を保つことは極めて困難であるといえる。
【0011】 このように成形原料の流動性の変化は、
押出成形性に大きく影響する。従って、例えば、押さえ
板55の形状やサイズを押出成形開始前において複数種
類の押さえ板から最適なものを選択したり、隙間部57
の厚さを変更したりする必要があった。裏押さえ板59
も内径の最適なものを随時選択する必要があった。
【0012】 しかしながら、押さえ板55等を最適状
態にセットしても、成形原料の流動性は、使用時の環境
変化や原料のバラツキ等によって、必ずしも安定してお
らず、結果として良好な外壁62を形成出来るとは限ら
なかった。従って、その都度、ハニカム構造体成形装置
50を止めて、押さえ板55を交換したり、裏押さえ板
59を調節したりすることが必要となるが、これらの対
策は、外壁形成不良が生じた、そのときの環境等の条件
に一時的に対応するものではあっても、環境が変われば
対応が出来なくなる。又、これらの対策は、比較的長い
作業時間を要するため、生産性の大幅低下につながると
いう問題がある。
【0013】 上記のような問題を解決するために、従
来から、種々の対策が提案されている。例えば、特開平
8−239701号公報によれば、金属ハニカム体及び
その製造方法並びに装置が開示されている。図2は、開
示された金属ハニカム体製造装置のダイアッセンブリの
立面断面図を示す。環状リザーバ21を有するマスク2
2と適切な寸法のスキン形成隙間28を有するダイ24
とを組み合わせてなる金属ハニカム体製造装置20を用
いて、ダイ24の周囲部分に近い排出スロット23から
外側に排出される可塑化バッチ材料を、隣接するが異な
る、ダイ24の2つの領域中に排出する。即ち、マスク
22の閉塞表面内の環状リザーバ21と、出口面とマス
ク開口部の縁との間に形成されたスキン形成隙間28と
に排出することによって、ハニカムコア(セル部分)と
外側スキン(外壁部分)が分離することなく十分に接合
され、強靭に一体化した、外側スキンの厚い金属ハニカ
ム体を得ることが出来るとしている。
【0014】 しかしながら、例えば、セラミックスの
成形原料では、金属粒子原料と異なり、原料粒子形状の
流れる方向によって流動性が大きく異なることがわかっ
ており、外壁形成不良が生じることが多い。
【0015】 又、特開平9−277234号公報によ
れば、ハニカム構造体の成形装置及び成形方法が開示さ
れている。図3は、開示されたセラミック製ハニカム構
造体の成形装置の断面図を示す。ハニカム構造体の成形
装置30は、ハニカム構造体32を成形するためのスリ
ット31を有する金型33と、金型33の下流側に設け
られたガイドリング34よりなり、ガイドリング34
は、開口縁部35とプール部36を有し、更に、ガイド
リング34の温度を調整する温度調整装置37を設けて
いる。この温度調整装置37によって、ガイドリング3
4のプール部36に滞留中の外皮(外壁)形成用セラミ
ック材料の温度を制御することが出来、この結果、セラ
ミック材料の流れ性を変えられるので、外皮(外壁部
分)の成形速度と本体部(セル部分)の成形速度とを一
致させることが可能となり、シワ、ササクレ等の不良の
発生を防止することが出来るとしている。
【0016】 しかしながら、熱伝導の悪い成形材料を
使用した場合には、温度調節だけでは十分に熱を成形原
料に与えることが出来ず、効果が十分に得られないとい
う問題を抱えていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、上記した
従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的とす
るところは、ハニカム構造体の外壁の成形速度を、微調
整可能であるか、若しくは、より一定に保つことを実現
し、外壁形成不良を防止することが可能なハニカム構造
体の成形装置、及び、この装置を用いた成形方法を提供
することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、以下に示す3つの態様のハニカム構造体成形装置、
及び、2つの異なるハニカム構造体成形方法が提供され
る。先ず、ハニカム構造体を押出成形するハニカム構造
体成形装置であって、少なくとも、成形原料を導入する
裏孔部と成形原料を押し出すスリット部を備える口金
と、口金を固定する押さえ板と、を有し、口金は、内側
部と外周部とからなり、内側部が下流側に突出し外周部
との間に段差部が形成され、押さえ板は、口金の内側部
に対向して開口されるとともに、口金と押さえ板の間に
形成された隙間部を介して口金の外周部下流側を押さえ
てなり、隙間部の隙間間隔を可変とする隙間調節手段を
備えることを特徴とする、第1のハニカム構造体成形装
置が提供される。
【0019】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置
は、成形原料が、セラミックス粉末及び金属粉末の一方
又は双方並びに成形助剤を、少なくとも含有する混合原
料であるハニカム構造体に好適に用いることが出来る。
【0020】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置
においては、隙間調節手段は、押さえ板に備わる可撓部
と、可撓部を撓ませる調整器具とからなり、調整器具に
より可撓部を撓ませて所望の位置に固定し、隙間間隔を
調節する手段であることが好ましい。このとき、調整器
具として、押さえ板を貫通し、頭部が前記押さえ板の上
面に露出するネジを用いることが出来る。又、隙間調節
手段は、押さえ板の内周端部に、口金の外周部の最内部
