JPH0994364A - シートのトリムカバー接着型構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】トリムカバーを損傷することなく型に位置決め
できるようにすることである。 【構成】トリムカバー（Ｃ）の接ぎ合わせ個所に挿込む
係止部材（１）を剛性を有する線材をループ状に折曲さ
せてなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車用シート（座
席）などの車両用シートにおけるトリムカバーを発泡体
製パッドに接着する型に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、パッドにトリムカバーを加圧し
て、パッドの所定位置にトリムカバーを接着するには、
パッドに対応するトリムカバーの位置ズレを防止するた
めに、トリムカバーの位置決め用針を設けた型に、トリ
ムカバーを突き刺して型に固定し、次に、このトリムカ
バーをパッドに加圧して接着するものがある（例えば、
特願平１ー３０５０７号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この方法によると、ト
リムカバーを針で突き刺すことにより固定するため、ト
リムカバー側に針孔が開孔され、また、トリムカバーを
構成する生地の繊維、糸を針で切断する虞れがある。そ
して、トリムカバーは加圧してパッドに接着するため、
トリムカバーの加圧時にトリムカバーに張力が生じ、こ
の張力によって前記針孔が拡大したり、針孔からトリム
カバーが破損する虞れがあった。一方、トリムカバーに
は身頃に対して額縁を接ぎ合わせて縫製したものがあ
り、このトリムカバーを裏返して加圧型に載置すると、
接ぎ合わせ個所が加圧面より山形状に突出する。そこ
で、本発明は加圧面に対して接ぎ合わせ個所が山形状に
突出するトリムカバーを損傷することなく的確にパッド
に接着し得る型を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めの本発明に係るシートのトリムカバー接着型構造は、
シートを構成する発泡体製パッドに、接ぎ合わせて縫製
してなるトリムカバーを加圧して接着する接着型におい
て、前記トリムカバーを載置する型の加圧面におけるト
リムカバーの接ぎ合わせ個所に対応する位置に、トリム
カバーの接ぎ合わせ個所に挿込むループ状の折曲してな
る剛性線材製の係止部材を設けたことを特徴とするもの
である。トリムカバーの接ぎ合わせ個所に、トリムカバ
ーを裏返して載置する型に設けた係止部材が挿入される
ため、トリムカバーは型の押圧面の所定位置に位置決め
される。

【０００５】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は、トリムカバー（Ｃ）をプレスの下型
（Ｌ）にセットする状態を示し、トリムカバー（Ｃ）は
身頃（１０）に対して額縁（１１）が接ぎ合わされてお
り、このトリムカバー（１０）（１１）は裏返して下型
（Ｌ）上にセットされる。

【０００６】下型（Ｌ）には図４に示すようにパッド
（２）の凹溝（２１）に対応する位置に突条（２）が形
成されている。図示する身頃（１０）、額縁（１１）
は、いずれも表皮（１０Ａ）（１１Ａ）、発泡体（ウレ
タンフォームのスラブ材）製ワディング（１０Ｂ）（１
１Ｂ）、ワディングカバー（１０Ｃ）（１１Ｃ）を積層
したものであり、縫糸（１２）によって一体に接ぎ合わ
されている。

【０００７】前記突条（２）はパッド（Ｐ）の凹溝（２
１）における長さ、深さに対応する金属プレートで、こ
の突条（２）の頂面に、複数の係止部材（１）（１）が
一体に突設されている。

【０００８】各係止部材（１）は、線径が１ミリ程度の
断面円形の鋼線でループ状に折曲され、基端部が突条
（２）に一体に溶接されている。

【０００９】そして、この係止部材（１）は、図１、図
２に示すように、先端部が山形状に形成され、前記身頃
（１０）と額縁（１１）との接ぎ合わせ個所に図５に示
すように、挿入し易いようになっている。

【００１０】また、係止部材（１）は図３に示すように
突条（２）の長手方向に沿って平行に突条（２）に突設
され、トリムカバー（Ｃ）が下型（Ｌ）上に載置して上
型（Ｕ）で加圧されてパッド（Ｐ）に接着される際に、
突条（２）に対して直交方向の力がトリムカバー（Ｃ）
に作用するが、その力によって係止部材（１）が変形し
ないように形成されている。