と対向して設けられ、押さえ板の内周を等間隔に区分し
て、複数備わることが好ましい。更に、隙間調節手段の
隙間間隔調節範囲は、概ね0〜0.50mmであること
が好ましい。
【0021】 次に、本発明によれば、セラミックス粉
末並びに成形助剤を少なくとも含有する成形原料を、押
出成形してハニカム構造体を得るハニカム構造体成形装
置であって、少なくとも、成形原料を導入する裏孔部と
成形原料を押し出すスリット部を備える口金と、口金を
固定する押さえ板と、を有し、口金は、内側部と外周部
とからなり、内側部が下流側に突出し外周部との間に段
差部が形成され、押さえ板は、口金の内側部に対向して
開口されるとともに、形成された隙間部を介して口金の
外周部下流側を押さえてなり、押さえ板において、口金
の外周部下流側と対向する面の最内端から隙間部を挟ん
で所定長さだけ外側に、環状の凹部からなる溜部を備え
ることを特徴とする、第2のハニカム構造体成形装置が
提供される。このとき、溜部の凹部容量としては、溜部
より内側で且つ口金と平行をなす隙間部容量の1.8倍
であることが好ましい。
【0022】 本発明によれば、上記した第1のハニカ
ム構造体成形装置の特徴と第2のハニカム構造体成形装
置の特徴を併せ持つ、第3のハニカム構造体成形装置も
提供される。
【0023】 本発明による第1〜3のハニカム構造体
成形装置においては、成形原料の温度を変更し得る温度
調節手段を備えることが好ましい。このとき、温度調節
手段は、少なくとも、押さえ板内に設けられる中空通路
と、中空通路に所望の水温の循環水を流す送水装置と、
を有し、押さえ板の温度を変更して、成形原料の温度を
調節する手段であることが好ましい。又、温度調節手段
の温度調節範囲は、5〜35℃であることが好ましい。
更には、温度調節手段には、押さえ板又は/及び口金に
温度調節計を備えて、自動温度調節を可能とすることも
好ましい。
【0024】 本発明による第1〜3のハニカム構造体
成形装置においては、口金に形成される段差部が、概ね
30〜60°の傾斜面をなすテーパ状であるか、若しく
は、口金に形成される段差部が、概ね90°の傾斜面を
なす直角状であることが好ましい。
【0025】 本発明による第1〜3のハニカム構造体
成形装置は、セル隔壁表面又は/及び隔壁内部の細孔内
表面に触媒が担持されて、自動車の排ガス浄化用触媒担
体として用いられるハニカム構造体の製造に、好適に使
用される。
【0026】 次に、本発明によれば、2つの成形方法
が提供される。先ず、セラミックス粉末及び金属粉末の
一方又は双方、並びに成形助剤を少なくとも含有する成
形原料を、押出成形してハニカム構造体を得るハニカム
構造体成形方法であって、少なくとも、成形原料を導入
する裏孔部と成形原料を押し出すスリット部を備える口
金と、口金を固定する押さえ板と、を有し、口金は内側
部と外周部とからなり、内側部が下流側に突出し、外周
部との間に段差部が形成され、押さえ板は、口金の内側
部に対向して開口されるとともに、押さえ板の間に形成
された隙間部を介して口金の外周部下流側を押さえるハ
ニカム構造体成形装置を用いて、隙間部の隙間間隔を調
節して成形原料を押し出すことにより、均一な厚さの外
壁を形成し得ることを特徴とする、第1のハニカム構造
体成形方法が提供される。
【0027】 そして、セラミックス粉末並びに成形助
剤を少なくとも含有する成形原料を、押出成形してハニ
カム構造体を得るハニカム構造体成形方法であって、少
なくとも、成形原料を導入する裏孔部と成形原料を押し
出すスリット部を備える口金と、口金を固定する押さえ
板と、を有し、口金は内側部と外周部とからなり、内側
部が下流側に突出し、外周部との間に段差部が形成さ
れ、押さえ板は、口金の内側部に対向して開口されると
ともに、隙間部を介して口金の外周部下流側を押さえ、
押さえ板において、口金の外周部下流側と対向する面の
最内端から隙間部を挟んで所定長さだけ外側に、環状の
凹部からなる溜部を備えるハニカム構造体成形装置を用
いて、溜部を経て成形原料を押し出して形成することに
よって、外壁が均一な厚さを有することを特徴とする第
2のハニカム構造体成形方法が提供される。
【0028】 これらの成形方法によれば、外壁の厚さ
のバラツキを、概ね±0.05mmとすることが可能で
ある。
【0029】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明のハニカム構造
体成形装置について、実施の形態を具体的に説明する
が、本発明は、これらに限定されて解釈されるものでは
なく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、当業者
の知識に基づいて、種々の変更、修正、改良を加え得る
ものである。
【0030】 先ず、第1のハニカム構造体成形装置に
ついて、図1、図13、図14、及び、図17を用いて
説明する。図1は、本発明の第1のハニカム構造体成形
装置の一実施例を示す断面図であり、図13は部分拡大
断面図であり、図14は動作説明図である。又、図17
は、本発明の第1のハニカム構造体成形装置に備わる隙
間間隔調節手段の2つの例を示す部分拡大断面図であ
る。
【0031】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置
1は、例えば、成形原料としてセラミックス粉末及び金
属粉末の何れか一方、又は、双方を用いて、成形助剤を
混合してハニカム構造体を作製する装置である。第1の
ハニカム構造体成形装置1は、その成形原料を導入する
裏孔部3と成形原料を押し出すスリット部2とを備える