【００１１】更に、係止部材（１）は内径方向に弾性が
生じ、突条（２）に固設する基部に対して頭部が拡大状
に形成され、係止部材（１）がトリムカバー（Ｃ）の接
ぎ合わせ個所における縫糸（１２）（１２）間に挿入し
易く、挿入した係止部材（１）からトリムカバー（Ｃ）
が外れないようにしている。

【００１２】図４は加圧面を上向きにした下型（Ｌ）上
にトリムカバー（Ｃ）を裏返して前記係止部材（１）及
び突条（２）によって位置決めし、一方、上型（Ｕ）に
はシートを構成する発泡体製のパッド（Ｐ）を下向きに
固定して、トリムカバー（Ｃ）をパッド（Ｐ）に接着す
る状態を示す。

【００１３】トリムカバー（Ｃ）は、身頃（１０）と額
縁（１１）との接ぎ合わせ個所が突条（２）の嵌入によ
って下型（Ｌ）に仮止されて位置決めされ、突条（２）
より突出する係止部材（１）が図５に示すように、トリ
ムカバー（Ｃ）の接ぎ合わせ個所に挿し込まれることに
より、トリムカバー（Ｃ）は下型（Ｌ）に位置決めされ
て固定される。

【００１４】これにより、上型（Ｕ）のパッド（Ｐ）に
対するトリムカバー（Ｃ）の相対的な位置決めがなされ
る。そして、パッド（Ｐ）とトリムカバー（Ｃ）のいず
れか一方、又は双方の接合面に接着剤を塗布した後、上
型（Ｕ）を下降させてパッド（Ｐ）をトリムカバー
（Ｃ）に加圧すると、トリムカバー（Ｃ）の接ぎ合わせ
個所がパッド（Ｐ）の凹溝（２１）内に嵌入して、トリ
ムカバー（Ｃ）がパッド（Ｐ）に接着される。

【００１５】なお、パッド（Ｐ）はシートクッション、
又はシートバックの略外形形状にモールド加工したウレ
タンフォームである。

【００１６】図示する係止部材（１）はその全体形状が
略矢印状であるが、全体形状を山形状、半円弧状等に形
成してもよい。

【００１７】

【発明の効果】本発明によれば、トリムカバーの接ぎ合
わせ個所を挿込み固定する係止部材がループ状に折曲し
てなる剛性線材で形成されているため、トリムカバーを
損傷することなく型に位置決めできる。そして、位置決
めした状態で、係止部材からトリムカバーが外れ難い
し、また、トリムカバーの接ぎ合わせ個所に係止部材が
挿込み易く、型に対するトリムカバーの位置決めの作業
性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る型にトリムカバーを位置決めする
状態の部分切欠斜視図である。

【図２】本発明に係る型の断面図である。

【図３】図２のIIIーIII線に沿う断面図である。

【図４】本発明に係る型の使用状態を示す断面図であ
る。

【図５】図４におけるＡ部の拡大図である。

【符号の説明】

Ｐ パッド Ｃ トリムカバー Ｌ 型 １ 係止部材

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートを構成する発泡体製パッドに、接
   ぎ合わせて縫製してなるトリムカバーを加圧して接着す
   る接着型において、 前記トリムカバーを載置する型の加圧面におけるトリム
   カバーの接ぎ合わせ個所に対応する位置に、トリムカバ
   ーの接ぎ合わせ個所に挿込むループ状の折曲してなる剛
   性線材製の係止部材を設けたことを特徴とするシートの
   トリムカバー接着型構造。
2. 【請求項２】 前記係止部材は先端部が山形状に形成
   し、トリムカバーの接ぎ合わせ方向に向けて固設してな
   る前記請求項１記載のシートのトリムカバー接着型構
   造。
3. 【請求項３】 前記係止部材は内方に弾性を有する鋼線
   からなる請求項１記載のシートのトリムカバー接着型構
   造。
4. 【請求項４】 前記係止部材はトリムカバーの接ぎ合わ
   せ個所を仮止めする突条に設けてなる請求項１記載のシ
   ートのトリムカバー接着構造。