口金4を有している。口金4は、内側部11と外周部1
2からなり、外周部12において、上流側に備わる裏押
さえ板9と、下流側に備わる押さえ板5とによって、固
定されている。口金4、押さえ板5、裏押さえ板9は、
押さえ治具8によって保持され、更に、押さえ治具8
は、ダイホルダ18によって支えられている。
【0032】 口金4には、内側部11が下流側に突出
していて、外周部12との間に段差部15が形成され
る。口金4に備わるスリット部2は、より詳細には、内
側部11に備わるスリット13と、外周部12に備わる
スリット14とから構成される。押さえ板5は、口金4
の内側部11に対向する下流側の部分、即ち、概ね中央
部分が開口されるとともに、口金4と押さえ板5との間
に形成された隙間部7を介して、口金4の外周部12の
下流側を押さえ、口金4を固定する。尚、隙間部7は、
成形原料が通過する部分であって、口金の段差部と押さ
え板との間に形成された隙間を含む。隙間部7の隙間間
隔とは、概ね平行に対向する口金4と押さえ板5との隙
間部7における距離を示す。
【0033】 第1のハニカム構造体成形装置1には、
隙間部7の隙間間隔を可変とする隙間調節手段130
が、押さえ板5に備わる。隙間調節手段130は、可撓
部132と、その可撓部132を撓らせる調整器具13
1から構成される。隙間調節手段130は、可撓部13
2によって、隙間部7の隙間間隔を可変とするものであ
れば、可撓部132が形成される場所や大きさを問わな
い。又、隙間調節手段130は、成形原料が通過する部
分の間隔を調節するものであって、調節される隙間部7
の場所を限定するものではない。隙間調節手段として
は、例えば、図17に示すタイプA及びタイプBを挙げ
ることが出来る。隙間調節手段130タイプAは、口金
4の外周部12の下流側と対向する面に備わる薄い可撓
部132と、その可撓部132を接圧する調整器具13
1から構成される。又、隙間調節手段133タイプB
は、可撓部134において、押さえ板5における下流
側、即ち、口金4とは反対側に撓る部分を有し、特に段
差部15と押さえ板5との間に形成される隙間部7の隙
間間隔を調節する。以下に、図17に示す隙間調節手段
130タイプAを、図14を参照して説明する。図14
に示すように、調整器具131により可撓部132を垂
直方向に撓ませて、隙間部7の隙間間隔を調節すること
が出来る。隙間間隔を調節した後に、調整器具131に
より可撓部132を所望の位置に固定する。調整器具1
31としては、例えば、図13に示すような、押さえ板
5を貫通し、頭部が押さえ板5の上面に露出するネジを
採用することが出来る。この隙間調節手段130タイプ
Aは、図13に示すように、押さえ板5の内周端部に、
口金4の外周部12の最内部分と対向して設けられる。
【0034】 隙間調節手段130は、図示しないが、
押さえ板5の内周を等間隔に区分して、複数箇所に備え
られることが好ましい。設置個所が多角形の頂点を構成
するように、6箇所以上備えることが好ましい。この隙
間調節手段の隙間間隔調節範囲は、通常は、概ね0〜
0.50mmであれば、外壁形成不良発生の防止に有効
である。
【0035】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置
1においては、成形原料が、従来と同じく、口金4の上
流側から押出機(図示しない)によって口金4を通じ下
流側に押し出される。そして、下流側が開放された口金
4の内側部11に備わるスリット13から押し出された
成形原料が、多数のセルからなるハニカム構造を形成す
る。一方、口金4の外周部12に備わるスリット14か
ら押し出された成形原料も、従来と同じく、隙間部7の
作用によって、ハニカム形状が潰されるとともに、押し
出し方向から段差部15方向へと進行方向を変え、押さ
え板5が開口されたところで、再び押出方向へと進行方
向を変え、セルを取り囲む外壁を形成する。
【0036】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置
1においては、上記のような隙間調節手段130を備え
ており、隙間部7の隙間間隔を狭くすることによって、
成形原料の押出速度を速めたり、隙間部7の隙間間隔を
広くすることによって、成形原料の押出速度を遅くした
りすることが容易に行える。従って、外壁形成不良を防
止するために、従来のように、押さえ板5の形状やサイ
ズを複数揃えて、その中から最適なものを選択したり、
隙間部57の厚さを変更したり、あるいは、裏押さえ板
9の内径を変更する必要がなく、生産効率が格段に向上
する。
【0037】 又、隙間部7の隙間間隔を調節して成形
原料を押し出すことが出来るために、外壁形成不良の発
生を、より低減することが出来るだけでなく、より均一
な厚さの外壁を形成することが可能となる。従って、ハ
ニカム構造体の外壁部分の配向性が向上し、熱伝導度を
より低くすることが出来、例えば、高温になる自動車の
排ガス浄化用触媒担体にハニカム構造体を適用した場合
に、歪んでひび割れなどが生じることが起き難くなる。
隙間調節手段130は、上記したように、押さえ板5の
内周を等間隔に区分して、複数箇所に備えられるため、
調整範囲が広く、ハニカム構造体の外壁全域において、
形成不良発生を防止出来る。
【0038】 次に、第2のハニカム構造体成形装置に
ついて、図15、図16及び図18を用いて説明する。
図15、図16及び図18は、本発明の第2のハニカム
構造体成形装置140の一実施例を示す部分拡大断面図
である。
【0039】 本発明の第2のハニカム構造体成形装置
140は、例えば、成形原料としてセラミックス粉末を
用いて、成形助剤を混合してハニカム構造体を作製する
装置である。第2のハニカム構造体成形装置140の全
体構成は、図示しないが、隙間調節手段が備わらないこ
と以外は、第1のハニカム構造体成形装置1と同様であ
る。
【0040】 第2のハニカム構造体成形装置140
は、押さえ板145において、口金144の外周部15
2の下流側と対向する面の最内端から隙間部147を挟
んで所定長さLだけ外側に、環状の凹部からなる溜部1
51を備えることを特徴としている。この溜部151の
凹部の容量は、溜部151より内側で且つ口金と平行を
なす隙間部147の容量の1.8倍であることが好まし
い。尚、溜部151の凹部の容量とは、より詳細には、
凹んだ部分だけでなく、押さえ板145の凹んだ部分に
対向する隙間部の容量も含めた容量を指し、図18にお
けるQ1で示された部分である。又、溜部151より内
側で且つ口金と平行をなす隙間部147の容量とは、図
18におけるQ2で示された部分を指す。
【0041】 本発明の第2のハニカム構造体成形装置
140においても、成形原料は、従来と同じく、口金1
44の上流側から押出機(図示しない)によって口金1
44を通じ下流側に押し出される。そして、下流側が開
放された口金144の内側部に備わるスリット153か
ら押し出された成形原料が、多数のセルからなるハニカ
ム構造を形成する。
【0042】 一方、口金144の外周部152に備わ
るスリット154から押し出された成形原料も、従来と
同じく、隙間部147の作用によって、ハニカム形状が
潰されるとともに、押し出し方向から段差部155方向
へと進行方向を変え、押さえ板145が開口されたとこ
ろで、再び押出方向へと進行方向を変え、セルを取り囲
む外壁を形成する。
【0043】 このとき、スリット154から押し出さ
れた成形原料の大部分は、溜部151の持つバッファ機
能によって、段差部155にいたる前に押し出される量
が調整される。即ち、同じ外周部152に備わるスリッ
ト154であっても、より段差部155により遠い方の
スリットから押し出される成形原料は、使用時の環境変
化や原料のバラツキ等によって生じる流動性変化にとも
なって、狭い隙間部147を通る速度が変化し、成形原
料が押し出されて形成される外壁の厚さにも変化をもた
らすが、押さえ板145の最内端近傍に備わる溜部15
1によって、成形原料の隙間部147を通る速度変化が
吸収され、より均一な厚さの外壁形成を可能とする。
【0044】 又、溜部151から隙間部147に成形
原料が流れ込む際に、原料粒子が動き易いように回転し
同じ方向を向いて流れるので、流動性バラツキが緩和さ
れ、より均一な厚さの外壁形成を可能とする。
【0045】 上記したように、溜部151の凹部の容
量は、溜部151を通過しない溜部151より内側で且
つ口金と平行をなす隙間部147の容量の1.8倍であ
れば、通常、起こり得る成形原料の流動性の変化に対し
て対応することが可能である。このような条件下におい
て、本発明の第2のハニカム構造体成形装置140によ
れば、外壁の厚さのバラツキを概ね±0.05mmの範
囲に押さえることが出来る。
【0046】 次に、第1のハニカム構造体成形装置、
又は、第2のハニカム構造体成形装置、あるいは、第1
のハニカム構造体成形装置と第2のハニカム構造体成形
装置の特徴を併せ持つ、即ち、隙間部調節手段と溜部と
を備える、第3のハニカム構造体成形装置に付加するこ
とが出来る温度調節手段について、図4を用いて説明す
る。図4は、本発明の温度調節手段が備わるハニカム構
造体成形装置の一実施例を示す断面図である。
【0047】 ハニカム構造体成形装置40において、
温度調節手段46は、押さえ板45内に設けられる中空
通路43と、その中空通路43に冷水、若しくは、温水
等の、所望の水温の循環水を配管42を経て流す送水装
置41とから構成される。循環水の温度を変えて、押さ
え板45の温度を調整することによって、間接的に口金
44を押し出される成形原料の温度を調節することが出
来る。熱が押さえ治具48に逃げないように、押さえ板
45と押さえ治具48との間には、断熱材49を設ける
ことが好ましい。
【0048】 この温度調節手段46の温度調節範囲
は、概ね5〜35℃であることが好ましい。又、温度調
節手段46としては、押さえ板45、口金44の何れか
又は両方に温度調節計を備え、且つ、送水装置41に循
環水の温度を昇温、冷却することが可能な加熱冷却器を
備えて、温度調節計で計測した温度を基に、循環水の温
度を調節する自動温度調節機能を付与することが、より
好ましい。
【0049】 この温度調節手段46によって、隙間部
を通る成形原料、即ち、外壁を形成する成形原料自体の
温度を調節することが出来る。従って、使用時の環境変
化や原料のバラツキ等によって生じる流動性変化によら
ずに、外壁の成形速度を制御することが可能となる。
【0050】 詳細には、外壁の成形速度がセル側より
も遅くなり、ササクレ不良になると思われる場合には,
成形原料を加熱し、外壁形成用の成形原料の流動性を向
上させ、成形速度を速めてセル部分の成形速度と合致さ
せる。こうすれば、ササクレ不良の発生は防止出来る。
【0051】 一方、外壁の成形速度がセル側よりも速
くなり、波壁不良になると思われる場合には,成形原料
を冷却し、外壁形成用の成形原料の流動性を低下させ、
成形速度を遅くしてセル部分の成形速度と合致させる。
こうすれば、波壁不良の発生は防止出来る。
【0052】 本発明のハニカム構造体成形装置におい
ては、上記した、その特徴たる、隙間調節手段、溜部、
及び、温度調節手段を、適宜組み合わせて装置構成する
ことが可能である。従って、セラミックスや金属等の成
形原料の特性に合わせて、最も低コストで、外壁形成不
良防止に有効な装置構成を選択することが出来る。
【0053】
【実施例】 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
【0054】 尚、各例の成形工程において、以下に示
す方法により外壁形成不良を評価した。 (外壁形成不良評価方法)押出成形機(図示しない)か
ら、成形体を押し出し、外壁の状態を観察し、外壁に、
図10に示す波壁不良、及び、図12に示すササクレ不
良等の外壁形成不良が生じるか否かを調査する。本発明
で示す、外壁形成不良を抑制する隙間調節手段若しくは
温度調節手段を備える押さえ板を用いている場合は、そ
の抑制手段を行い、外壁形成不良を抑制する。そして、
この抑制手段を行い、外壁形成不良が抑制されてから、
次に外壁形成不良が生じるまでの押出長さを測定する。
【0055】 押出成形用の成形原料は、以下のように
作製し、2種類の押出成形用成形原料A,Bを得た。 (セラミックス成形原料の作製方法)コージェライト質
ハニカム構造体を作製するため、表1に示すタルク、カ
オリン、水酸化アルミニウムの原料粉を、それぞれ所定
量を秤量した後、混合し、原料バッチを得た。次に、混
練工程として、得られた原料バッチに、原料バッチ10
0質量%に対して、メチルセルロース4質量%と、添加
水を加え、混練装置(図示しない)により混練を行い、
混練物を得た。この混練工程では、混練物が10℃にな
るように混練装置の温度を制御した。次に、得られた混
練物を、真空室に通して脱気し、混練物を練り直すこと
によって、円柱状の成形原料Aを作製した。この円柱状
の成形原料Aを押出成形機に入れ、押し出すことにより
コージェライト質ハニカム構造体が作製される。
【0056】
【表1】
【0057】(金属成形原料の作製方法)Fe−Cr−
Alメタル質ハニカム構造体を作製するため、表2に示
すFe−Cr−Alアトマイズ粉を所定量を秤量し、原
料バッチを得た。次に、混練工程として、得られた原料
バッチに、原料バッチ100質量%に対して、メチルセ
ルロース4質量%と、添加水を加え、混練装置(図示し
ない)により混練を行い、混練物を得た。この混練工程
では、混練物が10℃になるように混練装置の温度を制
御した。次に、得られた混練物を、真空室に通して脱気
し、混練物を練り直すことにより、円柱状の成形原料B
を作製した。この円柱状の成形原料Bを押出成形機に入
れ、押し出すことによりFe−Cr−Alメタル質ハニ
カム構造体が作製される。
【0058】
【表2】
【0059】(実施例1)図19に示すような、隙間調
節手段130を備え、約45°の傾斜面をなす段差部1
55を有するハニカム構造体成形装置を用いて、隙間部
7の隙間間隔が0.3mmになるように、口金4及び押
さえ板5をセットし、成形原料Aを用いて押出成形を行
い、外壁形成不良の評価を行った。
【0060】(実施例2)成形原料Bを用いた以外は実
施例1と同様にして押出成形を行い、外壁形成不良の評
価を行った。
【0061】(実施例3)隙間部7の隙間間隔を0.6
mmにした以外は実施例1と同様にして押出成形を行
い、外壁形成不良の評価を行った。
【0062】(実施例4)図20に示すような、隙間調
節手段130及び温度調節手段46を備え、約45°の
傾斜面をなす段差部155を有するハニカム構造体成形
装置を用いた。尚、温度調節手段46は、送水装置(図
示しない)から、押さえ板5内に設けた中空通路43
に、温度調節された循環水を流して、押さえ板5の温度
を調節するものである。隙間部7の隙間間隔が0.3m
mになるように、口金4及び押さえ板5をセットし、押
さえ板5の温度制御範囲を10℃〜30℃として、成形
原料Aを用いて押出成形を行い、外壁形成不良の評価を
行った。
【0063】(実施例5)成形原料Bを用いた以外は実
施例4と同様にして押出成形を行い、外壁形成不良の評
価を行った。
【0064】(実施例6)図21に示すような、溜部1
51を備え、約45°の傾斜面をなす段差部155を有
するハニカム構造体成形装置を用いて、隙間部7の隙間
間隔が0.3mmになるように、口金4及び押さえ板5
をセットし、成形原料Aを用いて押出成形を行い、外壁
形成不良の評価を行った。尚、溜部151の凹部は、そ
の容量Q1と、隙間部の容量Q2とが、Q1/Q2=
2.0となるような大きさで形成した。溜部151の凹
部の容量Q1及び隙間部の容量Q2は、より詳細には、
図18に示された部分の容量である。
【0065】(実施例7)図22に示すような、溜部1
51及び温度調節手段46を備え、約45°の傾斜面を
なす段差部155を有するハニカム構造体成形装置を用
い、隙間部7の隙間間隔が0.3mmになるように、口
金4及び押さえ板5をセットし、押さえ板5の温度制御
範囲を10℃〜30℃として、成形原料Aを用いて押出
成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。尚、温度調
節手段46は、実施例4と同じ方法を用い、溜部151
は、実施例6に示す溜部と同じ大きさである。
【0066】(実施例8)図23に示すような、溜部1
51及び隙間調節手段130を備え、約45°の傾斜面
をなす段差部155を有するハニカム構造体成形装置を
用い、隙間部7の隙間間隔が0.3mmになるように、
口金4及び押さえ板5をセットし、成形原料Aを用いて
押出成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。尚、溜
部151は、実施例6に示す溜部と同じ大きさである。
【0067】(実施例9)図24に示すような、溜部1
51、温度調節手段46、及び、隙間調節手段130を
備え、約45°の傾斜面をなす段差部155を有するハ
ニカム構造体成形装置を用い、隙間部7の隙間間隔が
0.3mmになるように、口金4及び押さえ板5をセッ
トし、押さえ板5の温度制御範囲を10℃〜30℃とし
て、成形原料Aを用いて押出成形を行い、外壁形成不良
の評価を行った。尚、温度調節手段46は、実施例4と
同じ方法を用い、溜部151は、実施例6に示す溜部と
同じ大きさである。
【0068】(実施例10)図25に示すような、約9
0°の垂直面をなす段差部165を有するハニカム構造
体成形装置を用いた以外は、実施例1と同様にして押出
成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。
【0069】(実施例11)図26に示すような、約9
0°の垂直面をなす段差部165を有するハニカム構造
体成形装置を用いた以外は、実施例6と同様にして押出
成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。
【0070】(実施例12)図30に示すような、隙間
調節手段133を備えたハニカム構造体成形装置を用い
た以外は、実施例1と同様にして押出成形を行い、外壁
形成不良の評価を行った。
【0071】(実施例13)図24に示すように、押さ
え板5において温度調節手段46が口金の段差部155
に対向して備わるのではなく、図31に示すように、温
度調節手段46が押さえ板5の可撓部132に設けられ
たハニカム構造体成形装置を用いた以外は、実施例9と
同様にして押出成形を行い、外壁形成不良の評価を行っ
た。
【0072】(比較例1)図27に示すような、約45
°の傾斜面をなす段差部155を有するハニカム構造体
成形装置を用いて、隙間部7の隙間間隔が0.3mmに
なるように、口金4及び押さえ板5をセットし、成形原
料Aを用いて押出成形を行い、外壁形成不良の評価を行
った。
【0073】(比較例2)成形原料Bを用いた以外は比
較例1と同様にして押出成形を行い、外壁形成不良の評
価を行った。
【0074】(比較例3)溜部の凹部を、その容量Q1
と、隙間部の容量Q2とが、Q1/Q2=1.5となる
ような大きさで形成した以外は、実施例6と同様にして
押出成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。
【0075】(比較例4)押さえ板5の温度制御範囲を
36℃〜40℃とした以外は、実施例7と同様にして押
出成形を行い、外壁形成不良の評価を行った。
【0076】(比較例5)押さえ板5の温度制御範囲を
0℃〜4℃とした以外は、実施例7と同様にして押出成
形を行い、外壁形成不良の評価を行った。
【0077】(比較例6)押さえ板5の温度制御範囲を
36℃〜40℃とした以外は、実施例9と同様にして押
出成形を行い外壁形成不良の評価を行った。
【0078】(比較例7)図28に示すような、約90
°の垂直面をなす段差部165を有するハニカム構造体
成形装置を用いた以外は、比較例1と同様にして押出成
形を行い外壁形成不良の評価を行った。
【0079】(比較例8)図29に示すような、温度調
節手段46を備えたハニカム構造体成形装置を用いた以
外は、比較例1と同様にして押出成形を行い外壁形成不
良の評価を行った。
【0080】(評価)以上の実施例1〜13、比較例1
〜8の評価結果を表3に示す。表3から明らかなよう
に、本発明の特定範囲内の場合には、その範囲外の場合
及び従来の場合に比して、外壁形成不良を抑制すること
が出来ることがわかる。
【0081】
【表3】
【0082】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のハニカ
ム構造体成形装置及び成形方法によれば、ハニカム構造
体の外壁の成形速度を、容易に、微調整したり、若しく
は、一定に保つことが可能となり、ササクレ、波壁、曲
がり等の外壁形成不良を防止することが出来る。従っ
て、歩留まりよくハニカム構造体を製造することが可能
となり、より製造コストを低減することが出来るといっ
た優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置の一
実施例を示す断面図である。
【図2】 従来の金属ハニカム体製造装置の一例を示す
一部分の立面断面図である。
【図3】 従来のセラミック製ハニカム構造体成形装置
の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明の温度調節手段を備えるハニカム構造
体成形装置の一実施例を示す断面図である。
【図5】 従来のハニカム構造体成形装置の一実施例を
示す断面図である。
【図6】 ハニカム構造体の一例を示す部分拡大図であ
る。
【図7】 ハニカム構造体の一例を示す斜視図である。
【図8】 ハニカム構造体の一例を示す正面図である。
【図9】 ハニカム構造体の外壁形成不良の一例を示す
正面図である。
【図10】 ハニカム構造体の外壁形成不良の一例を示
す斜視図である。
【図11】 ハニカム構造体の外壁形成不良の他の一例
を示す正面図である。
【図12】 ハニカム構造体の外壁形成不良の他の一例
を示す斜視図である。
【図13】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置の
一実施例を示す部分拡大断面図である。
【図14】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置の
一例の動作説明図である。
【図15】 本発明の第2のハニカム構造体成形装置の
一実施例を示す部分拡大断面図である。
【図16】 本発明の第2のハニカム構造体成形装置の
他の一実施例を示す部分拡大断面図である。
【図17】 本発明の第1のハニカム構造体成形装置に
おける隙間間隔調節手段の二例を示す部分拡大断面図で
ある。
【図18】 本発明の第2のハニカム構造体成形装置の
他の一実施例を示す部分拡大断面図である。
【図19】 実施例1に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図20】 実施例4に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図21】 実施例6に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図22】 実施例7に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図23】 実施例8に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図24】 実施例9に用いた本発明のハニカム構造体
成形装置の部分拡大断面図である。
【図25】 実施例10に用いた本発明のハニカム構造
体成形装置の部分拡大断面図である。
【図26】 実施例11に用いた本発明のハニカム構造
体成形装置の部分拡大断面図である。
【図27】 比較例1に用いた従来のハニカム構造体成
形装置の部分拡大断面図である。
【図28】 比較例7に用いた従来のハニカム構造体成
形装置の部分拡大断面図である。
【図29】 比較例8に用いた従来のハニカム構造体成
形装置の部分拡大断面図である。
【図30】 実施例12に用いた本発明のハニカム構造
体成形装置の部分拡大断面図である。
【図31】 実施例13に用いた本発明のハニカム構造
体成形装置の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
1…第1のハニカム構造体成形装置、2…スリット部、
3…裏孔部、4…口金、5…押さえ板、7…隙間部、8
…押さえ治具、9…裏押さえ板、11…内側部、12…
外周部、13…(内側部)スリット、14…(外周部)
スリット、15…段差部、18…ダイホルダ、20…金
属ハニカム体製造装置、21…環状リザーバ、22…マ
スク、23…排出スロット、24…ダイ、28…スキン
形成隙間、30…ハニカム構造体の成形装置、31…ス
リット、32…ハニカム構造体、33…金型、34…ガ
イドリング、35…開口縁部、36…プール部、37…
温度調整装置、40…ハニカム構造体成形装置(温度調
節手段付き)、41…送水装置、42…送水配管、43
…中空通路、44…口金、45…押さえ板、46…温度
調節手段、48…押さえ治具、49…断熱材、50…ハ
ニカム構造体成形装置(従来装置)、52…スリット
部、53…裏孔部、54…口金、55…押さえ板、57
…隙間部、58…押さえ治具、59…裏押さえ板、61
…ハニカム構造体、62…外壁、63…セル、64…隔
壁、71…内側部、72…外周部、73…(内側部)ス
リット、74…(外周部)スリット、75…段差部、9
1…ハニカム構造体、92…波壁部、95…ハニカム構
造体、96…ササクレ部、130…隙間調節手段、13
1…調節器具、132…可撓部、133…隙間調節手
段、134…可撓部、140…第2のハニカム構造体成
形装置、142…スリット、143…裏孔部、144…
口金、145…押さえ板、147…隙間部、151…溜
部、152…外周部、153…(内側部)スリット、1
54…(外周部)スリット、155…段差部、165…
段差部。
フロントページの続き (72)発明者 近藤 好正 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4G054 AA05 AB09 BD16 BD19

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカム構造体を押出成形するハニカム
    構造体成形装置であって、 少なくとも、成形原料を導入する裏孔部と前記成形原料
    を押し出すスリット部を備える口金と、前記口金を固定
    する押さえ板と、を有し、 前記口金は、内側部と外周部とからなり、前記内側部が
    下流側に突出し前記外周部との間に段差部が形成され、 前記押さえ板は、前記口金の内側部に対向して開口され
    るとともに、隙間部を介して前記口金の外周部下流側を
    押さえてなり、 前記隙間部の隙間間隔を可変とする隙間調節手段を備え
    ることを特徴とするハニカム構造体成形装置。
  2. 【請求項2】 前記成形原料が、セラミックス粉末及び
    金属粉末の一方又は双方並びに成形助剤を、少なくとも
    含有する混合原料である請求項1に記載のハニカム構造
    体成形装置。
  3. 【請求項3】 前記隙間調節手段が、 前記押さえ板に備わる可撓部と、前記可撓部を撓ませる
    調整器具と、からなり、前記調整器具により前記可撓部
    を撓ませて所望の位置に固定し、前記隙間間隔を調節す
    る請求項1又は2に記載のハニカム構造体成形装置。
  4. 【請求項4】 前記調整器具が、前記押さえ板を貫通
    し、頭部が前記押さえ板の上面に露出するネジである請
    求項3に記載のハニカム構造体成形装置。
  5. 【請求項5】 前記隙間調節手段が、 前記押さえ板の内周端部に、前記口金の外周部の最内部
    と対向して設けられ、前記押さえ板の内周を等間隔に区
    分して、複数備わる請求項3又は4に記載のハニカム構
    造体成形装置。
  6. 【請求項6】 前記隙間調節手段の隙間間隔調節範囲
    が、略0乃至0.50mmである請求項1〜5の何れか
    一項に記載のハニカム構造体成形装置。
  7. 【請求項7】 セラミックス粉末並びに成形助剤を少な
    くとも含有する成形原料を、押出成形してハニカム構造
    体を得るハニカム構造体成形装置であって、 少なくとも、前記成形原料を導入する裏孔部と前記成形
    原料を押し出すスリット部を備える口金と、前記口金を
    固定する押さえ板と、を有し、 前記口金は、内側部と外周部とからなり、前記内側部が
    下流側に突出し前記外周部との間に段差部が形成され、 前記押さえ板は、前記口金の内側部に対向して開口され
    るとともに、隙間部を介して前記口金の外周部下流側を
    押さえてなり、 前記押さえ板において、前記口金の外周部下流側と対向
    する面の最内端から前記隙間部を挟んで所定長さだけ外
    側に、環状の凹部からなる溜部を備えることを特徴とす
    るハニカム構造体成形装置。
  8. 【請求項8】 前記溜部の凹部容量が、前記溜部より内
    側で且つ前記口金と平行をなす隙間部容量の1.8倍で
    ある請求項7に記載のハニカム構造体成形装置。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の前記隙間調節手段を併
    設する請求項7に記載のハニカム構造体成形装置。
  10. 【請求項10】 前記成形原料の温度を変更し得る温度
    調節手段を備える請求項1〜9の何れか一項に記載のハ
    ニカム構造体成形装置。
  11. 【請求項11】 前記温度調節手段が、 少なくとも、前記押さえ板内に設けられる中空通路と、
    前記中空通路に所望の水温の循環水を流す送水装置と、
    を有し、 前記押さえ板の温度を変更して、前記成形原料の温度を
    調節する請求項10に記載のハニカム構造体成形装置。
  12. 【請求項12】 前記温度調節手段の温度調節範囲が、
    5〜35℃である請求項10又は11に記載のハニカム
    構造体成形装置。
  13. 【請求項13】 前記温度調節手段が、前記押さえ板又
    は/及び前記口金に温度調節計を備え、自動温度調節可
    能である請求項10〜12の何れか一項に記載のハニカ
    ム構造体成形装置。
  14. 【請求項14】 前記段差部が、略30乃至60°の傾
    斜面をなすテーパ状口金を有する請求項1、7又は9に
    記載のハニカム構造体成形装置。
  15. 【請求項15】 前記段差部が、略90°の傾斜面をな
    す直角状口金を有する請求項1、7又は9に記載のハニ
    カム構造体成形装置。
  16. 【請求項16】 前記ハニカム構造体が、セル隔壁表面
    又は/及び隔壁内部の細孔内表面に触媒が担持されて、
    自動車の排ガス浄化用触媒担体として用いられる請求項
    1〜15の何れか一項に記載のハニカム構造体成形装
    置。
  17. 【請求項17】 セラミックス粉末及び金属粉末の一方
    又は双方、並びに成形助剤を少なくとも含有する成形原
    料を、押出成形してハニカム構造体を得るハニカム構造
    体成形方法であって、 少なくとも、前記成形原料を導入する裏孔部と前記成形
    原料を押し出すスリット部を備える口金と、前記口金を
    固定する押さえ板と、を有し、前記口金は内側部と外周
    部とからなり、前記内側部が下流側に突出し、前記外周
    部との間に段差部が形成され、前記押さえ板は、前記口
    金の内側部に対向して開口されるとともに、隙間部を介
    して前記口金の外周部下流側を押さえるハニカム構造体
    成形装置を用いて、 前記隙間部の隙間間隔を調節して前記成形原料を押し出
    すことにより、均一な厚さの外壁を形成し得ることを特
    徴とするハニカム構造体成形方法。
  18. 【請求項18】 前記外壁の厚さのバラツキが、略±
    0.05mmである請求項17に記載のハニカム構造体
    成形方法。
  19. 【請求項19】 セラミックス粉末並びに成形助剤を少
    なくとも含有する成形原料を、押出成形してハニカム構
    造体を得るハニカム構造体成形方法であって、 少なくとも、前記成形原料を導入する裏孔部と前記成形
    原料を押し出すスリット部を備える口金と、前記口金を
    固定する押さえ板と、を有し、前記口金は内側部と外周
    部とからなり、前記内側部が下流側に突出し、前記外周
    部との間に段差部が形成され、前記押さえ板は、前記口
    金の内側部に対向して開口されるとともに、隙間部を介
    して前記口金の外周部下流側を押さえ、 前記押さえ板において、前記口金の外周部下流側と対向
    する面の最内端から前記隙間部を挟んで所定長さだけ外
    側に、環状の凹部からなる溜部を備えるハニカム構造体
    成形装置を用いて、 前記溜部を経て前記成形原料を押し出すことによって形
    成される外壁が、均一な厚さを有することを特徴とする
    ハニカム構造体成形方法。
  20. 【請求項20】 前記外壁の厚さのバラツキが、略±
    0.05mmである請求項19に記載のハニカム構造体
    成形方法。
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